JP7769573B2 - アリウム属野菜の風味向上剤及び風味向上方法 - Google Patents
アリウム属野菜の風味向上剤及び風味向上方法Info
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Description
ギ、乾燥ニラ、乾燥ニンニクや乾燥玉ねぎ等のアリウム属の野菜が使用されている。また、これらのアリウム属の野菜の乾燥方法としては、熱風乾燥法、凍結乾燥法、真空乾燥法、マイクロウエーブ乾燥法等が挙げられる。
乾燥させたアリウム属野菜は、当該アリウム属野菜の水分を減らすことで保存性を向上させたものであり、今後も多くの利用が見込まれる具材である。
また、このような問題は、乾燥させたアリウム属野菜においても同様であり、この点を回避する方法が望まれていた。
一方、このような乾燥野菜の風味劣化に対応する方法として、例えば、以下の先行技術が
開示されている。
しかし、野菜はその種類によってその組成や特性が異なるものである。したがって、乾燥野菜を製造する場合にも、野菜の種類による固有の問題が生じる場合がある。
すなわち、本願第一の発明は、
“下記一般式1で示されるメトキシピラジンを有効成分とするアリウム属の野菜の風味向上剤。
“前記風味向上剤が、乾燥されたアリウム属の野菜に対する風味向上剤である請求項1に記載のアリウム属の野菜の風味向上剤。”、である。
すなわち、本願第三の発明は、
“下記一般式1で示されるメトキシピラジンを添加する工程を含む乾燥されたアリウム属の野菜の製造方法。
すなわち、本願第四の発明は、
“下記一般式1で示されるメトキシピラジンが添加されたアリウム属の野菜。
すなわち、本願第五の発明は、
“前記アリウム属の野菜が乾燥品である請求項4に記載のアリウム属の野菜。”、である。
“以下の一般式1で示されるメトキシピラジンを利用することを特徴とする、アリウム属の野菜に対する風味向上方法。
すなわち、本願第七の発明は、
“前記アリウム属の野菜が乾燥品である請求項6に記載のアリウム属野菜の風味向上方法。”、である。
2 葉鞘部
3 根部
本発明におけるアリウム属の野菜に対する風味向上剤は特に、メトキシピラジンのうち特に以下の一般式1及びR1、R2の置換基で示される化合物である。尚、メトキシピラジン(Methoxypyrazine)とは、ピラジン環にメトキシ基が結合した、物質の分類をいう。
尚、本発明におけるメトキシピラジンについては、これを食品の製造において使用する場合は、液体油脂等の溶剤又は水、エタノール等に溶解させた状態のタイプのものを利用したり、必要に応じて種々の賦形剤等とともに粉末化した状態のタイプのものを利用することが好ましい。
尚、式1で示されるメトキシピラジンの添加の方法は上述の方法に限定されず、種々の方法が可能であることは勿論である。
本発明におけるアリウム属の野菜とは、具体的にはネギ、ワケギ、ニンニク、玉ねぎ、ラッキョウ、ニラ、リーキ、エシャロット、ツリーオニオン、アサツキ、チャイブ等が代表的なものとして挙げられる。また、栽培するものや、自生するタイプのいずれでもよいことは勿論である。
また、生ネギの収穫後においてネギを洗浄する際には、水等により洗浄するが、収穫直後のまま、洗浄するかあるいは、根部や葉身部の先端部を除去した上で洗浄することが好ましい。
本発明のアリウム属野菜の風味向上の効果については、生のアリウム属野菜に対して利用することができるが、特に乾燥タイプのアリウム属野菜に対して好適に利用することができる。一般にネギ等のアリウム属野菜の製造における乾燥方法については、熱風乾燥法、凍結乾燥法、真空乾燥法、マイクロウエーブ乾燥法等が挙げられる。本発明おいては、これらの乾燥方法のいずれにも適用できるが、特に、熱風乾燥や凍結乾燥の方法において好適に利用できる。
例えば、熱風乾燥においては、当該熱風乾燥の温度については、概ね30℃~90℃程度で行うことができる。また、熱風乾燥の時間については、特に限定されないが、水分含量が5~15重量%程度となるまで乾燥する。熱風乾燥の時間は特に限定されないが、概ね40℃~80℃程度であると、4時間~10時間程度である。
