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JP7779766B2 - コンクリート組成物、及びコンクリート組成物の圧縮強度増進方法 - Google Patents
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JP7779766B2 - コンクリート組成物、及びコンクリート組成物の圧縮強度増進方法 - Google Patents

コンクリート組成物、及びコンクリート組成物の圧縮強度増進方法

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Description

本開示は、コンクリート組成物、及びコンクリート組成物の圧縮強度増進方法に関する。
近年、地球温暖化対策の要求が高まり、セメント製造におけるCO発生量の低減が求められている。CO発生量を低減する方法として、調製時におけるCO発生量の大きなセメントクリンカの一部を、混合材に置き換えてセメントを製造する方法が広く検討されている。混合材の中でも、高炉水砕スラグ(BFS)等の鉄鋼スラグは、コンクリートの長期強度増進、及び塩分遮蔽効果の向上を期待できる。そのため、混合材として鉄鋼スラグを用い、その混合比率を高めたセメントの研究が進められている。
しかし、高炉水砕スラグの混合比率を高めた高炉セメントでは、普通ポルトランドセメント(OPC)の単独使用の場合に比べて、セメントを硬化する際の初期強度が低下する傾向にある。そのため、高炉セメントの場合であっても、OPCの単独使用の場合と同程度の強度を発現させるための方法が種々検討されている。
例えば、水酸化カルシウム微粉末を更に添加する方法(例えば、非特許文献1)、及び、CS含有量の大きなポルトランドセメントクリンカを用いて高炉セメントを製造する方法(例えば、非特許文献2)等が報告されている。その他、セメント組成物の初期強度の改善策として、水酸化カルシウム微粉末以外の無機系促進剤又は有機系促進剤を使用した検討も行われている。
また、高炉水砕スラグ等の混合比率が高い高炉セメントでは、初期強度を向上させる観点から、石膏を配合する手段がとられている(例えば、非特許文献3)。OPCの単独使用の場合と同程度の強度発現を目指して、石膏の配合量を増加させることに加えて、さらにセメントクリンカの硬化反応を促進させるような促進剤を配合し、初期強度の向上の検討がなされている(例えば、特許文献1)。また、特許文献2には、促進剤を配合しない低炭素コンクリートにおいて、石膏を内添した高炉スラグ粉の方が品質の安定性に優れることが開示されている。
高炉水砕スラグを混合した高炉セメントにおいて、高炉スラグ微粉末の水和反応が亜硝酸塩の使用によって活性化されることが確認されている。特許文献3には、セメントの一部をセメントの代替物としての潜在水硬性を備えた高炉スラグ微粉末に置換したセメント系水硬性組成物において、前記高炉スラグ微粉末の水和反応を活性化するための亜硝酸塩が添加されていることを特徴とするセメント系水硬性組成物が開示されている。
特開2014-125371号公報 特開2016-141614号公報 特開2018-076203号公報
吉賀博章他、「高炉スラグを含有したセメントに及ぼす水酸化カルシウム微粉末の影響」、セメント・コンクリート論文集、2013年、67巻、p.151-156 谷田貝敦他、「高C3Sクリンカーを用いた高炉セメントの諸特性に及ぼす高炉スラグ微粉末の比表面積の影響」、セメント・コンクリート論文集、2013、67巻、p.296-303 坂井悦郎他、「高炉スラグ高含有セメントの水和に及ぼす亜硝酸カルシウムとアルカノールアミンの影響」、セメント・コンクリート論文集、2019、73巻、p.52-57
水硬性組成物に対して、水、混和剤及び骨材を配合したコンクリート組成物において、圧縮強度を向上させる手段として、配合する水量を減少させる(水/セメント比を低減させる)方法が一般的に知られている。しかし、配合する水量を減少させるとコンクリート組成物中のアルカリ刺激材の粒子間距離が小さくなるため、流動性の確保が難しくなり、コンクリートの施工性を悪化させる要因となり得る。このため、圧縮強度と流動性とのバランスを取る観点から、圧縮強度の増加のみを目的とした水量の減少には限界がある。配合する水量の調整以外の方法で、圧縮強度を向上できる手段があれば有用である。
また、高炉水砕スラグ等の混合比率が高い高炉セメントにおいて、上述のように、石膏及び促進剤の併用を行った場合であっても、促進剤の添加によって期待し得るような圧縮強度の向上が達成されない場合がある。例えば、促進剤を併用して調製された高炉セメントを硬化した場合、促進剤を添加しない場合に比べて初期強度の向上は見られるものの、材齢が延びた際に強度が期待されるほど発揮されないことが生じ得る。
本開示は、高炉水砕スラグの混合比率が比較的高いコンクリート組成物であって、コンクリート施工のために十分な流動性を有し、且つ、初期及び長期の双方において優れた圧縮強度を発揮し得るコンクリート組成物を提供することを目的とする。本開示はまた、高炉水砕スラグの混合比率が比較的高いコンクリート組成物の初期及び長期の双方における圧縮強度の増進方法を提供することを目的とする。
上述の課題に対して本発明者らが検討したところ、それぞれ、初期強度向上のために有益とされている、石膏の配合量を増加させること、及び促進剤を配合することが、両者を併用する場合においては、石膏が促進剤の作用を阻害し得ること、当該阻害作用が促進剤全般に影響を及ぼし得ること、及び高炉水砕スラグの硬化促進を意図したアルカリ土類金属の亜硝酸塩に対して強く影響すること等を見出した。
より具体的に説明する。水硬性組成物における石膏は、アルカリ刺激材の反応性を制御し、水硬性組成物の水和反応を調整するための成分であるが、高炉水砕スラグ中に含まれる成分(Ca、Al等)とも反応し、溶解性の低いエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)を生成し得る。当該エトリンガイトは高炉水砕スラグの粒子表面を覆い、高炉水砕スラグの溶解を抑制し、反応速度を低下させる。特に、促進剤を含む水硬性組成物の場合、促進剤によって、反応初期において高炉水砕スラグの溶解及び反応が促進されるものの、同一系内に多量に存在する石膏との反応による上述のエトリンガイト生成も促進される。つまり、促進剤を含まない場合に比べて、上述のようなエトリンガイト生成の反応等が促進され、その生成量が過剰になることで、むしろ高炉水砕スラグの反応が抑制され得る。ここで、一般には、エトリンガイト生成によって、結合水を増加させ、空隙の減少が硬化反応初期に起こすことが可能であることから、強度増進のために、石膏の配合量を増加せることが有益であると考えられている。しかし、促進剤と併用した場合にむしろ石膏の配合量が悪影響を及ぼし得ることを見出し、促進剤との併用系において石膏の含有量を従来の技術常識に反して低減することによって、得られる水硬性組成物が、初期及び長期の双方において優れた圧縮強度発揮し得るとの新たな知見を得た。本開示は、これらの新規知見に基づいてなされたものである。
本開示の一側面は、水硬性組成物、水、減水剤、細骨材、及び粗骨材を含む、コンクリート組成物であって、上記水硬性組成物は、アルカリ刺激材及び高炉水砕スラグを含むセメントと、促進剤と、を含有し、上記高炉水砕スラグの含有量は、上記セメントの全量を基準として、40.0~95.0質量%であり、上記セメントにおける石膏の含有量が、SO換算で、0.05~1.70質量%であり、上記促進剤の含有量が、上記セメントの100質量部に対して、0.2~10.0質量部であり、上記水硬性組成物の含有量は250~600kg/mであり、上記水硬性組成物の含有量に対する上記水の含有量は0.25~0.60であり、上記減水剤の含有量は、上記水硬性組成物100質量%を基準として、0.5~3.0質量%である、コンクリート組成物を提供する。
上記コンクリート組成物は、水硬性組成物における石膏の含有量を低く抑えて促進剤との併用系とすることによって、石膏による促進剤の硬化促進効果の阻害を低減し得る。このような作用によって、高炉水砕スラグの混合量が比較的多い水硬性組成物を用いた場合でも、コンクリート組成物を硬化させた際の、初期及び長期の双方において、優れた圧縮強度を発揮させ得る。
