以下、図面を参照しながら、実施形態に係る車両について説明する。なお、各図中のFR,RRは、車両前後方向前方、後方を、LH,RHは、車幅方向左方、右方を、UP,DNは、車両上下方向上方、下方のそれぞれを示す。なお、以下の説明では、車両前後方向前方、後方、車幅方向左方、右方、車両上下方向上方、下方を、それぞれ単に「車両前方」「車両後方」「車両左方」「車両右方」「上方」「下方」と称する。なお、同一の機能を有する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
実施形態に係る車両は、例えば自動運転制御機能を備える車両Vである。自動運転制御機能は、自車両の周囲の状況や、自車両の状態に基づいて、乗員による操舵、ペダル操作等の運転操作によらず、自車両の走行を自動的に制御する機能である。車両Vは自動運転制御機能を備えるため、乗員による操作を介することなく加減速、及び操舵を自動的に行う自動運転が可能である。なお、当該自動運転には、高速道路を走行している場合等の所定の走行環境下で、乗員による操作を介することなく、車両Vが加減速、及び操舵を自動的に行う場合を含む。また、車両Vが自動運転で走行している状態を単に自動運転中と称する。なお、車両Vは、図示しない車両駆動用バッテリを電源として、図示しない電動モータにより駆動する電気自動車であってもよい。
車両Vは、図9に示すように、車両Vの制御に必要な処理を行うコントローラ60を備える。コントローラ60は、CPU(中央処理装置)、メモリ、入出力部等を備える汎用のマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータには、車両Vを自動運転制御するためのコンピュータプログラムがインストールされていてもよい。当該コンピュータプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータは、車両Vの自動運転を制御できる。
コントローラ60は、自動運転判定部61と、車両制御部62とを備えてもよい。自動運転判定部61は、車両Vが自動運転中か否かを判定する。当該判定は、切替スイッチ63が押下されたことを示す信号である第1トリガ信号が入力されたことに応じて行われてもよい。自動運転判定部61は、車両Vが自動運転中であると判断した場合、自動運転中であることを示す信号である第2トリガ信号を車両制御部62に出力してもよい。車両制御部62は、シート駆動部71、ステアリング駆動部72、ペダル駆動部73、内装部材駆動部74等の制御を行う機能を有する。当該制御は、第1トリガ信号、又は第2トリガ信号が入力されたことに応じて行われてもよい。
図1に示すように、車両Vの車室1の車両前方側における、車室1の底部を構成するフロア部2の上方には、シート5が配設されている。図に例示したシート5は、乗員のうち車両Vの加減速、又は操舵を行う運転者が着座する運転席である。また、運転席の車両左方には、運転者以外の乗員が着座する、図示しないシート5としての助手席が配設されている。シート5は、シートクッション6と、シートバック7と、ヘッドレスト8と、を備えてもよい。なお、図示した例では、シート5の前後方向は車両前後方向に相当する。また、シート5の幅方向は車幅方向に相当する。
シート5は、車室1の床面3に設けられたシート調節機構9に支持されている。シート調節機構9は、シート5の位置を、シート5の前後方向において調節する機構である。シート調節機構9は、例えば、床面3において、車幅方向に所定の距離を隔てて離間し設けられた一対のレール部を備えたスライド機構である。シート5は、当該一対のレール部上を車両前後方向に移動可能に構成されている。
例えば、シートクッション6の底部の車両左方側端部、及び車両右方側端部の各々に、当該一対のレール部の各々に係合可能な図示しない一対の係合部を設け、当該一対の係合部と、当該一対のレール部とを摺動可能に係合させてもよい。これにより、シート5を、当該一対のレール部上において、車両前後方向に所定の範囲で摺動可能に配設することができる。例えば、シート5を図示した矢印Aのように車両後方側にスライドさせることができる。なお、シート5は上下方向と平行な軸周りに回転可能に構成されていてもよい。例えば、シートクッション6とシート調節機構9との間に、シートクッション6を回転可能に支持する図示しない台座部を介在させてもよい。
シート調節機構9は、少なくともシート5の車両前後方向における位置を調節する、車両制御部62によって駆動制御される電動モータ等のシート駆動部71を備えてもよい。これにより、シート調節機構9は、車両制御部62が出力する制御信号に応じてシート5の位置を調節することができる。
