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JP7770700B2 - 飛行体の着陸方法、飛行体、情報処理装置、プログラム - Google Patents
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JP7770700B2 - 飛行体の着陸方法、飛行体、情報処理装置、プログラム - Google Patents

飛行体の着陸方法、飛行体、情報処理装置、プログラム

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Description

本発明は、飛行体の着陸方法、飛行体、情報処理装置、プログラムに関する。
近年、ドローン(Drone)や無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)などの飛行体(以下、「飛行体」と総称する)を用いるサービスの実用化に向けた研究や実証実験が進められている。宅配や調査、監視などの分野における産業利用においては、人の操縦に因らずとも飛行や離着陸が可能な自律飛行可能な飛行体の利用が検討されている。
かかる飛行体は、サービスの品質や稼働率の向上のため、航続距離の延長や飛行時間の向上が望まれている。これまで撮影などに用いられてきた飛行体は、図18に示されるように、進行方向を様々な方向へと変更しやすく、かつ応答速度が速くなるよう、指向性の少ない特性が求められていた。しかし、宅配等の産業における飛行体は、撮影に用いられる飛行体のように様々な方向への移動を行うのではなく、一定方向への移動(例えば、前進)が主な移動方向となる。これらの産業においては、特定方向への移動に最適化し、飛行効率を向上することが求められる。このような状況を鑑みて、特許文献1においては、回転翼の負荷を軽減する飛行体が開示されている。(例えば、特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2020/0001995号
特許文献1では、本体部を、互いに対向する先端部と後端部を有し、先端部と後端部の間に敷設される上面部と底面部を有し、2つの側面部を有する形状とすることで飛行体の前進時の抗力が減少している。また、本体部の基準平面の法線と回転翼の回転軸との間の角度を5から30度の間とすることで、本発明の回転翼航空機が前進するときに正の迎角を形成し、本体部が生む揚力により、回転翼の負荷を軽減し、飛行時間の向上を目的とする機体が開発されている。
このような方法により、飛行体の飛行距離を延ばすことが可能となっている。一方で、飛行体が揚力を生みやすい構成であることにより、着陸動作に時間がかかったり、着陸が困難となったりする場合がある。これは、着陸動作を行う際、ホバリング姿勢の飛行体が機首方向から風を受けると、揚力が生まれ、飛行体が浮き上がる力が働くためである。
宅配などの産業に用いられる飛行体は、飛行の効率だけでなく、稼働率の向上も必要とされる。稼働率の向上には、飛行速度の上昇とともに、離着陸にかける時間の短縮が有効である。飛行効率の向上のための飛行体形状が、着陸動作時に飛行体が揚力を発生させ、着陸動作にかかる時間が増加すると、稼働率向上との両立が難しくなる可能性がある。
そこで、本発明は、指向性を持つ飛行体の着陸性能を向上させ得る、飛行体の着陸方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、飛行体の着陸方法であって、前記飛行体は、機体の機首方向からの風に応じて揚力を発生する構成であり、着陸地点に関連する風速データ及び風向きデータに基づき、前記機体の機首方向を制御し、前記機体の降下を開始する、ことを特徴とする飛行体の着陸方法等を提供することができる。
本発明によれば、指向性を持つ飛行体の着陸性能を向上させ得る、飛行体の着陸方法等を提供し得る。
