JP7767229B2 - 粉末状水硬性組成物 - Google Patents
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Description
特許文献2には、粉体原料としての高炉スラグ微粉末及びフライアッシュと、細骨材と、シリカフュームと、アルカリ源としての水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムと、水と、を含み、高炉スラグ微粉末の粉体原料に対する容量比:BFS/Pが35~80%であり、シリカフュームに含まれるケイ素のアルカリ源に対するモル比:Si/Aが0.05~0.35であり、アルカリ源の水に対するモル比:A/Wが0.1~0.3である、ジオポリマー組成物が開示されている。
非特許文献2には、アルカリ溶液を用いずに、アルミナシリカ微粉末と、粉体のアルカリ化合物と、骨材を配合して成る一剤型のジオポリマーが開示されている。
しかしながら、粉末状のアルカリ化合物としてメタケイ酸塩水和物を配合すると、水溶液として添加した場合に比して硬化体の強度が低下したり、粉末状のメタケイ酸塩水和物の低い流動性のためハンドリング性が損なわれたりするという課題があった。
本発明は、ハンドリング性に優れ、硬化体が良好な強度を示す粉末状水硬性組成物を提供する。
該混合物を前記メタケイ酸塩水和物の融点未満の温度に冷却して、(A)細骨材と該細骨材の表面に形成されたメタケイ酸塩水和物を含む無機系粘結剤層とを有する被覆細骨材〔以下、(A)成分という〕を得る工程(2)と、
(A)成分と(B)アルミナシリカ微粉末とを混合する工程(3)と、
を含む、粉末状水硬性組成物の製造方法に関する。
該水硬性スラリーを養生して硬化体を得る工程(II)と、
を含む、硬化体の製造方法に関する。
本発明は、産業副産物や廃棄物の有効活用、CO2排出量低減など寄与することから、近年、持続的な社会実現のために提唱されているSDGsの、例えば、No.7、9、11、12、13などに貢献する技術となり得ると考えられる。
(A)成分に用いられる細骨材は、一般に、ケイ酸化合物を主成分とする多孔質構造を有するが、多孔質構造中には気体(空気、水蒸気)が存在し、無機系粘結剤の表面張力や多孔質構造中の気圧により、多孔質構造中への無機系粘結剤の浸潤は限定的であると考えられる。本発明では、多孔質構造を有する細骨材にメタケイ酸塩水和物を含む無機系粘結剤層を形成する過程で該多孔質構造中にメタケイ酸塩水和物を含む無機系粘結剤が浸潤することで、粉末の流動性が向上するとともに、該無機系粘結剤と細骨材の接触表面積が増大し、硬化の過程で該無機系粘結剤と細骨材がより強固に結合することで、硬化体の強度発現性を向上するものと考察される。
また、(B)成分のアルミナシリカ微粉末は、メタケイ酸塩水和物と液架橋力等の粒子間力によって凝集し粉末の流動性を損なう傾向にあるが、上記(A)成分に用いられる細骨材への無機系粘結剤の浸潤によって、メタケイ酸塩水和物とアルミナシリカ微粉末との接触面積が低減し、粉末の流動性の低下が抑制されて良好な流動性が得られるものと考えられる。本発明の粉末状水硬性組成物に水を添加して調製した水硬性スラリーを調製する際には、上記(A)成分に用いられる細骨材へ浸潤したメタケイ酸塩水和物が速やかに水溶するため、(B)成分のアルミナシリカ微粉末との反応も円滑に進行し、硬化体強度の発現に寄与するものと考察される。
なお、本発明の作用機構はこれに限定されるものではない。
本発明の粉末状水硬性組成物は、(A)成分の所定の被覆細骨材と(B)成分のアルミナシリカ微粉末とを含む。
また、球形度の上限値については、具体的には1以下である。
本実施形態において、(A)成分の平均粒子径は、下記方法により測定することができる。
粒子の粒子投影断面からの球形度=1の場合は直径(mm)を測定し、一方、球形度<1の場合はランダムに配向させた粒子の長軸径(mm)と短軸径(mm)を測定して(長軸径+短軸径)/2を求め、任意の100個の粒子につき、それぞれ得られた値を平均して平均粒径(mm)とする。長軸径と短軸径は、以下のように定義される。粒子を平面上に安定させ、その粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最小となる粒子の幅を短軸径といい、一方、この平行線に直角な方向の2本の平行線で粒子をはさむときの距離を長軸径という。
