(実施形態)
(1)概要
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
本実施形態に係る搬送ロボット2は、図2及び図3に示すように、対象物30を搬送するために用いられる。以下の説明では、図1~図3において「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」の矢印で示す通りに各方向を規定する。これらの方向は、搬送ロボット2が対象物30を保持して前進する状態での方向を規定したものであり、搬送ロボット2の使用方向を限定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
本実施形態の搬送ロボット2は、例えば物流センター(配送センターを含む)、工場、オフィス、店舗、学校、及び病院等の施設に導入される。搬送ロボット2は、1つ以上の車輪W1(図1参照)で移動面F1(図2参照)の上を走行することによって移動する。移動面F1は、その上を搬送ロボット2が移動する面であり、搬送ロボット2が施設内を移動する場合は施設の床面等が移動面F1となり、搬送ロボット2が屋外を移動する場合は地面等が移動面F1となる。以下では、物流センターのような施設において、搬送ロボット2が対象物30を搬送する場合について説明を行う。
本実施形態の搬送ロボット2は、本体200と、駆動部23と、位置調整部26と、を備える(図1及び図4参照)。本体200には、搬送対象の対象物30を保持するための保持部29(図1参照)が設けられている。駆動部23は、複数(本実施形態では2つ)の駆動輪W2を回転させる。複数の駆動輪W2は、本体200の移動方向DR1と交差する配列方向DR2に並んでいる。位置調整部26は、本体200が移動する走行ルートのルート情報及び対象物30の重量の少なくとも一方に基づいて、配列方向DR2における複数の駆動輪W2の間隔L1を調整可能である。
本実施形態では、搬送ロボット2の移動方向が本体200の前後方向に沿う方向であり、複数の駆動輪W2が並ぶ配列方向DR2は左右方向に沿う方向である。つまり、本実施形態では、複数の駆動輪W2は、前後方向と直交する左右方向に並んでいるが、移動方向DR1(前後方向)と交差する方向に並んでいればよく、移動方向DR1の一方(例えば前側)から本体200を見たときに、複数の駆動輪W2が同一直線上に並ばないように、複数の駆動輪W2が間隔を開けて配置されていればよい。
本実施形態では、搬送対象の対象物30が、複数の物品を載せて運搬するために用いられる台車31である。台車31は、底板32の下側に複数の車輪33が設けられたカゴ付きの台車(いわゆるロールボックスパレット)であり、作業者が台車31を押して移動させることが可能である。なお、搬送ロボット2が搬送する対象物30は、車輪33が設けられた台車31に限定されない。対象物30は、複数の物品を収容可能な、車輪が設けられていない棚でもよいし、複数の物品を載せて運ぶためのパレットでもよいし、物品そのものでもよい。
搬送ロボット2は、対象物30を搬送するための無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)であり、保持部29が対象物30を持ち上げた状態で保持して目的地まで自律走行する。本実施形態では、保持部29が、対象物30を持ち上げる昇降板28等で実現されている。なお、保持部29は、対象物30を持ち上げた状態で保持するものに限定されない。搬送ロボット2は、対象物30の一部を把持する保持部によって対象物30を保持(連結)した状態で、対象物30をけん引したり、対象物30を後ろから押したりすることで、対象物30を搬送してもよい。
位置調整部26は、旋回走行時に必要な旋回トルクを決定する要因に基づいて、配列方向DR2、つまり搬送ロボット2の移動方向DR1と交差する方向において複数の駆動輪W2の間隔L1を調整する。旋回トルクを決定する要因には、本体200が移動する走行ルートに関するルート情報、搬送対象の対象物30の重量、等がある。そこで、位置調整部26は、走行ルートのルート情報と対象物30の重量との少なくとも一方に基づいて、複数の駆動輪W2の間隔L1を調整する。なお、走行ルートのルート情報は、走行ルートの走行中に必要な旋回トルクの推定に利用可能な情報であり、例えば、搬送ロボット2が旋回する旋回区間の有無、及び、旋回区間での旋回半径等がある。
ここで、位置調整部26が、複数の駆動輪W2の間隔L1を狭めるように調整すると、配列方向DR2における搬送ロボット2の最大幅を小さくでき、走行ルートの周囲にある壁等の物体までの距離が短い場所でも搬送ロボット2が安全に走行できる。また、位置調整部26が、複数の駆動輪W2の間隔L1を拡げるように調整すると、旋回トルクを高めることができ、より重い対象物30を搬送することができる。これにより、本実施形態の搬送ロボット2では、本体200の大型化を抑えながら、旋回トルクを高めることができる、という利点がある。
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、本実施形態に係る搬送ロボット2、及び搬送ロボット2を含む搬送システム1(図4参照)について図面を参照して詳しく説明する。
搬送システム1は、図4に示すように、搬送ロボット2と、搬送ロボット2の搬送作業を制御する制御システム4と、を備えている。また、搬送システム1は、搬送ロボット2が移動(走行)可能な走行ルートの作成作業を支援する作成支援システム7を更に備えている。
搬送ロボット2及び制御システム4は互いに通信可能に構成されている。制御システム4及び作成支援システム7も互いに通信可能に構成されている。本開示における「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワークNT1若しくは中継装置6等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。本実施形態では、搬送ロボット2の各々と制御システム4とは双方向に通信可能であり、制御システム4から搬送ロボット2への情報の送信、及び搬送ロボット2から制御システム4への情報の送信の両方が可能である。同様に、制御システム4と作成支援システム7とは双方向に通信可能である。なお、図4では搬送ロボット2の数が1台であるが、搬送ロボット2の数は2台以上でもよい。つまり、制御システム4は、複数台の搬送ロボット2の各々による搬送作業を制御してもよい。
(2.2)搬送ロボット