上記減水剤は、高性能AE減水剤を含んでよい。
上記高炉水砕スラグの含有量と、上記石膏の含有量とが、下記式(1)の関係を満たしてよい。下記式(1)の関係を満たすように、上記高炉水砕スラグの含有量と、上記石膏の含有量とが調整されていることによって、コンクリート組成物を硬化させた際の初期及び長期における圧縮強度をより高水準で両立し得る。
[石膏の含有量]≦1.5-2.0([高炉水砕スラグの含有量]-60)/100…式(1)
上記促進剤が、アルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩からなる群より選択される少なくとも一種を含有してよい。促進剤が上述の促進剤を含有することで、高炉水砕スラグの反応性をより向上させることができる。
上記促進剤が、一価の陰イオンを有する塩を含有してよい。促進剤が一価の陰イオンの塩を含有することで、高炉水砕スラグの表面での水和物の形成が調整され、高炉水砕スラグの反応性を更に向上させることができる。
上記促進剤が、カルシウム塩を含有してよい。促進剤がカルシウム塩を含有することで、水硬性組成物と水とを接触させて形成される水溶液中のカルシウムイオン(Ca2+)濃度を向上させ、硬化体の主要成分となるカルシウムシリケート水和物(C-S-H)の生成を促進することができ、コンクリート組成物を硬化させた際の初期の圧縮強度により優れる。
上記促進剤が、亜硝酸塩、硝酸塩、及び塩化物からなる群より選択される少なくとも一種を含有してよい。促進剤が上述の促進剤を含有することで、コンクリート組成物を硬化させた際の初期の圧縮強度により優れる。
上記アルカリ刺激材が、ポルトランドセメントクリンカ、消石灰、及び生石灰からなる群より選択される少なくとも1種を含有してよい。アルカリ刺激材が上述の成分を含有することで、上記高炉水砕スラグの水和反応を促進し、コンクリート組成物における硬化反応をより促進できる。
上記石膏が、二水石膏、及び半水石膏からなる群より選択される少なくとも一種を含有してよい。石膏が二水石膏、及び半水石膏の少なくとも一方を含有することで、アルカリ刺激材(例えば、ポルトランドセメントクリンカ)及び高炉水砕スラグの初期の反応促進を更に促すことができる。なお、石膏としては、無水石膏、二水石膏、及び半水石膏のいずれかの石膏が考えられるところ、本開示に係るコンクリート組成物において、二水石膏及び半水石膏の少なくとも一方を含有する場合に、上記効果が顕著であるのは、以下の理由によると考えられる。すなわち、二水石膏及び半水石膏は、無水石膏に比べて溶解速度が速く、硬化反応のより早い時期に、アルカリ刺激材及び高炉水砕スラグの反応に寄与することができるため、二水石膏及び半水石膏の少なくとも一方を含有する場合に効果が顕著に得られ得る。特に本開示に係る水硬性組成物のように石膏の含有量が低減された系においては、上述の違いが顕著に確認される。
上記高炉水砕スラグの塩基度が1.75未満であってよい。上記水硬性組成物は石膏の含有量を低減することで促進剤による効果を十分に引き出すことが可能であることから、一般には初期強度向上の観点から使用が控えられるような高炉水砕スラグ、いわゆる低品位スラグであっても使用することができる。上記水硬性組成物においては、低品位スラグに分類され得る、塩基度が1.75未満の高炉水砕スラグを使用することができ、この場合でも、コンクリート組成物を硬化させた際の初期及び長期の双方において優れた圧縮強度発揮し得る。
上記高炉水砕スラグの塩基度が、1.75~1.95であってよい。高炉水砕スラグの塩基度が上記範囲内であることで、高炉水砕スラグの潜在水硬性をより十分に発揮でき、強度発現性に優れるコンクリートを製造することができる。なお、一般的には、塩基度が低いと高炉水砕スラグの反応性能及び強度発現性能が低下することが知られるが、本開示に係る水硬性組成物においては、塩基度が低くい高炉水砕スラグを使用した場合であっても、塩基度を上述の範囲に調整することで、より優れた強度発現性能を発揮し得るコンクリート組成物とすることができる。
上記高炉水砕スラグにおける酸化アルミニウムの含有量が14.5質量%以下であってよい。高炉水砕スラグとして、酸化アルミニウム含有量が比較的低いものを使用することで、高炉水砕スラグの反応を抑制し得るエトリンガイトの生成量をより抑制し、より長期間に亘って、高炉水砕スラグの反応を増進することができる。また、酸化アルミニウム含有量が比較的低い高炉水砕スラグを用いることによって、促進剤の使用量を低減することも可能であり、コンクリート製造に要するコストをより低減し得る。
上記高炉水砕スラグの含有量が、上記セメントの全量を基準として、60~95質量%であってよい。上記水硬性組成物は石膏の含有量を低減することで促進剤による効果を十分に引き出すことが可能であることから、一般には、実用の観点からあまり流通しないような、高炉水砕スラグを高配合した組成であっても、従来の高炉セメントよりも優れた圧縮強度を発揮し得る。
本開示の一側面は、アルカリ刺激材、及び高炉水砕スラグを含み、上記高炉水砕スラグの含有量が40.0~95.0質量%であるセメントを含む組成物について、セメントにおける石膏の含有量を測定し、上記セメントにおける石膏の含有量を、SO換算で、0.05~1.70質量%に調整すること、上記組成物における促進剤の含有量を測定し、促進剤の含有量を、上記セメントの100質量部に対して、0.2~10.0質量部となるように調整すること、及び、上記組成物に対して、水、減水剤、細骨材、及び粗骨材を、上記組成物の配合量が250~600kg/mとなり、上記組成物の配合量に対する上記水の配合量は0.25~0.60となり、且つ上記減水剤の含有量が、上記組成物100質量%を基準として、0.5~3.0質量%となるように、配合すること、を含む、コンクリート組成物の圧縮強度増進方法を提供する。
上記コンクリート組成物の圧縮強度増進方法は、まず所定のセメントを含む組成物に対して、セメントにおける石膏量、及び組成物における促進剤の含有量を調整し、更に水、減水剤、細骨材及び粗骨材を所定量となるように配合することによって、得られるコンクリート組成物を硬化させた際の圧縮強度を増進させることができる。
上記圧縮強度増進方法において、上記組成物が促進剤を含んでもよい。組成物が予め促進剤を含んでいる場合、すなわちそれ自体が水硬性組成物であっても上記圧縮強度増進方法を適用することができる。
本開示によれば、高炉水砕スラグの混合比率が比較的高いコンクリート組成物であって、コンクリート施工のために十分な流動性を有し、且つ、初期及び長期の双方において優れた圧縮強度を発揮し得るコンクリート組成物を提供できる。本開示によればまた、高炉水砕スラグの混合比率が比較的高いコンクリート組成物の初期及び長期の双方における圧縮強度の増進方法を提供できる。
以下、本開示の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。なお、以下の説明では、「X~Y」(X、Yは任意の数字)と記載した場合、特に断らない限り「X以上Y以下」を意味する。
本明細書において例示する材料は特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
[コンクリート組成物]
コンクリート組成物の一実施形態は、水硬性組成物、水、減水剤、細骨材、及び粗骨材を含む。上記コンクリート組成物において、上記水硬性組成物の含有量は250~600kg/mである。上記コンクリート組成物において、上記水硬性組成物の含有量に対する上記水の含有量は0.25~0.60である。上記コンクリート組成物において、上記減水剤の含有量は、上記水硬性組成物100質量%を基準として、0.5~3.0質量%である。本開示に係るコンクリート組成物は、フレッシュコンクリートであってよい。本明細書におけるフレッシュコンクリートとは、練混ぜ直後から凝結・硬化に至るまでの流動性を有するコンクリートのことを意味する。コンクリート組成物の各成分について、以下に説明する。
