ゲノム内のエピジェネティックなヌクレオチド修飾は種によって異なる。例えば、ヌクレオチド修飾の頻度及び種類は、脊椎動物と細菌、真菌、ウイルスとの間で異なる。更に、メチル化等の修飾は、ヒトゲノム等の一部のゲノムでは、転写活性部位(遺伝子及び/又は遺伝子のプロモータ等)でより頻繁に発生し、ゲノムの他の部位(反復領域等)ではあまり発生しない。一部の制限酵素は、同種の認識部位又はその隣接部位でのヌクレオチド修飾に感受性がある。配列間のヌクレオチド修飾の違いを利用して、修飾感受性制限酵素を使用して目的の核酸のサンプルを濃縮することが可能である。
本開示は、目的の核酸と枯渇の標的とされる核酸との間のヌクレオチド修飾頻度の差を使用することを含む、枯渇の標的とされる核酸と比較して目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法を提供する。本開示の方法は、ライブラリの複雑さの低減、及びPCR増幅、クローニング、ハイスループットシークエンシング、混合集団における稀な配列の同定及びライブラリ内の配列の定量化を含むがこれらに限定されない様々な下流の用途で使用できる配列の濃縮を可能にする。いくつかの実施形態では、サンプルは、目的の核酸について、少なくとも約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約11倍、約12倍、約13倍、約14倍、約15倍、約16倍、約17倍、約18倍、約19倍、約20倍、約25倍、約30倍、約40倍、約50倍、約100倍、200倍、約500倍、又は約1000倍に濃縮される。いくつかの実施形態では、サンプルは、目的の核酸について少なくとも約2倍濃縮される。いくつかの実施形態では、サンプルは、目的の核酸について少なくとも約3倍濃縮される。いくつかの実施形態では、サンプルは、目的の核酸について少なくとも約2倍~約3倍濃縮される。いくつかの実施形態では、サンプルは、目的の核酸について少なくとも約12倍濃縮される。いくつかの実施形態では、サンプルは、目的の核酸について少なくとも約15倍濃縮される。いくつかの実施形態では、サンプルは、枯渇の標的とされる核酸について少なくとも約50%~約70%枯渇する。いくつかの実施形態では、サンプルは、枯渇の標的とされる核酸について少なくとも約95%枯渇する。
本開示は、目的の核酸に対してサンプルを濃縮する方法を提供し、(a)目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸を含むサンプルを提供することであって、少なくとも目的の核酸の少なくとも1つのサブセット又は枯渇の標的とされる核酸の少なくとも1つのサブセットが、第1の修飾感受性制限酵素の複数の第1の認識部位を含むことと、(b)サンプル中の複数の核酸を末端脱リン酸化することと、(c)サンプル中の核酸中の第1の修飾感受性制限部位の少なくともいくつかの切断を可能にする条件下で、(b)からのサンプルを第1の修飾感受性制限酵素と接触させることと、(d)複数の目的の核酸の5’及び3’末端へのアダプタの連結を可能にする条件下で、(c)からのサンプルをアダプタと接触させ、これにより、5’及び3’末端でアダプタ連結された目的の核酸に対して濃縮されたサンプルを生成することと、を含む。
本開示は、目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法を提供し、(a)目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸を含むサンプルを提供することであって、枯渇の標的とされる核酸の少なくとも1つのサブセットは、修飾感受性制限酵素に対する複数の認識部位を含むことと、(b)サンプル中の複数の核酸を最終的に脱リン酸化することと、(c)サンプル中の核酸の修飾感受性制限部位の切断を可能にする条件下で(b)からのサンプルを修飾感受性制限酵素と接触させ、それにより、露出した末端リン酸を有する核酸を生成することと、(d)核酸のリン酸化末端からヌクレオチドを連続的に除去することを可能にする条件下でサンプルをエキソヌクレアーゼと接触させ、これにより、目的の核酸が濃縮されたサンプルが生成することと、を含む。
本開示は、目的の核酸に対してサンプルを濃縮する方法を提供し、(a)目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸を含むサンプルを提供することであって、目的の核酸の少なくとも1つのサブセット又は枯渇の標的とされる核酸の少なくとも1つのサブセットが、第1の修飾感受性制限酵素の複数の第1の認識部位を含み、第1の修飾感受性制限酵素の活性が、同種の認識部位内又はそれに隣接するヌクレオチドの修飾によって遮断されることと、(b)サンプル中の複数の核酸を末端脱リン酸化することと、(c)サンプル中の核酸中の第1の修飾感受性制限部位の少なくともいくつかの切断を可能にする条件下で、(b)からのサンプルを第1の修飾感受性制限酵素と接触させることと、(d)複数の目的の核酸の5’及び3’末端へのアダプタの連結を可能にする条件下で、(c)からのサンプルをアダプタと接触させ、これにより、5’及び3’末端でアダプタ連結された目的の核酸に対して濃縮されたサンプルを生成することと、を含む。
本開示は、目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法を提供し、(a)目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸を含むサンプルを提供することであって、少なくとも枯渇の標的とされる核酸は、修飾感受性制限酵素に対する複数の認識部位を含むことと、(b)サンプル中の複数の核酸の5’及び3’末端へのアダプタの連結を可能にする条件下で、サンプルをアダプタと接触させることと、(c)サンプル中の核酸の修飾感受性制限部位の切断を可能にする条件下で、(b)からのサンプルを修飾感受性制限酵素と接触させ、これにより、5’及び3’末端でアダプタ連結された目的の核酸が濃縮されたサンプルを生成することと、を含む。
本開示は、枯渇の標的とされる核酸の消化によって枯渇の標的とされる核酸を枯渇させ、それにより、目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法を提供する。
本開示は、枯渇の標的とされる核酸及び目的の核酸への示差的アダプタ付着によって、標的とされる核酸の消化によって枯渇の標的とされる核酸を枯渇させ、それによって目的の核酸のサンプルを濃縮する方法を提供する。
本開示は、サイズ選択を使用せずに、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる方法を提供する。
本開示は、修飾感受性標的結合を使用せずに、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させ、それにより、目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法を提供する。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる方法は、CpG感受性標的化結合を使用しない。
いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素を含む本開示の方法は、目的の核酸についてサンプルを濃縮するための独立した方法として使用される。代替の実施形態では、ヌクレオチド修飾の違いに基づく本開示の方法は、サンプル濃縮の1つ又は複数の追加の方法と組み合わされる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される濃縮方法のいずれかは、本明細書に開示される他の任意の追加の濃縮方法と組み合わされる。いくつかの実施形態では、追加の方法は、ヌクレオチド修飾に基づく方法である。いくつかの実施形態では、追加の方法は、ガイド核酸(gNA)及び核酸誘導型ヌクレアーゼのライブラリを使用する。いくつかの実施形態では、追加の方法は、ヌクレオチド修飾に基づく濃縮方法と、ガイド核酸(gNA)及び核酸誘導型ヌクレアーゼのライブラリを使用する濃縮方法との組合せである。いくつかの実施形態では、追加の方法は、枯渇の標的とされる核酸の消化によって、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる。いくつかの実施形態では、追加の方法は、本開示の方法を使用して、示差的アダプタ付着による枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる。いくつかの実施形態では、追加の方法は、サイズ選択を使用せずに、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる。いくつかの実施形態では、追加の方法は、修飾感受性標的化結合を使用することなく、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる。いくつかの実施形態では、追加の方法は、CpG感受性標的化結合を使用することなく、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全て技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似の又は同等のいかなる方法及び材料も本開示の実施又はテストに使用することができるが、好ましい方法及び材料を説明する。
数値範囲には、範囲を定義する数値が含まれる。
この仕様を解釈する目的で、以下の定義が適用され、適切な場合は常に、単数形で使用される用語には複数形も含まれ、その逆も同様である。以下に記載されている定義が、参照により本書に組み込まれている文書と矛盾する場合は、記載されている定義が優先するものとする。
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、特に明記しない限り、複数形の参照を含む。
本明細書で使用される「約」という用語は、この技術分野の当業者に容易に知られているそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」の値又はパラメータへの言及は、その値又はパラメータ自体に向けられた実施形態を含む(及び説明する)。
本明細書で使用される「核酸」という用語は、1つ又は複数の核酸サブユニットを含む分子を指す。核酸は、アデノシン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)及びウラシル(U)、並びにそれらの改変バージョンから選択される1つ又は複数のサブユニットを含むことができる。核酸は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、及びそれらの組合せ、又は誘導体を含む。核酸は一本鎖及び/又は二本鎖であり得る。
核酸は、「ヌクレオチド」を含み、これは、本明細書で使用される場合、プリン及びピリミジン塩基、並びにそれらの修飾バージョンを含む部分を含むことを意図している。
「核酸」及び「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。ポリヌクレオチドは、任意の長さ、例えば、約2塩基超、約10塩基超、約100塩基超、約500塩基超、1000塩基超、最大約10,000又は10,000超の核酸ポリマーを説明するために使用され、ヌクレオチド、例えば、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドから構成され、酵素的又は合成的に生成され得(例えば、米国特許第5,948,902号及びそこに引用される参考文献に記載されるPNA)、類似の配列特異的方法で天然に存在する2つの核酸とハイブリダイズすることができ、例えば、ワトソン-クリック塩基対相互作用に関与することができる。天然に存在するヌクレオチドには、グアニン、シトシン、アデニン、及びチミン(それぞれ、G、C、A、及びT)が含まれる。DNA及びRNAはデオキシリボース及びリボース糖バックボーンをそれぞれ有し、PNAバックボーンは繰り返しN-(2-アミノエチル)-グリシン単位によって構成され、ペプチド結合によって連結している。PNAでは様々なプリン及びピリミジン塩基は、メチレンカルボニル結合によってバックボーンに連結している。アクセスできないRNAと呼ばれることが多いロックされた核酸(LNA)は修飾RNAヌクレオチドである。LNAヌクレオチドのリボース部分は、2’酸素及び4’炭素を接続する追加のブリッジで修飾されている。ブリッジは、3’-エンド(North)コンフォメーションでリボースを「ロック」し、これは、A型デュプレックスでよく見られる。LNAヌクレオチドは、必要に応じてオリゴヌクレオチドのDNA又はRNA残基と混合できる。「非構造化核酸」又は「UNA」という用語は、低い安定性で互いに結合する非天然ヌクレオチドを含む核酸である。例えば、構造化されていない核酸は、G’残基及びC’残基を含み得、これらの残基は、天然に存在しない形態、すなわち、互いに安定性が低下した塩基対であるG及びCの類似体であるが、それぞれ天然に存在するC及びG残基の塩基対の能力を保持する。非構造化核酸は米国特許出願公開第20050233340号に記載されており、UNAの開示のために参照により本明細書に組み込まれる。
「修飾ヌクレオチド」には、メチル化プリン又はピリミジン、アシル化プリン又はピリミジン、アルキル化リボースあるいは他の複素環が含まれるが、これらに限定されない。例示的な修飾には、シトシン修飾、例えば、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-ホルミルシトシン、5-カルボキシルシトシン、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシン又は3-メチルシトシンが含まれるがこれだけに限定されない。
本明細書で使用される「切断」とも呼ばれる「開裂」という用語は、二本鎖DNA分子の両方の鎖の2つの隣接するヌクレオチド間のホスホジエステル結合を切断し、それによってDNA分子の二本鎖破壊をもたらす反応を指す。
本明細書で使用される「ニッキング」という用語は、二本鎖DNA分子の1つの鎖のみにおいて2つの隣接するヌクレオチド間のホスホジエステル結合を切断し、それによってDNA分子の一本鎖の破壊をもたらす反応を指す。
本明細書で使用される「開裂部位」という用語は、二本鎖DNA分子が開裂された部位を指す。
「捕捉」及び「濃縮」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、目的の配列、目的の標的部位、目的ではない配列、又は目的ではない標的部位を含む核酸領域を選択的に単離するプロセスを指す。いくつかの実施形態では、サンプルは、目的の配列、又は目的ではない配列を選択的に枯渇させることによって捕捉された目的の配列について濃縮される。核酸領域の単離は、場合によっては、下流の用途に適した方法で目的の核酸領域を選択的に変更することによって達成され得る。例えば、単離された核酸は、核酸の5’及び3’末端に連結したアダプタを選択的に有するものであり得る。
「次世代シークエンシング」という用語は、いわゆる並列化された合成によるシークエンシング又は連結によるシークエンシングプラットフォームを指し、例えば、Illumina、Life Technologies、及びRoche等で現在採用されているプラットフォームである。次世代シークエンシング方法は、Oxford Nanopore、又はLife Technologiesによって商品化されたIon Torrent技術等のナノポアシークエンシング法又は電子検出ベースの方法も含み得る。
サンプル
あらゆる種類のサンプルから単離又は誘導された核酸は、本開示の方法の範囲内であると見なされる。
本開示の方法のいくつかの実施形態では、サンプルは、生物学的サンプル、臨床サンプル、法医学サンプル、又は環境サンプルである。臨床及び法医学のサンプルには、全血、血漿、血清、涙、唾液、粘液、脳脊髄液、歯、骨、指の爪、糞便、尿組織、及び生検サンプルが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、サンプルはメタゲノムサンプル(複数の生物種を含有するサンプル)である。いくつかの実施形態では、メタゲノムサンプルは、他の非宿主生物(例えば、1つ又は複数のウイルス、細菌、真菌又は真核生物の寄生生物を有する哺乳動物)に対して宿主である生物から単離又は誘導されたサンプルを含む。いくつかの実施形態では、メタゲノムサンプルは、微生物群集のサンプル(例えば、バイオフィルム)を含む。
いくつかの実施形態では、サンプル中の核酸は断片化されている。いくつかの実施形態では、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸は断片化される。
いくつかの実施形態では、サンプル中の核酸は、長さ約20~約5000塩基対(bp)、長さ約20~約1000bp、長さ約20~約500bp、長さ約20~約400bp、長さ約20~約300bp、長さ約20~約200bp、長さ約20~100bp、長さ約50~約5000bp、長さ約50~約1000bp、長さ約50~約500bp、長さ約50~約400bp、長さ約50~約300bp、長さ約50~約200bp、長さ約50~100bp、長さ約100~約5000bp、長さ約100~約1000bp、長さ約100~約500bp、長さ約100~約400bp、長さ約100~約300bp、長さ約100~約200bpである。いくつかの実施形態では、サンプル中の核酸は、長さが約50~約1000bpである。いくつかの実施形態では、サンプル中の核酸は、長さが約50~約500bpである。いくつかの実施形態では、サンプル中の核酸は、長さが約100~約500bpである。
目的の核酸
本明細書で提供されるのは、サンプル中の核酸の増幅、クローニング、ハイスループットシークエンシング、検出及び定量化を含むがこれらに限定されない様々な用途のためにサンプル中の目的の核酸を濃縮するために使用できる方法である。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、少なくとも第1の修飾感受性制限酵素のための少なくとも1つの認識部位を含む。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、少なくとも第1の修飾感受性制限酵素のための複数の認識部位を含む。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、第1及び第2の修飾感受性制限酵素のそれぞれについての複数の認識部位を含む。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2の修飾感受性制限酵素の活性は、その同種の制限部位内又はそれに隣接するヌクレオチドの修飾によって遮断される。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2の修飾感受性制限酵素は、認識内又は認識に隣接する少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む認識部位で活性であり、認識部位内又は認識部位に隣接する少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含まない認識部位では活性ではない。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸ではなく、目的の核酸のみが、少なくとも1つの第1の修飾感受性制限酵素のための1つ又は複数の制限部位を含む。いくつかの実施形態では、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸の両方は、第1の、及び場合により第2の修飾感受性制限酵素のための複数の認識部位を含むが、認識部位が、認識部位に隣接する、又は認識部位内の修飾ヌクレオチドを含む頻度が異なる。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、2つを超える(すなわち、少なくとも3、4、5、6、7、8、9又は10)修飾感受性制限酵素のための複数の認識部位を含む。いくつかの実施形態では、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸はそれぞれ、2つを超える(すなわち、少なくとも3、4、5、6、7、8、9又は10)修飾感受性制限酵素に対する複数の認識部位を含む。
いくつかの例示的な実施形態において、目的の核酸は、CpGメチル化を欠くか、又は低レベルのCpGメチル化を有する種(例えば、ウイルス、真菌又は細菌等の非宿主種)に由来する。逆に、そのような実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、哺乳動物(例えば、ヒト)等のより高レベルのCpGメチル化を有する種に由来する。当業者は、1つ又は複数のCG二量体を含み、CpGメチル化の存在によってその活性が遮断される認識部位を有する修飾感受性制限酵素を選択し、本開示の方法を使用して核酸を目的の核酸を濃縮することができる。
いくつかの例示的な実施形態において、目的の核酸は、CpGメチル化を欠くか、又は低レベルのCpGメチル化を有する種(例えば、ウイルス、真菌又は細菌等の非宿主種)に由来する。逆に、そのような実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、哺乳動物(例えば、ヒト)等のより高レベルのCpGメチル化を有する種に由来する。当業者は、1つ又は複数のCG二量体を含み、その活性が認識部位内又は認識部位の近くでCpGメチル化の存在に特異的である認識部位を有する修飾感受性制限酵素を選択し、本開示の方法を使用して目的の核酸を濃縮することができる。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、ゲノム配列(ゲノムDNA)である。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、哺乳動物のゲノム配列である。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、真核生物のゲノム配列である。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、原核生物のゲノム配列である。いくつかの実施形態では、目的の配列は、ウイルスゲノム配列である。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、細菌ゲノム配列である。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、植物ゲノム配列である。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、微生物のゲノム配列である。いくつかの実施形態では、目的の配列は、寄生生物、例えば真核生物の寄生生物からのゲノム配列である。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、病原体、例えば、細菌、ウイルス又は真菌からのゲノム配列である。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、複数の細菌、ウイルス又は真菌種からのゲノム配列である。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、ゲノムの領域を含むゲノム断片、又はゲノム全体であり得る。一実施形態では、ゲノムはDNAゲノムである。別の実施形態では、ゲノムはRNAゲノムである。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、反復配列を含む。例示的であるが非限定的な反復配列には、ミトコンドリア配列、リボソーム配列、セントロメア配列、Alu配列、長鎖散在反復配列(LINE)及び短鎖散在反復配列(SINE)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、真核生物又は原核生物から、哺乳動物生物又は非哺乳動物生物から、動物又は植物から、細菌又はウイルスから、動物の寄生生物から、病原体からのものである。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、細菌の種に由来する。一実施形態では、細菌は結核を引き起こす細菌である。
いくつかの実施形態では、目的の核酸はウイルスに由来する。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、真菌の種に由来する。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、藻類の種に由来する。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、任意の哺乳動物寄生生物に由来する。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、任意の哺乳動物寄生生物から得られる。一実施形態では、寄生生物は虫である。別の実施形態では、寄生生物はマラリアを引き起こす寄生虫である。別の実施形態では、寄生生物は、リーシュマニア症を引き起こす寄生虫である。別の実施形態では、寄生生物はアメーバである。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、病原体に由来する。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、長さ約20~約5000bp、長さ約20~約1000bp、長さ約20~約500bp、長さ約20~約400bp、長さ約20~約300bp、長さ約20~約200bp、長さ約20~約100bp、長さ約50~約5000bp、長さ約50~約1000bp、長さ約50~約500bp、長さ約50~約400bp、長さ約50~約300bp、長さ約50~約200bp、長さ約50~約100bp、長さ約100~約5000bp、長さ約100~約1000bp、長さ約100~約500bp、長さ約100~約400bp、長さ約100~約300bp、長さ約100~約200bpである。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、長さが約50~約1000bpである。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、長さが約50~約500bpである。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、長さが約100~約500bpである。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、サンプル中の全核酸の70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満を構成する。
いくつかの例示的な実施形態において、目的の核酸は、サンプル中の全核酸の50%未満を構成する。
いくつかの例示的な実施形態において、目的の核酸は、サンプル中の全核酸の30%未満を構成する。
いくつかの例示的な実施形態において、目的の核酸は、サンプル中の全核酸の5%未満を構成する。
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、サンプル中の全核酸の少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%を構成する。
枯渇の標的とされる核酸