図1、又は図3に示すように、車室1における前方壁面4には、インストルメントパネル10が配設されている。また、インストルメントパネル10は、第1内装部材11と、第2内装部材30とを含んでもよい。
インストルメントパネル10は、シート5の車両前後方向前方である車両前方側において、前方壁面4に配設されており、車両Vの車室1における車両前方側の内装を構成する。前方壁面4は、シート5の車両前後方向前方において、車室1の前側内壁面を形成する壁面である。図示した例では、前方壁面4はウインドシールドWと床面3との間で上下方向に延在する、車両前後方向視で略矩形の形状を有する壁面である。
インストルメントパネル10には、ディスプレイ32が配設されていてもよい。図示した例では、第2内装部材30の車両後方側端部に、表示面をシート5側に向けて、ディスプレイ32が配設されている。なお、インストルメントパネル10には、グローブボックス16、図示しないエアコンの送風口等が配設されていてもよい。
ディスプレイ32は、例えば静電容量式の液晶タッチパネルから構成された装置であり、各種情報を表示することができる。ディスプレイ32に表示される情報は、例えば速度等の車両Vに関する情報や、車両Vの走行経路等の車両Vの周囲の環境に関する情報等であってもよい。また、ディスプレイ32の表示面に、後述するドライブポジションとリラックスポジションとを切替える切替スイッチ63等の、乗員が操作可能なスイッチ類を設定してもよい。
第1内装部材11は、前方壁面4から突出する部材である。図示した例では、シート5としての運転席、及び助手席の車両前後方向前方において、第1内装部材11が車幅方向に延在している。また、第1内装部材11は、平面視で略矩形の中空箱形構造を備えており、例えば樹脂から構成されてもよい。なお、第1内装部材11の上面部11aには、例えば綿等の繊維を織って構成した生地が敷設されてもよく、ウレタンフォーム等の芯材を布織物等の外装材で覆って構成したクッションが配設されてもよい。
図示した例では、第1内装部材11の車両前方側は接続部14を介して内装部材調節機構20に支持される。内装部材調節機構20は、第1内装部材11を昇降させることで、シート5の座面6aに対する、第1内装部材11の上面部11aの高さを調節する機構である。
内装部材調節機構20は、図7に示す例では、前方壁面4の車幅方向左方側、及び車幅方向右方側に配設された一対のガイドレール21と、内装部材駆動部74とを備える。一対のガイドレール21は、前方壁面4を構成する車室1の壁部である前方壁部を挟んで、第1内装部材11とは反対側に配設されてよい。また、一対のガイドレール21の各々にはスライダ22が上下方向に摺動可能に配設され、スライダ22には接続部14が接合される。接続部14は、前方壁部に形成された上下方向に延在する一対の開口23を通じて、第1内装部材11と、内装部材調節機構20とを接続する。従って、第1内装部材11は、一対のガイドレール21に昇降可能に支持される。即ち、第1内装部材11は、昇降可能に前方壁面4に配設されている。
内装部材駆動部74は、例えば車両制御部62によって駆動制御される電動モータ24と、上下方向に延在し、電動モータ24により軸周りに回転されるボールねじ25とを備えてもよい。図示した例では、内装部材駆動部74は車幅方向略中央部に配設されている。第1内装部材11の車両前方側端部から突出する突出部15が、前方壁部の一部において上下方向に延在する開口26を介して、ボールねじ25に螺合している。そのため、電動モータ24の回転方向、及び回転量を車両制御部62によって制御することにより、第1内装部材11の昇降を制御することができる。例えば、図1に示すように昇降上限位置に位置している第1内装部材11を、図示した矢印Eのように下方に移動させことができる。即ち、内装部材調節機構20は、車両制御部62が出力する制御信号に応じて、第1内装部材11の昇降を調節することができる。
なお、図5に例示するように、第1内装部材11の下方側にはグローブボックス16が配設されてもよい。グローブボックス16は、上方が開口した有底箱形の形状を有し、例えば図に示す矢印Hのように、所定の範囲で車両前後方向に移動可能に構成されてもよい。これにより、例えば後述するリラックスポジションにおいて、助手席の乗員が足部を第1内装部材11に載せた状態であっても、当該足部を下すことなく、容易にグローブボックス16を開閉できる。
