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JP7786705B2 - 物体形状計測装置及び、物体形状計測方法 - Google Patents
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JP7786705B2 - 物体形状計測装置及び、物体形状計測方法 - Google Patents

物体形状計測装置及び、物体形状計測方法

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本発明は、高精度で高解像度、且つ高速なイメージングを実現するシングルピクセルイメージングに係り、物体の形状計測及び、画像処理方法によるイメージングを実現する物体形状計測装置に関する。
対象物体のイメージング技術として、ホログラム記録媒体を使った手法が提案されている。ホログラム記録媒体等の記録媒体に物体光と参照光の干渉を干渉光として照射することで物体光の振幅分布と位相分布を含む複素振幅分布を記録することができる事が知られており、位相分布が物体の屈折率に依存する情報を反映することから、複素振幅分布を記録可能な記録媒体は物体の形状情報を直接記録できると言った特徴がある。これに関連して対象物体の位相分布を検出する装置がある(特許文献1参照)。前述の装置では対象物体の位相分布に関してホログラム記録媒体から出射され光検出器で得られる光強度がしきい値を超えるか超えないかで対象物体との相関があるかないかを判別している。しかし、しきい値の決定に予め実験などの準備が必要であることや、光強度による相関取得だけでは対象物体の位相分布や振幅分布の詳細を得るのは難しかった。
別の技術として、シングルピクセルイメージング(Single-pixel imaging: SPI)がある。以下S P Iと称する。これは単一画素の光受光部を有する単一画素光検出器を用いて対象物体をイメージングする手法である。この手法では光学系で対象物体にパターンの情報を作用させることで対象物体を符号化、符号化した光を単一画素光検出器で取得し計算機上で再構成計算を行うことで対象物体のイメージを取得する。この手法に関しては特許文献2、さらに複素振幅像取得に関しては非特許文献1に記載されている。しかしS P Iは再構成するためには符号化した光を多数回取得しなければならないので再構成するために時間を要するといった課題があった。
特開2009-237085 特開2021-100186
L. Martinez-Leon, P. Clemente, Y. Mori, V. Climent, J. Lancis, and E. Tajahuerce, "Single-pixel digital holography with phase-encoded illumination," Opt. Express 25(5), 4975-4984 (2017).
従来技術では例えばホログラム記録媒体を使った手法では光検出器で得られる光強度のしきい値の決定に予め実験などの準備が必要であることや、光強度による相関取得からでは対象物体の位相分布や振幅分布の詳細を得るのは難しいと言った課題があった。
また、別の手法としてはS P Iがあるが、S P Iは対象物体を符号化した光を単一画素光検出器で取得し計算機上で再構成計算を行うことで対象物のイメージを取得するが、再構成するためには符号化した光を多数回取得しなければならないため再構成するために時間を要するといった課題があった。
前記課題を解決するための手段として、予め光の振幅および/または位相を複数画素で変調する二次元空間光変調器を用いて生成した干渉縞をホログラムとして記録されたホログラム記録媒体と、二次元空間光変調器のおよそ1画素の大きさの開口を有する空間フィルタを使ってS P Iを構成することで、高精度、高速なイメージングを実現するS P Iを応用した物体形状計測装置が可能である。
本発明によれば、1画素の光相関強度を取得することで、対象物体や対象物体からの回折してきた複素振幅像を取得可能であることから対象物体の3次元情報や屈折率や厚みなどの定量位相情報を提供することができる。また上述のホログラム記録媒体に関して光相関器を適用すれば、高速で位相変調パターンと対象物体との相関を取得することが可能となるため高速な対象物体の再構成像の提供が可能である。
