JP7780702B2 - Ni基合金継目無管および溶接継手 - Google Patents
Ni基合金継目無管および溶接継手Info
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Description
C:0.005~0.080%、
Si:0.01~0.50%、
Mn:0.01~0.50%、
P:0.015%以下、
S:0.0001~0.0030%、
Cr:20.0~23.5%、
Mo:8.0~10.5%、
Ti:0.01~0.40%、
N:0.0010~0.0400%、
Al:0.01~0.40%、
O:0.0004~0.0100%と、
NbおよびTaから選択される一種以上とを含み、
Sn:0~0.010%、
残部がNiおよび不純物であり、
下記(i)および(ii)式を満足する、Ni基合金管。
0.0010≦S+2O+0.2Sn≦0.0180 ・・・(i)
2.50≦Nb+Ta≦4.60 ・・・(ii)
但し、上記式中の元素記号は、Ni基合金中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
Fe:5.50%以下、を含有する、上記(1)または(2)に記載のNi基合金管。
0.01≦Cu+Co≦1.50 ・・・(iii)
但し、上記式中の元素記号は、Ni基合金中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
W:1.00%以下、
V:0.40%以下、
Ca:0.0030%以下、
Mg:0.0030%以下、
B:0.0100%以下、および
REM:0.0100%以下、
から選択される一種以上を含有する、上記(1)~(4)のいずれかに記載のNi基合金管。
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
Cは、組織を安定させる効果を有する。このため、C含有量は、0.005%以上とする。C含有量は、0.008%以上とするのが好ましく、0.010%以上とするのがより好ましく、0.012%以上とするのがさらに好ましい。しかしながら、Cを過剰に含有させると、溶接熱サイクルによりCrと結合して、溶接熱影響部において結晶粒界に炭化物を形成する。その結果、結晶粒界近傍にCr欠乏層を生じさせ、耐食性を低下させる。このため、C含有量は、0.080%以下とする。C含有量は、0.050%以下とするのが好ましく、0.030%以下とするのがより好ましく、0.025%以下とするのがより好ましい。
Siは、脱酸効果を有する。このため、Si含有量は、0.01%以上とする。Si含有量は、0.02%以上とするのが好ましく、0.03%以上とするのがより好ましい。Si含有量は、0.05%以上とするのがさらに好ましい。しかしながら、Siを、過剰に含有させると、合金の組織安定性を低下させるとともに、溶接割れ感受性を高める。また、安定的に内面側のビードが形成しにくくなる場合がある。このため、Si含有量は、0.50%以下とする。Si含有量は、0.48%以下とするのが好ましく、0.45%以下とするのがより好ましい。Si含有量は、0.43%以下とするのがさらに好ましい。
Mnは、Siと同様、脱酸効果を有する。また、組織安定性を高める効果を有するとともに、安定的に内面側のビードを形成するのに少なからず寄与する。このため、Mn含有量は、0.01%以上とする。Mn含有量は、0.03%以上とするのが好ましく、0.05%以上とするのがより好ましい。Mn含有量は、0.08%以上とするのがさらに好ましい。しかしながら、Mnを、過剰に含有させると、熱間加工性を低下させる。このため、Mn含有量は、0.50%以下とする。Mn含有量は、0.48%以下とするのが好ましく、0.45%以下とするのがより好ましい。Mn含有量は、0.40%以下とするのがさらに好ましい。
Pは、不純物として、Ni基合金中に含まれ、溶接割れ感受性を著しく高める。このため、P含有量は、0.015%以下とする。P含有量は、0.013%以下とするのが好ましく、0.012%以下とするのがより好ましい。P含有量は、可能な限り低減することが好ましいが、過度の低減により、製造コストが増加する。このため、P含有量は、0.001%以上とするのが好ましく、0.002%以上とするのがより好ましい。
Sは、一般に不純物として、Ni基合金中に含まれるが、本発明の合金管においては、Oとともに、溶接時に内面側ビードの形成能を高める効果を有する。このため、S含有量は、0.0001%以上とする。S含有量は、0.0002%以上とするのが好ましく、0.0003%以上とするのがより好ましい。しかしながら、Sを、過剰に含有させると、管内面側のビードが凸形状となるとともに、溶接割れ感受性を高める。このため、S含有量は、0.0030%以下とする。S含有量は、0.0025%以下とするのが好ましく、0.0020%以下とするのがより好ましい。なお、Sは、OおよびSnとの間で後述の(i)式を満足する必要がある。