図3に示す例のように、第1内装部材11は、車幅方向において第1内装部材11の一側を形成する一側内装部材12と、他側を形成する他側内装部材13と、を備えていてもよい。換言すれば、第1内装部材11は、一側内装部材12と、他側内装部材13とに分割されていてもよい。図示した例では、第1内装部材11は車幅方向略中央部で分割されている。
一側内装部材12は、第1内装部材11のうち車両右方側を形成しており、運転席の車両前後方向前方に配設されている。他側内装部材13は、第1内装部材11のうち車両左方側を形成しており、助手席の車両前後方向前方に配設されている。一側内装部材12、及び他側内装部材13の各々は、平面視で略矩形の形状の中空箱形構造を備えてもよい。
また、内装部材調節機構20は、一側内装部材12を昇降可能に支持する一側内装部材調節機構と、他側内装部材13を昇降可能に支持する他側内装部材調節機構と、を含んでいてもよい。一側内装部材調節機構、及び他側内装部材調節機構の各々は、内装部材駆動部74を備えており、車両制御部62によって個別に制御可能である。そのため、図6に示すように、一側内装部材12の位置と、他側内装部材13の位置とは、個別に設定することができる。このように、内装部材調節機構20は、一側内装部材12、及び他側内装部材13の各々を昇降させ、シート5の座面6aに対する、一側内装部材12の上面部12a、及び他側内装部材13の上面部13aの各々の高さを個別に調節するように構成されてもよい。
図1、又は図3に例示するように、第2内装部材30は、昇降上限位置にある第1内装部材11の上面部11aよりも上方における前方壁面4に配設されている。そのため、第1内装部材11の位置を最も上方に設定したときに、第1内装部材11と、第2内装部材30とが互いに干渉するのを抑制することができる。図に示す例では、第2内装部材30は、運転席、及び助手席の車両前後方向前方において車幅方向に延在する、平面視で略矩形の中空箱形構造を備えた部材であり、例えば樹脂から構成されてもよい。
第2内装部材30には図示しないエアバッグが収納されてもよい。例えば、第2内装部材30のうち、車両前後方向において、運転席と対向する部分、及び助手席と対向する部分の各々に、折畳まれた状態の運転席用エアバッグ、及び助手席用エアバッグの各々が収納されている。なお、第2内装部材30の上面部30aには、例えば樹脂から構成され、平面視で略矩形の形状を備える蓋部31a,31bが開閉可能に設けられていてもよい。蓋部31aは運転席用エアバッグを上方から覆い、蓋部31bは助手席用エアバッグを上方から覆う。
例えば、車両Vに前面から衝突荷重が入力された場合には、当該衝撃を図示しないセンサが検知し、図示しないインフレータから発生したガスによってエアバッグが膨出する。なお、エアバッグは、ウインドシールドWの下方において、第2内装部材30の上面部30aからシート5に向けて膨出してもよい。
シート5の車両前後方向前方であって、第1内装部材11の下方には、ペダル部40が配設されていてもよい。図示した例では、フロア部2の車両前方側の領域を車両前上方に向けて傾斜させることで形成した傾斜部に、ペダル部40が配設されている。また、ペダル部40は車両上後方に向けて、少なくとも一部が車室1の床面3から突出するように配設されていてもよい。
ペダル部40は、乗員が踏み込むための踏面41aを有するペダル41と、ペダル41の開度を検出する図示しない開度センサと、を備えたペダルユニットであってもよい。また、当該開度センサは、当該開度センサから出力された信号に応じて車両Vの速度を調節する、図示しないECU(Electronic Control Unit)と電気的に接続されてもよい。また、ペダル部40は、アクセルペダル部40aと、ブレーキペダル部40bと、を含んでもよい。
ペダル部40の床面3からの突出量は、ペダル部調節機構45によって調節可能である。例えば、図1に示す矢印Dのように、ペダル41を傾斜部の床面3に向けて移動させることで、突出量を調節することができる。なお、突出量とは、ペダル部40の突出方向における、床面3と、ペダル部40の踏面41aとの間の距離のうち最大の距離をいう。
図8に示す例のように、ペダル部調節機構45は、ペダル支持部46と、ペダル駆動部73と、を含んでいてもよい。ペダル支持部46はペダル41を、その突出方向において摺動可能に支持する。ペダル駆動部73は、例えばペダル部40が突出する方向に伸縮可能な電磁リニアアクチュエータであり、車両制御部62によって駆動制御される。なお、ペダル駆動部73の一端側はペダル支持部46に例えば締結具で固定されており、他端側は、ペダル41の一部に設けられたネジ穴に螺合し固定される。従って、ペダル部調節機構45は、車両制御部62が出力する制御信号に応じて、ペダル部40の突出量を調節することができる。