本発明の着陸方法に用いられる飛行体の巡航時の状態を側面から見た模式図である。 図1の飛行体の上面図である。 図1の飛行体のホバリング時の側面図である。 図4の飛行体の上面図である。 図4の飛行体の機能ブロック図である。 図1の飛行体が着陸時に風上方向へ機首を向けたときの側面図である。 図1の飛行体が着陸時に風下方向へ機首を向けたときの側面図である。 図1の飛行体が着陸時に風上方向へ機首を向けたときの側面図である。 図1の飛行体が着陸時に風下方向へ機首を向けたときの側面図である。 本発明の着陸方法において用いられるその他の飛行体の巡航時の側面図である。 図10の飛行体のホバリング時の図である。 図10の飛行体の上面図である。 本発明の着陸方法において用いられるその他の飛行体の巡航時の側面図である。 図13の飛行体のホバリング時の図である。 飛行体の飛行環境における風向きを示す模式図である。 本発明の着陸方法において用いられるその他の飛行体の上面図である。 本発明の着陸方法において用いられるその他の飛行体の上面図である。 指向性の少ない飛行体の上面図である。
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による飛行体の着陸方法等は、以下のような構成を備える。
[項目1]
飛行体の着陸方法であって、
前記飛行体は、機体の機首方向からの風に応じて揚力を発生する構成であり、
着陸地点に関連する風速データ及び風向きデータに基づき、前記機体の機首方向を制御し、前記機体の降下を開始する、
ことを特徴とする飛行体の着陸方法。
[項目2]
前記揚力は、前記機体の本体形状により発生する、
ことを特徴とする項目1に記載の飛行体の着陸方法。
[項目3]
前記揚力は、前記機体が有する翼部により発生する、
ことを特徴とする項目1に記載の飛行体の着陸方法。
[項目4]
前記機体の機首方向の制御は、その場でのヨー方向の回転である、
ことを特徴とする項目1ないし3のいずれかに記載の飛行体の着陸方法。
[項目5]
前記機体の機首方向の制御は、旋回である、
ことを特徴とする項目1ないし3のいずれかに記載の飛行体の着陸方法。
[項目6]
前記機体の機首方向の制御は、前記風速データが示す風速が前記揚力を発生しない第1の風速範囲である場合には、前記機体の機首方向を風上側とする、
ことを特徴とする項目1ないし5のいずれかに記載の飛行体の着陸方法。
[項目7]
前記機体の機首方向の制御は、前記風速データが示す風速が前記揚力を発生する第2の風速範囲である場合には、前記機体の機首方向を風下側とする、
ことを特徴とする項目1ないし6のいずれかに記載の飛行体の着陸方法。
[項目8]
前記機体の機首方向の制御は、前記第2の風速範囲よりもさらに風速の強い第3の風速範囲である場合には、前記機体の機首方向を風上側とする、
ことを特徴とする項目7に記載の飛行体の着陸方法。
[項目9]
前記機体の機首方向の制御は、前記第2の風速範囲よりもさらに風速の強い第3の風速範囲である場合には、着陸予定地点を変更する、
ことを特徴とする項目7に記載の飛行体の着陸方法。
[項目10]
飛行体であって、
前記飛行体は、機体の機首方向からの風に応じて揚力を発生する構成であり、
着陸地点に関連する風速データ及び風向きデータに基づき、前記機体の機首方向を制御し、前記機体の降下を開始する、
ことを特徴とする飛行体。
[項目11]
飛行体の着陸方法を実行させる情報処理装置であって、
前記飛行体は、機体の機首方向からの風に応じて揚力を発生する構成であり、
前記飛行体の着陸方法は、
着陸地点に関連する風速データ及び風向きデータに基づき、前記機体の機首方向を制御し、前記機体の降下を開始する、
ことを特徴とする情報処理装置。
[項目12]
飛行体の着陸方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記飛行体は、機体の機首方向からの風に応じて揚力を発生する構成であり、
着陸地点に関連する風速データ及び風向きデータに基づき、前記機体の機首方向を制御し、前記機体の降下を開始するステップを実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
<本発明による実施形態の詳細>
以下、本発明の実施の形態による飛行体の着陸方法について、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施の形態の詳細>
