JP7782906B2 - リガーゼ支援核酸環状化および増幅 - Google Patents
リガーゼ支援核酸環状化および増幅Info
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Description
させることができる。しかし、標的DNAの事前の配列情報が、鋳型依存性環状化を実施するために必要とされる。ssDNAの鋳型非依存性分子内ライゲーションも文書化されている。例えば、TS2126 RNAリガーゼ(THERMOPHAGE(商標)RNAリガーゼ IIまたはTHERMOPHAGE(商標)ssDNAリガーゼ(Prokaria、Matis、アイスランド)あるいはCIRCLIGASE(商標)ssDNAリガーゼ(Epicenter Biotechnologies、米国ウィスコンシン州の登録商標で市販されている))は、デジタルDNAボールを作製するために、かつ/またはDNA、例えばゲノムDNAなどの遺伝子座特異的切断および増幅のために使用されている。CIRCLIGASE I(商標)は、CIRCLIGASE II(商標)がTS2126 RNAリガーゼの実質的にアデニル化された形態を含む、低い程度(約30%)のアデニル化を有する。mRNAの5’末端断片から調製した線状一本鎖相補的DNA(cDNA)分子も、TS2126 RNAリガーゼを用いる環状化の後、ローリングサークル複製によって増幅された。センスRNAポリメラーゼプロモーター配列をcDNAに適切に組み込むことにより、環状化されたcDNA鋳型は、転写基材として働き、したがって生体試料中のmRNA分子の増幅に影響を及ぼすことが示されている。さらに、TS2126 RNAリガーゼは、cDNA末端のランダム増幅(RACE)のためにcDNA末端を増幅するために使用されている。限られた量の断片化されたDNAから、ローリングサークル増幅のためのDNA鋳型も、TS2126 RNAリガーゼを用いることによって生成されている。この方法は、線状の断片化されたdsDNAを変性させて線状ssDNA断片を得、線状ssDNAとCIRCLIGASE(商標)ssDNAリガーゼを連結して一本鎖DNA環を得、その後RCAによってランダムプライマーおよびPhi29DNAポリメラーゼを用いて一本鎖DNA環を増幅することを伴った。しかし、反応条件を最適化した後でさえ、生成された一本鎖環状DNAの量は、変動が大きく、配列依存性であった。例えば、5’Gおよび3’Tヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドは、同一のライゲーション条件下で5’Aおよび3’Cを含むその相補オリゴヌクレオチドよりも著しく良好に連結された。さらに、分子内ライゲーション効率は、同一かまたは非常に似たサイズを有するがヌクレオチド配列がわずかに異なる線状ssDNA配列の間で変動した。この効率は異なるサイズ(例えば、サイズが100塩基から数キロベースに及ぶ配列長)の線状ssDNA配列間でも変動した。さらに、ライゲーション-増幅反応の全ての試みは中間の単離、精製および/またはクリーニング工程を必然的に含み、したがってライゲーション-増幅ワークフローを扱いにくいものにした。例えば、環状化とそれに続くローリングサークル増幅による、断片化されたDNAからなる法医学試料の分析は、5’DNAリン酸化、アダプターライゲーション、DNA環状化、および全ゲノム増幅を含む多数の工程で実行された。各々の工程反応は、次の工程を実施する前に反応クリーンアップに付した。さらに、多段階プロセスは多くの場合、鋳型DNAを失い、分析の失敗という結果をもたらした。ライゲーションおよび増幅を単一の反応器で実施した場合に、増幅の利点は観察されなかった;むしろ繰り越したライゲーション反応の成分はしばしばその後の増幅反応に対して抑制性であることが見出された。そのため、特に代表的で平均のとれた全ゲノム情報が望ましい場合に、介在するクリーニング工程がなく、単一の反応器で短いDNA配列を非特異的に増幅するための効率的な方法が非常に望ましい。さらに、ライゲーション-増幅の各々において反応物質に起因する抑制を克服する、単一の反応器でローリングサークル増幅によって線状の核酸配列を増幅するための方法は非常に望ましい。