また従来の二次元撮像素子とは異なり,空間分解能は位相変調パターンに依存するため、用いる位相変調パターンの単位長さ当たりのピクセル数を増やせば精度の高い再構成像を提供することができる。
これらの事から可視光のみならず、エネルギー量が高く、高画質化のための高出力化が困難なX線、紫外線、また2次元撮像素子の実用化が困難なテラヘルツ光や短波長赤外線などの、可視域外の波長での高精度、高速なイメージングを実現する物体形状計測装置に適用の可能性も高い。そのため、将来的には細胞、細菌、半導体微細構造の評価が可能な物体形状計測装置を提供できる。
実施例に係る物体形状計測装置を含む全体システム構成の一例を示す図。 実施例に係る物体形状計測装置のソフトウェア構成図。 実施例に係る物体形状計測装置の主要技術である測定方法の原理を示す図。 実施例に係る物体形状計測装置で使用するホログラム記録媒体を作成する方法を示す図。 実施例に係る物体形状計測装置で使用する物体光を形成する方法を示す図。 実施例に係る物体形状計測装置で使用する物体光の一例を示す図。 実施例に係る物体形状計測装置で使用するアダマールパターンの一例を示す図。 実施例に係る物体形状計測装置で使用するホログラム記録媒体の作成するフローチャート 実施例に係る物体形状計測装置の測定方法のフローチャート。 実施例に係る物体形状計測装置の具体的な記録光学系。 実施例に係る物体形状計測装置の具体的な再生光学系。 実施例に係る物体形状計測装置の具体的な光学系の各部材の物理的位置を示す図 実施例に係る物体形状計測装置の有効性を示すための再構成させる対象物体の振幅分布と位相分布。 実施例に係る物体形状計測装置の有効性を示すための再構成像の振幅分布と位相分布。 再構成処理をハードウェアで行う場合を示す図。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。全図を通じて同一の構成には同一の符号を付けてその重複説明は省略する。以下の実施形態においては、本発明に係る物体形状計測装置を例に挙げて説明する。
図1は本発明の実施形態の物体形状計測装置1を含む全体構成の一例を示した図である。図1の物体形状計測装置1では対象物体4は光を透過する形の例を示しているが、これに限ることはなく、反射型でも良い。この物体形状計測装置1は光学系2とシステム制御・処理機能10の2つの機能要素から構成されている。以下各機能について詳細に記載する。光学系2では例えば単一波長の緑色レーザー等を放射する光源3から照射された光が対象物4に入射する。上述では緑色レーザーを用いているが、これに限ることはなく、単一波長であれば赤色レーザーや青色レーザーでも良い。その後第一のレンズ5、ホログラム記録媒体6、第二のレンズ7を通った光が空間フィルタ8を通り、透過した光が光検出器9で電気信号に変換されたのちにC P U11に入力される。上述の光学系2の動作を含めた機能の詳細説明は後述する。
上述の各機能の動作の制御及び計算処理を行うのがシステム制御・処理機能10でありC P U11、ROM12、RAM13、外部メモリ14、システムバス17で構成されている。その他にはホログラム記録媒体6を駆動するための駆動装置15、対象物体4の詳細画像を表示する表示部16からなる。C P U11は光学系2内の光源3の電源のON/OFFや駆動装置15の細かな制御や各種設定値の設定、後述する対象物体の画像処理計算を行うプログラムの制御や各種コマンドセット等を行う。ROM12にはシステムのソフトウェアや処理計算プログラムやそれらの初期値等が記録されている。RAM13はC P U11行われる各種ソフトウェアの実行処理を行う、或いは計算処理等で一時的に記録されたデータや設定値を記録するためのメモリ空間である。外部メモリ14はROM12やRAM13に保存しきれないデータや以前のデータ等を保持しておくためのメモリである。あるいはソフトウェアのアップデータ等の保存や新たな設定値の保存等にも利用できる。後述するC P U11で画像処理計算された対象物体4の画像データは表示部16で表示される。これらデータ等はシステムバス17でデータは送受信される。図1では表示されていないが、前記データはネットワークを介して外部へ送受信しても良い。
図2は本実施例の物体形状計測装置1のソフトウェア構成図であり、C P U11、ROM12、RAM13、及び外部メモリ14、システムバス17からなる。