搬送ロボット2は、例えば施設の床面等からなる平坦な移動面F1の上を自律走行する。搬送ロボット2は、例えばリチウムイオン電池又はニッケル水素電池等の蓄電池を備え、蓄電池に蓄積された電気エネルギを利用して動作する。本実施形態では、搬送ロボット2は低床型のAGVであり、図2及び図3に示すように、台車31の下に潜り込み、本体200の一部を上昇させることによって台車31を持ち上げた状態で保持して移動する。これにより、搬送ロボット2は、例えば、ある場所に置かれている台車31を、別の場所(目標位置)に搬送することが可能である。
搬送ロボット2は、図4に示すように、制御部20と、通信部21と、検知部22と、駆動部23と、記憶部24と、昇降機構25と、を備えている。制御部20、通信部21、検知部22、駆動部23、記憶部24、及び昇降機構25は搬送ロボット2の本体200(図1~図3参照)に搭載されている。
搬送ロボット2の本体200は、左右方向よりも前後方向に長く、かつ左右方向及び前後方向よりも上下方向の寸法が小さい直方体状である。
本体200は、複数(ここでは、4つ)の車輪W1により移動面F1上に支持される。複数の車輪W1は、複数(ここでは、2つ)の駆動輪W2と、複数(ここでは、2つ)の補助輪W3と、を含む。
2つの駆動輪W2は、本体200の長手方向(前後方向)の中央部において、本体200の幅方向(左右方向であって、上記の配列方向DR2)に間隔L1を開けて配置されている。2つの駆動輪W2の各々は、駆動部23からの駆動力を受けて個別に回転可能である。
2つの駆動輪W2は、配列方向DR2における本体200の中心位置P1に対して対称な位置に配置されている。つまり、本実施形態では、複数(例えば2つ)の駆動輪W2が、配列方向DR2に並ぶ第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22を含む。例えば、本体200の右側に配置された駆動輪W2を第1駆動輪W21とも言い、本体200の左側に配置された駆動輪W2を第2駆動輪W22とも言う。
第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22は配列方向DR2に沿って変位可能であり、第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22の位置は位置調整部26によって調整される。位置調整部26は、第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22の位置を個別に調整可能である。位置調整部26は、図1、図5及び図6に示すように、第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22を中心位置P1に対して対称な位置に配置しつつ、配列方向DR2における第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22の間隔L1を調整する。これにより、第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22は、両者の間隔L1が最小となる第1位置(図5、及び図7の上段の図に示す位置)と、両者の間隔L1が最大となる第2位置(図1、及び図7の下段の図に示す位置)との間で、配列方向DR2に沿って変位する。なお、図6は、第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22が、それぞれ、第1位置と第2位置との間の中間位置に配置された状態を示している。
2つの補助輪W3は、本体200の幅方向(左右方向)の中央部において、本体200の長手方向(前後方向)に間隔を空けて配置されている。2つの補助輪W3の各々は、駆動部23からの駆動力を受けずに個別に回転可能である。
本実施形態では、複数の駆動輪W2が駆動部23によって個別に駆動されることにより、本体200は全方向に移動可能となる。つまり、複数の駆動輪W2が互いに異なる角速度で回転することで、左右方向のいずれかに旋回することができ、互いに同じ角速度で回転することで、直線的に走行(前進走行又は後進走行)することができる。したがって、本体200は、前進、後進、左右方向への旋回(信地旋回及び超信地旋回を含む)を行うことができる。また、本体200は、曲線の軌道(つまり、カーブ)を描くように移動することも可能である。
本体200の長手方向(前後方向)の両側には、本体200の幅方向(左右方向)に間隔を空けて2つずつ昇降板28が配置されている。各々の昇降板28は昇降機構25によって上昇又は降下する。各々の昇降板28が下限位置に降下した状態では、移動面F1から各々の昇降板28の上面までの距離は、移動面F1から台車31の底板32の下面までの距離よりも短い。一方、各々の昇降板28が上限位置に上昇した状態では、移動面F1から各々の昇降板28の上面までの距離は、移動面F1から台車31の底板32の下面までの距離よりも長い。
搬送ロボット2は、昇降機構25が各昇降板28を下限位置に降下させた状態で、台車31の下側に入り込み、昇降機構25により各昇降板28を上限位置に上昇させることによって台車31を持ち上げる。搬送ロボット2が台車31を持ち上げた状態では、台車31の車輪33は移動面F1から浮いた状態となり、この状態で搬送ロボット2が走行することによって、台車31を搬送する。搬送ロボット2が台車31を目標位置まで搬送すると、昇降機構25により各昇降板28を下限位置に降下させる。各昇降板28が下限位置に降下すると、台車31の車輪33が移動面F1に接地し、各昇降板28が台車31の底板32から離れるので、搬送ロボット2が台車31から分離される。その後、搬送ロボット2が前進又は後進することで、台車31を目標位置に残して、搬送ロボット2はその場から離脱することができる。ここにおいて、昇降板28及び昇降機構25等から、本体200が搬送する対象物30を保持する保持部29が構成される。
なお、昇降板28の上面には、例えば、滑り止め加工が施されることによって、本体200の上面に比べて大きな摩擦係数を有することが好ましい。これにより、各昇降板28に積載された台車31が各昇降板28に対して滑りにくくなる。
検知部22は、搬送ロボット2の周辺状況を検知する測域センサ221と、保持部29が保持している対象物30の重量を測定する重量センサ222と、を少なくとも含む。
測域センサ221は、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging)のようなセンサ22A(図1参照)を含む。センサ22Aは、本体200の長手方向の前側に設けられており、本体200の前方に存在する物体を検知する。LiDARは、光(レーザ光)を周囲に照射して、本体200の周辺に存在する物体での反射光に基づいて物体までの距離及び物体の方向を測定するセンサである。LiDARがスキャンする検知範囲(水平方向及び垂直方向のスキャン範囲)は、レーザ光源を中心とする扇型の範囲となる。なお、検知部22は、搬送ロボット2の周辺状況を検知するセンサとしてレーダ(RADAR:Radio Detection and Ranging)、ソナーセンサ、及びイメージセンサ(カメラ)等のセンサを含んでもよい。レーダは、マイクロ波等の電磁波(電波)を用いて、本体200の周辺に存在する物体での反射波に基づいて物体までの距離及び物体の方向を測定するセンサである。