図1-図4に例示されるように、本発明の実施の形態による自律飛行体は、飛行を行うために少なくともプロペラ110やモータ111等の要素を含む飛行部20を備えており、それらを動作させるためのエネルギー(例えば、二次電池や燃料電池、化石燃料等)を搭載している。宅配や調査、監視などに利用される飛行体は、離着陸時の使用面積縮小などの観点から、垂直離着陸から可能で滑走路などの広い面積が必要としない、VTOLやマルチコプターと呼ばれる、複数のプロペラ及びモータを備える飛行体であることが好ましい。
なお、図示されている飛行体100は、本発明の構造の説明を容易にするため簡略化されて描かれており、例えば、制御部等の詳しい構成は図示していない。
飛行体100は図の矢印Dの方向(-Y方向)を前進方向としている(詳しくは後述する)。
なお、以下の説明において、以下の定義に従って用語を使い分けることがある。前後方向:+Y方向及び-Y方向、上下方向(または鉛直方向):+Z方向及び-Z方向、左右方向(または水平方向):+X方向及び-X方向、進行方向(前方):-Y方向、後退方向(後方):+Y方向、上昇方向(上方):+Z方向、下降方向(下方):-Z方向
プロペラ110は、モータ111からの出力を受けて回転する。プロペラ110が回転することによって、飛行体100を出発地から離陸させ、移動させ、目的地に着陸させるための推進力が発生する。なお、プロペラ110は、右方向への回転、停止及び左方向への回転が可能である。
本発明の飛行体が備えるプロペラ110は、1以上の羽根を有している。任意の羽根(回転子)の数(例えば、1、2、3、4、またはそれ以上の羽根)でよい。また、羽根の形状は、平らな形状、曲がった形状、よじれた形状、テーパ形状、またはそれらの組み合わせ等の任意の形状が可能である。なお、羽根の形状は変化可能である(例えば、伸縮、折りたたみ、折り曲げ等)。羽根は対称的(同一の上部及び下部表面を有する)または非対称的(異なる形状の上部及び下部表面を有する)であってもよい。羽根はエアホイル、ウイング、または羽根が空中を移動される時に動的空気力(例えば、揚力、推力)を生成するために好適な幾何学形状に形成可能である。羽根の幾何学形状は、揚力及び推力を増加させ、抗力を削減する等の、羽根の動的空気特性を最適化するために適宜選択可能である。
また、本発明の飛行体が備えるプロペラは、固定ピッチ、可変ピッチ、また固定ピッチと可変ピッチの混合などが考えられるが、これに限らない。
モータ111は、プロペラ110の回転を生じさせるものであり、例えば、駆動ユニットは、電気モータ又はエンジン等を含むことが可能である。羽根は、モータによって駆動可能であり、モータの回転軸(例えば、モータの長軸)の周りに回転する。
羽根は、すべて同一方向に回転可能であるし、独立して回転することも可能である。羽根のいくつかは一方の方向に回転し、他の羽根は他方方向に回転する。羽根は、同一回転数ですべて回転することも可能であり、夫々異なる回転数で回転することも可能である。回転数は移動体の寸法(例えば、大きさ、重さ)や制御状態(速さ、移動方向等)に基づいて自動又は手動により定めることができる。
飛行体100は、フライトコントローラやプロポ等により、風速と風向に応じて、各モータの回転数や、飛行角度を決定する。これにより、飛行体は上昇・下降したり、加速・減速したり、方向転換したりといった移動を行うことができる。
飛行体100は、事前または飛行中に設定されるルートやルールに準じた自律的な飛行や、プロポを用いた操縦による飛行を行うことができる。
上述した飛行体100は、図5に例示される機能ブロックを有している。なお、図5の機能ブロックは最低限の参考構成である。フライトコントローラは、所謂処理ユニットである。処理ユニットは、プログラマブルプロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU))などの1つ以上のプロセッサを有することができる。処理ユニットは、図示しないメモリを有しており、当該メモリにアクセス可能である。メモリは、1つ以上のステップを行うために処理ユニットが実行可能であるロジック、コード、および/またはプログラム命令を記憶している。メモリは、例えば、SDカードやランダムアクセスメモリ(RAM)などの分離可能な媒体または外部の記憶装置を含んでいてもよい。カメラやセンサ類から取得したデータは、メモリに直接に伝達されかつ記憶されてもよい。例えば、カメラ等で撮影した静止画・動画データが内蔵メモリ又は外部メモリに記録される。
