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JP7778465B2 - 光硬化性吐出用インク - Google Patents
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JP7778465B2 - 光硬化性吐出用インク - Google Patents

光硬化性吐出用インク

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JP7778465B2 JP2019138162A JP2019138162A JP7778465B2 JP 7778465 B2 JP7778465 B2 JP 7778465B2 JP 2019138162 A JP2019138162 A JP 2019138162A JP 2019138162 A JP2019138162 A JP 2019138162A JP 7778465 B2 JP7778465 B2 JP 7778465B2
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Description

本発明は、光硬化性吐出用インクに関する。
インクジェットプリンタやディスペンサなどインクを吐出して適切な位置まで飛翔させ着弾させる装置に用いるインクは、吐出時の粘度と着弾時の粘度が大きく異ならない必要がある。
例えば、特許文献1は、インクの吐出安定性を改善するために、インクジェット法により吐出される紫外線硬化型組成物であって、重合性化合物と、金属粉末と、チクソ性抑制剤とを含み、剪断速度1000s-1における粘度η1[mPa・s]と、1000s-1の剪断速度で剪断応力を10分間加え続けた後に、剪断速度を10s-1とした状態で測定して求められる粘度η2[mPa・s]との間で、η2-η1≦3の関係を満足することを特徴とする紫外線硬化型組成物を開示する。
特開2017-88820号公報
インクジェット印刷や付加製造(例えば、ディスペンサでインクを積層して三次元造形物を製造する方法など)では、印刷及び造形の品質を改善したり(例えば、インクの滲みを抑制したり)、造形の速度を改善したり(例えば、一度に積層するインクの厚さを稼ぎ積層速度を早めたり)するなどのために、印刷位置に着弾したインクは粘度が高く濡れ広がらないことが好ましい。
しかし、従来、特許文献1などに示されるように、吐出時のインクの粘度と着弾時のインクの粘度とを大きく異ならせることはできないので、着弾時の粘度を高くするためには吐出時の粘度も高くする必要があるが、吐出時の粘度が高いインクは吐出装置内や吐出口でのインク詰まりを生じやすい。特に、三次元造形物の製造には着弾時の粘度が10000mPa・s以上であるインクが好ましいが、これほどの粘度を有するインクを正常に吐出することは殆ど不可能である。
即ち、インクの吐出性と印刷性又は造形性(例えば、印刷品質、造形品質、又は、造形速度)とはトレードオフの関係にあった。
以上を鑑み、本願発明は、吐出性を維持しつつ好適に印刷又は造形を行える光硬化性吐出用インクを提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係る光硬化性吐出用インクは、
ラジカル重合性化合物と、光開始剤と、チキソ剤とを含有し、
剪断速度10000s-1で測定した第1の粘度が1000mPa・s以下であり、
剪断速度10000s-1で剪断力を30秒間加え続けた後に、剪断速度を10-1-1とした状態で測定した第2の粘度が10000mPa・s以上である、
ことを特徴とする。
以上の構成により、インクの粘度を、吐出時は低く、着弾時は高くできるので、インクの吐出性と印刷性又は造形性とを両立できる。
前記ラジカル重合性化合物は、アクリレートモノマーである、こととしてもよい。
以上の構成により、インクの粘度を、吐出時は低く、着弾時は高くできるので、インクの吐出性と印刷性又は造形性とを両立できる。
前記チキソ剤は、二酸化ケイ素の微粒子である、こととしてもよい。
以上の構成により、インクの粘度を、吐出時は低く、着弾時は高くできるので、インクの吐出性と印刷性又は造形性とを両立できる。
前記ラジカル重合性化合物の溶解度パラメーターは、10未満であり、且つ、
前記チキソ剤は、親水性の表面を有する微粒子である、
こととしてもよい。
以上の構成により、インクの粘度を、吐出時は低く、着弾時は高くできるので、インクの吐出性と印刷性又は造形性とを両立できる。
前記親水性の表面を有する微粒子は、表面が未処理の二酸化ケイ素の微粒子である、
こととしてもよい。
以上の構成により、インクの粘度を、吐出時は低く、着弾時は高くできるので、インクの吐出性と印刷性又は造形性とを両立できる。また、表面が未処理の二酸化ケイ素の微粒子は、安価なので、経済性に優れる。
