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JP7779166B2 - 水電解システム及び水電解システムの制御方法 - Google Patents
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JP7779166B2 - 水電解システム及び水電解システムの制御方法 - Google Patents

水電解システム及び水電解システムの制御方法

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Description

本発明は、水電解システム及び水電解システムの制御方法に関する。
従来から、電解質膜を用いた水の電気分解(電解)により水素を生成する水電解システムが知られている。例えば、特許文献1,2には、電解質膜において未反応であった水を、水電解システム内に循環させて電解質膜に再度供給する水電解システムが開示されている。これら水電解システムにおいては、酸素気液分離器と水電解セルとの間を循環する循環水の導電率の計測結果から循環水に含まれる不純物濃度を特定し、不純物濃度が高い場合には、フィルターやイオン交換樹脂等で不純物を取り除く制御を行っている。
また、水電解システムの破損劣化を防止する技術についても、従来から提案されている。例えば、特許文献3には、水素側気液分離タンクと酸素側気液分離タンクとを接続する圧力調整流路を設けることにより、水電解運転の停止時に水電解装置内が負圧になることを防止する水電解システムが開示されている。特許文献4には、水電解反応を停止させている間、電解質膜の劣化を防止するために停止動作用の電圧を印加する水電解装置が開示されている。特許文献5には、水電解装置に適用される給電体として、電流を分散させて高温に起因する電解質膜の破損を防止する給電体が開示されている。特許文献6には、触媒層を多孔質体で覆うことにより、カソード電極触媒層側とアノード電極触媒層側との差圧の増大時に電解質膜に加わる荷重を吸収する水電解装置が開示されている。
特開2015-48506号公報 特開2003-105578号公報 特開2021-46602号公報 特開2013-199697号公報 特開2011-127215号公報 特開2019-157213号公報
しかし、特許文献3~6には、いずれも水電解システムの破損劣化を防止する内容が開示されているに留まり、電解質膜の状態を検出することについては何ら考慮されていない。また、特許文献1,2では、循環水の導電率を計測しているが、この循環水は水電解セルでの電解反応に用いられる水であり、その純度を保つために新規の純水によって適宜希釈されている。そのため、この循環水の導電率等の水質を計測しても、電解質膜の状態を示す指標は検出されにくいことから、電解質膜の状態の変化を早期に検出できない虞がある。このため、電解質膜の状態の変化を早期に検出できる水電解システムの開発が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、水電解システムが提供される。この水電解システムは、電解質膜を用いた水の電気分解により酸素及び水素を生成する水電解部と、前記水電解部で生成された水素と水との混合物を水素と水とに分離する水素気液分離部と、前記水素気液分離部で分離された水である水素分離水の水質を計測する計測部と、前記水電解システムを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記計測部による計測結果に応じて前記電解質膜の状態を推定し、前記電解質膜の状態に応じて、前記水電解部による酸素及び水素の生成を制御する。
この構成によれば、水素気液分離部で分離された水である水素分離水の水質が計測され、その計測結果から推定される電解質膜の状態に応じて、水電解部による酸素及び水素の生成が制御される。水素分離水の水質は、電解質膜の状態の変化に伴って変化することから、この構成によれば、電解質膜の状態を適正に判定することができる。また、水素気液分離部内の水は希釈されることなく、電解質の状態を示す情報(例えば溶出物)は水素分離水に直接反映されることから、電解質膜の状態の変化を高感度で判定することができる。すなわち、電解質の状態に変化が発生し始めた時点でその変化が検出可能であることから、電解質膜の状態の変化を早期に検出できる。
(2)上記形態の水電解システムにおいて、前記電解質膜の状態は、前記電解質の損傷の有無を含み、前記制御部は、前記電解質膜に損傷が生じている場合、前記水電解部による酸素及び水素の生成の停止、または、前記水電解部による酸素及び水素の生成速度の低下を実行してもよい。
この構成によれば、電解質膜の状態として、電解質膜の損傷の有無を推定することができる。そして、電解質膜に損傷が生じている場合、水電解部による酸素及び水素の生成の停止、または、生成速度を低下させることから、電解質膜の損傷が拡大するのを抑制することができる。