また、凍結乾燥の場合においては、蒸気等によるブランチングの後、凍結させた後、減圧下(通常0.8Torr以下の真空度)で棚温度50℃~80℃で概ね14~24時間程度の乾燥処理を行う方法が挙げられる。
但し、上記の各乾燥方法については、例を示したものであり、本発明においては乾燥方法について特に限定されないことは勿論である。
本発明のアリウム属野菜の風味向上剤とは、使用する生又は乾燥したアリウム属の野菜に対してアリウム属野菜の風味を向上したり、アリウム属野菜を含有している食品に対して使用することで含有されているアリウム属野菜の風味を向上させることをいう。
すなわち、本発明におけるアリウム属野菜の風味向上剤における“向上”とは、アリウム属野菜自体の風味をすでに有している場合において当該アリウム属野菜の風味を増強させるという意味をいうものとする。
また、水耕栽培のネギ(生又は乾燥品)に対して、当該ネギに対して、本発明のメトキシピラジンを使用すると土耕のネギの風味に近づけることができるという効果を奏する場合がある。
さらに、アリウム属野菜の風味向上剤の剤形態は必ずしも所定の形式の容器等に収納されている場合のみならず、アリウム属の野菜を含有する食品を製造等する際に、当該アリウム属の野菜の風味向上のために、少なくとも式1で示されるメトキシピラジンを含む素材(粉状物、粒状物等の添加用の各種食材)が存在すればよく、当該素材について、アリウム属野菜自体又は、アリウム属野菜を含有する食品の製造の際や、喫食の際に添加や混合する態様であれば、本発明にいうアリウム属野菜の風味向上剤に該当するものとする。また、乾燥前において蒸気等によって適宜ブランチング処理を施してもよいことは勿論である。
式1で示されるメトキシピラジンのアリウム属野菜に対する添加方法については種々の方法を選択することができる。
生のアリウム属野菜に対して添加する場合には、切断後又は切断前に適宜アリウム属野菜に対して添加することができる。添加には噴霧する方法等の種々が可能である。
次に乾燥されたアリウム属野菜に対して添加する場合においては、“乾燥処理”の工程に加えて、乾燥後の乾燥されたアリウム属野菜に対して、添加物として式1で示されるメトキシピラジンを添加することができる。尚、乾燥前に添加することも可能である。
アリウム属野菜に対する添加量としては、特に限定されるものではないが、乾燥ネギの場合、概ね乾燥ネギに対して概ね10ppt~500ppm程度が一般的である。また、100ppt~10ppmが好ましい。さらに、1ppb~1ppmがより好ましい。
本発明においては、式1で示されるメトキシピラジンを含有するアリウム属野菜(特に乾燥されたアリウム属野菜)についても意図している。ここで、乾燥ネギが式1で示されるメトキシピラジンを含有するとは、まず、生のアリウム属の野菜に添加したり、乾燥したアリウム属野菜の製造過程のいずれかにおいて、式1で示されるメトキシピラジンを添加する場合が挙げられる。
さらに、添加される式1で示されるメトキシピラジンは必ずしも精製されたものである必要はなく、式1で示されるメトキシピラジンをその一部の成分として含む、香料、食品素材等であれば、あらゆる態様を含むことは勿論である。
─式1で示されるメトキシピラジンを添加する工程を含む乾燥されたアリウム属の野菜の製造方法─
本発明においては、アリウム属野菜の風味の向上を目的として、乾燥されたアリウム属野菜の製造工程において式1で示されるメトキシピラジンを添加する(含有させる)工程を含む乾燥されたアリウム属野菜の製造方法も意図している。
すなわち、乾燥されたアリウム属野菜の製造過程のいずれかの工程において、式1で示されるメトキシピラジンを含有させる工程を含む工程が存在すればよい。また、その使用量については限定されないが、乾燥されたアリウム属野菜に対するものである場合、概ね上述した乾燥されたアリウム属野菜に対する添加量となるように調製することが好ましい。
─式1で示されるメトキシピラジンを利用することによるアリウム属野菜に対する風味向上方法─