処理ユニットは、回転翼機の状態を制御するように構成された制御モジュールを含んでいる。例えば、制御モジュールは、6自由度(並進運動x、y及びz、並びに回転運動θ、θ及びθ)を有する回転翼機の空間的配置、速度、および/または加速度を調整するために回転翼機の推進機構(モータ等)を制御する。制御モジュールは、搭載部、センサ類の状態のうちの1つ以上を制御することができる。
処理ユニットは、1つ以上の外部のデバイス(例えば、端末、表示装置、または他の遠隔の制御器)からのデータを送信および/または受け取るように構成された送受信部と通信可能である。送受信機は、有線通信または無線通信などの任意の適当な通信手段を使用することができる。例えば、送受信部は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、赤外線、無線、WiFi、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク、クラウド通信などのうちの1つ以上を利用することができる。送受信部は、センサ類で取得したデータ、処理ユニットが生成した処理結果、所定の制御データ、端末または遠隔の制御器からのユーザコマンドなどのうちの1つ以上を送信および/または受け取ることができる。
本実施の形態によるセンサ類は、慣性センサ(加速度センサ、ジャイロセンサ)、GPSセンサ、近接センサ(例えば、ライダー)、またはビジョン/イメージセンサ(例えば、カメラ)を含み得る。
図1及び図3に例示されるように、本発明の実施の形態における飛行体100が備えるプロペラ110は、例えば、無風下での昇降・ホバリング等を行う際には、回転面が上方または下方を向く。すなわち、プロペラ110の回転軸は略垂直方向に延伸する。進行時には、昇降・ホバリング時と比較して、進行方向に向かって回転面が前傾する。回転面が前傾したプロペラ110は、モータ111の回転によって上方への揚力と、進行方向への推力を生み出し、これにより飛行体100が前進する。
飛行体100は、搭載する処理ユニットやバッテリー、搭載物30等を内包可能な本体部10を備えている。本体部10は、飛行部20と固定して接続されており、本体部10は飛行部20の姿勢変化に伴い、その姿勢が変化する。飛行体100の移動中、長時間維持されることが期待される巡航時の飛行体100の姿勢における、本体部10の形状を最適化し、速度を向上させることで、効率的に飛行時間を短縮する。
図10-図12に例示されるように、飛行体100に搭載された搭載物30は、飛行部20と独立して変位可能に接続されていてもよい。独立変位可能とすることで、飛行部20の姿勢にかかわらず、搭載物30の姿勢を所定の角度(例えば、水平)とすることが可能である。
本体部10は、飛行や離着陸に耐え得る強度を持つ外皮を備えていることが望ましい。例えば、プラスチック、FRP等は、剛性や防水性があるため、外皮の素材として好適である。これらの素材は、飛行部20に含まれるフレーム21(アーム含む)と同じ素材であってもよいし、異なる素材であってもよい。
また、飛行部20が備えるモータマウント、フレーム21、及び本体部10は、夫々の部品を接続して構成してもよいし、モノコック構造や一体成形を利用して、一体となるように成形してもよい(例えば、モータマウントとフレーム21を一体に成形する、モータマウントとフレーム21と本体部10すべてを一体に成形する、等)。部品を一体とすることで、各部品のつなぎ目を滑らかにすることが可能となるため、ブレンデッドウィングボディやリフティングボディといった飛行体が持つ、抗力の軽減や燃費の向上が期待できる。