前記ラジカル重合性化合物の溶解度パラメーターは、10以上であり、且つ、
前記チキソ剤は、疎水性の表面を有する微粒子である、
こととしてもよい。
以上の構成により、インクの粘度を、吐出時は低く、着弾時は高くできるので、インクの吐出性と印刷性又は造形性とを両立できる。
本願発明によれば、インクの吐出性を維持しつつ好適に印刷又は造形を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る光硬化性吐出用インクは、ラジカル重合性化合物と、光開始剤と、チキソ剤とを含有する。そして、本インクのチキソ性は、後述するように、ノズルなどの吐出口からの本インクの吐出が容易で、着弾後の本インクの濡れ広がりが抑制されるように、チキソ剤により制御されている。
(吐出装置)
本インクは、本インクを吐出できる任意の吐出装置、特に、本インクを印刷対象物(例えば、紙などの印刷媒体、布などの原料ロール、ガラス板や木板などの建材など)に印刷するため、又は、本インクを積層して三次元造形物を形成するために、本インクを吐出する吐出装置により使用される。
吐出装置は、本インクを吐出口から吐出飛翔させて特定の位置に着弾させることができるのであれば任意であり、例えば、インクジェット方式(例えば、コンティニュアス型、オンデマンド型(ピエゾ方式、又は、サーマル方式)など)の吐出機構(例えば、プリントヘッドなど)を備えたインクジェットプリンタでもよいし、その他の液体定量吐出方式(例えば、リードスクリュー方式、空圧方式など)の吐出機構(例えば、シリンジなど)を備えたディスペンサでもよい。
吐出装置は、本インクが、それを貯蔵する貯蔵部(例えば、タンク、カートリッジなど)から吐出口に至るまでに(特に、吐出口で)詰まりを生じないように、本インクに振動、撹拌、又は圧縮などにより剪断力を付与する機構を備えることが好ましい。こうした剪断力を付与する機構としては、例えば、特開2005-212412号明細書、特開2008-149594号明細書、特開平8-216425号明細書などに記載のものが採用できる。
(ラジカル重合性化合物)
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性を有する化合物であれば特に限定されないが、重合性、硬化物の耐久性、開始剤・増感剤の溶解性などの点でアクリレートが好ましい。特に、ラジカル重合性化合物としては、アクリレートモノマーが好ましい。
アクリレートとしては、フェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレートなどの単官能アクリレート、
ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールA EO変性ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレートなどの二官能アクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールEO変性テトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多官能アクリレート、が挙げられる。
これらのラジカル重合性化合物は、一種単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、得られる造形物の耐久性、剛性などの機械的特性の点で、二官能アクリレートが好ましく、PO変性ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート及びビスフェノールA EO変性ジアクリレートの組合せがより好ましい。
単官能アクリレートとしては、美源スペシャリティケミカル株式会社製の、フェノールEO変性(n=2)アクリレート(商品名:Miramer M142)、フェノールEO変性(n=4)アクリレート(商品名:Miramer M144)、ノニルフェノールEO変性(n=8)アクリレート(商品名:Miramer M166)、エトキシジエチレングリコールアクリレート(商品名:Miramer M170)などを用いることができる。