Crは、耐食性を確保するために必須の元素である。Crは、特に、表面に不動態皮膜を形成させ、酸化性の酸環境下において耐食性を向上させる。このため、Cr含有量は、20.0%以上とする。Cr含有量は、20.5%以上とするのが好ましく、21.0%以上とするのがより好ましく、21.2%以上とするのがさらに好ましい。しかしながら、Crを、過剰に含有させると、組織安定性が低下する。このため、Cr含有量は、23.5%以下とする。Cr含有量は、23.3%以下とするのが好ましく、23.0%以下とするのがより好ましく、22.8%以下とするのがさらに好ましい。
Moは、非酸化性の酸および塩化物が存在する環境下で、耐食性を向上させる。このため、Mo含有量は、8.0%以上とする。Mo含有量は、8.2%以上とするのが好ましく、8.5%以上とするのがより好ましく、8.7%以上とするのがさらに好ましい。しかしながら、Moを、過剰に含有させると組織安定性が低下する。さらに、Moは、高価な元素であるため、製造コストが増加する。このため、Mo含有量は、10.5%以下とする。Mo含有量は、10.3%以下とするのが好ましく、10.0%以下とするのがより好ましく、9.8%以下とするのがさらに好ましい。
Tiは、炭化物を形成し、強化に寄与するとともに、Cr炭化物の生成を抑制することで、粒界における耐食性の劣化を低減する。このため、Ti含有量は、0.01%以上とする。Ti含有量は、0.05%以上とするのが好ましく、0.08%以上とするのがより好ましく、0.10%以上とするのがさらに好ましい。しかしながら、Tiを、過剰に含有させると、Tiの炭化物および炭窒化物が多量に析出し、延性が低下する。このため、Ti含有量は、0.40%以下とする。Ti含有量は、0.38%以下とするのが好ましく、0.35%以下とするのがより好ましく、0.32%以下とするのがさらに好ましい。
Nは、組織安定性に寄与するとともに、耐孔食性を高める効果を有する。このため、N含有量は、0.0010%以上とする。N含有量は、0.0020%以上とするのが好ましく、0.0030%以上とするのがより好ましく、0.0040%以上とするのがさらに好ましい。しかしながら、Nを、過剰に含有させると、窒化物が析出し、延性を低下させる。このため、N含有量は、0.0400%以下とする。N含有量は、0.0350%以下とするのが好ましく、0.0300%以下とするのがより好ましい。N含有量は、0.0250%以下とするのがさらに好ましい。
Alは、脱酸効果を有する。また、高温での耐酸化性の向上に寄与する。このため、Al含有量は、0.01%以上とする。Al含有量は、0.02%以上とするのが好ましく、0.03%以上とするのがより好ましい。Al含有量は、0.05%以上とするのがさらに好ましい。しかしながら、Alを、過剰に含有させると、Niと脆い化合物を生成し、熱間加工性を低下させる。また、安定的に内面側のビードが形成しにくくなる場合がある。このため、Al含有量は、0.40%以下とする。Al含有量は、0.35%以下とするのが好ましく、0.30%以下とするのがより好ましく、0.28%以下とするのがさらに好ましい。
Oは、一般に、Ni基合金中に、不純物として含まれるが、本発明の合金管においては、Sとともに、溶接時に管内面側のビードの形成能を高める効果を有する。このため、O含有量は、0.0004%以上とする。O含有量は、0.0006%以上とするのが好ましく、0.0008%以上とするのがより好ましい。しかしながら、Oを、過剰に含有させると、管の内面側ビードが凸形状になるとともに、熱間加工性が低下する。このため、O含有量は、0.0100%以下とする。O含有量は、0.0080%以下とするのが好ましく、0.0060%以下とするのがより好ましい。なお、Oは、SおよびSnとの間で後述の(i)式を満足する必要がある。
NbとTaは、いずれもTiと同様、炭素と結合して炭化物を形成し、強化に寄与するとともに、Cr炭化物の生成を抑制し、粒界の耐食性劣化を低減する。このため、NbおよびTaから選択される一種以上を含み、かつこれら元素の合計含有量は下記(ii)式を満足する必要がある。
但し、上記式中の元素記号は、Ni基合金中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
Snは、溶接時に溶け込み深さを増大させ、管の内面側ビードの形成能を高める効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Snを、過剰に含有させると、熱間加工性を低下させるとともに、溶接割れ感受性を高める。加えて、内面側ビードが凸形状となりやすくなる。このため、Sn含有量は、0.010%以下とする。Sn含有量は、0.009%以下とするのが好ましく、0.008%以下とするのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、Sn含有量は、0.001%以上とするのが好ましく、0.002%以上とするのがより好ましく、0.003%以上とするのがさらに好ましい。なお、Snは、SおよびOとの間で後述の(i)式を満足する必要がある。
