本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同一または相当する部分については、同一符号を付している。
[第1実施形態]
<電子天びんの全体構成>
図1~図8は本実施形態の電子天びん1を説明するための図である。図1及び図2に示すように、電子天びん1は、被測定物(試料)の質量(重量)を測定するためのものであり、基台101と後部筐体102とからなる電子天びん本体10と、基台101の上面の前側に配置された操作卓12と、該基台101の上面に配置された、被測定物が載置される計量皿11と、該計量皿11を囲う風防20とを備える。風防20で囲まれた空間が計量室となる。
計量皿11に載置された被測定物の重量は、基台101の内部に配置されたひょう量機構36(図4参照)によって検出される。被測定物の重量の検出方式としては、電磁式又はロードセル式などが挙げられる。ひょう量機構36が電磁式の場合、該ひょう量機構36は、コラム、レバー、電磁コイル(フォースコイル)、永久磁石、及びレバーの変位を検出する変位センサ等を含む。
風防20は、前側壁22と、後側壁23と、前側壁22を支持するとともに前側壁22と後側壁23をその上側端部間で接続するフレーム21と、フレーム21に開閉可能に支持された、右側扉24、左側扉25、及び上部扉26とを備える。前側壁22、右側扉24、左側扉25、及び上部扉26はガラス等の透明材料により構成されている。右側扉24、左側扉25、及び上部扉26の各々にはグリップ27が設けられている。使用者はグリップ27を把持して右側扉24、左側扉25、上部扉26の各々を手動で開閉することができる。また、右側扉24と左側扉25は、それぞれモータ33、34(図4参照)を駆動源とする扉開閉機構(図示せず)により開閉される。モータ33、34は、後部筐体102の内部に収容されている。
操作卓12には、電源スイッチ14と、入力表示部35と、2つの非接触センサ31、32が設けられている。これら2つの非接触センサ31、32は入力表示部35の左右にそれぞれ配置され、図2に仮想線で示す手などの物体を非接触で検知する。以下、非接触センサ31を「右非接触センサ31」、非接触センサ32を「左非接触センサ32」と呼ぶ。
右非接触センサ31及び左非接触センサ32はいずれも反射型のフォトセンサから成り、発光素子から出射された特定波長の光が物体に反射して受光素子に入射することで物体を検知する。右非接触センサ31及び左非接触センサ32は、いずれも物体で反射された光が受光素子に入射している間、検出信号を継続して出力する。フォトセンサとしては、特定波長の光として赤外光を利用する赤外線センサを用いることができるが、これに限られない。また、フォトセンサに代えて、使用者から放射される赤外線を検出する焦電型赤外線センサを非接触センサとして利用することもできる。
入力表示部35は、液晶パネルとタッチパッドを組み合わせたタッチパネルから成り、計量値や設定項目が表示される表示領域351と、操作キー、操作ボタンを表す画像が表示される操作領域352とを含む。図3A、図3Bは表示領域351に表示される画面の例を示しており、図3Aは試料の計量時に表示される計量値表示画面、図3Bは非接触センサに関する設定項目が表示される設定画面である。計量値表示画面、設定画面は、それぞれ本発明の第1表示画面、第2表示画面に相当する。
<電子天びんの制御系の構成>
図4は、電子天びん1の制御系を概略的に示す図である。制御部30は、電子天びん1の動作を制御するものであり、除電器13、ひょう量機構36、右非接触センサ31、左非接触センサ32、モータ33、34、電源スイッチ14、入力表示部35が接続されている。また、制御部30には、通信部308を介してプリンタ等の外部装置を接続することができる。制御部30は、演算処理部(CPU)301及び記憶部302と、機能ブロックとしての計量部303、表示制御部304、扉開閉制御部305、状態識別部306、パターン記憶部307、通信部308を備える。制御部30に含まれる各ブロックの機能は、記憶部302に格納された制御プログラム(ソフトウェア)を演算処理部301が実行することにより実現される。
計量部303は、ひょう量機構36から入力される変位センサの検出信号に基づき計量皿11に載置された被測定物の重量を算出する。表示制御部304は、電源スイッチ14、操作領域352の操作キー等の操作信号等に基づき所定の表示画面を入力表示部35に表示する。扉開閉制御部305は、モータ33、34を駆動して右側扉24、左側扉25を開閉する。パターン記憶部307には、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の各々が検出する時間パターン(以下、「時間パターン」を単に「パターン」と記載し、非接触センサが検出する時間パターンを「検出パターン」と記載する)とそれに対応付けられた電子天びん1の動作内容が格納されたパターンテーブルが記憶されている。状態識別部306は、右非接触センサ31及び左非接触センサ32からそれぞれ入力される検出信号に基づき、該検出信号の検出パターンを識別する。制御部30は、状態識別部306が識別した検出パターンに対応付けられた動作内容をパターンテーブルから読み出し、計量部303、表示制御部304、扉開閉制御部305等を通じてその動作を実行する。したがって、本実施例では、制御部30、計量部303、表示制御部304、扉開閉制御部305が動作制御部に相当する。
<パターンテーブル>
図5は、パターン記憶部307に記憶されているパターンテーブルの例を示している。図5のパターンテーブルは、右非接触センサ31及び左非接触センサ32のそれぞれから制御部30に検出信号が継続して入力される時間(検出信号の入力時間)の長さに応じた6種類の検出パターン(パターン1~6)が設定され、これらのうちパターン6を除く5種類の検出パターンのそれぞれに所定の動作が対応付けられていること(つまり、現時点ではパターン6に対応付けられる動作が設定されていないこと)を示している。
パターンテーブルにおいて、右センサ、左センサは、それぞれ右非接触センサ31、左非接触センサ32を表しており、「短」は検出信号の入力時間が3秒未満であること(つまり、右非接触センサ31又は左非接触センサ32に短時間、手をかざす「短かざし」が行われたこと)を、「長」は検出信号の入力時間が3秒以上であること(つまり、右非接触センサ31又は左非接触センサ32に長時間、手をかざす「長かざし」が行われたこと)を、「なし」は、検出信号が入力されなかったこと(右非接触センサ31及び左非接触センサ32に手がかざされなかったこと)を示している。例えば、パターン1は、右非接触センサ31に対して「短かざし」が行われ、その結果、右非接触センサ31のみから制御部30に対して検出信号が入力され、且つその入力時間が3秒未満であることを示している。また、パターン5は、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の両方に対して「長かざし」が行われた結果、右非接触センサ31及び左非接触センサ32から制御部30に対してほぼ同時に検出信号が入力され、かつ、それらの入力時間がいずれも3秒以上であることを示している。ここで、「ほぼ同時」とは、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の両方から制御部30に検出信号が入力されている時間帯が重複していればよく、右非接触センサ31の検出信号と左非接触センサ32の検出信号の入力が同期していなくてもよい。