(3)上記形態の水電解システムにおいて、さらに、前記水電解部で生成された酸素と水との混合物を酸素と水とに分離する酸素気液分離部と、前記水素気液分離部から前記酸素気液分離部へ前記水素分離水を供給する還流路と、前記酸素気液分離部から前記水電解部へ前記水素分離水を含んだ水を供給する供給路と、を備えてもよい。
この構成によれば、水素気液分離部から酸素気液分離部へ水素分離水が供給されるとともに、酸素気液分離部から水電解部へ水素分離水を含んだ水が供給される。このため、電解質膜において未反応であったために水素気液分離部に送られた水を水電解部に供給して、水の電解反応に再利用することができる。したがって、水の電解反応による酸素及び水素の生成コストを低減することができる。
(4)上記形態の水電解システムにおいて、前記還流路に設けられ、前記酸素気液分離部への前記水素分離水の供給を遮断可能な遮断弁を備え、前記電解質膜の状態は、前記電解質の損傷の有無を含み、前記制御部は、前記電解質膜に損傷が生じている場合、前記遮断弁を閉弁して前記酸素気液分離部への前記水素分離水の供給を停止させてもよい。
この構成によれば、電解質膜に損傷が生じている場合、電解質膜の損傷で生じた溶出物等が水素分離水に含まれていることから、そのような水素分離水が酸素気液分離部を介して、水電解システム内に流通するのを抑制することができる。
(5)上記形態の水電解システムにおいて、複数の前記水電解部と、前記水電解部の各々に対応して設けられ、前記水電解部の各々で生成された水素と水との混合物を水素と水とに分離する複数の前記水素気液分離部と、前記水素気液分離部の各々に対応して設けられ、前記水素気液分離部の各々で分離された前記水素分離水の水質を計測する複数の前記計測部と、前記計測部の各々による計測結果に応じて前記水電解部の各々の前記電解質膜の状態を推定し、前記電解質膜の状態に応じて、前記水電解部の各々による酸素及び水素の生成を制御する、前記制御部と、前記酸素気液分離部と、前記水素気液分離部の各々から前記酸素気液分離部へ前記水素分離水を供給する複数の前記還流路と、前記酸素気液分離部から前記水電解部の各々へ前記水素分離水を含んだ水を供給する前記供給路と、を備えてもよい。
この構成によれば、水素気液分離部の各々から酸素気液分離部へ水素分離水が供給されるとともに、酸素気液分離部から水電解部へ水素分離水を含んだ水が供給される。このため、電解質膜において未反応であったために水素気液分離部の各々に送られた水を電解質膜に供給して、水の電解反応に再利用することができる。したがって、水の電解反応による酸素及び水素の生成コストを低減することができる。
(6)上記形態の水電解システムにおいて、前記電解質膜の状態は、前記電解質の損傷の有無を含み、前記制御部は、前記電解質膜に損傷が生じている前記水電解部が存在する場合、当該水電解部による酸素及び水素の生成の停止、または、前記水電解部による酸素及び水素の生成速度の低下を実行してもよい。
この構成によれば、電解質膜に損傷が生じている水電解部が存在する場合、その水電解部による酸素及び水素の生成の停止、または、生成速度を低下させることから、電解質膜の損傷が拡大するのを抑制することができる。
(7)上記形態の水電解システムにおいて、さらに、前記還流路の各々に設けられ、前記酸素気液分離部への前記水素分離水の供給を遮断可能な複数の遮断弁を備え、前記制御部は、前記電解質膜に損傷が生じている前記水電解部が存在する場合、当該水電解部に由来する前記水素分離水を流す前記還流路の前記遮断弁を閉弁して前記酸素気液分離部への前記水素分離水の供給を停止させてもよい。
この構成によれば、電解質膜に損傷が生じている水電解部が存在する場合、その水電解部に由来する水素分離水には、電解質膜の損傷を示す情報である溶出物等が水素分離水に含まれていることから、そのような水素分離水が酸素気液分離部を介して、水電解システム内に流通するのを抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、水電解システムの制御方法、水電解システムにおける水の電気分解を制御するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等などの形態で実現することができる。
第1実施形態の水電解システムの構成を例示した説明図である。 第2実施形態の水電解システムの構成を例示した説明図である。 第3実施形態の水電解システムの構成を例示した説明図である。 第4実施形態の水電解システムの構成を例示した説明図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態としての水電解システム1の構成を例示した説明図である。水電解システム1は、水の電気分解により酸素及び水素を生成するシステムである。水電解システム1は、貯蔵タンク5と、酸素気液分離部10と、水電解部11と、DC電源13と、熱交換器15o,15h,17と、イオン交換ユニット19と、水素気液分離部20と、制御部40と、を備える。