上記水硬性組成物は、アルカリ刺激材及び高炉水砕スラグを含むセメントと、促進剤と、を含有する。上記水硬性組成物において、上記高炉水砕スラグの含有量は、上記セメントの全量を基準として、40.0~95.0質量%であり、上記セメントにおける石膏の含有量が、SO換算で、0.05~1.70質量%であり、上記促進剤の含有量が、上記セメントの100質量部に対して、0.2~10.0質量部である。
本明細書におけるセメントとは、アルカリ刺激剤がセメントクリンカを含む場合に限らず、高炉水砕スラグを主成分とし、これにアルカリ刺激材を含有させた粉体(場合によって、石膏を更に含有させた粉体)を意味する。上記セメントは、アルカリ刺激材、高炉水砕スラグ、及び石膏からなってもよい。
アルカリ刺激材は、高炉水砕スラグの硬化反応を刺激し、水硬性組成物の硬化反応を促進する成分である。アルカリ刺激材は、例えば、ポルトランドセメントクリンカ、消石灰、及び生石灰からなる群より選択される少なくとも1種を含有してよく、ポルトランドセメントクリンカ、消石灰、及び生石灰のいずれか一種であってよく、ポルトランドセメントクリンカであってよい。
ポルトランドセメントクリンカは、JIS R 5210:2003「ポルトランドセメント」に規定の各種ポルトランドセメントを調製するため使用されるポルトランドセメントクリンカを使用することができる。上記各種ポルトランドセメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、及び低熱ポルトランドセメント等が挙げられる。ポルトランドセメントクリンカとしては、普通ポルトランドセメント及び早強ポルトランドセメントを調製するために使用されるポルトランドセメントクリンカであってよい。
ポルトランドセメントクリンカの鉱物組成はBogue式によって算出することができる。ここで、Bogue式とは、化学組成の含有比率からポルトランドセメントクリンカ中の主要鉱物の含有率を算定する式として広く用いられる式である。以下に示すBogue式を用いることによって、ポルトランドセメントクリンカ中のケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO,CSで示す。)、ケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO,CSで示す。)、及びアルミン酸三カルシウム(3CaO・Al,CAで示す。)の含有量を算出することができる。なお、下記式中の「%」は「質量%」を意味する。化学式は、JIS R 5204:2019「セメントの蛍光X線分析方法」による化学分析値が示す各化合物の含有比率(質量%)を表す。
<Bogue式>
S[%]=(4.07×CaO[%])-(7.60×SiO[%])-(6.72×Al[%])-(1.43×Fe[%])-(2.85×SO[%])
S[%]=(2.87×SiO[%])-(0.754×CS[%])
A[%]=(2.65×Al[%])-(1.69×Fe[%])
AF[%]=3.04×Fe[%]
ポルトランドセメントクリンカにおけるCA量は、好ましくは0.5~11.0質量%、より好ましくは0.5~10.5質量%、さらに好ましくは0.5~10.0質量%以下、特に好ましくは0.5~9.5質量%であってよい。ポルトランドセメントクリンカにおけるCA量が上記範囲内であることによって、水硬性組成物における水和反応を抑制するための石膏量をより低減することが可能であり、また高炉水砕スラグの水和反応をより十分に発揮させることができる。
ポルトランドセメントクリンカの粉末度は、水硬性組成物における水和反応の性能をより向上させる観点から調整してよい。ポルトランドセメントクリンカのブレーン比表面積の下限値は、例えば、2800cm/g以上、又は3000cm/g以上であってよい。ポルトランドセメントクリンカのブレーン比表面積の下限値を上記範囲内とすることで、高炉水砕スラグとの水和反応をより増進させることができる。ポルトランドセメントクリンカのブレーン比表面積の上限値は、例えば、10000cm/g以下、5000cm/g以下、4000cm/g以下、又は3500cm/g以下であってよい。ポルトランドセメントクリンカのブレーン比表面積の上限値を上記範囲内とすることで、水硬性組成物の製造コストを低減することができ、またポルトランドセメントクリンカの製造におけるCO排出量をより低減することができる。ポルトランドセメントクリンカのブレーン比表面積は上述の範囲内で調整してよく、例えば、2800~10000cm/g、3000~5000cm/g、3000~4000cm/g、又は3000~3500cm/gであってよい。
高炉水砕スラグは、例えば、市販のものを使用してもよく、高炉水砕スラグに相当するスラグを自ら調製して使用してもよい。上述の水硬性組成物は、セメントにおける石膏量を調整することによって、促進剤の能力を十分に発揮させ得るものであることから、高炉水砕スラグの品質によらず、硬化によって、石膏の含有量が比較的多い従前の水硬性組成物に比べて、コンクリート組成物を調製し硬化させた際に優れた圧縮強度を発揮し得る。
高炉水砕スラグにおける酸化アルミニウムの含有量(Al量とも表記する)の上限値は、例えば、14.5質量%以下、14.0質量%以下、13.5質量%以下、13.0質量%以下、又は12.5質量%以下であってよい。高炉水砕スラグにおけるAl量が上記範囲内であることで、得られるコンクリート組成物を硬化させた際の長期の強度発現性が低下することをより抑制できる。高炉水砕スラグにおけるAl量の下限値は、例えば、8質量%以上、10質量%以上、又は12質量%以上であってよい。高炉水砕スラグにおけるAl量の下限値が上記範囲内であることで、高炉水砕スラグの有する潜在水硬性をより十分に発揮できる。なお、潜在水硬性とは、アルカリ刺激材を添加することで水和反応を開始する特性のことを意味する。高炉水砕スラグにおけるAl量は上述の範囲内で調整してよく、例えば、8~14.5質量%、又は10~12.5質量%であってよい。
高炉水砕スラグにおける二酸化ケイ素の含有量(SiO量とも表記する)の下限値は、例えば、30.0質量%以上、34.0質量%以上、34.5質量%以上、又は35.0質量%以上であってよい。高炉水砕スラグのSiO量の下限値が上記範囲内であることで、初期及び長期の強度発現性の低下を抑制できる。高炉水砕スラグのSiO量の上限値は、例えば、40.0質量%以下、38.0質量%以下、36.5質量%以下、又は35.5質量%以下であってよい。高炉水砕スラグのSiO量の上限値が上記範囲内であることで、初期の強度発現性の低下を抑制できる。高炉水砕スラグのSiO量は上述の範囲内で調整してよく、例えば、34.5~40.0質量%であってよい。
高炉水砕スラグにおける酸化カルシウムの含有量(CaO量とも表記する)の下限値は、例えば、35.0質量%以上、38.5質量%以上、又は40.0質量%以上であってよい。高炉水砕スラグのCaO量の下限値が上記範囲内であることで、初期の強度発現性をより向上させることができる。高炉水砕スラグのCaO量の上限値は、例えば、45.0質量%以下、43.5質量%以下、43.0質量%以下、42.5質量%以下、42.0質量%以下又は41.5質量%以下であってよい。高炉水砕スラグのCaO量の上限値が上記範囲内であることで、長期の強度発現性の低下を抑制できる。高炉水砕スラグのCaO量は上述の範囲内で調整してよく、例えば、38.5~45.0質量%であってよい。
高炉水砕スラグにおける酸化マグネシウムの含有量(MgO量とも表記する)の下限値は、例えば、4.0質量%以上、5.0質量%以上、5.5質量%以上、6.0質量%以上、7.0質量%以上、又は7.2質量%以上であってよい。高炉水砕スラグのMgO量の下限値が上記範囲内であることで、コンクリート組成物を硬化させた際の初期及び長期の強度発現性の低下を抑制できる。高炉水砕スラグのMgO量の上限値は、例えば、10.0質量%以下、9.0質量%以下、7.5質量%未満、又は7.4質量%未満であってよい。高炉水砕スラグのMgO量の上限値が上記範囲内であることで、コンクリート組成物を硬化させた際の初期の強度発現性の低下を抑制できる。高炉水砕スラグのMgO量は上述の範囲内で調整してよく、例えば、4.0~10.0質量%であってよい。
