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JP7783764B2 - 硫化水素除害化装置 - Google Patents
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JP7783764B2 - 硫化水素除害化装置 - Google Patents

硫化水素除害化装置

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JP7783764B2 JP2022044312A JP2022044312A JP7783764B2 JP 7783764 B2 JP7783764 B2 JP 7783764B2 JP 2022044312 A JP2022044312 A JP 2022044312A JP 2022044312 A JP2022044312 A JP 2022044312A JP 7783764 B2 JP7783764 B2 JP 7783764B2
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Description

本発明は、硫化水素除害化装置に関する。
従来から硫化物を扱う製造工程において発生する有毒な硫化水素を除害化する技術が知られている。この種の技術を示すものとしては、例えば特許文献1がある。特許文献1では、各設備から送られてきた硫化水素ガスを中和剤によって中和して無害化する除害設備や硫化水素ガスを燃焼させて毒性を低下させて無害化するフレアー設備等が記載されている。
特開2014-152103号公報
従来の硫化水素除害化装置は、製造工程のレイアウトの自由度確保等のために硫化物を扱う製造工程エリア全体を除害化できるように配置される。しかし、硫化水素が離れた位置で発生した場合等、硫化水素との位置関係によっては除害化を効率的に行えない点で改善の余地があった。
本発明は、より効率的に硫化水素を除害化できる硫化水素除害化装置を提供することを目的とする。
(1) 空気に含まれる硫化水素を除去する硫化水素除害化装置(例えば、後述の硫化水素除害化装置1)であって、前記空気を吸入可能な吸入部(例えば、後述の吸入部20)と、前記吸入部が吸入した前記空気から硫化水素を除害する硫化水素除害部(例えば、後述の硫化水素除害部30)と、前記硫化水素除害部が除害した前記空気を外部へ排出する排出部(例えば、後述の排出部40)と、外部で発生した硫化水素の位置情報を外部から取得可能な通信部(例えば、後述の通信部60)と、電力を供給する電源(例えば、後述の電源部100)と、を有する装置本体(例えば、後述の装置本体10)と、前記装置本体に設けられ、前記装置本体を走行させることが可能な駆動輪(例えば、後述の駆動輪50a)を含む走行部(例えば、後述の走行部50)と、を備え、前記通信部が前記位置情報を取得すると、取得した前記位置情報に基づき硫化水素発生位置へ近づくように、前記走行部が前記装置本体を走行させ、前記吸入部から前記空気を吸入し、前記硫化水素除害部を経由させた前記空気を前記排出部から排出する硫化水素除害化装置。
(2)前記吸入部は、前記装置本体の下部に設けられる(1)に記載の硫化水素除害化装置。
(3)前記排出部は、前記装置本体の上面に設けられ、前記硫化水素除害部は、前記装置本体の内部に設けられる(1)又は(2)に記載の硫化水素除害化装置。
(4)前記位置情報は、外部に設置された外部硫化水素センサ(例えば、後述の外部硫化水素センサ120)で検出した情報である(1)から(3)の何れかに記載の硫化水素除害化装置。
(5)前記硫化水素除害部により除害された前記空気の硫化水素濃度を測定可能な内部硫化水素センサ(例えば、後述の硫化水素センサ81)を備え、前記排出部は、前記内部硫化水素センサが検出した硫化水素濃度に基づいて排出動作が制御される(1)から(4)の何れかに記載の硫化水素除害化装置。
(6)前記硫化水素除害部は、前記吸入部から前記排出部までの間の前記空気の流路である吸排気流路(例えば、後述の吸排気流路1a)内に設けられた、水、水分を含んだ不織布、脱硫炭素部材、又は酸化鉄を主成分とする硫化水素除去剤である脱硫コア部(例えば、後述の32d)を有し、前記排出部は、前記吸入部から吸入された前記空気を、前記脱硫コア部を介して排出する(1)から(5)の何れかに記載の硫化水素除害化装置。
(7)前記硫化水素除害部は、前記吸排気流路内で前記脱硫コア部を介して循環する水流路と、前記水流路を循環する水の量を測定する水量測定部と、前記水量測定部の測定結果に基づいて警告を発する警告部と、を有する(6)に記載の硫化水素除害化装置。
(8)前記電源は、繰り返し充放電可能な充電池(例えば、後述のバッテリ101)であり、前記装置本体は、前記充電池の容量が所定以下になると前記充電池を充電可能な充電器(例えば、後述の補給装置130)の位置に移動するように前記走行部によって走行させられる(1)から(7)の何れかに記載の硫化水素除害化装置。