但し、上記式中の元素記号は、Ni基合金中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。また、上記式中で、Sn含有量が0.001%未満の場合は、Sn=0として扱う。
Feは、熱間加工性を向上させるのに有効である。さらに、合金コストの低減にも寄与する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Feを、過剰に含有させると、組織安定性を低下させる。このため、Fe含有量は、5.50%以下とする。Fe含有量は、5.30%以下とするのが好ましく、5.00%以下とするのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、Fe含有量は、0.01%以上とするのが好ましく、0.50%以上とするのがより好ましく、1.50%以上とするのがさらに好ましい。
CuおよびCoは、組織安定性を高めるとともに、非酸化性の酸および塩化物環境下での耐食性を向上させる効果を有する。このため、CuおよびCoから選択される一種以上を必要に応じて含有させてもよい。また、含有させる場合は、化学組成が、下記(iii)式を満足するのが好ましい。
但し、上記式中の元素記号は、Ni基合金中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
Wは、非酸化性の酸および塩化物が存在する環境下での耐食性を向上させる。このため、必要に応じて、含有させてもよい。しかしながら、Wを、過剰に含有させると、組織安定性を低下させる。また、高価な元素であるため、製造コストが増加する。このため、W含有量は、1.00%以下とする。W含有量は、0.90%以下とするのが好ましく、0.80%以下とするのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、W含有量は、0.01%以上とするのが好ましく、0.02%以上とするのがより好ましい。
Vは、炭素と結合して炭化物を形成し、Cr炭化物の生成を抑制することで、粒界における耐食性の劣化を低減する。このため、必要に応じて、含有させてもよい。しかしながら、Vを、過剰に含有させると、Vの炭化物および炭窒化物が多量に析出し、延性が低下する。そのため、V含有量は、0.40%以下とする。V含有量は、0.35%以下とするのが好ましく、0.30%以下とするのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、V含有量は、0.01%以上とするのが好ましく、0.02%以上とするのがより好ましい。
Caは、熱間加工性を改善する効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Caを、過剰に含有させると、酸素と結合し、清浄性を著しく低下させる。この結果、却って、熱間加工性が低下する。そのため、Ca含有量は、0.0030%以下とする。Ca含有量は、0.0020%以下とするのが好ましく、0.0010%以下とするのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、Ca含有量は、0.0001%以上とするのが好ましく、0.0003%以上とするのがより好ましい。
Mgは、Caと同様、熱間加工性を改善する効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Mgを、過剰に含有させると、酸素と結合し、清浄性を著しく低下させる。この結果、却って、熱間加工性が低下する。そのため、Mg含有量は、0.0030%以下とする。Mg含有量は、0.0020%以下とするのが好ましく、0.0010%以下とするのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、Mg含有量は、0.0001%以上とするのが好ましく、0.0003%以上とするのがより好ましい。
Bは、高温で粒界に偏析して、粒界を強化し、熱間加工性を高める効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Bを、過剰に含有させると、溶接割れ感受性が高まる。そのため、B含有量は、0.0100%以下とする。B含有量は、0.0080%以下とするのが好ましく、0.0060%以下とするのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、B含有量は、0.0002%以上とするのが好ましく、0.0005%以上とするのがより好ましい。