文字呼称の前の星(*)記号は、その文字で指定されるヌクレオチドがホスホロチオエート修飾ヌクレオチドであることを示す。例えば、*Nは、ホスホロチオエート修飾ランダムヌクレオチドを表す。文字呼称の前のプラス(+)記号は、その文字で指定されるヌクレオチドがLNAヌクレオチドであることを示す。例えば、+Aは、アデノシンLNAヌクレオチドを表し、+Nは、ロックドランダムヌクレオチド(すなわちランダムLNAヌクレオチド)を表す。文字呼称「(at N)」は、ヌクレオベース2-アミノ dA、2-チオ-dT、GまたはCを含有するランダムヌクレオチドを表す。
、T/U、C、G、またはそれらの類似体のいずれかであってよい)一方で、一部のその他のヌクレオチドの完全なランダム化を制限する(すなわち、特定の位置でのヌクレオチドのランダム化は、可能性のある組合せA、T/U、C、G、またはそれらの類似体よりも程度が低い)ことによって生成されたプライマー配列の混合物をさす。例えば、WNNNNNで表される部分拘束DNA六量体プライマーは、混合物中の全ての配列の5’末端ヌクレオチドがAまたはTであるプライマー配列の混合物を表す。ここで、5’末端ヌクレオチドは、完全ランダムDNAプライマー(NNNNNN)の最大4の可能性のある組合せ(A、T、GまたはC)とは対照的に、2つの可能性のある組合せ(AまたはT)に拘束される。部分拘束プライマーの適したプライマー長は、約3ヌクレオチド長から約15ヌクレオチド長の範囲内であってよい。
、二重プライミングRCAにおいて、一方のプライマーは、線状RCAでのように、環状の核酸鋳型に対して相補的であってよいが、もう一方はRCA産物の縦列反復単位核酸配列と相補的であってよい。その結果として、二重プライミングRCAは、両方のプライマーの関与する多重ハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および鎖置換事象の分枝カスケードを特徴とする指数関数的(幾何学的)増幅速度をもつ連鎖反応として進行することができる。これは、多くの場合、別のコンカテマー二本鎖核酸増幅産物のセットを生成する。ローリングサークル増幅は、Phi29DNAポリメラーゼなどの適した核酸ポリメラーゼを用いて等温条件下、インビトロで実施されてよい。
定性は、そのTmで測定され得る。プライマーの長さおよび配列は、成功する増幅のパラメータを設計する際の重要な決定要因である。プライマー鋳型の核酸二重鎖の融解温度は、プライマー長とともに、かつGC含量の増加とともに上昇する。一価および二価の塩濃度(例えば、K+、Mg2+、K+)、温度ならびに化学変性剤の存在は、プライマー鋳型の核酸二重鎖のTmに影響を及ぼし得、プライマー鋳型の核酸二重鎖の安定性を変えるために使用することができる。例えば、DNA二重鎖の安定性は、通常、より高い塩濃度とともに増加するが、上昇した温度の関数として、または変性剤の存在下で低下する。例えば、Na+イオンはホスホジエステル骨格の負電荷を遮蔽することができ、それによりDNA鎖の静電反発力を減少させるので、高濃度の塩(例えばNaClなど)は、プライマー-標的DNA二重鎖のTmを上昇させる。一方、より高い温度(使用する緩衝条件下のプライマー-標的DNAハイブリッドのTmに近いかまたはそれを上回る)は、二重鎖安定性およびDNAハイブリダイゼーション効率を低下させる。任意の定義された配列のTmは、二重鎖長、GC含量、塩濃度、変性剤濃度、およびpHを含む緩衝液組成の複合作用に依存する。その上、ハイブリダイゼーションはDNA増幅反応中に必要とされるので、酵素活性とのバッファー適合性も主要な関心事である。最適な酵素活性のためには、プライマー鋳型ハイブリダイゼーションの条件は、達成されなければならないだけでなく、酵素安定性および酵素活性のための条件でもなければならない。一部の例では、最適な酵素活性は、プライマー-標的ハイブリダイゼーションが最適でない条件下で生じることがあり、Tmをもたらすプライマー条件に修正を含めることによって、使用する条件下で二重鎖のTmを修正することによってプライマー-標的ハイブリダイゼーションを改善することができる。