(9)周囲の障害物を検知する障害物検知センサ(例えば、後述の障害物検知センサ84)を備え、前記装置本体は、前記障害物検知センサの検知結果に基づいて前記走行部による走行動作が変更される(1)から(8)の何れかに記載の硫化水素除害化装置。
(10)前記駆動輪は、タイヤ又はキャタピラである(1)から(9)の何れかに記載の硫化水素除害化装置。
本発明によれば、より効率的に硫化水素を除害化できる硫化水素除害化装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化システムの一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化装置の一例を示す概略図である。 本発明による硫化水素除害化装置の硫化水素除害部の構成を示す概略構成断面図である。 本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化処理の一例のうちの前半部分の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化処理の一例のうちの後半部分の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化処理のうちの移動制御の一例の流れを説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る硫化水素除害化装置1を含む硫化水素除害化システムSの一例について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化システムSの一例を示す概略図である。
<硫化水素除害化システムS>
硫化水素除害化システムSは、硫化水素を扱う製造工程が設けられる製造工程エリアAに適用され、製造工程エリアAで発生する硫化水素を除害化するためのシステムである。
製造工程エリアAは、図1に示すように複数の硫化水素を扱う製造設備110、111、112が配置された部屋の内部である。製造設備110、111、112は、例えば全固定電池の製造設備である。また、本実施形態に係る製造設備110、111、112は、図1に示すように製造工程エリアAの一部に偏って設けられている。しかし、本実施形態に係る硫化水素除害化システムSでは、硫化水素の発生箇所に偏りがある場合でも効率的に硫化水素を除害化できる。なお、製造設備の配置は、これに限らず、偏らずに製造工程エリアA内で均等に配置されても良い。
硫化水素除害化システムSは、製造工程エリアAにおいて配置された、硫化水素除害化装置1と、複数の外部硫化水素センサ120と、充電器としての補給装置130と、を含む。
外部硫化水素センサ120は、硫化水素を検知可能なセンサである。また、外部硫化水素センサ120は、外部に硫化水素の検知情報を送信可能な不図示の通信部を有する。硫化水素の検知情報は、硫化水素の濃度と外部硫化水素センサ120自体の識別情報とを含み、硫化水素の発生の有無と硫化水素の検知を行った外部硫化水素センサ120の特定ができるような情報である。
複数の外部硫化水素センサ120は、図1に示すように製造設備110、111、112を囲むように所定の間隔をあけて配置される。なお、外部硫化水素センサ120の配置は、これに限らない。また、外部硫化水素センサ120それぞれが通信部を有しなくても良く、例えば複数の外部硫化水素センサ120のうち一つの外部硫化水素センサ120が通信部を有し、当該通信部を他の外部硫化水素センサ120に共有させても良い。また、外部硫化水素センサ120は、外部に設けた通信可能な装置を介して後述する通信部60と通信しても良い。
また、補給装置130は、硫化水素除害化装置1に必要な補給を行うための装置である。例えば、補給装置130は、硫化水素除害化装置1の後述するバッテリ101への補給として充電を行う。この場合、補給装置130は、バッテリ101に接続して充電可能な不図示の充電器を有する。なお、補給装置130は、バッテリ101への補給に限らず、例えば後述する水タンク32aへの補給として水の補給を行っても良い。
本実施形態に係る硫化水素除害化システムSは、図1に示すように硫化水素Gが発生した場合に、隣接する外部硫化水素センサ120が硫化水素Gを検知し、近距離通信を介して硫化水素除害化装置1に検知情報を送信するように構成される。硫化水素除害化装置1は、受信した検知情報に基づいて硫化水素Gが発生した場所を特定し、発生場所へのルート設定を行い、移動を開始する。また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、設定したルート上に障害物Pがあった場合に、障害物Pを検知して自動で障害物Pを回避したルートを再設定して硫化水素Gの発生場所に移動する。硫化水素除害化装置1は、図1の例では、点線矢印の軌跡をたどって障害物Pを回避しつつ、発生場所に移動する。
<硫化水素除害化装置>