高炉水砕スラグは、その他の成分として、例えば、三酸化硫黄(SO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カリウム(KO)、及び酸化チタン(TiO)等を含んでよい。
本明細書における高炉水砕スラグの化学組成は、JIS R 5202:2015「セメントの化学分析方法」の記載に準拠して測定した値を意味する。
高炉水砕スラグの反応性は、(CaO+MgO+Al)/SiOの値(高炉水砕スラグにおける二酸化ケイ素の含有量に対する、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及び酸化アルミニウムの合計含有量の比)で表される塩基度という指標で評価される。高炉水砕スラグとしては、塩基度が高いものを使用してもよく、塩基度が低いものを使用することもできる。
塩基度が高い高炉水砕スラグとしては、例えば、塩基度が1.75以上のものを使用できる。高炉水砕スラグの塩基度の上限値は、例えば、1.95以下、1.95未満、1.90未満、1.85未満、又は1.80未満であってよい。高炉水砕スラグの塩基度の下限値は、例えば、1.75超、又は1.78以上であってよい。塩基度の下限値が上記範囲内であることで、コンクリート組成物を硬化させた際の初期強度の向上をより容易なものとし得る。高炉水砕スラグの塩基度は上述の範囲内で調整でき、例えば、1.75~1.95、又は1.75以上1.80未満等であってよい。
上述の水硬性組成物においては、高炉水砕スラグとして塩基度が低いものも使用できる。塩基度の低い高炉水砕スラグは、通常、十分な圧縮強度を得難いことから、低品位のスラグとして使用が控えられることが多いが、上述の水硬性組成物においては促進剤の効果に対する阻害作用を抑制し得ることから、上記低品位のスラグであっても使用できる。このような低品位の高炉水砕スラグとしては、塩基度の上限値が、例えば、1.75未満、1.70未満、又は1.65未満であってよい。低品位の高炉水砕スラグの塩基度の下限値は、特に限定されるものではないが、例えば、1.55以上、又は1.60以上、又は1.65以上であってよい。低品位の高炉水砕スラグの塩基度は上述の範囲内で調整してよく、例えば、1.55以上1.75未満であってよい。
本明細書における塩基度は、JIS A 6206:2013「コンクリート用高炉スラグ微粉末」の記載に準拠して測定される値であり、具体的には、(CaO+MgO+Al)/SiOの値(二酸化ケイ素の含有量に対する、酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムの合計含有量の比)を意味する。
高炉水砕スラグのブレーン比表面積は、例えば、2500~10000cm/g、2500~8000cm/g、2500~6000cm/g、2500~5000cm/g、3000~5000cm/g、4000~5000cm/g、又は4000~4500cm/gであってよい。
本明細書における「ブレーン比表面積」は、JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に記載の方法に準拠して測定される値を意味する。
上記高炉水砕スラグの含有量は、上記セメントの全量を基準として、40.0~95.0質量%であることから、コンクリート組成物の製造に係るCO発生量の抑制に寄与し得る。上述の水硬性組成物は、セメント中の石膏量を抑制し、促進剤の併用による硬化促進効果を発揮し得ることから、コンクリート組成物を硬化させた際の圧縮強度の著しい低下を抑制することができ、セメントにおける高炉水砕スラグによる代替割合を高めることができる。
高炉水砕スラグの含有量の下限値は、上記セメントの全量を基準として、例えば、45.0質量%以上、45.0質量%超、50.0質量%以上、55.0質量%以上、60.0質量%以上、65.0質量%以上、又は70.0質量%以上であってよい。高炉水砕スラグの含有量の下限値が上記範囲内であることで、アルカリ刺激材の使用量をより低減することができる。高炉水砕スラグの含有量の上限値は、上記セメントの全量を基準として、例えば、95.0質量%未満、90.0質量%以下、85.0質量%以下、又は80.0質量%以下であってよい。高炉水砕スラグの含有量の上限値が上記範囲内であることで、初期強度の低下をより抑制することができ、促進剤を併用することによる効果を更に向上できる。高炉水砕スラグの含有量は上述の範囲内で調整してよく、上記セメントの全量を基準として、45.0~95.0質量%、60.0~95.0質量%、又は60.0~90.0質量%であってよい。
本明細書における高炉水砕スラグの含有量は、以下に示す方法によって特定される値を意味する。具体的には、まず、水硬性成物を900℃で1時間加熱して高炉水砕スラグ(ガラス)を結晶化させた測定サンプルを調製する。その後、上記測定サンプルに対するX線回折測定を行い、リートベルト解析法によって、上記測定サンプル中の各結晶相を定量することによって、ゲーレナイト、及びメルビナイト等を高炉水砕スラグが結晶化してできた結晶相として定量し、これらの合計量を高炉水砕スラグの含有量とする。なお、自身で水硬性組成物を製造する場合には、製造過程で投入する高炉水砕スラグの配合量(計量値)が、上記含有量に相当する。
本開示に係る水硬性組成物において、上記セメント中の石膏の含有量が比較的低く抑えられている。上記セメントにおける石膏の含有量は、SO換算で、0.05~1.70質量%である。石膏の含有量が上記範囲内であることによって、石膏によるコンクリート組成物の硬化に伴う圧縮強度の向上効果を発揮しつつ、促進剤によるコンクリート組成物の硬化に伴う圧縮強度の向上効果を阻害する作用を低減することができる。
セメントにおける石膏の含有量の上限値は、SO換算で、例えば、1.6質量%以下、1.5質量%以下、1.4質量%以下、1.3質量%以下、1.2質量%以下、1.0質量%以下、又は0.8質量%以下であってよい。石膏の含有量の上限値が上記範囲内であることで、促進剤を配合した水硬性組成物においてより優れた強さ発現性を発揮できる。セメントにおける石膏の含有量の下限値は、SO換算で、例えば、0.10質量%以上、0.20質量%以上、0.30質量%以上、0.40質量%以上、又は0.50質量%以上であってよい。石膏(SO)の含有量の下限値を上記範囲内とすることで、セメントの水和反応をより好適なものとし、水と練り混ぜているコンクリート組成物の流動性をより向上し、硬化させた際の初期強度発現性をより向上できる。セメントにおける石膏の含有量は上述の範囲内で調整してよく、例えば、0.10~1.5質量%、又は0.50~1.3質量%であってよい。
本明細書における石膏の含有量は、アルカリ刺激材及び高炉水砕スラグに含まれ得る石膏成分に加えて、セメントに対して配合される石膏成分等の合計量を意味する。本明細書における石膏の含有量は、以下に示す方法によって特定される値を意味する。石膏の含有量は、具体的には、JIS R 5202:2015「セメントの化学分析方法」に規定されるSOの分析方法に準拠して測定するものとする。
石膏は、例えば、二水石膏、半水石膏、及び無水石膏等を使用することができる。石膏は、二水石膏、及び半水石膏からなる群より選択される少なくとも一種を含有してよく、二水石膏、及び半水石膏からなる群より選択される一種であってもよい。
上記セメントのブレーン比表面積は、例えば、2800~10000cm/gであってよい。また上記セメントを構成するアルカリ刺激材がポルトランドセメントクリンカを含む場合、ポルトランドセメントクリンカと、高炉水砕スラグと、石膏とを同時に粉砕し、セメントとしてもよい。同時に粉砕する場合、上記セメントのブレーン比表面積の下限値は、例えば、2800cm/g以上、又は3000cm/g以上であってよい。セメントのブレーン比表面積の下限値を上記範囲内とすることで、高炉水砕スラグとの水和反応をより増進させることができる。上記セメントのブレーン比表面積の上限値は、例えば、10000cm/g以下、5000cm/g以下、4000cm/g以下、又は3500cm/g以下であってよい。
促進剤は、高炉水砕スラグの反応を促進し、初期強度を向上させる化合物である。