貯蔵タンク5は、純水を貯蔵するタンクである。流路F1は、貯蔵タンク5と酸素気液分離部10とを接続する流路である。流路F1を形成している配管には、遮断弁S1と、給水ポンプR1と、が設けられている。遮断弁S1は、開閉度合に応じて、流路F1を形成している配管内の流量を調整可能であるとともに、配管内の流通を遮断可能でもある。以降、遮断弁S1と異なる符号の遮断弁についても、同様の機能を有するものとする。給水ポンプR1は、酸素気液分離部10への給水を行う。酸素気液分離部10には、貯蔵タンク5から流路F1を介して純水が供給される。酸素気液分離部10は、後述する水電解部11にて生成された酸素と水との混合物を酸素と水とに分離する。分離された酸素は、流路F2を介して、水電解システム1の外部に送られる。分離された水を水電解システム1の外部に送る際には、流路F3を形成している配管に設けられた遮断弁S2が開弁される。水位センサL1は、酸素気液分離部10内の水位を検出する。
流路F4は、酸素気液分離部10において分離された水を水電解部11へ供給するための流路である。流路F4を形成している配管には、遮断弁S3と、循環ポンプR2と、圧力センサP1と、温度センサT1と、遮断弁S4と、が設けられている。循環ポンプR2は、酸素気液分離部10から水電解部11へ水を送出する。圧力センサP1及び温度センサT1は、流路F4を形成している配管内の圧力及び温度を検出する。以降、圧力センサP1及び温度センサT1と異なる符号の圧力センサ及び温度センサについても、同様の機能を有するものとする。流路F5は、流路F4から分岐した流路であり、内部を通過する水の温度を低下させる熱交換器17に接続されている。流路F5を形成している配管に遮断弁S5が設けられている。イオン交換ユニット19は、流路F6を介して、熱交換器17に接続され、内部を通過する水の導電率をイオン交換によって低下させる。イオン交換ユニット19を通過した水は、流路F7を介して、酸素気液分離部10に送られる。遮断弁S5が開弁している際には、酸素気液分離部10から流路F4へ送り出される水のうちの少なくとも一部が、熱交換器17及びイオン交換ユニット19を通過して、酸素気液分離部10に循環される。バイパス流路B1は、流路F4から分岐した流路であり、水電解部11と熱交換器15oとを接続する流路F8に接続されている。バイパス流路B1を形成している配管には、遮断弁S6が設けられている。流路F8を形成している配管には、圧力センサP2と、温度センサT2と、が設けられている。
水電解部11は、電解質膜を用いた純水の電気分解(電解)により酸素及び水素を生成する。上述したように、電解反応に用いられる水は、流路F4を介して、酸素気液分離部10から供給される。水電解部11にて生成された酸素と水との混合物は、流路F8を介して熱交換器15oに送られて冷却されたのち、流路F9を介して酸素気液分離部10に送られる。一方、水電解部11にて生成された水素と水との混合物は、流路F10を介して熱交換器15hに送られて冷却されたのち、流路F11を介して水素気液分離部20に送られる。
水素気液分離部20は、水電解部11にて生成された水素と水との混合物を水素と水とに分離する。分離された水素は、流路F12を介して、水電解システム1の外部に送られる。水位センサL2は、水素気液分離部20内の水位を検出する。流路F13は、水素気液分離部20に接続された流路である。水素気液分離部20で分離された水を水電解システム1の外部に送る際には、流路F13を形成している配管に設けられた遮断弁S7が開弁される。
流路F14は、流路F13から分岐した流路であり、酸素気液分離部10に接続されている。流路F14は、水素気液分離部20で分離された水である水素分離水を水素気液分離部20から酸素気液分離部10へ供給する還流路である。流路F14を形成している配管には、送水ポンプR3と、遮断弁S8と、計測部M1と、が設けられている。送水ポンプR3は、水素気液分離部20から酸素気液分離部10へ水を送出する。遮断弁S8は、酸素気液分離部10への水素分離水の供給を遮断可能な遮断弁である。計測部M1は、水素分離水の水質を計測する。本実施形態では、計測部M1は、水の伝導率を計測する伝導率計である。
流路F14を介して酸素気液分離部10へ供給された水素分離水は、酸素気液分離部10内において、酸素と水との混合物から分離された水や貯蔵タンク5から供給された純水と混和されたのち、流路F4を介して、水電解部11へ供給される。すなわち、流路F4は、酸素気液分離部10から水電解部11へ水素分離水を含んだ水を供給する供給路である。
