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JP7768334B2 - 画像解析システムおよび画像解析方法 - Google Patents
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JP7768334B2 - 画像解析システムおよび画像解析方法 - Google Patents

画像解析システムおよび画像解析方法

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Description

本発明は、レーダ画像等に基づく画像解析に適用可能な画像解析システムおよび画像解析方法に関する。
合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)技術は、人工衛星や航空機などの飛翔体が移動しながら、飛翔体に搭載されているレーダが電磁波を送受信し、大きな開口を持つアンテナによる画像と等価な画像(以下、SAR画像という。)を得るための技術である。合成開口レーダは、例えば、地表からの反射波を信号処理して、地表変位等を解析する等のために利用される。なお、地表は、地面だけでなく、建物などの低い構造物が存在する表面(上面)も含むとする。
人工衛星などの飛翔体で撮影された画像をレーダ画像という。SAR画像は、レーダ画像の一例である。以下、電磁波を送受信する飛翔体は人工衛星であるとするが、飛翔体は、人工衛星に限定されない。
画像解析の一例として、複数のSAR画像の間での位相差に基づいて変位や標高等を調査する干渉解析がある。画像解析の他の例として、強度の変化に基づいて地上の変化や異常を検出する変化検知がある。なお、それらは、画像解析の一例であって、画像解析の分野は多岐にわたる。
SAR画像中には、種々の性質の自然物や人工物が写っている。したがって、SAR画像における複数の画素それぞれにおける画素値は、その画素が写している対象によって異なる性質を持つ可能性がある。特に、画素値の確率的なばらつき、すなわちノイズは、被写体の種別によって異なる特性をもつことが知られている。そのため、被写体の種別に依存した特性を考慮しないと、画像解析による結果が不正確になるという課題がある。
そのような課題を解決するために、統計的に均質な画素を抽出することは有用である。例えば、特許文献1に、統計的に均質な画素を抽出するための技術が記載されている。当該技術が適用された画素識別装置は、SAR画像に所定サイズの窓を設定する。画素識別装置は、窓中の1つの画素を注目画素とする。画素識別装置は、注目画素の近傍の画素が、注目画素に対して、統計的に均質な画素であるか否か判定する。画素識別装置は、窓中の全ての画素の各々を順次注目画素に設定して、判定処理を実行する。
判定処理において、画素識別装置は、N枚(N:2以上の自然数)のSAR画像において決定された注目画素に対してN個の振幅値または強度値を含むベクトルを計算する。画素識別装置は、注目画素に対して窓を規定する。画素識別装置は、窓に含まれている全ての画素について、統計的検定を用いて各近傍画素のベクトル(要素数はN)を注目画素のベクトルと比較する。画素識別装置は、統計的検定として、コルモゴロフ-スミルノフ検定(Kolmogorov-Smirnov test:KS判定)を用いる。
すなわち、画素識別装置は、注目画素におけるN回の観測(N枚のSAR画像に対応)から作成された累積密度関数と近傍画素ごとに作成された累積密度関数とをKS検定で比較する。なお、累積密度関数は、累積分布関数(cumulative distribution function:CDF)とほぼ同義であるが、厳密には、観測値に基づくCDFの推定結果に相当する。また、累積密度関数を、累積相対度数(cumulative relative frequency)を補間して得られる関数などで表現することも可能である。
画素識別装置は、注目画素に類似すると判定された近傍画素のうち、注目画素と、直接または間接的に連続している近傍画素を抽出する。画素識別装置は、抽出された近傍画素を、最終的に、注目画素と統計的に均質な画素であると判定する。具体的には、画素識別装置は、注目画素に関する累積密度関数と近傍画素に関する累積密度関数との差の絶対値の最大値が所定のしきい値よりも小さい場合、注目画素と近傍画素とは、同じ確率分布に従うと見なして、すなわち、同じ確率密度関数で生成されていると見なして、近傍画素が統計的に注目画素と均質な画素であると判定する。
国際公開第2010/112426号
特許文献1に記載された技術によれば、SAR画像から、統計的に均質な画素群を抽出できる。
しかし、特許文献1に記載された画素識別装置は、多数の注目画素の各々について、窓中の全ての画素との比較を行うので、膨大な計算時間を要してしまう。すなわち、統計的に均質な画素群を取得するのに時間がかかる。
本発明は、画像から複数の画素群を高速に抽出できる画像解析システムおよび画像解析方法を提供することを目的の一つとする。
本発明による画像解析システムは、クラスタを表す代表分布とクラスタ内の画素値の分布との類似度を算出する類似度算出手段と、各々のクラスタにおける複数の画素についての分布を代表分布として算出する代表算出手段と、類似度を参照して、入力画像における画素を、複数のクラスタのうちのいずれかに割り当てる分割手段とを含む。
本発明による画像解析方法は、クラスタを表す代表分布とクラスタ内の画素値の分布との類似度を算出し、各々のクラスタにおける複数の画素についての分布を代表分布として算出し、類似度を参照して、入力画像における画素を、複数のクラスタのうちのいずれかに割り当てる。
本発明による画像解析プログラムは、コンピュータに、クラスタを表す代表分布とクラスタ内の画素値の分布との類似度を算出させ、各々のクラスタにおける複数の画素についての分布を代表分布として算出させ、類似度を参照して、入力画像における画素を、複数のクラスタのうちのいずれかに割り当てさせる。
本発明によれば、画像から複数の画素群を高速に抽出できる。
第1の実施形態の画像解析装置を示すブロック図である。 第1の実施形態の画像解析装置の動作を示すフローチャートである。 分割部、類似度算出部および代表算出部の処理の具体的な一例を説明するための説明図である。 代表算出部の処理の具体的な一例を説明するための説明図である。 代表算出部の動作の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態の画像解析装置を示すブロック図である。 第2の実施形態の画像解析装置の動作を示すフローチャートである。 探索範囲の一例を示す説明図である。 探索範囲の他の例を示す説明図である。 第3の実施形態の画像解析装置を示すブロック図である。 第3の実施形態の画像解析装置の動作を示すフローチャートである。 第4の実施形態の画像解析装置を示すブロック図である。 第4の実施形態の画像解析装置の動作を示すフローチャートである。 第5の実施形態の画像解析装置を示すブロック図である。 第1の実施例の画像解析システムを示すブロック図である。 第1の実施例の変形例の画像解析システムを示すブロック図である。 第2の実施例の画像解析システムを示すブロック図である。 第3の実施例の画像解析システムを示すブロック図である。 第3の実施例の画像解析システムの動作を示すフローチャートである。 CPUを有するコンピュータの一例を示すブロック図である。 画像解析システムの主要部を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。以下に説明する各実施形態では、電磁波を用いて得られるレーダ画像としてSAR画像を例にする。しかし、レーダ画像は、SAR画像に限定されない。例えば、レーダ画像は、光学画像であってもよい。
実施形態1.