重量センサ222は、例えば昇降板28に配置された圧力センサ等を含み、昇降板28に載せられた対象物30によって昇降板28に加わる歪みを検出することで、対象物30の重量を測定する。
また、検知部22は、搬送ロボット2の現在位置を検出する位置検出機能を有している。検知部22は、例えば、測域センサ221による周囲の物体の検出情報と、施設内の移動面F1の電子的なマップ情報とに基づいて、移動面F1における現在位置を推定する。なお、検知部22は、電波ビーコンを用いたLPS(Local Positioning System)を利用して、移動面F1における搬送ロボット2の現在位置を推定してもよい。すなわち、検知部22は、施設内に設置された複数の送信機からそれぞれ送信されるビーコン信号を、搬送ロボット2に設けられた受信機で受信したときの電波強度と、各送信機の設置位置とに基づいて現在位置を推定してもよい。また、検知部22は、例えば、GPS(Global Positioning System)等の全球衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して、搬送ロボット2が存在する現在位置の位置座標を求めることで、搬送ロボット2の現在位置を求めてもよい。
また、検知部22は、搬送ロボット2の本体200の挙動を検知するセンサを含んでもよい。本体200の「挙動」は、動作及び様子等を意味する。つまり、搬送ロボット2の本体200の挙動は、搬送ロボット2が対象物30を搬送中か否かを表す搬送ロボット2の動作状態、搬送ロボット2の走行距離及び速度、搬送ロボット2の本体200に作用する加速度、及び本体200の移動姿勢等を含む。具体的には、検知部22は、例えば、ロータリーエンコーダ、加速度センサ、ジャイロセンサ等のセンサを含み、これらのセンサにて搬送ロボット2の本体200の挙動を検知すればよい。
駆動部23は、2つの駆動輪W2に対して、直接的又は間接的に駆動力を与える。駆動部23は、本体200に内蔵されている。駆動部23は、例えば、電動機(モータ)を含み、ギアボックス及びベルト等を介して、電動機で発生する駆動力を間接的に各駆動輪W2に与える。また、駆動部23は、インホイールモータのように、各駆動輪W2に対して直接的に駆動力を与える構成であってもよい。駆動部23は、制御部20から入力される制御信号に基づいて、複数の駆動輪W2の各々を制御信号に応じた回転方向及び回転速度で駆動する。
昇降機構25は、制御部20からの制御指令を受けて、本体200の前側及び後側にそれぞれ2つずつ設けられた昇降板28を昇降させる機構である。昇降機構25は、各昇降板28を本体200に対して相対的に上下方向に移動させることにより、各昇降板28の上面(積載面)を上昇又は下降させる。昇降機構25は、各昇降板28の可動域の下限位置と上限位置との間で、各昇降板28をそれぞれ移動させる。搬送ロボット2が台車31を保持する場合、本体200が台車31の下側に潜り込んだ状態で昇降機構25が各昇降板28を上昇させ、台車31を持ち上げることによって、搬送ロボット2が台車31を保持する。
制御部20は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部20の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部20は、制御システム4から通信部21が受信した制御指令と、検知部22の検知結果とに基づいて、例えば駆動部23、昇降機構25等の動作を制御することによって本体200の動作を制御する。
また、制御部20は、位置調整部26の機能を有している。位置調整部26は、配列方向DR2において、2つの駆動輪W2(第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22)の間隔L1を調整する。2つの駆動輪W2の各々は、支持部220に取り付けられている。支持部220はシャフト210の先端に取り付けられている。ここで、シャフト210の先端には送りねじ211が設けられており、支持部220には送りねじ211が嵌まる雌ねじ部が設けられている。位置調整部26は、例えばシャフト210を回転させるモータを制御し、シャフト210を支持部220に対して相対的に回転させることで、送りねじ211により支持部220をシャフト210の軸方向にスライド移動させることができる。つまり、位置調整部26は、複数(例えば2つ)の駆動輪W2をそれぞれ支持する複数(例えば2つ)の支持部220のうち少なくとも1つを変位させる送りねじ211を用いて、複数の駆動輪W2の間隔L1を調整する。なお、本実施形態では、位置調整部26は2つの駆動輪W2をそれぞれ送りねじ211を用いて変位させているが、2つの駆動輪W2のうちの一方のみを送りねじ211を用いて変位させてもよい。位置調整部26は、2つの駆動輪W2をそれぞれ送りねじ211を用いて変位させているので、2つの駆動輪W2の位置を所望の位置に変位でき、2つの駆動輪W2の間隔L1を任意の値に調整できる。ここにおいて、駆動輪W2は、配列方向DR2に移動可能なオムニホイール等で構成されてもよい。位置調整部26が、駆動輪W2を配列方向DR2に沿って移動させつつ、送りねじ211を用いて駆動輪W2を変位させることで、駆動輪W2が移動面F1に接地している状態でも比較的小さな力で駆動輪W2を変位させることができる。
位置調整部26は、対象物30(台車31)の重量と、走行ルートのルート情報との少なくとも一方に基づいて、配列方向DR2において、2つの駆動輪W2の間隔L1を調整する。さらに言えば、位置調整部26は、複数の駆動輪W2の間隔L1が、ルート情報及び対象物30の重量の少なくとも一方に基づいて決定した調整値となるように、複数の駆動輪W2の位置を調整する。これにより、位置調整部26は、所望の旋回トルクが得られるように、2つの駆動輪W2の間隔L1を自動的に調整することができる。