なお、ペダル部調節機構45は、ストップブロック47を含んでもよい。ストップブロック47は、ペダル支持部46の側方に設けられた開口に対して出入り可能であり、ペダル41の踏面41aとは反対側の端部41bと、当接可能に構成されている。また、ストップブロック47の当該開口に対する出入りは、例えばペダル支持部46に固定されたエアシリンダ48によって調節されてもよい。
図8に例示した、ペダル部40の突出量が最大の状態である最大突出状態では、ペダル41の端部41bと、ストップブロック47とを当接させ、ペダル41のペダル支持部46に対する摺動を規制することができる。ペダル部40の突出量を最大突出状態よりも減少させる場合には、エアシリンダ48によって図示した矢印Fのようにストップブロック47をペダル支持部46外方に移動させ、端部41bとストップブロック47との当接が解除されたロック解除状態にする。ロック解除状態では、車両制御部62によってペダル駆動部73を制御することにより、ペダル41をペダル支持部46に対して摺動させることができる。例えば、図示した矢印Gのように、ペダル41をペダル支持部46側にスライドさせ、ペダル部40の突出量を減少させることができる。
なお、内装部材調節機構20が第1内装部材11の昇降を調節する際に、ペダル部調節機構45は、第1内装部材11が設定される位置に応じて、ペダル部40と少なくとも第1内装部材11とが干渉しないように、ペダル部40の突出量を調節してもよい。即ち、実施形態に係る車両は、第1内装部材11の上面部11aの高さを調節するとき、第1内装部材11とペダル部40とが干渉しないように、ペダル部40の突出量を調節するように構成されてもよい。
図1、又は図3に示すように、第1内装部材11にはステアリング部50が配設されていてもよい。ステアリング部50は、例えば、ステアリングホイール51と、ステアリングシャフト52と、を含む。ステアリングシャフト52は、ステアリングホイール51の回転中心軸を構成する。また、車両Vは、ステアリング部50の位置を、第1位置P1と第2位置P2との間で調節するステアリング部調節機構55を備えてもよい。図示した例では、ステアリング部調節機構55は、ヒンジ部56と、ステアリング支持部57と、レール部58とを含む。
ヒンジ部56はステアリングシャフト52に配設されている。そのため、ステアリングシャフト52はヒンジ部56の支軸周りに回動可能である。なお、ステアリングシャフト52の回動は、車両制御部62に駆動制御される図示しない電動モータによって制御されてもよい。
ステアリング支持部57は、例えば図示しないベアリングを介して、ステアリングシャフト52を、その延在する方向と平行な軸周りに回転可能に支持する。
レール部58は、第1内装部材11の下方側において車両後上方から車両前下方に向けて延在している。ステアリング支持部57は、レール部58に摺動可能に係合する。なお、ステアリング部調節機構55は、レール部58に対するステアリング支持部57の摺動を調節するステアリング駆動部72を備えてもよい。ステアリング駆動部72は、例えば車両制御部62に駆動制御される電磁リニアアクチュエータである。これにより、ステアリング部調節機構55は、車両制御部62が出力する制御信号に応じて、ステアリング部50の位置を調節することができる。
ステアリング部50は、ステアリング部調節機構55によって、第1内装部材11のシート5側の第1位置P1と、第1内装部材11の下方側の第2位置P2と、の間を移動可能に配設されている。図示した例でステアリング部50を第1位置P1から第2位置P2に移動する際には、ヒンジ部56を支軸としてステアリングシャフト52のシート5側を、図示した矢印Bのように下方に向けて回動させ、さらに、ステアリング支持部57をレール部58上で、図示した矢印Cのように車両前下方に向けスライドすればよい。