図6は、短かざし時、長かざし時に制御部30に入力される検出信号のタイミングチャートを示している。状態識別部306は、検出信号が「L」レベルから「H」レベルに変化してから再び「L」レベルに戻る(下向き矢印で示す時点)までの時間が3秒以内であるときは「短かざし」と判定し、検出信号が「L」レベルから「H」レベルに変化してから3秒後の検出信号のレベルが「H」であるときは「長かざし」と判定する。
初期状態においては、デフォルトのパターンテーブルがパターン記憶部307に記憶されているが、入力表示部35に設定画面を表示した状態で操作キー、操作ボタン等を操作することにより、検出パターンの内容を変更したり、検出パターンに対応付けられる動作内容を追加/削除/変更したりすることができる。検出パターンの内容の変更とは、例えば「長かざし」に対応する入力時間の下限値、「短かざし」に対応する入力時間の上限値を変更することをいう。検出パターン、動作内容が変更された後のパターンテーブルは、パターン記憶部307に上書き保存される。
なお、ディスプレイとマウス・キーボード等の入力操作手段を備えたパーソナルコンピュータが通信部308介して制御部30に接続されている構成においては、使用者が入力操作手段を操作して、検出パターン、該検出パターンに対応付けられる動作内容を変更したり、追加したりできるようにしてもよい。
また、本実施形態では、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の各々の検出信号の入力時間の長さ、検出信号の入力の有無の違いから、検出信号を6種類の検出パターンに分けたが、所定の時間内に右非接触センサ31及び左非接触センサ32の各々から制御部30に入力される検出信号の回数に基づき、検出信号を複数種類の検出パターンに分けてもよい。
<非接触センサの検出信号に基づく処理1>
次に、右非接触センサ31及び左非接触センサ32を用いて電子天びん1に所定の動作を実行させるときの制御部30の処理手順について図7を参照して説明する。図7のフローチャートは、右非接触センサ31と左非接触センサ32のいずれかの検出信号が制御部30に入力されることにより開始され、各ステップの処理は、図4に示された各機能部によって実行される。
まず、制御部30は、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の無効設定がされているか否かを判断する(ステップ101)。無効設定がされていれば、処理を終了する(ステップ101にてYes)。ここで、「無効設定」とは、右非接触センサ31及び左非接触センサ32から制御部30に検出信号が入力されてもその検出信号が無効とされることをいう。一方、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の無効設定がされていなければ(ステップ101にてNo)、次に、入力された検出信号が右非接触センサ31と左非接触センサ32のいずれか一方のものであるか、あるいは両方のものであるかが判断される(ステップ102、103)。
右非接触センサ31と左非接触センサ32の双方からの検出信号である場合には(ステップ102及び103にていずれもYes)、これら右非接触センサ31及び左非接触センサ32から制御部30に検出信号が入力された時間がいずれも3秒以上であるか否かが判断され、いずれも3秒以上である場合には(ステップ104にてYes)、表示制御部304に、入力表示部35の表示領域351に表示される画面を切り替えさせる(ステップ105)。例えば、表示領域351に計量値表示画面(図3A)が表示されていれば、それを設定画面(図3B)に切り替え、逆に設定画面が表示されていれば、それを計量値表示画面に切り替える。
図3Bに示すように、設定画面には、パターンテーブルに格納されているパターンのうち、検出パターンに動作が対応付けられているパターン1~4の内容が表示される。ここでは、パターン5の動作内容(つまり、画面切り替え)は表示されないこととする。
使用者は、この設定画面をみて、右非接触センサ31及び左非接触センサ32に対してどのような動作をすれば、電子天びんのどの部位が動作するか、また、他の使用者によって検出パターンに対応付けられている動作が変更されていないか等を認識することができる。なお、設定画面では、右非接触センサ31と左非接触センサ32は、それぞれ「右タッチレスセンサ」、「左タッチレスセンサ」と表記され、検出信号の入力時間が3秒未満の動作、3秒以上の動作はそれぞれ「短」、「長」と表記されている。また、「右ドア開閉キー」、「無効化キー」、「0/Tキー」、「PRINTキー(印刷キー)」は、それぞれ、右側扉24の開閉動作、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の無効化設定、ゼロ点設定/風袋引き動作、印刷動作、が対応付けられていることを表している。
一方、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の双方から制御部30に検出信号が入力され、且つ少なくとも一方の検出信号の入力時間が3秒未満である場合(つまり、パターン6、あるいはパターンテーブルに設定されていない検出パターンである場合)は、制御部30は何もすることなく処理を終了する(ステップ104にてNo)。
制御部30に入力された検出信号が右非接触センサ31のみからのものである場合は(ステップ102にてYes、ステップ103にてNo)、その検出信号の入力時間が3秒未満であるか否かが判断される。そして、3秒未満であれば(ステップ106にてYes)、扉開閉制御部305に右側扉24の開閉動作を実行させる(ステップ107、パターン1)。具体的には、扉開閉制御部305は、右側扉24が閉鎖されていれば、モータ33を正方向に回転させて該右側扉24を開放し、右側扉24が開放されていれば、モータ33を逆方向に回転させて該右側扉24を閉鎖する。右側扉24が閉鎖状態及び開放状態のいずれであるかは、例えば扉開閉機構に扉開閉検出センサを設け、その検出信号に基づいて判断することができる。
また、右非接触センサ31の検出信号の入力時間が3秒以上であれば(ステップ106にてNo)、制御部30は、右非接触センサ31及び左非接触センサ32を無効化する(ステップ108、パターン2)。これにより、右非接触センサ31及び左非接触センサ32が無効設定され、制御部30は、それ以降に右非接触センサ31及び左非接触センサ32から制御部30に入力される検出信号が、パターンテーブルに設定された5種類の検出パターンのいずれかに該当しても、その検出パターンに割り当てられた動作を実行しない(ステップ101の処理に相当)。本実施形態では、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の無効設定は、入力表示部35の表示領域351を所定時間(例えば5秒以上)触れることにより、解除されることとする。