本発明においては、アリウム属野菜の風味の向上を目的として、式1で示されるメトキシピラジンを含有させたり、添加する等して利用することによってアリウム属野菜の風味を向上させる方法についても意図している。
乾燥されたアリウム属野菜のうち乾燥ネギに対する2-sec-ブチル-3-メトキシピラジンの添加効果を調べた。
・2-sec-ブチル-3-メトキシピラジンについては、市販のものを使用した。
・乾燥ネギの調製方法
市販の生ネギ(九条ネギ)を根部5mmの部分を切り離した後に、次亜塩素酸ナトリウム
200ppmに10分間浸漬した。当該浸漬後のネギを5mmごとにカットして、カットネ
ギを調製した。当該カットネギを流水で30分間水洗し、十分、水切りした後に当該水切り後のネギをトレイに入れて、熱風乾燥処理装置に入れて、70℃、50分間処理を行った後、さらに60℃、4時間の乾燥処理を実施した。乾燥後の乾燥ネギに対して、各試験区において2-sec-ブチル-3-メトキシピラジンを乾燥ネギに対して表1に記載の濃度となるように添加した後、以下の官能評価に供した。
当該乾燥ネギ1gに対して100gの熱湯を注ぎ、当該ネギについて官能評価を行った。評価については熟練のパネラー5名が以下の点を評価した。
ネギ風味向上効果は各試験例の乾燥ネギの風味を官能評価した。評価は、ネギ風味の向上を観点として、特にネギの自然な風味を向上させる効果を有するかどうかを判断した。
評価結果は、ネギ風味の向上効果が大きい程、数値が大きい評価とした。
評価は7段階で行い特に以下の評価基準とした。(1点:悪い⇔7点:良い)の7段階とした。
7点:ネギの自然な風味がとても強く感じられる
6点:ネギの自然な風味が強く感じられる
5点:ネギの自然な風味がやや強く感じられる
4点:コントロールと同等
3点:ネギの自然な風味がやや損なわれる
2点:ネギの自然な風味が損なわれる
1点:ネギの自然な風味がとても損なわれる
評価結果を表1に示す。尚、評価は5人の評価の平均点とした。
2-sec-ブチル-3-メトキシピラジンを利用することで、乾燥ネギに対するネギ風味が向上することが分かった。
[試験例2]ネギ以外のアリウム属野菜に対する2-sec-ブチル-3-メトキシピラジンの効果の確認の検討
乾燥ネギ以外のアリウム属野菜に対する2-sec-ブチル-3-メトキシピラジンの添加効果を調べた。アリウム属野菜としては、ニラ、タマネギ、ニンニク(ガーリック)を利用し、また、試験条件等は試験例1と同様に行った。結果を表2に示す。
乾燥ネギに対して、試験例1で利用した2-sec-ブチル-3-メトキシピラジン以外のメトキシピラジンとして、2-エチル-3-メトキシピラジン(2-ethyl-3-methoxypyrazine)、2-イソプロピル-3-メトキシピラジン(2-isopropyl-3-methoxypyrazine、2-イソブチル-3-メトキシピラジン(2-isobutyl-3-methoxypyrazine)を使用した場合の効果について調べた。また、試験条件等は試験例1と同様に実施した。尚、乾燥ネギに対して10ppbの濃度となるように調整した。結果を表3に示す。
Claims (4)
- 下記一般式1で示されるメトキシピラジンを有効成分とする乾燥されたアリウム属の野菜の風味向上剤。
一般式1:
[式中、R1はC2~ C4のアルキル基、R2は水素又はメチル基を表す] - 下記一般式1で示されるメトキシピラジンを添加する工程を含む乾燥されたアリウム属
の野菜の製造方法。
一般式1:
[式中、R1はC2~ C4のアルキル基、R2は水素又はメチル基を表す] - 下記一般式1で示されるメトキシピラジンが添加されたアリウム属の野菜の乾燥品。
一般式1:
[式中、R1はC2~ C4のアルキル基、R2は水素又はメチル基を表す] - 下記一般式1で示されるメトキシピラジンを利用することを特徴とする、アリウム属の野菜の乾燥品に対する風味向上方法。
一般式1:
[式中、R1はC2~ C4のアルキル基、R2は水素又はメチル基を表す]
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