促進剤は、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩からなる群より選択される少なくとも一種を含有してよい。促進剤が、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩を含むことによって、高炉水砕スラグの反応性をより向上させることができる。アルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、及びカリウム等であってよく、アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム、及びカルシウム等であってよい。水和物の生成促進、及び圧縮強度の向上の観点から、アルカリ土類金属は、カルシウムを含むことが好ましく、カルシウムであることがより好ましい。
促進剤は一価の陰イオンを有する塩を含有してよく、またカルシウム塩を含有してよい。促進剤が亜硝酸塩、硝酸塩、及び塩化物からなる群より選択される少なくとも一種を含有してよく、好ましくは亜硝酸塩を含有する。促進剤が亜硝酸塩を含むことによって、コンクリート組成物を硬化させた際の初期強度をより向上させることができる。促進剤が亜硝酸塩を含むことによって、コンクリート組成物を硬化させた際の水和に伴う発熱量を低減することもできる。
促進剤は、より具体的には例えば、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化ナトリウム、及び塩化カリウム等が挙げられる。促進剤は、上述の化合物の中でも、好ましくはアルカリ金属の亜硝酸塩を含有し、より好ましくは亜硝酸カルシウムを含有し、更に好ましくは亜硝酸カルシウムである。
促進剤の含有量の上限値は、上記セメントの100質量部に対して、例えば、10.0質量部以下、8.0質量部以下、6.0質量部以下、5.0質量部以下、4.0質量部以下、3.5質量部以下、又は3.3質量部以下であってよい。促進剤の含有量の上限値が上記範囲内であることで、高炉水砕スラグ等の反応が過度に促進された場合の異常凝結の発生をより確実に抑制できる。促進剤の含有量の下限値は、上記セメントの100質量部に対して、例えば、0.2質量部以上、0.3質量部以上、0.5質量部以上、1.0質量部以上、2.0質量部以上、又は2.5質量部以上であってよい。促進剤の含有量の下限値が上記範囲内であることで、高炉水砕スラグの反応をより促進することができる。促進剤の含有量は上述の範囲内で調整してよく、上記セメントの100質量部に対して、例えば、0.2~10.0質量部、0.3~5.0質量部、又は0.5~3.5質量部であってよい。
上述の水硬性組成物において、上記高炉水砕スラグの含有量と、上記石膏の含有量とが、下記一般式(X)の関係を満たしてよい。下記一般式(X)において、石膏の含有量は、セメント中の石膏の含有量[単位:質量%]であり、SO換算値である。また下記一般式(X)において、高炉水砕スラグの含有量は、セメントの全量を基準とした含有量[単位:質量%]である。また、下記一般式(X)において、Aは定数であり、例えば、1.5以下であってよい。定数Aはより小さい値である一般式(X)の関係を上記高炉水砕スラグの含有量と上記石膏の含有量とが満たすことで、本開示に係る効果をより顕著なものとすることができる。例えば、定数Aは、例えば、1.5,1.0,0.8,又は0.6であってよい。参考のため、定数Aが1.5の場合の式を以下に記載する(式(1)参照)。
[石膏の含有量]≦A-2.0([高炉水砕スラグの含有量]-60)/100…一般式(X)
[石膏の含有量]≦1.5-2.0([高炉水砕スラグの含有量]-60)/100…式(1)
水としては、例えば、水道水、蒸留水、及び脱イオン水等が挙げられる。水の含有量は、上述の水硬性組成物の100質量部に対して、20~100質量部、又は25~60質量部であってよい。
本開示に係るコンクリート組成物は上述の水硬性組成物を含むことから、優れた圧縮強度を発揮させるために水の含有量を低下させることは必ずしも必要ではない。水/セメント比(100×水質量/セメントの質量)の上限値は、例えば、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、又は45質量%以下であってよい。水/セメント比の上限値が上記範囲内であることで、コンクリート組成物を硬化させた際の圧縮強度をより向上させることができる。水/セメント比の下限値は、例えば、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上であってよい。水/セメント比の下限値が上記範囲内であることで、フレッシュコンクリートにおける流動性をより向上させることができ、コンクリート施工における作業性をより向上させることができる。
細骨材は、JIS A 5005:2020「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の細骨材等を用いることができる。細骨材としては、例えば、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、銅スラグ細骨材、及び電気炉酸化スラグ細骨材等が挙げられる。細骨材を使用する場合、細骨材の使用量は、上述の水硬性組成物の100質量部に対して、例えば、50~500質量部、100~300質量部、又は200~250質量部であってよい。
粗骨材は、JIS A 5005:2020「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の粗骨材等を用いることができる。粗骨材としては、例えば、砂利、及び砕石等が挙げられる。粗骨材を使用する場合、粗骨材の使用量は、上述の水硬性組成物の100質量部に対して、例えば、50~500質量部、100~300質量部、又は200~250質量部であってよい。
細骨材及び粗骨材を併用することもできるが、この場合、細骨材及び粗骨材の合計の使用量は、上述の水硬性組成物の100質量部に対して、100~300質量部、又は200~250質量部であってよい。
細骨材率の下限値は、例えば、40容量%以上、43容量%以上、45容量%以上、又は47容量%以上であってよい。細骨材率の下限値を上記範囲内とすることで、フレッシュコンクリートにおける材料分離抵抗性を向上できる。細骨材率の上限値は、例えば、56容量%以下、54容量%以下、52容量%以下、又は50容量%以下であってよい。細骨材率の上限値を上記範囲内とすることで、フレッシュコンクリートにおける流動性をより向上させることができ、コンクリート施工における作業性をより向上させることができる。
粗骨材かさ容積の下限値は、例えば、0.500m/m以上、0.520m/m以上、0.540m/m以上、又は0.560m/m以上であってよい。粗骨材かさ容積の下限値が上記範囲内であることで、フレッシュコンクリートにおける流動性をより向上させることができ、コンクリート施工における作業性をより向上させることができる。粗骨材かさ容積の上限値は、例えば、0.620m/m以下、0.600m/m以下、0.580m/m以下、又は0.565m/m以下であってよい。粗骨材かさ容積の上限値が上記範囲内であることで、フレッシュコンクリートにおける材料分離抵抗性を向上できる。
減水剤としては、例えば、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等が挙げられる。AE減水剤及び高性能AE減水剤としては、標準形、遅延形及び促進形のいずれも用いることができるが、遅延形を用いること好ましい。AE減水剤及び高性能AE減水剤としてはまた、I種、II種及びIII種のいずれも用いることができるが、I種を用いることが好ましい。減水剤は、高性能AE減水剤を含んでよく、高性能AE減水剤であってよい。