制御部30に入力された検出信号が左側の非接触センサ32のみからのものである場合は(ステップ102にてNo)、その検出信号の入力時間が3秒未満であるか否かが判断され、3秒未満であれば(ステップ109にてYes、パターン3)、制御部30は、計量部303にゼロ点設定/風袋引き動作を実行させる(ステップ110)。「ゼロ点設定/風袋引き」とは、試料を薬包紙又は計量トレー等の風袋に入れて計量する場合に、風袋の重量を差し引いた試料の重量のみの測定結果を計量値表示画面に表示させるための動作をいう。計量皿11に風袋を載せた後、風袋引き動作が行われると、計量値表示画面に表示される値が「0」とされ、その後、風袋に入れた試料を計量皿11に載せると、試料の重量のみの計量値が計量値表示画面に表示される。
一方、非接触センサ32の検出信号の入力時間が3秒以上であれば(ステップ109にてNo、パターン4)、制御部30は、通信部308を通じてプリンタに印刷指令を送る。これにより、入力表示部35の表示領域351に表示されている内容がプリンタから出力される(ステップ111)。
<計量動作>
次に、使用者が、計量トレーに入れられた試料を右側扉24側から計量室に入れてその試料の計量を行うときの動作について説明する。
右側扉24が閉じている状態で、使用者が右側の右非接触センサ31に3秒未満の短時間、手をかざす(パターン1)。これにより、扉開閉制御部305がモータ33を駆動して右側扉24を開放する。続いて、使用者が計量皿11に計量トレーを載置し、左側の非接触センサ32に3秒未満の短時間、手をかざす(パターン3)。これにより、計量部303により風袋引き動作が実行され、入力表示部35の表示領域の計量値表示画面に、計量値として「0」が表示される。続いて、使用者が、計量皿11から計量トレーを取り出し、そこに試料を入れて再び計量皿11に載置し、その後、右非接触センサ31に3秒未満の短時間、手をかざすと、扉開閉制御部305がモータ33を駆動して右側扉24を閉鎖する。
また、計量部303は、計量皿11に載置された計量トレー及び試料の合計重量から計量トレーの重量を差し引いた、試料のみの重量を算出する。この結果、入力表示部35の表示領域の計量値表示画面には、試料の重量の計量値が表示される。この状態で、使用者が左側の非接触センサ32に3秒以上の長時間、手をかざすと、計量値表示画面の内容がプリンタから出力される。
さらに、右側扉24が開放された後、使用者が、右非接触センサ31に3秒以上の長時間、手をかざすと、右非接触センサ31及び左非接触センサ32が無効化される。これにより、使用者が計量皿に計量トレーを入れたり、試料を入れたりしている間、右非接触センサ31及び/又は左非接触センサ32に使用者の体の一部や衣服、試薬瓶などを誤って近付けてしまっても、電子天びん1の右側扉24が閉鎖したり、その他、検出パターンに割り当てられた動作が実行されてしたりすることが回避される。
<非接触センサの検出信号に基づく処理2>
図8は、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の無効設定、有効設定の切り替えを、右非接触センサ31及び左非接触センサ32で行う場合のフローチャートを示している。ここでは、図5に示すパターンテーブルにおいて、パターン2に「無効・有効切替」動作が対応付けられていることとする。図7のフローチャートと同様、このフローチャートも、右非接触センサ31及び左非接触センサ32のいずれかの検出信号が制御部30に入力されることにより開始される。
まず、制御部30は、入力された検出信号が右非接触センサ31、左非接触センサ32のいずれか一方のものであるか、あるいは両方のものであるかを判断する(ステップ102、103)。そして、入力された検出信号が非接触センサ32のみからのものであれば(ステップ102にてNo)、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の無効設定がされているか否かを判断し、無効設定がされていれば、処理を終了し(ステップ201にてYes)、無効設定がされていなければ(ステップ201にてNo)、図7のフローチャートのステップ109~111と同じ処理を実行する。
また、入力された検出信号が右非接触センサ31と左非接触センサ32の両方からのものであれば(ステップ102にてYes,ステップ103にてYes)、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の無効設定がされているか否かを判断し、無効設定がされていれば、処理を終了し(ステップ202にてYes)、無効設定がされていなければ(ステップ202にてNo)、図7のフローチャートのステップ104、105と同じ処理を実行する。
一方、入力された検出信号が右非接触センサ31のみからのものであれば(ステップ102にてYes、ステップ103にてNo)、その検出信号の入力時間が3秒未満であるか否かが判断される。そして、3秒未満であれば(ステップ106にてYes)、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の無効設定がされているか否かを判断し、無効化が設定されていれば処理を終了し(ステップ203にてYes)、無効設定がされていなければ(ステップ203にてNo)、扉開閉制御部305に右側扉24の開閉動作を実行させる(ステップ107)。また、検出信号の入力時間が3秒未満でなければ(ステップ106にてNo)、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の無効及び有効の設定を切り替える(ステップ204)。すなわち、無効設定がされていれば有効化し、無効設定がされていなければ無効化をする。したがって、この場合は、使用者は、右非接触センサ31及び左非接触センサ32自身の無効化及び有効化の動作を、電子天びん1のどこにも触れることなく、非接触センサ自身を利用して実行させることができる。
このように、本実施形態では、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の検出信号が制御部30に入力されたか否かではなく、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の検出信号の入力の有無、入力時間の違いを組み合わせた6種類の検出パターンを状態識別部306が識別し、その識別結果に基づき、各検出パターンに割り当てられた所定の動作が実行される。したがって、非接触センサの数(この例では2つ)よりも多くの動作を、これら右非接触センサ31及び左非接触センサ32を使って実行させることができる。
[第2実施形態]
図9~図11は本発明の第2実施形態の電子天びんを説明するための図である。第1実施形態と同一部分又は対応する部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態の電子天びん1では、操作卓12の、右非接触センサ31及び左非接触センサ32のそれぞれに隣接する位置(図9において右非接触センサ31及び左非接触センサ32のそれぞれの下部)に、発光ダイオード(LED)ライト137、138が取り付けられている。これらLEDライト137、138は、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の無効設定がされているか否かを報知するためのものであり、本発明の報知手段に相当する。図10に示すように、LEDライト137、138は、制御部30に接続されており、制御部30により点灯・消灯が切り替えられる。