図1は、第1の実施形態の画像解析装置を示すブロック図である。第1の実施形態の画像解析装置101は、分割部110、代表算出部120、および類似度算出部130を備える。画像解析装置101は、SAR画像格納部200からSAR画像を入力可能である。
第1の実施形態の画像解析装置101は、画像解析システムにおける、SAR画像における類似画素を抽出する画像解析装置(類似画素抽出装置)である。なお、後述する他の実施形態でも、画像解析装置は、SAR画像における類似画素を抽出する類似画素抽出装置を構成する。
SAR画像格納部200は、同じ地域が撮影されたN枚(例えば、N=10~30程度)のSAR画像を格納する。換言すれば、SAR画像格納部200は、解析領域が共通して写るN枚のSAR画像を格納する。以下、SAR画像格納部200に格納されているSAR画像(SAR画像群)を、入力SAR画像または入力SAR画像群ともいう。各々のSAR画像における同一位置の画素が同じ地点または地物の画素になるように、SAR画像は位置合わせされている。
なお、図1において、矢印は、信号(データ)の流れを端的に示しているが、双方向性を排除する意図はない。このことは、他のブロック図についても同様である。
N枚のSAR画像は、それぞれ同一地域が記録されたレーダ画像であり、異なる時刻または軌道で取得されたレーダ画像である。SAR画像格納部200に格納されるSAR画像は、取得された時刻は異なっているが同じ軌道で取得された画像であってもよい。また、複数のSAR画像は、取得された軌道は異なっているが同じ時刻に取得された画像であってもよい。さらに、複数のSAR画像は、取得時刻および取得軌道がともに異なっている画像であってもよい。
撮像条件(取得時刻、入射角、帯域など)は、実際に撮影されたときの条件に限られず、人工的に合成されてもよい。例えば、偏波SARと呼ばれる撮影方式では、照射する電磁波の電場方向や電磁波を受信する際のアンテナが持つ電場方向の感度・位相遅延等の条件(偏波撮像条件)を制御することによって、電磁波の電場方向に依存した特性を取得できる。この撮影方式では、2~3枚程度の異なる偏波条件で撮影された画像を合成することによって、任意の偏波条件で撮影された画像を再現できる。
また、偏波SARではない通常のSARでも、撮影後のSAR画像に対してフーリエ変換等の周波数領域への変換処理を行って、一部帯域を取り出すフィルタ処理を行うことによって、一部の帯域のみの画像を抽出することができる。一部帯域を取り出すフィルタ処理は、ランダムに一部を抽出する処理であってもよいし、ランダムに一部を除外するフィルタ処理であってもよい。
上記のような手法を用いることによって、複数の異なる帯域で撮影されたSAR画像群を構築することができる。すなわち、物理的には使用されていない撮像条件の画像を生成してSAR画像群を構築できる。
以下、分割部110、類似度算出部130および代表算出部120が、画素値としてSARの画素各々が持っている複素の値に対して、絶対値、またはその絶対値を後述する手法によって変換したものを用いる場合を例にする。
分割部110は、類似度算出部130が算出する類似度を参照して、SAR画像の画素を、複数のクラスタのうちのいずれかに割り当てる。なお、複数のクラスタにまたがって割り当てられる画素があってもよい。
代表算出部120は、クラスタにおける複数の画素についての分布を代表分布(クラスタを表す代表分布)として算出する。一例として、代表算出部120は、各クラスタ内で、どの画素とも類似するような分布を、クラスタの代表分布として算出する。
類似度算出部130は、代表算出部120が算出するクラスタごとの代表としての分布(代表分布)とSAR画像における各画素値の分布との類似度を算出する。分布は、例えば、確率密度関数やその推定値である。しかし、ある画素が他の画素と統計的に均質な画素であることを判定できるのであれば、他の形式、例えば、確率分布パラメータや累積密度関数などを用いてもよい。類似度算出部130は、例えば、双方の分布(累積密度分布など)の差(または、差の絶対値の最大値)があらかじめ定められている所定値以下である場合に、双方は類似すると判定する。
次に、画像解析装置101の動作を、図2のフローチャート、および、図3の説明図を参照して説明する。
分割部110は、SAR画像を複数の初期クラスタに分割する(ステップS100)。分割の仕方は任意である。一例として、分割部110は、各クラスタの面積が同じになるように、複数の初期クラスタを作成する。
ステップS101で、分割部110は、1つ前の処理ループ(ステップS102,S103の処理)で算出された類似度に基づいて、入力SAR画像の各画素を、いずれかのクラスタに割り当てる。すなわち、分割部110は、複数のクラスタを作成する。
代表算出部120は、各クラスタを代表する分布、すなわち、各クラスタの代表分布を算出する(ステップS102)。類似度算出部130は、各クラスタについて、代表分布とクラスタ内の各画素値の分布との類似度を算出する(ステップS103)。
終了条件が成立していない場合には、ステップS101の処理に戻る(ステップS104)。終了条件が成立している場合には、画像解析装置101は、処理を終了する(ステップS104)。終了条件は、例えば、ステップS101~S103の処理があらかじめ決められている所定回実行されると成立する。ステップS101の処理で作成された各々のクラスタの形状が、前回(1つ前の処理ループにおいて)実行された処理で作成された各々のクラスタの形状に比べて有意な差がなくなると、終了条件が成立したとしてもよい。また、算出された各画素の類似度が、1つ前の処理ループで算出された対応画素の類似と有意な差がなくなると、終了条件が成立したとしてもよい。なお、終了条件が成立したときに決定されている各クラスタは、均質であると判定するための基準を満たすクラスタに相当する。
図3の説明図を参照して、分割部110、代表算出部120および類似度算出部130の処理の具体的な一例を説明する。図3には、SAR画像に、土壌の領域sと、芝生の領域lと、道路rの領域とが含まれる例が示されている。
図3における最上段には、初期クラスタとして3つの矩形のクラスタa,b,cが生成されたことが例示され、それぞれの代表分布A,B,Cが太線で例示されている。他の線(破線)は、クラスタのメンバ(すなわち、画素)の分布の例を示す。
分割部110は、図3における上から2段目に例示されているように、クラスタの代表分布に類似する分布を持つ画素(分布の差を所定値以下にする画素)を集めて、新たなクラスタを構築する。
代表算出部120は、図3における上から3段目に例示されているように、新たなクラスタの各々について、代表分布を再計算する。類似度算出部130は、再計算された代表分布を用いて、代表分布とクラスタ内の画素値の分布との類似度(新たな類似度)を算出する。そして、分割部110は、新たな類似度に基づいて、再度クラスタを作成する処理を行う。