制御部40は、水電解システム1が備える各種センサから得た情報に基づいて、水電解システム1全体の作動を制御する。制御部40による制御としては、例えば、各々の遮断弁の開閉制御や、DC電源13から水電解部11への電力供給の制御が挙げられる。制御部40は、計測部M1による計測結果に応じて水電解部11における電解質膜の状態を推定し、電解質膜の状態に応じて、水電解部11による酸素及び水素の生成を制御する。本実施形態では、電解質膜の状態には、電解質膜の損傷の有無が含まれる。電解質膜が損傷し始めると、電解質膜を構成していた材料が水電解部11内を流通する水に溶出する。電解質膜からの溶出物としては、フッ素イオン、硫酸イオンや硝酸イオン等が例示される。水電解部11から酸素気液分離部10や水素気液分離部20に送られる水に含まれる溶出物の量に応じて、その水の伝導率は変化する。制御部40は、計測部M1による計測結果である水素分離水の伝導率を示す情報を取得し、その伝導率が基準値(伝導率について予め設定された値)より大きいか否かを基準にして、電解質膜に損傷が生じているか否かを推定する。そして、制御部40は、電解質膜に損傷が生じている場合、水電解部11による酸素及び水素の生成の停止を実行する。制御部40は、遮断弁S3,S4を閉弁させるとともにDC電源13から水電解部11への電力供給を停止することによって、水電解部11による酸素及び水素の生成の停止を実行する。なお、生成の停止は、遮断弁S3,S4のいずれかの閉弁と、DC電源13からの電力供給の停止と、のうちいずれか一方によって実行されてもよい。また、制御部40は、電解質膜に損傷が生じている場合、水電解部11による酸素及び水素の生成の停止に加えて、遮断弁S8を閉弁して酸素気液分離部10への水素分離水の供給を停止させる。
以上説明したように、第1実施形態の水電解システム1によれば、水素気液分離部20で分離された水である水素分離水の水質が計測され、その計測結果から推定される電解質膜の状態に応じて、水電解部11による酸素及び水素の生成が制御される。水素分離水の水質は、上述したように、電解質膜の状態の変化に伴って変化することから、第1実施形態の水電解システム1によれば、電解質膜の状態を適正に判定することができる。また、水素気液分離部20内の水は希釈されることなく、電解質の状態を示す情報(例えば溶出物)は水素分離水に直接反映されることから、電解質膜の状態の変化を高感度で判定することができる。すなわち、電解質の状態に変化が発生し始めた時点でその変化が検出可能であることから、電解質膜の状態の変化を早期に検出できる。なお、計測部M1による計測において、遮断弁S7,S8の少なくとも一方の開弁時間が長くなるように制御して、水素気液分離部20内の水量が常に少なくなるようにした場合、電解質膜の状態を示す情報の即時性を一層高くして水素分離水に反映させることができる。
酸素気液分離部10と水電解部11との間を循環する循環水の水質(例えば導電率)を計測する場合、この循環水は水電解部11での電解反応に用いられる水であり、その純度を保つために貯蔵タンク5から送られる新規の純水によって適宜希釈されている。そのため、この循環水の水質を計測しても、電解質膜の状態を示す情報も希釈されている可能性が高いため、循環水の計測結果から電解質膜の状態を推定することは難しい。すなわち、この循環水の計測結果を用いて電解質膜の状態の変化を早期に検出することは難しい。電解質膜の状態の変化として、電解質膜の損傷の発生を早期に検出できない場合、損傷が進行して破れた電解質膜から大量の溶出物が発生し、その大量の溶出物が水電解システム内を流通する水によって水電解システム全体に広がって、各所において溶出物の析出や付着などによる汚染を発生させる場合がある。一方、第1実施形態の水電解システム1によれば、電解質膜の状態の変化として、電解質膜の損傷の発生を早期に検出することから、損傷が進行して電解質膜が破れるのを予防できる。したがって、電解質膜から溶出物が大量に水に溶け出すことも未然に防止できる。また、損傷が発生したとしても溶出物が少量であった場合には、水電解システム1全体を簡便な洗浄を施すことによって、水電解システム1を再利用できる可能性が高い。
また、第1実施形態の水電解システム1では、電解質膜の状態として、電解質膜の損傷の有無を推定することができる。そして、電解質膜に損傷が生じている場合、水電解部11による酸素及び水素の生成の停止、または、生成速度を低下させることから、電解質膜の損傷が拡大するのを抑制することができる。