二官能アクリレートとしては、美源スペシャリティケミカル株式会社製の、ヘキサンジオールジアクリレート(商品名:Miramer M200)、ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート(商品名:Miramer M202)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート(商品名:Miramer M210)、ネオペンチルグリコールPO変性(n=2)ジアクリレート(商品名:Miramer M216)、トリプロピレングリコールジアクリレート(商品名:Miramer M220)、ジプロピレングリコールジアクリレート(商品名:Miramer M222)、ビスフェノールA EO変性(n=4)ジアクリレート(商品名:Mirmaer M240)、ビスフェノールA EO変性(n=10)ジアクリレート(商品名:Miramer M2100)、ポリエチレングリコール(分子量400)ジアクリレート(略式名:PEG400DA、商品名:Miramer M280)、ポリエチレングリコール(分子量300)ジアクリレート(略式名:PEG300DA、商品名:Miramer M284)、ポリプロピレングリコールジアクリレート(商品名:Miramer M2040)などを用いることができる。
多官能アクリレートとしては、美源スペシャリティケミカル株式会社製の、トリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:Miramer M300)、トリメチロールプロパンEO変性(n=3)トリアクリレート(商品名:Miramer M3130)、トリメチロールプロパンEO変性(n=6)トリアクリレート(商品名:Miramer M3160)、トリメチロールプロパンEO変性(n=9)トリアクリレート(商品名:Miramer M3190)、トリメチロールプロパンPO変性(n=3)トリアクリレート(商品名:Miramer M360)、グリセリンプロポキシトリアクリレート(商品名:Miramer M320)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:Miramer M340)、ペンタエリスリトールEO変性テトラアクリレート(商品名:Miramer M4004)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(商品名:Miramer M410)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:Miramer M600)などを用いることができる。
本インク中のラジカル重合性化合物の含有量は特に限定されないが、70~99質量%であると好ましく、75~90質量%であるとより好ましく、80~85質量%であると特に好ましい。
(光開始剤・増感剤)
光開始剤は、特定の波長の光(例えば、紫外線)が照射されることによって、ラジカルを生じ、ラジカル重合性化合物を硬化するものであれば特に限定されない。
例えば、開始剤として、アミノアルキルフェノン系開始剤、ホスフィンオキサイド系開始剤などが挙げられる。開始剤は、一種単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
アミノアルキルフェノン系開始剤の中でも、α-アミノアルキルフェノン系開始剤が好ましく、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルフォリノブチロフェノンがより好ましい。
アミノアルキルフェノン系開始剤は、例えば、IGMレジンズ社製の、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン(商品名:Omnirad907(BASF社旧商品名:Irgacure907))、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルフォリノブチロフェノン(商品名:Omnirad369(BASF社旧商品名:Irgacure369))、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン(商品名:Omnirad379EG(BASF社旧商品名:Irgacure379EG))、などを用いることができる。
ホスフィンオキサイド系開始剤は、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤であると好ましく、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキシド及びビズ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシドがより好ましい。
ホスフィンオキサイド系開始剤は、例えば、IGMレジンズ社製の、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキシド(商品名:Omnirad TPO H(BASF社旧商品名:Irgacure TPO))、ビズ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド(商品名:Omnirad819(BASF社旧商品名:Irgacure819))、を用いることができる。