粒子の長軸径と短軸径は、光学顕微鏡又はデジタルスコープ(例えば、キーエンス社製、VH-8000型)により該粒子の像(写真)を撮影し、得られた像を画像解析することにより求めることができる。
天然砂としては、例えば、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、天然軽量細骨材、及びこれらの砕砂等が挙げられる。
人工砂としては、例えば、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、人工軽量細骨材、再生細骨材、合成ムライト砂、SiO2を主成分とするSiO2系の人工砂、Al2O3を主成分とするAl2O3系の人工砂、SiO2/Al2O3系の人工砂、SiO2/MgO系の人工砂、SiO2/Al2O3/ZrO2系の人工砂、SiO2/Al2O3/Fe2O3系の人工砂等が挙げられる。ここで、主成分とは、砂の含有成分の中で最も多い成分をいう。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
細骨材の非晶化度の下限は限定されないが、例えば、0%以上であり、1%以上であってもよい。
細骨材を乳鉢で粉砕し、粉末X線回折装置のX線ガラスホルダーに圧着して測定する。粉末X線回折装置は、理学電機社製MultiFlex(光源CuKα線、管電圧40kV、管電流40mA)を用い、2θ=5~90°の範囲で走査間隔0.01°、走査速度2°/min、スリット DS1、SS1、RS0.3mmにて行う。2θ=10°~50°の範囲で、低角度側及び高角度側のX線強度を直線で結び、直線下の面積をバックグラウンドとし、機器付属のソフトを用いて結晶化度を求め、100から引いて非晶化度とする。具体的には、バックグラウンドより上の面積について、非晶質ピーク(ハロー)と各結晶性成分をカーブフィッティングにより分離し、それぞれの面積を求め、下記式にて非晶化度(%)を計算する。
非晶化度(%)=ハローの面積/(結晶性成分面積+ハロー面積)×100
また、球形度の上限値については、具体的には1以下である。
細骨材の球形度は、(A)成分の球形度と同様の方法で測定することができる。
細骨材の平均粒子径は、(A)成分の平均粒子径と同様の方法で測定することができる。
(B)成分のアルミナシリカ微粉末としては、例えば、アルミノシリケート(xM2O・yAl2O3・zSiO2・nH2O、Mはアルカリ金属)を含有する微粉末が挙げられる。
(B)成分は、アルカリ化合物及び/又はその水溶液との接触により、アルミニウムやケイ素等の陽イオンを溶出し、それらの供給源となる作用を有する。
高炉スラグ微粉末は、高炉で鉄を精製する際の副産物で、酸化カルシウム(CaO)、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)を主成分とし、JIS A 6206に規格が規定されている。本発明において、特に使用する高炉スラグ微粉末は、CaOの含有率が30質量%以上60質量%以下の範囲にあるものが好ましい。
フライアッシュは、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)を主成分とし、JIS A 6201において、粒度やフロー値に基づきI~IV種(JIS A6201)に規格が規定されている。その粒度が細かく反応性に富むJIS I種、II種が適している。フライアッシュ中のCaOの含有率は、10.1質量%以下であってよい。
本発明は、メタケイ酸塩水和物と細骨材とを、前記メタケイ酸塩水和物の融点以上の温度で混合して混合物を得る工程(1)と、
該混合物を前記メタケイ酸塩水和物の融点未満の温度に冷却して、(A)細骨材と該細骨材の表面に形成されたメタケイ酸塩水和物を含む無機系粘結剤層とを有する被覆細骨材〔以下、(A)成分という〕を得る工程(2)と、
