JP7776045B2 - 電極形成用組成物、添加剤、及びゲル化抑制剤 - Google Patents
電極形成用組成物、添加剤、及びゲル化抑制剤Info
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Description
[1] 環構造と不飽和結合とを有する化合物、正極活物質、バインダー、及び溶媒を含む電極形成用組成物であって、
前記化合物が、分子内に解離性のプロトンを有し、
前記化合物の結合解離エネルギーが、397.27(kJ/mol)未満であり、
前記化合物の最高被占軌道(HOMO)が、-0.28384(a.u.)超である、
電極形成用組成物。
[2] 前記正極活物質が、多結晶体である第1の正極活物質と、単結晶体である第2の正極活物質とを含む、[1]に記載の電極形成用組成物。
[3] 前記第1の正極活物質が、層状岩塩構造を有するリチウム含有遷移金属酸化物粒子であって、前記リチウム含有遷移金属酸化物粒子のCuKα放射線源を使用するX線回折パターンから得られる(104)面の回折ピークに基づいてシェラーの式によって決定される結晶子径が、20nm以上500nm未満である、[2]に記載の電極形成用組成物。
[4] 前記第2の正極活物質が、層状岩塩構造を有するリチウム含有遷移金属酸化物粒子であって、前記リチウム含有遷移金属酸化物粒子のCuKα放射線源を使用するX線回折パターンから得られる(104)面の回折ピークに基づいてシェラーの式によって決定される結晶子径が、50nm以上800nm未満である、[2]又は[3]に記載の電極形成用組成物。
[5] 前記第1の正極活物質における前記層状岩塩構造を有するリチウム含有遷移金属酸化物粒子が、一般式LiaNi(1-x-y)CoxM1 yM2 zO2(式中、M1は、Mn及びAlからなる群より選ばれる少なくとも1種、M2は、Zr、Ti、Mg、B、W及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、1.00≦a≦1.50、0.00≦x≦0.50、0.00≦y≦0.50、0.000≦z≦0.020である)で表される結晶性金属系酸化物粒子である、[3]又は[4]に記載の電極形成用組成物。
[6] 前記第2の正極活物質における前記層状岩塩構造を有するリチウム含有遷移金属酸化物粒子が、一般式LiaNi(1-x-y)CoxM1 yM2 zO2(式中、M1は、Mn及びAlからなる群より選ばれる少なくとも1種、M2は、Zr、Ti、Mg、B、W及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、1.00≦a≦1.50、0.00≦x≦0.50、0.00≦y≦0.50、0.000≦z≦0.020である)で表される結晶性金属系酸化物粒子である、[4]又は[5]に記載の電極形成用組成物。
[7] 前記環構造が、芳香族環である、[1]から[6]のいずれかに記載の電極形成用組成物。
[8] 前記化合物が、ヘテロ原子を有する、[1]から[7]のいずれかに記載の電極形成用組成物。
[9] 前記正極活物質が、Niを含有する金属酸化物を含む、[1]から[8]のいずれかに記載の電極形成用組成物。
[10] 前記正極活物質がNiを含有し、前記正極活物質におけるNi含有率が30質量%以上61質量%以下である、[1]から[9]のいずれかに記載の電極形成用組成物。
[11] 前記溶媒が、非プロトン性溶媒である、[1]から[10]のいずれかに記載の電極形成用組成物。
[12] 前記バインダーが、フッ素系バインダーである、[1]から[11]のいずれかに記載の電極形成用組成物。
[13] さらに、導電助剤を含む、[1]から[12]のいずれかに記載の電極形成用組成物。
[14] [1]から[13]のいずれかに記載の電極形成用組成物から得られる電極層。
[15] [14]に記載の電極層を備える二次電池。
[16] [1]から[13]のいずれかに記載の電極形成用組成物を製造する、電極形成用組成物の製造方法であって、
前記化合物と、前記バインダーと、前記溶媒と、多結晶体である第1の正極活物質と、単結晶体である第2の正極活物質とを混合することを含む、電極形成用組成物の製造方法。
[17] 前記電極形成用組成物における前記第1の正極活物質と前記第2の正極活物質との質量割合(第1の正極活物質:第2の正極活物質)が、2:8~8:2である、[16]に記載の電極形成用組成物の製造方法。
[18] 多結晶体である第1の正極活物質、単結晶体である第2の正極活物質、バインダー、及び溶媒を含む電極形成用組成物の添加剤であって、
分子内に解離性のプロトンを有し、結合解離エネルギーが397.27(kJ/mol)未満であり、最高被占軌道(HOMO)が-0.28384(a.u.)超である、添加剤。
[19] 多結晶体である第1の正極活物質、単結晶体である第2の正極活物質、バインダー、及び溶媒を含む電極形成用組成物のゲル化抑制剤であって、
分子内に解離性のプロトンを有し、結合解離エネルギーが397.27(kJ/mol)未満であり、最高被占軌道(HOMO)が-0.28384(a.u.)超である、ゲル化抑制剤。
[20] 多結晶体である第1の正極活物質、単結晶体である第2の正極活物質、バインダー、及び溶媒を含む電極形成用組成物のゲル化を抑制する方法であって、
前記電極形成用組成物が、分子内に解離性のプロトンを有し、結合解離エネルギーが397.27(kJ/mol)未満であり、最高被占軌道(HOMO)が-0.28384(a.u.)超である化合物を含有する状態にする、ゲル化を抑制する方法。
