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JP7781499B2 - 有機性排水処理方法及び有機性排水処理装置 - Google Patents
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JP7781499B2 - 有機性排水処理方法及び有機性排水処理装置 - Google Patents

有機性排水処理方法及び有機性排水処理装置

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Description

本発明は、有機性排水処理方法及び有機性排水処理装置に関する。
従来、活性汚泥を利用して窒素やリンを含む例えば下水等の有機性排水を生物処理する有機性排水処理方法として、嫌気槽、無酸素槽、好気槽をこの順に配し、好気槽の汚泥を嫌気槽や無酸素槽に循環供給するA2O法(UCT法)などが広く採用されている。近年では、図6(a),(b)に示すように、固液分離のための沈殿槽に代えて好気槽3に膜分離装置4を浸漬配置し、好気槽3から活性汚泥の一部を無酸素槽2や嫌気槽1に返送するエアリフト方式の汚泥返送路5を備えたMBR法(UCT‐MBRなど)が注目されている。
特許文献1には、オキシデーションディッチや長時間曝気法など汚水が曝気槽内にて24時間以上滞留する従来の活性汚泥法を採用した下水処理施設において、系内の好気的汚泥滞留時間を15日以下に設定することにより放線菌を原因微生物とする発泡スカムの発生を抑制することを特徴とする発泡スカムの抑制方法が開示されている。
放線菌が好気性細菌であることに着目し、嫌気時間帯や曝気槽中に嫌気ゾーンを設けるなどの手段により、汚泥滞留時間が長い場合でも、放線菌が増殖できる時間を減らすことで、増殖量を減らすようにするものである。
特開平8-309383号公報
上述したMBR法でも、活性汚泥浮遊物質[mg/リットル](以下、「MLSS」と記す。)が7000~10000[mg/リットル]となるように調整されるのが一般的で、汚泥滞留時間(以下、「SRT」と記す。)が長くなる傾向にある。そして、膜分離装置膜の閉塞を回避するために不可欠となる洗浄用曝気により、好気槽の溶存酸素濃度(以下、「DO濃度」と記す。)が高い状態で推移し易い。そのため、放線菌が発生し易い環境下となる。
放線菌が発生して大量のスカムが水面付近に滞留するようになると、汚泥返送路に備えたエアリフトポンプの流れが阻害され、好気槽から無酸素槽への活性汚泥の返送が妨げられるという問題が生じる。また、好気槽から外部に泡状のスカムが流出するトラブルが発生する虞があり、好気槽などに備えたセンサ類の誤検知の原因ともなる。
一旦放線菌が発生した場合の対処方として、物理的にスカムを除去する、汚泥を完全に入れ替える、SRTを短縮化する、といった手立てが考えられるが、大規模施設では物理的にスカムを除去する作業は非常に煩雑となり、汚泥の入れ替えやSRTの短縮化なども容易でない。そのため、放線菌を抑制できないまま、運転を継続せざるを得ないのが実情である。
このような放線菌の発生を抑制するポイントとして、好気槽に流入する易分解有機物の量を削減することが挙げられる。上述したUCT‐MBRでは、無酸素槽における脱窒反応の促進に加えて、嫌気槽におけるポリリン酸蓄積菌による易分解有機物の消費を促す方法が実用化されている。ポリリン酸蓄積菌は、嫌気状態で酢酸や酪酸などの有機物を取り込み、体内貯蔵物質の蓄積を行なう過程でリン酸をポリリン酸として放出し、好気状態では放出した以上のリン酸をポリリン酸として摂取する特性を有する。
この場合、無酸素槽に加えて嫌気槽を設ける必要があり、広い施設面積が必要になる。また、無酸素槽と嫌気槽の其々に撹拌機を設置し、無酸素槽から嫌気槽への汚泥返送路を設置する必要があり、設備コストも嵩むことになる。
ところで、放線菌が発生しやすいのは流入負荷が低く、余剰汚泥の発生量が低下することで、SRTが長くなる場合である。そこで、好気槽及び無酸素槽の2槽構成のMBRであっても、無酸素槽の必要容量が低減している点に鑑みて、余剰分を嫌気槽に転用することで、放線菌の抑制に寄与することができる。しかし、嫌気槽と無酸素槽への分割を前提とする場合には、上述と同様設備コストが嵩むことから、放線菌抑制対策としては割高な対策となってしまう。