また、位置調整部26は、配列方向DR2における本体200の中心位置P1に対して、第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22が対称な位置に配置されるように、第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22の間隔L1を調整している。これにより、位置調整部26が第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22を変位させた場合でも、本体200が旋回するときの旋回中心を本体200の中心位置P1に設置させることができる。なお、位置調整部26は、第1駆動輪W21の位置、及び、第2駆動輪W22の位置を別個に調整可能としてもよい。つまり、位置調整部26は、配列方向DR2における本体200の中心位置P1に対して、第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22が非対称な位置に配置されるように、第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22の間隔L1を調整してもよい。例えば搬送中の対象物30の重量が配列方向DR2における片側に偏っている場合など、第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22が非対称な位置に配置されるように、第1駆動輪W21及び第2駆動輪W22の間隔L1を調整することで、対象物30の重量が偏っている方へ回転中心の位置を近づけることができる。
また、位置調整部26は、本体200と、本体200の周囲の物体との間の距離に更に基づいて、配列方向DR2における複数(本実施形態では2つ)の駆動輪W2の間隔L1を調整可能である。本体200の周囲の物体は、例えば、走行ルートに沿って設けられた壁、移動面F1に配置された設備、他の搬送ロボット2、人等である。
位置調整部26は、例えば、対象物30の重量が基準重量未満であれば、2つの駆動輪W2を第1位置に移動させ、対象物30の重量が基準重量を超えると、2つの駆動輪W2を第2位置に移動させる。対象物30の重量が基準重量を超える場合は、基準重量未満である場合に比べて、旋回走行時により大きな旋回トルクが必要になるが、2つの駆動輪W2の間隔L1を拡げることで、旋回トルクを大きくすることができる。
また、位置調整部26は、例えば、走行ルートが旋回区間を含む場合は、2つの駆動輪W2を第2位置に移動させ、走行ルートが旋回区間を含まない場合は、2つの駆動輪W2を第1位置に移動させる。これにより、直線走行時に比べて大きな旋回トルクが必要な旋回区間を走行する場合には、2つの駆動輪W2の間隔L1を拡げることで、旋回トルクを大きくすることができる。なお、位置調整部26は、走行ルートが旋回区間を含む場合でも、旋回半径が基準半径よりも小さい場合のみ、2つの駆動輪W2を第1位置に移動させてもよい。
また、位置調整部26は、例えば、本体200と周囲の物体との間の距離が基準距離以上であれば、2つの駆動輪W2を第2位置に移動させ、本体200と周囲の物体との間の距離が基準距離より短ければ、2つの駆動輪W2を第1位置に移動させてもよい。例えば、位置調整部26は、ルート情報及び対象物30の重量の少なくとも一方に基づいて2つの駆動輪W2を第2位置に移動させた状態で、本体200と周囲の物体との間の距離が基準距離未満となる走行ルートを通過する場合のみ、2つの駆動輪W2を第1位置に移動させてもよい。これにより、本体200と周囲の物体との間の距離が基準距離よりも短いような走行ルートを搬送ロボット2が走行する場合に、搬送ロボット2が周囲の物体と接触する可能性を低減できる。
ここで、位置調整部26が駆動輪W2の位置を調整する場合には、位置調整部26が、支持部220の回転を規制した状態でモータを制御してシャフト210を支持部220に対して相対的に回転させることで、支持部220を配列方向DR2に沿ってスライド移動させる。これにより、位置調整部26は、支持部220に取り付けられた駆動輪W2を配列方向DR2に沿って移動させることができ、配列方向DR2において2つの駆動輪W2の間隔L1を調整することができる。
一方、搬送ロボット2の走行時には、位置調整部26が支持部220の回転の規制を解除する。この状態では、支持部220がシャフト210と一体的に回転するので、駆動部23がシャフト210を回転させることによって、支持部220がシャフト210と共に回転し、各駆動輪W2が回転する。
通信部21は、制御システム4と通信可能に構成されている。本実施形態では、通信部21は、搬送ロボット2を運用するエリア内に設置された1以上の中継装置6のいずれかと、電波を媒体とする無線通信によって通信を行う。そのため、通信部21と制御システム4とは、少なくともネットワークNT1及び中継装置6を介して、間接的に通信を行うことになる。
つまり、各中継装置6は、通信部21と制御システム4との間の通信を中継する機器(アクセスポイント)である。中継装置6は、ネットワークNT1を介して、制御システム4と通信する。本実施形態では一例として、中継装置6と通信部21との間の通信には、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した、無線通信を採用する。また、ネットワークNT1は、インターネットに限らず、例えば、搬送ロボット2を運用するエリア内又はこのエリアの運営会社内のローカルな通信ネットワークが適用されてもよい。
記憶部24には、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory)などの書き換え可能な不揮発性メモリを含む。記憶部24には、搬送ロボット2が移動する移動面F1の電子的なマップ情報等が予め記憶されている。移動面F1の電子的なマップ情報には、移動面F1に配置される物体の位置情報等が含まれている。
また、搬送ロボット2は、上記以外の構成、例えば、蓄電池の充電回路等を適宜備えている。
ところで、本実施形態の搬送ロボット2は、例えば回路基板等の製品を製造する製造装置が設置された工場等で使用されてもよく、搬送ロボット2が搬送する対象物30は、製造装置に部品を供給する部品供給装置を含んでもよい。なお、搬送ロボット2が搬送する対象物30は部品供給装置に限定されず、部品そのものでもよく、搬送ロボット2の使用場所又は使用目的等に応じて適宜変更が可能である。
(2.3)群制御システム
制御システム4は、例えば、コンピュータシステムにより実現されている。制御システム4は、搬送ロボット2による搬送作業を制御する。なお、制御システム4は施設の内部にあってもよいし、施設の外部にあってもよい。
制御システム4は、制御部40と、通信部41と、操作受付部42と、表示部43と、記憶部44と、を備える。
通信部41は、ネットワークNT1及び中継装置6を介して、搬送ロボット2と通信する。また、通信部41は、ネットワークNT1を介して、作成支援システム7と通信する。通信部41と中継装置6との間の通信方式としては、無線通信又は有線通信の適宜の通信方式が採用される。