図11はパターン記憶部307に記憶されているパターンテーブルを示している。この実施形態では、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の一方の検出信号の入力時間が3秒未満の検出パターン(パターン1及び3)に対して、右側扉24、左側扉25の開閉動作がそれぞれ対応付けられている。また、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の一方の検出信号の入力時間が3秒以上の検出パターン(パターン2及び4)に対して、右非接触センサ31の無効/有効設定の切り替え動作、左非接触センサ32の無効/有効設定の切り替え動作がそれぞれ対応付けられている。さらに、右非接触センサ31及び左非接触センサ32から制御部30に対してほぼ同時に検出信号が入力され、且つ、それらの検出信号の入力時間が3秒以上である検出パターン(パターン5)に対して、画面切り替え動作が対応付けられている。
制御部30は、状態識別部306によって右非接触センサ31及び左非接触センサ32の検出信号の検出パターンがパターン2であることが識別されると、右非接触センサ31の有効・無効の設定を切り替える。そして、右非接触センサ31が有効設定されるとLEDライト137を点灯させ、該右非接触センサ31が無効設定されるとLEDライト137を消灯する。同様に、状態識別部306によって右非接触センサ31及び左非接触センサ32の検出信号の検出パターンがパターン4であることが識別され、左非接触センサ32が有効設定されるとLEDライト138を点灯させ、該非接触センサ32が無効設定されるとLEDライト138を消灯する。
このような構成により、使用者は、右側扉24及び左側扉25を、それぞれ右非接触センサ31及び左非接触センサ32を利用して開閉させることができ、且つ、右非接触センサ31及び左非接触センサ32のそれぞれの無効/有効設定を独立して切り替えることができる。また、使用者は、LEDライト137、138の点灯状態をみて、それぞれに隣接する右非接触センサ31及び左非接触センサ32の有効・無効の設定状態を認識することができる。
なお、ここでは、右非接触センサ31及び/又は左非接触センサ32の有効/無効の設定状態に応じてLEDライト137、138を点灯/消灯に切り替えるようにしたが、例えば、右非接触センサ31及び/又は左非接触センサ32が有効であるときはLEDライトを青色にし、無効であるときはLEDライトの点灯色を赤色にするなど、LEDライトの点灯色を変更するようにしてもよい。
また、右非接触センサ31及び/又は左非接触センサ32の無効設定がされていることは、例えばそのことを表す文字や記号等が入力表示部35の表示領域351に表示されるようにしてもよい。さらに、スピーカを設け、右非接触センサ31及び/又は左非接触センサ32の無効・有効の設定の切り替え時に警告音を発生するようにしてもよい。
[第3実施形態]
図12は本発明の第3実施形態を説明するための図であり、本実施形態の電子天びんの主要な制御系を示している。図4に示す第1実施形態のブロック図と対応する部分には同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
この実施形態の電子天びん1は、制御部30に対して音声で所定の動作の実行を指示するためのマイク139を備えており、制御部30は、該マイク139を通して入力された音声を解析する音声解析部309を有する。また、パターン記憶部307には、上述したパターンテーブルに加えて、音声パターンとそれに対応付けられた動作内容の関係を示す音声パターンテーブル(図示せず)が記憶されている。
マイク139を通して音声が制御部30に入力されると、音声解析部309はその音声が予め設定されている音声パターンに相当するか否かを解析し、その解析結果を状態識別部306に入力する。状態識別部306は、解析された音声パターンを、音声パターンテーブルに格納されている音声パターンと照合し、その音声パターンに対応付けられた動作内容を読み出す。音声パターンテーブルには、音声パターンとして「ムコウ(無効)」、「ムコウカイジョ(無効解除)」、「デンゲンオフ(電源オフ)」等の動作内容を表す比較的単純な文言が設定され、それぞれに右非接触センサ31及び左非接触センサ32の無効化動作、無効設定解除動作、電源遮断動作が対応付けられている。
例えば使用者がマイク139を通して「ムコウ」という音声を入力し、音声解析部309によるその音声の解析結果から「ムコウ」という音声パターンを状態識別部306が識別すると、制御部30は、右非接触センサ31及び左非接触センサ32を無効化する。
本実施形態は、非接触センサとしてマイクを利用したものであり、このような構成においても使用者は、電子天びん1の操作卓12等に触れたり、入力操作したりすることなく、電子天びん1の所定の動作を実行させることができる。
[第4実施形態]
図13~図17は本発明の第4実施形態の電子天びんを説明するための図である。図13は、第4実施形態の電子天びんの主要な制御系を示している。図4に示す第1実施形態と同一部分又は対応する部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。この実施形態の電子天びん1では、制御部30は、第1実施形態において制御部30が有している各機能ブロックに加えて、設定変更処理部310を有している。設定変更処理部310の詳細は後述する。また、表示制御部304は、以下に述べるように第4実施形態に特有の画面を表示領域351に表示する制御を行う。
図14は、第4実施形態の電子天びんにおいて表示領域351に表示される例を示しており、図14Aは試料の計量時に表示される計量値表示画面、図14B及びCはいずれも電子天びんが有する各部の動作の設定を変更する際に表示させる設定画面の例である。計量値表示画面は第1実施形態におけるもの(図3A)と同様である。設定画面は図14B及びCで示した例の他にも複数用意されており、後述のように右非接触センサ31及び左非接触センサ32を操作することによってそれら複数の画面同士の間で表示を切り替えることができる。
設定画面では、設定項目が階層的に設定されている。第1階層では「測定モード選択」、「測定モード別設定」、「測定一般設定」、「システム設定」、「履歴表示」という5つの設定項目(但し、「履歴表示」では実際には使用者が設定する項目はなく、所定の表示のみを行う)が用意されている。これら第1階層の5つの設定項目にそれぞれ対応する5個の第1階層アイコン411が表示領域351の左端に縦に並んで表示されており、後述のように右非接触センサ31及び左非接触センサ32を操作することでそれら5つの設定項目のうちの1つが選択された状態となる。図14Bでは第1階層アイコン411のうち最も上に表示された「測定モード選択」が第1選択カーソル421によって選択された状態を表し、図14Cでは第1階層アイコン411のうち上から4番目に表示された「システム設定」が第1選択カーソル421によって選択された状態を示している。