次に、硫化水素除害化装置1の詳細について、図2~4を用いて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化装置1の一例を示す概略図である。図3は、本発明による硫化水素除害化装置1の硫化水素除害部30の構成を示す概略構成断面図である。図4は、本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
硫化水素除害化装置1は、硫化水素を自動で除害化するための装置である。硫化水素除害化装置1は、図2、3に示すように、装置本体10と、吸入部20と、硫化水素除害部30と、排出部40と、走行部50と、通信部60と、図4に示すように、制御部70と、出力部71と、入力部72と、記憶部73と、センサ部80と、GNSS部90と、電源部100と、を有する。
装置本体10は、硫化水素除害化装置1の有する構成を収納するための筐体10aと、筐体10aの内部に形成される内部空間10a1と、を有する。筐体10aは、内部空間10a1が形成された中空円筒形状である。なお、筐体10aの形状は、これに限らない。
また、吸入部20は、硫化水素や硫化物を吸入するための構成である。吸入部20は、図3に示すように配管20aを有する。配管20aは、一端部に筐体10aの底に開口した吸入口20a1が形成されている。また、配管20aは、他端部に後述する水タンク32aの上限水位よりも上方の筐体10a内部の側面に開口した供給口20a2が形成されている。
本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、吸入部20への吸入を後述する排出部40の吸排気ファン40bの動作により行っているが、これに限らず、吸入部20に別途吸入ファンを設け、当該吸入ファンにより吸入口20a1から吸入動作を行っても良い。
次に、硫化水素除害部30は、図3に示すように水タンク32aと、水くみ上げポンプ32bと、水配管32cと、散布装置32eと、脱硫コア部32dと、を有する。
水タンク32aは、硫化水素を溶かして除害するための水を溜めるための構成である。水タンク32aは、筐体10aの内部空間10a1の下部に設けられる。また、水くみ上げポンプ32bは、水タンク32a内に設けられ、水タンク32a内に溜まる水をくみ上げて水配管32cを介して散布装置32eに送水するための装置である。また、水配管32cは、水くみ上げポンプ32bによって送水される水を散布装置32eに送るための配管である。散布装置32eは、内部空間10a1の上部に設けられ、水配管32cから送水された水を内部空間10a1の下部に散布する構成である。散布装置32eは、例えば、シャワーやスプリンクラーでも良い。
硫化水素除害部30は、水タンク32aと、水配管32cと、散布装置32eと、によって、硫化水素を溶かすための水を循環させる水流路1bが構成される。
脱硫コア部32dは、硫化水素を除害する構成である。本実施形態に係る脱硫コア部32dは、水を浸漬させた不織布であり、上述の水流路1b内に設けられる。なお、脱硫コア部32dは、これに限らず、例えば水タンク32aに溜められた水でも良いし、脱硫炭素としての活性炭でも良いし、酸化鉄を主成分とする硫化水素除去剤でも良い。また、硫化水素除害部30は、脱硫コア部32dが活性炭や酸化鉄を主成分とする硫化水素除去剤の場合には、上述の水流路1bが設けられなくても良い。
また、硫化水素除害部30による除害化処理は、水くみ上げポンプ32bの動作により、水タンク32aから水配管32cを介して散布装置32eに送水し、図3に示すように散布装置32eは、下方に散水して脱硫コア部32dを浸漬しつつ、水タンク32aに向けて水を散布することで行われる。
例えば、吸入部20から吸入された空気に含まれる硫化水素や硫化物粒子が、散水される水に当たり水タンク32aへ落とされたり、浸漬した脱硫コア部32dの不織布の繊維間に形成される水膜を通過する際に引っ掛かったり水に溶けたりする。このため、吸入された空気は、硫化水素除害部30により除害化されクリーンな空気となり、後述する排出部40により排気されることとなる。
次に、排出部40は、上述の硫化水素除害部30により除害化されたクリーンな空気を排気する。排出部40は、図3に示すように配管40aと、配管40a内に設けられた吸排気ファン40bと、を有する。配管40aは、一端部に筐体10aの内部空間10a1の上部に開口した開口部40a1が形成され、他端部に筐体10aの上部に開口する排出口40a2が形成されている。
なお、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、上述の吸入部20の配管20aと、筐体10aの内部空間10a1と、排出部40の配管40aとで、空気が硫化水素除害化装置1に吸入されてから排出されるまでの流路である吸排気流路1aが構成される。即ち、図4に示すように本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、吸排気流路1a内に水流路1bが設けられており、水流路1bにより吸排気流路1a内を流通する空気の除害化が行われる。