また、開始剤に加えて、増感剤を、本インクに配合してもよい。増感剤は、開始剤に光感性を有さない波長領域に感光性を与えたり、開始剤の光感度を増大させる。
例えば、増感剤として、チオキサントン系増感剤、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オンなどが挙げられる。増感剤は、一種単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
チオキサントン系増感剤としては、チオキサントン、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、2-イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
チオキサントン系増感剤は、例えば、東京化成工業株式会社製のチオキサントン、和光純薬株式会社製の2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、東京化成工業株式会社製の2-イソプロピルチオキサントンを用いることができる。
インクに配合する開始剤・増感剤として、アミノアルキルフェノン系開始剤とチオキサントン系増感剤のみを用いたり、ホスフィンオキサイド系開始剤とチオキサントン系増感剤のみを用いたりすると、それぞれの開始剤の溶解量に限界があり開始剤の量が不十分となり、インクの内部硬化が不十分となるかもしれない。しかし、アミノアルキルフェノン系開始剤とホスフィンオキサイド系開始剤とチオキサントン系増感剤を組み合わせてインクに用いると、インクに溶解している開始剤の総和量を増やすことができ、インクを透過しやすい波長の光(例えば波長405nmの光)で、硬化に十分な量のラジカルを発生する開始剤を、硬化に十分な量、含有させることでインクの内部硬化性を向上させることができる。
本インク中の開始剤及び増感剤の総含有量は特に限定されないが、1質量%~25質量%が好ましく、5質量%~20質量%が好ましく、10質量%~15質量%が特に好ましい。硬化剤の含有率がこの範囲にあると、ラジカル重合性化合物の反応性の点で好ましい。
(チキソ剤)
チキソ剤は、本インクに所望のチキソ性を付与する化合物であれば特に限定されないが、ラジカル重合性化合物(特に、アクリレートモノマー)との相性の点で二酸化ケイ素の微粒子が好ましい。
こうした二酸化ケイ素の微粒子としては、親水性ヒュームドシリカ、疎水性ヒュームドシリカなどのヒュームドシリカ、メソポーラスシリカなどのシリカ、アルミナなどが挙げられる。
また、チキソ剤が微粒子からなる場合、その表面の親和性は、ラジカル重合性化合物のヒルデブラントの溶解パラメータ(SP値)に基づいて、適切に選択されることが望ましい。ラジカル重合性化合物又はその混合物のSP値は、従来法に従って計算できる。
ラジカル重合性化合物のSP値が約10未満である場合(例えば、9.5以下、9以下である場合)、チキソ剤は親水性の表面を有する微粒子であることが好ましい。例えば、こうした微粒子としては、親水性ヒュームドシリカが挙げられる。親水性ヒュームドシリカとしては、アエロジル株式会社製のアエロジルA255、アエロジルA300、アエロジルA380などを用いることができる。また、親水性の表面を有する微粒子として、表面が未処理の二酸化ケイ素の微粒子を用いることもできる。
ラジカル重合性化合物のSP値が約10以上である場合(例えば、10.5以上、11以上である場合)、チキソ剤は疎水性の表面を有する微粒子であることが好ましい。例えば、こうした微粒子としては、疎水性ヒュームドシリカが挙げられる。疎水性ヒュームドシリカとしては、アエロジル株式会社製のアエロジルR972、アエロジルR974、アエロジルR104などを用いることができる。
チキソ剤が微粒子である場合、その粒径は、チキソ性を本インクに付与し且つ吐出可能であれば任意だが、レーザー回折法に従い測定し、D50が0.1~0.5μmであることが好ましい。例えば、このD50は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置LA960(HORIBA製)により測定できる。
本インク中のチキソ剤の含有量は特に限定されないが、親水性の表面を有する微粒子からなるチキソ剤の含有量は、2~12質量%、特に、4~8質量%であることが好ましく、疎水性の表面を有する微粒子からなるチキソ剤の含有量は、4~16質量%、特に、6~12質量%であることが好ましい。
(チキソ性)
本インクのチキソ性は、上述のチキソ剤により、ノズルなどの吐出口からの本インクの吐出が容易で、着弾後の本インクの濡れ広がりが抑制されるように、制御されている。