図3における最下段には、終了条件が成立したときのクラスタa,b,cの例と、代表分布A,B,Cおよびメンバの分布の例が示されている。図3における最下段に示すように、終了条件が成立したときには、代表分布とメンバの分布とは近似している。
次に、代表算出部120の処理の具体的な一例を、図4の説明図を参照して説明する。
図4に示す例では、代表算出部120は、メンバ各々が持つ画素値の分布を全てのメンバに対して平均した形式として代表分布を算出する。このことは、図4に例示するように、それぞれのメンバが持つ画素値の集合を全てのメンバについて結合することにより配列を作成し、その配列に含まれる画素値についての分布を推定(算出)することによって実現される。図4では丸印に示される5個の画素が結合されたことが例示的に示されている。
代表算出部120は、結合された配列に対する分布推定の方法として、例えば配列に対するヒストグラムやそれを正規化したものを利用することによって、各々の画素のヒストグラムの平均を得ることができる(図4における(i)参照)。または、代表算出部120は、カーネル密度関数を利用して結合された配列に対する代表分布を推定(算出)してもよい(図4における(ii)参照)。さらに、代表算出部120は結合された配列に対して累積度数を求め、それを正規化することによって累積密度分布の推定量である累積密度関数の平均(平均累積密度関数)として代表分布を推定(算出)することができる(図4における(iii)参照)。
また、代表算出部120は、ヒストグラム、カーネル密度関数または累積密度関数の、全メンバに対する平均を利用するのではなく、中央値等を代表分布として推定してもよい。
図5は、代表算出部120が平均累積密度関数を使用する場合の平均累積密度関数を得る処理を示すフローチャートである。以下の説明では、SAR画像の枚数はNとされている。クラスタ数はCとされている。クラスタのメンバ数(画素数)はK_cとされている。
代表算出部120は、クラスタ内のそれぞれの画素の値(画素値)を1つの配列に格納するのであるが(ステップS121)、この例では、クラスタc(c=1~C)の配列のサイズは、N×K_cである。代表算出部120は、配列の内容を昇順に並べ替える(ステップS122)。そして、代表算出部120は、要素番号(何番目に小さいかを示す番号)を配列のサイズで割った値を累積密度として算出する(ステップS123)。
代表算出部120は、配列の値に対して累積密度を出力する関数を、最近傍補間で得られる階段関数として得る(ステップS124)。なお、代表算出部120は、階段関数に代えて、他の補間関数を、累積密度を出力する関数として導出してもよい。
なお、最近傍補間は、ある画素の値として、最も近い位置の画素の値を採用するので、結果として、最近傍補間によって、ある一定の範囲で一定の値をとる階段関数が得られる。
ここで、付言すると、ステップS121~S124の処理で得られる累積密度関数は、K_c個の画素の各々について、各々の画素が持つN枚の画像において共通した画素として取り出された画素値N個から累積密度関数を推定してから平均したものと大体同じになる。よって、ここでは、平均累積密度関数という表現なされている。
図5に例示された処理によれば、最近傍補間を用いることなどに応じて、累積密度関数が高速で取得される。また、特に累積密度を出力する関数を階段関数として得る場合には、類似度算出において積分計算を階段数分の総和計算に置き換えることができる。すなわち、類似度算出も高速化される。
累積密度計算を簡略化するために、ステップS121の処理で画素値が配列に格納された後、代表算出部120は、ステップS122の処理の対象として、ランダムに数個の画素値を選択してもよい。累積密度計算を簡略化するために、ステップS122の処理で配列の内容が昇順に並べ替えられた後、代表算出部120は、ステップS123の処理の対象の画素値を、所定間隔で配列から選択してもよい。そのような処理が追加されることによって、クラスタのサイズに依存する計算量の増減を解消することができる。その結果、画像解析装置がコンピュータで実現される場合に、コンピュータの負荷が過大になったり、コンピュータの能力が無駄になることが防止される。また、処理の結果を一時的に保存するメモリに要求される容量を減らすことも可能になる。
次に、類似度算出部130の処理例を説明する。類似度算出部130は、分布類似度の指標を用いて、SAR画像群中の各々の画素値の分布と各々のクラスタの代表分布との比較を行う。
分布類似度を用いる比較の方法として、例えば、ヒストグラムやカーネル密度関数間の距離のような分布そのものの比較を行う方法がある。比較の方法は、Maximum Mean discrepancyのように累積密度関数同士の内積を定義することによって得られる距離を比較する方法であってもよい。また、比較対象について、コルモゴロフ-スミルノフ検定、クラメール-フォン-ミーゼス検定(Cramer von mises test)、アンダーソン-ダーリング検定(Anderson Darling test)、ワッサースタイン(Wasserstein)距離等の、累積密度分布間の距離を計算するノンパラメトリック検定を利用してもよい。また、比較対象について、分布パラメータ(例えば、平均や分散等)間の距離、モーメント間の距離、モーメントに類する分布特徴量間の距離を計算する手法を利用してもよい。
上述したような累積密度を出力する関数を階段関数として得る場合には、累積密度関数を不等間隔の階段関数として算出する方法を用いることによって、類似度算出が高速に実行される。
なお、コルモゴロフ-スミルノフ検定統計が使用される場合には、比較対象の差の絶対値の最大値を用いて、比較対象が類似しているか否か判定される。ワッサースタイン距離が使用される場合には、比較対象の差の絶対値の積分値を用いて、比較対象が類似しているか否か判定される。クラメール-フォン-ミーゼス検定が使用される場合には、比較対象の差の絶対値の二乗積分値を用いて、比較対象が類似しているか否か判定される。アンダーソン-ダーリング検定が使用される場合には、比較対象の差の絶対値の荷重積分の値を用いて、比較対象が類似しているか否か判定される。
類似度算出部130は、他の類似度指標を、分布類似度の指標と併用してもよい。例えば、類似度算出部130は、クラスタ内の各画素と比較対象の画素(この例では、代表分布に対応する代表の画素)との距離等を加算や乗算することによって、併用を実現できる。
代表算出部120および類似度算出部130は、SAR画像の画素値の絶対値を使用するが、それを変形したデータを用いてもよい。変形として、例えば、γ補正や対数による単調な補正がある。変形によって、SAR画像の画素値の絶対値に関するダイナミックレンジを縮小し、分布として比較が容易で、かつ、浮動小数としての演算精度低下が起こりにくいようにすることができる。また、ダイナミックレンジを縮小した上で、画素値の絶対値を量子化して整数型し、分布比較に関する演算を整数演算にすることによって、処理高速化してもよい。このことは、他の実施形態でも同様である。
実施形態2.