本明細書で提供されるのは、サンプルから核酸を枯渇させ、増幅、クローニング、ハイスループットシークエンシング、サンプル中の核酸の検出と定量化を含むがこれらに限定されない様々な用途に使用できる目的の核酸が濃縮されたサンプルを生成するために使用できる方法である。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、少なくとも1つの第1の修飾感受性制限酵素のための少なくとも1つの認識部位を含む。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、少なくとも1つの第1の修飾感受性制限酵素のための複数の認識部位を含む。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、第1及び第2の修飾感受性制限酵素のそれぞれについての複数の認識部位を含む。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2の修飾感受性制限酵素の活性は、その同種の制限部位内又はそれに隣接するヌクレオチドの修飾によって遮断される。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2の修飾感受性制限酵素は、認識内又は認識に隣接する少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む認識部位で活性であり、認識部位内又は認識部位の近くに少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含まない認識部位では活性ではない。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸のみが、目的の核酸を含まず、少なくとも第1の修飾感受性制限酵素のための1つ又は複数の制限部位を含む。いくつかの実施形態では、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸の両方は、第1の、及び場合により第2の修飾感受性制限酵素のための複数の認識部位を含むが、認識部位が、認識部位に隣接する、又は認識部位内の修飾ヌクレオチドを含む頻度が異なる。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、2つを超える(すなわち、少なくとも3、4、5、6、7、8、9又は10)修飾感受性制限酵素のための複数の認識部位を含む。いくつかの実施形態では、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸はそれぞれ、2つを超える(すなわち、少なくとも3、4、5、6、7、8、9又は10)修飾感受性制限酵素に対する複数の認識部位を含む。
いくつかの例示的な実施形態において、枯渇の標的とされる核酸は、ヒトRNA又はDNAを含む。場合によっては、全てヒト核酸が枯渇の標的とされる。
いくつかの例示的な実施形態において、枯渇の標的とされる核酸は、目的の核酸と比較して高いレベルのCpGメチル化を有する哺乳動物(例えば、ヒト)等の宿主種に由来する。当業者は、1つ又は複数のCG二量体を含み、CpGメチル化の存在によってその活性が遮断される認識部位を有する修飾感受性制限酵素を選択することができ、本開示の方法を使用して枯渇の標的とされる核酸を枯渇させ、目的の核酸が濃縮されたサンプルを得ることができるであろう。
いくつかの例示的な実施形態において、枯渇の標的とされる核酸は、目的の核酸と比較して高いレベルのCpGメチル化を有する哺乳動物(例えば、ヒト)等の宿主種に由来する。当業者は、1つ又は複数のCG二量体を含み、その活性が認識部位内又は認識部位の近くでCpGメチル化の存在に特異的である認識部位を有する修飾感受性制限酵素を選択することができ、本開示の方法を使用して、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させ、目的の核酸が濃縮されたサンプルを得ることができるであろう。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、サンプル中の最も豊富な種の1つ又は複数のゲノムからの配列等の豊富なゲノム配列である。いくつかの実施形態では、サンプル中の最も豊富な種はヒトである。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、ゲノムの領域を含むゲノム断片、又はゲノム全体とすることができる。一実施形態では、ゲノムはDNAゲノムである。別の実施形態では、ゲノムはRNAゲノムである。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、任意の哺乳動物生物に由来する。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。別の実施形態では、哺乳動物は、家畜動物、例えば、ウマ、ヒツジ、ウシ、ブタ、又はロバである。別の実施形態では、哺乳動物生物は、飼いならされたペット、例えば、ネコ、イヌ、スナネズミ、マウス、ラットである。別の実施形態では、哺乳動物は一種のサルである。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、任意の鳥又は鳥類の生物に由来する。鳥類の生物には、鶏、七面鳥、アヒル、及びガチョウが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、昆虫に由来する。昆虫には、ミツバチ、単生ミツバチ、アリ、ハエ、スズメバチ、又は蚊が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、植物に由来する。一実施形態では、植物は、イネ、トウモロコシ、小麦、バラ、ブドウ、コーヒー、果実、トマト、ジャガイモ、又は綿である。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、反復DNAを含む。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、豊富なDNAを含む。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、ミトコンドリアDNAを含む。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、リボソームDNAを含む。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、セントロメアDNAを含む。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、Alu配列を含むDNA(Alu DNA)を含むいくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、長鎖散在反復配列(LINE DNA)を含む。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、短鎖散在反復配列(SINE DNA)を含む。いくつかの実施形態では、豊富なDNAは、リボソームDNAを含む。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、一塩基多型(SNP)、短いタンデムリピート(STR)、癌遺伝子、挿入物、欠失、構造変異、エクソン、遺伝子突然変異、又は調節領域を含む。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、転写活性配列を含む。例えば、転写活性配列は、プロモータ及び転写活性遺伝子の配列を含む。いくつかの実施形態によれば、ゲノムの転写活性領域は、ゲノムの転写サイレント領域よりも高レベルのヌクレオチド修飾を有する。いくつかの例示的な実施形態によれば、ゲノムは哺乳動物ゲノムであり、ヌクレオチド修飾はCpGメチル化を含む。いくつかの例示的な実施形態によれば、ゲノムはヒトゲノムであり、ヌクレオチド修飾はCpGメチル化を含む。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、対象において一般的又は普及している核酸を含む。例えば、枯渇した核酸は、全て細胞型に共通の核酸、又は典型的又は健康な細胞により豊富な核酸を含み得る。枯渇に続いて、分析される残りの核酸は、次いで、細胞型特異的核酸等の、あまり一般的でないか、又はあまり普及していない核酸を含むことができる。これらのあまり一般的でない核酸は、1つ又は複数の特定の細胞型の細胞死を含む細胞死のシグナルである可能性がある。このようなシグナルは、感染症、癌、及びその他の疾患を示している可能性がある。場合によっては、シグナルは特定の組織における癌関連アポトーシスのシグナルである。細胞の混合集団から単離又は誘導されたサンプル中の核酸は、細胞型と本開示の方法との間のヌクレオチド修飾の違いを使用して、特定の細胞型からの核酸について濃縮することができる。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、長さ約20~約5000bp、長さ約20~約1000bp、長さ約20~約500bp、長さ約20~約400bp、長さ約20~約300bp、長さ約20~約200bp、長さ約20~約100bp、長さ約50~約5000bp、長さ約50~約1000bp、長さ約50~約500bp、長さ約50~約400bp、長さ約50~約300bp、長さ約50~約200bp、長さ約50~約100bp、長さ約100~約5000bp、長さ約100~約1000bp、長さ約100~約500bp、長さ約100~約400bp、長さ約100~約300bp、又は長さ約100~約200bpである。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、長さが約50~約1000bpである。いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、長さが約50~約500bpである。いくつかの実施形態では、目的の核酸は、長さが約100~約500bpである。
いくつかの実施形態では、枯渇の標的とされる核酸は、サンプル中の全核酸の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%を構成する。
宿主/非宿主核酸
いくつかの実施形態では、目的の核酸は、非宿主核酸を含み、枯渇の標的とされる核酸は、宿主核酸を含む。
いくつかの例示的な実施形態では、宿主は脊椎動物であり、非宿主はウイルス、細菌又は真菌である。いくつかの実施形態では、脊椎動物はヒトである。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド修飾は、CpG、CpC、CpA又はCpTメチル化を含み、これは、非宿主ゲノムよりも宿主ゲノムにおいてより頻繁に起こる。当業者は、1つ又は複数のCG、CC、CA又はCT二量体を含み、メチル化の存在によってその活性が遮断される認識部位を有する修飾感受性制限酵素を選択することができ、本開示の方法を使用して枯渇の標的とされる宿主核酸を枯渇させ、非宿主核酸が濃縮されたサンプルを得ることができるであろう。いくつかの実施形態では、宿主は真核生物である。いくつかの実施形態では、宿主は、哺乳動物、鳥、爬虫類、又は昆虫である。いくつかの実施形態では、宿主は植物である。例示的な哺乳動物には、ヒト、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、又はスナネズミが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、宿主は植物である。例示的な植物には、トウモロコシ、小麦、イネ、タバコ、トマト、オレンジ、リンゴ及びアーモンド等の農業用植物が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、宿主はヒトである。
いくつかの実施形態では、非宿主は、複数の種の生物を含む。いくつかの実施形態では、非宿主は単一種の生物である。いくつかの実施形態では、非宿主は、細菌、真菌、ウイルス又は真核生物の寄生生物を含む。いくつかの実施形態では、非宿主は病原体である。
ヌクレオチド修飾
本明細書で提供されるのは、目的の核酸と枯渇の標的とされる核酸との間のヌクレオチド修飾の差を使用することを含む、枯渇の標的とされる核酸と比較して目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法を提供する。本開示の範囲内であるとして、任意のタイプのヌクレオチド修飾が想定される。本開示のヌクレオチド修飾の例示的であるが非限定的な例を以下に記載する。
本開示の方法によって使用されるヌクレオチド修飾は、任意のヌクレオチド(例えば、アデニン、シトシン、グアニン、チミン又はウラシル)で起こり得る。これらのヌクレオチド修飾は、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)で発生する可能性がある。これらのヌクレオチド修飾は、二本鎖又は一本鎖DNA分子、あるいは二本鎖又は一本鎖RNA分子で発生する可能性がある。
いくつかの実施形態では、ヌクレオチド修飾は、アデニン修飾又はシトシン修飾を含む。
いくつかの実施形態では、アデニン修飾は、アデニンメチル化を含む。いくつかの実施形態では、アデニンメチル化は、N6-メチルアデニン(6mA)を含む。N6-メチルアデニン(6mA)は、原核生物及び真核生物の両方のゲノムに存在する。ゲノム内の6mAメチル化の量は、種によって異なる。例えば、6mAの存在量は、一般に、原核生物のゲノムよりも哺乳動物及び植物のゲノムの方が低くなっている。場合によっては、6mAの存在量は、哺乳動物又は植物のゲノムと比較した場合、原核生物のゲノムでは少なくとも1,000倍高くなる。いくつかの実施形態では、ゲノムにおける6mAメチル化の位置は、種に基づいて変化する。例えば、6mAのメチル化ヌクレオチドの位置(例えば、特定の制限酵素認識部位内)は、メチルトランスフェラーゼの活性に依存し、その発現と活性は種によって異なる。したがって、6mAメチル化を使用して、複数のゲノムを含むサンプル中の真核生物と原核生物とのゲノムを区別し、本開示の方法を使用して、一方のゲノムから他方のゲノムまでの配列を選択的に濃縮することができる。
いくつかの実施形態では、アデニンメチル化は、Damメチル化を含む。Damメチル化は、デオキシアデノシンメチラーゼによって実行されるDNAヌクレオチド修飾の一種である。デオキシアデノシンメチラーゼ(DNAアデニンメチルトランスフェラーゼ又はダムメチラーゼとも呼ばれる)は、メチル基をS-アデノシルメチオニン(SAM)から配列5’-GATC-3のアデニン残基のN6位置に転移して6mAを生成する酵素である。Damメチル化及びDamメチラーゼは、原核生物及びバクテリオファージに見られる。
いくつかの実施形態では、アデニンメチル化は、EcoKIメチル化を含む。EcoKIメチル化は、EcoKIメチラーゼによって実行されるDNAヌクレオチド修飾の一種である。EcoKIメチラーゼは、配列AAC(N6)GTGC(配列番号1)及びGCAC(N6)GTT(配列番号2)のアデニン残基を修飾する。EcoKIメチラーゼ及びEcoKIメチル化は、原核生物に見られる。
いくつかの実施形態では、アデニン修飾は、グリシンによってN6で修飾されたアデニン(モミレーション(momylation))を含む。モミレーションの変化N6-(1-アセトアミド)-アデニンのアデニン。モミレーションは、バクテリオファージ等のウイルスで発生する。
いくつかの実施形態では、修飾は、シトシン修飾を含む。いくつかの実施形態では、ゲノムにおけるシトシン修飾の存在量及びタイプは、種に基づいて変化する。いくつかの実施形態では、ゲノムにおけるシトシン修飾の位置(例えば、特定の制限酵素認識部位内)は、種に基づいて変化する。
いくつかの実施形態では、シトシン修飾は、5-メチルシトシン(5mC)、5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)、5-ホルミルシトシン(5fC)、5-カルボキシルシトシン(5caC)、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシン(5ghmC)又は3-メチルシトシン(3mC)を含む。
いくつかの実施形態では、シトシン修飾は、シトシンメチル化を含む。いくつかの実施形態では、シトシンメチル化は、5-メチルシトシン(5mC)又はN4-メチルシトシン(4mC)を含む。
いくつかの実施形態では、4mCのシトシンメチル化が細菌に見られる。いくつかの実施形態では、細菌は、好熱性細菌、例えば、好熱性真正細菌又は好熱性古細菌である。
いくつかの実施形態では、シトシンメチル化は、Dcmメチル化を含む。Dcmメチル化は、Dcmメチラーゼによって実行されるメチル化の一種である。Dcmメチル化では、Dcmメチラーゼ(DNA-シトシンメチルトランスフェラーゼ又はdcm遺伝子によってコードされる)がC5位置(5mC)で配列CCAGG及びCCTGGの内部(2番目の)シトシン残基をメチル化する。Dcmメチラーゼ及びDcmメチル化は、E.コリ等の細菌に見られる。
いくつかの実施形態では、シトシンメチル化は、DNMT1メチル化、DNMT3Aメチル化又はDNMT3Bメチル化を含む。DNMT1(DNAメチルトランスフェラーゼ1)、DNMT3A(DNAメチルトランスフェラーゼ3アルファ)、及びDNMT3B(DNAメチルトランスフェラーゼ3ベータ)は、CpG、CpA、CpT、及びCpCシトシンのメチル化を仲介する哺乳動物のメチルトランスフェラーゼである。
いくつかの実施形態では、シトシンメチル化は、CpGメチル化、CpAメチル化、CpTメチル化、CpCメチル化又はそれらの組合せを含む。CpGメチル化、CpAメチル化、CpTメチル化、CpCは哺乳動物に見られる。メチル化されたシトシンは哺乳動物のCpG部位で頻繁に見られるが、CpA、CpT、CpC等の非CpG部位もメチル化される可能性がある。いくつかの実施形態では、非CpGメチル化は、多能性幹細胞、卵母細胞、及び神経系の細胞を含むがこれらに限定されない特定の細胞型に制限される。いくつかの実施形態では、非CpGシトシンメチル化は、DNMT3A及びDNTM3Bメチルトランスフェラーゼによって媒介される。いくつかの実施形態では、シトシンは、C5位置(5mC)でメチル化されている。したがって、CpA、CpT、及びCpCのメチル化を使用して、混合細胞型のサンプルで異なる細胞型から単離又は誘導された核酸を区別することができる。
いくつかの実施形態では、シトシンメチル化は、CpGメチル化を含む。哺乳動物のCpGメチル化は、DNMT1、DNMT3A、及びDNMT3B DNAメチルトランスフェラーゼによって媒介される。DNMT1は、主にCpG部位でヘミメチル化されたDNAに結合する。DNA複製後、新しく合成された鎖はメチル化を欠くが、親株はメチル化されたヌクレオチドを保持する。DNMT1は、DNA複製によって生成されたヘミメチル化CpG部位に結合し、新しく合成された鎖のシトシンをメチル化する。DNMT3A及びDNMT3Bは、結合するためにヘミメチル化DNAを必要とせず、ヘミメチル化CpG部位及び非メチル化CpG部位の両方に対して同等の親和性を示す。いくつかの実施形態では、DNMT1、DNMT3A及びDNMT3Bは、5mCメチル化を媒介する。哺乳動物では、CpGメチル化は、活性遺伝子のプロモータ等、ゲノムの転写活性部位でより頻繁に発生する。したがって、CpGメチル化を使用して、哺乳動物ゲノムの活性領域と不活性領域とを選択的に区別することができる。例えば、CpGメチル化は、本開示の方法を使用して、枯渇のために哺乳動物ゲノムの活性領域を選択的に標的化するために使用することができる。
いくつかの実施形態では、シトシン修飾は、5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)を含む。5hmCは5mCの酸化誘導体である。5hmCは、ウイルス(バクテリオファージ等)及び一部の哺乳動物組織(脳等)に見られる。
いくつかの実施形態では、シトシン修飾は、5-ホルミルシトシン(5fC)を含む。5-ホルミルシトシンは5mCの酸化誘導体である。5mCは5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)に酸化され、次に5fCに酸化される。いくつかの実施形態では、これらの酸化工程のそれぞれは、10-11転座(TET)酵素によって実行される。いくつかの実施形態では、5fCは哺乳動物のゲノムに見られる。
いくつかの実施形態では、シトシン修飾は、5-カルボキシルシトシン(5caC)を含む。5caCは5mCの最終酸化誘導体である。5mCは5hmCに酸化され、次にTETファミリの酵素によって5fC、次に5caCに酸化される。いくつかの実施形態では、5caCは、哺乳動物のゲノムに見出される。
いくつかの実施形態では、シトシン修飾は、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシンを含む。いくつかの実施形態では、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシンはウイルスに見られる。いくつかの実施形態では、ウイルスはバクテリオファージである。いくつかの実施形態では、ウイルスは非宿主の種であり、ウイルス核酸はサンプル中の目的の核酸である。
いくつかの実施形態では、シトシン修飾は、3-メチルシトシンを含む。
修飾感受性制限酵素
本明細書で提供されるのは、1つ又は複数の修飾感受性制限酵素によって認識される、目的の核酸と枯渇の標的とされる核酸との間のヌクレオチド修飾の差を使用することを含む、枯渇の標的とされる核酸と比較して目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法を提供する。本明細書に記載のヌクレオチド修飾のいずれかに感受性のある任意のタイプの制限酵素は、本開示の範囲内にある。
本開示の方法のいくつかの実施形態では、方法は、少なくとも第1の修飾感受性制限酵素及び第2の修飾感受性制限酵素を使用する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の修飾感受性制限酵素は同じである。いくつかの実施形態では、第1及び第2の修飾感受性制限酵素は同じではない。いくつかの実施形態では、第1又は第2の修飾感受性制限酵素は、単一種の制限酵素(例えば、AluI又はMcrBCであるが、両方ではない)である。いくつかの実施形態では、第1又は第2の修飾感受性制限酵素は、2つ以上の種の修飾感受性制限酵素の混合物(例えば、FspEI及びAbaSIの混合物)である。本開示の方法のいくつかの実施形態では、第1又は第2の修飾感受性制限酵素は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9又は少なくとも10又はそれを超える修飾感受性制限酵素の混合物を含む。本開示の方法のいくつかの実施形態では、3つ以上の異なる方法が組み合わされ、それぞれが、異なる修飾感受性制限酵素又は修飾感受性制限酵素のカクテルを使用する。
本明細書で使用される「修飾感受性制限酵素」という用語は、制限酵素に対する認識部位内又は認識部位に隣接する修飾ヌクレオチドの存在に感受性がある制限酵素を指す。修飾感受性制限酵素は、認識部位自体内の修飾ヌクレオチドに感受性である可能性がある。修飾感受性制限酵素は、認識部位に隣接する修飾ヌクレオチド、例えば、認識部位の5’又は3’内の1~50ヌクレオチドに感受性であり得る。修飾感受性制限酵素は、認識部位内の修飾ヌクレオチド及び認識部位に隣接する修飾ヌクレオチドの両方に感受性であり得る。本明細書で使用される「認識部位」という用語は、制限酵素によって認識される特定の配列を含むポリヌクレオチド内の部位を指す。制限酵素は、ポリヌクレオチドの認識部位内、又は認識部位の近くで切断する。いくつかの実施形態では、制限酵素は、認識部位の1~105ヌクレオチド内で切断する。いくつかの実施形態では、制限酵素は、ポリヌクレオチドにおいて3キロベース以上離れている可能性がある一対の認識ハーフ部位を認識する。いくつかの実施形態では、制限酵素は、ポリヌクレオチド中の特定の配列(認識部位)を認識する。いくつかの実施形態では、認識部位は、3~20bpの長さである。いくつかの実施形態では、認識部位はパリンドロームである。
本開示のヌクレオチド修飾は、認識部位自体内にあるか、又は認識部位に隣接するヌクレオチドを含むことができる(例えば、認識部位の1~50ヌクレオチド、5’又は3’、又はその両方内)。
いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素は、認識部位内又は認識部位に隣接する単一の修飾ヌクレオチドに対して感受性である。
いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素は、認識部位内又は認識部位に隣接する複数の修飾ヌクレオチドに対して感受性である。
いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素は、認識部位内又は認識部位に隣接する1つ又は複数のヌクレオチド上の特定の1つ又は複数のタイプの修飾(例えば、メチル化、ヒドロキシメチル化又はカルボキシル化)に対して感受性である。
いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素は、認識部位内又は認識部位に隣接する特定のヌクレオチド又は複数のヌクレオチドの修飾に対して感受性である。
いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素は、認識部位内又は認識部位に隣接する修飾ヌクレオチドの特定の空間的配置に感受性がある。例えば、修飾感受性制限酵素は、DNAポリヌクレオチドの認識部位内で、1又は2ヌクレオチド離れた、反対側の鎖上で、一対の修飾に対して感受性であり得る。
いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素は、認識部位内又は認識部位に隣接する1つ又は複数の修飾ヌクレオチドの存在によって遮断される。修飾ヌクレオチドの存在によって遮断される修飾感受性制限酵素は、修飾ヌクレオチドを含有しない認識部位で切断し、修飾ヌクレオチドを含有する認識部位においては、切断しないか、又は低レベルで切断する。
修飾ヌクレオチドによって活性が遮断される修飾感受性制限酵素には、認識部位内又は認識部位に隣接する部位で、任意の種類の修飾ヌクレオチド、又は修飾ヌクレオチドの任意の組合せによってその活性が遮断又は低減される酵素が含まれる。修飾感受性制限酵素の活性を遮断又は低減することができる例示的な修飾には、N6-メチルアデニン、5-メチルシトシン(5mC)、5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)、5-ホルミルシトシン(5fC)、5-カルボキシルシトシン(5caC)、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシン、3-メチルシトシン(3mC)、N4-メチルシトシン(4mC)又はそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。修飾感受性制限酵素を遮断することができる例示的な修飾には、Dam、Dcm、EcoKI、DNMT1、DNMT3A、DNMT3B及びTET酵素によって媒介される修飾が含まれる。
いくつかの実施形態では、修飾は、Damメチル化を含む。Damメチル化によってブロックされる制限酵素には、以下の表1の酵素が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、修飾は、Dcmメチル化を含む。Dcmメチル化によってブロックされる制限酵素には、以下の表2の酵素が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、修飾は、CpGメチル化を含む。CpGメチル化によってブロックされる制限酵素には、以下の表3の酵素が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素は、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む認識部位で活性であり、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含まない認識部位では活性ではない。例えば、修飾感受性制限酵素は、1つ又は修飾されたヌクレオチドを含む認識部位で開裂するが、1つ又は複数の修飾ヌクレオチドを含まない認識部位を開裂しない。
1つ又は複数の修飾ヌクレオチドを含む認識部位で開裂する修飾感受性制限酵素によって認識される例示的な修飾には、N6-メチルアデニン、5-メチルシトシン(5mC)、5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)、5-ホルミルシトシン(5fC)、5-カルボキシルシトシン(5caC)、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシン、3-メチルシトシン(3mC)、N4-メチルシトシン(4mC)又はそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。1つ又は複数の修飾ヌクレオチドを含む認識部位を特異的に開裂する認識された修飾感受性制限酵素の例示的な修飾には、Dam、Dcm、EcoKI、DNMT1、DNMT3A、DNMT3B及びTET酵素によって媒介される修飾が含まれる。
認識部位内又は認識部位に隣接する1つ又は複数の修飾ヌクレオチドを含む認識部位で開裂する、例示的であるが非限定的な修飾感受性制限酵素を、以下の表4に列挙する。
いくつかの実施形態では、修飾は、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシンを含み、修飾感受性制限酵素は、AbaSIを含む。AbaSIは、グルコシルヒドロキシメチルシトシンを含むAbaSI認識部位を開裂し、グルコシルヒドロキシメチルシトシンを含まないAbaSI認識部位を開裂しない。