また、第1実施形態の水電解システム1では、水素気液分離部20から酸素気液分離部10へ水素分離水が供給されるとともに、酸素気液分離部10から水電解部11へ水素分離水を含んだ水が供給される。このため、電解質膜において未反応であったために水素気液分離部20に送られた水を水電解部11に供給して、水の電解反応に再利用することができる。水の電解反応において電解質膜を介してプロトンが水素極に移動する際には、プロトン1個あたりに4~5個の水分子が伴って移動することから、比較的多くの量の水が水素気液分離部20に送られる。第1実施形態の水電解システム1では、このような水を再利用することから、水の電解反応による酸素及び水素の生成コストを低減することができる。
また、第1実施形態の水電解システム1では、電解質膜に損傷が生じている場合、遮断弁S8を閉弁して酸素気液分離部10への水素分離水の供給を停止させる。電解質膜に損傷が生じている場合、電解質膜の損傷で生じた溶出物等が水素分離水に含まれていることから、そのような水素分離水が酸素気液分離部10を介して、水電解システム1内に流通するのを抑制することができる。
また、水素分離水の水質を計測する他の利点について、以下に説明する。上述したように、水電解部11から水素気液分離部20へ比較的多くの量の水が送られることから、電解質膜に損傷が生じている場合には、多くの溶出物が水素気液分離部20へ送られることから、水素分離水の水質を計測することで電解質膜の状態の変化を早期に検出できる。また、水素分離水を計測することで、酸素気泡による誤差やエラーを含まずに電解質膜の状態の変化を適正に判定することもできる。
<第2実施形態>
図2は、第2実施形態の水電解システム1aの構成を例示した説明図である。第2実施形態の水電解システム1aの構成は、第1実施形態の水電解システム1(図1)の構成と比べて、流路F14を備えていない点と、計測部M2を備える点と、を除いて、第1実施形態の水電解システム1の構成と同じである。
水電解システム1aは、流路F14を備えていないことから、流路F14を形成している配管に設けられた計測部M1も備えていない。その計測部M1の代わりに、水電解システム1aは、計測部M2を備える。計測部M2は、流路F13に設けられ、水素分離水の水質を計測する。計測部M2は、第1実施形態の計測部M1と同様、水の伝導率を計測する伝導率計である。制御部40は、計測部M2による計測結果に応じて、水電解部11による酸素及び水素の生成を制御する。
以上のような第2実施形態の水電解システム1aによっても、電解質膜の状態の変化を高感度で判定することができるため、電解質膜の状態の変化を早期に検出できる。また、第2実施形態の水電解システム1aは、流路F14を備えていないことから、電解質膜の損傷で溶出物が生じても、その溶出物が含まれた水素分離水が酸素気液分離部10へ供給されることはない。したがって、電解質膜の損傷発生時において酸素気液分離部10へ流入する溶出物の量を低減することができる。
<第3実施形態>
図3は、第3実施形態の水電解システム1bの構成を例示した説明図である。第3実施形態の水電解システム1bの構成は、第1実施形態の水電解システム1(図1)の構成と比べて、主に、水電解部21と、DC電源23と、熱交換器25o,25hと、水素気液分離部30と、を備える点を除いて、第1実施形態の水電解システム1(図1)の構成と同じである。
水電解部21は、水電解部11と同様に、純水の電気分解(電解)により酸素及び水素を生成する。電解反応に用いられる水は、流路F4から分岐した流路F15を介して、酸素気液分離部10から供給される。流路F15は、酸素気液分離部10において分離された水を水電解部21へ供給するための流路である。流路F15を形成している配管には、圧力センサP3と、温度センサT3と、遮断弁S9と、が設けられている。バイパス流路B2は、流路F15から分岐した流路であり、水電解部21と熱交換器25oとを接続する流路F16に接続されている。バイパス流路B2を形成している配管には、遮断弁S10が設けられている。流路F16を形成している配管には、圧力センサP4と、温度センサT4と、が設けられている。
水電解部21にて生成された酸素と水との混合物は、流路F16を介して熱交換器25oに送られて冷却されたのち、流路F17を介して酸素気液分離部10に送られる。一方、水電解部21にて生成された水素と水との混合物は、流路F18を介して熱交換器25hに送られて冷却されたのち、流路F19を介して水素気液分離部30に送られる。
水素気液分離部30は、水素気液分離部20と同様に、水電解部21にて生成された水素と水との混合物を水素と水とに分離する。分離された水素は、流路F20を介して、水電解システム1bの外部に送られる。水位センサL3は、水位センサL2と同様、水素気液分離部30内の水位を検出する。流路F21は、水素気液分離部30に接続された流路である。水素気液分離部30で分離された水を水電解システム1bの外部に送る際には、流路F21を形成している配管に設けられた遮断弁S11が開弁される。
