JP7779673B2 - 錠剤 - Google Patents
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Description
上記の従来の知見を参考にして、本発明者らは、キトサンによる脂質の吸収抑制効果についてラットに対する油脂添加による血中トリグリセライドの吸収性試験を実施することにより確認した。試験の結果、キトサンを含有する通常のハードカプセル剤に対して、胃内での溶出がない腸溶性ハードカプセル剤の方が脂質の吸収抑制効果は低くなるという結果が得られ、これによりキトサンの溶出性による脂質の吸収抑制効果へ影響が確認されている。
さらに、キトサン自体の溶出性も向上することから、有用物質及びキトサンのバイオアベイラビリティも向上し得ることを見出した。
[1](A)有用物質と、(B)キトサンとを含有し、複数の層から形成される錠剤であって、
前記(A)成分と前記(B)成分とがそれぞれ別々の層に含有されることを特徴とする錠剤。
本発明によれば、有用物質の錠剤からの溶出が向上した錠剤を得ることができる。
[2]前記(A)有用物質が藤茶エキス、アンペロプシン、ポリメトキシフラボン、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、及びケルセチン配糖体からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、[1]に記載の錠剤。
本特徴によれば、藤茶エキス、アンペロプシン、ポリメトキシフラボン、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、ケルセチン配糖体の錠剤からの溶出が向上した錠剤を得ることができる。
[3]錠剤中の(A)成分を含む層の質量に対する(B)成分を含む層の質量の比(B/A)が0.1以上1.0以下であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の錠剤。
本特徴によれば、有用物質の錠剤からの溶出がより向上した錠剤を得ることができる。
[4]前記錠剤が積層錠剤であることを特徴とする、[1]~[3]のいずれかに記載の錠剤。
本特徴によれば、有用物質の錠剤からの溶出がさらに向上した錠剤を得ることができる。
本発明の錠剤は、(A)有用物質と、(B)キトサンとを含有し、複数の層から形成される錠剤であって、前記(A)成分と前記(B)成分がそれぞれ別々の層に含有されることを特徴とする。
本発明の錠剤は、複数の層から形成される錠剤であり、(A)有用物質と(B)キトサンとが別々の層に含有される。このような錠剤としては、特に制限されないが、有用物質を含有する第1層とキトサンを含有する第2層の2層を有する錠剤、又はさらにこれら2層以外の層を有する錠剤などが挙げられる。これら別々の層は、接触していてもよいし、間に中間層が設けられていてもよい。有用物質を含有する第1層は、(B)キトサンを実質的に含有しない。また、キトサンを含有する第2層は(A)有用物質を実質的に含有しない。なお、実質的に含有しないとは、各層中の含有量が0.5質量%以下であることを示す。
錠剤の大きさ、厚さを上記範囲とすることにより、服用のしやすい製剤とすることができる。
有用物質は、特に限定されるものではなく、例えば、医薬品、医薬部外品、OTC医薬品、漢方薬、生薬、化粧品、健康食品、サプリメント、動物用医薬品などに用いられる医薬成分、機能性成分などが用いられる。
医薬成分、機能性成分の具体例としては、例えば、脂質調整剤、抗糖尿病剤、食欲抑制剤、降圧剤、血管拡張剤、βアドレナリン受容体遮断薬、強心イオンチャンネル剤、不整脈治療剤、抗凝血剤、止血剤、抗炎症剤、鎮痛剤、抗アレルギー剤、免疫抑制剤、コルチコステロイド、ステロイド、抗腫瘍剤、交感神経刺激剤、副交感神経刺激剤、抗ムスカリン様作動剤、ドーパミン作動剤、止痢剤、制吐剤、鎮静剤、収斂剤、精神安定剤、抗鬱剤、抗癲癇剤、抗不安剤、催眠剤、覚醒剤、気管支拡張剤、鎮咳剤、利尿薬、筋肉弛緩剤、ビスホスホネート、抗生物質、抗ウイルス剤、診断用剤、画像診断用剤、放射線薬剤、ラピジン、ノビレチン、スルフォラファン、アンペロプシン、ポリメトキシフラボン、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、ケルセチン配糖体、クルクミン類、レスベラトロール類、ゲラニオール、オサジン、イソリキリチゲニン、ヒドロキシチロソール、25-ヒドロキシコレカルシフェロール、コエンザイムQ-10、S-アデノシルメチオニン、アントシアニン、アスコルビン酸2-グルコシド、プロテオグリカン、N-アセチルグルコサミン、コラーゲン、藤茶エキス、ビルベリーエキス、ニンジン末、ゴカヒ、カンゾウ、シャクヤク、ケイヒ、ウイキョウ、シュクシャ、ビフィズス菌、乳酸菌、ビタミンAやビタミンB、ビタミンCなどのビタミン、カルシウムやマグネシウム、鉄などのミネラル、ポリデキストロースなどの食物繊維、ポリフェノール、タンパク質、アミノ酸、オリゴ糖、レシチン、カロテノイド、クロロフィルなどが挙げられる。これらの中でも藤茶エキス、アンペロプシン、ポリメトキシフラボン、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、ケルセチン配糖体が好ましい。また、これらの医薬成分、機能性成分は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
本発明の錠剤はキトサンを含有する。キトサンは、種々の生理活性を有し、その生理活性を得ることを目的として配合される。生理活性としては、例えば、脂肪吸収抑制作用、コレステロール上昇抑制作用及び血圧上昇抑制作用などが挙げられる。
本発明におけるキトサンは、いずれの原料から得られたキトサンをも用いることができるが、食品として摂取した場合の安全性が明らかであり、経済的にも優れていると考えられる点で、カニ、エビ等の甲殻類の甲皮を原料としたキトサンが好ましい。さらに、本発明の組成物に使用するキトサンは、ヒトが経口摂取した場合の安全性が明らかにされており、食品添加物等として実績があるものが好ましい。
た、脱アセチル化度というときは、特に示さない限り、ポリビニル硫酸カリウム溶液によ
るコロイド滴定法により測定することができる。
本発明に用いるキトサンは、市販の食品添加物用として市販されているものであれば使
用可能である。このような製品としては、日本化薬フードテクノ株式会社製の食品用キト
サン(製品名:キトサミン 登録商標)を例示する。
固形製剤には、必要に応じて、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、保存剤、流動化剤、着色剤などの添加剤を配合してもよい。
有用物質とキトサンとを含有する錠剤におけるキトサン濃度の有用物質の溶出に与える影響について、表2に示す試験例1~6の普通錠剤を製造し、溶出試験により評価した。本試験では有用物質として、アンペロプシンを含有する藤茶エキスを用いた。なお、実施例で用いた原料を以下の表1に示す。
以下の手順で試験例1~6の普通錠剤を製造した。
表2の組成の粉末組成物を10分間混合し、打錠用粉末とした。打錠用粉末を、単発打錠機(岡田精工社製)により杵サイズφ8mm、R10、打錠圧1000kgfで打錠することで、直径約8mm、重さ300mgの普通錠剤を得た。
製造した製剤について、NTR-6400A(富山産業社製)を用いて日本薬局方一般試験法溶出試験法のパドル法による溶出試験を行った。
試験液(日本薬局方溶出試験1液(pH1.2))の液量は900mLとし、パドル回転数50rpmにて、試験開始0分後、試験開始0分後、10分後、20分後、30分後、40分後、60分後、90分後、120分後に溶出試験液から200μLを採取した。
測定試料に含まれる錠剤から溶出した藤茶エキスに含まれるアンペロプシン(AMP)の溶出濃度は、UV測定器UV-1800(島津製作所社製)を用いて、290nmの吸光度から算出した。
キトサンとキトサン以外のゲル化剤の有用物質の溶出に与える影響について、表3に示す試験例7、8の普通錠剤を試験例1、5と同様の試験1に記載の方法で製造し、試験1と同様の溶出試験により評価した。
3種類の剤型(積層錠剤、普通錠剤、ハードカプセル)の製剤を用いて、有用物質の溶出に与える影響について、製剤を製造し、溶出試験により評価した。積層錠剤、ハードカプセルは以下の製法方法に従って製造した。