いくつかの実施形態では、ヌクレオチド修飾は、5-ヒドロキシメチルシトシンを含み、修飾感受性制限酵素は、AbaSI及びT4ファージβ-グルコシルトランスフェラーゼを含む。T4ファージβ-グルコシルトランスフェラーゼは、ウリジン二リン酸グルコース(UDP-Glc)のグルコース部分を二本鎖DNAの5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hmC)残基に、例えばAbaSI認識部位内で特異的に転移し、グルコシルヒドロキシメチルシトシン修飾AbaSI認識部位を作製する。AbaSIは、グルコシルヒドロキシメチルシトシンを含むAbaSI認識部位を開裂し、グルコシルヒドロキシメチルシトシンを含まないAbaSI認識部位を開裂しない。
いくつかの実施形態では、ヌクレオチド修飾はメチルシトシンを含み、修飾感受性制限酵素はMcrBCを含む。McrBCは、メチルシトシンを含むMcrBC部位を開裂し、メチルシトシンを含まないMcrBC部位を開裂しない。McrBC部位は、一方又は両方のDNA鎖でメチルシトシンで修飾され得る。いくつかの実施形態では、McrBCはまた、一方又は両方のDNA鎖上のヒドロキシメチルシトシンを含むMcrBC部位を開裂する。いくつかの実施形態では、McrBCハーフ部位は、最大3000ヌクレオチドによって分離されている。いくつかの実施形態では、McrBCハーフ部位は、55~103ヌクレオチドによって分離されている。
いくつかの実施形態では、修飾はアデニンメチル化を含み、方法はDpnIによる消化を含む。GATC認識の両方の鎖のアデニンがメチル化されると、DpnIはGATC認識部位を開裂する。いくつかの実施形態では、アデニンメチル化及びシトシン修飾の両方を含むDpnI GATC認識部位は、細菌DNAでは発生するが、哺乳動物DNAでは発生しない。メチル化アデニン及び修飾シトシンの両方を含むこれらの認識部位は、サンプル(例えば細菌及び哺乳動物の混合DNA等)でDpnIによって選択的に開裂され、次いでT4ポリメラーゼで処理されて、メチル化アデニン及び修飾シトシンが、切断された末端において、未修飾アデニン及びシトシン非修飾アデニンに置き換わる。T4ポリメラーゼは、鋳型、プライマー、ヌクレオチドの存在下で、5’から3’方向のDNA合成を触媒する。T4ポリメラーゼは、未修飾のヌクレオチドを新しく合成されたDNAに組み込む。これにより、目的の核酸に未修飾のシトシンが含まれ、枯渇の標的とされる核酸に修飾されたシトシンが含まれるサンプルが生成される。修飾シトシンのこれらの違いは、本開示の方法を使用して目的の核酸を濃縮するために使用することができる。
ホスファターゼ
本開示の方法のいくつかの実施形態では、サンプル中の核酸は末端脱リン酸化されて、サンプル中の核酸を修飾感受性制限酵素と接触することによって、末端リン酸が露出した、目的の核酸又は枯渇の標的とされる核酸のいずれかを生成し、目的の核酸についてサンプルを濃縮するために本開示の方法で使用することができる。例えば、これらの露出した末端リン酸は、エキソヌクレアーゼによる分解のための枯渇のための核酸(図2)又はアダプタ連結のための目的の核酸(図1)を標的とするために使用され得る。
本明細書で使用される場合、「末端脱リン酸化」という用語は、核酸分子の5’及び3’末端から末端リン酸基が除去された核酸を指す。
いくつかの実施形態では、サンプル中の核酸は、ホスファターゼを使用して末端脱リン酸化される。ホスファターゼは、DNA及びRNA分子の5’及び3’末端の脱リン酸化を非特異的に触媒する酵素である。いくつかの実施形態では、ホスファターゼはアルカリホスファターゼである。
本開示の例示的なホスファターゼには、エビアルカリホスファターゼ(SAP)、組換えエビアルカリホスファターゼ(rSAP)、子ウシ腸アルカリホスファターゼ(CIP)及び南極ホスファターゼが含まれるが、これらに限定されない。
エキソヌクレアーゼ
本明細書で使用される場合、「エキソヌクレアーゼ」という用語は、核酸分子の3’又は5’末端からヌクレオチドを連続的に除去する酵素のクラスを指す。核酸分子は、DNA又はRNAであり得る。DNA又はRNAは一本鎖又は二本鎖とすることができる。例示的なエキソヌクレアーゼには、ラムダヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII及びBAL-31が含まれるが、これらに限定されない。エキソヌクレアーゼは、本開示の方法を使用して、枯渇の標的とされる核酸を選択的に分解するために使用することができる(例えば図2)。
いくつかの実施形態では、エキソヌクレアーゼIIIは、枯渇の標的とされる開裂されたDNAを分解する一方で、目的の切断されていないDNAを無傷のままにするために使用される。エキソヌクレアーゼIIIは、末端リン酸を有する平滑末端又は5’オーバーハングを使用することにより、1つのDNA鎖の一方向の3’>5’分解を開始し、一本鎖DNA及びヌクレオチドを生成する。一本鎖DNA又は末端リン酸を欠くDNAに対しては活性がないため、Y字型アダプタ末端等の3’オーバーハングは分解に耐性がある。その結果、修飾感受性制限酵素によって切断されず、末端リン酸を欠く目的の無傷な二本鎖DNA断片は、エキソヌクレアーゼIIIによって消化されないが、修飾感受性制限酵素によって開裂された枯渇の標的とされるDNA分子はエキソヌクレアーゼIIIによって分解される。
いくつかの実施形態では、エキソヌクレアーゼIは、枯渇の標的とされる開裂されたDNAを分解する一方で、目的の切断されていないDNAを無傷のままにするために使用される。いくつかの実施形態では、核酸断片のサンプル(例えば、一本鎖DNA)は、脱リン酸化され、そして枯渇の標的とされる核酸を切断するが目的の核酸を切断しない修飾感受性制限酵素で切断される。エキソヌクレアーゼIは一本鎖DNAを3’から5’の方向に分解する。
いくつかの実施形態では、ラムダヌクレアーゼ(ラムダエキソヌクレアーゼ)は、枯渇の標的とされる開裂されたDNAを分解する一方で、目的の切断されていないDNAを無傷のままにするために使用される。いくつかの実施形態では、核酸断片のサンプル(例えばDNA)は、脱リン酸化され、そして枯渇の標的とされる核酸を切断するが目的の核酸を切断しない修飾感受性制限酵素で切断される。ラムダヌクレアーゼは、非常に前進型5’から3’のエキソヌクレアーゼである。その好ましい基質は5’リン酸化二本鎖DNAであり、リン酸化されていないDNAを大幅に低下した速度で分解する。したがって、目的の無傷の脱リン酸化された核酸はラムダヌクレアーゼから保護され、一方、5’リン酸を曝露した枯渇の標的とされる切断された核酸は分解される。
いくつかの実施形態では、エキソヌクレアーゼBAL-31は、枯渇の標的とされる開裂されたDNAを分解するために使用されるが、一方目的の切断されていないDNAを無傷のまま残す。いくつかの実施形態では、核酸断片のサンプル(例えばDNA)は、脱リン酸化され、そして枯渇の標的とされる核酸を切断するが目的の核酸を切断しない修飾感受性制限酵素で切断される。サンプルは、修飾感受性制限酵素と接触し、枯渇の標的とされる核酸を切断し、目的の核酸を無傷のままにする。得られた生成物をエキソヌクレアーゼBAL-31と接触させる。エキソヌクレアーゼBAL-31には、二本鎖DNAエキソヌクレアーゼ活性及び一本鎖DNA/RNAエンドヌクレアーゼ活性の2つの活性がある。二本鎖DNAエキソヌクレアーゼ活性により、BAL-31は両方の鎖の開放端からDNAを分解し、二本鎖DNAのサイズを小さくすることができる。培養が長ければ長いほど、二本鎖DNAのサイズが大きく減少し、中程度から大きなDNA断片(>200bp)を枯渇させるのを助ける。いくつかの実施形態では、核酸の3’末端は、末端トランスフェラーゼを使用して、ポリdGで尾部に付けられている。BAL-31の一本鎖エンドヌクレアーゼ活性により、ポリ-A、-C、又は-Tを非常に迅速に消化できるが、ポリ-Gの消化は非常に低いことが注目された。この性質のため、ライブラリの3’末端に一本鎖ポリ-dGを追加すると、BAL-31による分解からの保護として機能する。その結果、修飾感受性制限酵素によってポリdGテール化及び開裂されたDNA分子は、BAL-31によって分解される可能性があり、一方、無傷なDNAライブラリは、3’末端のポリ-dG保護及び/又は末端リン酸の欠如により、BAL-31によって消化されない。
本開示の方法のいくつかの実施形態では、方法は、核酸のリン酸化末端からのヌクレオチドの連続的な除去を可能にする条件下で、サンプルをエキソヌクレアーゼと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、サンプル中の核酸は、末端脱リン酸化される。いくつかの実施形態では、サンプルをエキソヌクレアーゼと接触させることは、サンプル中の核酸を、サンプル中の切断された核酸の末端の末端リン酸を露出させる修飾感受性制限酵素で切断した後、サンプルをエキソヌクレアーゼと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、露出された末端リン酸を有するサンプル中の核酸は、枯渇の標的とされる核酸を含む。いくつかの実施形態では、エキソヌクレアーゼは、サンプルからの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%の枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる。
アダプタ
本開示は、サンプル中の核酸又は目的の核酸の5’及び3’末端に連結されたアダプタを提供する。本開示の方法のいくつかの実施形態では、アダプタは、サンプル中の全て核酸に連結し、次いで、ヌクレオチド修飾の違いを使用して、枯渇の標的とされる核酸を選択的に開裂し、アダプタが両端に連結した目的の核酸及び一方の端にアダプタが連結されている枯渇の標的とされる核酸を生成する(図3、図4)。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド修飾の違いを使用して、枯渇の標的とされる核酸を選択的に枯渇させ、次にアダプタを目的の核酸に連結させる(図2)。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド修飾の違いを使用して、露出した末端リン酸を有する目的の核酸を生成し、アダプタを目的の核酸に連結するために使用される(図1)。
本開示の方法のいくつかの実施形態では、アダプタは、サンプル中の核酸の5’及び3’末端に連結される。いくつかの実施形態では、アダプタは、5’末端及び/又は3’末端の間に介在する配列を更に含む。例えば、アダプタは、バーコード配列を更に含むことができる。
いくつかの実施形態では、アダプタは、二本鎖DNA分子の両方の鎖に連結可能である核酸である。
いくつかの実施形態では、アダプタは、枯渇/濃縮の前に連結される。他の実施形態では、アダプタは後の工程で連結される。
いくつかの実施形態では、アダプタは線形である。いくつかの実施形態では、アダプタは線形のY字型である。いくつかの実施形態では、アダプタは線形円形である。いくつかの実施形態では、アダプタはヘアピンアダプタである。いくつかの実施形態では、アダプタは、ポリG配列を含む。
様々な実施形態において、アダプタは、ヘアピンアダプタ、すなわち、それ自体と塩基対が、分子の3’及び5’末端が5’が断片の二本鎖DNA分子の5’及び3’末端連結する、二本鎖ステム及びループを有する構造を形成する1つの分子であり得る。
あるいは、アダプタは、断片の一端又は両端に連結されたYアダプタであり、ユニバーサルアダプタとも呼ばれる。あるいは、アダプタ自体は、互いに塩基対である2つの別個のオリゴヌクレオチド分子から構成され得る。更に、アダプタの連結可能な末端は、制限酵素による開裂によって作られたオーバーハングと互換性があるように設計されているか、又は平滑末端又は5’Tオーバーハングを有し得る。いくつかの実施形態では、制限酵素は、修飾感受性制限酵素である。
アダプタは、二本鎖及び一本鎖分子を含み得る。したがって、アダプタはDNA又はRNA、あるいはその2つの混合物であり得る。RNAを含むアダプタは、RNase処理又はアルカリ加水分解によって開裂され得る。
この範囲外のアダプタは、本開示から逸脱することなく使用可能であるが、アダプタは、10~100bpの長さであり得る。特定の実施形態では、アダプタは、少なくとも10bp、少なくとも15bp、少なくとも20bp、少なくとも25bp、少なくとも30bp、少なくとも35bp、少なくとも40bp、少なくとも45bp、少なくとも50bp、少なくとも55bp、少なくとも60bp、少なくとも65bp、少なくとも70bp、少なくとも75bp、少なくとも80bp、少なくとも85bp、少なくとも90bp、又は少なくとも95bpの長さである。
いくつかの実施形態では、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸アダプタ連結は、長さ約20~約5000bp、長さ約20~約1000bp、長さ約20~約500bp、約20~約400bp、長さ約20~約300bp、長さ約20~約200bp、長さ約20~100bp、長さ約50~約5000bp、長さ約50~約1000bp、長さ約50~約500bp、長さ約50~約400bp、長さ約50~約300bp、長さ約50~約200bp、長さ約50~100bp、長さ約100~約5000bp、長さ約100~約1000bp、長さ約100~約500bp、長さ約100~約400bp、長さ約100~約300bp、長さ約100~約200bpである。いくつかの実施形態では、アダプタ連結された、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸は、長さが約50~約1000bpの範囲である。いくつかの実施形態では、アダプタ連結された、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸は、長さが約50~約500bpの範囲である。いくつかの実施形態では、アダプタ連結された、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸は、長さが約100~約500bpの範囲である。いくつかの実施形態では、アダプタ連結された、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸は、長さが約50~約300bpの範囲である。
いくつかの実施形態では、アダプタは、宿主ゲノムの特定の領域、例えば、その配列がNCBIのGenbankデータベース又は他のデータベースに寄託されている染色体領域のヌクレオチド配列に一致するように設計されたオリゴヌクレオチドを含み得る。そのようなオリゴヌクレオチドは、試験ゲノムを含むサンプルを使用するアッセイで使用することができ、試験ゲノムは、オリゴヌクレオチドの結合部位を含む。更なる例において、断片化された核酸配列は、1つ又は複数のDNAシークエンシングライブラリに由来し得る。アダプタは、例えばIlluminaシークエンシングプラットフォームで使用するため、又はIonTorrentsプラットフォームで使用するため、又はナノポア技術で使用するために、次世代シークエンシングプラットフォーム用に構成することができる。
いくつかの実施形態では、アダプタは、シークエンシングアダプタ(例えば、Illuminaシークエンシングアダプタ)を含む。いくつかの実施形態では、アダプタは、固有の分子識別子(UMI)配列を含む。いくつかの実施形態では、UMI配列は、各元の核酸分子に固有の配列(例えば、ランダム配列)を含む。これにより、シークエンシングの偏りがなく、核酸量の定量化が可能になる。いくつかの実施形態では、アダプタは「バーコード」配列を含む。いくつかの実施形態では、バーコード配列は、特定の供給源(対象、患者、環境サンプル、パーティション(例えば、液滴、ウェル、ビーズ)等)からの核酸分子間で共有されるバーコード配列を含む。これにより、その後の分析のためにシークエンシング情報をプールすることができ、検出及び相互汚染の排除が可能になる。いくつかの実施形態では、アダプタは、各核酸分子に固有のUMI、特定の供給源からの核酸分子間で共有されるバーコード、及びシークエンシングアダプタ等の複数の別個の配列を含む。
枯渇
枯渇の標的とされる核酸は、様々な手法によって枯渇させることができる。
枯渇の標的とされる核酸は、異なるアダプタの付着によって枯渇され得る。いくつかの実施形態では、アダプタは、サンプルの核酸に付着し、その後、1つ又は複数のアダプタが、それらの修飾状態に基づいて、枯渇の標的とされる核酸から除去される。例えば、両端にアダプタが付着した枯渇の標的とされる核酸は、修飾感受性制限酵素によって開裂され、それにより、一端のみにアダプタが付着した枯渇の標的とされる核酸が生成される。後続の工程(例えば、増幅)を使用して、両端にアダプタが取り付けられた核酸のみを標的とし、それにより、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させることができる。別の例では、サンプルの核酸は、開裂された核酸のみがアダプタを付着させることができるように(例えば、脱リン酸化によって)処理され、続いて、目的の核酸を修飾感受性制限酵素によって切断することができ(例えば、それによってリン酸基を露出させる)、アダプタを付着させることができる。後続の工程(例えば、増幅)を使用して、アダプタが付着した核酸のみを標的とし、それにより、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させることができる。
枯渇の標的とされる核酸は、消化によって枯渇する可能性がある。例えば、サンプルの核酸は、開裂された核酸のみが消化され得るように(例えば、エキソヌクレアーゼによって)処理される(例えば、脱リン酸化によって)。枯渇の標的とされる核酸は、修飾感受性制限酵素によって開裂され、それによって消化可能になる。次に、エキソヌクレアーゼ等によるその後の消化を使用して、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させることができる。
枯渇の標的とされる核酸は、サイズ選択によって枯渇させることができる。例えば、修飾感受性制限酵素を使用して、目的の核酸又は枯渇の標的とされる核酸のいずれかを開裂することができ、その後、目的の核酸を、開裂によるサイズの違いに基づいて、枯渇の標的とされる核酸から分離することができる。
場合によっては、サイズ選択を使用せずに、枯渇の標的とされる核酸が枯渇する。
枯渇の標的とされる核酸は、標的となる結合によって枯渇され得る。例えば、修飾感受性結合ドメイン(例えば、メチル化感受性抗体又はDNA結合ドメイン)を使用して、それらの修飾状態に基づいて、枯渇の標的とされる核酸又は目的の核酸のいずれかに結合及び分離することができる。本明細書で使用される場合、「修飾感受性結合ドメイン」は、修飾感受性様式で核酸に結合するが、本明細書に開示される修飾感受性制限酵素とは異なり、核酸を切断しないタンパク質、タンパク質断片、又は融合タンパク質を指す。「修飾感受性標的結合」は、修飾感受性結合ドメインによる核酸の結合を指す。いくつかの例示的な実施形態において、修飾感受性結合ドメインの核酸への結合は、枯渇の標的とされる核酸又は目的の核酸のいずれかの選択的結合、それに続く精製、例えば、共免疫沈降、又は修飾感受性結合ドメインのビーズ又はカラムへの結合を可能にするのに十分に安定である。
場合によっては、枯渇の標的とされる核酸は、修飾感受性標的結合を使用せずに枯渇される。場合によっては、枯渇の標的とされる核酸は、CpG感受性標的結合を使用せずに枯渇する。
方法
プロトコル1:本明細書に記載の用途の例示的な方法を図1に示す。目的の核酸(101)及び枯渇の標的とされる核酸(102)を含む核酸のサンプルは、末端脱リン酸化されて(105)、リン酸化されていない目的の核酸(106)及び枯渇の標的とされる核酸(107)を生成する。いくつかの実施形態では、核酸は、脱リン酸化の前に断片化される。いくつかの実施形態では、サンプル中の核酸は、ホスファターゼ、例えば組換えエビアルカリホスファターゼ(rSAP)で末端脱リン酸化される。いくつかの実施形態では、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸の両方は、修飾化感受性制限酵素に対する1つ又は複数の認識部位(それぞれ103、104)を含む。目的の核酸において、修飾感受性制限酵素に対する認識部位は、修飾ヌクレオチドを含まない(103)か、あるいは、枯渇の標的とされる核酸の対応する認識部位よりも頻度が低い修飾ヌクレオチドを含む。枯渇の標的とされる核酸において、修飾感受性制限酵素の認識部位は、制限部位内(104)又は制限部位に隣接する修飾ヌクレオチドを含むか、あるいは、目的の核酸の対応する認識部位よりも頻繁に修飾ヌクレオチドを含む。修飾感受性制限酵素(109)の活性は、その同種の認識部位(108)内又はそれに隣接する修飾ヌクレオチドの存在によって遮断され、それにより、修飾感受性制限酵素の活性を目的の核酸に標的化する(110及び111の比較)。いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素(109)は、AatII、AccII、Aor13HI、Aor51HI、BspT104I、BssHII、Cfr10I、ClaI、CpoI、Eco52I、HaeII、HapII、HhaI、MluI、NaeI、NotI、NruI、NsbI、PmaCI、Psp1406I、PvuI、SacII、SalI、SmaI、SnaBI、AluI又はSau3AIを含む。いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素(109)は、AluI又はSau3AIを含む。サンプルを修飾感受性制限酵素(113)で消化すると、末端リン酸(114)の5’及び3’末端に末端リン酸を持つ目的の核酸が生成される。これらの末端リン酸は、アダプタ(115、連結工程、116、アダプタ)を目的の核酸の末端に連結するために使用され、両端でアダプタ連結される目的の核酸を生成する(117)。対照的に、枯渇の標的とされる核酸はアダプタ連結されていない(111)。これらのアダプタは、下流の用途、例えばアダプタを介したPCR増幅、シークエンシング(例えばハイスループットシークエンシング)、サンプル中の目的の核酸の定量化、及び/又はクローニングに使用できる。これは、目的の核酸にアダプタを選択的に連結することにより、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる。この枯渇は、サイズ選択を使用せずに実行できる。あるいは、目的のアダプタ連結核酸は、本明細書に記載の1つ又は複数の追加の濃縮方法に使用される。例えば、アダプタ連結された核酸は、本開示の追加の修飾依存濃縮方法(例えば、図3に示される方法)に使用される。あるいは、又は更に、アダプタ連結された核酸は、本開示の核酸誘導型ヌクレアーゼベースの濃縮方法(例えば、図4に示される方法)に使用される。
プロトコル2:本明細書に記載の用途の例示的な方法を図2に示す。目的の核酸(201)及び枯渇の標的とされる核酸(202)を含む核酸のサンプルは、末端脱リン酸化されて(205)、リン酸化されていない目的の核酸(206)及び枯渇の標的とされる核酸(207)を生成する。いくつかの実施形態では、核酸は、脱リン酸化の前に断片化される。いくつかの実施形態では、サンプル中の核酸は、ホスファターゼ、例えば組換えエビアルカリホスファターゼ(rSAP)で末端脱リン酸化される。いくつかの実施形態では、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸の両方は、修飾化感受性制限酵素に対する1つ又は複数の認識部位(それぞれ203、204)を含む。目的の核酸において、修飾感受性制限酵素に対する認識部位は、修飾ヌクレオチドを含まない(203)か、あるいは、枯渇の標的とされる核酸の対応する認識部位よりも頻度が低い修飾ヌクレオチドを含む。枯渇の標的とされる核酸において、修飾感受性制限酵素の認識部位は、制限部位内(204)又は制限部位に隣接する修飾ヌクレオチドを含むか、あるいは、目的の核酸の対応する認識部位よりも頻繁に修飾ヌクレオチドを含む。修飾感受性制限酵素(209)は、認識部位(208)内又はそれに隣接して1つ又は複数の修飾ヌクレオチドが存在する場合、その同種の認識部位を切断し、認識部位が1つ又は複数の修飾ヌクレオチド(208)を含まない場合、その同種の認識部位を切断せず、それにより、修飾感受性制限酵素の活性を、枯渇の標的とされる核酸に標的化する(210及び211を比較)。いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素は、AbaSI、FspEI、LpnPI、MspJI又はMcrBCを含む。いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素はFspEIである。いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素は、MspJIである。修飾化感受性制限酵素(212)を有するサンプルの消化は、核酸(214)の一端(213)又は5’及び3’末端の両方に末端リン酸を有する、枯渇の標的とされる核酸を生成する。対照的に、修飾感受性制限酵素によって切断されなかった目的の核酸は、核酸の5’及び/又は3’末端に露出した末端リン酸を持たない(210を213~214と比較)。次に、サンプルをエキソヌクレアーゼ(215、消化工程、216、エキソヌクレアーゼ)で消化する。エキソヌクレアーゼは、枯渇の標的とされる核酸の末端リン酸を使用して、核酸分子の末端から連続するヌクレオチドを除去し、したがって枯渇の標的とされる核酸をサンプルから枯渇させる。この枯渇は、サイズ選択を使用せずに実行できる。エキソヌクレアーゼ消化に続いて、アダプタは、末端リン酸を欠き、エキソヌクレアーゼによって消化されていない目的の核酸(217)に連結される。これにより、両端でアダプタ連結された目的の核酸が生成される(218)。これらのアダプタは、下流の用途、例えばアダプタを介したPCR増幅、シークエンシング(例えばハイスループットシークエンシング)、サンプル中の目的の核酸の定量化、及び/又はクローニングに使用できる。あるいは、目的のアダプタ連結核酸は、本明細書に記載の1つ又は複数の追加の濃縮方法に使用される。例えば、アダプタ連結された核酸は、本開示の追加の修飾依存濃縮方法(例えば、図3に示される方法)に使用される。あるいは、又は更に、アダプタ連結された核酸は、本開示の核酸誘導型ヌクレアーゼベースの濃縮方法(例えば、図4に示される方法)に使用される。
プロトコル3:本明細書に記載の用途の例示的な方法を図3に示す。目的の核酸(301)及び枯渇の標的とされる核酸(302)を含む核酸のサンプルは、アダプタ連結(305)されるか、又は本開示の濃縮方法(306)に使用され(例えば、図1又は図2に示される方法)、アダプタ連結された目的の核酸(307)及びアダプタ連結された枯渇の標的とされる核酸(308)を生成する。いくつかの実施形態では、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸の両方は、修飾化感受性制限酵素に対する1つ又は複数の認識部位(それぞれ303、304)を含む。目的の核酸において、修飾感受性制限酵素に対する認識部位は、修飾ヌクレオチドを含まない(303)か、あるいは、枯渇の標的とされる核酸の対応する認識部位よりも頻度が低い修飾ヌクレオチドを含む。枯渇の標的とされる核酸において、修飾感受性制限酵素の認識部位は、制限部位内(304)又は制限部位に隣接する修飾ヌクレオチドを含むか、あるいは、目的の核酸の対応する認識部位よりも頻繁に修飾ヌクレオチドを含む。修飾感受性制限酵素(309)は、認識部位(308)内又はそれに隣接して1つ又は複数の修飾ヌクレオチドが存在する場合、その同種の認識部位を切断し、認識部位が1つ又は複数の修飾ヌクレオチド(308)を含まない場合、その同種の認識部位を切断せず、それにより、修飾感受性制限酵素の活性を、枯渇の標的とされる核酸に標的化する(310及び311を比較)。いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素は、AbaSI、FspEI、LpnPI、MspJI又はMcrBCを含む。いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素はFspEIである。いくつかの実施形態では、修飾感受性制限酵素は、MspJIである。サンプルは修飾感受性制限酵素(311)で消化され、アダプタ連結されていない(312)、又は一端のみがアダプタ連結されている(313)、枯渇の標的とされる核酸を生成する。これは、枯渇の標的とされる核酸からアダプタを選択的に除去することにより、枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる。この枯渇は、サイズ選択を使用せずに実行できる。対照的に、修飾感受性制限酵素によって切断されなかった目的の核酸は、両端でアダプタ連結される(310と312-313の対照)。これらのアダプタは、下流の用途、例えばアダプタを介したPCR増幅、シークエンシング(例えばハイスループットシークエンシング)、サンプル中の目的の核酸の定量化、及び/又はクローニングに使用できる。