特に、本インクのチキソ性は、剪断速度10000s-1で測定した本インクの粘度を第1の粘度、剪断速度10000s-1で剪断力を30秒分間加え続けた後に、剪断速度を10-1-1とした状態で測定した本インクの粘度を第2の粘度としたときに、第2の粘度が第1の粘度よりも高くなるように調節されることが好ましい。
第1の粘度は、1000mPa・s以下、500mPa・s以下、又は100mPa・s以下であることが好ましい。
第2の粘度は、10000mPa・s以上、50000mPa・s以上、又は100000mPa・s以上であることが好ましい。
本インクの粘度の回復時間は、本インクが着弾してから光照射により硬化されるまでの時間より短いことが好ましい。例えば、回復時間は、10秒以下、5秒以下、又は2秒以下であることが好ましい。回復時間が短時間であるほど、本インクが光照射前に濡れ広がることを抑制できる。これにより、インクの滲みの発生や三次元造形物の造形不良をさらに抑制できる。
なお、インクの粘度の測定は、温度25℃で、剪断速度10-1(1/s)と剪断速度10(1/s)における十分に時間が経過して安定した後の粘度(mPa・s)を測定した。粘度の測定には、レオメータ(アントンパール(Anton Paar)社製、商品名:MCR302)などを用いることができる。また、インクの粘度の回復時間は、粘度(mPa・s)を経時的に測定しながら、温度25℃で、インクを10秒間低剪断速度(10-1(1/s))で剪断し、その後、急激に剪断速度を高剪断速度(10(1/s))まで上昇させて30秒間剪断し、その後、剪断速度を低剪断速度まで下げ、インクの粘度がこの後に最初の低剪断速度での粘度の80%に回復するまでの時間を測定した。粘度回復時間の測定には、レオメータ(アントンパール(Anton Paar)社製、商品名:MCR302)などを用いることができる。
(他の成分)
本インクは、本発明を損なわない範囲で、他の成分を含有することができる。他の成分としては、フィラー、色材、分散剤、開始助剤、可塑剤、界面活性剤、表面調整剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、電荷付与剤、殺菌剤、防腐剤、防臭剤、電荷調整剤、湿潤剤、皮はり防止剤、香料、顔料誘導体、溶剤などが挙げられる。なお、これらの成分の中には本インクのチキソ性に若干の影響をあたえるかもしれないが、そうした影響は、上述のチキソ剤の含有量を適宜調節することで相殺できる。
フィラーとしては、酸化チタン、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化亜鉛(ZnO)、三酸化アンチモン、酸化インジウムスズ、酸化アルミニウム、チタン酸バリウムなどが挙げられる。
色材としては、公知の染料及び顔料を用いることができる。顔料としては、無機顔料や有機顔料が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカなどが挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリン系、イソインドリノン系、カーボンブラックなどが挙げられる。
本インクをシアンインクとする場合には、色材として、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、15:34、16、22、60などを配合することができる。
本インクをマゼンタインクとする場合には、色材として、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112,122,123,168,184、202、209、C.I.ピグメントバイオレット19などを配合することができる。
本インクをイエローインクとする場合には、色材として、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、130、138、150、151、154、155、180、185などを配合することができる。
本インクをブラックインクとする場合には、三菱化学社製のHCF、MCF、RCF、LFF、SCF、キャボット社製のモナーク、リーガル、デグサ・ヒュルス社製のカラーブラック、スペシャルブラック、プリンテックス、東海カーボン社製のトーカブラック、コロンビア社製のラヴェンなどを配合することができる。
光インク中の色材の含有量は、特に限定されないが、色材を用いる場合には、本インク中1~20質量%であると好ましく、1~10質量%であるとより好ましい。
色材として顔料を用いる場合には、顔料を分散させるため、本インクに分散剤を含有させることができる。