以下の手順でハードカプセルを製造した。
表4(試験例9)の原料を量り取り、V型混合器(筒井理化学器械社製:ミクロ型透視式混合器)で10分間混合した後、ステアリン酸カルシウムを加え、5分間混合し、カプセル充填用の粉末組成物を得た。次いで、カプセル充填機(ProFiller 1100(カプスゲル社製))を使用し、1カプセル当り255mgの粉末組成物を2号HPMCカプセルに充填しハードカプセルを得た。
以下の手順で積層錠剤を製造した。
表5の組成の第1層用及び第2層用の粉末組成物を各々10分間混合し、第1層用及び第2層用打錠用粉末とした。打錠は単発打錠機(岡田精工社製)、杵サイズφ8mm、R10で行った。具体的には第一層用打錠用粉末を50kgfの打錠圧で圧縮後、そこに第二層打錠用粉末を加えて1000kgfの打錠圧で圧縮して作成し、直径約8mm、重さ300mgの積層錠剤を得た。
製造した製剤について、NTR-6400A(富山産業社製)を用いて日本薬局方一般試験法溶出試験法のパドル法による溶出試験を行った。
試験液(日本薬局方溶出試験1液(pH1.2))の液量は900mLとし、パドル回転数50rpmにて、試験開始0分後、試験開始0分後、10分後、20分後、30分後、40分後、60分後、90分後、120分後に溶出試験液から200μLを採取した。
測定試料に含まれる錠剤から溶出したアンペロプシンの溶出濃度は、UV測定器UV-1800(島津製作所社製)を用いて、290nmの吸光度から算出した。
測定試料に含まれる錠剤から溶出したキトサンの量は、キトサンアッセイキット(CELL BIOLABS, INC.社製)を用いて製造者のマニュアルに従って測定した。
また、図4に示すように、積層錠剤である試験例10においては、普通錠剤である試験例5、ハードカプセルである試験例9と比較してキトサンの高い溶出が得られることも確認された。このことは、積層錠剤とすることにより、有用物質及びキトサンのバイオアベイラビリティの高い製剤とすることができることを示している。
試験3で製造した試験例5、9、10の製剤を下記の手順でヒトに投与して、投与後の有用物質の血中濃度の変化と薬物動態を評価する臨床試験を下記の手順で行った。試験の結果得られた薬物動態パラメーター(薬物血中濃度(AUC)、最高血中濃度到達時間(Tmax)、最高血中濃度(Cmax))を表6に示す。積層錠剤のそれぞれの結果については分散分析(ANOVA)を実施した後、有意差検定(Tukey-kramer test)を行った。
試験は非盲検無作為化3剤3期ラテン方格型クロスオーバー試験で行い9例(3例×3群)の被験者に対して行った。10時間以上の空腹状態の被験者に対して製剤投与前の空腹時採血(0分)を行った後、各製剤4カプセルあるいは4錠(アンペロプシンとして154.6mg、キトサンとして133.6mg)を被験者に200mLの水とともに投与した。そして、製剤の投与後、30分、60分、120分、180分、240分に採血を行い被験者の血清サンプルを得た。
臨床試験で採取した血清サンプルを以下の手順で藤茶の有用成分であるアンペロプシン量を分析した。
先ず、血清の前処理として、血清100uLを溶解し、酵素液(Sulfatase Type H-1 4mg/mL、0.1M 酢酸ナトリウム緩衝液)を100uL添加し、37℃で1時間インキュベートして脱グルクロン酸抱合処理を行った。次に、固層抽出プレート(96wellプレートSTRATA-X 10mg、島津ジーエルシー社製)を用いて製造者のマニュアルに従って徐蛋白処理を行い測定サンプルを得た。測定サンプルに対して以下の条件でLC/MSMS分析を行った。
<LC/MSMS分析条件>
LC条件 (Method:DMY)
カラム:ACQUITY UPLC HSST3 1.8μm 2.1×100mm
カラム温度:40℃
移動相:A液(0.1%ギ酸水溶液):B液(0.1%ギ酸含アセトニトリル)=88:12
流速:0.4mL/分
インジェクション量:2μL