飛行体100は、飛行体100が巡航時の姿勢において抗力の少ない形状(例えば、流線形などの、互いに対向する先端部と後端部を有し、さらに先端部と後端部の間をつないで敷設される面部材を有する形状)となるように構成された本体部10または翼部11の少なくとも一方を備える。例えば、図16に例示される飛行体は本体部10とは別個に翼部11を備えた構成であり、図17に例示される飛行体は機体全体が翼部11により構成される全翼機である。図16及び図17に示される飛行体においては、少なくとも翼部11が、飛行体100が巡航時の姿勢において抗力の少ない形状となるよう設けられている。これにより、飛行体が巡航する際に機首方向から受ける相対風の影響を減少させ、飛行体の燃費を向上する。このとき、特許文献1に示されるように、本体部10または翼部11が生む揚力を利用する用途においてはプラスの揚力を生む形状とし、反対に本体部10または翼部11が生む揚力を用いない用途においては揚力を生まないもしくはマイナスの揚力を生む形状とすることが望ましい。
飛行体の信頼性を低下させないため、ティルトウイングやティルトローター等の機構は用いないほうが望ましく、用いる場合にはティルト角度(可動域)を狭くすることが望ましい。
図1-図4に例示されるように、ティルト機構を用いない構成において、飛行体巡航時の抗力をホバリング時に比較して下げるには、巡航時にはプラスの迎角が小さく、ホバリング時にプラスの迎角が大きくなるよう本体部10または翼部11を設けることとなる。飛行体が、ホバリング姿勢から巡航姿勢までの角度のとき、機首方向から風を受けると、飛行体にはプラスの揚力が働くことが推測される。
本発明に係る飛行体100は、少なくとも飛行および離着陸の一部を、目視する人の操縦に因らず自動的に行うことができる自律飛行体である。GNSSや、各種センサが得るデータを用いることにより、飛行体の位置及び周辺環境のデータを取得し、飛行体が備える処理ユニットまたは機外設備によって航路や速度、障害物の回避等の行動を決定する。
飛行体100が利用する、目的地や航路等の座標データは、離陸前にあらかじめ与えられていてもよいし、飛行中に通信を用いて与えられてもよい。目的地のみが指定され、目的地に向かう航路が与えられていない場合や、航路が与えられているが変更可とされる場合には、飛行体自身が、通信またはセンサにより取得した障害物や気象等のデータを元に航路を決定してもよい。
本体部10が指向性を持つ飛行体100においては、更に、飛行体100の機首方向が風上を向くことが好ましい。飛行体100に加わる風(環境風と前進により生まれる風の合力)に対して、効率よく抗力を低下することが可能である。
飛行体100は、目的地上空に付近に到達すると、着陸ステップに入る。このとき、飛行体は、本体部10が生む揚力によって下降を妨げられないよう、所定の方向を向いた状態で降下を行うことで、スムーズな着陸が可能となる。
本発明による着陸方法を行う飛行体100は、着陸動作を開始する前に、飛行体100が搭載するセンサまたは外部からのデータ取得や、データベースからの算出などにより、自機に対して吹く風向データまたは風速データの、少なくとも1つを取得もしくは推測する。風向データまたは風速データの値に応じて、処理ユニットは、飛行体の機首方向の変更の要不要および変更向きの判断ならびに決定を行なう。また、機首方向の変更を行うか否か、および、どの方向に変更を行うかを決定するための基準となる閾値は、飛行体の構成や特性(例えば、想定着陸可能風速や想定巡航速度など)に応じて予め決定される。例えば、着陸性能を重視して設計された機体と、巡航性能を重視して設計された機体では、機首が風と正対した状態でスムーズに着陸可能となる風速の許容範囲が大きく異なる。
機首方向の変更は、飛行体100の旋回または、その場でヨー方向の回転を行う方法がある。例えば、機首方向を風下とすることで、飛行体100が揚力を生みにくくなる上、風に対抗するために後傾し、マイナスの迎角をとることとなり、下降がしやすくなる。
機首方向の変更開始は目的地直上への到達後でも良いし、離陸地点から目的地到達までの間に行っても良い。特に、地形や季節風等から特定の日時の風速や風向が予測される環境においては、予め所定の方向を決め、その方向に機首を向けた状態で飛行体が目的地に接近するよう、ルートを設定することが可能である。このとき、実際の観測データから更に修正を行っても良いし、行わなくとも良い。