および、ライゲーション可能なDNA配列のリガーゼによる分子内ライゲーションを実施して、一本鎖DNA環を生成する工程を含む。末端修復には、ライゲーション可能なDNA配列を生成するための、5’末端ヌクレオチドのリン酸化、3’末端ヌクレオチドの脱リン酸化または両方が含まれてよい。末端修復したライゲーション可能なDNAは、二本鎖形態である場合、分子内ライゲーション反応の前に変性させる必要がある。一部の実施形態では、DNAをPNK反応の前に変性させる。一本鎖DNAのリン酸化または脱リン酸化は、通常、二本鎖平滑末端または5’陥凹末端のリン酸化または脱リン酸化よりも効率的である。リン酸供与体および反応混合物中のその濃度は、それがその後の分子内ライゲーション反応を阻害しないように選択される。例えば、アデノシン三リン酸(ATP)またはデオキシアデノシン三リン酸(dATP)以外のいずれの適したリン酸供与体も、PNKを用いる末端修復反応に使用されてよい。適したリン酸供与体としては、限定されるものではないが、グアノシン三リン酸(GTP)、シチジン三リン酸(CTP)、ウリジン三リン酸(UTP)またはデオキシチミン三リン酸(dTTP)が挙げられる。一部の実施形態では、プレ-アデニル化リガーゼは、ライゲーション反応に使用される。鋳型非依存性一本鎖DNA配列の可能ないずれのプレ-アデニル化リガーゼも用いることができる。一部の実施形態では、TS2126 RNAリガーゼの実質的にアデニル化された形態が鋳型非依存性分子内ライゲーション反応に使用される。キナーゼ反応およびライゲーション反応は、ATPおよび/またはdATPの不在下で実施される。この方法の全ての工程は、単離もしくは精製工程を介在させずに、単一の反応器で実施される。この方法の個々の工程は、中間の精製もしくは単離工程を含まずに同時にまたは順次に実施することができる。例えば、PNKは、線状標的DNAの末端修復を促進するために、GTPとともに、線状標的DNAを含む核酸溶液を含有する反応器(例えば、エッペンドルフチューブ)に添加されてよい。5’リン酸化および3’ホスファターゼ活性を有するいずれのPNK(例えば、T4 PNK)も、末端修復反応に使用することができる。その各々が5’リン酸化または3’ホスファターゼを有するPNKの組合せを末端修復反応に使用してもよい。ひとたびキナーゼ反応が完了すれば、プレ-アデニル化リガーゼを同じ反応器に添加して、分子内ライゲーション反応を促進することができる。
を向上させる方法が提供される。pH8.0のHEPES緩衝液のライゲーション反応への使用は、ライゲーション効率を向上させた。鋳型非依存性ssDNAライゲーションは、反応をTRIS緩衝液(例えば、CIRCLIGASE II(商標)について、EpiCenterにより提案される10x反応緩衝液は、0.33M TRIS酢酸(pH7.5)、0.66M酢酸カリウム、および5mM DTTを含む)で実施した場合に非効率的であった。さらに、ライゲーション反応の必須補因子であるマンガンは、アルカリ条件下で急速に酸化され、TRISの存在下で沈殿を生じる。Mn2+のMn3+への空気酸化は、Mn3+イオンを強く錯化することのできる陰イオンによって促進することができる。例えば、HClでpHを適切に調節した等量の0.2モル/リットルTRISおよび2ミリモル/リットルのMnCl2を混合した場合、色の変化は、pH9.3(TRIS塩基だけのpH)では即座であり;pH8.5では約3分の初期のタイムラグがあり;8.3よりも低いpH値では1時間以内に検出できなかった。低いpHでは反応が起こらなかったが、高いpHで観察された変化は、酸を添加することによって逆転しなかった。TRIS緩衝液中のマンガンの急速な酸化のために、分子内ライゲーションをTRIS緩衝液中で実施する場合には、より高い濃度のマンガンがライゲーション反応に必須である(例えば、2.5mMの終濃度へのMnCl2の添加)。さらに、マンガン濃度は時間とともに低下し続けるので、反応物中のマンガンの働く濃度を正確に予測することは困難となる。ライゲーションおよび増幅が単一の反応器で実施される場合に、マンガンの濃度が高いほど、増幅中のポリメラーゼのエラーレートは高くなり得る。ライゲーション反応でTRIS緩衝液をHEPES緩衝液で置き換えることにより、効果的な分子内ライゲーションを、0.5mM未満のマンガンイオン濃度によって実現することができる。HEPESの他には、その他のGoodの緩衝液のいずれか(例えば、Good,Norman et al.Biochemistry,5(2):467-477,1966;およびGood,Norman et al.,Methods Enzymol.,24:53-68,1972参照)を分子内ライゲーション反応に用いることができる。一実施形態では、分子内ライゲーション反応は、約2.5mM MnCl2、約66mM KOAc、約0.5mM DTT、約0.003%(wt/wt)Tween-20および約0.5Mベタインを含有する35mM HEPES緩衝液(pH=8.0)中で実施される。
ている核酸を除去するためにdNTPの不在下で二価陽イオンとともにそれをインキュベートすることによって実施されてよい。リガーゼは、TS2126 RNAリガーゼ、T4 RNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、大腸菌DNAリガーゼまたはこれらの組合せであってよい。プレ-アデニル化TS2126 RNAリガーゼは、例示的な実施形態の一本鎖DNA配列の鋳型非依存性分子内ライゲーションに用いられる。過剰な塩、ライゲーション試薬および/またはその他の副生成物の存在は、標準的なランダムプライマー混合物がRCA反応に使用される場合に、生成された一本鎖DNA環のローリングサークル増幅を阻害し得る。単一の反応器でのライゲーション支援全ゲノム増幅法で使用されるランダムプライマー混合物は、少なくとも1つのヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチド配列を含む。ランダムプライマー混合物中のヌクレオチド類似体は、それがプライマーの融解温度(Tm)を上昇させ、プライマー-二量体形成を防ぎ、かつ/またはプライマーをヌクレアーゼに耐性にするように選択される。例えば、一部の実施形態では、この方法は、修飾ヌクレオベース(例えば、2-アミノ-dA)および、単一の反応器内でのリガーゼ支援全ゲノム増幅に使用されるランダムプライマー混合物の融解温度を上昇させるLNAを含むヌクレオチド類似体を組み込む。各々の2-アミノ-dA塩基をランダム六量体プライマー混合物に含めることにより、Tmは約3℃まで上昇し、各々のLNAヌクレオチドを含めることにより、Tmは2~8℃上昇する。修飾されたランダムプライマー混合物は、ヌクレオベース、2-チオ-デオキシチミジン(2-チオ-dT)を含むヌクレオチド類似体をさらに含んでよく、2-アミノ-dAおよび2-チオ-dTを含むヌクレオチド類似体の組み込みは、プライマー-二量体形成を防ぐ。さらに、2-アミノ-dAおよび2-チオ-dTを含むヌクレオチド類似体を含めると、2-アミノ-dAは、未修飾のデオキシチミジン(dT)と3つの水素結合を形成し、2-チオ-dTは、その未修飾のパートナー(すなわちデオキシアデノシン(dA))と通常の安定した対合を形成するので、プライマーの標的核酸とハイブリダイズする能力が改善される。修飾されたヌクレオチド類似体塩基およびLNAヌクレオチドのランダムプライマー混合物中での使用は、よりストリンジェントなハイブリダイゼーション緩衝液の使用を可能にし、それにより不必要な核酸二重鎖の形成を大幅に減少させ、不必要な非標的核酸増幅の発生を低下させる。さらに、プライマーが修飾されたランダムプライマーである場合には、高い塩濃度も核酸増幅反応に用いられてよい。ランダムプライマー混合物は、標的線状染色体DNAと比較した場合、一般に過剰に使用される。ランダムプライマー混合物は、混入している核酸を除去するためにDNアーゼなどのヌクレアーゼで前処理されてよい。一部の実施形態では、線状染色体DNAは、ライゲーションおよび増幅反応の前にDNA修復酵素で処理される。一部の実施形態では、線状染色体DNAは、増幅反応の前にDNA修復酵素で処理される。一部の実施形態では、DNA修復酵素による処理は、ライゲーション反応後であるが増幅反応の前に実施される。処理は、ライゲーション混合物をウラシルDNAグリコシラーゼ、ホルムアミドピリミジンDNAグリコシラーゼ、またはその混合物とともにインキュベートすることによって実施されてよい。