操作受付部42は、制御システム4を利用するユーザの操作入力を受け付ける。本実施形態では、操作受付部42は、例えば、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、又はこれらの組み合わせにて実現される。また、操作受付部42は、ユーザが発する音声で操作を受け付ける音声認識部にて実現されてもよい。なお、操作受付部42は、ユーザが使用するタブレット端末等の端末に入力した情報を、通信部41を介して受け付けてもよい。
表示部43は、制御システム4を利用するユーザに対して情報を提示するために用いられる。表示部43は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置にて実現される。なお、制御システム4がタッチパネルディスプレイを有している場合、タッチパネルディスプレイが操作受付部42及び表示部43として機能してもよい。
記憶部44は、例えば、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリ等の非一時的記録媒体にて実現される。記憶部44は、例えば、作成支援システム7を用いて作成された走行ルートに関する情報等を記憶する。
制御部40は、例えば、メモリ及びプロセッサを含むコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、プロセッサが実行することにより、制御部40の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部40は、通信部41を介して搬送ロボット2に台車31の搬送指示を与える。制御部40は、例えば移動面F1内の搬送元位置に存在する台車31を目標位置に搬送する搬送指示を搬送ロボット2に送信することによって、搬送ロボット2に搬送作業を実行させる。搬送指示は、例えば、台車31が存在する搬送元位置の情報、搬送先の目標位置の情報、記憶部44に記憶されたマップMP1の情報を元に作成した搬送元位置から目標位置までの走行ルートの情報、等を含む。
(2.4)作成支援システム
作成支援システム7は、例えば、コンピュータシステムにより実現されている。作成支援システム7は、搬送ロボット2が走行可能な走行ルートを、搬送ロボット2が走行する移動面F1に対応する電子的なマップ上に作成する作業を支援する。なお、作成支援システム7は施設の内部にあってもよいし、施設の外部にあってもよい。
作成支援システム7は、制御部70と、通信部71と、操作受付部72と、表示部73と、記憶部74と、を備える。
通信部71は、ネットワークNT1を介して、制御システム4と通信する。通信部71と中継装置6との間の通信方式としては、無線通信又は有線通信の適宜の通信方式が採用される。
操作受付部72は、作成支援システム7を利用するユーザの操作入力を受け付ける。本実施形態では、操作受付部72は、例えば、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、又はこれらの組み合わせにて実現される。また、操作受付部72は、ユーザが発する音声で操作を受け付ける音声認識部にて実現されてもよい。なお、操作受付部72は、ユーザが使用するタブレット端末等の端末に入力した情報を、通信部71を介して受け付けてもよい。
表示部73は、作成支援システム7を利用するユーザに対して情報を提示するために用いられる。表示部73は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置にて実現される。なお、作成支援システム7がタッチパネルディスプレイを有している場合、タッチパネルディスプレイが操作受付部72及び表示部73として機能してもよい。
記憶部74は、例えば、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリ等の非一時的記録媒体にて実現される。記憶部74は、例えば、移動面F1に対応する電子的なマップ情報、及び、作成支援システム7を用いて作成された走行ルートに関する情報等を記憶する。
制御部70は、例えば、メモリ及びプロセッサを含むコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、プロセッサが実行することにより、制御部70の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部70は、マップ作成部75及び設定部76の機能を少なくとも有する。
マップ作成部75は、例えば、走行ルートを指定する操作入力に応じて操作受付部72から出力される操作情報に基づいて、マップMP1上に走行ルートを作成する。
図8は、表示部73の画面730に表示されるマップMP1の一例を示している。マップMP1は、搬送ロボット2が移動(走行)する移動面F1に対応する。マップMP1は、例えば、それぞれX軸に平行な複数のグリッド線LX1と、それぞれY軸に平行な複数のグリッド線LY1とで、移動面F1を格子状に並ぶ複数のマス目に区分けしたグリッドマップで構成されている。グリッドマップのマス目は、例えば、各辺の長さが本体200の長手方向の寸法よりも長い正方形状を有するように形成されているが、マス目の大きさは適宜変更が可能である。ここで、グリッド線LX1とグリッド線LY1との交点をノードと言い、ノードの位置は、マップMP1の左上の頂点を基準点PO(0,0)としたグリッド座標PG(X,Y)により表される。なお、マップMP1には、移動面F1に設置された壁、移動面F1に配置された棚等の静止物の位置の情報が含まれていてもよい。
例えば、ユーザが作成支援システム7を用いて搬送ロボット2が走行可能な走行ルートの作成作業を行う場合、制御部70は、表示部73の画面730に、移動面F1に対応するマップMP1を表示させる。ユーザが、マウス等を用いて走行ルートRT1上の複数のノードND1~ND7を指定する操作を行うと、操作受付部72が、ユーザの操作入力に応じて複数のノードND1~ND7のグリッド座標を制御部70に出力する。このとき、マップ作成部75は、操作受付部72から入力された複数のノードND1~ND7のグリッド座標に基づいて、複数のノードND1~ND7と、隣接する2つのノードを結んでできるエッジE1~E6とで構成される走行ルートRT1を作成する。マップ作成部75は、作成した走行ルートRT1の情報を記憶部74に記憶させる。
ここで、走行ルートRT1を構成する複数のノードND1~ND7、及び、隣接する2つのノードを結ぶ複数のエッジE1~E6には、2つの駆動輪W2の間隔L1を決定するために利用されるルート情報が設定されていてもよい。