次に、走行部50は、筐体10aを支持しつつ走行させるための構成である。走行部50は、駆動輪50aと、駆動輪50aを駆動する不図示の駆動機構と、を有する。駆動輪50aは、例えば4つの円筒形状のタイヤである。また、駆動輪50aは、外周面が地面と接するように筐体10aの下部に等間隔に配置される。また、駆動輪50aは、鉛直方向に略平行な回動軸に対して回動可能に支持される。また、不図示の駆動機構は、4つの駆動輪50aにタイヤの軸方向の回転と回動軸方向の回動とを行わせ、硫化水素除害化装置1の走行動作を行う。
なお、駆動輪50aの数は4つに限らない。また、駆動輪50aは、タイヤに限らず、例えば2つのキャタピラでも良い。
次に、通信部60は、近距離通信を介して外部の機器と通信を行うための装置である。通信部60は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)やWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)やNFC(Near Field Communication)等の通信規格に基づいた通信方式で通信を行う。本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、上述の外部硫化水素センサ120との間で通信部60により行われる通信を利用して、製造工程エリアA内に配置された外部硫化水素センサ120の情報から硫化水素Gの発生個所を特定し移動する。
次に、制御部70は、硫化水素除害化装置1の各種の動作を制御する。制御部70は、プロセッサ等を有し、プロセッサが演算処理を実行することにより各種の動作の制御が実現される。なお、制御部の構成は、これに限らない。
入力部72及び出力部71は、有線又は無線により電気的に不図示の入出力インターフェースに接続されるユーザインターフェースである。入力部72は例えば硫化水素除害化装置1の操作ボタンやキーボード等によって構成され、出力部71は、硫化水素除害化装置1の操作のための画像を表示するモニタ71aや警告音等の音声を拡声するブザー71b等によって構成される。なお、出力部71及び入力部72は、タッチパネルのように表示機能と入力機能が一体的な構成であってもよい。
また、記憶部73は、例えば、不揮発性メモリであるROMや、揮発性メモリであるRAM等によって構成される主記憶装置と、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等で構成される補助記憶装置と、によって構成される。本実施形態に係る記憶部73には、製造工程エリアAのレイアウト情報や製造工程エリアA内における各外部硫化水素センサ120の配置情報が記憶されている。各外部硫化水素センサ120には、それぞれを識別するための識別情報が割り振られている。このため、外部硫化水素センサ120の識別情報を特定することで、製造工程エリアAのレイアウト情報及び外部硫化水素センサ120の配置情報から、当該外部硫化水素センサ120の位置を特定できる。
また、センサ部80は、内部硫化水素センサとしての硫化水素センサ81と、水量測定部としての水分量検知センサ82と、バッテリ残量検知センサ83と、障害物検知センサ84と、を有する。
硫化水素センサ81は、図3に示されるように筐体10aの内部空間10a1の上部に設けられ、内部空間10a1のうちの排出部40付近の空気の硫化水素の濃度を検出可能である。硫化水素センサ81は、例えば定電位電解式の硫化水素センサが用いられる。
水分量検知センサ82は、水タンク32a内の水の揮発量を把握するための構成である。水分量検知センサ82は、例えば水タンク32aに設けられた水位計であり、水位を測り水量を計測することで水の揮発量を把握する。水位計は、例えば電極式でもフロート式でも良い。水分量検知センサ82は、水分量を検知し、検知した水分量が規定水分量よりも少ない場合に、水供給アラートを発報する。言い換えると、水分量検知センサ82は、水分揮発量を把握し水分揮発量が所定の水分量を上回った場合に水供給アラートを発報する。規定水分量は、例えば水位がポンプくみ上げポンプ32bに形成された水の吸入口よりも高くなるように規定される。
バッテリ残量検知センサ83は、電圧計等により構成される。障害物検知センサ84は、硫化水素除害化装置1の進行方向にある障害物を検知するための構成である。障害物検知センサ84は、例えば超音波センサやレーザ変位計、カメラ等の映像素子、近接センサ等である。なお、センサ部80の構成は、これには限らない。
また、GNSS部90は、硫化水素除害化装置1自身の位置情報を取得するための測位情報取得部である。GNSSは、Global Navigation Satellite Systemの略称であり、GNSS部90はGPS等の衛星測位システムを利用する。GNSS部90は、アンテナを含み、複数の測位衛星から送信される測位衛星信号に基づいて測位を行って自身の位置を特定する。例えば、GNSS部90は、複数の測位衛星から送信される測位衛星信号に基づいて測位を行って硫化水素除害化装置1の位置を特定する。なお、硫化水素除害化装置1自身の位置情報を取得する構成は、これに限らない。