流路F22は、流路F21から分岐した流路であり、酸素気液分離部10に接続されている。流路F22は、流路F14と同様に、水素分離水を水素気液分離部30から酸素気液分離部10へ供給する還流路である。流路F22を形成している配管には、送水ポンプR4と、遮断弁S12と、計測部M3と、が設けられている。送水ポンプR4は、水素気液分離部30から酸素気液分離部10へ水を送出する。遮断弁S12は、遮断弁S8と同様に、酸素気液分離部10への水素分離水の供給を遮断可能な遮断弁である。計測部M3は、計測部M1と同様に、水素分離水の伝導率を計測する伝導率計である。
流路F14,22を介して酸素気液分離部10へ供給された水素分離水は、酸素気液分離部10内において、酸素と水との混合物から分離された水や貯蔵タンク5から供給された純水と混和されたのち、流路F4,15を介して、水電解部11,21へ供給される。
上述したように、水電解システム1bには、2つの水電解部11,21が設けられているとともに、その水電解部11,21の各々に対応して、水電解部11,21の各々で生成された水素と水との混合物から水素と水とを分離する2つの水素気液分離部20,30が設けられている。また、水電解システム1bには、その2つの水素気液分離部20,30の各々に対応して、水素気液分離部20,30の各々の水素分離水の水質を計測する2つの計測部M1,M3が設けられている。さらに、水電解システム1bには、2つの水素気液分離部20,30の各々から酸素気液分離部10へ水素分離水を供給する流路F14,22と、流路F14,22の各々を遮断可能な遮断弁S8,12と、酸素気液分離部10から水電解部11,21の各々へ水素分離水を含んだ水を供給する流路F4,15と、が設けられている。
制御部40は、計測部M1,M3の各々による計測結果に応じて水電解部11,21の各々の電解質膜の状態を推定し、各々の電解質膜の状態に応じて、水電解部11,21による酸素及び水素の生成を制御する。第2実施時形態においても、第1実施形態と同様に、電解質膜の状態には、電解質膜の損傷の有無を含まれる。そして、制御部40は、電解質膜に損傷が生じている水電解部が存在する場合、その水電解部による酸素及び水素の生成の停止を実行する。
水電解部11の電解質膜に損傷が生じている場合には、制御部40は、遮断弁S4の閉弁と遮断弁S6の開弁を実行するとともにDC電源13から水電解部11への電力供給を停止することによって、水電解部11による酸素及び水素の生成の停止を実行する。また、このとき、水電解部11に由来する水素分離水を流す流路F14の遮断弁S8を閉弁して酸素気液分離部10への水素分離水の供給を停止させる。
一方、水電解部21の電解質膜に損傷が生じている場合には、制御部40は、遮断弁S9の閉弁と遮断弁S10の開弁を実行するとともにDC電源23から水電解部21への電力供給を停止することによって、水電解部21による酸素及び水素の生成の停止を実行する。また、このとき、水電解部21に由来する水素分離水を流す流路F22の遮断弁S12を閉弁して酸素気液分離部10への水素分離水の供給を停止させる。さらに、水電解部11,21の少なくとも一方の電解質膜に損傷が生じている場合に、制御部40は、各種ポンプR1~R4による出力を調整してもよい。
以上のような第3実施形態の水電解システム1bによっても、電解質膜の状態の変化を高感度で判定することができるため、電解質膜の状態の変化を早期に検出できる。また、第3実施形態の水電解システム1bでは、水素気液分離部20,30の各々から酸素気液分離部10へ水素分離水が供給されるとともに、酸素気液分離部10から水電解部11,21へ水素分離水を含んだ水が供給される。このため、第1実施形態と同様に、水の電解反応による酸素及び水素の生成コストを低減することができる。
また、第3実施形態の水電解システム1bでは、水電解部11,21の各々で生成された水素と水との混合物は、水素気液分離部20,30の各々に送られているが、水電解部11,21の各々で生成された酸素と水との混合物は、単独の酸素気液分離部10に送られている。すなわち、水電解部11,21の各々に対応して水素気液分離部20,30は設けられているが、酸素気液分離部10は、水電解部11,21の各々に対して1つ設けられている。したがって、複数の水電解部を備え、かつ、その水電解部の各々に対応して1対の水素気液分離部、酸素気液分離部が設けられた水電解システムと比べて、第3実施形態の水電解システム1bでは、酸素気液分離部の数を少なくできることから、水電解システム1bを製造する際のコストを低減することができる。
また、第3実施形態の水電解システム1bでは、電解質膜に損傷が生じている水電解部が存在する場合、その水電解部による酸素及び水素の生成の停止、または、生成速度を低下させることから、電解質膜の損傷が拡大するのを抑制することができる。