表示部73の画面730にマップMP1が表示されている状態で、ユーザが、マウス等を用いて、走行ルートRT1上の複数のノードND1~ND7、及び、隣接する2つのノードを結ぶ1以上(本実施形態では複数)のエッジE1~E6のうちの少なくとも1つを設定対象の要素として選択する操作を行うと、操作受付部72が、ユーザの操作入力に応じた操作情報を設定部76に出力する。また、ユーザが、マウス又はキーボード等を用いて、設定対象の要素に対応付けてルート情報を設定する操作を行うと、操作受付部72は、ユーザの操作入力に応じた操作情報を設定部76に出力する。このとき、設定部76は、操作受付部72から出力される操作情報に基づいて、設定対象の要素に対応付けてルート情報を設定し、記憶部74に記憶させる。
設定部76は、例えば、操作受付部72から入力される操作情報に基づき、設定対象の要素(ノードND1~ND7又はエッジE1~E6)のグリッド座標に対応付けて、ルート情報を記憶部74に記憶させる。ここで、設定対象の要素(ノードND1~ND7又はエッジE1~E6)に対応付けて設定されるルート情報は、例えば、旋回区間の有無、及び、旋回区間における旋回半径、等に関する情報を含む。例えば、搬送ロボット2が旋回走行するエッジE2及びE5には、旋回区間が有るとのルート情報、各旋回区間の旋回半径を示すルート情報が設定される。また、搬送ロボット2が信地旋回するノードND4には、旋回区間が有るとのルート情報が設定される。また、エッジE3には、走行ルートRT1の近傍にある物体OB1までの距離がルート情報として設定される。
(2.5)動作説明
上記実施形態の搬送ロボット2の動作を図9に基づいて説明する。なお、図9に示すフローチャートは、搬送ロボット2の動作を制御する制御方法の一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
ユーザが携帯端末又は制御システム4を用いて対象物30の搬送を指示する操作を行うと、制御システム4から搬送ロボット2に搬送指示が送信され、搬送ロボット2の通信部21が、制御システム4からの搬送指示を受信する(ステップST1)。
制御システム4からの搬送指示には、搬送対象の台車31が存在する搬送元位置、搬送先の目標位置、搬送元位置から目標位置までの走行ルート、及び当該走行ルートのルート情報等が含まれている。制御部20は、制御システム4からの搬送指示に基づいて、搬送元位置、目標位置及び走行ルートの情報を取得するとともに、走行ルートのルート情報を取得する(ステップST2)。
制御部20は、駆動部23を制御して、搬送ロボット2を搬送元位置に移動させ、搬送元位置に存在する台車31の下側に入り込み、保持部29で台車31を持ち上げることによって台車31を保持する。このとき、制御部20は、重量センサ222から台車31の重量の測定結果を取得する(ステップST3)。
ここで、位置調整部26は、台車31の重量及び走行ルートのルート情報に基づいて、2つの駆動輪W2の間隔L1を最大値に設定する設定条件が成立しているか否かを判断する(ステップST4)。設定条件は、例えば、台車31の重量が基準重量以上であるという第1条件と、走行ルートが旋回区間を含むという第2条件とを含む。
位置調整部26は、第1条件及び第2条件が両方共に不成立の場合(ステップST4:No)、2つの駆動輪W2を第1位置に移動させ、2つの駆動輪W2の間隔L1を最小の間隔とする(ステップST6)。
位置調整部26は、第1条件及び第2条件の少なくとも一方が成立すると(ステップST4:Yes)、2つの駆動輪W2を第2位置に移動させ、2つの駆動輪W2の間隔L1を最大の間隔とする(ステップST5)。
制御部20は、位置調整部26により2つの駆動輪W2の間隔L1を調整する処理を終了すると、台車31を搬送先の目標位置に移動させる搬送処理を開始する(ステップST7)。
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、搬送ロボット2と同様の機能は、搬送ロボット2の制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。
本開示における搬送ロボット2,制御システム4、及び作成支援システム7は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における搬送ロボット2,制御システム4、及び作成支援システム7としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(3.1)変形例1
変形例1の搬送ロボット2を図10に基づいて説明する。変形例1の搬送ロボット2は、2つの駆動輪W2の各々を変位させる機構が上記の実施形態と相違する。なお、2つの駆動輪W2の各々を変位させる機構を除いては上記実施形態と共通であるので、共通の構成要素には共通の符号を付して、その説明は省略する。
変形例1の搬送ロボット2では、2つの駆動輪W2の各々は、支持部230に取り付けられている。支持部230はテレスコピック機構240を介してシャフト210の先端に取り付けられている。テレスコピック機構240は、入れ子状に重ねられた大きさの異なる3つの筒241,242,243を有する。テレスコピック機構240は、径の小さい筒241,242をそれぞれ筒243から引き出したり、筒241,242を筒243に収納したりすることで、シャフト210の軸方向において伸縮する。これにより、2つの駆動輪W2を、2つの駆動輪W2の間隔L1が最小となる第1位置と、2つの駆動輪W2の間隔L1が最大となる第2位置と、の間で移動させることができる。
なお、変形例1では、ユーザが2つの駆動輪W2を手動で第1位置又は第2位置に移動させているが、位置調整部26が適宜のアクチュエータを駆動してテレスコピック機構240を伸縮させることによって2つの駆動輪W2の位置を第1位置と第2位置との間で移動させてもよい。つまり、位置調整部26は、複数の駆動輪W2をそれぞれ支持する複数の支持部230のうち少なくとも1つを変位させるテレスコピック機構240を用いて、複数の駆動輪W2の間隔L1を調整する。
また、テレスコピック機構240は、筒241,242が筒243に収納された状態(図10の上段の図の状態)で、3つの筒241,242,243の移動を規制するラッチ機構を備えてもよく、2つの駆動輪W2が第1位置に移動した状態を保持できる。同様に、テレスコピック機構240は、筒241,242が筒243から引き出された状態(図10の下段の図の状態)で、3つの筒241,242,243の移動を規制するラッチ機構を備えてもよく、2つの駆動輪W2が第2位置に移動した状態を保持できる。
ここで、変形例1では、位置調整部26が、2つの支持部230をそれぞれテレスコピック機構240を用いて変位させることで、2つの駆動輪W2が中心位置P1に対して対称な位置に配置されるように、2つの駆動輪W2の間隔L1を調整している。なお、位置調整部26は、2つの支持部230のうちの一方をテレスコピック機構240により変位させることで、2つの駆動輪W2が中心位置P1に対して非対称な位置に配置されるように、2つの駆動輪W2の間隔L1を調整してもよい。