本発明の目的は、窒素を含有する有機性排水に対して設備コストの増大を伴なうことなく放線菌の発生を効果的に防止できる有機性排水処理方法及び有機性排水処理装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による有機性排水処理方法の第一特徴構成は、窒素を含む有機性排水を活性汚泥中で生物処理する有機性排水処理方法であって、供給された原水と活性汚泥を攪拌する攪拌機構が設置された無酸素槽と、膜分離装置が活性汚泥中に浸漬配置された好気槽と、前記好気槽から前記無酸素槽へ活性汚泥を返送する汚泥返送路と、を備えた有機性排水処理装置に対して、前記攪拌機構の作動状態を切替えることにより、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる点にある。
無酸素槽に備えた攪拌機構が作動することにより、汚泥返送路から返送された硝酸性窒素と活性汚泥中の脱窒菌とが接触して脱窒処理される過程で、原水に含まれる易分解有機物が脱窒菌により消費される。また、攪拌機構の作動状態を切り替え、例えば攪拌機構を停止させると、汚泥返送路から返送された汚泥に含まれる硝酸性窒素が槽内に自然沈降する過程で脱窒菌と接触して脱窒処理され、やがて活性汚泥は硝酸性窒素が存在しない嫌気度の高い状態となる。嫌気度が高くなると、原水に含まれる易分解性有機物がポリリン酸蓄積菌によって取り込まれてリン酸がポリリン酸として放出される。このようにして原水に含まれる易分解有機物がポリリン酸蓄積菌によって消費された汚泥が好気槽に供給されるようになるので、DO濃度の値が高い好気槽であっても放線菌の発生が抑制されるようになる。このとき、同時にポリリン酸蓄積菌によって過剰摂取によるリン除去効果も得られるようになる。
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、酸化還元電位、T-N濃度またはMLSSの何れかを指標にして、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる周期を調整する点にある。
無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させた状態で、無酸素槽に備えた酸化還元電位センサにより検出される電位が、脱窒反応が行なわれる範囲から逸脱するようになり、T-N濃度センサにより検出される処理水のT-N濃度の上昇を検知し、または、好気槽に備えたMLSSセンサにより検出されるMLSSの値が上昇すると、一時的に嫌気槽として機能させた状態から攪拌機構を作動させて脱窒処理を促進させるように切替えることで、処理水に含まれるT-N濃度の上昇を回避することができる。
本発明による有機性排水処理装置の第一特徴構成は、窒素を含む有機性排水を活性汚泥中で生物処理する有機性排水処理装置であって、原水と活性汚泥を攪拌する攪拌機構が設置された無酸素槽と、膜分離装置が活性汚泥中に浸漬配置された好気槽と、前記好気槽から前記無酸素槽へ活性汚泥を返送する汚泥返送路と、前記攪拌機構の作動状態を切替えることにより、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる制御部と、を備えている点にある。
制御部により攪拌機構の作動状態を切替えて、脱窒処理が行われる無酸素槽を嫌気槽として機能させることにより、原水に含まれる易分解性有機物がポリリン酸蓄積菌によって消費される。その結果、好気槽に流入する易分解有機物の量を削減することができ、好気槽における放線菌の発生を抑制することができるようになる。
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記無酸素槽に原水を供給する原水供給機構は、前記無酸素槽の底部近傍に原水を供給するように構成されるとともに、前記汚泥返送路は、前記好気槽から返送する汚泥を前記無酸素槽の水面近傍に返送するように構成されている点にある。