また、電源部100は、硫化水素除害化装置1に電力を供給するバッテリ101を有する。バッテリ101は、例えばリチウムイオン電池によって構成される。なお、硫化水素除害化装置1に電力を供給する電源部100の構成は、これに限らない。
<硫化水素除害化処理>
次に、本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化装置1の硫化水素除害化処理について、図5、6を用いて説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化処理の一例のうちの前半部分の流れを説明するためのフローチャートである。図6は、本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化処理の一例のうちの後半部分の流れを説明するためのフローチャートである。
本実施形態に係る硫化水素除害化システムSでは、硫化水素を扱う製造工程エリアA内に等間隔に配置された外部硫化水素センサ120は、硫化水素を検知した場合に硫化水素の検知情報を近距離通信によって硫化水素除害化装置1に送信する。硫化水素除害化装置1の制御部70は、通信部60が硫化水素の検知情報を受信したタイミングで硫化水素除害化処理を開始する。
まず、制御部70は、通信部60が受信した検知情報に含まれる外部硫化水素センサ120の識別情報を取得する(ステップSA10)。次に、制御部70は、取得した識別情報と、記憶部73に記憶された外部硫化水素センサ120の配置情報とに基づいて、硫化水素の発生場所を特定する(ステップSA11)。
次に、制御部70は、硫化水素の発生場所を目的地に設定する(ステップSA12)。次に、制御部70は、設定された目的地への移動制御を行う(ステップSA13)。移動制御では、ルートに沿って移動するための処理が行われる。また、移動制御には、移動ルート中に障害物があった場合に障害物を回避する処理も含まれる。移動制御は、硫化水素除害化処理のサブルーチンであり、硫化水素除害化処理で呼び出されて実行させる。詳細は、後述する。移動制御は、硫化水素除害化装置1が硫化水素発生場所に近づいたタイミングで終了する。
次に、制御部70は、硫化水素除害部30に硫化水素除害動作を開始させる(ステップSA14)。次に、制御部70は、硫化水素センサ81によって、排出部40付近で硫化水素が検知されているか否かを確認し(ステップSA15)、硫化水素が検知された場合(ステップSA15:YES)、アラートを発報し、吸排気ファン40bが動いている場合は、吸排気ファン40bを停止させて(ステップSA18)、処理をステップSA15に移行させる。硫化水素が検知されない場合(ステップSA15:NO)、制御部70は、吸排気ファン40bを起動させる(ステップSA16)。
排出部40付近の空気は、排出部40により外部に排出されるものであるため、硫化水素除害化装置1は、排出する前に硫化水素センサ81により除害しきれていない硫化水素等がないか確認してから排出させている。また、硫化水素除害化装置1は、硫化水素が検出された場合には、排出を停止しつつアラートを発報し、管理者に硫化水素が除害しきれていない異常状態を報せることができる。
次に、制御部70は、硫化水素センサ81によって、排出部40付近で硫化水素が検知されているか否かを確認し(ステップSA17)、硫化水素が検知されている場合(ステップSA17:YES)、制御部70は、ブザー71bに警告音を発報させるとともに吸排気ファン40bの動作を停止させ(ステップSA18)、処理をステップSA15に移行させる。
一方、硫化水素が検知されない場合(ステップSA17:NO)、制御部70は、通信部60が外部硫化水素センサ120からの硫化水素検知情報を取得しているか否かを確認することで発生した硫化水素がなくなったか否かを確認する(ステップSA19)。硫化水素が無くなっていない場合(ステップSA19:NO)、制御部70は、処理をステップSA17に移行させる。
一方、硫化水素が無くなった場合(ステップSA19:YES)、制御部70は、吸排気ファン40bの動作を停止させる(ステップSA20)。次に、制御部70は、硫化水素除害部30の硫化水素除害動作を停止させる(ステップSA21)。次に、制御部70は、予め登録した補給装置130の位置へのルートを設定する(ステップSA22)。次に、制御部70は、設定されたルートに沿って移動制御を行い(ステップSA23)、補給装置130の位置に移動すると移動制御が終了し、処理を終了させる。
<移動制御>
次に、図5のステップSA13とステップSA23における移動制御について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る硫化水素除害化処理のうちの移動制御の一例の流れを説明するためのフローチャートである。移動制御は、上述のように硫化水素除害化処理の一部の処理であり、図5に示す硫化水素除害化処理のステップSA13とステップSA23のタイミングにおいて処理が開始される。