図6は、第2の実施形態の画像解析装置を示すブロック図である。第2の実施形態の画像解析装置102は、分割部110、代表算出部120、類似度算出部130および領域限定部140を備える。画像解析装置102は、SAR画像格納部200からSAR画像を入力可能である。画像解析装置102における領域限定部140以外の各構成要素の機能は、図1に示す第1の実施形態の画像解析装置101における各構成要素の機能と同じである。ただし、本実施形態では、代表算出部120は、クラスタにおける代表の画素の位置(代表画素位置)を決定する処理も行う。
領域限定部140は、代表分布との分布が比較される画素の範囲(領域)を所定範囲に限定する。
次に、画像解析装置102の動作を、図7のフローチャートを参照して説明する。
分割部110は、第1の実施形態と同様に、SAR画像を複数の初期クラスタに分割する(ステップS100)。第1の実施形態と同様に、ステップS101で、分割部110は、1つ前の処理ループ(本実施形態では、ステップS201~S203の処理)で算出された類似度に基づいて、入力SAR画像の各画素を、いずれかのクラスタに割り当てる。すなわち、分割部110は、複数のクラスタを作成する。
代表算出部120は、各クラスタの代表分布を算出するとともに、各クラスタの代表画素位置を算出する(ステップS201)。
代表画素位置は、クラスタ内部の画素がどのあたりに分布しているのかを示す位置である。例えば、代表画素位置は、クラスタ内の画素の平均位置、例えば重心である。代表画素位置は、最小半径円や最小正方形でクラスタの画素を囲ったときの中心等、クラスタを代表する1点の位置であってもよい。また、代表画素位置は、クラスタ内に含まれる複数の画素の位置であってもよい。
領域限定部140は、代表算出部120が出力する代表画素位置に基づいて、類似度算出部130の処理範囲である探索範囲を限定する(ステップS202)。
領域限定部140は、例えば、探索範囲を、クラスタの代表画素位置から一定距離内にある領域とする。距離として、例えば、ユークリッド距離、チェビシェフ距離、またはマンハッタン距離を使用可能であるが、他の類いの距離を用いてもよい。
画素位置を表現するときに、画素の行番号および列番号を画素位置の座標として用いることができる。また、あらかじめ、画素の大きさが地理的な尺度でどの程度になるかに基づいて拡大または縮小することによって、地上での距離を概算できるように変換してもよい。また、SAR画像の撮影時の衛星位置と地上の凹凸に基づいた歪みを補正した座標とすることによって、地上での厳密な距離を算出できるようにしてもよい。
図8は、探索範囲の一例を示す説明図である。図8には、代表画素位置Aから所定のチェビシェフ距離内の領域を探索範囲とした場合の例が示されている。図8において、小さな円は、画素を示す。斜線が施された大きな円は、代表画素位置Aを示す。その他の大きな円は、代表画素位置を示す。網点で示される領域が探索範囲である。
各クラスタについて、ただ1つの代表画素位置を定めるとき、代表画素位置同士を接続したグラフを使用して領域を限定してもよい。図9は、探索範囲の他の例を示す説明図である。図9に示す例では、近接するクラスタの代表画素位置を接続するグラフが生成される。そして、あるクラスタに対する領域限定が、所定個以下の辺によって接続された代表画素位置がなす多角形内部に限定される。
図9には、ドロネー図を用いた領域分割の例が示されている。図9において、小さな円は、画素を示す。大きな円は、代表画素位置を示す。斜線が施された大きな円を代表画素位置Bとした場合、1本の辺によって代表画素位置Bと接続された他の代表画素位置がなす多角形の領域が探索領域として決定される。
探索領域が限定されることによって、画像解析装置がコンピュータで実現される場合に、類似度算出部130の計算量が削減される効果がある。例えばドロネー図によるグラフ生成と代表画素位置の1本の辺による接続とによって形成される多角形内部への領域限定を行った場合、各々の画素はおおよそ3つのクラスタの探索領域に含まれる。このとき、画素数K_cに対して分布類似度の計算回数は約3K_cになる。
また、クラスタを等間隔に配置する場合には、第1の実施形態におけるクラスタ数Cと全ての画素K_cとの比較を行うときの分布類似度計算回数N×K_cと比較して、本実施形態では、それよりも計算量が少なくなることが多い。
代表画素位置に対して一定距離内に探索領域を限定する場合も同様である。クラスタの代表画素位置の間隔がLとして探索領域を2Lとした場合に、分布類似度計算回数は、ほぼ4K_cを下回る回数になって、計算量は大きく削減される。
実施形態3.
図10は、第3の実施形態の画像解析装置を示すブロック図である。第3の実施形態の画像解析装置103は、分割部110、代表算出部120、類似度算出部130および外れ値検出部150を備える。画像解析装置103は、SAR画像格納部200からSAR画像を入力可能である。画像解析装置103における外れ値検出部150以外の各構成要素の機能は、図1に示す第1の実施形態の画像解析装置101における各構成要素の機能と同じである。
上述したように、分割部110は、クラスタの代表分布に類似する分布を持つ画素を集めて、新たなクラスタを構築する。類似度算出部130は、クラスタごとに、代表分布とSAR画像における画素値の分布との類似度を算出する。外れ値検出部150は、クラスタごとに、類似度算出部130が算出した類似度が、代表分布と比較されたいずれのクラスタに対しても大きい(異なっている)場合に、その画素値の分布を外れ値とする。外れ値検出部150は、例えば、類似度算出部130が算出した類似度と代表分布との差が所定値以上である場合に、類似度が代表分布とは異なっていると判定して、画素値の分布を外れ値とする。分割部110は、外れ値を、クラスタの代表分布に類似する分布を持つか否かの判定の対象から除外する。
その結果、代表算出部120は、外れ値の影響を受けないので、分割部110によるクラスタの作成処理がより正確になる。SAR画像において孤立した画素数点が他の全ての画素とも異なる反射特性を持つ場合があるが、外れ値検出部150は、そのような状況の影響を除外できる。
次に、画像解析装置103の動作を、図11のフローチャートを参照して説明する。
分割部110は、第1の実施形態と同様に、SAR画像を複数の初期クラスタに分割する(ステップS100)。ステップS301で、分割部110は、1つ前の処理ループ(本実施形態では、ステップS102~S103の処理)で算出された類似度に基づいて、入力SAR画像の各画素を、いずれかのクラスタに割り当てる。すなわち、分割部110は、複数のクラスタを作成する。なお、本実施形態では、分割部110は、外れ値を、クラスタの代表分布に類似する分布を持つか否かの判定の対象から除外する。
類似度算出部130は、各クラスタを代表する分布、すなわち、各クラスタの代表分布を算出する(ステップS102)。代表算出部120は、各クラスタについて、代表分布とクラスタ内の画素値の分布との類似度を算出する(ステップS103)。
外れ値検出部150は、上述したように、その画素を外れ値とする(ステップS301)。
実施形態4.