TS2126 RNAリガーゼによるライゲーションに使用される条件などの高い温度でのインキュベーション時間の増加は、自発的なDNA塩基の変化(例えば、C-TおよびG-A変異をもたらすDNA塩基転位)という、より大きなインシデントの危険にさらす。特に、一本鎖DNAは、二本鎖DNAよりも140倍速い自発的脱アミノ反応速度を示す。例えば、TS2126 RNAリガーゼに媒介されるサークル・シークエンシングにより、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)および/またはホルムアミドピリミジンDNAグリコシラーゼ(Fpg)などのDNA修飾酵素による処理が、C-TおよびG-A変異を効果的に抑制したことが示された。一部の実施形態では、この方法の個々の工程は、中間の精製または単離工程を含まずに順次に実施される。この方法の工程は、通常、HEPES緩衝液中、アデノシン三リン酸またはデオキシアデノシン三リン酸の不在下で実施される。一実施形態では、増幅反応は、約38mM HEPES(pH8.0)、約18mM MgCl2、約1mM TCEP、約2.5mM KOAc、約2.5% PEG-8000、約0.007% Tween-20および約40uMの、少なくとも1つのヌ
クレオチド類似体を有するオリゴヌクレオチド配列を含むランダムプライマー混合物を含む緩衝液中で実施される。一部の実施形態では、この方法の全ての工程は、中間の精製または単離工程を含まずに同時に実施される。単一の反応器でライゲーション支援全ゲノム増幅を実施する間、過剰なライゲーション試薬、過剰なDNA、過剰な塩および/またはその他のライゲーション反応からの不純物(例えば、望まれないライゲーション産物)が、ライゲーション反応の後に反応器に存在することがあり、増幅反応は、これらの試薬、塩、DNAおよび/またはその他の不純物のいずれかを除去せずに同じ反応器で実施される。さらなる実施形態では、線状染色体DNAは断片化されていて、ライゲーション工程の前にライゲーション可能なDNAを生成するためにポリヌクレオチドキナーゼで処理されてよい。PNK反応は、アデノシン三リン酸またはデオキシアデノシン三リン酸以外のリン酸供与体の存在下で実施されるので、PNK反応、分子内ライゲーションおよびRCA増幅をはじめとする全ての工程は、単離もしくは精製工程を介在させずに、単一の反応器で実施することができる。
素結合を形成するので、これらの修飾された塩基対は非常に弱く、対応する二重鎖は不安定である。しかし、2-アミノ-dAと2-チオ-dTの両方は、T塩基およびA塩基とそれぞれ効果的に結合する。一般に、20-merのDNA標的に対してアニールされた20-merのSBCは、対応するDNA-DNAハイブリッドよりも10℃高いTm値を示すが、SBC-SBCハイブリッドは、3℃低いTm値を示す。ATランダムプライマー混合物中のオリゴヌクレオチドは、2-アミノ-dAおよび2-チオ-dTに加えて、ホスホロチオエート修飾ヌクレオチドまたはLNAヌクレオチドも含んでよく、それはプライマー-標的二重鎖の融解温度(Tm)をさらに改善し、プライマー-二量体構造の形成を防ぎ、かつ/またはランダムプライマー混合物をエキソヌクレアーゼに耐性にすることができる。
製されたゲノムDNAライブラリーの誤りのないシークエンシングのための簡便なプロトコールを許容する。ゲノムDNAライブラリーは、標的ゲノムDNAのハイブリダイゼーションに基づく捕捉にも使用することができる。ハイブリダイゼーションに基づく捕捉は、溶液で、または表面で(例えば、マイクロアレイに基づく捕捉)実施されてよい。溶液に基づく標的捕捉は、一般に、特に多数の試料が含まれる場合に、よりスケーラブルであり、経済的である。さらに、標的DNAの溶液に基づく捕捉は、カバレッジの均一性の向上をもたらす。捕捉された標的DNAは、標的化再シークエンシングによってさらに配列決定されてよい。標的DNA配列は、エクソーム解析を可能にするためにゲノムDNAのエクソーム領域であるように選択されてよい。