(3.2)変形例2
変形例2の搬送ロボット2を図11及び図12に基づいて説明する。変形例2の搬送ロボット2は、2つの駆動輪W2の間隔L1を変化させる構成が上記の実施形態と相違する。なお、2つの駆動輪W2の間隔L1を変化させる構成を除いては上記実施形態と共通であるので、共通の構成要素には共通の符号を付して、その説明は省略する。
変形例2の搬送ロボット2では、2つの駆動輪W2の各々は、円筒状の支持部250に取り付けられている。支持部250には、シャフト210の先端に設けられた大径部分211が挿入される丸穴251が設けられている。支持部250には、例えば、丸穴251に挿入されたシャフト210の大径部分211をラッチするスナップフィット構造が設けられており、シャフト210に支持部250を結合した状態で保持される。なお、スナップフィット構造によるラッチを解除することでシャフト210の大径部分211を支持部250から取り外すことができる。
変形例2の搬送ロボット2では、シャフト210と支持部250との間にスペーサ260を装着することによって、2つの駆動輪W2の間隔L1を変化させることができる。スペーサ260は、シャフト210の大径部分211が挿入される丸穴261と、支持部250の丸穴251に挿入される円筒部262とを有しており、丸穴261の中心と円筒部262の中心とは同一直線状にある。スペーサ260には、例えば、丸穴261に挿入されたシャフト210の大径部分211をラッチするスナップフィット構造が設けられており、シャフト210にスペーサ260を結合した状態で保持される。なお、スナップフィット構造によるラッチを解除することでシャフト210の大径部分211をスペーサ260から取り外すことができる。また、スペーサ260の円筒部262を支持部250の丸穴251に挿入すると、支持部250に設けられたスナップフィット構造により、スペーサ260に支持部250を結合した状態で保持される。なお、スナップフィット構造によるラッチを解除することでスペーサ260の円筒部262を支持部250から取り外すことができる。
ここにおいて、スペーサ260と支持部250とを結合する構成、及び、スペーサ260とシャフト210及び支持部250とをそれぞれ結合する構成はスナップフィット構造に限定されず、磁石による吸着でもよいし、ねじ等の締結部材を用いた結合でもよく、適宜変更可能である。
変形例2の搬送ロボット2では、位置調整部26が、対象物30の重量又はルート情報等に基づいて2つの駆動輪W2の位置を第2位置に切り替えるように決定すると、通信部21から制御システム4に2つの駆動輪W2の位置を第2位置に切り替える旨の通知情報を送信する。制御システム4は、搬送ロボット2からの通知情報を受信すると、搬送システム1のユーザが携帯する携帯端末(例えばスマートフォン等)に通知情報を送信し、携帯端末により2つの駆動輪W2の位置を第2位置に切り替える旨の通知処理を行わせる。携帯端末の通知を受けたユーザは、シャフト210と支持部250との間にスペーサ260を取り付けることによって、2つの駆動輪W2の間隔を第2位置に変更することができ、これによって搬送ロボット2の旋回トルクを高めることができる。
なお、位置調整部26が、対象物30の重量又はルート情報等に基づいて2つの駆動輪W2の位置を第2位置に切り替えるように決定した場合、制御部20が、搬送ロボット2に設けられたスピーカ又は表示ランプを制御して、2つの駆動輪W2の位置を第2位置に切り替えるようにユーザに通知する通知処理を行ってもよい。
(3.3)変形例3
上記実施形態では、搬送ロボット2が台車31を保持して走行を開始する前のタイミングで2つの駆動輪W2の間隔L1を調整しているが、走行ルートに沿って搬送中に2つの駆動輪W2の間隔L1を調整してもよい。
つまり、変形例3では、制御システム4は、作成支援システム7により設定対象の要素(ノードND1~ND7又はエッジE1~E6)に対応付けて設定されたルート情報を搬送ロボット2に出力する。そして、位置調整部26が、制御システム4から入力されるルート情報に基づいて、複数の駆動輪W2の間隔L1を調整する。
例えば、制御システム4は、搬送ロボット2が走行ルートRT1のエッジE1を走行中に、次のエッジE2が旋回区間であるというルート情報を搬送ロボット2に送信する。搬送ロボット2がエッジE2の始点であるノードND2に到着すると、制御部20は位置調整部26を制御して2つの駆動輪W2を第2位置に移動させ、2つの駆動輪W2の間隔L1を最大とする。これにより、搬送ロボット2は、旋回区間であるエッジE2の手前で、2つの駆動輪W2の間隔L1を最大にでき、旋回トルクを大きくできる。
なお、制御システム4は、搬送ロボット2がエッジE2を走行中に、次のエッジE3が直進区間であるというルート情報を搬送ロボット2に送信してもよい。搬送ロボット2がエッジE3の始点であるノードND3に到着すると、制御部20は位置調整部26を制御して2つの駆動輪W2を第1位置に移動させ、2つの駆動輪W2の間隔L1を最小の間隔とする。これにより、搬送ロボット2の位置調整部26は、走行ルートRT1内のエッジE1~E6のそれぞれで、設定条件に基づいて、駆動輪W2の間隔を調整することができる。
(3.4)その他の変形例
上記実施形態において、搬送ロボット2における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは搬送ロボット2に必須の構成ではなく、搬送ロボット2の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、搬送ロボット2の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されている制御システム4及び作成支援システム7の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、制御システム4及び作成支援システム7が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
上記の実施形態において、測定データなどの2値の比較において、「より大きい」としているところは「以上」であってもよい。つまり、2値の比較において、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「より大きい」か「以上」かに技術上の差異はない。同様に、「以下」としているところは「未満」であってもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の搬送ロボット(2)は、本体(200)と、駆動部(23)と、位置調整部(26)と、を備える。本体(200)には、搬送対象の対象物(30)を保持するための保持部(29)が設けられている。駆動部(23)は、本体(200)の移動方向(DR1)と交差する配列方向(DR2)に並ぶ複数の駆動輪(W2)を回転させる。位置調整部(26)は、本体(200)が移動する走行ルートのルート情報及び対象物(30)の重量の少なくとも一方に基づいて、配列方向(DR2)における複数の駆動輪(W2)の間隔(L1)を調整可能である。