本発明の電極形成用組成物は、環構造と不飽和結合とを有する化合物(以下「特定化合物」と称することがある)と、正極活物質と、バインダーと、溶媒とを少なくとも含む。
電極形成用組成物は、その他の成分を含んでいてもよい。
特定化合物の結合解離エネルギーは、397.27(kJ/mol)未満である。
特定化合物の最高被占軌道(HOMO)は、-0.28384(a.u.)超である。
電極形成用組成物は、2種類の正極活物質(特に、多結晶体である第1の正極活物質及び単結晶体である第2の正極活物質)を含む場合に、より増粘及びゲル化しやすい。本発明の電極形成用組成物の一態様では、2種類の正極活物質(特に、多結晶体である第1の正極活物質及び単結晶体である第2の正極活物質)を含む正極活物質を含む電極形成用組成物に特定化合物を添加することにより、より増粘及びゲル化しやすい組成物の増粘及びゲル化の抑制が可能となる。
増粘及びゲル化のメカニズム、並びに、その抑制効果の発現のメカニズムは定かではないが、電極形成用組成物に特定化合物を添加することにより、組成物中で発生し、増粘及びゲル化を促すラジカルを、特定化合物が不活化することが一因であると、本発明者らは考えている。
化合物が解離性プロトンを有しており、化合物の結合解離エネルギーが小さいと、化合物はラジカル化しやすい。化合物の最高被占軌道(HOMO)が高いと、化合物はラジカル化しやすく、水素ラジカルを生成しやすい。それを図示すると以下の様になる。
電極形成用組成物の増粘及びゲル化が抑制されることで、均質な正極電極層を形成することが可能となる。また、電極スラリーにおける固形分の濃度を向上することも可能となり、エネルギー貯蔵デバイスを作るコストや環境負荷を低減できる。更には、アルカリ成分に由来する、集電箔として一般的に用いられるアルミニウム箔の腐食や、電解液との反応による電池特性の劣化を抑制することができる。
特定化合物は、環構造と不飽和結合とを有する化合物である。
特定化合物は、分子内に解離性のプロトンを有する。
特定化合物の結合解離エネルギーは、397.27(kJ/mol)未満である。
特定化合物の最高被占軌道(HOMO)は、-0.28384(a.u.)超である。
なお、特定化合物は、環構造と不飽和結合とを有するが、本発明の効果を奏するかどうかの点においては、環構造及び不飽和結合の有無は重要ではない。
また、特定化合物が有する環構造としては、炭化水素環であってもよいし、複素環であってもよい。
特定化合物は、複素環を有していてもよいし、複素環を有していなくてもよい。
特定化合物は、芳香族環を有していてもよいし、芳香族環を有していなくてもよい。
特定化合物が有する不飽和結合は、環構造を構成する不飽和結合であってもよい。
例えば、ベンゼンは、環構造を有しかつ3つの不飽和結合を有する化合物である。
二重結合としては、例えば、炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合、炭素-窒素二重結合、炭素-硫黄二重結合、窒素-窒素二重結合などが挙げられる。
三重結合としては、例えば、炭素-炭素三重結合、炭素-窒素三重結合などが挙げられる。
特定化合物における不飽和結合の数としては、特に制限されず、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
特定化合物は、ヘテロ原子を有していてもよいし、ヘテロ原子を有していなくてもよい。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、硫黄原子、ハロゲン原子などが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子などが挙げられる。
例えば、特定化合物がヘテロ原子を有する場合、特定化合物が有するヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子の少なくともいずれかのみである。
例えば、特定化合物がヘテロ原子を有する場合、特定化合物が有するヘテロ原子は、窒素原子のみである。
プロトン解離エネルギーが算出できる場合、その化合物は解離性のプロトンを有するといえる。
結合解離エネルギーの下限値としては、特に制限されないが、結合解離エネルギーは、例えば、250.00(kJ/mol)以上であってもよいし、276.33(kJ/mol)以上であってもよいし、302.65(kJ/mol)以上であってもよい。
結合解離エネルギーの算出方法は以下の通りである。
〔結合解離エネルギーの算出方法〕
対象分子(HA)の真空下での基底状態における最安定構造を、汎関数としてB3LYP、基底関数として6-31+G(d)を用いて計算し、その全エネルギーE(HA)を算出する。さらに、対象分子(HA)から水素ラジカル(H・)を一つ引き抜いた中性ラジカル(A・)について、その真空下での基底状態における最安定構造を、汎関数としてB3LYP、基底関数として6-31+G(d)を用いて計算し、その全エネルギーE(A・)を算出。さらに、水素ラジカル(H・)についても、汎関数としてB3LYP、基底関数として6-31+G(d)を用いて全エネルギーE(H・)を算出し、次式(b)で定義する結合解離エネルギーΔEbd(単位:kJ/mol)を算出する。
(b) ΔEbd=[E(A・)+E(H・)]-E(HA)
なお、対象分子は複数の水素原子を有しているが、一箇所の水素引き抜きのみを考慮し、水素引き抜きによって得られる中性ラジカルの全エネルギーE(A・)が最小となる引き抜き位置についての結合解離エネルギーを算出する。