運用高度が高い飛行体(例えば、巡航高度が地表から50メートル以上の飛行体)においては、当該運用高度から所定の高度までの降下中には機首方向の制御を行わず、飛行体が所定の高度(例えば、地表から10メートルなどの地表付近)まで高度が低下した後に機首方向の制御を開始することとしても良い。これは、所定の高度までの降下が、安定性の向上のため、特に前進や旋回などを伴う降下であることが多く、この場合に垂直降下を行っていない間は機首方向の制御の必要性が低いため機首方向の制御を行わなくてもよい。一方で、所定の高度以下(例えば、地表付近)においては、障害物への接触回避等を目的として略垂直に降下を行うため、安定した下降を行うには、機首方向の制御を行う必要がある。したがって、機首方向の制御は、略垂直降下が開始される際(例えば開始前)に実行されることが望ましく、上記のとおり飛行体の降下が前進や旋回などの水平方向への移動を伴って開始される場合には、飛行体の降下が略垂直降下へ切り替わる際に実行されることが望ましい。
閾値と実際の風速データによる飛行体100の動作例について、図15に例示された模式図を元に説明する。以下の説明において、風は方向0(12)から吹くものとする。また、一定の範囲を数字で示す場合は時計回りに示されることとし、例えば、「方向1-方向4」には方向1、2、3、4が含まれる。
飛行体100に対して風が無いまたは弱い場合、飛行体100の機首は方向0-方向12のどの方向を向いていても飛行体100の着陸は同条件となるため、機首方向の変更は行わない制御となる。次に、所定の風速の範囲内においては、飛行体100の機首方向を方向6に変更する制御となる。最後に、風速が所定の範囲を超える場合には、超過速度及び100飛行体の特性に応じて、制御方法を変更する(例えば、飛行体100の機首方向を方向0-方向12のいずれかに変更するなど)。
風が無風または微弱といった第1の風速範囲内であり、ホバリングする本体部10または翼部11が風を受けて飛行体100を上昇させる揚力を生まない風速範囲内の値である場合には、機首方向の変更動作を行わないものとする。本体部10または翼部11が生む揚力が、飛行体100を上昇させるに至らない量である場合、飛行体100の着陸の大きな妨げとならない。そのため、飛行体100は機首方向の変更を行うことなく、各回転翼の出力を低下させ、速やかに垂直降下を行う。
一方、風が第1の風速範囲を超える第2の風速範囲内である場合には、図7に例示されるように、機首方向を風下側に変更する。その後、飛行体100は、機首方向に設けられた回転翼の出力が、機尾方向の回転翼の出力よりも大きくなる、後退制御を伴って降下を行う。このとき、後退成分と、風が打ち消し合い、見かけ上は略垂直に降下する場合もある。
抗力の少ない形状の例として、図13―14に示されるような対象翼形状がある。この形状は、迎角0のとき揚力係数が0となることが知られている。そのため、例えば巡航時に揚力を生まないよう構成された本体部10または翼部11を備える飛行体が、巡航速度以下の風が吹く環境でホバリングや垂直昇降を行う場合、図6に例示されるように、本体部10または翼部11はプラスの迎角となり、プラスの揚力を発生させる。
降下を行う飛行体100にプラスの揚力が働くと、降下が阻害され、着陸にかかる時間の増加が起こる他、着陸が出来ない状況となる場合も想定される。機首方向を風下方向に変更することで、本体部10または翼部11の姿勢がマイナス迎角となりやすくなる。したがって、飛行体にはプラスの揚力が働かなくなる、または、マイナスの揚力が働くようになるため、着陸にかかる時間の増加が起こりにくくなる他、より効果速度を向上することが期待される。
風が、第2の風速範囲を超えた第3の風速範囲の風速である場合には、機首方向の制御方法を変更し、強風時を想定したルーチンに入ることとしても良い。
より具体的な例としては、図9に例示されるように、第2の風速範囲の閾値を超える風速(すなわち、第3の風速範囲の風速)に対して、機首を風下側とし、機尾を正対させた場合、本体部10または翼部11の姿勢はさらに強いマイナス迎角となる。この場合、風に対する投影面積が大きく増加し、それに伴って抗力も大きく増加する。風によって飛行体100が風下方向に流されると、飛行体100はさらに強く風に対抗するために機首側の回転翼の出力を大きくし、マイナス迎角はさらに強くなり、抗力が増加するという悪循環に陥る。そのため、目的地への着陸が困難となる場合がある。