REMは、CaおよびMgと同様、製造時の熱間加工性を改善する効果を有する。このため、必要に応じて、含有させてもよい。しかしながら、REMを、過剰に含有させると、酸素と結合し、清浄性を著しく低下させる。この結果、却って、熱間加工性が低下する。そのため、REM含有量は、0.0100%以下とする。REM含有量は、0.0050%以下とするのが好ましく、0.0030%以下とするのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、REM含有量は、0.0001%以上とするのが好ましく、0.0003%以上とするのがより好ましい。ここで、REMとは、Sc、Yおよびランタノイドを示し、REM含有量はこれらの元素の含有量の総量を示す。
ビードは、合金管の端部を溶接する際に形成する。良好なビードを形成させる上で、合金管の内面側において、長手方向の算術平均粗さRaを制御するのが好ましい。ここで合金管の表面粗さとは、製造工程における最終工程後の表面粗さを指す。すなわち、合金管の表面粗さは製造の過程で変化するが、本発明の効果を得るためには、製造途中の表面粗さは関係なく、最終工程後の管の長手方向の表面粗さが、本発明の規定する範囲を満足すればよい。
上記のNi基合金管の管端同士を、所定の条件で突合せ溶接することで、Ni基合金管の溶接継手を得ることができる。Ni基合金管の溶接継手は、溶融金属が凝固し、接合部となった溶接金属と、母材部とを、有する。なお、母材部には、溶接により入熱の影響を受ける溶接熱影響部を含む。溶接熱影響部を除いた母材部は、上記の項目1および2で記載したNi基合金管の化学組成、表面粗さ、その他特性を受け継ぐ。また、溶接部とは、溶接金属と溶接熱影響部とを指す。
本発明に係るNi基合金管の好ましい製造方法について説明する。本発明に係るNi基合金管は、製造方法によらず、上述の構成を有していれば、その効果を得られるが、例えば、以下のような製造方法により、安定して製造することができる。
最初に、Ni基合金管の素材となるNi基合金インゴットを製造する。Ni基合金インゴットは、上述した化学組成を有する合金を電気炉等で溶製し、不純物を精錬により取り除いた後、鋳造により製造されるのが好ましい。続いて、得られたインゴットを、熱間鍛造することで、円柱状のビレットとするのが好ましい。その後、得られたビレットを加工することで、管の形状に成形する。
本発明に係るNi基合金管を素材とし、合金管の端部を溶接することで、溶接継手を得ることができる。溶接方法は、特に、限定しないが、例えば、アーク溶接により溶接すればよい。また、アーク溶接する場合の条件は、例えば、入熱量を、4~20kJ/cmの範囲とするのが好ましい。また、溶接時には、Arガスをシールドガス、バックシールドガスとして使用するのが好ましい。溶接箇所に流すガスの流量は、適宜、調整するのが好ましい。
但し、上記式中の元素記号は、溶接材料中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
Claims (5)
- 化学組成が、質量%で、
C:0.005~0.080%、
Si:0.01~0.50%、
Mn:0.01~0.50%、
P:0.015%以下、
S:0.0001~0.0030%、
Cr:20.0~23.5%、
Mo:8.0~10.5%、
Ti:0.01~0.40%、
N:0.0010~0.0400%、
Al:0.01~0.40%、
O:0.0004~0.0100%と、
NbおよびTaから選択される一種以上とを含み、
Sn:0~0.010%、
残部がNiおよび不純物であり、
下記(i)および(ii)式を満足するNi基合金継目無管であって、
前記Ni基合金継目無管内面側において、管の長手方向の算術平均粗さRaが、7.0μm以下である、Ni基合金継目無管。
0.0010≦S+2O+0.2Sn≦0.0180 ・・・(i)
2.50≦Nb+Ta≦4.60 ・・・(ii)
但し、上記式中の元素記号は、Ni基合金中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。 - 前記化学組成が、前記Niの一部に代えて、質量%で、
Fe:5.50%以下、を含有する、請求項1に記載のNi基合金継目無管。 - 前記化学組成が、前記Niの一部に代えて、CuおよびCoから選択される一種以上を
含み、下記(iii)式を満足する、請求項1または2に記載のNi基合金継目無管。
0.01≦Cu+Co≦1.50 ・・・(iii)
但し、上記式中の元素記号は、Ni基合金中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表
し、含有されない場合はゼロとする。 - 前記化学組成が、前記Niの一部に代えて、質量%で、
W:1.00%以下、
V:0.40%以下、
Ca:0.0030%以下、
Mg:0.0030%以下、
B:0.0100%以下、および
REM:0.0100%以下、
から選択される一種以上を含有する、請求項1~3のいずれかに記載のNi基合金継目無管。 - 請求項1~4のいずれかに記載のNi基合金継目無管を用いた溶接継手。
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