Aによって環状化され、その後にPhi29DNAポリメラーゼを用いるRCAによって環状化されたDNA分子が増幅される場合、循環DNAは高分子量ゲノムDNAよりも優先的に増幅された。そのような、断片化されたDNAのゲノムDNAへの優先増幅は、診断上関連するDNAを下流の分析のために優先的に増幅することができるので、診断用途に特に適している(実施例4参照)。さらに、リガーゼ支援全ゲノム増幅は、従来のMDAに基づく全ゲノム増幅と比較した場合に、断片化されたDNAのより強い増幅を許容する。
実施される場合、修復されたdsDNAをその後変性させて線状ssDNAとしてよく、それはその後にCIRCLIGASE II(商標)(CLIIと略される)を用いて環状化させることができる。CIRCLIGASE II(商標)は、実質的にアデニル化形態のTS2126 RNAリガーゼを含む。CIRCLIGASE II(商標)によるssDNAの鋳型非依存性分子内ライゲーションは、より高い濃度のATPまたはdATPによって阻害される。しかし、キナーゼによるリン酸化修復は、多くの場合ATPの存在を必要とする。さらに、DNAに損傷を与えずに反応混合物からATPを除去することは容易でないことがある。例えば、ATPを除去するための反応混合物のホスファターゼ処理も、結果として(DNAが、例えば、プレ-アデニル化によって保護されていない限り)DNAの脱リン酸化をもたらし、したがってDNA鎖をライゲーション不可能にする。結果として、精製もしくは単離工程が介在することなく、単一管において、断片化されたDNAのリン酸化修復およびssDNA環の生成を実施することは、困難な場合が多い。本明細書において提供される方法は、キナーゼ反応中にATPの代わりにGTP、CTP、UTPまたはdTTPを用いる。CIRCLIGASE II(商標)はGTPまたは代替リン酸供与体(例えば、CTPまたはUTP)に対する寛容性が高いので、キナーゼ修復工程およびライゲーション工程は、精製および/または単離工程を介在させずに、単一の反応器で実行することができる。キナーゼ反応混合物は、マンガン塩およびベタイン(両性イオントリメチルグリシン)などの追加の試薬をさらに含んでよい。連結させると、ssDNA環を増幅させることができる。ライゲーションおよび増幅反応を比較的低濃度のGTPで実行することにより、本明細書に記載される単一管ワークフローは、酵素処理間の間欠性のクリーンアップ工程を回避し、DNA鋳型の喪失を最小限に抑える(キナーゼ修復、ライゲーションおよび増幅を伴う単一管ワークフローの模式図について図9を参照)。
なライゲーション活性を有する。モチーフI(K97A)において触媒リジンに対するアラニン置換を有するMth RNAリガーゼ変異体を用いてもよい。K97A変異体の活性は、供与体基質としてプレ-アデニル化RNAかまたは一本鎖DNA(ssDNA)のいずれかと類似しているが、同一配列をもつssDNAと比較して受容体基質としてRNAに対して2倍優先される。TS2126 RNAリガーゼなどのATP依存性リガーゼが5’アデニル化DNA配列の分子内ライゲーション反応に用いられる場合、反応中のATPは、ライゲーション反応の前に除去されているべきであり得る。
)、および、提供される方法による一本鎖DNA環の生成に用いられるその他の試薬(例えば、MnCl2、ベタイン)をさらに含んでよい。一部の実施形態では、キットには、Phi29DNAポリメラーゼおよびランダム/部分拘束プライマーが含まれてよい。もう一つの実施形態では、キットは、一緒にパッケージングされた、アデニル化酵素、ホスファターゼおよび非アデニル化リガーゼを含む。キットは、ポリヌクレオチドキナーゼおよび/またはリン酸供与体をさらに含んでよい。アデニル化酵素は、メタノバクテリウム・テルモオートトロフィカムに由来するRNAリガーゼI(Mth RNAリガーゼ)であってよい。非アデニル化リガーゼは、リガーゼの60%超がその非アデニル化形態である、TS2126リガーゼの組成物であってよい。キットには、線状DNAからの一本鎖DNA環の生成の説明書がさらに含まれてよい。
実施例1:血漿由来の循環核酸の全ゲノム増幅:
Wako DNA抽出器SPキット(和光純薬株式会社)を用いて、明らかに健康な個体の、クエン酸塩-リン酸塩-デキストロース(CPD)で安定化させた血漿から循環DNAを単離した。約1.3ngを、TBE緩衝液を用いる2%アガロースゲルによる電気泳動により分析し、SYBR Goldで染色し、Typhoonイメージャで可視化した。図2に示されるように、循環DNAの大部分は約180bpの長さであった。さらなるそれよりも少ない量の配列は約370bpの長さであり、さらにそれよりもかなり少ない量のそれよりも高分子量の配列があった。
ゼ(図3C)を含むリガーゼも効果的であったが、断片化された血漿DNAの増幅速度を回復させるには効率が低かった。これらの実施例では、増幅速度の相対的な増加は、一本鎖DNA鋳型の分子内ライゲーションを促進する際のリガーゼの各々の有効性を示す。
RCLIGASE(商標)処理は、高分子量ゲノムDNAの増幅率に抑制効果(血漿DNAへのプラスの効果とは異なる)を生じた。抑制は、CIRCLIGASE I(商標)およびCIRCLIGASE II(商標)の両方について明白であった。
Wako DNA抽出器SPキット(和光純薬株式会社)を用いて、明らかに健康な個体から血漿DNAを単離した。1ngの精製された血漿DNAを95℃で加熱して鋳型を変性させた。次に、変性した一本鎖DNA鋳型をRNAリガーゼ(CIRCLIGASE II(商標)、Epicenter)で処理して一本鎖DNA環を生成した。ライゲーション反応のために、50mM HEPES、pH8.0、66mM KOAc、0.5mM DTT、1Mベタイン、および30U CIRCLIGASE II(商標)(Epicentre)を含有するライゲーション反応混合物(6μL)とともに血漿DNAを60℃で2時間インキュベートした。その後に反応混合物を80℃で10分間インキュベートすることによってリガーゼを熱失活させた。次に、一本鎖DNA環を、phi29 DNAポリメラーゼを用いるランダムプライムドローリングサークル全ゲノム増幅を用いる全ゲノム増幅に供した。一本鎖DNA環は、DNAの精製を介在させずに、ライゲー
ション反応混合物を以下の条件:20mM MgCl2、1mM TCEP、0.01% Tween-20、2.5% PEG-8000、40μM ATランダム六量体プライマー混合物、20ng/μL Phi29ポリメラーゼおよび50mM HEPES(pH8.0)に調節して最終容積を20μLとすることによって、同じ反応器で増幅された。増幅反応混合物を30℃で10時間インキュベートし、その後に65℃で20分間ポリメラーゼを熱失活させた。リアルタイム増幅は、少量のSYBRグリーンIを増幅混合物に添加し、Tecanプレートリーダー(Tecan SNiPer,Amersham-Pharmacia Biotech)で蛍光シグナル増加を経時的にモニターすることによって実施した。増幅は、「at N」が2-アミノ dA、2-チオ-dT、正常なGおよび正常なCを含有するランダム混合物を表す、配列+N+N(at N)(at N)(at N)*N(ATランダム六量体)を有するランダムプライマー混合物を用いて実施した。
g/mLプロテイナーゼK消化液の残りを管に添加し、50℃で2時間またはそれ以上、スラリーが透明になるまでインキュベートした。スラリーを室温まで冷却し、2μLの粗抽出物をDNA濃度測定のために別にして取っておいた(Quant-iT(商標)DNA Assay Kit、高感受性(Invitrogen# Q-33120))。
30分間、それに続いて85℃で15分間インキュベートして酵素を失活させた。
Claims (15)
- 核酸増幅のための方法であって、前記方法が、
(a)線状染色体DNAを準備する工程;
(b)前記線状染色体DNAが二本鎖形態である場合に、前記線状染色体DNAを一本鎖DNAに変性させる工程;
(c)一本鎖DNA配列の鋳型非依存性分子内ライゲーションの可能なリガーゼとともに前記線状染色体DNAをインキュベートして、ライゲーション混合物中の一本鎖DNA環を生成する工程;
(d)ウラシルDNAグリコシラーゼ、ホルムアミドピリミジンDNAグリコシラーゼ、又はその組合せとともに前記ライゲーション混合物をインキュベートすることによって、いずれかの損傷したヌクレオベースを修飾するために前記一本鎖DNA環を処理する工程;及び