無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させた状態で、原水供給機構により無酸素槽の底部近傍に供給される原水が槽内を上昇し、汚泥返送路から無酸素槽の水面近傍に返送される汚泥が槽内を沈降する過程で、時間を掛けて緩やかに混ざり合う。無酸素槽の底部へと汚泥が沈降する過程において、汚泥の周辺部の被処理水には硝酸性窒素が存在しなくなるため、汚泥の嫌気度が上昇し、無酸素槽の下部から供給される原水中に含まれる有機酸をポリリン酸蓄積菌が取り込むことで、易分解性有機物が消費される。
同第三の特徴構成は、上述した第二の特徴構成に加えて、前記無酸素槽から前記好気槽へ活性汚泥が流下させる連通部は、前記無酸素槽の水面近傍に設けられている点にある。
連通部が無酸素槽の水面近傍に設けられているので、無酸素槽の底部近傍に供給される汚水がショートパスして好気槽に流入することが回避される。また、無酸素槽に返送された汚泥が沈降して上澄みのみが連通部を介して好気槽に流入することにより、無酸素槽のMLSS濃度の上昇、ひいては嫌気度の向上に寄与できるようになる。
同第四の特徴構成は、上述した第三の特徴構成に加えて、前記制御部は、酸化還元電位、T-N濃度またはMLSSの何れかを指標にして、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる周期を調整するように構成されている点にある。
制御部は、無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させた後に、酸化還元電位、T-N濃度またはMLSSの何れかを指標にして、無酸素槽として機能するように切り替えることで、処理水のT-N濃度の許容範囲を超えた上昇を回避しながらも、好気槽における放線菌の発生を抑制することができるようになる。
同第五の特徴構成は、上述した第四の特徴構成に加えて、前記酸化還元電位を計測する電位センサは、前記無酸素槽を前記嫌気槽として機能させたときに、前記無酸素槽に形成される無酸素領域と嫌気領域の境界に設置されている点にある。
無酸素領域と嫌気領域の境界における酸化還元電位を検出することにより、酸化還元電位が極端に上昇をし始めた場合は、汚水の供給による水塊の上昇速度が活性汚泥の沈降速度を完全に上回った状態になっていることが疑われるため、通常運転に戻して汚水と活性汚泥を混合させることにより、窒素除去性能を確保し、処理水のT-N濃度が悪化する前に対処することができるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、窒素を含有する有機性排水に対して設備コストの増大を伴なうことなく放線菌の発生を効果的に防止できる有機性排水処理方法及び有機性排水処理装置を提供することができるようになった。
本発明による有機性排水処理装置の一態様の説明図であり、(a)は無酸素槽が通常運転状態にある場合の平面視の説明図、(b)は同正面視の説明図、(c)は無酸素槽が嫌気性運転状態にある場合の平面視の説明図、(d)は同正面視の説明図 膜分離装置に収容された分離膜の説明図 本発明による有機性排水処理装置の他の態様の説明図であり、(a)は無酸素槽が通常運転状態にある場合の平面視の説明図、(b)は同正面視の説明図、(c)は無酸素槽が嫌気性運転状態にある場合の平面視の説明図、(d)は同正面視の説明図 本発明による有機性排水処理装置のさらに他の態様の説明図であり、(a)は無酸素槽が通常運転状態にある場合の平面視の説明図、(b)は同正面視の説明図、(c)は無酸素槽が嫌気性運転状態にある場合の平面視の説明図、(d)は同正面視の説明図 本発明による有機性排水処理装置のさらに他の態様の説明図であり、(a)は無酸素槽が通常運転状態にある場合の正面視の説明図、(b)は無酸素槽が嫌気性運転状態にある場合の正面視の説明図 (a)は無酸素槽、好気槽を備えた従来のMBR方式の有機性排水処理装置の説明図、(b)は嫌気槽、無酸素槽、好気槽を備えた従来のMBR方式の有機性排水処理装置の説明図
以下、本発明による排水処理方法及び排水処理装置の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明による排水処理装置は、窒素やリンを含む例えば下水等の有機性排水を活性汚泥中で生物処理する有機性排水処理装置である。