最高被占軌道(HOMO)の上限値としては、特に制限されないが、最高被占軌道(HOMO)は、例えば、-0.15780(a.u.)以下であってもよいし、-0.17617(a.u.)以下であってもよいし、-0.19533(a.u.)以下であってもよい。
最高被占軌道(HOMO)の算出方法は以下の通りである。
〔最高被占軌道(HOMO)の算出方法〕
対象分子の真空下での基底状態における最安定構造を、汎関数としてB3LYP、基底関数として6-31+G(d)を用いて計算し、最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギー準位(単位:atomic unit(a.u.))を算出する。
また、特定化合物の含有量のより一層好ましい下限は、固形分中0.01質量%である。特定化合物の含有量を上記範囲内とすることにより、電極成形用組成物のゲル化を効果的に抑制でき、得られる電池の電池特性も維持することができる。なお、本発明において、固形分とは、組成物を構成する溶媒以外の成分を意味する(以下、同様)。
特定化合物の含有量を上記範囲内とすることにより、電極成形用組成物のゲル化を効果的に抑制でき、得られる電池の電池特性も維持することができる。
特定化合物の含有量を上記範囲内とすることにより、電極成形用組成物のゲル化を効果的に抑制でき、得られる電池の電池特性も維持することができる。
正極活物質としては、特に制限されない。
ポリアニオン系化合物としては、例えば、LiFePO4、LiaMnbFecDdPO4(1.00≦a≦1.15、0.01≦b≦0.99、0.01≦c≦0.99、0.00≦d≦0.10であり、Dが、Co、Mn、Ti、Cr、V、Al、Sn、Pb、及びZnから選ばれ、少なくとも一部がオリビン構造を有する)等が挙げられる。
硫黄化合物としては、例えば、硫黄、Li2S、FeS2、TiS2、MoS2、ルベアン酸等が挙げられる。
これらの正極活物質は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
xは、0.01≦x≦0.30であってもよいし、0.03≦x≦0.20であってもよい。
yは、0.01≦x≦0.30であってもよいし、0.03≦x≦0.20であってもよい。
x+yは、0.02≦(x+y)≦0.40であってもよいし、0.05≦(x+y)≦0.30であってもよい。
LiaNi(1-x-y)CoxM1 yM2 zO2は、Ni含有率が30質量%以上であることが好ましく、Ni含有率が40質量%以上であることが好ましく、Ni含有率が45質量%以上であることがより好ましく、Ni含有率が47質量%以上であることが特に好ましい。Ni含有率の上限値としては、特に制限されないが、例えば、Ni含有率は61質量%以下である。
x1<(τ2)-(τ1)≦x2 ・・・式(X)
τ1:第1の正極活物質の結晶子径(nm)
τ2:第2の正極活物質の結晶子径(nm)
x1は、0nmであり、好ましくは10nmであり、より好ましくは30nmであり、特に好ましくは70nmである。
x2は、400nmであり、好ましくは350nmであり、より好ましくは300nmであり、特に好ましくは250nmである。
〔X線回折測定〕
正極活物質のX線回折パターンは、1.5418Åの波長で放射されるCuKα放射線源(45kV、40mA)を使用して、X’Pert Pro MPD(PANaltical製)を用いて収集する。機器の構成は、入射側は、0.02ラジアンのソーラースリット、照射面積10mmの自動可変発散スリット及び1/2°の散乱防止スリットを用い、受光側では8mmの散乱防止スリット及び0.02ラジアンのソーラースリットに設定する。ゴニオメータの半径は、240mmである。XRDでは、回折パターンは、ステップサイズ0.013°/スキャンで10~100°(2θ)の範囲をステップあたりの時間250秒で得る。
(結晶子径とは結晶粒度以下であり得る、規則的な(結晶性)ドメインの平均サイズのことである。)
K:シェラー定数(K=0.9)
λ:X線波長(CuKα=0.15418nm)
β:FWHM
θ:(104)面に帰属される回折ピークの回折角度2θの1/2
X線回折パターンの44.5±1°で、空間群R-3mを有する結晶構造に割り当てられた(104)面のピークを観察する。
装置固有の半値幅は、Si粉末(NIST製、SRM640f)を用いて得られた47.3°の半値幅を用いる。
バインダーとしては、公知の材料から適宜選択して用いることができ、特に制限されないが、例えば、フッ素系バインダー、ポリイミド、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体、スチレン-ブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。これらは非水系のバインダーである。
フッ素系バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーを含むコポリマーなどが挙げられる。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値である。
溶媒としては、特に制限されず、例えば、従来、電極形成用組成物の調製に用いられる溶媒が挙げられる。
溶媒としては、例えば、水、有機溶媒が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素類としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなどが挙げられる。