図12は、第4の実施形態の画像解析装置を示すブロック図である。第4の実施形態の画像解析装置104は、分割部110、代表算出部120、類似度算出部130および孤立画素判定部160を備える。画像解析装置104は、SAR画像格納部200からSAR画像を入力可能である。画像解析装置104における孤立画素判定部160以外の各構成要素の機能は、図1に示す第1の実施形態の画像解析装置101における各構成要素の機能と同じである。
孤立画素判定部160は、近傍の画素と比較して特に異なった分布を持つ画素を孤立画素と判定する。
孤立画素として、例えば、反射強度の平均値を反射強度の標準偏差によって割った数値が大きな画素が考えられる。このような特性を持つ画素は、窓のサッシ、階段の隅、複数の鉄骨が交差する点等で発生することが知られている。多くの場合に、孤立画素の画素値の分布は、周辺画素の画素値の分布が類似しないという性質がある。また、孤立画素判定部160は、周辺画素の画素値の分布を比較するために、ある画素の画素値の分布を複数の近傍の画素の分布と比較し、複数の近傍の画素のうち当該画素の画素値の分布と類似しない分布の割合が少ない(例えば、1/4以下)場合に、当該画素を孤立画素としてもよい。
次に、画像解析装置104の動作を、図13のフローチャートを参照して説明する。
分割部110は、第1の実施形態と同様に、SAR画像を複数の初期クラスタに分割する(ステップS100)。孤立画素判定部160は、上述した方法でSAR画像における孤立画素を判定する(ステップS401)。
ステップS402で、分割部110は、1つ前の処理ループ(本実施形態では、ステップS102~S103の処理)で算出された類似度に基づいて、入力SAR画像の各画素を、いずれかのクラスタに割り当てる。すなわち、分割部110は、複数のクラスタを作成する。なお、本実施形態では、分割部110は、孤立画素を、クラスタの代表分布に類似する分布を持つか否かの判定の対象から除外する。
本実施形態では、代表算出部120は、孤立画素の影響を受けないので、分割部110によるクラスタの作成処理がより正確になる。
実施形態5.
図14は、第5の実施形態の画像解析装置を示すブロック図である。第5の実施形態の画像解析装置105は、分割部110、代表算出部120、類似度算出部130および類似度合成部170を備える。画像解析装置105は、SAR画像格納部200からSAR画像を入力可能である。画像解析装置105における類似度合成部170以外の各構成要素の機能は、図1に示す第1の実施形態の画像解析装置101における各構成要素の機能と同じである。類似度合成部170は、あるクラスタに属する画素と他のクラスタに属する画素の類似度(具体的には、画素値の分布の類似度)を算出し、算出した類似度を、例えば、類似度格納部300に格納する。
一例として、類似度合成部170は、あるクラスタに属する画素Pと他のクラスタに属する画素Qを対象として、それらのいずれもが類似するクラスタRとの間の類似度を算出する。具体的には、類似度合成部170は、画素Pの分布とクラスタRの代表分布とを比較して類似度を算出する。また、類似度合成部170は、画素Qの分布とクラスタRの代表分布とを比較して類似度を算出する。類似度合成部170による比較の仕方は、類似度算出部130による比較の仕方と同じでよい。
類似度合成部170は、さらに、算出した2つの類似度を加算して、画素Pの分布と画素Qの分布との類似度とする。
任意の距離内にある2画素間の分布の類似度が必要とされる場合に、本実施形態は、有効に活用される。すなわち、2画素間の分布の類似度が、あらかじめ計算されたクラスタとの類似度の合成(加算など)によって得られるので、2画素間の分布の類似度が直ちに提供される。
なお、本実施形態では、第1の実施形態に類似度合成部170が追加されているが、第2~第4の実施形態に類似度合成部170が追加されてもよい。
以下、上記の実施形態で実現される画像解析装置(類似画素抽出装置)を適用した画像解析システムの具体例を説明する。
実施例1.
図15は、第1の実施例の画像解析システムを示すブロック図である。第1の実施例の画像解析システム401は、画像解析装置101、干渉解析部410、および統計算出部411を備える。なお、画像解析装置101に代えて、第2~第5の実施形態の画像解析装置102~105を使用してもよい。下記の実施例2,3でも、第2~第5の実施形態の画像解析装置102~105を使用してもよい。
干渉解析部410は、SAR画像群から2つ以上の画像を取り出し、2つの画像のうちの一方に対して他方の画像の複素共役を乗算するなどすることによって2画像間の位相差などを求める。さらに、干渉解析部410は、分割部110からクラスタを特定可能な情報を入力する。統計算出部411は、クラスタごとの2画像間の複素相関を得る。そして、統計算出部411は、全ての入力SAR画像の組に対する複素相関を行列形式にした複素相関行列を算出する。なお、複素相関行列はコヒーレンス行列等とも呼ばれる。統計算出部411は、少なくとも1つのクラスタについて統計値(この例では、コヒーレンス行)を計算すればよい。
統計算出部411は、例えば、クラスタごとの統計値を、相関記憶部500に格納する。統計値(以下、特性ともいう。)は、例えば、単純な複素相関の複素平均であってよい。統計算出部411は、複素平均を強度二乗平均平方根によって正規化する処理を行ってもよい。統計算出部411は、相関行列のロバスト推定値の計算を行ってもよい。すなわち、統計算出部411は、相関行列のロバスト推定手法を使用してもよい。相関行列のロバスト推定手法のために、Minimum Covariance Determinant等を使用可能である。
統計算出部411は、クラスタごとの特性を、クラスタの付随情報とともに相関記憶部500に格納してもよい。付随情報は、例えば、クラスタのSAR画像における位置またはクラスタの地図上の位置を示す情報である。クラスタの位置を示す情報は、例えば、クラスタにおける代表画素(例えば、中心位置)の位置を表す。クラスタの位置を示す情報は、SAR画像における当該クラスタの占有領域を特定可能な情報であってもよい。クラスタの占有領域を特定可能な情報は、一例として、クラスタにおける代表画素の位置と当該クラスタのサイズ(例えば、クラスタの中心位置からの半径)とを含む情報である。
実施例1の応用例として、以下のような使用方法がある。
図16は、第1の実施例の変形例の画像解析システムを示すブロック図である。図16に示す画像解析システム401Aは、図15に示された画像解析システム401に、送受信部412と領域判定部413とが追加されて構成される。画像解析システム401Aと有線伝送路または無線伝送路を介して接続される情報処理端末(図示せず)から、画像解析システム401に対して、領域を特定可能な情報が送信されることを想定する。情報処理端末の例として、スマートフォンやパーソナルコンピュータが挙げられる。
送受信部412が情報処理端末から、SAR画像における所定領域または地図上の所定領域を示す情報を入力すると、送受信部412は、その情報を領域判定部413に出力する。領域判定部413は、その情報に含まれる所与の領域に対応する領域を求める。具体的には、領域判定部413は、相関記憶部500に記憶されている1つ以上のクラスタの領域(具体的には、位置とサイズ)の各々と所与の領域とを比較する。領域判定部413は、所与の領域と位置およびサイズが一致するクラスタまたは位置およびサイズが最も類似するクラスタを、所与の領域に対応する領域として選択する。送受信部412は、選択されたクラスタの特性を情報処理端末に配信する。
情報処理端末は、例えば、ユーザによる操作に応じて所定領域を決定する。すなわち、情報処理端末には、ユーザによって所定領域が指定される。画像解析システム401Aは、ユーザによって指定された所定領域を所与の領域として、所与の領域に対応する領域(クラスタ)についての特性を情報処理端末に供給できる。
情報処理端末がSAR画像を有している場合には、情報処理端末は、ユーザが指定した領域に対応する領域の画像解析システム401Aが有している特性を用いて、SAR画像に変化が生じているか否か判定できる。その際、画像解析システム401Aは、所定領域についての特性を情報処理端末に供給するので、SAR画像全体についての特性が情報処理端末に供給される場合に比べて、情報処理端末が受信すデータ量は少ない。したがって、情報処理端末のユーザは、迅速に変化を把握できる。一例として、特性が画素の強度のヒストグラムである場合には、迅速に地形変化を把握できるので、災害発生時の地形状況が迅速に把握される。
実施例2.