また、上面視におけるY方向の回転翼間隔が狭くなるため、回転翼間が広いときに比べてバランスを崩しやすくなる。
風が第2の風速範囲を超えた第3の風速範囲内の風速である際の飛行体100の挙動は、前述した飛行体100の構成や特性により異なる場合がある。また、目的地周辺の環境によって飛行体100の移動が許される方向も異なるため、強風時ルーチンの構成は以下のような様々な動作が想定される。
例えば、調査目的の飛行実施において、着陸予定地点以外の他の着陸地点での着陸が許される場合には、着陸予定地点を変更し、別の地点での着陸を試みる方法がある。
また、飛行体100の機首や機尾を風上に正対させるのではなく、飛行体100の側面や斜め方向を風上に向けることで、揚力の発生と抗力の増加を防ぐなどといった制御を行っても良い。図15に例示された模式図を元に説明すると、方向0(12)から吹く風に対して、方向1-方向5、方向7-方向11などに機首を向けることとなる。これにより、図8のような状態(機首を風向きに対して正対させた状態)と図9のような状態(機尾を風向きに対して正対させた状態)の中間的な状態とすることが可能となり、第3の風速範囲において、揚力の発生を抗力の増加に対して優先させて方向4、5、7、8などに機首を向けたり、抗力の増加(特に次段落を参照)を揚力の発生に対して優先させて方向1、2、10、11などに機首を向けたりなどしてもよい。
他に、図8に例示されるように、第3の風速範囲内の風速に対して、機首を風上側(例えば正対)とし、機尾を風下側とした場合、機首を風下側とし、機尾を風上側(例えば正対)とした場合と比較して、回転翼の回転面を同量傾けた場合の風に対する投影面積(すなわち、風上側を正面と定義した際に正面側から見える面積)の増加が小さくなる。よって、抗力の増加が抑えられ、飛行体100が風下方向に流され難くなる。前述のように、機首を風上側とすることでプラスの揚力が発生し、着陸は困難となるが、XY方向に流されて周囲の構造物等に接触することを回避することが出来る。
<第2の実施の形態の詳細>
本発明による第2の実施の形態の詳細において、第1の実施の形態と重複する構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明は省略する。
着陸動作の決定に関する風速範囲の閾値を持たない飛行体100が、着陸動作を行う場合、予め進入方向等を調整して降下を行うことは困難である。このような場合においては、目的地に到達した後、その場でヨー方向に回転し、モータの回転数や飛行体の位置情報、センサ情報(例えば、振動センサやジャイロセンサ、加速度センサ等)などの状態情報に基づき、例えば取得した状態情報と基準値を設定した基準状態情報とを比較した結果から、揚力と抗力のバランスのよい状態となったところ(例えば、当該基準値よりも下回ったところや、所定時間内の状態情報の変化が小さいところ等)で降下を行うことで、着陸性能を向上させ得る。
動作例を、図15に例示された模式図を元に説明する。方向0(12)から風が吹いている時、飛行体の機首方向が方向2を向いていたとする。飛行体がその場でヨー方向(例えば、時計回り)に回転を開始すると、方向3から方向4に機首方向が変化するにつれて、モータ回転数が同じであっても飛行体の高度が下がったり、飛行体の傾きが少なくなったりする傾向が出た場合、その飛行体は方向3よりも方向4に機首を向けて着陸動作に入ることが好ましいことが理解される。また更に回転を続け、最も下降が容易な方向が方向6であり、方向7以降となると再度高度が下がりにくくなることが確認されれば、飛行体は方向6を機首方向として降下を行うことが望ましい。
この着陸方法によれば、機体の特性や周囲環境による影響値を予め算出しておく必要がなく、飛行体に備えられた各種センサ(例えば、ジャイロセンサ、高度センサ、GPS受信機など)から取得した情報から、飛行体に加わる揚力や抗力の状態を求め、着陸動作に好適な機首方向上方を得ることが可能である。