プロトコル4:本明細書に記載の用途の例示的な方法を図4に示す。複数のgNA(401)を使用して、アダプタ連結核酸のサンプル中の枯渇の標的とされる核酸(403)に対して核酸誘導型ヌクレアーゼ(402)を標的化する。アダプタ連結された核酸は、最初のアダプタ連結の前又は後のいずれかに、修飾感受性制限酵素を使用してサンプルからの枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる、本明細書に記載の濃縮方法のいずれかによって生成される。この方法では、gNAは、枯渇の標的とされる核酸(403)を特異的に標的とし、目的の核酸(404)は標的としないため、核酸誘導型ヌクレアーゼ(402)によって切断されない。核酸誘導型ヌクレアーゼによる開裂は、一端でアダプタ連結された枯渇の標的とされる核酸(405)、及び両端でアダプタ連結された目的の核酸(403)をもたらす。これらのアダプタは、下流の用途、例えばアダプタを介したPCR増幅、シークエンシング(例えばハイスループットシークエンシング)、サンプル中の目的の核酸の定量化、及びクローニングに使用できる。
プロトコル5:いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼは、核酸誘導ニッカーゼである。複数のgNAを使用して、アダプタ連結核酸のサンプル中の枯渇の標的とされる核酸に対して核酸誘導ニッカーゼを標的化する。アダプタ連結された核酸は、最初のアダプタ連結の前又は後のいずれかに、修飾感受性制限酵素を使用してサンプルからの枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる、本明細書に記載の濃縮方法のいずれかによって生成される。いくつかの実施形態では、複数のgNAは、枯渇の標的とされる全て核酸が、枯渇の標的とされる二本鎖DNAの反対のDNA鎖上に近接して(例えば、15塩基未満離れて)2つのgNA結合部位を有するように設計される。この実施形態では、核酸誘導ニッカーゼは、除去されるDNA上のその標的部位を認識し、1本の鎖のみを切断することができる。DNAを枯渇させるために、2つの別々の核酸誘導ニッカーゼがDNAの両方の鎖を切断して、近接して枯渇させることができる。枯渇するDNAのみが、2放鎖破壊を作り出す、2本の核酸誘導ニッカーゼ部位を近接して有する。核酸誘導ニッカーゼ、例えばCRISPR/Casシステムタンパク質ニッカーゼが目的のDNA上の部位を非特異的又は低親和性で認識する場合、1本の鎖しか切断できず、その後のPCR増幅又はDNA分子の下流のプロセスを妨げることはない。本実施形態では、密接に十分に近接して非特異的に2つの部位を認識する2つのgNAの可能性は無視できる(<lxl0-14)。この実施形態は、通常のCRISPR/Casシステムタンパク質媒介性開裂が目的のDNAの過剰を切断する場合に特に有用であろう。
プロトコル6:いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼは触媒的に死んでおり、この方法は、サンプル中で、枯渇の標的とされる核酸及び目的の核酸を分割することを含む。複数のgNAを使用して、触媒的不活性(catalytically dead)核酸誘導型ヌクレアーゼ(例えば、dCas9又はdCpf1)を、アダプタ結合核酸のサンプル中で、枯渇の標的とされる核酸又は目的の核酸のいずれかに対して標的化する。アダプタ連結された核酸は、最初のアダプタ連結の前又は後のいずれかに、修飾感受性制限酵素を使用してサンプルからの枯渇の標的とされる核酸を枯渇させる、本明細書に記載の濃縮方法のいずれかによって生成される。触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼは、核酸に結合することができるが、核酸をニッキング又は切断することはできない。いくつかの実施形態では、触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼは、触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼ及びそれが結合する任意の分子を単離するために使用され得るビオチンタグ等のタグを含む。これらの実施形態において、目的の核酸又は枯渇の標的とされる核酸のいずれかにハイブリダイズするが、両方にハイブリダイズしない複数のgNAが開発される。この複数のgNA及び触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼはサンプルと接触し、gNAの設計に応じて、触媒的不活性核酸ヌクレアーゼが、目的の核酸又は枯渇の標的とされる核酸のいずれかに結合することを可能にする。標的配列を切断する代わりに、この方法を使用して、断片化された核酸サンプルを、それぞれ別々に処理できる2つの画分に分割する。したがって、触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼは、混合物を非結合断片(例えば、目的の核酸)及び結合断片(例えば、gNAが標的とされる枯渇の標的とされる核酸)に分割する。標的核酸サンプルの結合部分は、触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼタンパク質に以前に付着した親和性タグ(例えば、ビオチン)の結合によって除去される。結合した核酸配列は、変性条件によってタンパク質/gNA複合体から溶出され、増幅及びシークエンシングされる。同様に、結合していない核酸配列を増幅し、シークエンシングすることができる。
本明細書に記載の方法のいずれも、サンプルからの枯渇の標的とされる核酸を枯渇させるための独立した方法として使用することができ、それにより、目的の核酸を濃縮することができる。
あるいは、本明細書に記載の方法を組み合わせて、単独での任意の個々の方法よりも高度な濃縮を達成することができる。いくつかの実施形態では、サンプルは、最初にプロコトル1を使用して濃縮され、続いてプロトコル2を使用して濃縮される。いくつかの実施形態では、サンプルは、最初にプロコトル1を使用して濃縮され、続いてプロトコル3を使用して濃縮される。いくつかの実施形態では、サンプルは、最初にプロコトル1を使用して濃縮され、続いてプロトコル2及び3を使用して濃縮される。いくつかの実施形態では、サンプルは、最初にプロコトル1を使用して濃縮され、続いてプロトコル4~6のいずれか1つを使用して濃縮される。いくつかの実施形態では、サンプルは、最初にプロコトル1を使用して濃縮され、続いてプロトコル2及び/又は3、並びにプロトコル4~6のいずれか1つを使用して濃縮される。
方法の特定の組合せ、及び方法の組合せの順序が本明細書に記載されているが、これらは、本開示の方法を組み合わせることができる方法を制限することを決して意図するものではない。方法の産物として目的のアダプタ連結核酸を生成する本開示の目的の核酸についてサンプルを濃縮する任意の方法は、その開始基質としてアダプタ連結核酸を使用する本開示の任意の追加の方法と組み合わせることができる。
核酸誘導型ヌクレアーゼベースの濃縮方法
本開示の方法のいくつかの実施形態では、本開示の修飾ベースの濃縮方法は、核酸誘導型ヌクレアーゼベースの濃縮方法と組み合わされる。核酸誘導型ヌクレアーゼベースの濃縮方法は、核酸誘導型ヌクレアーゼを使用して、目的の配列についてサンプルを濃縮する方法である。核酸誘導型ヌクレアーゼベースの濃縮方法は、WO/2016/100955、WO/2017/031360、WO/2017/100343、WO/2017/147345及びWO/2018/227025に記載されており、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の修飾ベースの濃縮方法及び核酸誘導型ヌクレアーゼベースの濃縮方法は、サンプル中の異なる核酸を枯渇させ、それにより、いずれかの手法単独よりも目的の核酸のより高度な濃縮を達成する。例えば、サンプルは、哺乳動物宿主ゲノムからの枯渇の標的とされる核酸、及び1つ又は複数の非宿主ゲノム(例えば、細菌、ウイルス、又は寄生生物)からの目的の核酸を含む。本開示の方法を使用して、このサンプル中の目的の核酸を濃縮し、宿主核酸と非宿主核酸との間のCpGメチル化の違いを利用する修飾ベース濃縮方法を選択して、哺乳動物の活発に転写された領域を含む核酸を枯渇させ、一方で、ホストゲノム、核酸誘導型ヌクレアーゼベースの濃縮方法は、それらの領域を標的とするガイド核酸(gNA)のライブラリを使用して、哺乳動物宿主ゲノムの反復配列の領域を効果的に標的にする。
「核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体」という用語は、核酸誘導型ヌクレアーゼタンパク質及びガイド核酸(gNA、例えば、gRNA又はgDNA)を含む複合体を指す。例えば、「Cas9-gRNA複合体」は、Cas9タンパク質及びガイドRNA(gRNA)を含む複合体を指す。核酸誘導型ヌクレアーゼは、野生型核酸誘導型ヌクレアーゼ、触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼ、又は核酸誘導型ヌクレアーゼ-ニッカーゼを含むがこれらに限定されない、任意の型の核酸誘導型ヌクレアーゼであり得る。
複数のgNA
本明細書で提供されるのは、複数のガイド核酸(gNA)(交換可能にライブラリ又はコレクションと呼ばれる)である。
「ガイド核酸」という用語は、核酸誘導型ヌクレアーゼ、及び任意選択で追加の核酸(複数可)と複合体を形成することができるガイド核酸(gNA)を指す。gNAは、単離された核酸として、又は核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体、例えば、Cas9-gRNA複合体の一部として存在し得る。
本明細書で使用される場合、複数のgNAは、少なくとも102個の固有のgNAを含むgNAの混合物を示す。いくつかの実施形態では、複数のgNAは、少なくとも102個の固有のgNA、少なくとも103個の固有のgNA、少なくとも104個の固有のgNA、少なくとも105個の固有のgNA、少なくとも106個の固有のgNA、少なくとも107個の固有のgNA、少なくとも108個の固有のgNA、少なくとも109個の固有のgNA、又は少なくとも1010個の固有のgNAを含む。いくつかの実施形態では、gNAのコレクションは、合計で少なくとも102個の固有のgNA、少なくとも103個の固有のgNA、少なくとも104個の固有のgNA、又は少なくとも105個の固有のgNAを含む。
いくつかの実施形態では、gNAのコレクションは、配列の標的を含む第1のNAセグメント、核酸誘導型ヌクレアーゼシステム(例えば、CRISPR/Casシステム)タンパク質-結合配列を含む第2のNAセグメントを含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2のセグメントは、5’から3’への順序である。いくつかの実施形態では、第1及び第2のセグメントは、3’から5’への順序である。
いくつかの実施形態では、第1のセグメントのサイズは、複数のgNAにわたって、12~250bp、又は12~100bp、又は12~75bp、又は12~50bp、又は12~30bp、又は12~25bp、又は12~22bp、又は12~20bp、又は12~18bp、又は12~16bp、又は14~250bp、又は14~100bp、又は14~75bp、又は14~50bp、又は14~30bp、又は14~25bp、又は14~22bp、又は14~20bp、又は14~18bp、又は14~17bp、又は14~16bp、又は15~250bp、又は15~100bp、又は15~75bp、又は15~50bp、又は15~30bp、又は15~25bp、又は15~22bp、又は15~20bp、又は15~18bp、又は15~17bp、又は15~16bp、又は16~250bp、又は16~100bp、又は16~75bp、又は16~50bp、又は16~30bp、又は16~25bp、又は16~22bp、又は16~20bp、又は16~18bp、又は16~17bp、又は17~250bp、又は17~100bp、又は17~75bp、又は17~50bp、又は17~30bp、又は17~25bp、又は17~22bp、又は17~20bp、又は17~18bp、又は18~250bp、又は18~100bp、又は18~75bp、又は18~50bp、又は18~30bp、又は18~25bp、又は18~22bp、又は18~20bp、又は19~250bp、又は19~100bp、又は19~75bp、又は19~50bp、又は19~30bp、又は19~25bp、又は19~22bpである。いくつかの実施形態では、第1のセグメントのサイズは、複数のgNAにわたって、15~250bp、又は30~100bp、又は20~30bp、又は22~30bp、又は15~50bp、又は15~75bp、又は15~100bp、又は15~125bp、又は15~150bp、又は15~175bp、又は15~200bp、又は15~225bp、又は15-250bp、又は22~50bp、又は22~75bp、又は22~100bp、又は22~125bp、又は22~150bp、又は22~175bp、又は22~200bp、又は22~225bp、又は22~250bpである。
いくつかの実施形態では、少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%、又は少なくとも30%、又は少なくとも35%、又は少なくとも40%、又は少なくとも45%、又は少なくとも50%、又は少なくとも55%、又は少なくとも60%、又は少なくとも65%、又は少なくとも70%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は100%の複数の第1のセグメントは、15~50bpである。
いくつかの実施形態では、少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%、又は少なくとも30%、又は少なくとも35%、又は少なくとも40%、又は少なくとも45%、又は少なくとも50%、又は少なくとも55%、又は少なくとも60%、又は少なくとも65%、又は少なくとも70%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は100%のコレクションの第1のセグメントは、15~20bpである。
いくつかの特定の実施形態では、第1のセグメントのサイズは15bpである。いくつかの特定の実施形態では、第1のセグメントのサイズは16bpである。いくつかの特定の実施形態では、第1のセグメントのサイズは17bpである。いくつかの特定の実施形態では、第1のセグメントのサイズは18bpである。いくつかの特定の実施形態では、第1のセグメントのサイズは19bpである。いくつかの特定の実施形態では、第1のセグメントのサイズは20bpである。
いくつかの実施形態では、gNA及び/又は複数のgRNAにおけるgNAの標的配列は、固有の5’末端を含む。いくつかの実施形態では、複数のgNAは、複数のメンバにわたって、標的配列の5’末端の配列において変動性を示す。いくつかの実施形態では、複数のgNAは、複数のメンバにわたって、標的配列の5’末端の配列において、少なくとも5%、又は少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%、又は少なくとも30%、又は少なくとも35%、又は少なくとも40%、又は少なくとも45%、又は少なくとも50%、又は少なくとも55%、又は少なくとも60%、又は少なくとも65%、又は少なくとも70%、又は少なくとも75%の変動性を示す。
いくつかの実施形態では、gNA標的配列の3’末端は、任意のプリン又はピリミジン(及び/又はその改変バージョン)であり得る。いくつかの実施形態では、gNA標的配列の3’末端はアデニンである。いくつかの実施形態では、gNA標的配列の3’末端はグアニンである。いくつかの実施形態では、gNA標的配列の3’末端はシトシンである。いくつかの実施形態では、gNA標的配列の3’末端はウラシルである。いくつかの実施形態では、gNA標的配列の3’末端はチミンである。いくつかの実施形態では、gNA標的配列の3’末端はシトシンではない。
いくつかの実施形態では、複数のgNAは、枯渇の標的とされる核酸中の標的配列と塩基対を形成することができる標的配列を含み、枯渇の標的とされる核酸中の標的配列は、サンプルの枯渇の標的とされるゲノム又はトランスクリプトーム全体で、少なくとも1bp毎、少なくとも2bp毎、少なくとも3bp毎、少なくとも4bp毎、少なくとも5bp毎、少なくとも6bp毎、少なくとも7bp毎、少なくとも8bp毎、少なくとも9bp毎、少なくとも10bp毎、少なくとも11bp毎、少なくとも12bp毎、少なくとも13bp毎、少なくとも14bp毎、少なくとも15bp毎、少なくとも16bp毎、少なくとも17bp毎、少なくとも18bp毎、少なくとも19bp毎、少なくとも20bp毎、少なくとも25bp毎、少なくとも30bp毎、少なくとも40bp毎、少なくとも50bp毎、少なくとも100bp毎、少なくとも200bp毎、少なくとも300bp毎、少なくとも400bp毎、少なくとも500bp毎、少なくとも600bp毎、少なくとも700bp毎、少なくとも800bp毎、少なくとも900bp毎、少なくとも1000bp毎、少なくとも2500bp毎、少なくとも5000bp毎、少なくとも10,000bp毎、少なくとも15,000bp毎、少なくとも20,000bp毎、少なくとも25,000bp毎、少なくとも50,000bp毎、少なくとも100,000bp毎、少なくとも250,000bp毎、少なくとも500,000bp毎、少なくとも750,000bp毎、又は少なくとも1,000,000bp毎間隔があけられる。
いくつかの実施形態では、複数のgNAは、標的配列を含む第1のNAセグメント及び核酸誘導型ヌクレアーゼシステムを含む第2のNAセグメント(例えば、CRISPR/Casシステム)タンパク質結合配列を含み、複数のgNAが、核酸誘導型ヌクレアーゼシステム(例えば、CRISPR/Casシステム)のタンパク質メンバに対して様々な特異性を有する様々な第2のNAセグメントを有することができる。例えば、本明細書で提供されるgNAのコレクションは、第2のセグメントが、第1の核酸誘導型ヌクレアーゼシステム(例えば、CRISPR/Casシステム)タンパク質に特異的な核酸誘導型ヌクレアーゼシステム(例えば、CRISPR/Casシステム)タンパク質結合配列を含むメンバを含み得、また第2のセグメントが、第2の核酸誘導型ヌクレアーゼシステム(例えば、CRISPR/Casシステム)タンパク質に特異的な核酸誘導型ヌクレアーゼシステム(例えば、CRISPR/Casシステム)タンパク質結合配列を含むメンバを含み、第1及び第2の核酸誘導型ヌクレアーゼシステム(例えば、CRISPR/Casシステム)タンパク質は同じではない。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるgNAのコレクションは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、又は少なくとも20の核酸誘導型ヌクレアーゼシステム(例えば、CRISPR/Casシステム)タンパク質に対する特異性を示すメンバを含む。特定の一実施形態では、本明細書で提供される複数のgNAは、Cas9、並びにCpf1、Cas3、Cas8a-c、Cas10、CasX、CasY、Cas13、Cas14、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2、及びCm5からなる群から選択される他のタンパク質に対する特異性を示すメンバを含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2の核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質に特異的な核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質結合配列は両方とも、標的配列を含む第1のNAセグメントの5’である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質に特異的な核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質結合配列は両方とも、標的配列を含む第1のNAセグメントの3’である。いくつかの実施形態では、第1の核酸誘導型ヌクレアーゼシステム(例えば、CRISPR/Casシステム)タンパク質に特異的な核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質結合配列は、標的配列を含む第1のNAセグメントの5’であり、第2の核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質に特異的な第2の核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質結合配列は、標的配列を含む第1のNAセグメントの3’である。標的配列を含む第1のNAセグメント及び核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質結合配列を含む第2のNAセグメントの順序は、核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質に依存するであろう。第1及び第2のNAセグメントの適切な5’から3’の配置並びに核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質の選択は、当業者には明らかであろう。
いくつかの実施形態では、gNAは、DNA及びRNAを含む。いくつかの実施形態では、gNAはDNA(gDNA)からなる。いくつかの実施形態では、gNAはRNA(gRNA)からなる。
いくつかの実施形態では、gNAはgRNAを含み、gRNAは、crRNA及びtracrRNAをコードする2つのサブセグメントを含む。いくつかの実施形態では、crRNAは、標的配列に加えて、tracrRNAとハイブリダイズすることができる追加の配列を含まない。いくつかの実施形態では、crRNAは、tracrRNAとハイブリダイズすることができる追加の配列を含む。いくつかの実施形態では、2つのサブセグメントは独立して転写される。いくつかの実施形態では、2つのサブセグメントは、単一のユニットとして転写される。いくつかの実施形態では、crRNAをコードするDNAは、配列GTTTTAGAGCTATGCTGTTTTG(配列番号26)の5’の標的配列を含む。いくつかの実施形態では、tracrRNAをコードするDNAは、配列GGAACCATTCAAAACAGCATAGCAAGTTAAAATAAGGCTAGTCCGTTATCAACTTGAAAAAGTGGCACCGAGTCGGTGCTTTTTTT(配列番号27)を含む。
標的配列
本明細書で使用される標的配列は、gNAを、サンプル中の枯渇の標的とされる核酸中の標的配列に向ける配列である。例えば、標的配列は特定の配列を標的とし、例えば、標的配列は、サンプルの枯渇の標的とされるゲノム内の反復配列を標的とする。
本明細書で提供されるのは、標的配列を含むセグメントを構成するgNA及び複数のgNAである。
いくつかの実施形態では、標的配列は、DNAを含むか、又はDNAからなる。
いくつかの実施形態では、標的配列は、RNAを含むか、又はRNAからなる。
いくつかの実施形態では、標的配列は、RNAを含み、チミンの代わりにウラシルを含むRNAを除いて、目的の配列のPAM配列の5’に対して、少なくとも70%の配列同一性、少なくとも75%の配列同一性、少なくとも80%の配列同一性、少なくとも85%の配列同一性、少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、又は100%の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、標的配列は、RNAを含み、チミンの代わりにウラシルを含むRNAを除いて、目的の配列のPAM配列の3’に対して、少なくとも70%の配列同一性、少なくとも75%の配列同一性、少なくとも80%の配列同一性、少なくとも85%の配列同一性、少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、又は100%の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、PAM配列は、AGG、CGG、TGG、GGG又はNAGである。いくつかの実施形態では、PAM配列は、TTN、TCN又はTGNである。
いくつかの実施形態では、標的配列は、DNAを含み、目的の配列のPAM配列の5’に対して、少なくとも70%の配列同一性、少なくとも75%の配列同一性、少なくとも80%の配列同一性、少なくとも85%の配列同一性、少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、又は100%の配列同一性を共有する。いくつかの実施形態では、標的配列は、DNAを含み、目的の配列のPAM配列の3’に対して、少なくとも70%の配列同一性、少なくとも75%の配列同一性、少なくとも80%の配列同一性、少なくとも85%の配列同一性、少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、又は100%の配列同一性を共有する。
いくつかの実施形態では、標的配列は、RNAを含み、PAM配列のヌクレオチド5’の配列の反対側の鎖に相補的である。いくつかの実施形態では、標的配列は、PAM配列のヌクレオチド5’の配列の反対側の鎖に対して、少なくとも70%相補的、少なくとも75%相補的、少なくとも80%相補的、少なくとも85%相補的、少なくとも90%相補的、少なくとも95%相補的、又は100%相補的である。いくつかの実施形態では、標的配列は、RNAを含み、PAM配列のヌクレオチド3’の配列の反対側の鎖に相補的である。いくつかの実施形態では、標的配列は、PAM配列のヌクレオチド3’の配列の反対側の鎖に対して、少なくとも70%相補的、少なくとも75%相補的、少なくとも80%相補的、少なくとも85%相補的、少なくとも90%相補的、少なくとも95%相補的、又は100%相補的である。いくつかの実施形態では、PAM配列は、AGG、CGG、TGG、GGG又はNAGである。いくつかの実施形態では、PAM配列は、TTN、TCN又はTGNである。
いくつかの実施形態では、標的配列は、DNAを含み、PAM配列のヌクレオチド5’の配列の反対側の鎖に相補的である。いくつかの実施形態では、標的配列は、PAM配列のヌクレオチド5’の配列の反対側の鎖に対して、少なくとも70%相補的、少なくとも75%相補的、少なくとも80%相補的、少なくとも85%相補的、少なくとも90%相補的、少なくとも95%相補的、又は100%相補的である。いくつかの実施形態では、標的配列は、DNAを含み、PAM配列のヌクレオチド3’の配列の反対側の鎖に相補的である。いくつかの実施形態では、標的配列は、PAM配列のヌクレオチド3’の配列の反対側の鎖に対して、少なくとも70%相補的、少なくとも75%相補的、少なくとも80%相補的、少なくとも85%相補的、少なくとも90%相補的、少なくとも95%相補的、又は100%相補的である。いくつかの実施形態では、PAM配列は、AGG、CGG、TGG、GGG又はNAGである。いくつかの実施形態では、PAM配列は、TTN、TCN又はTGNである。
異なるCRISPR/Casシステムタンパク質は異なるPAM配列を認識する。PAM配列は、標的配列の5’又は3’に配置できる。例えば、Cas9は、標的配列の3’末端にあるNGG PAMを認識できる。Cpf1は、標的配列の5’末端にあるTTN PAMを認識できる。全てCRISPR/Casシステムタンパク質によって認識される全てPAM配列は、本開示の範囲内にあると想定される。いずれのPAM配列が特定のCRISPR/Casシステムタンパク質と互換性があるかは、当業者には容易に明らかになるであろう。
核酸誘導型ヌクレアーゼ
本明細書で提供されるのは、核酸誘導型ヌクレアーゼタンパク質-結合配列を含むセグメントを含むgNA及び複数のgNAである。核酸誘導型ヌクレアーゼは、核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質(例えば、CRISPR/Casシステム)とすることができる。核酸誘導型ヌクレアーゼシステムは、RNA誘導ヌクレアーゼシステムであり得る。核酸誘導型ヌクレアーゼシステムは、DNA誘導ヌクレアーゼシステムであり得る。
本開示の方法は、核酸誘導型ヌクレアーゼを利用することができる。本明細書で使用される場合、「核酸誘導型ヌクレアーゼ」は、DNA、RNA又はDNA/RNAハイブリッドを開裂し、1つ又は複数のガイド核酸(gNA)を使用して特異性を付与する任意のヌクレアーゼである。核酸誘導型ヌクレアーゼには、CRISPR/Casシステムタンパク質及び非CRISPR/Casシステムタンパク質が含まれる。