なお、ステアリング部50は、舵角センサ、トルクセンサ、操舵反力アクチュエータ等の図示しない電子部品を有していてもよい。これらの電子部品は、例えばステアリング支持部57の内部に配設することができる。舵角センサ、トルクセンサは、ステアリングシャフト52の回転を検出することにより、運転者によるステアリングホイール51の操作を検知する。操舵反力アクチュエータは、車両Vの運転状況や路面状況に応じた操舵反力をステアリングシャフト52に付与する。また、当該電子部品は、ワイヤーハーネスを介して、車室1外側に配設される操舵制御用ECUと電気的に接続されていてもよい。なお、当該ワイヤーハーネスは、接続部14に形成された車室内外方向に貫通する開口を通るように配設されてもよい。
なお、ペダル部調節機構45によるペダル部の突出量の調節、及びステアリング部調節機構55によるステアリング部50の移動は、シート調節機構9がシート5を車両後方側に移動させた後に行われてもよい。即ち、実施形態に係る車両は、ペダル部40の突出量の調節と、ステアリング部50の位置の調節と、がシート5の位置を後方側に移動した状態において行われるように構成されてもよい。
次に、実施形態に係る車両の作用効果について説明する。
図1、又は図3は、例えば自動運転中以外の状態における車両Vのシート5、第1内装部材11、ペダル部40、及びステアリング部50の配設関係を示す。図示した例では、車室1内は、シート5の位置が車両前方側に調節され、第1内装部材11が昇降上限位置に位置し、ペダル部40が最大突出状態であり、ステアリング部50が第1位置P1に配設された状態に設定されている。このような状態を単にドライブポジションと称する。ドライブポジションでは、シート5に着座した乗員はステアリングホイール51の操舵や、ペダル部40の操作を行うことができる。
図2、又は図4は、例えば自動運転中の車両Vにおける、シート5、第1内装部材11、ペダル部40、及びステアリング部50の配設関係を示す。車室1内は、シート5の位置が車両後方側に調節され、第1内装部材11が昇降上限位置よりも下方に位置し、ペダル部40の突出量が最大突出状態での突出量よりも小さく、ステアリング部50が第2位置P2に配設された状態に設定されている。このような状態を単にリラックスポジションと称する。リラックスポジションでは、シート5に着座した乗員は、その足部を第1内装部材11の上に載せ、寛いだ姿勢を取ることができる。
次に、図10のフローチャートを参照して、走行中の車両Vの車室1内を、ドライブポジションからリラックスポジションに設定する際の、実施形態に係る車両の一動作例を説明する。
例えば、ドライブポジションに設定された走行中の車両Vにおいて、乗員がディスプレイ32に設定された切替スイッチ63を押下すると、ステップS100で自動運転判定部61は車両Vが自動運転中か否かを判定する。車両Vが自動運転中である場合(ステップS100でYes)、処理はステップS101に進む。車両Vが自動運転中でない場合(ステップS100でNo)、車室1内はリラックスポジションに設定されることなく処理が終了する。
ステップS101において、車両制御部62はシート駆動部71を制御し、シート5の位置を車両後方側に調節する。処理はステップS102に進み、車両制御部62はステアリング駆動部72を制御し、ステアリング部の位置を第1位置P1から第2位置P2に移動する。処理はステップS103に進み、車両制御部62はペダル駆動部73を制御し、ペダル部40の突出量を減少させる。処理はステップS104に進み、車両制御部62は内装部材駆動部74を制御し、第1内装部材11を下降させ所定位置に設定する。これにより、車室1内はリラックスポジションに設定される。
なお、図示した例ではステップS102の後にステップS103を行うが、これに限定されない。ステップS102とステップS103とは逆の順序で、又は同時に処理されてもよい。即ち、ペダル部40の突出量を調節してからステアリング部50の位置を調節してもよく、ペダル部40の突出量の調節と、ステアリング部50の位置の調節と、を同時に行ってもよい。
なお、ステップS103において、車両制御部62は、ペダル部40と少なくとも第1内装部材11とが干渉しないように、ペダル部40の突出量を調節してもよい。例えば、リラックスポジションにおいて、第1内装部材11の底部のうちペダル41と上下方向に対向する対向部よりも、ペダル部40の上端部が下方に位置するように突出量を調節してもよい。当該上端部は、ペダル部40において最も上方に位置する部分である。なお、ペダル部40の突出量は、第1内装部材11が備える他部材等を考慮して調節されてもよい。図2に示す例では、第1内装部材11の当該対向部と、ペダル部40の上端部と、の間にステアリング支持部57が配設される。そのため、当該上端部がステアリング支持部57の下端部よりも下方に位置するように、突出量が調節されている。また、ある実施形態では、ステップS103において、ペダル部40が床面3から突出しないように突出量が調節されてもよい。これにより、リラックスポジションにおいて乗員がペダル部40を誤って操作することを抑制することができる。