この態様によれば、位置調整部(26)が、複数の駆動輪(W2)の間隔(L1)を狭めるように調整すると、配列方向(DR2)における搬送ロボット(2)の最大幅を小さくでき、走行ルートの周囲の物体までの距離が短い場所でも搬送ロボット(2)が安全に走行できる。また、位置調整部(26)が、複数の駆動輪(W2)の間隔(L1)を拡げるように調整すると、旋回トルクを高めることができ、より重い対象物(30)を搬送することができる。これにより、本体(200)の大型化を抑えながら、旋回トルクを高めることができる、という利点がある。
第2の態様の搬送ロボット(2)では、第1の態様において、位置調整部(26)は、本体(200)と周囲の物体(OB1)との間の距離に更に基づいて、配列方向(DR2)における複数の駆動輪(W2)の間隔(L1)を調整可能である。
この態様によれば、本体(200)と周囲の物体(OB1)との間の距離を更に考慮して複数の駆動輪(W2)の間隔(L1)を調整できる。
第3の態様の搬送ロボット(2)では、第1又は2の態様において、位置調整部(26)は、複数の駆動輪(W2)の間隔(L1)が、ルート情報及び対象物(30)の重量の少なくとも一方に基づいて決定した調整値となるように、複数の駆動輪(W2)の位置を調整する。
この態様によれば、位置調整部(26)が複数の駆動輪(W2)の位置を調整することによって、本体(200)の大型化を抑えながら、旋回トルクを高めることができる、という利点がある。
第4の態様の搬送ロボット(2)では、第1~3のいずれかの態様において、複数の駆動輪(W2)は、配列方向(DR2)に並ぶ第1駆動輪(W21)及び第2駆動輪(W22)を含む。位置調整部(26)は、第1駆動輪(W21)の位置、及び、第2駆動輪(W22)の位置を別個に調整可能である。
この態様によれば、本体(200)の大型化を抑えながら、旋回トルクを高めることができる、という利点がある。
第5の態様の搬送ロボット(2)では、第1~3のいずれかの態様において、複数の駆動輪(W2)は、配列方向(DR2)に並ぶ第1駆動輪(W21)及び第2駆動輪(W22)を含む。位置調整部(26)は、配列方向(DR2)における本体(200)の中心位置(P1)に対して第1駆動輪(W21)及び第2駆動輪(W22)が対称な位置に配置されるように、第1駆動輪(W21)及び第2駆動輪(W22)の間隔(L1)を調整する。
この態様によれば、本体(200)の大型化を抑えながら、旋回トルクを高めることができる、という利点がある。
第6の態様の搬送ロボット(2)では、第1~5のいずれかの態様において、位置調整部(26)は、複数の駆動輪(W2)をそれぞれ支持する複数の支持部(220)のうち少なくとも1つを変位させる送りねじ(211)を用いて、複数の駆動輪(W2)の間隔(L1)を調整する。
この態様によれば、本体(200)の大型化を抑えながら、旋回トルクを高めることができる、という利点がある。
第7の態様の搬送ロボット(2)では、第1~6のいずれかの態様において、位置調整部(26)は、複数の駆動輪(W2)をそれぞれ支持する複数の支持部(230)のうち少なくとも1つを変位させるテレスコピック機構(240)を用いて、複数の駆動輪(W2)の間隔(L1)を調整する。
この態様によれば、本体(200)の大型化を抑えながら、旋回トルクを高めることができる、という利点がある。
第8の態様の作成支援システム(7)は、第1~7のいずれかの態様の搬送ロボット(2)が走行可能な走行ルート(RT1)を、搬送ロボット(2)が走行する移動面(F1)に対応する電子的なマップ(MP1)上に作成する作業を支援する。作成支援システム(7)は、操作受付部(72)と、マップ作成部(75)と、設定部(76)と、を備える。操作受付部(72)は、ユーザの操作入力を受け付ける。マップ作成部(75)は、走行ルート(RT1)を指定する操作入力に応じて操作受付部(72)から出力される操作情報に基づいて、マップ(MP1)上に、走行ルート(RT1)を作成する。設定部(76)は、設定対象の要素に対応付けてルート情報を設定する操作入力に応じて操作受付部(72)から出力される操作情報に基づき、設定対象の要素に対応付けてルート情報を設定する。設定対象の要素は、走行ルート(RT1)上の複数のノード(ND1~ND7)、及び、隣接する2つのノード(ND1~ND7)を結ぶ1以上のエッジ(E1~E6)から選択される。
この態様によれば、搬送ロボット(2)の位置調整部(26)は、作成支援システム(7)によって設定されたルート情報を用いて、配列方向(DR2)における複数の駆動輪(W2)の間隔(L1)を調整することができる。
第9の態様の搬送システム(1)は、第1~7のいずれかの態様の搬送ロボット(2)と、搬送ロボット(2)の搬送作業を制御する制御システム(4)と、を含む。
この態様によれば、本体(200)の大型化を抑えながら、旋回トルクを高めることができる、という利点がある。
第10の態様の搬送システム(1)では、第9の態様において、制御システム(4)は、設定対象の要素に対応付けて設定されたルート情報を搬送ロボット(2)に出力する。位置調整部(26)は、制御システム(4)から入力されるルート情報に基づいて、複数の駆動輪(W2)の間隔(L1)を調整する。
この態様によれば、位置調整部(26)は、ルート情報が設定された要素を通るタイミングで、複数の駆動輪(W2)の間隔(L1)を調整することができる。
上記態様に限らず、実施形態に係る搬送ロボット(2)の種々の構成(変形例を含む)は、搬送ロボット(2)の制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。また、上記態様に限らず、実施形態に係る制御システム(4)の種々の構成(変形例を含む)は、制御システム(4)の制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。
第2~第7の態様に係る構成については、搬送ロボット(2)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。第10の態様に係る構成については、搬送システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。