本明細書で提供される核酸誘導型ヌクレアーゼは、DNA誘導DNAヌクレアーゼ、DNA誘導RNAヌクレアーゼ、RNA誘導DNAヌクレアーゼ、又はRNA誘導RNAヌクレアーゼであり得る。ヌクレアーゼはエンドヌクレアーゼであり得る。ヌクレアーゼはエキソヌクレアーゼであり得る。一実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼは、核酸誘導DNAエンドヌクレアーゼである。一実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼは、核酸誘導RNAエンドヌクレアーゼである。
核酸誘導型ヌクレアーゼタンパク質結合配列は、核酸誘導型ヌクレアーゼシステムの任意のタンパク質メンバに結合する核酸配列である。例えば、CRISPR/Casタンパク質結合配列は、CRISPR/Casシステムの任意のタンパク質メンバに結合する核酸配列である。
いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼは、CASクラスIタイプI、CASクラスIタイプIII、CASクラスIタイプIV、CASクラスIIタイプII、及びCASクラスIIタイプVからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、CRISPR/Casシステムタンパク質は、CRISPRタイプIシステム、CRISPRタイプIIシステム、及びCRISPRタイプIIIシステムからのタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼは、Cas9、Cpf1、Cas3、Cas8a-c、Cas10、Cas13、Cas14、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2、Cm5、Csf1、C2c2、CasX、CasY、Cas14及びNgAgoからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質(例えば、CRISPR/Casシステムタンパク質)は、任意の細菌又は古細菌種に由来し得る。
いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質(例えば、CRISPR/Casシステムタンパク質)は、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiles)、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・ラリ(Campylobacter lari)、マイコプラズマ・ガリセプチカム(Mycoplasma gallisepticum)、ニトラティフラクター・サルスギニス(Nitratifractor salsuginis)、パルビバクラム・ラバメンティボランス(Parvibaculum lavamentivorans)、ロゼブリア・インテスティナリス(Roseburia intestinalis)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィクス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、アゾスピリルム(Azospirillum)、スピロヘータ・グロバス(Sphaerochaeta globus)、フラボバクテリウム・カラムナーレ(Flavobacterium columnare)、フルヴィコラ・タフェンシス(Fluviicola taffensis)、バクテロイデス・コプロフィルス(Bacteroides coprophilus)、マイコプラズマ・モービレ(Mycoplasma mobile)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ストレプトコッカス パスツリアヌス(Streptococcus pasteurianus)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、スタフィロコッカス・シュードインターメディウス(Staphylococcus pseudintermedius)、フィリファクター・アロシス(Filifactor alocis)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、ステレラ・ワズワーセンシス(Suterella wadsworthensis)、コリネバクター・ジフテリア(Corynebacter diphtheria)、アシダミノコッカス(Acidaminococcus)、ラクノスピラ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)又はプレボテラ(Prevotella)からの核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質(例えば、CRISPR/Casシステムタンパク質)からの又はこれらに由来する。
いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼシステム(例えば、CRISPR/Casシステム)タンパク質の例は、天然に存在する又は操作されたバージョンであり得る。
いくつかの実施形態では、天然に存在する核酸誘導型ヌクレアーゼシステム(例えば、CRISPR/Casシステム)タンパク質は、Cas9、Cpf1、Cas3、Cas8a-c、Cas10、CasX、CasY、Cas13、Cas14、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2、及びCm5を含む。そのようなタンパク質の操作されたバージョンも使用することができる。
いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)システムタンパク質の操作された例はまた、核酸誘導ニッカーゼ(例えば、Casニッカーゼ)を含む。核酸誘導ニッカーゼは、単一の不活性な触媒ドメインを含む、核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質の修飾バージョンを指す。一実施形態では、核酸誘導ニッカーゼは、Cas9ニッカーゼ等のCasニッカーゼである。Cas9ニッカーゼは、単一の不活性な触媒ドメイン、例えば、RuvCドメイン又はHNHドメインのいずれかを含み得る。活性ヌクレアーゼドメインが1つしかない場合、Cas9ニッカーゼは標的DNAの1つの鎖のみを切断し、一本鎖切断又は「ニック」を作り出す。使用する変異体に応じて、誘導NAハイブリダイゼーション鎖又は非ハイブリダイゼーション鎖は開裂され得る。反対側の鎖を標的とする2gNAに結合した核酸誘導ニッカーゼは、標的の二本鎖DNAに二本鎖破壊を作成する。この「デュアルニッカーゼ」戦略は、二本鎖切断が形成される前に、両方の核酸誘導型ヌクレアーゼ/gNA(例えば、Cas9/gRNA)複合体が部位で特異的に結合する必要があるため、切断の特異性を高めることができる。天然に存在するニッカーゼ核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質も使用することができる。
いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質の操作された例はまた、核酸誘導型ヌクレアーゼシステム融合タンパク質を含む。例えば、核酸誘導型ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)システムタンパク質は、別のタンパク質、例えば、アクチベータ、リプレッサ、ヌクレアーゼ、蛍光分子、放射性タグ、又はトランスポザーゼに融合され得る。
いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質-結合配列は、gNA(例えば、gRNA)ステム-ループ配列を含む。
様々なCRISPR/Casシステムタンパク質が様々核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質-結合配列と適合する。どのCRISPR/Casシステムタンパク質が、どの核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質-結合配列と適合するかについては、当業者には容易に明らかになるであろう。
いくつかの実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステム-ループ配列をコードする二本鎖DNA配列は、1本鎖上の以下のDNA配列(5’>3’、GTTTTAGAGCTAGAAATAGCAAGTTAAAATAAGGCTAGTCCGTTATCAACTTGAAAAAGTGGCACCGAGTCGGTGCTTTTTTT(配列番号28))、及び他方の鎖上の逆の相補的DNA(5’>3’、AAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATTTCTAGCTCTAAAAC(配列番号29))を含む。
いくつかの実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステム-ループ配列をコードする一本鎖DNA配列は、以下のDNA配列(5’>3’、AAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATTTCTAGCTCTAAAAC(配列番号29))を含み、ここで一本鎖DNAは転写鋳型として機能する。
いくつかの実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステム-ループ配列は、以下のRNA配列(5’>3’、GUUUUAGAGCUAGAAAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUU(配列番号30))を含む。
いくつかの実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステム-ループ配列をコードする二本鎖DNA配列は、一本鎖上の以下のDNA配列(5’>3’、GTTTTAGAGCTATGCTGGAAACAGCATAGCAAGTTAAAATAAGGCTAGTCCGTTATCAACTTGAAAAAGTGGCACCGAGTCGGTGCTTTTTTTC(配列番号31))、及び他方の鎖上の逆の相補的DNA(5’>3’、GAAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATGCTGTTTCCAGCATAGCTCTAAAAC(配列番号32))を含む。
いくつかの実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステム-ループ配列をコードする一本鎖DNA配列は、以下のDNA配列(5’>3’、GAAAAAAAGCACCGACTCGGTGCCACTTTTTCAAGTTGATAACGGACTAGCCTTATTTTAACTTGCTATGCTGTTTCCAGCATAGCTCTAAAAC(配列番号32))を含み、ここで一本鎖DNAは転写鋳型として機能する。
いくつかの実施形態では、gNA(例えば、gRNA)ステム-ループ配列は、以下のRNA配列(5’>3’、GUUUUAGAGCUAUGCUGGAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUUC(配列番号33))を含む。
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質は、Cpf1タンパク質である。いくつかの実施形態では、Cpf1タンパク質は、フランシセラ(Franciscella)種又はアシダミノコッカス(Acidaminococcus)種から単離又は誘導される。いくつかの実施形態では、gNA(例えば、gRNA)CRISPR/Casシステムタンパク質-結合配列は、以下のRNA配列(5’>3’、AAUUUCUACUGUUGUAGAU(配列番号34))を含む。
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質は、Cpf1タンパク質である。いくつかの実施形態では、Cpf1タンパク質は、フランシセラ(Franciscella)種又はアシダミノコッカス(Acidaminococcus)種から単離又は誘導される。いくつかの実施形態では、gNA(例えば、gRNA)CRISPR/Casシステムタンパク質-結合配列をコードするDNA配列は、以下のDNA配列(5’>3’、AATTTCTACTGTTGTAGAT(配列番号35))を含む。いくつかの実施形態では、DNAは一本鎖である。いくつかの実施形態では、DNAは二本鎖である。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、標的配列を含む第1のNAセグメント及び核酸誘導型ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)システムタンパク質-結合配列を含む第2のNAセグメントを含むgNA(例えば、gRNA)である。いくつかの実施形態では、第1のセグメントのサイズは、15bp、16bp、17bp、18bp、19bp又は20bpである。いくつかの実施形態では、第2のセグメントは、gRNAステム-ループ配列を含む単一のセグメントを含む。いくつかの実施形態では、gRNAステム-ループ配列は、以下のRNA配列(5’>3’、GUUUUAGAGCUAGAAAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUU(配列番号30))を含む。いくつかの実施形態では、gRNAステム-ループ配列は、以下のRNA配列(5’>3’、GUUUUAGAGCUAUGCUGGAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUUC(配列番号33))を含む。いくつかの実施形態では、第2のセグメントは、2つのサブセグメントを含む。第2のRNAサブセグメント(tracrRNA)とハイブリッドを形成する第1のRNAサブセグメント(crRNA)は、一緒になって核酸誘導型ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)システムタンパク質結合を管理する。いくつかの実施形態では、第2のサブセグメントの配列は、GUUUUAGAGCUAUGCUGUUUUG(配列番号36)を含む。いくつかの実施形態では、第1のRNAセグメント及び第2のRNAセグメントは、一緒に、crRNA配列を形成する。いくつかの実施形態では、第2のRNAセグメントとハイブリッドを形成する他のRNAは、tracrRNAである。いくつかの実施形態では、tracrRNAは、5’>3’の配列、GGAACCAUUCAAAACAGCAUAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCGUUAUCAACUUGAAAAAGUGGCACCGAGUCGGUGCUUUUUUU(配列番号37)を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、標的配列を含む第1のNAセグメント及び核酸誘導型ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas)システムタンパク質-結合配列を含む第2のNAセグメントを含むgNA(例えば、gRNA)である。いくつかの実施形態では、例えば、CRISPR/Casシステムタンパク質がCpf1システムタンパク質である実施形態において、第2のセグメントは、第1のセグメントの5’である。いくつかの実施形態では、第1のセグメントのサイズは20bpである。いくつかの実施形態では、第1のセグメントのサイズは20bpより大きい。いくつかの実施形態では、第1のセグメントのサイズは30bpより大きい。いくつかの実施形態では、第2のセグメントは、gRNAステム-ループ配列を含む単一のセグメントを含む。いくつかの実施形態では、gRNAステム-ループ配列は、以下のRNA配列(5’>3’、AAUUUCUACUGUUGUAGAU(配列番号34))を含む。
CRISPR/Casシステム核酸誘導型ヌクレアーゼ
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質は、本明細書で提供される実施形態で使用される。いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質は、CRISPRタイプIシステム、CRISPRタイプIIシステム、及びCRISPRタイプIIIシステムからのタンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質は、任意の細菌又は古細菌種に由来し得る。
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質は、単離され、組換えにより産生され、又は合成される。
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質は、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiles)、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・ラリ(Campylobacter lari)、マイコプラズマ・ガリセプチカム(Mycoplasma gallisepticum)、ニトラティフラクター・サルスギニス(Nitratifractor salsuginis)、パルビバクラム・ラバメンティボランス(Parvibaculum lavamentivorans)、ロゼブリア・インテスティナリス(Roseburia intestinalis)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィクス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、アゾスピリルム(Azospirillum)、スピロヘータ・グロバス(Sphaerochaeta globus)、フラボバクテリウム・カラムナーレ(Flavobacterium columnare)、フルヴィコラ・タフェンシス(Fluviicola taffensis)、バクテロイデス・コプロフィルス(Bacteroides coprophilus)、マイコプラズマ・モービレ(Mycoplasma mobile)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ストレプトコッカス パスツリアヌス(Streptococcus pasteurianus)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、スタフィロコッカス・シュードインターメディウス(Staphylococcus pseudintermedius)、フィリファクター・アロシス(Filifactor alocis)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、ステレラ・ワズワーセンシス(Suterella wadsworthensis)、コリネバクター・ジフテリア(Corynebacter diphtheria)、アシダミノコッカス(Acidaminococcus)、ラクノスピラ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)又はプレボテラ(Prevotella)からのCRISPR/Casシステムタンパク質から、又はこれらに由来する。
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質の例は、天然に存在する又は操作されたバージョンであり得る。
いくつかの実施形態では、天然に存在するCRISPR/Casシステムタンパク質は、CASクラスIタイプI、III、又はIV、あるいはCASクラスIIタイプII又はVに属することができ、Cas9、Cas3、Cas8a-c、Cas10、CasX、CasY、Cas13、Cas14、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2、Cmr5、Csf1、C2c2、及びCpf1を含むことができる。
例示的な実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質は、Cas9を含む。
例示的な実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質は、Cpf1を含む。
「CRISPR/Casシステムタンパク質-gNA複合体」は、CRISPR/Casシステムタンパク質及び誘導NA(例えば、gRNA又はgDNA)を含む複合体を指す。gNAがgRNAである場合、gRNAは、2つの分子、すなわち、標的にハイブリダイズして配列特異性を提供する1つのRNA(「crRNA」)と、crRNAにハイブリダイズすることができる1つのRNA「tracrRNA」と、とから構成され得る。あるいは、ガイドRNAは、crRNA及びtracrRNA配列を含む単一の分子(すなわち、gRNA)であり得る。あるいは、ガイドRNAは、crRNA配列を含む単一分子(すなわち、gRNA)であり得る。
CRISPR/Casシステムタンパク質は、野生型CRISPR/Casシステムタンパク質に対して、少なくとも60%同一(例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、又は90%同一、少なくとも95%同一、又は少なくとも98%同一、又は少なくとも99%同一)であり得る。CRISPR/Casシステムタンパク質は、野生型CRISPR/Casシステムタンパク質の全ての機能、又は結合活性、ヌクレアーゼ活性、及びヌクレアーゼ活性を含む機能の1つ又は一部のみを有し得る。
「CRISPR/Casシステムタンパク質関連誘導NA」という用語は、誘導NAを指す。CRISPR/Casシステムタンパク質関連誘導NAは、単離されたNAとして、又はCRISPR/Casシステムタンパク質-gNA複合体の一部として存在し得る。
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質は、RNA誘導RNAヌクレアーゼである(すなわち、RNAを切断する)。RNAを切断する例示的なCRISPR/Casシステムタンパク質には、C2c2が含まれるが、これだけに限定されない。C2c2(Cas13aとも呼ばれる)はクラス2タイプVIのRNA誘導RNA標的CRISPR/Casシステムタンパク質である。いくつかの実施形態では、C2c2ヌクレアーゼは、レプトトリキア・シャーイイ(Leptotrichia shahii)から単離又は誘導される。いくつかの実施形態では、C2c2は、相補的プロトスペーサを運ぶssRNAを開裂する単一のcrRNAによって誘導される。適切なC2c2 crRNA配列は、当業者には容易に明らかになるであろう。
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質は、DNA誘導RNAヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質によって開裂されたDNAは二本鎖である。二本鎖DNAを切断する例示的なRNA誘導DNAヌクレアーゼには、Cas9、Cpf1、CasX及びCasYが含まれるが、これらに限定されない。更なる例示的なRNA誘導DNAヌクレアーゼには、Cas10、Csm2、Csm3、Csm4、及びCsm5が含まれる。いくつかの実施形態では、Cas10、Csm2、Csm3、Csm4、及びCsm5は、gRNAとリボ核タンパク質複合体を形成する。
いくつかの実施形態では、RNA誘導DNAヌクレアーゼはCasXである。いくつかの実施形態では、CasXタンパク質は、デュアルガイドされる(すなわち、gNAは、crRNA及びtracrRNAを含む)。いくつかの実施形態では、CasXは、標的配列に相補的な配列のすぐ5’に位置するTTCN PAMを認識する。いくつかの実施形態では、CasXタンパク質は、デルタプロテオバクテリア(Deltaproteobacteria)又はプランクトミケス門から単離又は誘導される。いくつかの実施形態では、CasXタンパク質は、CasX1、CasX2又はCasX3タンパク質である。CasXタンパク質はWO/2018/064371に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。CasXタンパク質のための適切なgNA配列は、当業者には容易に明らかになるであろう。
いくつかの実施形態では、RNA誘導DNAヌクレアーゼはCasYである。いくつかの実施形態では、CasYタンパク質は、デュアルガイドされる(すなわち、gNAは、crRNA及びtracrRNAを含む)。いくつかの実施形態では、CasYは、標的配列の5’に位置するTA PAMを認識する。CasYタンパク質はWO/2018/064352に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。CasYタンパク質のための適切なgNA配列は、当業者には容易に明らかになるであろう。
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質は、RNA誘導DNAヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質によって開裂されたDNAは一本鎖である。一本鎖DNAを切断する例示的なRNA誘導CRISPR/Casシステムタンパク質には、Cas3及びCas14が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、Cas14タンパク質は、PAM部位を必要としない。
Cas9
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質核酸誘導型ヌクレアーゼは、Cas9であるか、又はCas9を含む。本開示のCas9は、単離、組換え生産、又は合成され得る。
本明細書の実施形態で使用できるCas9タンパク質の例は、F.A.Ran,L.Cong,W.X.Yan,D.A.Scott,J.S.Gootenberg,A.J.Kriz,B.Zetsche,O.Shalem,X.Wu,K.S.Makarova,E.V.Koonin,P.A.Sharp,and F.Zhang;’’In vivo genome editing using Staphylococcus aureus Cas9,’’Nature 520,186-191(09 April 2015)doi:10.1038/nature14299に見出され、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、Cas9は、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiles)、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・ラリ(Campylobacter lari)、マイコプラズマ・ガリセプチカム(Mycoplasma gallisepticum)、ニトラティフラクター・サルスギニス(Nitratifractor salsuginis)、パルビバクラム・ラバメンティボランス(Parvibaculum lavamentivorans)、ロゼブリア・インテスティナリス(Roseburia intestinalis)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィクス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、アゾスピリルム(Azospirillum)、スピロヘータ・グロバス(Sphaerochaeta globus)、フラボバクテリウム・カラムナーレ(Flavobacterium columnare)、フルヴィコラ・タフェンシス(Fluviicola taffensis)、バクテロイデス・コプロフィルス(Bacteroides coprophilus)、マイコプラズマ・モービレ(Mycoplasma mobile)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ストレプトコッカス パスツリアヌス(Streptococcus pasteurianus)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、スタフィロコッカス・シュードインターメディウス(Staphylococcus pseudintermedius)、フィリファクター・アロシス(Filifactor alocis)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、ステレラ・ワズワーセンシス(Suterella wadsworthensis)、又はコリネバクター・ジフテリア(Corynebacter diphtheria)に由来するタイプII CRISPRシステムである。
