JP7769331B2 - アンテナ用の反射部材、アンテナ用の反射部材の製造方法、及びテラヘルツ観測用アンテナ - Google Patents
アンテナ用の反射部材、アンテナ用の反射部材の製造方法、及びテラヘルツ観測用アンテナInfo
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また、基材層の表面にプラズマ溶射により形成したアンカー層の表面に、コールドスプレー法により反射層を形成した構造が開示されている(例えば、特許文献2)。
特許文献2に示すように、反射鏡面をプラズマ溶射で成膜した場合、微細な空隙層が残る。このため、鏡面粗さが大きくなる。よって、高い鏡面形状精度を持つ鏡面が製造できない。
本発明に係るアンテナ用の反射部材は、曲面状の芯材と、前記芯材の内側面に沿って設けられた第1表皮と、前記芯材の外側面に沿って設けられた第2表皮と、前記第1表皮の、前記芯材に面しない側に設けられた反射鏡面成膜と、を備え、前記芯材と、前記第1表皮と、前記第2表皮とは炭素繊維強化樹脂によって形成され、前記芯材は、高さ方向が厚さ方向に面する柱が複数並べられて形成され、前記反射鏡面成膜は金属によって内部に空隙層を有さずに形成される。
芯材の厚さ方向の両側面に第1表皮及び第2表皮が設けられることで、厚さ方向に対称なサンドイッチパネル構造となる。これにより、芯材の厚さ方向に直交する方向からの入力に対しても変形しにくい構造とすることができる。
以上から、軽量かつ高精度で、長期環境耐性に優れた反射部材とすることができる。このような作用を有する反射部材は、例えば、宇宙用、人工衛星搭載用の軽量高精度反射鏡型アンテナに適用する際に顕著な効果をもたらす。
図1に示すアンテナ100は、反射部材10と、放射器20と、支持部30と、基台部40と、を備える、いわゆるパラボラアンテナである。本実施形態に係るアンテナ100は、例えば、テラヘルツ観測用アンテナとして、宇宙用あるいは人工衛星搭載用に好適に用いられる。
放射器20は、反射部材10によって反射された電波を観測し、不図示の受信機に伝達する。放射器20は、反射部材10の焦点に設けられる。
支持部30は、反射部材10と基台部40とを連結し、支持する役割を有する。
基台部40は、反射部材10、放射器20、支持部30をそれぞれ支持する部位である。基台部40は、例えば、アンテナ100を人工衛星に搭載する際に、前記人工衛星と連結する部位である。あるいは、アンテナ100を地上に設置する際に地面に設けられてもよい。
芯材11は、外周が円状であり、表面が曲面状の部材である。芯材11の表面の曲面状は、芯材11の中心を通る任意の断面曲線が、例えば、放物線(パラボラ)となるように形成される。これにより、芯材11は飛来する電波に対する焦点を有し、アンテナ100における反射部材10の基礎を構成する。あるいは、前記断面曲線は、放物線状でなく、アンテナ100や光学系の電気設計の結果によって適宜決定されてもよい。
芯材11は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)によって形成されることが好ましい。芯材11は、高さ方向が厚さ方向に面する柱が複数並べられて形成される。例えば、図2に示すように、芯材11は、前記柱が六角柱の、いわゆるハニカム構造であることが好ましい。これにより、芯材11の厚さ方向の変形を抑える。前記柱は、三角柱や四角柱、あるいは円柱が複数並べられて形成されてもよい。前記柱は中空であってもよいし、中実であってもよい。
第2表皮13は、芯材11の曲面状の外側面に沿って設けられたシート状の部材である。つまり、第2表皮13は、芯材11と同様に曲面状の部材である。あるいは、各構成部品の設計によっては、第2表皮13は曲面状でなくてもよい。例えば、平面状であってもよい。本実施形態において、第2表皮13の芯材11に面しない側の側面には、例えば、支持部30が取り付けられる。
このように、炭素繊維強化樹脂によって形成された第1表皮12と第2表皮13とが芯材11の両側面を挟むように設けられることで、反射部材10におけるサンドイッチパネル構造を形成する。
また、炭素繊維強化樹脂におけるマトリックス樹脂はポリシアネート系であることが好ましい。これにより吸湿性を少なくすることで、真空状態でのパネルの脱湿変形を少なくすることが好ましい。
また、炭素繊維強化樹脂の炭素繊維の繊維含有率を60%として、熱変形をさらに小さくすることがより好ましい。
反射鏡面成膜15はアルミニウムをはじめとする金属によって、内部に空隙層を有さずに形成されることが好ましい。本実施形態において、空隙層を有さないとは、反射鏡面成膜15を形成する金属の内部における空隙層が5%未満の状態をいうものとする。以下において、反射部材10の製造方法及び反射鏡面成膜15の成形方法を説明する。
反射部材10は、芯材11と、第1表皮12と、第2表皮13とが接着層14によって接着され、第1表皮12に反射鏡面成膜15が設けられることで形成される。具体的には、下記のように製造される。
すなわち、図4に示すように、上述のように成形型Dによってオートクレーブ成形された第1表皮12又は第2表皮13の上に接着層14を配置し、その上に芯材11を設置する。その後、芯材11に接着層14を配置し、第2表皮13又は第1表皮12を設置する。これにより、反射部材10の基礎的な構造を形成する。