図17は、第2の実施例の画像解析システムを示すブロック図である。第2の実施例の画像解析システム402は、画像解析装置101、画素特徴量抽出部420、クラスタ間類似度算出部421、およびセグメンテーション部422を備える。
画像解析の前処理の1つとして、領域分割(セグメンテーション)がある。セグメンテーションにおいて、例えば、類似画素をひとまとまりにするSuperpixelの手法が用いられる。
本実施例では、画素特徴量抽出部420は、SAR画像における画素の特徴量(画素特徴量)を抽出(算出)する。クラスタ間類似度算出部421は、分割部110からクラスタを特定可能な情報を入力する。クラスタ間類似度算出部421は、各々のクラスタにおける画素特徴量を統合して、各々のクラスタの画素特徴量とする。
セグメンテーション部422は、クラスタの特徴量を比較して、特徴量が類似するクラスタをまとめてSuperpixelとする。
画素数が多大な巨大なSAR画像に対してセグメンテーションを実行する場合、SAR画像における画素の特徴量を比較して、特徴量が類似する画素をひとまとまりにしようとすると、セグメンテーション処理の計算量が多くなって、処理完了までに長時間を要する。
本実施例では、分割部110が、既に、統計的に均質な画素をクラスタとしてまとめているので、クラスタの特徴量を比較することによってセグメンテーションを行うことができる。したがって、セグメンテーション処理の計算量が削減される。
なお、画像解析装置101と画素特徴量抽出部420とを有する画像解析システムを用意し、クラスタ間類似度算出部421およびセグメンテーション部422を有する情報処理端末が、画像解析システムが情報を受信するシステムも想定しうる。その場合には、情報処理端末が、セグメンテーションを実行する。
実施例3.
図18は、第3の実施例の画像解析システムを示すブロック図である。第3の実施例の画像解析システム403は、画像解析装置101、クラスタ対応付け部430、確率計算部431、および異常検知部432を備える。
本実施例では、クラスタ対応付け部430は、異常検知の対象のSAR画像が格納された検知対象SAR画像格納部210からSAR画像を入力する。検知対象SAR画像は、SAR画像格納部200に格納されているSAR画像に対して、同一位置の画素が同じ地点または地物の画素になるように位置合わせされている。
次に、画像解析システム403の動作を、図19のフローチャートを参照して説明する。ステップS100~S104の処理は、第1の実施形態における処理と同じである。
クラスタ対応付け部430は、分割部110からクラスタを特定可能な情報を入力する。クラスタ対応付け部430は、検知対象SAR画像を、分割部110による分割(クラスタリング)に従って分割する(ステップS431)。
確率計算部431は、代表算出部120が算出した代表分布を基に、検知対象SAR画像についてのクラスタ内の画素値が得られる確率を算出する(ステップS432)。
異常検知部432は、確率計算部431が算出した確率が所定のしきい値以下である場合に、検知対象SAR画像に異常(通常とは異なる状態)が生じていると判定する(ステップS433)。画像解析システム403が変化検出や変位検知に応用されている場合には、異常検知部432は、検知対象SAR画像において変化や変位が生じていると判定する。
次に、実施例3の変形例を説明する。変形例では、検知対象SAR画像格納部210には、SAR画像格納部200に格納されているSAR画像を撮影したときの視点とは異なる視点から撮影されたSAR画像が格納される。なお、視点が異なるということには、画像を生成するために使用される衛星の種類が異なることや、画像の解像度が異なることが含まれるが、主として、画像を生成するために使用される衛星の軌道が異なることを意味する。なお、変形例では、検知対象SAR画像格納部210に記憶されているSAR画像とSAR画像格納部200に格納されているSAR画像とは未だ位置合わせされていない。
また、変形例では、画像解析装置101と同様に構成された画像解析装置(以下、第2画像解析装置という。)が、検知対象SAR画像格納部210とクラスタ対応付け部430との間に設置される。従って、変形例では、クラスタ対応付け部430は、画像解析装置101における分割部110からクラスタを特定可能な情報を入力するとともに、第2画像解析装置における分割部からクラスタを特定可能な情報を入力する。
変形例では、クラスタ対応付け部430は、第1実施例における統計算出部411と同様に、クラスタごとの特性とともにクラスタの付随情報を扱う。付随情報は、第1の実施例の場合と同様、クラスタのSAR画像における位置およびサイズまたはクラスタの地図上の位置およびサイズを示す情報である。そして、クラスタ対応付け部430は、クラスタの付随情報を利用して、ある視点からのSAR画像(この例では、SAR画像格納部200に格納されているSAR画像)における領域(クラスタ)に対応する他の視点からのSAR画像(この例では、検知対象SAR画像格納部210に格納されているSAR画像)における領域(クラスタ)を検出する。なお、対応するクラスタは、例えば、位置およびサイズが一致するクラスタまたは位置およびサイズが最も類似するクラスタである。
変形例では、クラスタ対応付け部430は、さらに、SAR画像格納部200に格納されていたSAR画像における領域の特性と、それに対応すると判定された検知対象SAR画像格納部210に格納されていたSAR画像における領域の特性とを合成(例えば、加算)する。
本変形例では、互いに異なる複数の視点からのSAR画像の各々の対応する領域の特性が合成されるので、以下のような効果が得られる。
例えば、特性がコヒーレンス行列である場合には、1つの視点からのSAR画像からだけでは把握しづらかった変位や立体形状が、本実施例では、把握可能になる可能性が高くなる。
また、特性が画素の強度ヒストグラムである場合には、複数の衛星を組み合わせることによってより更新頻度の高い異常検知が実現可能になる可能性が高まる。その結果、より短い時間間隔での異常判定等を行える。
上記の実施形態および実施例では、同一の確率分布に従ったばらつきを持つ複数の画素を高速に抽出することができる。また、上記の実施例では、同一の確率分布に従ったばらつきを持つ複数の画素が小数のクラスタとしてまとまっているので、画素ごとの分析をクラスタごとの分析に置き換えることによって、変位解析、被覆分類、異常検知といった分析を高速に行うことができる。
なお、上記の実施形態および実施例では、画像としてSAR画像を扱うことを例にしたが、上記の実施形態および実施例は、画素ごとに異なる分布特性を持つような画像や点群であれば、それらの画像や点群に適用可能である。
上記の実施形態および実施例における各構成要素は、1つのハードウェアで構成可能であるが、1つのソフトウェアでも構成可能である。また、各構成要素は、複数のハードウェアでも構成可能であり、複数のソフトウェアでも構成可能である。また、各構成要素のうちの一部をハードウェアで構成し、他部をソフトウェアで構成することもできる。
上記の実施形態における各機能(各処理)を、CPU(Central Processing Unit )等のプロセッサやメモリ等を有するコンピュータで実現可能である。例えば、記憶装置(記憶媒体)に上記の実施形態における方法(処理)を実施するためのプログラムを格納し、各機能を、記憶装置に格納されたプログラムをCPUで実行することによって実現してもよい。