減水剤の含有量は、上述の水硬性組成物の100質量%に対して、0.5~3.0質量%である。減水剤の含有量の下限値は、上述の水硬性組成物の100質量%に対して、例えば、0.6質量%以上、0.7質量%以上、又は0.8質量%以上であってよい。減水剤の含有量の下限値が上記範囲内であることで、フレッシュコンクリートにおける流動性をより向上させることができる。減水剤の含有量の上限値は、上述の水硬性組成物の100質量%に対して、例えば、1.5質量%以下、1.2質量%以下、1.0質量%以下、又は0.9質量%以下であってよい。減水剤の含有量の上限値が上記範囲内であることで、フレッシュコンクリートにおける流動性を損なうことなく、材料分離抵抗性を付与できる。
減水剤以外のその他の混和剤は、例えば、AE剤、流動化剤、消泡剤、収縮低減剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、増粘剤、硅石粉、その他カルシウムを含む無機粉末、フライアッシュ、SiやAlを含む無機鉱物等が挙げられる。その他の混和剤の使用量は、上述の水硬性組成物の100質量%に対して、例えば、0.01~2質量%であってよい。
上述のコンクリート組成物は硬化させることで、圧縮強度に優れるコンクリート硬化体を与えることができる。コンクリート組成物と、コンクリート硬化体とでは、その組成に変化がない。つまり、本開示は、コンクリート硬化体として、水硬性組成物、水、減水剤、細骨材、及び粗骨材を含み、上記水硬性組成物が、アルカリ刺激材及び高炉水砕スラグを含むセメントと、促進剤と、を含有し、上記高炉水砕スラグの含有量が、上記セメントの全量を基準として、40.0~95.0質量%であり、上記セメントにおける石膏の含有量が、SO換算で、0.05~1.70質量%であり、上記促進剤の含有量が、上記セメントの100質量部に対して、0.2~10.0質量部であり、上記水硬性組成物の含有量が250~600kg/mであり、上記水硬性組成物の含有量に対する上記水の含有量が0.25~0.60であり、上記減水剤の含有量が、上記水硬性組成物100質量%を基準として、0.5~3.0質量%である、コンクリート硬化体を提供するといえる。
[コンクリート組成物の製造方法]
上述のコンクリート組成物は、例えば、以下のような方法によって製造することができる。コンクリート組成物の製造方法の一実施形態は、上述の水硬性組成物、細骨材、及び粗骨材を含む混合物に対して、減水剤及び水を配合して混練工程(混練工程)を有する。上記混練工程において、水、減水剤、細骨材、及び粗骨材を、上記水硬性組成物の配合量が250~600kg/mとなり、上記水硬性組成物の配合量に対する上記水の配合量が0.25~0.60となり、且つ上記減水剤の含有量が、上記水硬性組成物100質量%を基準として、0.5~3.0質量%となるように、配合する。
上記コンクリート組成物の製造方法においては、予め調製された上述の水硬性組成物を用いてもよく、また以下の方法で水硬性組成物を調製して用いてもよい。すなわち、上記コンクリート組成物の製造方法は、アルカリ刺激材、及び高炉水砕スラグを含む原料を、上記高炉水砕スラグの配合量が40.0~95.0質量%となるように混合してセメントを調製する第一工程と、上記セメントの100質量部に対して、0.2~10.0質量部の促進剤を混合する第二工程と、を更に有してもよい。上記第一工程において、上記セメント中の石膏の含有量を、SO換算で、0.05~1.70質量%に調整することを含む。
第一工程における原料は、アルカリ刺激材及び高炉水砕スラグの混合の他、石膏を配合してもよい。
第一工程においては、原料を構成する各成分を破砕してもよい。第一工程において破砕を行う場合、混合及び破砕の順序は特に限定されるものではない。すなわち、各種成分を混合した後に破砕を行ってもよく、各種成分を破砕した後に混合してもよく、また各種成分の混合と破砕とを同時に行ってもよい。第一工程における各種成分の混合は、例えば、パン型ミキサ、傾胴式ミキサ、及びリボンミキサー等の混合機を用いて行ってよく、ボールミル、竪型ローラーミル、及びローラープレス等の粉砕機を用いて混合粉砕してもよく、又は各種成分のそれぞれを粉砕した後に機械混合機等の混合機で混合してもよい。
第一工程では、上記セメント中の石膏の含有量を、SO換算で、0.05~1.70質量%に調整する。この調整によって、コンクリート組成物における促進剤の硬化促進の作用に対して、石膏が阻害することを抑制することができる。
第一工程における石膏の含有量の調整は、上記高炉水砕スラグの含有量と、上記石膏の含有量とが、下記一般式(X)の関係を満たすように調整してもよい。下記一般式(X)において、石膏の含有量は、セメント中の石膏の含有量[単位:質量%]であり、SO換算値である。また下記一般式(X)において、高炉水砕スラグの含有量は、セメントの全量を基準とした含有量[単位:質量%]である。また、下記一般式(X)において、Aは定数であり、例えば、1.5以下であってよい。定数Aはより小さい値である一般式(X)の関係を上記高炉水砕スラグの含有量と上記石膏の含有量とが満たすことで、本開示に係る効果をより顕著なものとすることができる。例えば、定数Aは、例えば、1.5,1.0,0.8,又は0.6であってよい。参考のため、定数Aが1.5の場合の式を以下に記載する(式(1)参照)。
[石膏の含有量]≦A-2.0([高炉水砕スラグの含有量]-60)/100…一般式(X)
[石膏の含有量]≦1.5-2.0([高炉水砕スラグの含有量]-60)/100…式(1)
第二工程では、セメントと、促進剤とを混合する。混合の手段は第一工程と同一であっても、異なってもよい。第二工程、又は、第一工程及び第二工程以外の工程において、その他の成分を配合してもよい。その他の成分としては、例えば、硅石粉、その他カルシウムを含む無機粉末、フライアッシュ、及びSiやAlを含む無機鉱物等が挙げられる。
[コンクリート組成物の圧縮強度増進方法]
上述の知見を応用することによって、高炉水砕スラグ等の混合比率が高い組成物の圧縮強度を増進する方法を提供することができる。当該方法を適用して得られるコンクリート組成物は、初期及び長期の双方において優れた圧縮強度発揮し得る。コンクリート組成物の圧縮強度増進方法の一実施形態は、アルカリ刺激材、及び高炉水砕スラグを含み、上記高炉水砕スラグの含有量が40.0~95.0質量%であるセメントを含む組成物について、セメントにおける石膏の含有量を測定し、上記セメントにおける石膏の含有量を、SO換算で、0.05~1.70質量%に調整すること、上記組成物における促進剤の含有量を測定し、促進剤の含有量を、上記セメントの100質量部に対して、0.2~10.0質量部となるように調整すること、及び、上記組成物に対して、水、減水剤、細骨材、及び粗骨材を、上記組成物の配合量が250~600kg/mとなり、上記組成物の配合量に対する上記水の配合量は0.25~0.60となり、且つ上記減水剤の含有量が、上記組成物100質量%を基準として、0.5~3.0質量%となるように、配合すること、を含む。
上記圧縮強度増進方法においては促進剤の含有量を調整することから、上記組成物は促進剤を含まなくてもよく、上記組成物が促進剤を含んでいてもよい。
以上、幾つかの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。また、上述した実施形態についての説明内容は、互いに適用することができる。
以下、実施例、比較例、及び参考例を参照して本開示の内容をより詳細に説明する。ただし、本開示は、下記の実施例に限定されるものではない。
[コンクリート組成物の原料]
コンクリート組成物の原料として、以下のものを用いた。
(セメント)
・アルカリ刺激材
アルカリ刺激材であるセメントクリンカを含む成分として、一般に使用される普通ポルトランドセメントを用いた。表1中、普通ポルトランドセメントをOPCと記す。普通ポルトランドセメントの化学組成をJIS R 5202:2015「セメントの化学分析方法」の記載に準拠して測定した。結果を表1に示す。
・高炉水砕スラグ
高炉水砕スラグは、同一事業所で製造されたスラグを使用し、同一スラグとして石膏が添加されていないものをスラグA、石膏が添加されているものをスラグBとする。また、スラグA及びスラグB等の一般的なスラグが示す塩基度に比べて、塩基度が低く、且つ、石膏が添加されていないものをスラグCとする。それぞれの化学組成をJIS R 5202:2015「セメントの化学分析方法」の記載に準拠して測定した。結果を表1に示す。なお、表1中の強熱減量(ig.lоssとも表記する)は、JIS R 5202:2010の「5.強熱減量の定量方法」における「5.2 高炉セメント及び高炉スラグ以外の場合」に記載の方法に準拠し、加熱温度700℃にて測定した値である。