第2階層では、第1階層で選択された項目毎に複数の設定項目が用意されている。図14Bでは第1階層の「測定モード選択」内の選択肢である「一般測定」、「個数測定」、「パーセント測定」、「平均測定」、「固体比重測定」という5つの選択肢が表示されており、それらのうちの「個数測定」が第2選択カーソル422によってハイライトされた状態となっている。なお、「一般測定」は計量値をそのまま計量値表示画面に表示するもの、「個数測定」は別途入力した試料の単量値で計量値を除して得られる個数を表示するもの、「パーセント測定」は別途入力した基準質量で計量値を除した質量百分率を表示するもの、「平均測定」は動きのある小動物の体重等を測定する際に計量値の時間平均を表示するもの、「固体比重測定」は空気中と液体中でそれぞれ試料を計量したうえで該試料の比重を算出して表示するものである。後述のように右非接触センサ31及び左非接触センサ32を操作することによって第2選択カーソル422を移動させたうえで1個の項目を選択することにより、選択された操作が実行可能となる。「個数測定」又は「パーセント測定」を選択した場合にはさらに、試料の単量値や基準質量を入力するための第3階層の設定項目が表示領域351に表示される(図示省略)。図14B中の表示領域351内の右端に表示された">"の記号が、その左方に記載された第2階層の項目の下に第3階層が用意されていることを示している。
図14Cは第1階層の「システム設定」内の選択肢である「環境設定」、「印刷設定」、「メモリ保存設定」、「通信設定」及び「校正・点検」という5つの選択肢が表示されており、それらのうちの「環境設定」が第2選択カーソル422によってハイライトされた状態となっている。これら5つの選択肢にはいずれも第3階層の設定項目が用意されている。
図14Cにおいて「環境設定」を選択すると、図14Dに示す第3階層の設定項目が記載された画像が表示される。この画像では第2階層の5つの設定項目が第2階層アイコン412のみで表示され、5つの第2階層アイコン412のうち「環境設定」に対応するアイコンに第2選択カーソル422を合わせた状態で表示されている。後述のように右非接触センサ31を操作することによって、これら第3階層の設定項目のうちの1つにカーソル(第3選択カーソル423)を合わせて選択操作をすると、図14Eに示す第4階層の設定項目が表示される。図14Eに示した設定項目に関しては後で詳述する。
なお、本実施形態では表示領域351に同時に表示できる項目の個数は5個であるが、この個数は4個以下又は6個以上であってもよい。また、表示領域351に同時に表示できる項目の個数は5個(又はその他の個数)としたうえで、第2選択カーソル422を下端の項目からさらに下側に移動させることによって、他の項目を表示させるようにしてもよい。
次に、図15を参照しつつ、右非接触センサ31及び左非接触センサ32を操作することによって電子天びん1の各種機能の設定を行う方法を説明する。図15は、パターン記憶部307に記憶されているパターンテーブルの例を示している。この実施形態では、計量値表示画面が表示されているときと、設定画面が表示されているときでは、右非接触センサ31及び/又は左非接触センサ32に対して同じ操作を行ったとしても、その応答として電子天びんの各部が実行する動作が異なる。そのため、図15ではそれら2つの画面のそれぞれの表示時に分けて、電子天びんの各部の動作を示している。また、本実施形態では以下に述べるように、計量値表示画面の表示時における右非接触センサ31及び左非接触センサ32の操作に対応する各部の動作の設定の一部を、設定画面を操作することにより変更することができる。そのため、計量値表示画面表示時に関して図15中にパターン1~4として記載した、右センサ(右非接触センサ31)及び左センサ(左非接触センサ32)のうちのいずれか一方のみを短かざし又は長かざしする操作を行った場合の電子天びんの動作は、一例として記載した。右センサと左センサを同時に長かざしする場合(図15中のパターン5)の動作は、計量値表示画面表示時、設定画面表示時に関わらず、計量値表示画面と設定画面の切り替え動作に固定されており、変更することができない。また、設定画面表示時の各操作(パターン1~5)も変更できないようになっている。
まず、図14Aに示された計量値表示画面が表示されている状態において、使用者が右非接触センサ31と左非接触センサ32に対して同時に長かざし(パターン5。後述の「第1の検出パターン」に相当。)の操作を行うと、状態識別部306は、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の各々から入力される検出信号に基づいて、操作されたパターンを識別する。これを受けて、表示制御部304は表示領域351に表示される画面を計量値表示画面から設定画面に切り替える。
設定画面では、初期状態では第1階層として第1階層アイコン411のうち「測定モード選択」のアイコンが第1選択カーソル421によって選択され、第1階層アイコン411の右側に「測定モード選択」内の選択肢である「一般測定」、「個数測定」、「パーセント測定」、「平均測定」、「固体比重測定」が表示されている(図14B。但し、この段階では第2選択カーソル422は表示されていない。)。
測定モード選択以外の第1階層内の項目を設定する場合には、使用者が右非接触センサ31を1回短かざし(パターン1)することにより、第1選択カーソル421は第1階層アイコン411のうちの1つ下方のアイコンに移動する。右非接触センサ31の短かざしを複数回繰り返し行うと、第1選択カーソル421はその回数と同じ個数分だけ下側のアイコンに移動する。例えば初期状態から右非接触センサ31を3回短かざしすると、図14Cに示した表示となる。最後の選択肢となる最も下側のアイコンに第1選択カーソル421が到達した後にさらに右非接触センサ31を1回短かざしすると、第1選択カーソル421は最も上側のアイコンに移動する。
以上の操作によって第1階層の項目のうちの1つを選択した後、使用者が右非接触センサ31に対して長かざし(パターン2)の操作を行うと、状態識別部306は、右非接触センサ31から入力される検出信号に基づいて操作されたパターンを識別する。これにより、第1階層における選択が確定し、第2階層の選択肢の選択に移行する。
表示制御部304は表示領域351のうち第1階層アイコン411の右側に表示された5つの選択肢のうちの最も上側にあるもの(図14Bでは「一般測定」)に第2選択カーソル422を表示する。この状態で使用者が右非接触センサ31を1回短かざし(パターン1)する毎に、第2選択カーソル422は1つ下の選択肢に移動する(図14Bでは第2選択カーソル422が「個数測定」まで移動した状態を示す)。第2選択カーソル422が最も下側の選択肢に移動した後にさらに右非接触センサ31を1回短かざしすると、第2選択カーソル422は最も上側の選択肢に移動する。