図20は、CPUを有するコンピュータの一例を示すブロック図である。コンピュータは、画像解析システムに実装される。CPU1000は、記憶装置1001に格納されたプログラムに従って処理を実行することによって、上記の実施形態および実施例における各機能を実現する。すなわち、図1,図6,図10,図12,図14~図18に示された画像解析装置および画像解析システムにおける、分割部110、代表算出部120、類似度算出部130、領域限定部140、外れ値検出部150、孤立画素判定部160、類似度合成部170、干渉解析部410、統計算出部411、画素特徴量抽出部420、クラスタ間類似度算出部421、セグメンテーション部422、クラスタ対応付け部430、確率計算部431、および異常検知部432の機能を実現する。
記憶装置1001は、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium )である。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium )を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の具体例として、磁気記録媒体(例えば、ハードディスク)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、CD-R(Compact Disc-Recordable )、CD-R/W(Compact Disc-ReWritable )、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM )、フラッシュROM)がある。
また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium )に格納されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体には、例えば、有線通信路または無線通信路を介して、すなわち、電気信号、光信号または電磁波を介して、プログラムが供給される。
メモリ1002は、例えばRAM(Random Access Memory)で実現され、CPU1000が処理を実行するときに一時的にデータを格納する記憶手段である。メモリ1002に、記憶装置1001または一時的なコンピュータ可読媒体が保持するプログラムが転送され、CPU1000がメモリ1002内のプログラムに基づいて処理を実行するような形態も想定しうる。
図21は、画像解析システムの主要部を示すブロック図である。図21に示す画像解析システム10は、クラスタの代表分布(クラスタを表す代表分布)とクラスタ内の画素値の分布との類似度を算出する類似度算出部(類似度算出手段)11(実施形態および実施例では、類似度算出部130で実現される。)と、各々のクラスタにおける複数の画素についての分布を代表分布として算出する代表算出部(代表算出手段)12(実施形態および実施例では、代表算出部120で実現される。)と、類似度を参照して、入力画像における画素を、複数のクラスタのうちのいずれかに割り当てる分割部(分割手段)13(実施形態および実施例では、分割部110で実現される。)とを備える。
上記の実施形態および実施例の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下に限定されるわけではない。
(付記1)クラスタの代表分布と前記クラスタ内の画素値の分布との類似度を算出する類似度算出手段と、
各々の前記クラスタにおけるどの画素とも分布が類似する分布を前記クラスタの代表分布として算出する代表算出手段と、
前記類似度を参照して、入力画像における画素を、複数の前記クラスタのうちのいずれかに割り当てる分割手段と
を備える画像解析システム。
(付記2)クラスタを代表する画素の位置に基づいて、前記類似度算出手段の処理範囲である探索範囲を限定する領域限定手段(実施形態および実施例では、領域限定部140で実現される。)を備え、
前記代表算出手段は、前記クラスタを代表する画素の位置を決定する
付記1の画像解析システム。
(付記3)類似度算出手段が算出した類似度が、前記代表分布と比較されたいずれの前記クラスタとも異なっている場合に、画素値の分布を外れ値とする外れ値検出手段(実施形態および実施例では、外れ値検出部150で実現される。)を備え、
前記分割手段は、前記外れ値を、前記クラスタの代表分布に類似する分布を持つか否かの判定の対象から除外する
付記1の画像解析システム。
(付記4)入力画像における近傍の画素と比較して異なった分布を持つ画素を孤立画素と判定する孤立画素判定手段(実施形態および実施例では、孤立画素判定部160で実現される。)を備え、
前記分割手段は、孤立画素を、前記クラスタの代表分布に類似する分布を持つか否かの判定の対象から除外する
付記1の画像解析システム。
(付記5)あるクラスタに属する画素値の分布の類似度と他のクラスタに属する画素値の分布の類似度とを合成する類似度合成手段(実施形態および実施例では、類似度合成部170で実現される。)を備える
付記1から付記4のうちのいずれかの画像解析システム。
(付記6)クラスタごとに、2つの画像の複素相関を算出する複素相関算出手段(実施形態および実施例では、干渉解析部410および統計算出部411で実現される。)を備える
付記1から付記5のうちのいずれかの画像解析システム。
(付記7)クラスタ間の類似度を算出するクラスタ間類似度算出手段(実施形態および実施例では、クラスタ間類似度算出部421で実現される。)と、
前記クラスタ間の類似度に基づいて画像を分割するセグメンテーション手段(実施形態および実施例では、セグメンテーション部422で実現される。)と
を備える付記1から付記5のうちのいずれかの画像解析システム。
(付記8)検知対象画像を、分割手段が作成した前記クラスタに従って分割するクラスタ対応付け手段(実施形態および実施例では、クラスタ対応付け部430で実現される。)と、
前記検知対象画像についてのクラスタ内の画素と前記クラスタの代表分布とに基づいて、前記検知対象画像についてのクラスタ内の画素値が得られる確率を算出する確率算出手段(実施形態および実施例では、確率計算部431で実現される。)と
を備える付記1から付記5のうちのいずれかの画像解析システム。
(付記9)解析領域が共通して写る複数のSAR画像を、それぞれ、均質であると判定する基準を満たす複数の領域に分ける分割手段(実施例では、分割部110で実現される。)と、
前記複数の領域のうち少なくとも1つの領域について特性を求める特性取得手段(実施例では、統計算出部411で実現される。)と、
前記少なくとも1つの領域について、領域の位置と前記領域に対して求められた前記特性とを含む情報を配信する配信手段(実施例では、送受信部412で実現される。)と
を備える画像解析システム。
(付記10)前記複数の領域のうち、所与の領域に対応する領域を求める領域判定手段(実施例では、領域判定部413で実現される。)を備え、
前記配信手段は、求められた前記領域についての前記特性を配信する
付記9の画像解析システム。
(付記11)互いに異なる複数の視点からのSAR画像を含むSAR画像群における各々のSAR画像を、それぞれ、均質であると判定する基準を満たす複数の領域に分ける分割手段と、
前記複数の領域の各々について特性を求める特性取得手段と、
前記複数の視点のうちのある視点からのSAR画像における領域と、該領域に対応する他の視点からのSAR画像における領域とについて、求められた前記特性を合成する合成手段と
を備える画像解析システム。
(付記12)クラスタを表す代表分布と前記クラスタ内の画素値の分布との類似度を算出し、