C P U11は、所定のプログラムに従って物体形状計測装置1全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。システムバス17はC P U11と物体形状計測装置1内の各部との間でデータ送受信を行うためのデータ通信路である。
ROM(Read Only Memory)12は、オペレーティングシステムなどの基本動作プログラムやその他のアプリケーションプログラムが格納されたメモリであり、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やフラッシュROMのような書き換え可能なROMが用いられ、ROM12に格納されたプログラムを更新することにより、基本動作プログラムやその他のアプリケーションプログラムのバージョンアップや機能拡張が可能である。
RAM(Random Access Memory)13は基本動作プログラムやその他のアプリケーションプログラム実行時のワークエリアとなる。具体的には、例えばROM12に格納された基本動作プログラム12aはRAM13に展開され、更にC P U11が前記展開された基本動作プログラムを実行することにより、基本動作実行部13aを構成する。以下では、説明を簡単にするために、C P U11がROM12に格納された基本動作プログラム12aをRAM13に展開して実行することにより各部の制御を行う処理を、基本動作実行部13aが各部の制御を行うものとして記述する。なお、その他のアプリケーションプログラムに関しても同様の記述を行うものとする。
画像処理実行部13bは光検出器9で光強度を電気信号化された電気信号に対して様々なソフトウェアの処理でいわゆる電気信号のレベルとして表される輝度や色彩等の補正や電気信号化された画像をより鮮明にするためのエッジ処理や画質改善処理、ノイズ除去処理等を行う。再構成計算実行部13cについての詳細は後述する。各種部材の設定値実行部13dは光源3、ホログラム記録媒体6を駆動する駆動装置15、光検出器9、表示部16の各種設定値制御や初期値設定等を行う。画像表示実行部13eは後述する再構成計算実行部13cで計算されたデータより対象物体4の詳細画像を表示部16に表示させる処理を行う。一時記憶領域13fは上述の各処理中のデータ等を一時的に記憶する領域である。
本実施例の物体形状計測装置1の動作は、図2に示したように、主として外部メモリ14に記憶された画像処理プログラム14bと、再構成計算プログラム14cと、各種部材の設定プログラム14d、画像表示プログラム14eがRAM13に展開され、C P U11により実行される画像処理実行部13bと、再構成計算実行部13cと、各種部材の設定値実行部13d、画像表示実行部13eによって制御されるものとする。各種情報/データ記憶領域14aは各種機能の初期値等を記憶する領域である。前述の画像処理実行部13bと、再構成計算実行部13c、各種部材の設定値実行部13d、画像表示実行部13eはその一部または全部の動作をハードウェアで実現する各ハードウェアブロックで行っても良い。
ROM12及びRAM13はC P U11と一体構成であっても良い。また、ROM12は、図2に示したような独立構成とはせず、外部メモリ14内の一部記憶領域を使用しても良い。また、RAM13は、各種アプリケーションプログラム実行時に、必要に応じてデータを一時的に保持する一時記憶領域を備えるものとする。
外部メモリ14は光検出器9で検出された情報を一時的に蓄えても良い。また、物体形状計測装置1の各動作設定値や物体形状計測装置1の位置情報や各種情報、物体形状計測装置1が撮影した画像や情報等の一部または全部のデータ、その他プログラムを格納しても良い。
外部メモリ14の一部領域を以ってROM12の機能の全部または一部を代替しても良い。また、外部メモリ14は、物体形状計測装置1に電源が供給されていない状態であっても記憶している情報を保持する必要がある。したがって、例えばフラッシュROMやSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disc Drive)等のデバイスが用いられる。
次に本発明の基礎的な技術に関して数式を用いながら説明を行う。