分散剤としては、低分子系分散剤や高分子系分散剤が挙げられ、より具体的には、ノニオン系、カチオン系、アニオン系界面活性剤、ポリエステル系高分子分散剤、アクリル系高分子分散剤、ポリウレタン系高分子分散剤などが挙げられる。
本インクは、その製造法によっては限定されないが、例えば、各種開始剤、ラジカル重合性化合物、必要により加えるその他の成分を混合し、攪拌することにより調製することができる。
混合機としては、リードスクリュータイプのフィーダー、スリーワンモーター、マグネチックスターラー、ディスパー、ホモジナイザー、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミルなどの容器駆動媒体ミル、サンドミルなどの高速回転ミル、攪拌槽型ミルなどの媒体攪拌ミル、ビーズミル、高圧噴射ミル、ディスパーなどが挙げられる。
(本インクの効果)
従来、インクジェット印刷や付加製造(例えば、ディスペンサでインクを積層して三次元造形物を製造する方法など)では、印刷及び造形の品質を改善したり(例えば、インクの滲みを抑制したり)、造形の速度を改善したり(例えば、一度に積層するインクの厚さを稼ぎ積層速度を早めたり)するなどのために、印刷位置に着弾したインクは粘度が高く濡れ広がらないことが好ましいが、こうした高粘度のインクは、インク詰まりを生じやすく、粘度によっては、吐出すること自体不可能であった。即ち、インクの吐出性と印刷性又は造形性とはトレードオフの関係にあった。
しかし、本願発明によれば、インクのチキソ性が好適に調節されており、インクに高剪断力が付加される吐出時は吐出可能な程度に粘度が低く、インクに剪断力が付加されない(又は極低剪断力のみが付加される)着弾時はインクが殆ど濡れ広がらない程度に粘度が高いため、インクの吐出性と印刷性又は造形性とを両立できる。このため、本インクによれば、吐出性を維持しつつ、好適に印刷又は造形を行うことができる。
(実施例)
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。各種インク試料の性能試験については、以下の方法で行った。
(チキソ性試験)
(1-1)粘度/剪断速度
レオメータ(アントンパール(Anton Paar)社製、商品名:MCR302)を用いて、温度25℃で、剪断速度10-1(1/s)と剪断速度10(1/s)における十分に時間が経過して安定した後の粘度(mPa・s)を測定した。
(1-2)回復時間
レオメータ(アントンパール(Anton Paar)社製、商品名:MCR302)を用いて、粘度(mPa・s)を経時的に測定しながら、温度25℃で、インクを10秒間低剪断速度(10-1(1/s))で剪断し、その後、急激に剪断速度を高剪断速度(10(1/s))まで上昇させて30秒間剪断し、その後、剪断速度を低剪断速度まで下げ、インクの粘度がこの後に最初の低剪断速度での粘度の80%に回復するまでの時間を測定した。
(実施例1)
アミノアルキルフェノン系開始剤として2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルフォリノブチロフェノン(BASF社製、商品名:イルガキュア369)1.5部、ホスフィンオキサイド系開始剤として、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製、商品名:TPO)1.5部及びビズ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド(IGMレジンズ社製、商品名:Omnirad819)2.5部、チオキサントン系増感剤として2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン(ラムソン(LAMBSON)社製、商品名:DETX)1.0部、アミン系開始助剤として官能化アミン共同剤(DSM社製、商品名:AgiSyn008)2.0部、ラジカル重合性化合物として、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート(略式名:NPG(PO)2DA)(美源スペシャリティケミカル株式会社製、商品名:Miramer M216、略式名:PONPGDA M216、粘度30mPa・s(25℃)、酸価0.3mgKOH/g、水酸基価20mgKOH/g、分子量328、屈折率1.447)52.93部及びビスフェノールA EO変性(n=10)ジアクリレート(美源スペシャリティケミカル株式会社製、商品名:Miramer M2100、略式名:BPE10A M2100、粘度700mPa・s(25℃)、酸価0.2mgKOH/g、水酸基価20mgKOH/g、分子量770、屈折率1.516)30.0部、チキソ剤として、ヒュームドシリカ(表面未処理シリカ、evonik社製、商品名:アエロジル A300)5.0部、表面調製剤として、完全架橋型シリコーンポリエーテルアクリレート(エボニク リソース エフィシエンシイ社(Evonik Resource Efficiency GmbH)製、商品名:TEGO RAD2100、短鎖シロキサン骨格/長鎖有機変性高架橋型添加剤)0.07部、を添加、混合して、インクE1を得た。