図1(a),(b)には有機性排水処理装置100が示されている。有機性排水処理装置100は、攪拌機構20を備えた無酸素槽2、膜分離装置4が浸漬配置された好気槽3、好気槽3から無酸素槽2に汚泥を返送する汚泥返送路5、無酸素槽2に窒素及びリンを含む有機性排水である原水を供給する原水供給機構6、制御部8などを備えている。
原水供給機構6は、無酸素槽2の一側部に配置され、底部近傍に開口が形成された原水供給管で構成されている。汚泥返送路5は、好気槽3の下流側に備えたエアリフトポンプAPと、エアリフトポンプAPで揚水された汚泥を搬送する汚泥搬送管を備えて構成され、汚泥搬送管の開口部が無酸素槽2の水面近傍に位置するように配されている。
攪拌機構20は、平面視で無酸素槽2の中央部に配された攪拌翼と、攪拌翼を回転駆動するモータMを備えている。モータMが正転駆動されると攪拌翼により槽内の汚泥及び原水に下降流が生じ、底部に達するとその周辺から上向流に転じる循環流が生じる。
好気槽3には、複数段の膜分離装置4が浸漬配置され、各膜分離装置4に備えた分離膜を透過した処理水が、集水管及びヘッダー管を介して吸引ポンプPにより取り出される。
各膜分離装置4には複数の膜エレメント41が組み込まれている。図2に示すように、各膜エレメント41は上部に集水管41cを備えた樹脂製の膜支持体41aの表裏両面に分離膜41bが配置されている。本実施形態では、分離膜41bは、不織布の表面に多孔性を有する有機高分子膜を備えた公称孔径が0.4μm程度の精密ろ過膜で構成されている。
分離膜41bの種類及び膜エレメント41は、上述した態様に限定されるものではなく、任意の種類の分離膜及び任意の形態の膜エレメント(中空糸膜エレメント、管状膜エレメント、モノリス膜エレメント等)を用いることが可能である。
膜分離装置4の下方には散気装置が配され、散気装置から供給され、槽内を上昇する気泡による上向流により分離膜41bの表面がクリーニングされる。また、好気槽3のうち膜分離装置4が浸漬配置された領域の上流側には、補助散気装置40が設けられている。
原水供給機構6から無酸素槽2に供給された原水は、連通部21を介して活性汚泥とともに好気槽に流下する。無酸素槽2と好気槽3とを仕切る仕切壁のうち、無酸素槽2の水面近傍に形成された開口が連通部21として機能する。
好気槽3では、補助散気装置40により調整された好気条件で原水に含まれるアンモニア性窒素が亜硝化菌及び硝化菌で硝化されて硝酸性窒素となり、汚泥返送路5を介して活性汚泥とともに硝酸性窒素が無酸素槽2に送られ、無酸素槽2で脱窒菌により脱窒される。本実施形態では、無酸素槽2へ流入する原水1Qに対して、膜分離装置4から処理水1Qが取り出され、汚泥返送路5を介して流量2Qが循環されるように返送量が設定され、無酸素槽2におけるMLSS濃度が6,670[mg/リットル]、好気槽3におけるMLSS濃度が10,000[mg/リットル]に設定されている。
制御部8は、図1(c),(d)に示すように、無酸素槽2に備えた攪拌機構20の作動状態を切替えて、無酸素槽2を一時的に嫌気槽として機能させる。その後、無酸素槽2に備えた酸化還元電位を測定する電位センサの出力、好気槽3に備えたMLSS濃度センサの出力、またはT-N濃度センサで検出される処理水のT-N濃度の何れかに基づいて、嫌気槽として機能させた状態から通常状態に復帰するように、攪拌機構20の作動状態を元に戻すように制御する。
無酸素槽2に備えた攪拌機構20が作動することにより、汚泥返送路5から返送された硝酸性窒素が活性汚泥中の脱窒菌と接触して脱窒処理される通常状態の処理過程で、原水に含まれる易分解有機物が脱窒菌により消費される。
そして、攪拌機構20の作動状態を切り替え、例えば攪拌機構を停止させると、汚泥返送路5から返送された汚泥に含まれる硝酸性窒素が槽内に自然沈降する過程で脱窒菌と接触して脱窒処理され、やがて活性汚泥は硝酸性窒素が存在しない嫌気度の高い状態となる。嫌気度が高くなると、原水に含まれる酢酸や酪酸などの易分解性有機物がポリリン酸蓄積菌によって取り込まれてリンがポリリン酸として放出される。
このようにして原水に含まれる易分解有機物がポリリン酸蓄積菌によって消費された汚泥が好気槽に供給されるようになるので、DO濃度の値が高い好気槽3であっても放線菌の発生が抑制されるようになる。このとき、同時にポリリン酸蓄積菌によって過剰摂取によるリン除去効果も得られるようになる。