まず、制御部70は、硫化水素除害化処理において設定された目的地とGNSS部90により取得した位置情報に基づく自機の位置とを結ぶルートを設定する(ステップSB10)。設定された目的地は、硫化水素除害化処理のステップSA13から移行した場合の移動制御であれば、硫化水素の発生場所であり、ステップSA23から移行した場合の移動制御であれば、補給装置130である。次に、制御部70は、GNSS部90の位置情報に基づいて設定されたルートに沿って自機が移動するように、走行部50に駆動輪50aの回動と駆動とを行わせる(ステップSB11)。
次に、制御部70は、障害物検知センサ84が障害物を検知していないか確認する(ステップSB12)。障害物検知センサ84が障害物を検知している場合(ステップSB12:YES)、制御部70は、走行部50による駆動輪50aの回動と駆動とを停止させる(ステップSB13)。次に、制御部70は、検知した障害物を避けた場合の、目的地とGNSS部90により取得した位置情報に基づく自機の位置とを結ぶルートを再設定し(ステップSB14)、処理をステップSB11に移行させる。
一方、ステップSB12において、障害物検知センサ84が障害物を検知していない場合(ステップSB12:NO)、制御部70は、GNSS部90の位置情報に基づいて自機が目的地に到達したか否かを確認する(ステップSB15)。自機が目的地に到達していない場合(ステップSB15:NO)、制御部70は、処理をステップSB12に移行させる。一方、自機が目的地に到達している場合(ステップSB15:YES)、制御部70は、走行部50による駆動輪50aの回動と駆動の制御を停止し(ステップSB16)、処理をメインルーチンの硫化水素除害化処理に移行させる。
なお、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、バッテリ残量検知センサ83によってバッテリの残量が少ない場合は、上述の移動制御と同様の制御により目的地としての補給装置130の位置への移動を行い、補給装置130から補給を受ける処理を自動で実行する。また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1の制御部70は、水分量検知センサ82の検知に基づいて水タンク32aの水分量が減っていると判断した場合に、出力部71のブザー71bに警告音を発報させる。硫化水素除害化装置1の管理者は発報された警告音に基づいて水タンク32aへの水の補給を行う。
更に、本実施形態に係る補給装置130は、充電器だけではなく、更に水タンク32aに水を補給可能な水補給部を有しても良い。この場合、硫化水素除害化装置1の制御部70は、水分量検知センサ82の検知により水タンク32aの水分量が少なくなった場合に、上述の移動制御と同様の制御により目的地としての補給装置130の位置への移動を行い、補給装置130から水の補給を受ける処理を行っても良い。
以上のように構成される硫化水素除害化装置1は、空気に含まれる硫化水素を除去する硫化水素除害化装置1であって、空気を吸入可能な吸入部20と、吸入部20が吸入した空気から硫化水素を除害する硫化水素除害部30と、硫化水素除害部30が除害した空気を外部へ排出する排出部40と、外部で発生した硫化水素の位置情報を外部から取得可能な通信部60と、電力を供給する電源部100と、を有する装置本体10と、装置本体10に設けられ、装置本体10を走行させることが可能な駆動輪50aを含む走行部50と、を備え、通信部60が位置情報を取得すると、取得した位置情報に基づき硫化水素発生位置へ近づくように、走行部50が装置本体10を走行させ、吸入部20から空気を吸入し、硫化水素除害部30を経由させた空気を排出部40から排出する。
これにより、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、より効率的に硫化水素を除害化できる。
また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、吸入部20は、装置本体10の下部に設けられる。
これにより、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、比重が重く下部に溜まりやすい硫化水素を効率的に吸入して除害化できる。
また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、排出部40は、装置本体10の上面に設けられ、硫化水素除害部30は、装置本体10の内部に設けられる。
これにより、装置をよりシンプルかつ小型化できる。
また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、位置情報は、外部に設置された外部硫化水素センサ120で検出した情報である。
これにより、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、外部硫化水素センサ120が配置される外部の広い範囲で硫化水素発生を監視して効率的に硫化水素を除害化できる。