以上の操作によって選択したい選択肢に第2選択カーソル422を合わせた後、使用者が右非接触センサ31を1回長かざし(パターン2。後述の「第2の検出パターン」に相当。)する。状態識別部306は、右非接触センサ31から入力される検出信号に基づいて操作されたパターンを識別する。選択された選択肢に第3階層が設定されていない場合(例えば図14B中の「一般測定」)にはその選択が確定し、設定変更処理部310は確定した選択肢に設定された電子天びんの動作を設定する。一方、第2階層で選択された選択肢に第3階層が設定されている場合には、表示制御部304は第3階層の選択肢及び第3選択カーソル423を表示する(図14D)。その後、第2階層で行った操作と同様の方法により、第3階層の選択肢の選択を行うことができる。第4階層以降の階層が存在する場合も同様である。
第2階層以降で或る選択肢に対する選択が完了した後、右非接触センサ31の短かざしによって第2選択カーソル422を他の選択肢に移動させたうえで、右非接触センサ31の長かざしにより当該他の選択肢を選択することにより、当該他の選択肢における設定を行うことができる。また、或る選択肢に対する選択が完了した後や、選択しようとする選択肢を変更するために上の階層へ(第2階層から第1階層へ、第3階層から第2階層へ、等)移動する場合には、左非接触センサ32を1回短かざしすることにより、1つ上の階層に移動することができる。
目的とする全ての選択肢に対する設定が完了した後、右非接触センサ31と左非接触センサ32を同時に長かざし(パターン5、第1の検出パターン)すると、状態識別部306は右非接触センサ31及び左非接触センサ32から入力される検出信号に基づいて操作されたパターンを識別し、それに基づいて表示制御部304は表示領域351に表示される画面を設定画面から計量値表示画面に切り替える。これにより、設定操作が終了し、試料の計量を行うことができる状態となる。
第4実施形態では、非接触センサを用いて行う電子天びんの各部の設定の1つとして、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の動作の設定も行うことができる。これら非接触センサの動作を設定する際には、上述の方法で右非接触センサ31(必要な場合にはさらに左非接触センサ32)を操作することにより、第1階層では「システム設定」(第1階層アイコン411のうち上から4番目)を、第2階層では「環境設定」を、第3階層では「タッチレス機能割り当て」(図14D)を、それぞれ選択することにより、図14Eに示す第4階層の画面を表示させる。
この第4階層の画面には「右タッチレスセンサ(短)」、「右タッチレスセンサ(長)」、「左タッチレスセンサ(短)」、「左タッチレスセンサ(長)」という4個の設定項目が用意されている。これらの設定項目はそれぞれ、右タッチレスセンサを短かざししたとき、右タッチレスセンサを長かざししたとき、左タッチレスセンサを短かざししたとき、左タッチレスセンサを長かざししたときの電子天びん1の構成要素の動作を設定するものである。右非接触センサ31に対して短かざし(パターン1)を行うことでこれら4個の設定項目のうちの1個(例えば「右タッチレスセンサ(短)」)を選択したうえで、右非接触センサ31に対して長かざし(パターン2)を行うと、図14Fに示すように第4階層の画面中の一部に第5階層の画面3515が重畳表示される。
第5階層の画面3515には、「ドア開閉キー(右)」、「PRINTキー」、「O/Tキー」、「IONキー」、「なし」という5個の選択肢が表示される。ここで、第5階層において「ドア開閉キー(右)」が表示されるのは第4階層で「右タッチレスセンサ(短)」又は「右タッチレスセンサ(長)」を選択した場合であって、第4階層で「左タッチレスセンサ(短)」又は「左タッチレスセンサ(長)」を選択した場合には第5階層において「ドア開閉キー(右)」の代わりに「ドア開閉キー(左)」が選択される。なお、「PRINTキー」はデータの印刷を、「O/Tキー」風袋引きを、「IONキー」は除電器13のON/OFF操作を、それぞれ実行する際に使用するものである。「なし」は、第4階層で選択した非接触センサの操作を行ったときに何らの動作も実行されないことを意味している。
この第5階層の画面3515が表示されている状態で右タッチレスセンサの短かざし(パターン1)を所定回行うことにより、第4階層で選択した非接触センサの操作(「右タッチレスセンサ(短)」等)に割り当てる機能に第5階層のカーソル425を合わせ、その状態で右非接触センサ31の長かざし(パターン2)を行う。これにより、第4階層で選択した非接触センサの操作に、第5階層のカーソル425を合わせた機能が割り当てられる。機能の割り当てを行いたい非接触センサの操作の全てに対して同様の処理を行った後、右非接触センサ31と左非接触センサ32を同時に長かざし(パターン5)することにより、表示領域351に表示される画面が設定画面から計量値表示画面に切り替わり、設定操作が終了する。
ここまでに述べた第4実施形態の電子天びんの動作は、図16及び図17に示すフローチャートに従って実行される。これらのフローチャートの詳細を説明する前に、図16と図17の関係を説明する。図16のフローチャート中のステップ104で「YES」と判定されたときに、図17のフローチャートの冒頭に移行する。また、図17のフローチャート中のステップ304で「YES」と判定されたときに、ステップ305を実行したうえで図16のフローチャート中のステップ102に移行する。
動作の開始時には図16のフローチャートに沿って動作が実行される。図16のフローチャートでは、以下に述べる相違点を除いて、図8のフローチャートに示した第1実施形態の電子天びんと同様の動作を実行するため、それら相違点以外の動作については説明を省略する。第1の相違点は上記のように、ステップ104において右非接触センサ31及び左非接触センサ32に対して同時に長かざしされたときに、図17のフローチャートに移行する点である。第2の相違点は、ステップ105、107、110及び111にそれぞれ割り当てられている電子天びんの動作が、第1実施形態では固定されている(変更できない)のに対して、第4実施形態では上述のように使用者が右非接触センサ31及び左非接触センサ32を操作することによって変更可能である点である。なお、上記相違点として示した動作は、図7のフローチャートに示した第1実施形態の動作や第2実施形態又は第3実施形態の動作と組み合わせてもよい。
ステップ104から図17のフローチャートに移行すると、まず、表示制御部304は表示領域351に表示される画面を計量値表示画面から設定画面に切り替える(ステップ301)。次に、状態識別部306は右非接触センサ31からの検出信号の入力の有無を確認する(ステップ302)。その結果がYes(入力有)である場合には、状態識別部306はさらに左非接触センサ32からの検出信号の入力の有無を確認する(ステップ303)。
ステップ302の結果がYesであってステップ303の結果がYesである場合にはさらに、右非接触センサ31からの検出信号と左非接触センサ32からの検出信号の双方が所定時間以上入力されているか否かを判定する(ステップ304)。この判定の結果がYESの場合には、右非接触センサ31と左非接触センサ32の双方が長かざしされていることになるため、表示制御部304は表示領域351に表示される画面を設定画面から計量値表示画面に切り替え(ステップ305)、図16のフローチャートのステップ102に戻る。一方、ステップ304の判定の結果がNoの場合には、設定画面表示時には機能が割り当てられていない右非接触センサ31と左非接触センサ32の双方を短かざしする操作が行われていることから、当該操作を無視してステップ302に戻る。