各々の前記クラスタにおける複数の画素についての分布と類似する分布を前記代表分布として算出し、
前記類似度を参照して、入力画像における画素を、複数の前記クラスタのうちのいずれかに割り当てる
画像解析方法。
(付記13)前記クラスタを代表する画素の位置を決定し、
前記クラスタを代表する画素の位置に基づいて、クラスタの代表分布と前記クラスタ内の画素値の分布との類似度を算出する範囲である探索範囲を限定する
付記12の画像解析方法。
(付記14)クラスタごとに、2つの画像の複素相関を算出する
付記12または付記13の画像解析方法。
(付記15)画像解析プログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記画像解析プログラムは、コンピュータに、
クラスタを表す代表分布と前記クラスタ内の画素値の分布との類似度を算出させ、
各々の前記クラスタにおける複数の画素についての分布と類似する分布を前記代表分布として算出させ、
前記類似度を参照して、入力画像における画素を、複数の前記クラスタのうちのいずれかに割り当てさせる
コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記16)前記画像解析プログラムは、前記コンピュータに、
前記クラスタを代表する画素の位置を決定させ、
前記クラスタを代表する画素の位置に基づいて、クラスタの代表分布と前記クラスタ内の画素値の分布との類似度を算出する範囲である探索範囲を限定させる
付記15のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記17)前記画像解析プログラムは、前記コンピュータに、
クラスタごとに、2つの画像の複素相関を算出させる
付記15または付記16のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記18)コンピュータに、
クラスタの代表分布と前記クラスタ内の画素値の分布との類似度を算出させ、
各々の前記クラスタにおけるどの画素とも分布が類似する分布を前記クラスタの代表分布として算出させ、
前記類似度を参照して、入力画像における画素を、複数の前記クラスタのうちのいずれかに割り当てさせる
ための画像解析プログラム。
(付記19)コンピュータに、前記クラスタを代表する画素の位置を決定させ、
前記クラスタを代表する画素の位置に基づいて、クラスタの代表分布と前記クラスタ内の画素値の分布との類似度を算出する範囲である探索範囲を限定させる
付記18の画像解析プログラム。
(付記20)コンピュータに、クラスタごとに、2つの画像の複素相関を算出させる
付記18または付記19の画像解析プログラム。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記の実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
10,401,401A,402,403 画像解析システム
11 類似度算出部
12 代表算出部
13 分割部
101,102,103,104,105 画像解析装置
110 分割部
120 代表算出部
130 類似度算出部
140 領域限定部
150 外れ値検出部
160 孤立画素判定部
170 類似度合成部
200 SAR画像格納部
410 干渉解析部
411 統計算出部
412 送受信部
413 領域判定部
420 画素特徴量抽出部
421 クラスタ間類似度算出部
422 セグメンテーション部
430 クラスタ対応付け部
431 確率計算部
432 異常検知部
500 相関記憶部
1000 CPU
1001 記憶装置
1002 メモリ

Claims (10)

  1. クラスタを表す代表分布と前記クラスタ内の画素値の分布との類似度を算出する類似度算出手段と、
    各々の前記クラスタにおける複数の画素についての分布を前記代表分布として算出する代表算出手段と、
    前記類似度を参照して、入力画像における画素を、複数の前記クラスタのうちのいずれかに割り当てる分割手段と
    を備える画像解析システム。
  2. クラスタを代表する画素の位置に基づいて、前記類似度算出手段の処理範囲である探索範囲を限定する領域限定手段を備え、
    前記代表算出手段は、前記クラスタを代表する画素の位置を決定する
    請求項1に記載の画像解析システム。
  3. 類似度算出手段が算出した類似度が、前記代表分布と比較されたいずれの前記クラスタとも異なっている場合に、画素値の分布を外れ値とする外れ値検出手段を備え、
    前記分割手段は、前記外れ値を、前記クラスタを表す代表分布に類似する分布を持つか否かの判定の対象から除外する
    請求項1に記載の画像解析システム。
  4. 入力画像における近傍の画素と比較して異なった分布を持つ画素を孤立画素と判定する孤立画素判定手段を備え、
    前記分割手段は、孤立画素を、前記クラスタを表す代表分布に類似する分布を持つか否かの判定の対象から除外する
    請求項1に記載の画像解析システム。
  5. あるクラスタに属する画素値の分布の類似度と他のクラスタに属する画素値の分布の類似度とを合成する類似度合成手段を備える
    請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の画像解析システム。
  6. クラスタごとに、2つの画像の複素相関を算出する複素相関算出手段を備える
    請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の画像解析システム。
  7. クラスタ間の類似度を算出するクラスタ間類似度算出手段と、
    前記クラスタ間の類似度に基づいて画像を分割するセグメンテーション手段と
    を備える請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の画像解析システム。
  8. 検知対象画像を、分割手段が作成した前記クラスタに従って分割するクラスタ対応付け手段と、
    前記検知対象画像についての前記クラスタ内の画素と前記クラスタを表す代表分布とに基づいて、前記検知対象画像についての前記クラスタ内の画素値が得られる確率を算出する確率算出手段と
    を備える請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の画像解析システム。
  9. 前記分割手段は、解析領域が共通して写る複数のSAR画像を、それぞれ、均質であると判定する基準を満たす複数の領域に分け
    前記複数の領域のうち少なくとも1つの領域について特性を求める特性取得手段と、
    前記少なくとも1つの領域について、領域の位置と前記領域に対して求められた前記特性とを含む情報を配信する配信手段とを備える
    請求項1に記載の画像解析システム。
  10. 前記分割手段は、互いに異なる複数の視点からのSAR画像を含むSAR画像群における各々のSAR画像を、それぞれ、均質であると判定する基準を満たす複数の領域に分け
    前記複数の領域の各々について特性を求める特性取得手段と、
    前記複数の視点のうちのある視点からのSAR画像における領域と、該領域に対応する他の視点からのSAR画像における領域とについて、求められた前記特性を合成する合成手段とを備える
    請求項1に記載の画像解析システム。
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