次に、上述のように形成された構造の第1表皮12に、反射鏡面成膜15を形成する。反射鏡面成膜15の形成手順には、溶射工程と、ショットピーニング工程と、切削工程と、を備える。
溶射工程では、第1表皮12(表皮)にアルミニウム(金属)を溶射する。具体的には、大気プラズマ溶射が好適に用いられる。また、第1表皮12にアルミニウムを溶射する際、図5に示すように、第1表皮12の表面にはアンダーコート層UCを設けることが好ましい。アンダーコート層UCは、例えば、シリカを含む無機系の材料を用いることが好ましい。ここで、大気プラズマ溶射によって溶射されたアルミニウムには、内部に空隙層が生じる。下記のショットピーニング工程によって、前記空隙層を除去する。
上述のように、第1表皮12に溶射されたアルミニウムの内部における空隙層を除去する工程である。具体的には、無数のショットを、アルミニウムの表面に衝突させる。ショットは、例えば、直径70μm程度の炭素鋼ビーズが好適に用いられる。また、ショットの衝突速度は40m/s程度であることが好ましい。この工程により、アルミニウムの内部に生じた空隙層を除去するとともに、アルミニウムの表面に改質硬化を与える。
ショットピーニング工程を行った後のアルミニウムの表面を切削する工程である。具体的には、CNC機械切削加工により、上述のように形成したアルミニウムの層を、設計曲面になるように削る。機械切削によってアルミニウムの層を修正加工することで、高精度な鏡面形状を形成する。あるいは、精度誤差を少なくする。これにより、高精度なアルミ反射面形状(例えば、表面粗さ1μm以下)を形成する。
これらの工程によって、図5に示す断面のように、アルミニウムの層の内部に空隙層を有さず、かつアルミニウムの表面粗さを滑らかにした反射鏡面成膜15を形成する。
芯材11の厚さ方向の両側面に第1表皮12及び第2表皮13が設けられることで、厚さ方向に対称なサンドイッチパネル構造となる。これにより、芯材11の厚さ方向に直交する方向からの入力に対しても変形しにくい構造とすることができる。
以上から、軽量かつ高精度で、長期環境耐性に優れた反射部材10とすることができる。このような作用を有する反射部材10は、例えば、宇宙用、人工衛星搭載用の軽量高精度反射鏡型アンテナに適用する際に顕著な効果をもたらす。
例えば、芯材11における第2表皮13を備える側、すなわち反射鏡面成膜15が設けられない側の表面は、曲面状でなくてもよい。
また、反射鏡面成膜15には、上述のアルミニウム以外の金属を用いてもよい。
また、アンテナ100は、支持部30あるいは基台部40を有さず、反射部材10が直接人工衛星に取り付けられてもよい。
また、上述のサンドイッチパネル構造、すなわち芯材11を厚くすることで、熱による変形をさらに抑制することを可能としてもよい。
11 芯材
12 第1表皮
13 第2表皮
15 反射鏡面成膜
100 アンテナ
Claims (7)
- 曲面状の芯材と、
前記芯材の内側面に沿って設けられた第1表皮と、
前記芯材の外側面に沿って設けられた第2表皮と、
前記第1表皮の、前記芯材に面しない側に設けられた反射鏡面成膜と、
を備え、
前記芯材は、柱が複数並べられて形成され、
前記複数の柱は、前記複数の柱の高さ方向が前記芯材の厚さ方向に沿うように配置され、
前記反射鏡面成膜は金属によって内部に空隙層を有さずに形成される、
アンテナ用の反射部材。 - 前記反射鏡面成膜はアルミニウムによって形成される、
請求項1に記載のアンテナ用の反射部材。 - 前記反射鏡面成膜の厚さは、20μm以上40μm以下である、
請求項1又は2に記載のアンテナ用の反射部材。 - 宇宙空間で用いられる、請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナ用の反射部材。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載のアンテナ用の反射部材を製造するアンテナ用の反射部材の製造方法であって、
前記第1表皮に金属を溶射する溶射工程と、
前記第1表皮に溶射された前記金属の内部における空隙層を除去するショットピーニング工程と、
前記ショットピーニング工程を行った後の前記金属の表面を切削する切削工程と、
を備える、
アンテナ用の反射部材の製造方法。 - 前記溶射工程において、前記金属の厚さを250μm以上溶射する、
請求項5に記載のアンテナ用の反射部材の製造方法。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のアンテナ用の反射部材を備える、
テラヘルツ観測用アンテナ。
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| JP2021169299A JP7769331B2 (ja) | 2021-10-15 | 2021-10-15 | アンテナ用の反射部材、アンテナ用の反射部材の製造方法、及びテラヘルツ観測用アンテナ |
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| JP2023059349A JP2023059349A (ja) | 2023-04-27 |
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