詳述すると、原水供給機構6が無酸素槽2の底部近傍に原水を供給するように構成されるとともに、汚泥返送路5が好気槽3から返送する汚泥を無酸素槽2の水面近傍に返送するように構成されているので、無酸素槽2を一時的に嫌気槽として機能させた状態、つまり攪拌機構20を停止した状態で、原水供給機構6により無酸素槽2の底部近傍に供給される原水が槽内を上昇し、汚泥返送路5から無酸素槽の2の水面近傍に返送される汚泥が槽内を沈降する過程で、時間を掛けて緩やかに混ざり合う。無酸素槽2の底部へと汚泥が沈降する過程において、汚泥の周辺部の被処理水には硝酸性窒素が存在しなくなるため、汚泥の嫌気度が上昇し、無酸素槽の下部から供給される原水中に含まれる有機酸をポリリン酸蓄積菌が取り込むことで、易分解性有機物が消費される。
連通部21が無酸素槽2の水面近傍に設けられているので、無酸素槽2の底部近傍に供給される原水がショートパスして好気槽3に流入することが回避される。また、無酸素槽2に返送された汚泥が沈降して上澄みのみが連通部21を介して好気槽3に流入することにより、無酸素槽2のMLSS濃度の上昇、ひいては嫌気度の向上に寄与できるようになる。
無酸素槽2を一時的に嫌気槽として機能させた状態で、無酸素槽2に備えた酸化還元電位センサにより検出される電位が、脱窒反応が行なわれる範囲から逸脱するようになり、T-N濃度センサにより検出される処理水のT-N濃度の上昇を検知し、または、好気槽3に備えたMLSSセンサにより検出されるMLSSの値が上昇すると、一時的に嫌気槽として機能させた状態から攪拌機構20を作動させて脱窒処理を促進させるように切替えることで、処理水に含まれるT-N濃度の上昇を回避することができる。
酸化還元電位センサを用いる場合には、無酸素槽2を嫌気槽として機能させたときに、無酸素槽2に形成される無酸素領域と嫌気領域の境界深さに設置されていることが好ましい。例えば、無酸素槽2の水面が底部から5m程度に設定される場合には、底部から2~3m程度の位置に設置することが好ましい。
無酸素領域と嫌気領域の境界における酸化還元電位を検出することにより、酸化還元電位が極端に上昇をし始めた場合は、汚水の供給による水塊の上昇速度が活性汚泥の沈降速度を完全に上回った状態になっていることが疑われる。そのような場合に、通常運転に戻して汚水と活性汚泥を混合させることにより、窒素除去性能を確保し、処理水のT-N濃度が悪化する前に対処することができるようになる。
無酸素槽2を一時的に嫌気槽として機能させた後に通常状態に復帰させる周期は、一定である必要はなく、上述したように、流入負荷条件や、処理水質の状況、放線菌の発生状況等を加味して設定すればよい。酸化還元電位、T-N濃度、MLSSの何れかを指標とすればよく、それらを組み合わせて指標としてもよい。
以下に、有機性排水処理装置100の別実施形態を説明する。
図3(a)から(d)に示すように、原水供給機構6を、無酸素槽2の底部に向けて均等に原水を供給する複数本の原水供給管で構成するとともに、汚泥返送路5からの返送汚泥が無酸素槽2の上流から下流の間に均等に返送されるように、汚泥返送間に分岐管を形成してもよい。原水供給機構6として、軸心方向に沿って管壁に複数の開口を形成した原水供給管を、無酸素槽2の底部に横設してもよい。
無酸素槽2を嫌気槽として機能させたときに、返送汚泥の沈降と原水の上昇による槽内の全域で緩やかに混ざり合うようになり、効率的に嫌気性状態を作り出すことができ、易分解性有機物が消費されるようになる。
図4(a)から(d)に示すように、制御部8が、無酸素槽2に備えた攪拌機構20の作動状態を切替えて、一時的に嫌気槽として機能させる際に、モータMを正転時よりも低速で逆転させるように構成してもよい。通常、攪拌翼は正転駆動させるときに、大きな下降流を発生させるように翼形状が設定されている。そのような攪拌翼を逆転駆動する場合には、然程の大きな上昇流は生じることが無く、回転軸心の周りに緩やかな上向流が生じるに止まり、上層域で緩やかな循環流が生じる。その結果、槽内の上層域で均等に返送汚泥と原水が緩やかに混ざり合うようになり、効率的に嫌気性状態を作り出すことができ、易分解性有機物が消費されるようになる。