試験1~3で用いたアンペロプシンを含有する藤茶エキス以外の有用物質の5種類の有用物質、ポリメトキシフラボン、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、ケルセチン配糖体、クルクミンを含有する表7、8の組成の製剤を試験3と同様に製造した、下記の溶出試験によりキトサンによる有用物質の溶出抑制、及び積層錠剤の効果について評価した。表中7、8中の有用物質はポリメトキシフラボン、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、又はケルセチン配糖体、クルクミンのいずれかを示す。
製造した製剤について、NTR-6400A(富山産業社製)を用いて日本薬局方一般試験法溶出試験法のパドル法による溶出試験を行った。
試験液(日本薬局方溶出試験1液(pH1.2))の液量は900mLとし、パドル回転数50rpmにて、試験開始0分後、試験開始0分後、10分後、20分後、30分後、40分後、60分後、90分後、120分後に溶出試験液から200μLを採取した。
測定試料に含まれる錠剤から溶出した有用物質の濃度は、UV測定器UV-1800(島津製作所社製)を用いて、各々の有用物質に設定した波長(ポリメトキシフラボン:260nm、リボフラビン:267nm、ピリドキシン塩酸塩:290nm、ケルセチン配糖体:370nm)の吸光度から算出した。
有用物質とキトサンを含有する積層錠剤の適切な各々の層の比率を検討するために、有用物質を含有する第1層とキトサンを含有する第2層の比率を変化させた積層錠剤を製造し、有用物質の溶出への影響を評価した。
以下の手順で有用物質を含有する第1層に対するキトサンを含有する第2層の比率を1:1、2:1、4:1とした試験例11~13の積層錠剤を製造した。
表9の組成の第1層用及び第2層用の粉末組成物を各々10分間混合し、第1層用及び第2層用打錠用粉末とした。打錠は単発打錠機(岡田精工社製)、杵サイズφ8mm、R10で行った。具体的には第一層用打錠用粉末を50kgfの打錠圧で圧縮後、そこに第二層打錠用粉末を加えて1000kgfの打錠圧で圧縮して作成し、直径約8mm、重さ300mgの積層錠剤を得た。
製造した各々の製剤について、NTR-6400A(富山産業社製)を用いて日本薬局方一般試験法溶出試験法のパドル法による溶出試験を行った。
試験液(日本薬局方溶出試験1液(pH1.2))の液量は900mLとし、パドル回転数50rpmにて、試験開始60分後に溶出試験液から200μLを採取した。
測定試料に含まれる錠剤から溶出したアンペロプシンの溶出濃度は、UV測定器UV-1800(島津製作所社製)を用いて、290nmの吸光度から算出した。
測定試料に含まれる錠剤から溶出したキトサンの量は、キトサンアッセイキット(CELL BIOLABS, INC.社製)を用いて製造者のマニュアルに従って測定した。溶出量は積層錠剤(1:1)における溶出量を100%として示した。
Claims (3)
- (A)有用物質と、(B)キトサンとを含有し、複数の層から形成される錠剤であって、
前記複数の層が、各々の粉末組成物から形成された層であり、
前記(B)キトサンを有効成分として含有し、
前記(B)キトサンの含有量が1質量%以上40質量%以下であり、
前記(A)成分と前記(B)成分とがそれぞれ別々の層に含有され、
前記錠剤が積層錠剤又は有核錠剤であり、
前記別々の層が前記積層錠剤における積層された異なる層、又は前記有核錠剤における内核と外殻を構成する異なる層であることを特徴とする、錠剤。 - 前記(A)有用物質が藤茶エキス、アンペロプシン、ポリメトキシフラボン、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、及びケルセチン配糖体からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の錠剤。
- 錠剤中の(A)成分を含む層の質量に対する(B)成分を含む層の質量の比(B/A)が0.1以上1.0以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の錠剤。
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