ステップ302の結果がYesであってステップ303の結果がNoである場合、すなわち右非接触センサ31からは検出信号が入力され左非接触センサ32からは検出信号が入力されていない場合には、右非接触センサ31からの検出信号が所定時間以上入力されているか否かを判定する(ステップ306)。この判定の結果がNoの場合には右非接触センサ31が短かざしされていることになるため、表示制御部304は、現在の画面に表示されているカーソルを1つ下の選択肢に移動させる操作を実行し(ステップ307)、ステップ302に戻る。一方、ステップ306における判定の結果がYesの場合には右非接触センサ31が長かざしされていることになるため、設定変更処理部310は現在カーソルで選択されている項目に関して下位の階層の画面が存在するか否かを判定する(ステップ308)。ステップ308の判定結果がYesである場合には表示制御部304は1つ下位の階層の画像を表示する操作を行い(ステップ309)、ステップ302に戻る。一方、ステップ308の判定結果がNOである場合には、現在カーソルで選択されている項目を、電子天びんが有する所定の構成要素の動作に設定し(ステップ310)、ステップ302に戻る。
ステップ302の結果がNoである場合には、左非接触センサ32からの検出信号が所定時間以上入力されているか否かを判定する(ステップ311)。この判定の結果がNoの場合には左非接触センサ32が短かざしされていることになる。このとき、表示制御部304は現在表示されている画像よりも上位の階層の画像の有無を判定し(ステップ312)、Yesの場合には1つ上位の階層の画像を表示し(ステップ313)、ステップ302に戻る。一方、ステップ312の判定の結果がNoの場合には、そのままステップ302に戻る。また、ステップ311の判定の結果がYesの場合には、設定画面表示時には機能が割り当てられていない左非接触センサ32の長かざしする操作が行われていることから、当該操作を無視してステップ302に戻る。
以上のように、右非接触センサ31と左非接触センサ32の双方が長かざしされる操作以外の操作が行われた場合には所定の処理を行ったうえでステップ302に戻って非接触センサに対して次の操作が行われるのを待ち、右非接触センサ31と左非接触センサ32の双方が長かざしされたときには設定画面から計量値表示画面に切り替えた(ステップ305)うえで図16のフローチャート中のステップ102に移行することにより、右非接触センサ31及び左非接触センサ32の組み合わせに対して割り当てられた各動作を実行することができる。
第4実施形態の電子天びんによれば、扉の開閉のみならず電子天びんの所定の部分の動作の設定操作を非接触センサを用いて行うことができる。そのため、扉の開閉操作のための非接触センサとは別に設定操作のための非接触センサを設ける必要がなく、非接触センサの設置スペースを小さくすることができると共に、コストを抑えることができる。また、当該設定操作時に電子天びんを手で触れる必要がないため、使用者の手に付着した薬品等によって電子天びんが汚れることを防ぐことができると共に、もし複数の使用者のうちの一部が感染症に感染していたとしても、電子天びんを介して他の使用者に接触感染することを防ぐことができる。また、使用者が非接触センサを操作することによって、当該非接触センサ自体の動作の設定を設定することができる。
本発明は上述した各実施形態には限定されず、本発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上述した各実施形態では、複数の非接触センサを備える電子天びんを例に説明したが、非接触センサは1つであってもよい。例えば、図5のパターンテーブルに示されるパターン1、パターン2は、右非接触センサ31のみの検出信号の検出パターンであり、このことから明らかなように、1個の非接触センサであっても複数の検出パターンとそれに対応付けられる動作を設定することができる。
また、上述した実施形態では、右非接触センサ31及び左非接触センサ32のそれぞれに対して手をかざしている時間(期間)が短時間と長時間のいずれであるかを判定したが、右非接触センサ31及び/又は左非接触センサ32に手がかざされたことに対して所定の動作が割り当てられている場合は、手をかざしている時間が短時間及び長時間のいずれであるかの判定は不要である。この場合、状態識別部306は、例えば図6に示すような検出信号の立ち上がりエッジを検出することにより、非接触センサ31又は非接触センサ32に割り当てられた所定の動作を実行する。
[態様]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)
物体を検出する非接触センサと、
前記非接触センサの検出信号が、予め定められた複数の時間パターンのいずれであるかを識別する状態識別部と、
前記状態識別部が識別した時間パターンに対応付けられた本電子天びんの所定の部分の動作を制御する動作制御部と、
を備える。
第1項の電子天びんでは、非接触センサの検出信号は状態識別部に送られ、その時間パターンが予め定められた複数の時間パターンのいずれであるかが識別される。状態識別部は、非接触センサから送られてくる検出信号に基づいて時間パターンを検出し、その時間パターンが予め定められた複数の時間パターンのいずれであるかを識別する。時間パターンとして、例えば非接触センサが検出信号を出力する時間(状態識別部に検出信号が入力する時間)や所定の時間内に検出信号を出力する回数(入力回数)等に基づき検出信号を分類したものが挙げられる。したがって、第1項の電子天びんでは、時間パターンの内容に応じた適宜のタイプの非接触センサが用いられる。つまり、検出信号の出力時間の違いに基づく時間パターンの場合は、物体を検出している間、検出信号を出力し続けるタイプの非接触センサが用いられ、検出信号の出力回数に基づく時間パターンの場合は、物体を検出する毎に検出信号を出力するタイプの非接触センサが用いられる。
動作制御部は、状態識別部の識別結果に応じて、電子天びんの所定の部分に対して、各時間パターンに対応付けられた動作を実行させる。したがって、第1項の電子天びんでは、非接触センサの数よりも多くの動作を、該非接触センサの検出信号に基づいて実行させることができる。この場合、非接触センサの数は1個でもよく、2個以上でもよい。非接触センサが複数ある場合は、個々の非接触センサの検出信号から成る時間パターンだけでなく、複数の非接触センサの検出信号の組み合わせから成る時間パターンを、検出される時間パターンに含めることができる。
(第2項)第1項の電子天びんにおいて、
前記状態識別部が、前記非接触センサの検出信号の立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの時間、立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでの時間、立ち上がりエッジからの時間、及び立ち下がりエッジからの時間の少なくとも一つに基づいて、前記予め定められた複数の時間パターンのいずれであるかを識別するものとすることができる。