アミド類としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などが挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノールなどが挙げられる。
脂肪族炭化水素類としては、例えば、n-ヘプタン、n-ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどが挙げられる。
グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。
カーボネート類としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどが挙げられる。
その他の有機溶媒としては、例えば、γ-ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジオキソラン、スルホランなどが挙げられる。
非プロトン性溶媒としては、例えば、極性を有していてもよいし、極性を有していなくてもよい。
非プロトン性溶媒としては、アミド類、ケトン類、カーボネート類が好ましく、アミド類がより好ましい。
電極形成用組成物が含有していてもよいその他の成分としては、例えば、導電助剤、分散剤などが挙げられる。
導電助剤は、例えば、電気伝導性をより良好にするために用いられる。
導電助剤としては、特に制限されないが、例えば、炭素材料、導電性高分子などが挙げられる。
炭素材料としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック(AB)、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノホーン、グラフェンなどが挙げられる。
導電性高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセンなどが挙げられる。
導電助剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電極形成用組成物がグラフェンを含有する場合、導電助剤におけるグラフェンの含有量としては、特に制限されないが、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
分散剤は、例えば、正極活物資、導電助剤などの物質の分散性を向上させるために用いられる。
分散剤としては、例えば、従来、CNT等の導電性炭素材料の分散剤として用いられているものから適宜選択することができる、
分散剤としては、電池内における安定性の点から、非イオン性ポリマーが好ましい。
非イオン性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、並びにニトリル基、ヒドロキシ基、カルボニル基、アミノ基、スルホニル基及びエーテル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基含有ポリマーなどが挙げられる。
当該官能基含有ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ乳酸、ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニルエーテル、ポリフェニルスルホン、ポリエチレンイミン、ポリアニリンなどが挙げられる。
分散剤としては、ピロリドン構造又はニトリル基を含むポリマーが好ましく、ポリビニルピロリドン及びポリアクリロニトリルがより好ましい。
分散剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、得られる電極層と集電体との密着性を考慮すると、特定化合物と分散剤との総量が、固形分中0.001~1質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01~1質量%である。
本発明の電極層は、本発明の電極形成用組成物から得られる。
電極層を形成する方法としては、例えば、電極形成用組成物を基板上に塗工して塗膜を形成した後、これを乾燥する方法が挙げられる。この方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の各種方法を用いることができる。塗工法の具体例としては、オフセット印刷、スクリーン印刷等の各種印刷法、ブレードコート法、ディップコート法、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、インクジェット法、ダイコート法等が挙げられる。
なお、二次電池において、電極層を単独で電極とする場合は、その膜厚を10μm以上とすることが好ましい。
本発明の電極は、例えば、集電体である基板上の少なくとも一方の面に、本発明の電極層を備える。
電極に用いられる基板としては、例えば、白金、金、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、リチウム等の金属基板、これらの金属の任意の組み合わせからなる合金基板、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)等の酸化物基板、またはグラッシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンフェルト等の炭素基板等が挙げられる。
基板の厚みは、特に限定されるものではないが、1~100μmが好ましく、3~30μmがより好ましく、5~25μmが特に好ましい。
本発明の二次電池は、本発明の電極層を備える。