なお、ステップS104において第1内装部材11が配置される所定位置は、予めコントローラ60に記憶された位置である。当該所定位置は、リラックスポジションにおける乗員の足部の載せやすさを考慮して決定されてもよい。図2に示す例では、当該所定位置は、第1内装部材11の昇降下限位置である。なお、当該所定位置は図示した例に限定されず、例えば第1内装部材11の昇降上限位置と昇降下限位置との間の位置であってもよい。また、当該所定位置は、乗員の入力作業により予めコントローラ60に記憶された位置であってもよい。
また、車室1内がリラックスポジションに設定された状態で、さらに乗員がスイッチ操作等の操作を行うことで、第1内装部材11の昇降を調節できてもよい。これにより、乗員が取りたい姿勢に応じて、車室1内における第1内装部材11の上面部11aの高さを設定することができる。その場合、第1内装部材11の昇降に応じてペダル部40の突出量が調節されてもよい。
なお、第1内装部材11が一側内装部材12と、他側内装部材13と、を備える場合には、図10のステップS104において、両者の各々の上面部12a,13aは個別の高さに調節されてもよい。例えば、一側内装部材12の位置は運転席に座る乗員が予め設定した位置に調節されてもよく、他側内装部材13の位置は助手席に座る乗員が予め設定した位置に調節されてもよい。このようにすることで、運転席、又は助手席に座る乗員の体格や、取りたい姿勢等に応じて、一側内装部材12、又は他側内装部材13の上面部12a,13aの高さを設定することができる。
次に、図11のフローチャートを参照して、車室1内をリラックスポジションからドライブポジションに設定する際の、実施形態に係る車両の一動作例を説明する。
例えば、リラックスポジションに設定された車両Vにおいて、乗員がディスプレイ32に設定された切替スイッチ63を押下すると、ステップS200において、車両制御部62は内装部材駆動部74を制御し、第1内装部材11を上昇させる。このとき、第1内装部材11は昇降上限位置に配置されてもよい。処理はステップS201に進み、車両制御部62はペダル駆動部73を制御し、ペダル部40の突出量を増加させ、例えば最大突出状態にする。処理はステップS202に進み、車両制御部62はステアリング駆動部72を制御しステアリング部の位置を第2位置P2から第1位置P1に移動する。処理はステップS203に進み、車両制御部62はシート駆動部71を制御しシート5の位置を車両前方側に調節する。これにより、車室1内はドライブポジションに設定される。
なお、図示した例ではステップS201の後にステップS202を行うが、これに限定されない。ステップS201とステップS202とは逆の順序で、又は同時に処理されてもよい。即ち、ステアリング部50の位置を調節してからペダル部40の突出量を調節してもよく、ペダル部40の突出量の調節と、ステアリング部50の位置の調節と、を同時に行ってもよい。
なお、上記の説明では、乗員による切替スイッチ63の操作に応じてドライブポジションと、リラックスポジションとを切替える例を説明したが、これに限定されない。例えば、車室1内がドライブポジションに設定された車両Vが自動運転中のとき、所定条件を満たした場合に、乗員の操作によらず、車室1内をリラックスポジションに設定してもよい。当該所定条件は、例えば、車両Vの走行状態や、車両Vの走行経路等の車両Vの周囲の環境に関する条件であってもよい。
なお、車室1内をリラックスポジションに配設可能となる状況は、自動運転中に限定されない。例えば、車両Vが駐車場等に駐車されている状態である駐車状態において、乗員が切替スイッチ63を押下したことに応じて、車室1内をリラックスポジションに設定できるように車両Vが構成されてもよい。
なお、上記実施形態では、自動運転機能を備える車両Vを例にとって説明したが、これに限定されない。実施形態に係る車両は、自動運転機能を備えない車両であってもよい。例えば、当該車両が駐車状態であるときに、乗員が切替スイッチ63を押下したことに応じて、車両制御部62がシート駆動部71を制御してシート5の位置を車両後方側に調節し、次に、車両制御部62がステアリング駆動部72を制御してステアリング部の位置を第1位置P1から第2位置P2に移動し、そして、車両制御部62がペダル駆動部73を制御してペダル部40の突出量を減少させ、さらに、車両制御部62が内装部材駆動部74を制御して第1内装部材11を下降させ所定位置に設定してもよい。これにより、駐車状態にある車両において、車室1内をリラックスポジションに設定することができる。