(A)成分と(B)アルミナシリカ微粉末〔以下、(B)成分という〕とを混合する工程(3)と、
を含む、粉末状水硬性組成物の製造方法に関する。
メタケイ酸塩水和物の融点以上の温度にてメタケイ酸塩水和物を混合する方法としては、例えば、メタケイ酸塩水和物の融点以上の温度に加熱した細骨材にメタケイ酸塩水和物を投入し、メタケイ酸塩水和物を融解させながら細骨材とメタケイ酸塩水和物とを混合する方法[工程(1A)]、加熱融解させたメタケイ酸塩水和物を細骨材に投入し、混合する方法[工程(1B)]が挙げられる。被覆に要する時間を短くできる観点から、工程(1B)が好ましい。
本発明は、前記本発明の粉末状水硬性組成物と水とを配合してなる、水硬性スラリーに関する。
水は、水硬性スラリーの硬化体の流動性の観点から、本発明の粉末状水硬性組成物100質量部に対して、例えば、1質量部以上、更に5質量部以上、更に10質量部以上、そして、水硬性スラリーの硬化体の強度発現性の観点から、50質量部以下、更に35質量部以下、更に20質量部以下の量で配合することができる。
本発明は、前記本発明の粉末状水硬性組成物と水とを混合して水硬性スラリーを得る工程(I)と、
該水硬性スラリーを養生して硬化体を得る工程(II)と、
を含む、硬化体の製造方法に関する。
本発明は、細骨材と該細骨材の表面に形成されたメタケイ酸塩水和物を含む無機系粘結剤層とを有する被覆細骨材〔(A)成分〕を含む、粉末状水硬性組成用添加剤に関する。
本発明の粉末状水硬性組成用添加剤には、本発明の粉末状水硬性組成物で述べた事項を適宜適用することができる。本発明の粉末状水硬性組成用添加剤における(A)成分の具体例や好ましい例なども、本発明の粉末状水硬性組成物と同じである。
本発明の粉末状水硬性組成用添加剤は、粉末状の水硬性組成物に用いられる添加剤である。本発明の粉末状水硬性組成用添加剤は、ジオポリマーの形成のための粉末組成物に用いられる添加剤であってよい。
本発明の粉末状水硬性組成用添加剤は、(A)成分からなる添加剤であってよい。
・細骨材:山砂(京都市城陽産、表乾比重2.54、粗粒率2.73、非晶化度1.1%、球形度0.86、平均粒径0.6mm、絶乾状態)
・無機系粘結剤1:メタケイ酸ナトリウム9水和物(融点48℃、富士フイルム和光純薬株式会社製)
・無機系粘結剤2:メタケイ酸ナトリウム5水和物(融点72℃、Sodium metasilicate pentahydrate、Sigma-Aldrich Co. LLC製)
・アルミナシリカ微粉末1:高炉スラグ微粉末(ブレーン比表面積:4,200cm2/g、アルミナ/シリカモル比=0.25)
・アルミナシリカ微粉末2:フライアッシュ(JIS II種、ブレーン比表面積:3,500cm2/g、アルミナ/シリカモル比=0.26)
・上水道水(和歌山市上水)
(1)被覆細骨材の調製(実施例)
上記無機系粘結剤をウォーターバスで加熱(80℃・1時間)し、融液を得た。次いで、JIS R 5201記載のホバート式ミキサーに、加熱して絶乾状態に調整した細骨材(80℃)を投入し、140rpmで撹拌を開始した。そこに無機系粘結剤の融液を、水硬性スラリー中の組成が表1記載の質量部となるように添加し、140rpmで5分間混練した。その後、室温(20℃)まで自然放熱し、本発明の無機系粘結剤層が表面に形成された被覆細骨材を、収率99.3%で得た。この際、得られた無機系粘結剤層が表面に形成された被覆細骨材は、安息角33.6°、球形度0.88、平均粒径0.6mmであった。
(1)で得た被覆細骨材とアルミナシリカ微粉末を、JIS R 5201記載のホバート式ミキサーに、水硬性スラリー中の組成が表1記載の質量部となるように添加し、140rpmで20秒間混合することで、実施例の粉末水硬性組成物(プレミックス)を調製した。
比較例では、被覆細骨材を用いずに、絶乾状態に調整した細骨材、無機系粘結剤及びアルミナシリカ微粉末を、それぞれ独立して、水硬性スラリー中の組成が表1記載の質量部となるように添加し、140rpmで20秒間混合することで、粉末水硬性組成物(プレミックス)を調製した。