本発明の二次電池は、例えば、本発明の電極を備える。
二次電池は、例えば、少なくとも一対の正極及び負極と、これら各極間に介在するセパレータと、電解質とを備える。正極が、本発明の電極である。
これらの電解質塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒としては、例えば、非水系の溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ-ブチロラクトン等の環状エステル類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類;酢酸メチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状エステル類;アセトニトリル等のニトリル類等が用いられる。
これらの溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、上記高分子系固体電解質には、支持塩及び可塑剤を含んでいてもよい。支持塩としては、例えば、リチウム(フルオロスルホニルイミド)等を挙げることができる。可塑剤としては、例えば、スクシノニトリル等が挙げられる。
二次電池のラミネート方法や生産方法についても特に限定されるものではない。
本発明の電極形成用組成物の製造方法は、本発明の電極形成用組成物を製造する、電極形成用組成物の製造方法である。
本発明の電極形成用組成物の製造方法は、特定化合物と、バインダーと、溶媒と、正極活物質とを混合することを含む。これらの物質の混合の順序は特に制限されない。
本発明の電極形成用組成物の製造方法の一実施形態は、特定化合物と、バインダーと、溶媒と、多結晶体である第1の正極活物質と、単結晶体である第2の正極活物質とを混合することを含む。これらの物質の混合の順序は特に制限されない。
本発明の添加剤は、正極活物質、バインダー、及び溶媒を含む電極形成用組成物の添加剤である。
本発明のゲル化抑制剤は、正極活物質、バインダー、及び溶媒を含む電極形成用組成物のゲル化抑制剤である。ゲル化抑制剤は、正極活物質、バインダー、及び溶媒を含む電極形成用組成物に添加されることによって、電極形成用組成物のゲル化を抑制する。
添加剤及びゲル化抑制剤は、前述の特定化合物であり、その例示、及び好適例としては、前述の特定化合物の説明において挙げた例示、及び好適例が挙げられる。
正極活物質の例示、及び好適例としては、本発明の電極形成用組成物の含有成分としての正極活物質の説明において挙げた例示、及び好適例が挙げられる。
バインダーの例示、及び好適例としては、本発明の電極形成用組成物の含有成分としてのバインダーの説明において挙げた例示、及び好適例が挙げられる。
溶媒の例示、及び好適例としては、本発明の電極形成用組成物の含有成分としての溶媒の説明において挙げた例示、及び好適例が挙げられる。
添加剤及びゲル化抑制剤が用いられる電極形成用組成物はその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分の例示、及び好適例としては、本発明の電極形成用組成物の含有成分としてのその他の成分の説明において挙げた例示、及び好適例が挙げられる。
本発明のゲル化を抑制する方法は、正極活物質、バインダー、及び溶媒を含む電極形成用組成物のゲル化を抑制する方法である。ゲル化を抑制する方法においては、電極形成用組成物が特定化合物を含有する状態にする。
本発明の使用は、正極活物質、バインダー、及び溶媒を含む電極形成用組成物のゲル化を抑制するための、特定化合物の使用である。
特定化合物の例示、及び好適例としては、前述の特定化合物の説明において挙げた例示、及び好適例が挙げられる。
正極活物質の例示、及び好適例としては、本発明の電極形成用組成物の含有成分としての正極活物質の説明において挙げた例示、及び好適例が挙げられる。
バインダーの例示、及び好適例としては、本発明の電極形成用組成物の含有成分としてのバインダーの説明において挙げた例示、及び好適例が挙げられる。
溶媒の例示、及び好適例としては、本発明の電極形成用組成物の含有成分としての溶媒の説明において挙げた例示、及び好適例が挙げられる。
ゲル化を抑制する方法に用いられる電極形成用組成物はその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分の例示、及び好適例としては、本発明の電極形成用組成物の含有成分としてのその他の成分の説明において挙げた例示、及び好適例が挙げられる。
対象分子(HA)の真空下での基底状態における最安定構造を、汎関数としてB3LYP、基底関数として6-31+G(d)を用いて計算し、その全エネルギーE(HA)を算出した。さらに、対象分子(HA)から水素ラジカル(H・)を一つ引き抜いた中性ラジカル(A・)について、その真空下での基底状態における最安定構造を、汎関数としてB3LYP、基底関数として6-31+G(d)を用いて計算し、その全エネルギーE(A・)を算出した。さらに、水素ラジカル(H・)についても、汎関数としてB3LYP、基底関数として6-31+G(d)を用いて全エネルギーE(H・)を算出し、次式(b)で定義する結合解離エネルギーΔEbd(単位:kJ/mol)を算出した。
(b) ΔEbd=[E(A・)+E(H・)]-E(HA)
なお、対象分子は複数の水素原子を有しているが、一箇所の水素引き抜きのみを考慮し、水素引き抜きによって得られる中性ラジカルの全エネルギーE(A・)が最小となる引き抜き位置についての結合解離エネルギーを算出した。