また、第3実施形態の水電解システム1bでは、電解質膜に損傷が生じている水電解部が存在する場合、その水電解部に由来する水素分離水には、電解質膜の損傷を示す情報である溶出物等が水素分離水に含まれていることから、そのような水素分離水が酸素気液分離部10を介して、水電解システム1b内に流通するのを抑制することができる。
<第4実施形態>
図4は、第4実施形態の水電解システム1cの構成を例示した説明図である。第4実施形態の水電解システム1cの構成は、第3実施形態の水電解システム1b(図3)の構成と比べて、流路F14,22を備えていない点と、計測部M4,M5を備える点と、を除いて、第3実施形態の水電解システム1bの構成と同じである。
水電解システム1cは、流路F14,22を備えていないことから、流路F14,22に設けられた計測部M1,M3も備えていない。その計測部M1,M3の代わりに、水電解システム1cは、計測部M4,M5を備える。計測部M4,M5は、それぞれ流路F13,F21に設けられ、水素分離水の水質を計測する。計測部M4,M5は、第1~3実施形態の計測部M1~M3と同様、水の伝導率を計測する伝導率計である。制御部40は、計測部M4,M5による計測結果に応じて、水電解部11,21による酸素及び水素の生成を制御する。
以上のような第4実施形態の水電解システム1cによっても、電解質膜の状態の変化を高感度で判定することができるため、電解質膜の状態の変化を早期に検出できる。また、第4実施形態の水電解システム1cは、流路F14,22を備えていないことから、電解質膜の損傷で溶出物が生じても、その溶出物が含まれた水素分離水が酸素気液分離部10へ供給されることはない。したがって、電解質膜の損傷発生時において酸素気液分離部10へ流入する溶出物の量を低減することができる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上記実施形態では、計測部M1等が計測する水素分離水の水質は、伝導率であったが、これに限られない。例えば、計測される水素分離水の水質は、抵抗率やpH、もしくは、不純物濃度であってもよい。不純物濃度とは、電解質膜からの溶出物であるフッ素イオン、硫酸イオンや硝酸イオン等の濃度である。
[変形例2]
上記実施形態では、計測部M1等は、流路を形成している配管に設けられていたが、これに限られない。例えば、計測部は、流路を形成している配管に設けられることに加えて、もしくは、流路を形成している配管に設けられることに代えて、水素気液分離部内の水を計測できる位置に設けられていてもよい。
[変形例3]
上記実施形態では、制御部40は、電解質膜に損傷が生じている場合、水電解部11による酸素及び水素の生成の停止を実行していたが、これに限られない。例えば、制御部40は、電解質膜に損傷が生じている場合、水電解部11による酸素及び水素の生成速度の低下を実行してもよい。この場合、水電解部11の稼働による負荷が軽減されることから、電解質膜の損傷の進行を遅らせることができる。
[変形例4]
上記実施形態では、電解質膜の状態には、電解質膜の損傷の有無を含まれていたが、これに限られない。例えば、電解質膜の状態には、電解質膜の劣化の有無や、電解質膜の劣化度合いが含まれていてもよく、それら電解質膜の状態に応じて、水電解部による酸素及び水素の生成が制御されてもよい。電解質膜の劣化とは、不純物や反応熱の影響による電解質膜の劣化のことである。また、電解質膜の劣化度合とは、稼働当初の生成効率と比較した現在の生成効率の程度のことである。電解質膜の劣化が生じた場合や、電解質膜の劣化度合に応じて、水素分離水に反映される電解質の状態を示す情報(例えば溶出物)を予め計測しておき、その情報を指標として、電解質膜の劣化や劣化度合を推定してもよい。電解質膜に劣化が生じている場合には、水電解部による酸素及び水素の生成を停止してもよいし、生成速度を低下させてもよい。また、劣化度合が高いほど、DC電源から水電解部への電力供給量を低下させたり、水電解部への水の供給量を低下させたりすることにより、劣化した電解質膜における電解反応に対して過不足の少ない電力及び水の供給を実現してもよい。
[変形例5]
第3,4実施形態の水電解システム1b,1c(図3,4)では、1つの酸素気液分離部10に対して、2つの水電解部11,21と、その水電解部11,21に対応する水素気液分離部20,30と、が設けられていたが、これに限られない。例えば、水電解システムは、1つの酸素気液分離部に対して、3つ以上の水電解部と、それら水電解部に対応する水素気液分離部と、が設けられていてもよい。
[変形例6]
第1,2実施形態の水電解システム1,1a(図1,2)においては、流路F4から分岐した流路F5が設けられ、その流路F5に送られた水は、熱交換器17、流路F6、イオン交換ユニット19、流路F7を経て、酸素気液分離部10に循環していた。一方、第3,4実施形態の水電解システム1b,1cでは、このような流路F5に相当する流路が流路F15から分岐していなかったが、これに限られない。流路F4における流路F5に相当する分岐流路が、流路F15に設けられていてもよい。この分岐流路に送られた水は、熱交換器、イオン交換ユニットを経て、酸素気液分離部10に循環する。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1,1a~1c…水電解システム