(2)で調製した粉末水硬性組成物(プレミックス)及び上水道水を、表1の質量部で、JIS R 5201記載のホバート式ミキサーに添加し、140rpmで180秒間混合することで水硬性スラリーを調製した。
次いで、調製直後の水硬性スラリーを用い、JSCE-F 506に準じてφ5×10cmのモルタル供試体を作製し、20℃、7日の封緘養生の後脱型し、JSCE-G 505に準じて圧縮強度試験を実施して、n=2の平均値として一軸圧縮強度(N/mm2)を記録した。結果を表1に示す。
実施例1及び比較例1と同様に、ただし、配合成分及び質量部を表1のように変更して、粉末水硬性組成物(プレミックス)を調製し、一軸圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
(1)安息角の測定
実施例1及び比較例1の粉末水硬性組成物とその調製に用いた成分などについて安息角を測定した。すなわち、(イ)実施例1の粉末水硬性組成物(プレミックス)、(ロ)比較例1の粉末水硬性組成物(プレミックス)、(ハ)細骨材(未被覆)、(ニ)無機系粘結剤1を用いて得た被覆細骨材、(ホ)無機系粘結剤1、(ヘ)アルミナシリカ微粉末1、及び(ト)アルミナシリカ微粉末2の安息角を、それぞれ、安息角測定器ASK-01(アズワン株式会社製)を用いて測定した。結果を表2に示す。
Claims (11)
- (A)細骨材と該細骨材の表面に形成されたメタケイ酸塩水和物を含む無機系粘結剤層とを有する被覆細骨材〔以下、(A)成分という〕、及び(B)アルミナシリカ微粉末〔以下、(B)成分という〕を含む、粉末状水硬性組成物。
- 前記メタケイ酸塩水和物が、メタケイ酸ナトリウム5水和物及びメタケイ酸ナトリウム9水和物から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の粉末状水硬性組成物。
- セメントを任意に含有し、セメントの含有量が、(B)成分100質量部に対して、30質量部未満である、請求項1又は2に記載の粉末状水硬性組成物。
- メタケイ酸塩水和物と細骨材とを、前記メタケイ酸塩水和物の融点以上の温度で混合して混合物を得る工程(1)と、
該混合物を前記メタケイ酸塩水和物の融点未満の温度に冷却して、(A)細骨材と該細骨材の表面に形成されたメタケイ酸塩水和物を含む無機系粘結剤層とを有する被覆細骨材〔以下、(A)成分という〕を得る工程(2)と、
(A)成分と(B)アルミナシリカ微粉末とを混合する工程(3)と、
を含む、粉末状水硬性組成物の製造方法。 - (A)細骨材と該細骨材の表面に形成されたメタケイ酸塩水和物を含む無機系粘結剤層とを有する被覆細骨材〔以下、(A)成分という〕、及び(B)アルミナシリカ微粉末〔以下、(B)成分という〕を含む粉末状水硬性組成物と水とを配合してなる、水硬性スラリー。
- 前記メタケイ酸塩水和物が、メタケイ酸ナトリウム5水和物及びメタケイ酸ナトリウム9水和物から選ばれる1種以上である、請求項5に記載の水硬性スラリー。
- セメントを任意に含有し、セメントの含有量が、(B)成分100質量部に対して、30質量部未満である、請求項5又は6に記載の水硬性スラリー。
- (A)細骨材と該細骨材の表面に形成されたメタケイ酸塩水和物を含む無機系粘結剤層とを有する被覆細骨材〔以下、(A)成分という〕、及び(B)アルミナシリカ微粉末〔以下、(B)成分という〕を含む粉末状水硬性組成物と水とを混合して水硬性スラリーを得る工程(I)と、
該水硬性スラリーを養生して硬化体を得る工程(II)と、
を含む、硬化体の製造方法。 - 前記メタケイ酸塩水和物が、メタケイ酸ナトリウム5水和物及びメタケイ酸ナトリウム9水和物から選ばれる1種以上である、請求項8に記載の硬化体の製造方法。
- セメントを任意に含有し、セメントの含有量が、(B)成分100質量部に対して、30質量部未満である、請求項8又は9に記載の硬化体の製造方法。
- 細骨材と該細骨材の表面に形成されたメタケイ酸塩水和物を含む無機系粘結剤層とを有する被覆細骨材を含む、粉末状水硬性組成用添加剤。
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