対象分子の真空下での基底状態における最安定構造を、汎関数としてB3LYP、基底関数として6-31+G(d)を用いて計算し、最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギー準位(単位:atomic unit(a.u.))を算出した。
(1)自転・公転方式ミキサー:シンキー(株)製、あわとり練太郎 大気圧タイプ ARE-310
(2)ドライブース:日本スピンドル製造(株)製
(3)レオメータ(条件1):Anton Paar社製、MCR302、治具:CP40-1、測定GAP:0.08mm、測定温度:25℃の測定条件で、0.01→1000sec-1までせん断速度を掃引しながらせん断粘度測定を実施した。スラリーの粘度は、100sec-1における値を採用した。
(4)レオメータ(条件2):Anton Paar社製、MCR302e、治具:PP50、測定GAP:0.08mm、測定温度:25℃の測定条件で、0.01→1000sec-1までせん断速度を掃引しながらせん断粘度測定を実施した。スラリーの粘度は、100sec-1における値を採用した。
(5)ロールプレス機:有限会社タクミ技研製、SA-602
(6)X線回折装置:PANaltical製、X’Pert Pro MPD
正極活物質のX線回折パターンは、1.5418Åの波長で放射されるCuKα放射線源(45kV、40mA)を使用して、X’Pert Pro MPD(PANaltical製)を用いて収集した。機器の構成は、入射側は、0.02ラジアンのソーラースリット、照射面積10mmの自動可変発散スリット及び1/2°の散乱防止スリットを用い、受光側では8mmの散乱防止スリット及び0.02ラジアンのソーラースリットに設定した。ゴニオメータの半径は、240mmである。XRDでは、回折パターンは、ステップサイズ0.013°/スキャンで10~100°(2θ)の範囲をステップあたりの時間250秒で得た。
(結晶子径とは結晶粒度以下であり得る、規則的な(結晶性)ドメインの平均サイズのことである。)
K:シェラー定数(K=0.9)
λ:X線波長(CuKα=0.15418nm)
β:FWHM
θ:(104)面に帰属される回折ピークの回折角度2θの1/2
X線回折パターンの44.5±1°で、空間群R-3mを有する結晶構造に割り当てられた(104)面のピークを観察する。
装置固有の半値幅は、Si粉末(NIST製、SRM640f)を用いて得られた47.3°の半値幅を用いた。
<正極活物質>
多結晶体である第1の正極活物質としては、S-800を用いた。単結晶体である第2の正極活物質としては、T81RSを使用した。
S-800:ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi0.8Co0.1Mn0.1O2、多結晶タイプ、Ningbo Ronbay New Energy Technology Co., Ltd.製、Ni比率:50質量%、X線回折により求めた結晶子サイズ:97nm)
T81RS:ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi0.8Co0.1Mn0.1O2、単結晶タイプ、Hunan Shanshan Energy Technology Co., Ltd.製、Ni比率:50質量%、X線回折により求めた結晶子サイズ:296nm)
Solef-5130:ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、SOLVAY社製
<導電助剤>
AB:デンカブラック(登録商標)Li100(高純度アセチレンブラック)、デンカ(株)製
<溶媒>
NMP:N-メチル-2-ピロリドン、日本リファイン(株)製
<添加剤A1~A24、及びa1~a26>
下記表1-1及び表1-2に記載の添加剤を用いた。
表1-1に記載の添加剤は実施例で使用した添加剤である。
表1-2に記載の添加剤は比較例で使用した添加剤である。
また、それら添加剤の解離性プロトンの有無、結合解離エネルギー、及びHOMOを表1-1及び表1-2に示した。更に、添加剤A1~A24、及びa1~a26について、結合解離エネルギーを横軸にプロットし、HOMOを縦軸にプロットした図を図1に示す。
F社:富士フイルム和光純薬(株)
T社:東京化成工業(株)
C社:日本カーバイド工業(株)
B社:BASF
AD社:(株)ADEKA
A社:Aldrich
A18のIrganox3114(商品名)はBASF社製の1,3,5-Tris(3,5-di-tert.-butyl-4-hydroxybenzyl)-1,3,5-triazine-2,4,6(1H,3H,5H)-trioneである。
A19のIrganoxMD1024(商品名)はBASF社製の2’,3-Bis[[3-[3,5-di-tert.-butyl-4-hydroxyphenyl]propionyl]]propionohydrazideである。
A20のアデカスタブ AO-40(商品名)は(株)ADEKA製の6,6’-di-tert-butyl-4,4’-butylidenedi-m-cresolである。
A21のアデカスタブ AO-80(商品名)は(株)ADEKA製の3,9-Bis{2-[3-(3-tert-butyl-4-hydroxy-5-methylphenyl)propionyloxy]-1,1-dimethylethyl}-2,4,8,10-tetraoxaspiro[5.5]undecaneである。
なお、a8の水溶性メチロールメラミン(ニカレジンS176:商品名)は、日本カーバイド工業(株)製の水溶性メチロールメラミンである。