5…貯蔵タンク
10…酸素気液分離部
11…水電解部
13…DC電源
15o,15h…熱交換器
17…熱交換器
19…イオン交換ユニット
20…水素気液分離部
21…水電解部
23…DC電源
25o,25h…熱交換器
30…水素気液分離部
40…制御部
B1,B2…バイパス流路
F1~F22…流路
L1~L3…水位センサ
M1~M5…計測部
P1~P4…圧力センサ
R1…給水ポンプ
R2…循環ポンプ
R3,R4…送水ポンプ
S1~S12…遮断弁
T1~T4…温度センサ

Claims (7)

  1. 水電解システムであって、
    電解質膜を用いた水の電気分解により酸素及び水素を生成する水電解部と、
    前記水電解部で生成された水素と水との混合物を水素と水とに分離する水素気液分離部と、
    前記水素気液分離部で分離された水である水素分離水の水質を計測する計測部と、
    前記水電解システムを制御する制御部と、
    前記水電解部で生成された酸素と水との混合物を酸素と水とに分離する酸素気液分離部と、
    前記水素気液分離部から前記酸素気液分離部へ前記水素分離水を供給する還流路と、を備え、
    前記還流路を形成している配管には、前記計測部が設けられており、
    前記制御部は、前記計測部による計測結果に応じて前記電解質膜の状態を推定し、前記電解質膜の状態に応じて、前記水電解部による酸素及び水素の生成を制御する、水電解システム。
  2. 請求項1に記載の水電解システムであって、
    前記電解質膜の状態には、前記電解質の損傷の有無が含まれ、
    前記制御部は、前記電解質膜に損傷が生じている場合、前記水電解部による酸素及び水素の生成の停止、または、前記水電解部による酸素及び水素の生成速度の低下を実行する、水電解システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の水電解システムであって、さらに
    記酸素気液分離部から前記水電解部へ前記水素分離水を含んだ水を供給する供給路と、を備える、水電解システム。
  4. 請求項3に記載の水電解システムであって、さらに、
    前記還流路に設けられ、前記酸素気液分離部への前記水素分離水の供給を遮断可能な遮断弁を備え、
    前記電解質膜の状態には、前記電解質の損傷の有無が含まれ、
    前記制御部は、前記電解質膜に損傷が生じている場合、前記遮断弁を閉弁して前記酸素気液分離部への前記水素分離水の供給を停止させる、水電解システム。
  5. 請求項3に記載の水電解システムであって、
    複数の前記水電解部と、
    前記水電解部の各々に対応して設けられ、前記水電解部の各々で生成された水素と水との混合物を水素と水とに分離する複数の前記水素気液分離部と、
    前記水素気液分離部の各々に対応して設けられ、前記水素気液分離部の各々で分離された前記水素分離水の水質を計測する複数の前記計測部と、
    前記計測部の各々による計測結果に応じて前記水電解部の各々の前記電解質膜の状態を推定し、前記電解質膜の状態に応じて、前記水電解部の各々による酸素及び水素の生成を制御する、前記制御部と、
    前記酸素気液分離部と、
    前記水素気液分離部の各々から前記酸素気液分離部へ前記水素分離水を供給する複数の前記還流路と、
    前記酸素気液分離部から前記水電解部の各々へ前記水素分離水を含んだ水を供給する前記供給路と、を備え
    前記還流路を形成している配管の各々には、前記計測部の各々が設けられている、水電解システム。
  6. 請求項5に記載の水電解システムであって、
    前記電解質膜の状態には、前記電解質の損傷の有無が含まれ、
    前記制御部は、前記電解質膜に損傷が生じている前記水電解部が存在する場合、当該水電解部による酸素及び水素の生成の停止、または、前記水電解部による酸素及び水素の生成速度の低下を実行する、水電解システム。
  7. 請求項6に記載の水電解システムであって、さらに、
    前記還流路の各々に設けられ、前記酸素気液分離部への前記水素分離水の供給を遮断可能な複数の遮断弁を備え、
    前記制御部は、前記電解質膜に損傷が生じている前記水電解部が存在する場合、当該水電解部に由来する前記水素分離水を流す前記還流路の前記遮断弁を閉弁して前記酸素気液分離部への前記水素分離水の供給を停止させる、水電解システム。
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