また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、硫化水素除害部30により除害された空気の硫化水素濃度を測定可能な硫化水素センサ81を備え、排出部40は、硫化水素センサ81が検出した硫化水素濃度に基づいて排出動作が制御される。
これにより、硫化水素除害化装置1から硫化水素を排出することを抑制でき、より確実に硫化水素を除害できる。
また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、硫化水素除害部30は、吸入部20から排出部40までの間の空気の流路である吸排気流路1a内に設けられた、水、水分を含んだ不織布、脱硫炭素部材、又は酸化鉄を主成分とする硫化水素除去剤である脱硫コア部32dを有し、排出部40は、吸入部20から吸入された空気を、脱硫コア部32dを介して排出する。
これにより、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、より効率的に吸入された空気を除害化できる。また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、水や不織布、脱硫炭素部材、酸化鉄を主成分とする硫化水素除去は、交換が容易なため、メンテナンス性も優れる。
また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、硫化水素除害部30は、吸排気流路1a内で不織布30dを介して循環する水流路1bと、水流路1bを循環する水を測定する水分量検知センサ82と、水分量検知センサ82の測定結果に基づいて警告を発するブザー71bと、を有する。
これにより、硫化水素除害化装置1の管理者は、硫化水素除害化装置1の水流路1bの水が不足するという異常に気付いて素早く異常への対応を行うことができ、より確実に硫化水素の除害を行うことができる。
また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、電源部100は、繰り返し充放電可能なバッテリ101であり、装置本体10は、バッテリ101の容量が所定以下になるとバッテリ101を充電可能な補給装置130の位置に移動するように走行部50によって走行させられる。
これにより、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、より自立して移動を伴う除害化処理を行いながらも、バッテリ充電のための定期点検等の作業時間を抑制でき、より効率的に硫化水素を除害化できる。
また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、周囲の障害物を検知する障害物検知センサ84を備え、装置本体10は、障害物検知センサ84の検知結果に基づいて走行部50による走行動作が変更される。
これにより、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、想定外の障害物が製造工程エリア内にあった場合でも、柔軟に走行ルートを変更して硫化水素の発生場所に移動して硫化水素を除害化できる。
また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、駆動輪50aは、タイヤ又はキャタピラである。
これにより、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、より安定して装置を硫化水素発生場所に移動することができ、消耗を抑えより硫化水素除害化装置1の耐久性を高めることができる。
ここで、従来では、硫化物を扱う製造工程において有毒な硫化水素の発生をいかに除害化するかが課題となっていた。硫化物を扱う製造工程とは、例えば全固体電池の製造工程である。硫化水素は、硫化物と水分の反応で発生する人体に害のある気体である。硫化水素は空気より重いため発生した場合、そのエリアの低い場所に滞留し、また、硫化水素は無色であることから、人が硫化水素の発生を知らずに当該エリアに立ち入り、多量の硫化水素を吸ってしまうおそれがあった。
従来、硫化水素が発生した場合の安全装置としてよく用いられている技術は硫化物を扱う製造工程エリアごと除害化するという手法である。具体的には、硫化水素を効果的に除害化できるように床に近い位置から吸入を行い、水スクラバー等の乾式又は湿式の脱硫装置を通して無害化して大気に排出するという手法である。しかし、製造工程エリア内全体を除害化するためには大型かつ高価な装置が必要となる。
また、局所的に硫化水素が発生した場合でも製造工程エリア全体に対して除害動作を行うため硫化水素の除害の効果が得にくく効率が良くなかった。
製造工程エリアに硫化水素の発生のおそれが無い、又は低いエリアがあるような場合では、硫化水素除害化装置の費用対効果という点で改善の余地があった。