[実施例1~12、比較例2~25]
添加剤A1~A12及び添加剤a1~a24の各添加剤について5質量%のNMP溶液(添加剤溶液)を調製した。続いて、表2-1、表2-3、及び表2-4に示す組成比となるように、ドライブース内にて、正極活物質、バインダー粉末、導電助剤、添加剤溶液、NMP、及び水を混合し、自転・公転方式ミキサーを用いて混合することで、電極スラリーを得た。調製したスラリーの総量は、いずれも各100g、固形分は73質量%とし、スラリーの溶媒組成はNMP/H2O(質量比)=95/5となるように調整した。なお、上記水はスラリー中に水分量が多い状態を意図的に生み出すために添加している。
表2-1、表2-2及び表2-4に示す組成比となるように、ドライブース内にて、正極活物質、バインダー粉末、導電助剤、添加剤、NMP、及び水を混合し、自転・公転方式ミキサーを用いて混合することで、電極スラリーを得た。調製したスラリーの総量は、いずれも各100g、固形分は73質量%とし、スラリーの溶媒組成はNMP/H2O(質量比)=95/5となるように調整した。なお、上記水はスラリー中に水分量が多い状態を意図的に生み出すために添加している。
添加剤A2について5質量%のNMP溶液(添加剤溶液)を調製した。表2-2に示す組成比となるように、ドライブース内にて、正極活物質、バインダー粉末、導電助剤、添加剤溶液、NMP、及び水を混合し、自転・公転方式ミキサーを用いて混合することで、電極スラリーを得た。調製したスラリーの総量は、100g、固形分は71質量%とし、スラリーの溶媒組成はNMP/H2O(質量比)=95/5となるように調整した。なお、上記水はスラリー中に水分量が多い状態を意図的に生み出すために添加している。
添加剤A2について5質量%のNMP溶液(添加剤溶液)を調製した。表2-2に示す組成比となるように、ドライブース内にて、正極活物質、バインダー粉末、導電助剤、添加剤溶液、NMP、及び水を混合し、自転・公転方式ミキサーを用いて混合することで、電極スラリーを得た。調製したスラリーの総量は、100g、固形分は73.5質量%とし、スラリーの溶媒組成はNMP/H2O(質量比)=95/5となるように調整した。なお、上記水はスラリー中に水分量が多い状態を意図的に生み出すために添加している。
添加剤A17~A23の各添加剤について5質量%のNMP溶液(添加剤溶液)を調製した。続いて、表2-2に示す組成比となるように、ドライブース内にて、正極活物質、バインダー粉末、導電助剤、添加剤溶液、NMP、及び水を混合し、自転・公転方式ミキサーを用いて混合することで、電極スラリーを得た。調製したスラリーの総量は、いずれも各100g、固形分は73.5質量%とし、スラリーの溶媒組成はNMP/H2O(質量比)=98.5/1.5となるように調整した。なお、上記水はスラリー中に水分量が多い状態を意図的に生み出すために添加している。
表2-2に示す組成比となるように、ドライブース内にて、正極活物質、バインダー粉末、導電助剤、添加剤、NMP、及び水を混合し、自転・公転方式ミキサーを用いて混合することで、電極スラリーを得た。調製したスラリーの総量は、100g、固形分は73.5質量%とし、スラリーの溶媒組成はNMP/H2O(質量比)=98.5/1.5となるように調整した。なお、上記水はスラリー中に水分量が多い状態を意図的に生み出すために添加している。
表2-3に示す組成比となるように、ドライブース内にて、正極活物質、バインダー粉末、導電助剤、NMP、及び水を混合し、自転・公転方式ミキサーを用いて混合することで、電極スラリーを得た。調製したスラリーの総量は、100g、固形分は73質量%とし、スラリーの溶媒組成はNMP/H2O(質量比)=95/5となるように調整した。なお、上記水はスラリー中に水分量が多い状態を意図的に生み出すために添加している。
表2-4に示す組成比となるように、ドライブース内にて、正極活物質、バインダー粉末、導電助剤、NMP、及び水を混合し、自転・公転方式ミキサーを用いて混合することで、電極スラリーを得た。調製したスラリーの総量は、100g、固形分は71質量%とし、スラリーの溶媒組成はNMP/H2O(質量比)=95/5となるように調整した。なお、上記水はスラリー中に水分量が多い状態を意図的に生み出すために添加している。
表2-4に示す組成比となるように、ドライブース内にて、正極活物質、バインダー粉末、導電助剤、NMP、及び水を混合し、自転・公転方式ミキサーを用いて混合することで、電極スラリーを得た。調製したスラリーの総量は、100g、固形分は73.5質量%とし、スラリーの溶媒組成はNMP/H2O(質量比)=95/5となるように調整した。なお、上記水はスラリー中に水分量が多い状態を意図的に生み出すために添加している。
表2-4に示す組成比となるように、ドライブース内にて、正極活物質、バインダー粉末、導電助剤、NMP、及び水を混合し、自転・公転方式ミキサーを用いて混合することで、電極スラリーを得た。調製したスラリーの総量は、100g、固形分は73.5質量%とし、スラリーの溶媒組成はNMP/H2O(質量比)=98.5/1.5となるように調整した。なお、上記水はスラリー中に水分量が多い状態を意図的に生み出すために添加している。
[判定基準]
A:組成物がゲル化しておらず、電極形成への使用が可能なもの
B:組成物がゲル化し、電極形成への使用ができないもの
粘度変化率(%)=((保存後粘度-初期粘度)/初期粘度)×100
そのため、電極形成用組成物を調製してから時間が経過しても塗工性が損なわれることなく、リチウムイオン二次電池の工業的生産に好適に使用することができる。