第2項の電子天びんでは、例えば使用者が非接触センサに手をかざす時間、手をかざす回数、あるいはそれらの組み合わせに応じて該非接触センサから出力される検出信号を、それぞれ異なる時間パターンとすることができる。非接触センサに手をかざす時間、手をかざす回数に応じて異なる時間パターンの検出信号を出力する非接触センサとして、反射型のフォトセンサ、焦電型赤外線センサが例示される。
(第3項)第1項又は第2項の電子天びんにおいて、
さらに、計量皿を囲む開閉可能な扉を有する風防と、前記扉を開閉駆動するモータとを備え、
前記時間パターンに対応付けられる所定の部分の動作を、前記モータの動作とすることができる。
第3項の電子天びんでは、試料の計量時に必要な動作の一つである扉の開閉動作を、非接触センサを用いて行わせることができる。
(第4項)第1項から第3項のいずれかの電子天びんにおいて、
さらに、試料の計量値を表示する第1表示画面と、前記複数の時間パターンと該複数の時間パターンのそれぞれに対応付けられている所定の部分の動作内容とを表示する第2表示画面とを表示部に切り替え表示可能な表示制御部を備え、
前記時間パターンに対応付けられる所定の部分の動作を、前記表示制御部の動作とすることができる。
第4項の電子天びんでは、試料の計量値が表示される表示部に、非接触センサの検出信号の時間パターンに対応付けられている動作内容が示された第2表示画面を表示させて、その内容を確認することができる。
(第5項)第1項から第3項のいずれかの電子天びんにおいて、さらに、
試料の計量値を表示する計量値表示画面と、本電子天びんの所定の部分の動作を設定する項目を表示する設定画面とを表示部に切り替え表示可能であって、前記状態識別部が前記複数の時間パターンのうちの所定の第1の時間パターンを識別したときに前記表示制御部が前記計量値表示画面と前記設定画面を切り替える制御を行う表示制御部と、
前記表示部に前記設定画面が表示されている状態において前記状態識別部が前記複数の時間パターンのうちの所定の第2の時間パターンを識別したときに、前記所定の部分の動作の設定を変更する処理を実行する設定変更処理部と
を備える。
第5項の電子天びんでは、使用者が非接触センサに対して所定の第1の操作(扉の開閉の際の操作とは異なる操作)を行うことで状態識別部が第1の時間パターン(扉の開閉の際とは異なる時間パターン)を識別したとき、表示制御部は、表示部に表示される画面を計量値表示画面と設定画面の間で切り替える。この操作によって設定画面が表示された状態でさらに、使用者が非接触センサに対して所定の第2の操作(扉の開閉の際の操作及び前記第1の操作とは異なる操作)を行うことで状態識別部が第2の時間パターン(扉の開閉の際の時間パターン及び前記第1の時間パターンとは異なる時間パターン)を識別したとき、設定変更処理部は電子天びんの所定の部分(ここでいう所定の部分は、非接触センサにより動作する部分には限られない)の動作の設定を変更する処理を実行する。
設定画面に表示され設定変更処理部で変更される設定項目には、例えば測定モード設定(一般測定、個数測定、パーセント測定、平均測定等)、測定設定(風袋引きに関する設定、単位切り替え等)、環境設定(日付・時刻設定、LEDライトの輝度、非接触センサ操作時のブザー鳴動の有無の設定等)、印刷設定等が挙げられる。
第5項の電子天びんによれば、扉の開閉のみならず電子天びんの所定の部分の動作の設定操作を非接触センサを用いて行うことができる。そのため、扉の開閉操作のための非接触センサとは別に設定操作のための非接触センサを設ける必要がなく、非接触センサの設置スペースを小さくすることができると共に、コストを抑えることができる。また、当該設定操作時に電子天びんを手で触れる必要がないため、使用者の手に付着した薬品等によって電子天びんが汚れることを防ぐことができると共に、もし複数の使用者のうちの一部が感染症に感染していたとしても、電子天びんを介して他の使用者に接触感染することを防ぐことができる。
なお、第5項の電子天びんにおいて、非接触センサを扉の開閉等の(所定の部分の動作の設定以外の)電子天びんの動作に使用することなく、動作の設定にのみ使用するようにしてもよい。
(第6項)第5項の電子天びんにおいて、設定変更処理部において設定を変更する処理を実行する前記所定の部分の動作が、前記非接触センサの動作である。
第6項の電子天びんでは、使用者が非接触センサを操作することによって、当該非接触センサ自体の動作の設定を設定することができる。
例えば、電子天びんが第1非接触センサと第2非接触センサという2個の非接触センサを備える場合には、使用者は(1)第1非接触センサを短かざし、(2)第1非接触センサを長かざし、(3)第2非接触センサを短かざし、(4)第2非接触センサを長かざし、(5)第1非接触センサと第2非接触センサを同時に長かざし、(6)第1非接触センサと第2非接触センサを同時に短かざしという6つの操作を行うことができる。これら6つの操作のうちの1つ(例えば(5))を前記第1の操作とし、他の1つを前記第2の操作とする。第1の操作を行うことで設定画面を表示したうえで、第2の操作を行うことにより、上記6つの操作のうち前記第1及び第2の操作以外の4つの操作に対応する動作の割り当てを設定できるようにすることができる。
(第7項)第1項から第6項のいずれかの電子天びんにおいて、
前記複数の時間パターンと、各時間パターンに対応付けられた所定の部分の動作とが格納されたパターンテーブルを記憶する記憶部を備えるものとすることができる。
第7項の電子天びんでは、検出される時間パターンと、所定の部分の動作の内容とを簡単に対応付けることができる。
(第8項)第1項から第7項のいずれかの電子天びんにおいて、
前記時間パターンに対応付けられている所定の部分の動作を、前記非接触センサの検出信号を無効化する動作とすることができる。
第8項の電子天びんでは、非接触センサを用いて、非接触センサの検出信号を無効化して、電子天びんの所定の部分が不用意に動作してしまうことを回避することができる。この場合、検出信号が無効化される非接触センサと、検出信号の無効化を実行させるための非接触センサは同じでもよく、異なっていてもよい。
(第9項)第1項から第7項のいずれかの電子天びんにおいて、
前記時間パターンに対応付けられている所定の部分の動作を、前記非接触センサの検出信号が無効化されている状態と有効化されている状態とに切り替える動作とすることができる。
第9項の電子天びんでは、非接触センサの検出信号の無効化だけでなく、有効化の動作を、非接触センサを用いて行わせることができる。この場合、検出信号を有効化するための時間パターンと、無効化するための時間パターンとは、同じでもよく、異なっていてもよい。
(第10項)第8項又は第9項の電子天びんにおいて、
さらに、前記非接触センサの検出信号が無効化されている状態にあることを報知する報知手段を備えるものとすることができる。
第10項の電子天びんでは、報知手段の報知する内容によって、使用者は、現在の非接触センサの検出信号が有効か無効か(すなわち、非接触センサを使用可能か否か)を容易に知ることができる。