(高炉セメント)
後述する参考例において水硬性組成物のかわりに使用する高炉セメントとして、一般に使用される高炉セメントB種を用いた。表1中、高炉セメントB種をBBと記す。高炉セメントの化学組成をJIS R 5202:2015「セメントの化学分析方法」の記載に準拠して測定した。結果を表1に示す。
(促進剤)
促進剤としては、無機系促進剤を用いた。
・促進剤A:キシダ化学株式会社製の亜硝酸カルシウム・1水和物(粉体)を用いた。
・促進剤B:JIS A 6204:2011「コンクリ-ト用化学混和剤」に適合する市販のコンクリート用硬化促進剤である、亜硝酸・硝酸塩を含有する液体状の促進剤を用いた。
・促進剤C:JIS A 6204:2011「コンクリ-ト用化学混和剤」に適合する市販のコンクリート用硬化促進剤である、硝酸塩を含有する液体状の促進剤を用いた。
(混和剤)
混和剤としては、減水剤及びAE剤を用いた。
・減水剤:JIS A 6204:2011「コンクリ-ト用化学混和剤」の高性能AE減水剤遅延形(I種)に適合する、ポゾリスソリューションズ株式会社製の「マスターイース8050」(商品名、主成分:ポリカルボン酸エーテル系化合物)を用いた。
・AE剤:JIS A 6204:2011「コンクリ-ト用化学混和剤」に適合する、ポゾリスソリューションズ株式会社製の「マスターエア303A」(商品名、主成分:アルキルエーテル系陰イオン界面活性剤)を用いた。
(細骨材)
細骨材としては、海砂(表乾密度:2.57g/m)及び砕砂(表乾密度:2.66g/m)を体積比1:1で混合したものを用いた。
(粗骨材)
粗骨材としては、横川砕石株式会社製の「砕石2005」(商品名、表乾密度:2.70g/m)を用いた。
[コンクリート組成物における水硬性組成物、水、細骨材、及び粗骨材の配合]
水硬性組成物、水、減水剤、細骨材、及び粗骨材を含むコンクリート組成物を調製するに際して、水硬性組成物、水、細骨材、及び粗骨材の配合について、表2に示す。表2では、各成分の配合に加えて、水セメント比(水の単位量/水硬性組成物の単位量で表される値)、細骨材率(細骨材の単位容量/全骨材の単位容量で表される値)、及び粗骨材かさ容積の値も併記した。なお、参考例は、本開示に係る水硬性組成物に変えて高炉セメントを使用した例である。
[コンクリート組成物の組成]
実施例1~4、比較例1~6、及び参考例として調製したコンクリート組成物における、アルカリ刺激材、高炉水砕スラグ、促進剤、混和剤の組成を表3に示す。なお、表3には、後述するフレッシュコンクリートにおける空気量を併記した。
実施例1~3及び比較例1のコンクリート組成物は、石膏が添加されていないスラグAを用いており、石膏相当成分のSO換算量が0.59質量%となっているが、高炉スラグ配合量が70質量部を占めていることから高炉セメントC種相当の組成物といえる。また、比較例2~5のコンクリート組成物については、石膏が添加されたスラグBを用いており、石膏相当成分のSO換算量が1.94質量%となっているが、高炉スラグ配合量が70質量部を占めていることから高炉セメントC種相当の組成物といえる。さらに、実施例4及び比較例6のコンクリート組成物については、石膏が添加されたスラグCを用いており、石膏相当成分のSO換算量が0.67質量%となっているが、高炉スラグ配合量が70質量部を占めていることから高炉セメントC種相当の組成物といえる。
比較例2~5は、石膏の配合量を増加させることで、コンクリート組成物を硬化させて得られる圧縮強度の向上を図る、従来の技術常識にのっとった設計とした。比較例3~5は、更に促進剤を配合によってコンクリート組成物を硬化させて得られる圧縮強度の向上を図る設計とした。
[コンクリート組成物の評価:圧縮強度試験]
実施例1~4、比較例1~6及び参考例で調製したコンクリート組成物のそれぞれについて、後述する方法に沿って、圧縮強度の測定、圧縮強度比の決定、及び評価を行った。結果を表4に示す。
まず、表2及び3に示した配合となるように、水平二軸強制練りミキサ内に、水硬性組成物、細骨材、及び粗骨材を投入し、30秒間、空練りした後、水及び混和剤を加えて120秒間練り混ぜ、5分静置し、フレッシュコンクリートを調製した。コンクリート組成物の練り混ぜは、温度20±2℃、相対湿度60±5%の恒温恒湿室で行った。得られたフレッシュコンクリートにおける空気量を測定した。結果は表3に併記した。空気量の測定は、JIS A 1128「コンクリートの空気量の圧力による試験方法―空気室圧力方法」に記載の方法に準拠して行った。空気量は、いずれのコンクリート組成物についても、4.5±1.0%の範囲に十分に収まっており、得られるコンクリート硬化体は、水分の凍結融解作用に起因する劣化が十分に抑制されると期待し得る(耐当該性に優れるコンクリート硬化体を提供し得る)ことが確認された。
上述のようにして得られたフレッシュコンクリートを、内径:10cm×高さ:20cmの円筒状の型枠に詰め、温度20±2℃、相対湿度60±5%の恒温恒湿室で保管し、1日経過後に脱型し、その後、温度20±2℃の水槽中にて所定の材齢(7日間及び28日間)まで水中養生することで、コンクリート硬化体を得た。得られたコンクリート硬化体を試験体として、圧縮強度を測定した。圧縮強度の測定は、JIS A 1108:2018「コンクリートの圧縮強度試験方法」に記載の方法に準拠して行った。得られた圧縮強度の測定値に基づいて、参考例1の結果を1とした相対値として圧縮強度比を算出した。算出された圧縮強度比に基づいて、下記の基準で評価した。
<圧縮強度比の評価基準>
A:材齢7日目の圧縮強度比が1.00以上であり、且つ材齢28日目の圧縮強度比が1.00以上である。
B:材齢7日目の圧縮強度比が1.00以上であり、且つ材齢28日目の圧縮強度比が0.95以上1.00未満である。
C:材齢7日目の圧縮強度比が0.90以上1.00未満であり、且つ材齢28日目の圧縮強度比が1.00以上である。
D:材齢7日目の圧縮強度比が0.90以上1.00未満であり、且つ材齢28日目の圧縮強度比が0.95以上1.00未満である。
E:材齢7日目の圧縮強度比が0.90未満である、又は材齢28日目の圧縮強度比が0.95未満である。
表4に示されるように、高炉水砕スラグとしてスラグAを用いた、実施例1~3のコンクリート組成物は、促進剤を含有しない比較例1のコンクリート組成物に比べて優れた圧縮強度を発揮することが確認された。高炉水砕スラグとしてスラグAより塩基度の低いスラグCを用いた実施例4のコンクリート組成物も、促進剤を含有しない比較例6のコンクリート組成物に比べて優れた圧縮強度を発揮することが確認された。また、実施例1~3のコンクリート組成物は、圧縮強度の点で優れるとされている高炉セメントB種を模した参考例のコンクリート組成物と同等以上の圧縮強度を発揮し得ることが確認された。なお、高炉水砕スラグとして石膏を配合したスラグBを用いた比較例2~5のコンクリート組成物の結果から、促進剤の使用の有無にかかわらず、実施例1~3のコンクリート組成物よりも圧縮強度が劣ることが確認された。
[コンクリート組成物の評価:スランプ試験]
実施例1~4及び比較例1~6で調製したコンクリート組成物のそれぞれについて、後述する方法に沿ってスランプ試験を行った。まず、上述の[コンクリート組成物の評価:圧縮強度試験]に記載した方法と同様にして、フレッシュコンクリートを調製した。得らえたフレッシュコンクリートについて、スランプ試験を行った。スランプ試験は、JIS A 1101「コンクリートのスランプ試験方法」に記載の方法に準拠して行った。結果を表5及び表6に示す。表5には、練り混ぜ後の経過時間とスランプと関係を記載した。表6には、練り混ぜ直後のスランプを基準とした、練り混ぜ後の経過時間とスランプ残存率の関係を記載した。
表6に示されるように、石膏相当分の含有量の少ない実施例1~3及び比較例1のコンクリート組成物の方が、石膏相当分の含有量の多い比較例2~5のコンクリート組成物に比べてスランプ残存率にも優れ、コンクリート施工の際の作業性にも優れることが確認された。