上述した実施形態では、無酸素槽2と好気槽3とを仕切る仕切壁のうち、無酸素槽2の水面近傍に形成された開口を連通部21として機能させる例を示したが、無酸素槽2と好気槽3とを仕切る仕切壁に越流堰を設けてもよい。この場合、無酸素槽2に滞留する汚泥量は増加することになるが、汚泥循環のための動力も増加することになる。
図5(a),(b)に示すように、処理槽を上下に仕切る仕切板9を設けて下層を無酸素槽2とし、上層を好気槽3とすることにより、設置面積をさらに小さくすることができる。仕切板9の一端に開孔を形成して連通部21を構成し、仕切り板の他端に汚泥返送路5として機能するエアリフトポンプを備えればよい。攪拌機構20として、水中ミキサーを用いることで、脱窒反応を促進することができ、発生した窒素ガスは汚泥返送路5及び好気槽3を介して大気開放される。
無酸素槽2に供給される原水として、一般的な水質の初沈越流水を原水とする施設で設計した循環式のMBRの場合、無酸素槽の水面積負荷は、日最大汚水量に対して50m/d程度である。このため、流入水量が少ない時間帯には汚泥の沈降速度と汚水の上昇速度が拮抗しあう状況が発生することは、十分に期待できる。このとき、無酸素槽2の容量はHRTで2~3hであればよい。
上述した実施形態は、何れも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることは言うまでもない。また、上述した複数の実施形態の何れかまたは複数を適宜組み合わせてもよい。
2:無酸素槽
3:好気槽
4:膜分離装置
5:汚泥返送路
6:原水供給機構
8:制御部
9:仕切板
20:攪拌機構
21:連通部
100:有機性排水処理装置

Claims (7)

  1. 窒素を含む有機性排水を活性汚泥中で生物処理する有機性排水処理方法であって、
    供給された原水と活性汚泥を攪拌する攪拌機構が設置された無酸素槽と、膜分離装置が活性汚泥中に浸漬配置された好気槽と、前記好気槽から前記無酸素槽へ活性汚泥を返送する汚泥返送路と、を備えた有機性排水処理装置に対して、
    前記攪拌機構の作動状態を切替えることにより、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる有機性排水処理方法。
  2. 酸化還元電位、T-N濃度またはMLSSの何れかを指標にして、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる周期を調整する請求項1記載の有機性排水処理方法。
  3. 窒素を含む有機性排水を活性汚泥中で生物処理する有機性排水処理装置であって、
    原水と活性汚泥を攪拌する攪拌機構が設置された無酸素槽と、
    膜分離装置が活性汚泥中に浸漬配置された好気槽と、
    前記好気槽から前記無酸素槽へ活性汚泥を返送する汚泥返送路と、
    前記攪拌機構の作動状態を切替えることにより、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる制御部と、
    を備えている有機性排水処理装置。
  4. 前記無酸素槽に原水を供給する原水供給機構は、前記無酸素槽の底部近傍に原水を供給するように構成されるとともに、
    前記汚泥返送路は、前記好気槽から返送する汚泥を前記無酸素槽の水面近傍に返送するように構成されている請求項3記載の有機性排水処理装置。
  5. 前記無酸素槽から前記好気槽へ活性汚泥が流下させる連通部は、前記無酸素槽の水面近傍に設けられている請求項4記載の有機性排水処理装置。
  6. 前記制御部は、酸化還元電位、T-N濃度またはMLSSの何れかを指標にして、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる周期を調整するように構成されている請求項5記載の有機性排水処理装置。
  7. 前記酸化還元電位を計測する電位センサは、前記無酸素槽を前記嫌気槽として機能させたときに、前記無酸素槽に形成される無酸素領域と嫌気領域の境界に設置されている請求項6記載の有機性排水処理装置。
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