指向性を持つ飛行体は、配送や監視、調査等の業務における産業用の回転翼機としての利用が期待できる。また、本発明の回転翼機は、マルチコプター・ドローン等の飛行機関連産業において利用することができ、さらに、本発明は、セキュリティ分野、農業、研究、災害対応、インフラ点検等の様々な産業にも利用することができる。
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
10 本体部
11 翼部
20 飛行部
30 搭載物
31 回動部
100 飛行体
110a~110e プロペラ
111a~111e モータ


Claims (9)

  1. 飛行体の制御方法であって、
    前記飛行体は、機体の機首方向からの風に応じて揚力を発生する構成と、
    プロペラ及びモータを含む複数の回転翼と、を有し、
    前記飛行体は、主翼を有さず、
    着陸地点に関連する風速データ及び風向きデータに基づき、前記機体の機首方向を前記着陸地点においてその場でヨー方向の回転制御を行い、前記機体の降下を開始する、
    ことを特徴とする飛行体の制御方法。
  2. 前記揚力は、前記機体の本体形状により発生する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の飛行体の制御方法。
  3. 前記機体の機首方向の制御は、前記風速データが示す風速が前記揚力を発生しない第1の風速範囲である場合には、前記機体の機首方向を風上側とする、
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の飛行体の制御方法。
  4. 前記機体の機首方向の制御は、前記風速データが示す風速が前記揚力を発生する第2の風速範囲である場合には、前記機体の機首方向を風下側とする、
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の飛行体の制御方法。
  5. 前記機体の機首方向の制御は、前記第2の風速範囲よりもさらに風速の強い第3の風速範囲である場合には、前記機体の機首方向を風上側とする、
    ことを特徴とする請求項に記載の飛行体の制御方法。
  6. 前記機体の機首方向の制御は、前記第2の風速範囲よりもさらに風速の強い第3の風速範囲である場合には、着陸予定地点を変更する、
    ことを特徴とする請求項に記載の飛行体の制御方法。
  7. 飛行体であって、
    前記飛行体は、機体の機首方向からの風に応じて揚力を発生する構成と、
    プロペラ及びモータを含む複数の回転翼と、を有し、
    前記飛行体は、主翼を有さず、
    着陸地点に関連する風速データ及び風向きデータに基づき、前記機体の機首方向を前記着陸地点においてその場でヨー方向の回転制御を行い、前記機体の降下を開始する、
    ことを特徴とする飛行体。
  8. 飛行体の制御方法を実行させる情報処理装置であって、
    前記飛行体は、機体の機首方向からの風に応じて揚力を発生する構成と、
    プロペラ及びモータを含む複数の回転翼と、を有し、
    前記飛行体は、主翼を有さず、
    前記飛行体の着陸方法は、
    着陸地点に関連する風速データ及び風向きデータに基づき、前記機体の機首方向を前記着陸地点においてその場でヨー方向の回転制御を行い、前記機体の降下を開始する、
    ことを特徴とする情報処理装置。
  9. 飛行体の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記飛行体は、機体の機首方向からの風に応じて揚力を発生する構成と、
    プロペラ及びモータを含む複数の回転翼と、を有し、
    前記飛行体は、主翼を有さず、
    着陸地点に関連する風速データ及び風向きデータに基づき、前記機体の機首方向を前記着陸地点においてその場でヨー方向の回転制御を行い、前記機体の降下を開始するステップを実行させる、
    ことを特徴とするプログラム。
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