本開示によれば、高炉水砕スラグの混合比率が比較的高いコンクリート組成物であって、コンクリート施工のために十分な流動性を有し、且つ、初期及び長期の双方において優れた圧縮強度を発揮し得るコンクリート組成物を提供できる。本開示によればまた、高炉水砕スラグの混合比率が比較的高いコンクリート組成物の初期及び長期の双方における圧縮強度の増進方法を提供できる。

Claims (13)

  1. 水硬性組成物、水、減水剤、細骨材、及び粗骨材を含む、コンクリート組成物であって、
    前記水硬性組成物は、アルカリ刺激材及び高炉水砕スラグを含むセメントと、促進剤と、を含有し、
    前記高炉水砕スラグの含有量は、前記セメントの全量を基準として、40.0~95.0質量%であり、前記セメントにおける石膏の含有量が、SO換算で、0.05~1.70質量%であり、前記促進剤の含有量が、前記セメントの100質量部に対して、0.2~10.0質量部であり、
    前記水硬性組成物の含有量は250~600kg/mであり、
    前記水硬性組成物の含有量に対する前記水の含有量は0.25~0.60であり、
    前記減水剤の含有量は、前記水硬性組成物100質量%を基準として、0.5~3.0質量%であり、
    前記高炉水砕スラグにおいて、酸化アルミニウムの含有量は8~14.5質量%であり、二酸化ケイ素の含有量は30.0~40.0質量%であり、酸化カルシウムの含有量は35.0~45.0質量%であり、酸化マグネシウムの含有量は4.0~10.0質量%であり、
    前記高炉水砕スラグの塩基度は1.55~1.95であり、
    前記促進剤が、一価の陰イオンを有する塩を含有する、
    コンクリート組成物。
  2. 水硬性組成物、水、減水剤、細骨材、及び粗骨材を含む、コンクリート組成物であって、
    前記水硬性組成物は、アルカリ刺激材及び高炉水砕スラグを含むセメントと、促進剤と、を含有し、
    前記高炉水砕スラグの含有量は、前記セメントの全量を基準として、40.0~95.0質量%であり、前記セメントにおける石膏の含有量が、SO換算で、0.05~1.70質量%であり、前記促進剤の含有量が、前記セメントの100質量部に対して、0.2~10.0質量部であり、
    前記水硬性組成物の含有量は250~600kg/mであり、
    前記水硬性組成物の含有量に対する前記水の含有量は0.25~0.60であり、
    前記減水剤の含有量は、前記水硬性組成物100質量%を基準として、0.5~3.0質量%であり、
    前記高炉水砕スラグにおいて、酸化アルミニウムの含有量は8~14.5質量%であり、二酸化ケイ素の含有量は30.0~40.0質量%であり、酸化カルシウムの含有量は35.0~45.0質量%であり、酸化マグネシウムの含有量は4.0~10.0質量%であり、
    前記高炉水砕スラグの塩基度は1.55~1.95であり、
    前記促進剤が、亜硝酸塩、硝酸塩、及び塩化物からなる群より選択される少なくとも一種を含有する、
    コンクリート組成物。
  3. 前記減水剤は、高性能AE減水剤を含む、請求項1又は2に記載のコンクリート組成物。
  4. 前記高炉水砕スラグの含有量と、前記石膏の含有量とが、下記式(1)の関係を満たす、
    [石膏の含有量]≦1.5-2.0([高炉水砕スラグの含有量]-60)/100…式(1)
    請求項1~3のいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  5. 前記促進剤が、アルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩からなる群より選択される少なくとも一種を含有する、請求項1~のいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  6. 前記促進剤が、カルシウム塩を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  7. 前記アルカリ刺激材が、ポルトランドセメントクリンカ、消石灰、及び生石灰からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1~のいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  8. 前記石膏が、二水石膏、及び半水石膏からなる群より選択される少なくとも一種を含有する、請求項1~のいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  9. 前記高炉水砕スラグの塩基度が1.75未満である、請求項1~のいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  10. 前記高炉水砕スラグの塩基度が、1.75~1.95である、請求項1~のいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  11. 前記高炉水砕スラグの含有量が、前記セメントの全量を基準として、60.0~95.0質量%である、請求項1~10のいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  12. アルカリ刺激材、及び高炉水砕スラグを含み、前記高炉水砕スラグの含有量が40.0~95.0質量%であるセメントを含む組成物について、セメントにおける石膏の含有量を測定し、前記セメントにおける石膏の含有量を、SO換算で、0.05~1.70質量%に調整すること、
    前記組成物における促進剤の含有量を測定し、促進剤の含有量を、前記セメントの100質量部に対して、0.2~10.0質量部となるように調整すること、及び、
    前記組成物に対して、水、減水剤、細骨材、及び粗骨材を、前記組成物の配合量が250~600kg/mとなり、前記組成物の配合量に対する前記水の配合量は0.25~0.60となり、且つ前記減水剤の含有量が、前記組成物100質量%を基準として、0.5~3.0質量%となるように、配合すること、
    を含み、
    前記高炉水砕スラグにおいて、酸化アルミニウムの含有量は8~14.5質量%であり、二酸化ケイ素の含有量は30.0~40.0質量%であり、酸化カルシウムの含有量は35.0~45.0質量%であり、酸化マグネシウムの含有量は4.0~10.0質量%であり、
    前記高炉水砕スラグの塩基度は1.55~1.95であり、
    前記促進剤が、一価の陰イオンを有する塩を含有する、コンクリート組成物の圧縮強度増進方法。
  13. アルカリ刺激材、及び高炉水砕スラグを含み、前記高炉水砕スラグの含有量が40.0~95.0質量%であるセメントを含む組成物について、セメントにおける石膏の含有量を測定し、前記セメントにおける石膏の含有量を、SO換算で、0.05~1.70質量%に調整すること、
    前記組成物における促進剤の含有量を測定し、促進剤の含有量を、前記セメントの100質量部に対して、0.2~10.0質量部となるように調整すること、及び、
    前記組成物に対して、水、減水剤、細骨材、及び粗骨材を、前記組成物の配合量が250~600kg/mとなり、前記組成物の配合量に対する前記水の配合量は0.25~0.60となり、且つ前記減水剤の含有量が、前記組成物100質量%を基準として、0.5~3.0質量%となるように、配合すること、
    を含み、
    前記高炉水砕スラグにおいて、酸化アルミニウムの含有量は8~14.5質量%であり、二酸化ケイ素の含有量は30.0~40.0質量%であり、酸化カルシウムの含有量は35.0~45.0質量%であり、酸化マグネシウムの含有量は4.0~10.0質量%であり、
    前記高炉水砕スラグの塩基度は1.55~1.95であり、
    前記促進剤が、亜硝酸塩、硝酸塩、及び塩化物からなる群より選択される少なくとも一種を含有する、コンクリート組成物の圧縮強度増進方法。
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