(1)実施形態に係る車両は、シート5の車両前後方向前方において、車室1の前側内壁面を形成する前方壁面4と、前方壁面4からシート5に向けて突出し、かつ昇降可能に前方壁面4に配設される第1内装部材11と、第1内装部材11を昇降させることで、シート5の座面6aに対する第1内装部材11の上面部11aの高さを調節する内装部材調節機構20と、を備える。
実施形態に係る車両によれば、シート5の座面6aに対する第1内装部材11の上面部11aの高さを調節することができる。そのため、例えば、自動運転中や駐車状態のような、車両Vが乗員による操作を必要としない状況で、乗員は第1内装部材11を下降させて上面部11aに足部を載せ、寛いだ姿勢を取ることができる。ひいては、車両Vの大型化を抑制しつつ、車室内における乗員が動作可能なスペースをより大きく確保することができる。
(2)実施形態に係る車両は、シート5の車両前後方向前方であって、第1内装部材11の下方に配設されるペダル部40と、ペダル部40の車室1の床面3からの突出量を調節するペダル部調節機構45と、を備え、第1内装部材11の上面部11aの高さを調節するとき、当該第1内装部材11とペダル部40とが干渉しないように、当該ペダル部40の突出量を調節する。
実施形態に係る車両によれば、例えば、第1内装部材11の位置を下方に移動させる際に、ペダル部40の床面3に対する突出量を減少させることができる。そのため、第1内装部材11の位置を下降させる際の、第1内装部材11とペダル部40との干渉を抑制し、第1内装部材11の位置をより下方に位置させることができる。
(3)実施形態に係る車両は、第1内装部材11のシート5側の第1位置P1と、第1内装部材11の下方側の第2位置P2と、の間を移動可能に配設されるステアリング部50と、ステアリング部50の位置を、第1位置P1と第2位置P2との間で調節するステアリング部調節機構55と、シート5の位置を、当該シート5の前後方向において調節するシート調節機構9と、を備え、ペダル部40の突出量の調節と、ステアリング部50の位置の調節と、はシート5の位置を後方側に移動した状態において行われる。
実施形態に係る車両によれば、シート5を後方側に移動させた状態で、ペダル部40の突出量の調節と、ステアリング部50の位置の調節と、が行われる。そのため、ステアリング部50、又はペダル部40を調節する際、シート5に着座した乗員の下肢部に、ステアリング部50、又はペダル部40が接触することを抑制できる。
(4)実施形態に係る車両は、第1内装部材11は、車幅方向において当該第1内装部材11の一側を形成する一側内装部材12と、他側を形成する他側内装部材13と、を備え、内装部材調節機構20は、一側内装部材12、及び他側内装部材13の各々を昇降させ、シート5の座面6aに対する、一側内装部材12の上面部12a、及び他側内装部材13の上面部13aの各々の高さを個別に調節する。
実施形態に係る車両によれば、一側内装部材12、及び他側内装部材13の各々について、独立して昇降させることができる。そのため、例えば、一側内装部材12の上面部12aの高さを運転席の座面に対して調整し、他側内装部材13の上面部13aの高さを助手席の座面に対して調整することができる。これにより、運転者が運転中であっても、助手席に着座する乗員は他側内装部材13を下降させて上面部13aに足部を載せ、寛いだ姿勢を取ることができる。また、運転席に着座する乗員と、助手席に着座する乗員の各々の体格に合わせて、上面部12a,13aの高さを調節することができる。
(5)実施形態に係る車両は、昇降上限位置にある第1内装部材11の上面部11aよりも上方において前方壁面4に配設されている第2内装部材30を備え、第2内装部材30はエアバッグを収納する。
実施形態に係る車両によれば、第1内装部材11を下降させ、乗員が寛いだ姿勢を取っている場合であっても、エアバッグを収納する第2内装部材30の位置は変化しない。そのため、例えば車両Vに前面から衝突荷重が入力された際に、より確実にエアバッグにより乗員を当該衝突荷重から保護することができる。
以上の説明では電気自動車を例にとって実施形態に係る車両の構成を説明したが、これに限定されない。例えば、エンジン等の内燃機関により駆動する車両に当該構成を用いてもよい。