いくつかの実施形態では、Cas9は、S.ピオゲネスに由来するタイプII CRISPRシステムであり、PAM配列は、標的特異的誘導配列のすぐ3’末端に位置するNGGである。例示的な細菌種からのタイプII CRISPRシステムのPAM配列には、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)(NGG)、スタフィ・アウレウス(Staph aureus)(NNGRRT)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)(NNNNGATT)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)(NNAGAA)、及びトレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)(NAAAAC)も含まれ、全て本開示から逸脱することなく使用可能である。
1つの例示的な実施形態において、Cas9配列は、例えば、pX330プラスミド(Addgeneから入手可能)から得られ、PCRによって再増幅され、次いで、pET30(EMD biosciencesから)にクローン化されて、細菌で発現し、組換え6Hisタグ付きタンパク質を精製することができる。
「Cas9-gNA複合体」は、Cas9タンパク質及び誘導NAを含む複合体を指す。Cas9タンパク質は、野生型Cas9タンパク質、例えばストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)Cas9タンパク質と少なくとも60%同一(例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、又は90%同一、少なくとも95%同一、又は少なくとも98%同一、又は少なくとも99%同一)であり得る。Cas9タンパク質は、野生型Cas9タンパク質の全ての機能、又は結合活性、ヌクレアーゼ活性、及びヌクレアーゼ活性を含む機能の1つ又はいくつかのみを有し得る。
「Cas9関連誘導NA」という用語は、上記の誘導NAを指す。Cas9関連誘導NAは、孤立して存在する場合もあれば、Cas9-gNA複合体の一部として存在する場合もある。
非CRISPR/Casシステム核酸誘導型ヌクレアーゼ
いくつかの実施形態では、非CRISPR/Casシステムタンパク質が、本明細書で提供される実施形態で使用される。
いくつかの実施形態では、非CRISPR/Casシステムタンパク質は、任意の細菌又は古細菌種に由来し得る。
いくつかの実施形態では、非CRISPR/Casシステムタンパク質は、単離され、組換えにより産生され、又は合成される。
いくつかの実施形態では、非CRISPR/Casシステムタンパク質は、アクイフェックス・エオリカス(Aquifex aeolicus)、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiles)、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・ラリ(Campylobacter lari)、マイコプラズマ・ガリセプチカム(Mycoplasma gallisepticum)、ニトラティフラクター・サルスギニス(Nitratifractor salsuginis)、パルビバクラム・ラバメンティボランス(Parvibaculum lavamentivorans)、ロゼブリア・インテスティナリス(Roseburia intestinalis)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィクス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、アゾスピリルム(Azospirillum)、スピロヘータ・グロバス(Sphaerochaeta globus)、フラボバクテリウム・カラムナーレ(Flavobacterium columnare)、フルヴィコラ・タフェンシス(Fluviicola taffensis)、バクテロイデス・コプロフィルス(Bacteroides coprophilus)、マイコプラズマ・モービレ(Mycoplasma mobile)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)、ストレプトコッカス パスツリアヌス(Streptococcus pasteurianus)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、スタフィロコッカス・シュードインターメディウス(Staphylococcus pseudintermedius)、フィリファクター・アロシス(Filifactor alocis)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、ステレラ・ワズワーセンシス(Suterella wadsworthensis)、ナトロバクテリウム・グレゴリー(Natronobacterium gregoryi)、又はコリネバクター・ジフテリア(Corynebacter diphtheria)から、又はこれらに由来する。
いくつかの実施形態では、非CRISPR/Casシステムタンパク質は、天然に存在するか、又は操作されたバージョンであり得る。
いくつかの実施形態では、天然に存在する非CRISPR/Casシステムタンパク質は、NgAgo(ナトロバクテリウム・グレゴリー(Natronobacterium gregoryi))である。
「非CRISPR/Casシステムタンパク質-gNA複合体」は、非CRISPR/Casシステムタンパク質及び誘導NA(例えば、gRNA又はgDNA)を含む複合体を指す。gNAがgRNAである場合、gRNAは、2つの分子、すなわち、標的にハイブリダイズして配列特異性を提供する1つのRNA(「crRNA」)と、crRNAにハイブリダイズすることができる1つのRNA「tracrRNA」と、とから構成され得る。あるいは、ガイドRNAは、crRNA及びtracrRNA配列を含む単一の分子(すなわち、gRNA)であり得る。
非CRISPR/Casシステムタンパク質は、野生型非CRISPR/Casシステムタンパク質に対して、少なくとも60%同一(例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、又は90%同一、少なくとも95%同一、又は少なくとも98%同一、又は少なくとも99%同一)であり得る。非CRISPR/Casシステムタンパク質は、野生型非CRISPR/Casシステムタンパク質の全ての機能、又は結合活性、ヌクレアーゼ活性、及びヌクレアーゼ活性を含む機能の1つ又は一部のみを有し得る。
「非CRISPR/Casシステムタンパク質関連誘導NA」という用語は、誘導NAを指す。非CRISPR/Casシステムタンパク質関連誘導NAは、単離されたNAとして、又は非CRISPR/Casシステムタンパク質-gNA複合体の一部として存在し得る。
Cpf1
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムタンパク質核酸誘導型ヌクレアーゼは、Cpf1システムタンパク質であるか、又はそれを含む。本開示のCpf1システムタンパク質は、単離、組換え生産、又は合成され得る。
Cpf1システムタンパク質はクラスII、タイプV CRISPRシステムタンパク質である。いくつかの実施形態では、Cpf1タンパク質は、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)から単離又は誘導される。いくつかの実施形態では、Cpf1タンパク質は、アシダミノコッカス(Acidaminococcus)、ラクノスピラ・バクテリウム(Lachnospiraceae bacterium)又はプレボテラ(Prevotella)から単離されるか、又は由来する。
Cpf1システムタンパク質は、核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質-結合配列(例、ステム-ループ)及び標的配列を含む単一の誘導RNAに結合する。Cpf1標的配列は、標的核酸中のCpf1 PAM配列のすぐ3’に位置する配列を含む。Cas9とは異なり、Cpf1核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質-結合配列は、Cpf1 gRNAの標的配列の5’に位置している。Cpf1は、標的核酸にブラントエンド切断ではなくねじれ型の切断を生成することもできる。Cpf1タンパク質-gRNAタンパク質複合体を標的核酸に標的した後、フランシセラ由来Cpf1は、例えば標的核酸をねじれ型で切断し、標的配列の3’末端でPAMから18~23塩基離れた約5ヌクレオチドの5’オーバーハングを作成する。対照的に、野生型Cas9による切断は、Cas9PAMの3ヌクレオチド上流にブラントエンドを生成する。
例示的Cpf1では、gRNAステム-ループ配列は、以下のRNA配列(5’>3’、AAUUUCUACUGUUGUAGAU(配列番号34))を含む。
「Cpf1タンパク質-gNA複合体」は、Cpf1タンパク質及び誘導NA(例えば、gRNA)を含む複合体を指す。gNAがgRNAである場合、gRNAは、単一の分子、すなわち、標的にハイブリダイズして配列特異性を提供する1つのRNA(「crRNA」)から構成され得る。
Cpf1タンパク質は、野生型Cpf1タンパク質に対して、少なくとも60%同一(例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、又は90%同一、少なくとも95%同一、又は少なくとも98%同一、又は少なくとも99%同一)であり得る。Cpf1タンパク質は、野生型Cpf1タンパク質の全ての機能、又は結合活性及びヌクレアーゼ活性を含む機能の1つ又はいくつかのみを有し得る。
Cpf1システムタンパク質は様々PAM配列を認識する。Cpf1システムタンパク質によって認識される例示的なPAM配列には、TTN、TCN及びTGNが含まれるが、これらに限定されない。追加のCpf1 PAM配列には、TTTNが含まれるが、これに限定されない。Cpf1 PAM配列の1つの特徴は、Cas9タンパク質で使用されるNGG又はNAG PAM配列よりもA/T含有量が高いことである。標的核酸、例えば、異なるゲノムは、それらのパーセントG/C含有量が異なる。例えば、ヒトのマラリア寄生生物であるプラスモジウム・パルシパルム(Plasmodium falciparum)のゲノムは、A/Tが豊富であることが知られている。あるいは、ゲノム内のタンパク質コード配列は、ゲノム全体よりも高いG/C含量を有することがよくある。標的ゲノム内のA/TとG/Cヌクレオチドとの比率は、そのゲノム内の所与のPAM配列の分布及び頻度に影響を与える。例えば、A/TリッチゲノムのNGG又はNAG配列は少ない場合があるが、G/CリッチゲノムのTTN配列は少ない場合がある。Cpf1システムタンパク質は、当業者が利用できるPAM配列のレパートリーを拡大し、gRNAライブラリの優れた柔軟性と機能をもたらす。
触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼ
いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼシステム(例えば、CRISPR/Casシステム)タンパク質の操作された例は、触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質を含む。「触媒的不活性」という用語は、一般に、不活性化されたヌクレアーゼ(例えば、HNH及びRuvCヌクレアーゼ)を有する核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質を指す。このようなタンパク質は、任意の核酸の標的部位に結合できるが(標的部位は誘導NAによって決定される)、タンパク質は標的核酸(例えば、二本鎖DNA)を開裂又はニックすることができない。いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼシステムの触媒的不活性タンパク質は、触媒的不活性Cas9(dCas9)等の触媒的不活性CRISPR/Casシステムタンパク質である。したがって、dCas9は、混合物を非結合核酸及びdCas9結合断片に分離することを可能にする。一実施形態では、dCas9/gRNA複合体は、gRNA配列によって決定される標的に結合する。dCas9結合は、他の操作が進行している間、Cas9による切断を防ぐことができる。別の実施形態では、dCas9をトランスポザーゼ等の別の酵素に融合させて、その酵素の活性を特定の部位に標的化することができる。天然に存在する触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼシステムタンパク質も使用することができる。
別の実施形態において、触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼは、トランスポザーゼ等の別の酵素に融合されて、その酵素の活性を特定の部位に標的化することができる。
いくつかの実施形態では、触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼは、dCas9、dCpf1、dCas3、dCas8a-c、dCas10、dCse1、dCsy1、dCsn2、dCas4、dCsm2、dCm5、dCsf1、dC2C2、dCasX、dCasY、dCas13、dCas14又はdNgAgoである。
例示的な一実施形態において、触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼタンパク質は、dCas9である。
例示的な一実施形態において、触媒的不活性核酸誘導型ヌクレアーゼタンパク質は、dCpf1である。
核酸誘導型ヌクレアーゼニッカーゼ
いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼの操作された例は、核酸誘導型ヌクレアーゼニッカーゼ(交換可能にニッカーゼ核酸誘導型ヌクレアーゼと呼ばれる)を含む。
いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼの操作された例は、単一の不活性な触媒ドメインを含む、CRISPR/Casシステムニッカーゼ又は非CRISPR/Casシステムニッカーゼを含む。
いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼニッカーゼは、Cas9ニッカーゼ、Cpf1ニッカーゼ、Cas3ニッカーゼ、Cas8a-cニッカーゼ、Cas10ニッカーゼ、Cse1ニッカーゼ、Csy1ニッカーゼ、Csn2ニッカーゼ、Cas4ニッカーゼ、Csm2ニッカーゼ、Cm5ニッカーゼ、Csf1ニッカーゼ、C2C2ニッカーゼ、CasXニッカーゼ、CasYニッカーゼ、Cas13ニッカーゼ、Cas14ニッカーゼ、又はNgAgoニッカーゼである。
一実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼニッカーゼは、Cas9ニッカーゼである。
一実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼニッカーゼは、Cpf1ニッカーゼである。
いくつかの実施形態では、核酸誘導型ヌクレアーゼニッカーゼは、標的配列に結合するために使用され得る。活性ヌクレアーゼドメインが1つしかない場合、核酸誘導型ヌクレアーゼニッカーゼは標的DNAの1つの鎖のみを切断し、一本鎖切断又は「ニック」を作り出す。使用する変異体に応じて、誘導NAハイブリダイゼーション鎖又は非ハイブリダイゼーション鎖が開裂される場合がある。反対側の鎖を標的とする2gNAに結合した核酸誘導型ヌクレアーゼニッカーゼは、核酸に二本鎖切断を引き起こす可能性がある。この「デュアルニッカーゼ」戦略は、二本鎖切断が形成される前に、両方の核酸誘導型ヌクレアーゼ/gNA複合体が部位で特異的に結合する必要があるため、切断の特異性を高める。
例示的な実施形態において、Cas9ニッカーゼは、標的配列に結合するために使用され得る。「Cas9ニッカーゼ」という用語は、単一の不活性な触媒ドメイン、すなわち、RuvCドメイン又はHNHドメインのいずれかを含む、Cas9タンパク質の修飾バージョンを指す。活性ヌクレアーゼドメインが1つしかない場合、Cas9ニッカーゼは標的DNAの1つの鎖のみを切断し、一本鎖切断又は「ニック」を作り出す。使用する変異体に応じて、ガイドRNAハイブリダイゼーション鎖又は非ハイブリダイゼーション鎖は開裂され得る。反対側の鎖を標的とする2つのgRNAに結合したCas9ニッカーゼは、DNAに二本鎖切断を作成する。この「デュアルニッカーゼ」戦略は、二本鎖切断が形成される前に両方のCas9/gRNA複合体が部位で特異的に結合する必要があるため、切断の特異性を高めることができる。
解離性で熱安定性の核酸誘導型ヌクレアーゼ
いくつかの実施形態では、熱安定性核酸誘導型ヌクレアーゼは、本明細書で提供される方法で使用される(熱安定性CRISPR/Casシステム核酸誘導型ヌクレアーゼ又は熱安定性非CRISPR/Casシステム核酸誘導型ヌクレアーゼ)。そのような実施形態では、反応温度が上昇し、タンパク質の解離を誘発する。反応温度が低下すると、追加の開裂された標的配列の生成が可能になる。いくつかの実施形態では、熱安定性核酸誘導型ヌクレアーゼは、少なくとも75℃で少なくとも1分間維持された場合、少なくとも50%の活性、少なくとも55%の活性、少なくとも60%の活性、少なくとも65%の活性、少なくとも70%の活性、少なくとも75%の活性、少なくとも80%の活性、少なくとも85%の活性、少なくとも90%の活性、少なくとも95%の活性、少なくとも96%の活性、少なくとも97%の活性、少なくとも98%の活性、少なくとも99%の活性、又は100%の活性を維持する。いくつかの実施形態では、熱安定性核酸誘導型ヌクレアーゼは、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃、少なくとも91℃、少なくとも92℃、少なくとも93℃、少なくとも94℃、少なくとも95℃、96℃、少なくとも97℃、少なくとも98℃、少なくとも99℃、又は少なくとも100℃で少なくとも1分間維持される場合、少なくとも50%維持する。いくつかの実施形態では、熱安定性核酸誘導型ヌクレアーゼは、少なくとも75℃で少なくとも1分、2分、3分、4分、又は5分間維持される場合、少なくとも50%の活性を維持する。いくつかの実施形態では、熱安定性核酸誘導型ヌクレアーゼは、温度が上昇し、25℃~50℃に低下した場合に、少なくとも50%の活性を維持する。いくつかの実施形態では、温度は、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、又は50℃に低下する。例示的な一実施形態では、熱安定性酵素は、95℃で1分後に少なくとも90%の活性を保持する。
いくつかの実施形態では、熱安定性核酸誘導型ヌクレアーゼは、熱安定性Cas9、熱安定性Cpf1、熱安定性Cas3、熱安定性Cas8a-c、熱安定性Cas10、熱安定性Cse1、熱安定性Csy1、熱安定性Csn2、熱安定性Cas4、熱安定性Csm2、熱安定性Cm5、熱安定性Csf1、耐熱性C2C2、又は耐熱性NgAgoである。
いくつかの実施形態では、熱安定性CRISPR/Casシステムタンパク質は、熱安定性Cas9である。
熱安定性核酸誘導型ヌクレアーゼは、例えば、好熱性細菌ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)及びパイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)ゲノムにおける配列相同性によって同定することができる。次に、核酸誘導型ヌクレアーゼ遺伝子を発現ベクターにクローン化することができる。例示的な一実施形態では、熱安定性Cas9タンパク質が単離される。
別の実施形態において、熱安定性核酸誘導型ヌクレアーゼは、非熱安定性核酸誘導型ヌクレアーゼのインビトロ進化によって得ることができる。核酸誘導型ヌクレアーゼの配列は、その熱安定性を改善するために突然変異誘発され得る。
キット及び製造品
本開示は、アダプタ、gNA(例えば、gRNA又はgDNA)、gNAコレクション(例えば、gRNA又はgDNAの複数)、修飾感受性制限酵素、対照等であるがこれだけに限定されない、本明細書に記載の組成物のうち任意の1つ又は複数を含むキットを提供する。
例示的な一実施形態では、キットは、gRNAがヒトゲノム又は他のDNA配列の供給源を標的とするgRNAを含む。
本開示はまた、本明細書に記載されるように、ヌクレオチド修飾の違いを使用して、目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法を実行するための全て必須試薬及び指示を提供する。
また、本明細書で提供される方法を使用してサンプルを濃縮する前後の情報をモニタリングするコンピュータソフトウェアも本明細書で提供される。例示的な一実施形態では、ソフトウェアは、本明細書に記載の方法を適用する前後のサンプル中の枯渇の標的とされる核酸の配列の存在量を計算及び報告して、標的外の枯渇のレベルを評価することができ、ソフトウェアは、本明細書で提供される濃縮の方法を使用してサンプルを処理する前後の目的の配列の存在量を比較することによる、標的-枯渇/濃縮/捕捉/分割/標識/調節/編集の有効性を検査することができる。
上記の明細書に記載されている全て刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。本開示の記載された製品、システム、使用、プロセス、及び方法の様々な修正及び変形は、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本開示は、特定の好ましい実施形態に関連して説明されてきたが、請求された開示は、そのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際、分子生物学及びバイオテクノロジー又は関連分野の当業者に明らかである、開示を実施するための記載されたモードの様々な修正は、以下の特許請求の範囲内にあることが意図されている。
列挙された実施形態
本発明は、以下に列挙された例示的な実施形態を参照することによって定義することができる。
1.枯渇の標的とされる核酸と比較して目的の核酸のサンプルを少なくとも約2倍濃縮する方法であって、目的の核酸と枯渇の標的とされる核酸との間のヌクレオチド修飾の違いを使用することを含む方法。
2.枯渇の標的とされる核酸と比較して目的の核酸のサンプルを少なくとも約2倍濃縮する方法であって、目的の核酸と枯渇の標的とされる核酸との間のヌクレオチド修飾の違いを使用することを含み、サイズ選択又は修飾感受性標的結合を含まない方法。
3.枯渇の標的とされる核酸と比較して目的の核酸のサンプルを少なくとも約2倍濃縮する方法であって、目的の核酸と枯渇の標的とされる核酸との間のヌクレオチド修飾の違いを使用して、標的の核酸をアダプタに連結させ、枯渇の標的とされる核酸には連結させないことを含む方法。
4.目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法であって、
a.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸を含むサンプルを提供することであって、少なくとも目的の核酸の少なくとも1つのサブセット又は枯渇の標的とされる核酸の少なくとも1つのサブセットが、第1の修飾感受性制限酵素に対する複数の第1の認識部位を含むことと、
b.サンプル中の複数の核酸を末端脱リン酸化することと、
c.サンプル中の核酸中の第1の修飾感受性制限部位の少なくとも一部の開裂を可能にする条件下で、(b)からのサンプルを第1の修飾感受性制限酵素と接触させることと、
d.複数の目的の核酸の5’及び3’末端へのアダプタの連結を可能にする条件下で、(c)からのサンプルをアダプタと接触させることと、
これにより、5’及び3’末端でアダプタ連結された目的の核酸が濃縮されたサンプルを生成することと、を含む、目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法。
5.(a)の前に、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸が断片化される、実施形態4に記載の方法。
6.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸の両方が、それぞれ、第1の修飾感受性制限酵素に対する複数の第1の認識部位を含む、実施形態4又は5に記載の方法。
7.複数の第1の認識部位内又はそれに隣接するヌクレオチド修飾の頻度は、目的の核酸において、枯渇の標的とされる核酸と同じではない、実施形態6に記載の方法。
8.第1の修飾感受性制限酵素の活性が、その同種の認識部位内又はそれに隣接するヌクレオチドの修飾によって遮断される、実施形態4~7のいずれか1つに記載の方法。
9.枯渇の標的とされる核酸中の複数の第1の認識部位が、目的の核酸中の複数の第1の認識部位よりも頻繁に修飾される、実施形態8に記載の方法。
10.第1の修飾感受性制限酵素が、AatII、AccII、Aor13HI、Aor51HI、BspT104I、BssHII、Cfr10I、ClaI、CpoI、Eco52I、HaeII、HapII、HhaI、MluI、NaeI、NotI、NruI、NsbI、PmaCI、Psp1406I、PvuI、SacII、SalI、SmaI、SnaBI、AluI、及びSau3AIからなる群から選択される制限酵素を含む、実施形態8又は9に記載の方法。
11.第1の修飾感受性制限酵素が、AluI及びSau3AIからなる群から選択される制限酵素を含む、実施形態8又は9に記載の方法。
12.第1の修飾感受性制限酵素が、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む認識部位で活性であり、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含まない認識部位では活性ではない、実施形態4~7に記載の方法。
13.枯渇の標的とされる核酸中の複数の第1の認識部位が、目的の核酸中の複数の第1の認識部位よりも頻繁に修飾される、実施形態12に記載の方法。
14.第1の修飾感受性制限酵素が、AbaSI、FspEI、LpnPI、MspJI又はMcrBCからなる群から選択される制限酵素を含む、実施形態12又は13に記載の方法。
15.修飾が5-ヒドロキシメチルシトシンを含む、実施形態12~13のいずれか1つに記載の方法。
16.第1の修飾感受性制限酵素がAbaSIを含み、方法が、工程(c)の前にサンプルをT4ファージβ-グルコシルトランスフェラーゼと接触させることを更に含む、実施形態15に記載の方法。
17.修飾がグルコシルヒドロキシメチルシトシンを含む、実施形態12~14のいずれか1つに記載の方法。
18.第1の修飾感受性制限酵素がAbaSIを含む、実施形態17に記載の方法。
19.修飾がメチルシトシンを含む、実施形態12~14のいずれか1つに記載の方法。
20.第1の修飾感受性制限酵素がMcrBCを含む、実施形態19に記載の方法。
21.目的の核酸が少なくとも1つのDpnI認識部位を含み、方法が、工程(c)の前に、サンプルをDpnI及びT4ポリメラーゼと接触させることを更に含む、実施形態12~20のいずれか1つに記載の方法。
22.T4ポリメラーゼが、メチル化されたA及びCヌクレオチドを、少なくとも1つのDpnI認識部位内又はその近隣において、非メチル化されたA及びCヌクレオチドで置き換える、実施形態21に記載の方法。
23.工程(d)の前に、核酸のリン酸化末端からヌクレオチドを連続的に除去することを可能にする条件下で、(c)からのサンプルをエキソヌクレアーゼと接触させることを更に含む、実施形態12~22のいずれか1つに記載の方法。
24.エキソヌクレアーゼがラムダヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼIII又はBAL-31を含む、実施形態23に記載の方法。
25.工程(b)においてサンプル中の核酸を末端脱リン酸化することがホスファターゼを含む、実施形態4~24のいずれか1つに記載の方法。
26.ホスファターゼがアルカリホスファターゼである、実施形態25に記載の方法。
27.アルカリホスファターゼがエビアルカリホスファターゼである、実施形態26に記載の方法。
28.