(e)ランダムプライマー混合物を使用するローリングサークル増幅によって前記一本鎖DNA環を増幅して、増幅DNA産物を形成する工程
を含み、
前記ランダムプライマー混合物が、少なくとも1つのヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチド配列を含み、
前記方法の前記工程の全てが、介在する単離又は精製工程を伴わずに、単一の反応器で実施される、
方法。 - 前記少なくとも1つのヌクレオチド類似体が、2-アミノ-デオキシアデノシン及び/又は2-チオ-デオキシチミジンを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記ランダムプライマー混合物が、選択的結合相補オリゴヌクレオチドを含み、前記選択的結合相補オリゴヌクレオチドの各メンバーが、2-アミノ-デオキシアデノシンを含む少なくとも1つのヌクレオチド又は2-チオ-デオキシチミジンを含む少なくとも1つのヌクレオチドを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記ランダムプライマー混合物が、ホスホロチオエート修飾ヌクレオチド、LNAヌクレオチド、2-アミノ-デオキシアデノシンを含むヌクレオチド、2-チオ-デオキシチミジンを含むヌクレオチド、又はその組合せを含むオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記ランダムプライマー混合物が、一般構造+N+N(at N)(at N)(at N)*Nを有するオリゴヌクレオチド配列を含む六量体であり、
Nは、A、C、G、T及びUのいずれかから選択されるヌクレオベースを含有するランダムヌクレオチドを表し;
(+N)は、ランダムロックド核酸(LNA)含有ヌクレオチドを表し;
(at N)は、2-アミノdA、2-チオ-dT、G又はCから選択されるヌクレオベースを含有するランダムヌクレオチドを表し;
*Nは、ホスホロチオエート修飾ランダムヌクレオチドを表す、
請求項1に記載の方法。 - 前記ランダムプライマー混合物の濃度が、多重ランダムプライムドローリングサークル増幅を促進するために、前記一本鎖DNA環の濃度よりも高い、請求項1に記載の方法。
- 前記線状染色体DNAが、無細胞循環DNA、ホルマリン固定パラフィン包埋試料から単離したDNA、環境条件にさらされた法医学DNA試料、非常に古いDNA試料、及びその組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記線状染色体DNAが、断片化されたDNAである、請求項1に記載の方法。
- 前記リガーゼが、TS2126 RNAリガーゼ、T4 RNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、大腸菌DNAリガーゼ、及びその組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記方法の前記工程の全てが、HEPES緩衝液中で実施される、請求項1に記載の方法。
- 前記線状染色体DNAを前記リガーゼとともにインキュベートする前に、前記線状染色体DNAを、アデノシン三リン酸又はデオキシアデノシン三リン酸以外のリン酸供与体の存在下でポリヌクレオチドキナーゼで処理して、リン酸基を5’末端に有しヒドロキシル基を3’末端に有するライゲーション可能なDNA配列を生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記増幅DNA産物を配列決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記増幅DNA産物を断片化してゲノムDNAライブラリーを作製することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記増幅が、全ゲノム増幅である、請求項1に記載の方法。
- 前記ローリングサークル増幅が、除染されたDNAポリメラーゼを用いて実施される、請求項1に記載の方法。
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