Claims (18)
- 環構造と不飽和結合とを有する化合物、正極活物質、バインダー、及び溶媒を含む電極形成用組成物でありかつ電解質塩と溶媒とを含む電解液を電解質として備える二次電池の電極の形成に用いられる電極形成用組成物であって、
前記化合物が、分子内に解離性のプロトンを有し、
前記化合物の結合解離エネルギーが、397.27(kJ/mol)未満であり、
前記化合物の最高被占軌道(HOMO)が、-0.28384(a.u.)超であり、
前記正極活物質が、Niを含有する金属酸化物を含み、
前記バインダーが、フッ素系バインダーである、
電極形成用組成物。 - 前記正極活物質が、多結晶体である第1の正極活物質と、単結晶体である第2の正極活物質とを含む、請求項1に記載の電極形成用組成物。
- 前記第1の正極活物質が、層状岩塩構造を有するリチウム含有遷移金属酸化物粒子であって、前記リチウム含有遷移金属酸化物粒子のCuKα放射線源を使用するX線回折パターンから得られる(104)面の回折ピークに基づいてシェラーの式によって決定される結晶子径が、20nm以上500nm未満である、請求項2に記載の電極形成用組成物。
- 前記第2の正極活物質が、層状岩塩構造を有するリチウム含有遷移金属酸化物粒子であって、前記リチウム含有遷移金属酸化物粒子のCuKα放射線源を使用するX線回折パターンから得られる(104)面の回折ピークに基づいてシェラーの式によって決定される結晶子径が、50nm以上800nm未満である、請求項2に記載の電極形成用組成物。
- 前記第1の正極活物質における前記層状岩塩構造を有するリチウム含有遷移金属酸化物粒子が、一般式LiaNi(1-x-y)CoxM1 yM2 zO2(式中、M1は、Mn及びAlからなる群より選ばれる少なくとも1種、M2は、Zr、Ti、Mg、B、W及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、1.00≦a≦1.50、0.00≦x≦0.50、0.00≦y≦0.50、0.000≦z≦0.020である)で表される結晶性金属系酸化物粒子である、請求項3に記載の電極形成用組成物。
- 前記第2の正極活物質における前記層状岩塩構造を有するリチウム含有遷移金属酸化物粒子が、一般式LiaNi(1-x-y)CoxM1 yM2 zO2(式中、M1は、Mn及びAlからなる群より選ばれる少なくとも1種、M2は、Zr、Ti、Mg、B、W及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、1.00≦a≦1.50、0.00≦x≦0.50、0.00≦y≦0.50、0.000≦z≦0.020である)で表される結晶性金属系酸化物粒子である、請求項4に記載の電極形成用組成物。
- 前記環構造が、芳香族環である、請求項1に記載の電極形成用組成物。
- 前記化合物が、ヘテロ原子を有する、請求項1に記載の電極形成用組成物。
- 前記正極活物質におけるNi含有率が30質量%以上61質量%以下である、請求項1に記載の電極形成用組成物。
- 前記溶媒が、非プロトン性溶媒である、請求項1に記載の電極形成用組成物。
- さらに、導電助剤を含む、請求項1に記載の電極形成用組成物。
- 請求項1から11のいずれかに記載の電極形成用組成物から得られる電極層。
- 請求項12に記載の電極層を備える二次電池。
- 請求項1から11のいずれかに記載の電極形成用組成物を製造する、電極形成用組成物の製造方法であって、
前記化合物と、前記バインダーと、前記溶媒と、多結晶体である第1の正極活物質と、単結晶体である第2の正極活物質とを混合することを含む、電極形成用組成物の製造方法。 - 前記電極形成用組成物における前記第1の正極活物質と前記第2の正極活物質との質量割合(第1の正極活物質:第2の正極活物質)が、2:8~8:2である、請求項14に記載の電極形成用組成物の製造方法。
- 多結晶体である第1の正極活物質、単結晶体である第2の正極活物質、フッ素系バインダーであるバインダー、及び溶媒を含む電極形成用組成物でありかつ電解質塩と溶媒とを含む電解液を電解質として備える二次電池の電極の形成に用いられる電極形成用組成物の添加剤であって、
分子内に解離性のプロトンを有し、結合解離エネルギーが397.27(kJ/mol)未満であり、最高被占軌道(HOMO)が-0.28384(a.u.)超である、添加剤。 - 多結晶体である第1の正極活物質、単結晶体である第2の正極活物質、フッ素系バインダーであるバインダー、及び溶媒を含む電極形成用組成物でありかつ電解質塩と溶媒とを含む電解液を電解質として備える二次電池の電極の形成に用いられる電極形成用組成物のゲル化抑制剤であって、
分子内に解離性のプロトンを有し、結合解離エネルギーが397.27(kJ/mol)未満であり、最高被占軌道(HOMO)が-0.28384(a.u.)超である、ゲル化抑制剤。 - 多結晶体である第1の正極活物質、単結晶体である第2の正極活物質、フッ素系バインダーであるバインダー、及び溶媒を含む、電極形成用組成物でありかつ電解質塩と溶媒とを含む電解液を電解質として備える二次電池の電極の形成に用いられる電極形成用組成物のゲル化を抑制する方法であって、
前記電極形成用組成物が、分子内に解離性のプロトンを有し、結合解離エネルギーが397.27(kJ/mol)未満であり、最高被占軌道(HOMO)が-0.28384(a.u.)超である化合物を含有する状態にする、ゲル化を抑制する方法。
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