(実施例2)
開始剤として、ホスフィンオキサイド系開始剤の、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキシド8.0部と、2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン2.0部のみを用い、ラジカル重合性化合物としては、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート74.9部のみを用い、チキソ剤の含量を15.00部、表面調整剤の含量を0.10部とした他は実施例1と同様にしてインクE2を得た。
(実施例3)
チオキサントン系増感剤の含量を2.0部とし、ラジカル重合性化合物としては、フェノキシエチルアクリレート(MIWON社製、商品名:Miramer M140)100部及びペンタエリスリトールトリアクリレート(MIWON社製、商品名:Miramer M340)10.0部のみを用い、チキソ剤として、ヒュームドシリカ(表面処理シリカ、evonik社製、商品名:アエロジル R974)8.0部とした他は実施例1と同様にしてインクE3を得た。
(比較例1)
フェノキシエチルアクリレートの含量を108部とし、チキソ剤を添加しなかった他は実施例3と同様にしてインクCE1を得た。
(比較例2)
フェノキシエチルアクリレートの含量を68.93とし、チキソ剤として、ヒュームドシリカ(表面未処理シリカ、evonik社製、商品名:アエロジル A300)8.0部を用いた他は実施例3と同様にしてインクCE2を得た。
得られたインクE1、E2、E3、CE1、CE2の剪断速度1(1/s)及び1000(1/s)に対する粘度の測定結果を表1に示す。なお、インクE1及びE2中のアクリレートのSP値の計算値は10未満であり、インクE3、CE1、及びCE2中のアクリレートのSP値の計算値は10以上である。表1から、インクE1、E2、E3について、剪断速度が低い時は粘度が10mPa・s程度であったものが、剪断速度が上昇すると粘度が低下し、数百mPa・s程度まで低下しており、これらのインクE1、E2、E3がチキソ性を示していることがわかる。また、インクE3がチキソ性を示すものの、インクCE1、CE2がこうしたチキソ性を示さないことから、ラジカル重合性化合物の溶解度パラメーターが10以上の場合、チキソ剤は疎水性表面を有する必要があると考えられる。
*比較例1のインクCE1は、チキソ性を示さなかったので、回復時間は測定できなかった。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。

Claims (4)

  1. ラジカル重合性化合物と、光開始剤と、チキソ剤とを含有する光硬化性吐出用インクであって、
    前記ラジカル重合性化合物の溶解度パラメーターが10未満である場合、前記チキソ剤は親水性の表面を有する微粒子であり、
    前記ラジカル重合性化合物の溶解度パラメーターが10以上である場合、前記チキソ剤は疎水性の表面を有する微粒子であり、
    前記インクを剪断速度10000s-1で測定した第1の粘度が1000mPa・s以下であり、
    前記インクに剪断速度10000s-1で剪断力を30秒間加え続けた後に、剪断速度を10-1-1とした状態で測定した第2の粘度が10000mPa・s以上であり、
    前記インクを、25℃の温度で、10秒間剪断速度10-1-1で剪断し、その後、剪断速度を10000s-1まで上昇させて30秒間剪断し、その後、剪断速度を10-1-1まで再び下げ、前記インクの粘度がこの後に最初に剪断速度10-1-1で剪断したときの粘度の80%に回復するまでの時間が10秒以下である、
    光硬化性吐出用インク。
  2. 前記ラジカル重合性化合物は、アクリレートモノマーである、請求項1に記載のインク。
  3. 前記チキソ剤は、二酸化ケイ素の微粒子である、請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記ラジカル重合性化合物の溶解度パラメーターは、10未満であり、
    前記チキソ剤は、前記親水性の表面を有する微粒子であり、
    前記親水性の表面を有する微粒子は、表面が未処理の二酸化ケイ素の微粒子である、
    請求項に記載のインク。
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