e.第2の修飾感受性制限酵素が第2の認識部位を切断することを可能にする条件下で、(d)からのアダプタ連結核酸を第2の修飾感受性制限酵素と接触させることを更に含み、
枯渇の標的とされる核酸の少なくとも少なくとも1つのサブセットが、第2の修飾感受性制限酵素のための複数の第2の認識部位を含み、
第2の修飾感受性制限酵素が、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む認識部位を標的とし、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含まない認識部位を標的とせず、
これにより、一方の端でアダプタが連結された枯渇の標的とされる核酸のコレクションと、両端でアダプタが連結された目的の核酸のコレクションと、が生成される、実施形態4~27のいずれか1つに記載の方法。
29.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸がそれぞれ、第2の修飾感受性制限酵素に対する複数の第2の認識部位を含む、実施形態28に記載の方法。
30.枯渇の標的とされる核酸中の複数の第2の認識部位が、目的の核酸中の複数の第2の認識部位よりも頻繁に修飾される、実施形態29に記載の方法。
31.工程(d)後にサンプルを、複数の核酸誘導型ヌクレアーゼ-ガイド核酸(gNA)複合体と接触させることを更に含み、gNAが、枯渇の標的とされる核酸の標的部位に相補的であり、それにより、一方の端でアダプタ連結される枯渇の標的とされる切断された核酸、並びに5’及び3’末端の両方でアダプタ連結される目的の核酸を生成する、実施形態4~30のいずれか1つに記載の方法。
32.方法が、少なくとも102の特異的核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体、少なくとも103の特異的核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体、104の特異的核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体又は105の特異的核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体とサンプルとを接触させることを含む、実施形態31に記載の方法。
33.核酸誘導型ヌクレアーゼが、Cas9、Cpf1、Cas3、Cas8a-c、Cas10、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2、CasX、CasY、Cas13、Cas14又はCm5である、実施形態31又は32に記載の方法。
34.核酸誘導型ヌクレアーゼがCas9、Cpf1又はそれらの組合せである、実施形態31又は32に記載の方法。
35.核酸誘導型ヌクレアーゼがCas9又はCpf1ニッカーゼである、実施形態31~34のいずれか1つに記載の方法。
36.核酸誘導型ヌクレアーゼが熱安定性である、実施形態31~35のいずれか1つに記載の方法。
37.gNAがデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)である、実施形態31~36のいずれか1つに記載の方法。
38.アダプタを使用して、核酸の5’及び3’末端でアダプタ連結される目的の核酸を増幅、シークエンシング、又はクローニングすることを更に含む、実施形態4~37のいずれか1つに記載の方法。
39.ヌクレオチド修飾がアデニン修飾又はシトシン修飾を含む、実施形態1~38のいずれか1つに記載の方法。
40.アデニン修飾がアデニンメチル化を含む、実施形態39に記載の方法。
41.アデニンメチル化がDamメチル化又はEcoKIメチル化を含む、実施形態40に記載の方法。
42.シトシン修飾が、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-ホルミルシトシン、5-カルボキシルシトシン、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシン又は3-メチルシトシンを含む、実施形態39に記載の方法。
43.シトシン修飾がシトシンメチル化を含む、実施形態39に記載の方法。
44.シトシンメチル化が、CpGメチル化、CpAメチル化、CpTメチル化、CpCメチル化又はそれらの組合せを含む、実施形態43に記載の方法。
45.シトシンメチル化が、Dcmメチル化、DNMT1メチル化、DNMT3Aメチル化又はDNMT3Bメチル化を含む、実施形態43に記載の方法。
46.第2の修飾感受性制限酵素が、AbaSI、FspEI、LpnPI、MspJI又はMcrBCからなる群から選択される制限酵素を含む、実施形態28~45のいずれか1つに記載の方法。
47.修飾が5-ヒドロキシメチルシトシンを含む、実施形態28~38のいずれか1つに記載の方法。
48.第2の修飾感受性制限酵素がAbaSIを含み、方法が、工程(e)の前にサンプルをT4ファージβ-グルコシルトランスフェラーゼと接触させることを更に含む、実施形態47に記載の方法。
49.修飾がグルコシルヒドロキシメチルシトシンを含む、実施形態28~38のいずれか1つに記載の方法。
50.第2の修飾感受性制限酵素がAbaSIを含む、実施形態49に記載の方法。
51.修飾がメチルシトシンを含む、実施形態28~38のいずれか1つに記載の方法。
52.第2の修飾感受性制限酵素がMcrBCを含む、実施形態51に記載の方法。
53.目的の核酸が少なくとも1つのDpnI認識部位を含み、方法が、工程(e)の前に、サンプルをDpnI及びT4ポリメラーゼと接触させることを更に含む、実施形態28~52のいずれか1つに記載の方法。
54.T4ポリメラーゼが、uメチル化されたA及びCヌクレオチドを、少なくとも1つのDpnI認識部位内又はその近隣において、非メチル化A及びCヌクレオチドで置き換える、実施形態53に記載の方法。
55.枯渇の標的とされる核酸が宿主核酸を含み、目的の核酸が非宿主核酸を含む、実施形態1~54のいずれか1つに記載の方法。
56.非宿主が細菌、真菌又はウイルスを含む、実施形態55に記載の方法。
57.非宿主が複数の種の生物を含む、実施形態55に記載の方法。
58.宿主が哺乳動物、鳥類、爬虫類又は昆虫である、実施形態55に記載の方法。
59.哺乳動物がヒト、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、サル、イヌ、ネコ、ラット、ウサギ、マウス又はスナネズミである、実施形態58に記載の方法。
60.枯渇の標的とされる核酸が転写活性部位を含み、目的の核酸が反復配列を含む、実施形態1~59のいずれか1つに記載の方法。
61.目的のアダプタ連結核酸及び枯渇の標的とされる核酸が50~1000bpの範囲である、実施形態4~60のいずれか1つに記載の方法。
62.目的の核酸が、サンプル中の全核酸の50%未満を構成する、実施形態1~61のいずれか1つに記載の方法。
63.目的の核酸が、サンプル中の全核酸の30%未満を構成する、実施形態1~61のいずれか1つに記載の方法。
64.目的の核酸が、サンプル中の全核酸の5%未満を構成する、実施形態1~61のいずれか1つに記載の方法。
65.サンプルが、生物学的サンプル、臨床サンプル、法医学サンプル、又は環境サンプルのいずれか1つである、実施形態1~64のいずれか1つに記載の方法。
66.サンプルが全血、血漿、血清、涙、唾液、粘液、脳脊髄液、歯、骨、指の爪、糞便、尿、組織、及び生検から選択される、実施形態1~64のいずれか1つに記載の方法。
67.目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法であって、
a.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸を含むサンプルを提供することであって、枯渇の標的とされる核酸の少なくとも1つのサブセットが、修飾感受性制限酵素に対する複数の認識部位を含むことと、
b.サンプル中の複数の核酸を末端脱リン酸化することと、
c.サンプル中の核酸中の修飾感受性制限部位の開裂を可能にする条件下で、(b)からのサンプルを修飾感受性制限酵素と接触させ、それにより、露出した末端リン酸を有する核酸を生成することと、
d.核酸のリン酸化末端からヌクレオチドを連続的に除去することを可能にする条件下で、サンプルをエキソヌクレアーゼと接触させ、これにより、目的の核酸が濃縮されたサンプルを生成することと、を含む、目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法。
68.工程(a)の前に、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸が断片化される、実施形態67に記載の方法。
69.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸がそれぞれ、修飾感受性制限酵素に対する複数の認識部位を含む、実施形態67又は68の方法。
70.枯渇の標的とされる核酸中の複数の認識部位が、目的の核酸中の複数の認識部位よりも頻繁に修飾される、実施形態69に記載の方法。
71.目的の核酸が少なくとも1つのDpnI認識部位を含み、方法が、工程(c)の前に、サンプルをDpnI及びT4ポリメラーゼと接触させることを更に含む、実施形態67~70のいずれか1つに記載の方法。
72.T4ポリメラーゼが、メチル化されたA及びCヌクレオチドを、少なくとも1つのDpnI認識部位内又はその近隣において、非メチル化A及びCヌクレオチドで置き換える、実施形態71に記載の方法。
73.修飾がアデニン修飾又はシトシン修飾を含む、実施形態67~72のいずれか1つに記載の方法。
74.アデニン修飾がアデニンメチル化を含む、実施形態73に記載の方法。
75アデニンメチル化がDamメチル化又はEcoKIメチル化を含む、実施形態73に記載の方法。
76.シトシン修飾が、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-ホルミルシトシン、5-カルボキシルシトシンを含む、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシン又は3-メチルシトシンを含む、実施形態73に記載の方法。
77.シトシン修飾がシトシンメチル化を含む、実施形態73に記載の方法。
78.シトシンメチル化が、CpGメチル化、CpAメチル化、CpTメチル化、CpCメチル化又はそれらの組合せを含む、実施形態77に記載の方法。
79.シトシンメチル化が、Dcmメチル化、DNMT1メチル化、DNMT3Aメチル化又はDNMT3Bメチル化を含む、実施形態73に記載の方法。
80.修飾感受性制限酵素が、AbaSI、FspEI、LpnPI、MspJI又はMcrBCからなる群から選択される制限酵素を含む、実施形態67~79のいずれか1つに記載の方法。
81.修飾が5-ヒドロキシメチルシトシンを含む、実施形態67~72のいずれか1つに記載の方法。
82.修飾感受性制限酵素がAbaSIを含み、方法が、工程(c)の前にサンプルをT4ファージβ-グルコシルトランスフェラーゼと接触させることを更に含む、実施形態81に記載の方法。
83.修飾がグルコシルヒドロキシメチルシトシンを含む、実施形態67~72のいずれか1つに記載の方法。
84.修飾感受性制限酵素がAbaSIを含む、実施形態83に記載の方法。
85.修飾がメチルシトシンを含む、実施形態67~72のいずれか1つに記載の方法。
86.修飾感受性制限酵素がMcrBCを含む、実施形態85に記載の方法。
87.エキソヌクレアーゼがラムダヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼIII又はBAL-31である、実施形態67~86の方法。
88.工程(b)においてサンプル中の核酸を末端脱リン酸化することがホスファターゼを含む、実施形態67~87のいずれか1つに記載の方法。
89.ホスファターゼがアルカリホスファターゼである、実施形態88に記載の方法。
90.アルカリホスファターゼがエビアルカリホスファターゼである、実施形態74に記載の方法。
91.e.(d)からのサンプルを、複数の目的の核酸の5’及び3’末端へのアダプタの連結を可能にする条件下でアダプタと接触させ、
これにより、5’及び3’末端でアダプタ連結された目的の核酸が濃縮されたサンプルを生成することを含む、実施形態67~90のいずれか1つに記載の方法。
92.工程(d)後にサンプルを、複数の核酸誘導型ヌクレアーゼ-ガイド核酸(gNA)複合体と接触させることを更に含み、gNAが、枯渇の標的とされる核酸の標的部位に相補的であり、それにより、一方の端でアダプタ連結される枯渇の標的とされる切断された核酸、並びに5’及び3’末端の両方でアダプタ連結される目的の核酸を生成する、実施形態67~91のいずれか1つに記載の方法。
93.方法が、少なくとも102の特異的核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体、少なくとも103の特異的核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体、104の特異的核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体又は105の特異的核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体とサンプルとを接触させることを含む、実施形態92に記載の方法。
94.核酸誘導型ヌクレアーゼが、Cas9、Cpf1、Cas3、Cas8a-c、Cas10、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2、CasX、CasY、Cas13、Cas14又はCm5である、実施形態92又は93に記載の方法。
95.核酸誘導型ヌクレアーゼがCas9、Cpf1又はそれらの組合せである、実施形態92又は93に記載の方法。
96.核酸誘導型ヌクレアーゼがCas9又はCpf1ニッカーゼである、実施形態92~95のいずれか1つに記載の方法。
97.核酸誘導型ヌクレアーゼが熱安定性である、実施形態92~96のいずれか1つに記載の方法。
98.gNAがデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)である、実施形態92~97のいずれか1つに記載の方法。
99.アダプタを使用して、核酸の5’及び3’末端でアダプタ連結される目的の核酸を増幅、シークエンシング、又はクローニングすることを更に含む、実施形態67~98のいずれか1つに記載の方法。
100.枯渇の標的とされる核酸が宿主核酸を含み、目的の核酸が非宿主核酸を含む、実施形態67~99のいずれか1つに記載の方法。
101.非宿主が細菌、真菌又はウイルスを含む、実施形態100に記載の方法。
102.非宿主が複数の種の生物を含む、実施形態100に記載の方法。
103.宿主が哺乳動物、鳥類、爬虫類又は昆虫である、実施形態100に記載の方法。
104.哺乳動物がヒト、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、サル、イヌ、ネコ、ラット、ウサギ、マウス又はスナネズミである、実施形態103に記載の方法。
105.枯渇の標的とされる核酸が転写活性部位を含み、目的の核酸が反復配列を含む、実施形態67~104のいずれか1つに記載の方法。
106.目的のアダプタ連結核酸及び枯渇の標的とされる核酸が50~1000bpの範囲である、実施形態67~105のいずれか1つに記載の方法。
107.目的の核酸が、サンプル中の全核酸の50%未満を構成する、実施形態67~106のいずれか1つに記載の方法。
108.目的の核酸が、サンプル中の全核酸の30%未満を構成する、実施形態67~106のいずれか1つに記載の方法。
109.目的の核酸が、サンプル中の全核酸の5%未満を構成する、実施形態67~106のいずれか1つに記載の方法。
110.サンプルが、生物学的サンプル、臨床サンプル、法医学サンプル、又は環境サンプルのいずれか1つである、実施形態67~106のいずれか1つに記載の方法。
111.サンプルが全血、血漿、血清、涙、唾液、粘液、脳脊髄液、歯、骨、指の爪、糞便、尿、組織、及び生検から選択される、実施形態67~106のいずれか1つに記載の方法。
112.目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法であって、
a.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸を含むサンプルを提供することであって、枯渇の標的とされる核酸の少なくとも1つのサブセットが、修飾感受性制限酵素に対する複数の認識部位を含むことと、
b.サンプル中の複数の核酸の5’及び3’末端へのアダプタの連結を可能にする条件下で、サンプルをアダプタと接触させることと、
c.サンプル中の核酸中の修飾感受性制限部位の開裂を可能にする条件下で、(b)からのサンプルを修飾感受性制限酵素と接触させることと、
これにより、5’及び3’末端でアダプタ連結された目的の核酸が濃縮されたサンプルを生成することと、を含む、目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法。
113.工程(a)の前に、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸が断片化される、実施形態112に記載の方法。
114.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸の両方がそれぞれ、修飾感受性制限酵素に対する複数の認識部位を含む、実施形態112又は113に記載の方法。
115.枯渇の標的とされる核酸中の複数の認識部位が、目的の核酸中の複数の認識部位よりも頻繁に修飾される、実施形態112~114のいずれか1つに記載の方法。
116目的の核酸が少なくとも1つのDpnI認識部位を含み、方法が、工程(c)の前に、サンプルをDpnI及びT4ポリメラーゼと接触させることを更に含む、実施形態112~115のいずれか1つに記載の方法。
117.T4ポリメラーゼが、メチル化されたA及びCヌクレオチドを、少なくとも1つのDpnI認識部位内又はその近隣において、非メチル化A及びCヌクレオチドで置き換える、実施形態116に記載の方法。
118.修飾がアデニン修飾又はシトシン修飾を含む、実施形態112~117のいずれか1つに記載の方法。
119.アデニン修飾がアデニンメチル化を含む、実施形態118に記載の方法。
120.アデニンメチル化がDamメチル化又はEcoKIメチル化を含む、実施形態119に記載の方法。
121.シトシン修飾が、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-ホルミルシトシン、5-カルボキシルシトシンを含む、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシン又は3-メチルシトシンを含む、実施形態118に記載の方法。
122.シトシン修飾がシトシンメチル化を含む、実施形態118に記載の方法。
123.シトシンメチル化が、CpGメチル化、CpAメチル化、CpTメチル化、CpCメチル化又はそれらの組合せを含む、実施形態122に記載の方法。
124.シトシンメチル化が、Dcmメチル化、DNMT1メチル化、DNMT3Aメチル化又はDNMT3Bメチル化を含む、実施形態122に記載の方法。
125.修飾感受性制限酵素が、AbaSI、FspEI、LpnPI、MspJI又はMcrBCを含む、実施形態112~124のいずれか1つに記載の方法。
126.修飾が5-ヒドロキシメチルシトシンを含む、実施形態112~117のいずれか1つに記載の方法。
127.修飾感受性制限酵素がAbaSIを含み、方法が、(c)の前にサンプルをT4ファージβ-グルコシルトランスフェラーゼと接触させることを更に含む、実施形態126に記載の方法。
128.修飾がグルコシルヒドロキシメチルシトシンを含む、実施形態112~117のいずれか1つに記載の方法。
129.修飾感受性制限酵素がAbaSIを含む、実施形態128に記載の方法。
130.修飾がメチルシトシンを含む、実施形態112~117のいずれか1つに記載の方法。
131.修飾感受性制限酵素がMcrBCを含む、実施形態130に記載の方法。
132.工程(c)後にサンプルを、複数の核酸誘導型ヌクレアーゼ-ガイド核酸(gNA)複合体と接触させることを更に含み、gNAが、枯渇の標的とされる核酸の標的部位に相補的であり、それにより、一方の端でアダプタ連結される枯渇の標的とされる切断された核酸、並びに5’及び3’末端の両方でアダプタ連結される目的の核酸を生成する、実施形態112~131のいずれか1つに記載の方法。
133.方法が、少なくとも102の特異的核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体、少なくとも103の特異的核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体、104の特異的核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体又は105の特異的核酸誘導型ヌクレアーゼ-gNA複合体とサンプルとを接触させることを含む、実施形態132に記載の方法。
134.核酸誘導型ヌクレアーゼが、Cas9、Cpf1、Cas3、Cas8a-c、Cas10、Cse1、Csy1、Csn2、Cas4、Csm2、CasX、CasY、Cas13、Cas14又はCm5である、実施形態132又は133に記載の方法。
135.核酸誘導型ヌクレアーゼがCas9、Cpf1又はそれらの組合せである、実施形態132又は133に記載の方法。
136.核酸誘導型ヌクレアーゼがCas9又はCpf1ニッカーゼである、実施形態132~135のいずれか1つに記載の方法。
137.核酸誘導型ヌクレアーゼが熱安定性である、実施形態132~136のいずれか1つに記載の方法。
138.gNAがデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)である、実施形態112~137のいずれか1つに記載の方法。
139.アダプタを使用して、核酸の5’及び3’末端でアダプタ連結される目的の核酸を増幅、シークエンシング、又はクローニングすることを更に含む、実施形態112~138のいずれか1つに記載の方法。
140.枯渇の標的とされる核酸が宿主核酸を含み、目的の核酸が非宿主核酸を含む、実施形態112~139のいずれか1つに記載の方法。
141.非宿主が細菌、真菌又はウイルスを含む、実施形態140に記載の方法。
142.非宿主が複数の種の生物を含む、実施形態140に記載の方法。
143.宿主が哺乳動物、鳥類、爬虫類又は昆虫である、実施形態140に記載の方法。