また、据え置き型のスクラバー等は、定期的にフィルタや水位等をチェックし一定期間が経過した場合、それらを交換する必要があり、メンテナンス作業に時間がかかっていた。また、装置が大きい分フィルタ等の消耗品の量も多くコストがかかっていた。
本実施形態に係る硫化水素除害化装置1では、硫化水素発生時に局所的に除害化することが可能となり、従来のような大型除害装置に比べ小型で設置しやすく投資コストの低い除害化システム構築が可能になる。また、製造工程の変化や生産量に合わせた除害化システムの編成・変更が行えるため、よりリーズナブルな硫化水素除害化システムの構築が可能になる。
また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、装置で自立してメンテナンスを行うことが可能であり、省人化やコスト削減ができる。更に、小型かつ廉価なため、製造規模が小さい場合でも除害装置を容易に導入できる。また、本実施形態に係る硫化水素除害化装置1は、硫化水素発生源付近に移動して集中してより効果的に除害化できる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、本実施形態では、硫化水素除害部30は、図3に示すように水タンク32aと、水くみ上げポンプ32bと、水配管32cと、散布装置32eとで構成される水流路1bと、不織布である脱硫コア部32dとによって吸入された空気に含まれる硫化水素を除害していたが、これに限らず、例えば硫化水素除害部30は、脱硫コア部として水タンク32aのみを有し、吸入した硫化水素を水流路1b内に設けられた水タンク32aの水に触れさせることで除害化しても良いし、脱硫コア部として活性炭のみを有し、硫化水素を活性炭に通過させて除害化しても良いし、脱硫コア部として酸化鉄を主成分とした硫化水素除去剤により除害化しても良い。また、水流路1bは、水が循環していたが、苛性ソーダ等のアルカリ溶液を循環させ、吸入された空気の硫化水素を中和処理して除害しても良い。
1 硫化水素除害化装置
10 装置本体
20 吸入部
30 硫化水素除害部
40 排出部
50 走行部
50a 駆動輪
60 通信部
100 電源部
101 バッテリ

Claims (9)

  1. 空気に含まれる硫化水素を除去する硫化水素除害化装置であって、
    前記空気を吸入可能な吸入部と、前記吸入部が吸入した前記空気から硫化水素を除害する硫化水素除害部と、前記硫化水素除害部が除害した前記空気を外部へ排出する排出部と、外部で発生した硫化水素の位置情報を外部から取得可能な通信部と、電力を供給する電源と、を有する装置本体と、
    前記装置本体に設けられ、前記装置本体を走行させることが可能な駆動輪を含む走行部と、を備え、
    前記硫化水素除害部は、前記吸入部から前記排出部までの間の前記空気の流路である吸排気流路内に設けられた、水、水分を含んだ不織布、脱硫炭素部材、又は酸化鉄を主成分とする硫化水素除去剤である脱硫コア部を有し、
    前記通信部が前記位置情報を取得すると、取得した前記位置情報に基づき硫化水素発生位置へ近づくように、前記走行部が前記装置本体を走行させ、前記吸入部から前記空気を吸入し、前記硫化水素除害部の前記脱硫コア部を経由させた前記空気を前記排出部から排出する硫化水素除害化装置。
  2. 前記吸入部は、前記装置本体の下部に設けられる請求項1に記載の硫化水素除害化装置。
  3. 前記排出部は、前記装置本体の上面に設けられ、
    前記硫化水素除害部は、前記装置本体の内部に設けられる請求項1又は2に記載の硫化水素除害化装置。
  4. 前記位置情報は、外部に設置された外部硫化水素センサで検出した情報である請求項1から3の何れかに記載の硫化水素除害化装置。
  5. 前記硫化水素除害部により除害された前記空気の硫化水素濃度を測定可能な内部硫化水素センサを備え、
    前記排出部は、前記内部硫化水素センサが検出した硫化水素濃度に基づいて排出動作が制御される請求項1から4の何れかに記載の硫化水素除害化装置。
  6. 前記硫化水素除害部は、前記吸排気流路内で前記脱硫コア部を介して循環する水流路と、前記水流路を循環する水の量を測定する水量測定部と、前記水量測定部の測定結果に基づいて警告を発する警告部と、を有する請求項1~5の何れかに記載の硫化水素除害化装置。
  7. 前記電源は、繰り返し充放電可能な充電池であり、
    前記装置本体は、前記充電池の容量が所定以下になると前記充電池を充電可能な充電器の位置に移動するように前記走行部によって走行させられる請求項1からの何れかに記載の硫化水素除害化装置。
  8. 周囲の障害物を検知する障害物検知センサを備え、
    前記装置本体は、前記障害物検知センサの検知結果に基づいて前記走行部による走行動作が変更される請求項1からの何れかに記載の硫化水素除害化装置。
  9. 前記駆動輪は、タイヤ又はキャタピラである請求項1からの何れかに記載の硫化水素除害化装置。
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