144.哺乳動物がヒト、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、サル、イヌ、ネコ、ラット、ウサギ、マウス又はスナネズミである、実施形態143に記載の方法。
145.枯渇の標的とされる核酸が転写活性部位を含み、目的の核酸が反復配列を含む、実施形態112~144のいずれか1つに記載の方法。
146.目的のアダプタ連結核酸及び枯渇の標的とされる核酸が50~1000bpの範囲である、実施形態112~145のいずれか1つに記載の方法。
147.目的の核酸が、サンプル中の全核酸の50%未満を構成する、実施形態112~146のいずれか1つに記載の方法。
148.目的の核酸が、サンプル中の全核酸の30%未満を構成する、実施形態112~146のいずれか1つに記載の方法。
149.目的の核酸が、サンプル中の全核酸の5%未満を構成する、実施形態112~146のいずれか1つに記載の方法。
150.サンプルが、生物学的サンプル、臨床サンプル、法医学サンプル、又は環境サンプルのいずれか1つである、実施形態112~149のいずれか1つに記載の方法。
151.サンプルが全血、血漿、血清、涙、唾液、粘液、脳脊髄液、歯、骨、指の爪、糞便、尿、組織、及び生検から選択される、実施形態112~149のいずれか1つに記載の方法。
152.目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法であって、
a.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸を含むサンプルを提供することであって、
目的の核酸の少なくとも1つのサブセット又は枯渇の標的とされる核酸の少なくとも1つのサブセットは、第1の修飾感受性制限酵素のための複数の第1の認識部位を含み、
第1の修飾感受性制限酵素の活性が、その同種の認識部位内又はその隣接するヌクレオチドの修飾によって遮断されることと、
b.サンプル中の複数の核酸を末端脱リン酸化することと、
c.サンプル中の核酸中の第1の修飾感受性制限部位の少なくとも一部の開裂を可能にする条件下で、(b)からのサンプルを第1の修飾感受性制限酵素と接触させることと、
d.複数の目的の核酸の5’及び3’末端へのアダプタの連結を可能にする条件下で、(c)からのサンプルをアダプタと接触させることと、
これにより、5’及び3’末端でアダプタ連結された目的の核酸が濃縮されたサンプルを生成することと、を含む、目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法。
153.(a)の前に、目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸が断片化される、実施形態152に記載の方法。
154.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸の両方が、それぞれ、第1の修飾感受性制限酵素に対する複数の第1の認識部位を含む、実施形態152又は153に記載の方法。
155.複数の第1の認識部位内又はそれに隣接するヌクレオチド修飾の頻度は、目的の核酸において、枯渇の標的とされる核酸と同じではない、実施形態154に記載の方法。
156.枯渇の標的とされる核酸中の複数の第1の認識部位が、目的の核酸中の複数の第1の認識部位よりも頻繁に修飾される、実施形態155に記載の方法。
157.第1の修飾感受性制限酵素が、AatII、AccII、Aor13HI、Aor51HI、BspT104I、BssHII、Cfr10I、ClaI、CpoI、Eco52I、HaeII、HapII、HhaI、MluI、NaeI、NotI、NruI、NsbI、PmaCI、Psp1406I、PvuI、SacII、SalI、SmaI、SnaBI、AluI、及びSau3AIからなる群から選択される制限酵素を含む、実施形態155又は156に記載の方法。
158.第1の修飾感受性制限酵素が、AluI及びSau3AIからなる群から選択される制限酵素を含む、実施形態155又は156に記載の方法。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法であって、
a.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸を含むサンプルを提供することであって、前記目的の核酸の少なくとも1つのサブセット又は前記枯渇の標的とされる核酸の少なくとも1つのサブセットが、第1の修飾感受性制限酵素に対する複数の第1の認識部位を含むことと、
b.前記サンプル中の複数の前記核酸を末端脱リン酸化することと、
c.前記サンプル中の前記核酸中の前記第1の修飾感受性制限部位の少なくとも一部の開裂を可能にする条件下で、(b)からの前記サンプルを前記第1の修飾感受性制限酵素と接触させることと、
d.複数の前記目的の核酸の5’及び3’末端へのアダプタの連結を可能にする条件下で、(c)からの前記サンプルを前記アダプタと接触させることと、
これにより、5’及び3’末端でアダプタ連結された目的の核酸が濃縮されたサンプルを生成することと、を含む、前記方法。
〔2〕前記目的の核酸及び前記枯渇の標的とされる核酸の両方が、前記第1の修飾感受性制限酵素に対する複数の第1の認識部位を含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記複数の第1の認識部位内又は前記複数の第1の認識部位に隣接するヌクレオチド修飾の頻度が、目的の核酸において、前記枯渇の標的とされる核酸と同じではない、前記〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記第1の修飾感受性制限酵素の活性が、その同種の認識部位内又はその同種の認識部位に隣接するヌクレオチドの修飾によって遮断される、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の方法。
〔5〕前記枯渇の標的とされる核酸中の前記複数の第1の認識部位が、前記目的の核酸中の前記複数の第1の認識部位よりも頻繁に修飾される、前記〔4〕に記載の方法。
〔6〕前記第1の修飾感受性制限酵素が、AatII、AccII、Aor13HI、Aor51HI、BspT104I、BssHII、Cfr10I、ClaI、CpoI、Eco52I、HaeII、HapII、HhaI、MluI、NaeI、NotI、NruI、NsbI、PmaCI、Psp1406I、PvuI、SacII、SalI、SmaI、SnaBI、AluI及びSau3AIからなる群から選択される制限酵素を含む、前記〔4〕又は〔5〕に記載の方法。
〔7〕前記第1の修飾感受性制限酵素が、AluI及びSau3AIからなる群から選択される制限酵素を含む、前記〔4〕又は〔5〕に記載の方法。
〔8〕前記第1の修飾感受性制限酵素が、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む認識部位で活性であり、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含まない認識部位で活性ではない、前記〔1〕~〔3〕に記載の方法。
〔9〕前記枯渇の標的とされる核酸中の前記複数の第1の認識部位が、前記目的の核酸中の前記複数の第1の認識部位よりも頻繁に修飾される、前記〔8〕に記載の方法。
〔10〕前記第1の修飾感受性制限酵素が、AbaSI、FspEI、LpnPI、MspJI又はMcrBCからなる群から選択される制限酵素を含む、前記〔8〕又は〔9〕に記載の方法。
〔11〕前記修飾が、5-ヒドロキシメチルシトシンを含み、
前記第1の修飾感受性制限酵素がAbaSIを含み、前記方法が、工程(c)の前に前記サンプルをT4ファージβ-グルコシルトランスフェラーゼと接触させることを更に含む、前記〔8〕又は〔9〕に記載の方法。
〔12〕前記修飾がグルコシルヒドロキシメチルシトシンを含み、前記第1の修飾感受性制限酵素がAbaSIを含む、前記〔8〕又は〔9〕に記載の方法。
〔13〕前記修飾がメチルシトシンを含み、前記第1の修飾感受性制限酵素がMcrBCを含む、前記〔8〕又は〔9〕に記載の方法。
〔14〕前記目的の核酸が少なくとも1つのDpnI認識部位を含み、前記方法が、工程(c)の前に、前記サンプルをDpnI及びT4ポリメラーゼと接触させ、それによりメチル化A及びCヌクレオチドを、少なくとも1つのDpnI認識部位内又はその近隣において、非メチル化A及びCヌクレオチドで置き換えることを更に含む、前記〔8〕~〔13〕のいずれか一項に記載の方法。
〔15〕工程(d)の前に、核酸のリン酸化末端からヌクレオチドを連続的に除去することを可能にする条件下で、(c)からの前記サンプルをエキソヌクレアーゼと接触させることを更に含む、前記〔8〕~〔14〕のいずれか一項に記載の方法。
〔16〕e.第2の修飾感受性制限酵素が第2の認識部位を切断することを可能にする条件下で、(d)からの前記アダプタ連結核酸を前記第2の修飾感受性制限酵素と接触させることを更に含み、
前記枯渇の標的とされる核酸の少なくとも1つのサブセットが、第2の修飾感受性制限酵素のための複数の第2の認識部位を含み、
前記第2の修飾感受性制限酵素が、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む認識部位を標的とし、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含まない認識部位を標的とせず、
これにより、一方の端でアダプタが連結された枯渇の標的とされる核酸のコレクションと、両端でアダプタが連結された目的の核酸のコレクションとが生成される、前記〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の方法。
〔17〕工程(d)後に前記サンプルを、複数の核酸誘導型ヌクレアーゼ-ガイド核酸(gNA)複合体と接触させることを更に含み、前記gNAが、前記枯渇の標的とされる核酸の標的部位に相補的であり、それにより、一方の端でアダプタ連結される枯渇の標的とされる切断された核酸、並びに5’及び3’末端の両方でアダプタ連結される目的の核酸を生成する、前記〔1〕~〔16〕のいずれか一項に記載の方法。
〔18〕前記アダプタを使用して、5’及び3’末端でアダプタ連結される前記目的の核酸を増幅、シークエンシング又はクローニングすることを更に含む、前記〔1〕~〔17〕のいずれか一項に記載の方法。
〔19〕前記ヌクレオチド修飾がアデニン修飾又はシトシン修飾を含む、前記〔1〕~〔18〕のいずれか一項に記載の方法。
〔20〕前記アデニン修飾又はシトシン修飾がメチル化を含む、前記〔19〕に記載の方法。
〔21〕前記シトシン修飾が、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-ホルミルシトシン、5-カルボキシルシトシン、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシン又は3-メチルシトシンを含む、前記〔19〕に記載の方法。
〔22〕前記第2の修飾感受性制限酵素が、AbaSI、FspEI、LpnPI、MspJI又はMcrBCからなる群から選択される制限酵素を含む、前記〔16〕~〔21〕のいずれか一項に記載の方法。
〔23〕前記枯渇の標的とされる核酸が宿主核酸を含み、前記目的の核酸が非宿主核酸を含む、前記〔1〕~〔22〕のいずれか一項に記載の方法。
〔24〕前記非宿主が細菌、真菌又はウイルスを含む、前記〔23〕に記載の方法。
〔25〕前記非宿主が複数の種の生物を含む、前記〔23〕に記載の方法。
〔26〕前記宿主が哺乳動物、鳥類、爬虫類又は昆虫である、前記〔23〕に記載の方法。
〔27〕前記哺乳動物がヒトである、前記〔26〕に記載の方法。
〔28〕前記枯渇の標的とされる核酸が転写活性部位を含み、前記目的の核酸が反復配列を含む、前記〔1〕~〔27〕のいずれか一項に記載の方法。
〔29〕前記アダプタが連結された目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸が50~1000bpの範囲である、前記〔1〕~〔28〕のいずれか一項に記載の方法。
〔30〕前記サンプルが、生物学的サンプル、臨床サンプル、法医学サンプル、又は環境サンプルのいずれか1つである、前記〔1〕~〔29〕のいずれか一項に記載の方法。
〔31〕目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法であって、
a.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸を含むサンプルを提供することであって、前記枯渇の標的とされる核酸の少なくとも1つのサブセットが、修飾感受性制限酵素に対する複数の認識部位を含むことと、
b.前記サンプル中の複数の前記核酸を末端脱リン酸化することと、
c.前記サンプル中の前記核酸の前記修飾感受性制限部位の開裂を可能にする条件下で、(b)からの前記サンプルを前記修飾感受性制限酵素と接触させ、それにより、露出した末端リン酸を有する核酸を生成することと、
d.核酸のリン酸化末端からヌクレオチドを連続的に除去することを可能にする条件下で、前記サンプルをエキソヌクレアーゼと接触させ、これにより、目的の核酸が濃縮されたサンプルを生成することと、を含む、前記方法。
〔32〕前記目的の核酸及び前記枯渇の標的とされる核酸の両方が、前記修飾感受性制限酵素のための複数の認識部位を含む、前記〔31〕に記載の方法。
〔33〕前記枯渇の標的とされる核酸中の前記複数の認識部位が、前記目的の核酸中の前記複数の認識部位よりも頻繁に修飾される、前記〔32〕に記載の方法。
〔34〕前記目的の核酸が少なくとも1つのDpnI認識部位を含み、前記方法が、工程(c)の前に、前記サンプルをDpnI及びT4ポリメラーゼと接触させ、それによりメチル化A及びCヌクレオチドを、少なくとも1つのDpnI認識部位内又はその近隣において、非メチル化A及びCヌクレオチドで置き換えることを更に含む、前記〔31〕~〔33〕のいずれか一項に記載の方法。
〔35〕前記修飾が、アデニン修飾又はシトシン修飾を含む、前記〔31〕~〔34〕のいずれか一項に記載の方法。
〔36〕前記アデニン修飾又はシトシン修飾が、メチル化を含む、前記〔35〕に記載の方法。
〔37〕前記シトシン修飾が、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-ホルミルシトシン、5-カルボキシルシトシン、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシン又は3-メチルシトシンを含む、前記〔35〕に記載の方法。
〔38〕前記修飾感受性制限酵素が、AbaSI、FspEI、LpnPI、MspJI又はMcrBCからなる群から選択される制限酵素を含む、前記〔31〕~〔37〕のいずれか一項に記載の方法。
〔39〕前記修飾が、5-ヒドロキシメチルシトシンを含み、前記修飾感受性制限酵素がAbaSIを含み、前記方法が、工程(c)の前に、前記サンプルをT4ファージβ-グルコシルトランスフェラーゼと接触させることを更に含む、前記〔31〕~〔34〕のいずれか一項に記載の方法。
〔40〕前記修飾がグルコシルヒドロキシメチルシトシンを含み、前記修飾感受性制限酵素がAbaSIを含む、前記〔31〕~〔34〕のいずれか一項に記載の方法。
〔41〕前記修飾がメチルシトシンを含み、前記修飾感受性制限酵素がMcrBCを含む、前記〔31〕~〔34〕のいずれか一項に記載の方法。
〔42〕e.複数の前記目的の核酸の5’及び3’末端へのアダプタの連結を可能にする条件下で、(d)からの前記サンプルを前記アダプタと接触させ、
これにより、5’及び3’末端でアダプタ連結された目的の核酸が濃縮されたサンプルを生成することを更に含む、前記〔31〕~〔41〕のいずれか一項に記載の方法。
〔43〕工程(d)後に前記サンプルを、複数の核酸誘導型ヌクレアーゼ-ガイド核酸(gNA)複合体と接触させることを更に含み、前記gNAが、前記枯渇の標的とされる核酸の標的部位に相補的であり、それにより、一方の端でアダプタ連結される枯渇の標的とされる切断された核酸、並びに5’及び3’末端の両方でアダプタ連結される目的の核酸を生成する、前記〔31〕~〔42〕のいずれか一項に記載の方法。
〔44〕前記アダプタを使用して、5’及び3’末端でアダプタ連結される前記目的の核酸を増幅、シークエンシング又はクローニングすることを更に含む、前記〔31〕~〔43〕のいずれか一項に記載の方法。
〔45〕前記枯渇の標的とされる核酸が宿主核酸を含み、前記目的の核酸が非宿主核酸を含む、前記〔31〕~〔44〕のいずれか一項に記載の方法。
〔46〕前記非宿主が細菌、真菌又はウイルスを含む、前記〔45〕に記載の方法。
〔47〕前記宿主がヒトである、前記〔45〕に記載の方法。
〔48〕前記枯渇の標的とされる核酸が転写活性部位を含み、前記目的の核酸が反復配列を含む、前記〔31〕~〔47〕のいずれか一項に記載の方法。
〔49〕前記アダプタが連結された目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸が50~1000bpの範囲である、前記〔31〕~〔48〕のいずれか一項に記載の方法。
〔50〕前記サンプルが、生物学的サンプル、臨床サンプル、法医学サンプル、又は環境サンプルのいずれか1つである、前記〔31〕~〔49〕のいずれか一項に記載の方法。
〔51〕目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法であって、
a.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸を含むサンプルを提供することであって、前記枯渇の標的とされる核酸の少なくとも1つのサブセットが、修飾感受性制限酵素に対する複数の認識部位を含むことと、
b.前記サンプル中の複数の前記核酸の5’及び3’末端へのアダプタの連結を可能にする条件下で、前記サンプルを前記アダプタと接触させることと、
c.前記サンプル中の前記核酸の前記修飾感受性制限部位の開裂を可能にする条件下で、(b)からの前記サンプルを前記修飾感受性制限酵素と接触させることと、
これにより、5’及び3’末端でアダプタ連結された目的の核酸が濃縮されたサンプルを生成することと、を含む、前記方法。
〔52〕前記目的の核酸及び前記枯渇の標的とされる核酸の両方が、前記修飾感受性制限酵素のための複数の認識部位を含む、前記〔51〕に記載の方法。
〔53〕前記枯渇の標的とされる核酸中の前記複数の認識部位が、前記目的の核酸中の前記複数の認識部位よりも頻繁に修飾される、前記〔51〕又は〔52〕に記載の方法。
〔54〕前記目的の核酸が少なくとも1つのDpnI認識部位を含み、前記方法が、工程(c)の前に、前記サンプルをDpnI及びT4ポリメラーゼと接触させ、それによりメチル化A及びCヌクレオチドを、少なくとも1つのDpnI認識部位内又はその近隣において、非メチル化A及びCヌクレオチドで置き換えることを更に含む、前記〔51〕~〔53〕のいずれか一項に記載の方法。
〔55〕前記修飾が、アデニン修飾又はシトシン修飾を含む、前記〔51〕~〔54〕のいずれか一項に記載の方法。
〔56〕前記アデニン修飾又はシトシン修飾が、メチル化を含む、前記〔55〕に記載の方法。
〔57〕前記シトシン修飾が、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-ホルミルシトシン、5-カルボキシルシトシン、5-グルコシルヒドロキシメチルシトシン又は3-メチルシトシンを含む、前記〔55〕に記載の方法。
〔58〕前記修飾感受性制限酵素が、AbaSI、FspEI、LpnPI、MspJI又はMcrBCを含む、前記〔51〕~〔57〕のいずれか一項に記載の方法。
〔59〕前記修飾が、5-ヒドロキシメチルシトシンを含み、前記修飾感受性制限酵素がAbaSIを含み、前記方法が、(c)の前に、前記サンプルをT4ファージβ-グルコシルトランスフェラーゼと接触させることを更に含む、前記〔51〕~〔53〕のいずれか一項に記載の方法。
〔60〕前記修飾がグルコシルヒドロキシメチルシトシンを含み、前記修飾感受性制限酵素がAbaSIを含む、前記〔51〕~〔53〕のいずれか一項に記載の方法。
〔61〕前記修飾がメチルシトシンを含み、前記修飾感受性制限酵素がMcrBCを含む、前記〔51〕~〔53〕のいずれか一項に記載の方法。
〔62〕工程(c)後に前記サンプルを、複数の核酸誘導型ヌクレアーゼ-ガイド核酸(gNA)複合体と接触させることを更に含み、前記gNAが、前記枯渇の標的とされる核酸の標的部位に相補的であり、それにより、一方の端でアダプタ連結される枯渇の標的とされる切断された核酸、並びに5’及び3’末端の両方でアダプタ連結される目的の核酸を生成する、前記〔51〕~〔61〕のいずれか一項に記載の方法。
〔63〕前記アダプタを使用して、5’及び3’末端でアダプタ連結される前記目的の核酸を増幅、シークエンシング又はクローニングすることを更に含む、前記〔51〕~〔62〕のいずれか一項に記載の方法。
〔64〕前記枯渇の標的とされる核酸が宿主核酸を含み、前記目的の核酸が非宿主核酸を含む、前記〔51〕~〔63〕のいずれか一項に記載の方法。
〔65〕前記非宿主が細菌、真菌又はウイルスを含む、前記〔64〕に記載の方法。
〔66〕前記宿主がヒトである、前記〔65〕に記載の方法。
〔67〕前記枯渇の標的とされる核酸が転写活性部位を含み、前記目的の核酸が反復配列を含む、前記〔51〕~〔66〕のいずれか一項に記載の方法。
〔68〕前記アダプタが連結された目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸が50~1000bpの範囲である、前記〔51〕~〔67〕のいずれか一項に記載の方法。
〔69〕前記サンプルが、生物学的サンプル、臨床サンプル、法医学サンプル、又は環境サンプルのいずれか1つである、前記〔51〕~〔68〕のいずれか一項に記載の方法。
〔70〕目的の核酸についてサンプルを濃縮する方法であって、
a.目的の核酸及び枯渇の標的とされる核酸を含むサンプルを提供することであって、
前記目的の核酸の少なくとも1つのサブセット又は前記枯渇の標的とされる核酸の少なくとも1つのサブセットは、第1の修飾感受性制限酵素のための複数の第1の認識部位を含み、
前記第1の修飾感受性制限酵素の活性が、その同種の認識部位内又はその同種の認識部位に隣接するヌクレオチドの修飾によって遮断されることと、
b.前記サンプル中の複数の前記核酸を末端脱リン酸化することと、
c.前記サンプル中の前記核酸の前記第1の修飾感受性制限部位の少なくとも一部の開裂を可能にする条件下で、(b)からの前記サンプルを前記第1の修飾感受性制限酵素と接触させることと、
d.複数の前記目的の核酸の5’及び3’末端へのアダプタの連結を可能にする条件下で、(c)からの前記サンプルを前記アダプタと接触させることと、
これにより、5’及び3’末端でアダプタ連結された目的の核酸が濃縮されたサンプルを生成することと、を含む、前記方法。