光学系2についてその動作を含めて図3を使って説明を行う。光学系2は単一波長を出射する光源3と対象物体4と第一のレンズ5、位相変調パターンと参照光の干渉の強度(ホログラム)が記録されたホログラム記録媒体6、第二のレンズ7、空間フィルタ8と光検出器9から構成される。これは基本的には光相関シングルピクセルイメージング(Single-pixel imaging: SPI)と同様の構成になる。以下光学系2を光相関S P Iと称する。また図3で示すように対象物体4,ホログラム記録媒体6,空間フィルタ8,光検出器9の位置はそれぞれ第一のレンズ5,第二のレンズ7の焦点距離fに位置する4f光学系となる。図1の物体形状計測装置1において光学系2(光相関S P I)に関するフローを、図3を使って説明する。レーザー等の単一波長の光を照射する光源3から出射された単一波長の光は対象物体4を通過させることによって対象物体4が持つ屈折率分布に依存して位相変調される。この位相変調された単一波長の光をホログラムが記録されたホログラム記録媒体6に通過させることによってホログラム記録媒体6から対象物体4と位相変調パターンとの相関として回折光が出射される。この回折光について最後に適切な位置にピンホールを設けた空間フィルタ8を通過させ、その回折光の強度を光検出器9で取得し、取得した光強度を用いてシステム制御・処理機能10上で再構成計算を行い、対象物体4の複素振幅像を取得することが可能となる。
ここで、光学系2(光相関SPI)で実際に行われるホログラムの記録プロセスと相関プロセス、再構成プロセスの3つのプロセスについてそれぞれ説明する。
記録プロセスとは上述のホログラム記録媒体6に位相変調パターンと参照光の干渉の強度をホログラムとして記録するプロセスになる。ホログラム記録媒体6にホログラムを記録するための原理について図4を使って説明する。ホログラムの記録プロセスでは図3の光源3と同様レーザー等の単一波長を出射する第二の光源20とそこから出射される参照光、位相と振幅を変調可能な空間光変調器22と、同じく光源3と同様レーザー等の単一波長を出射する第三の光源21から出射される第二の光源20と同じ波長の物体光、第三のレンズ23とホログラムが記録されていない記録媒体24からなる。また図4を見ても明らかなように、空間光変調器22とホログラムが記録されていない記録媒体24の位置は第三のレンズ23の焦点距離fに位置する。次に図4におけるホログラムの記録プロセスについて説明する。先ず、空間光変調器22には位相変調パターンpnと位相変調パターンの基準の位相を設けるための基準光である基準位相パターンaを表示する。位相変調パターンには位相シフトeを適用する。eはネイピア数、jは虚数単位である。位相変調のパターンの例と基準位相パターンの例を図5に示す。
この位相シフトされた位相変調パターンと基準位相パターンが表示された空間光変調器22に第三の光源21から出射された単一波長の光を通過させ位相変調させる。具体的な例を図5に示す。空間光変調器22には位相変調パターン(図5の(a))と位相変調パターンの基準の位相を設けるための基準光である基準位相パターン(図5の(b))を表示させる。この位相シフトされた位相変調パターンと基準位相パターンが表示された空間光変調器に光源から出射された単一波長の光を通過させ位相変調させる(図5の(c))。位相変調させた光は物体光uと呼ばれ、次式で記述される。
この物体光の例を図6に示す。図6では物体光の振幅分布が64x64 pixel、物体光の位相分布が16x16 pixelのものを示している。但し、このピクセル数は高精度にしたければよりピクセル数を増やせば良く、一例として示したものである。
次に参照光rと物体光を干渉させレンズで一点に集光させ記録媒体にホログラムして記録する。参照光は第二の光源20から照射され、点光源が望ましい。記録されたホログラムIは次式で記述される。
ここでFをフーリエ変換としたときU=F[u]、R=F[r]である。また*は複素共役である。この記録過程をすべての位相変調パターンに位相シフトを適用して行う。具体的なパターンとしては図7で示すようなアダマールパターンを記録媒体にホログラムとして記録する。例えば図6の場合には、アダマールパターンとしてはその大きさは16x16 pixelであり、全部で16 x 16 =256枚のアダマールパターンがある。位相シフトとしてφ=0、π/2、π、3π/2の4通りを記録すると、16 x 16 x 4 =1,024個のホロクラムを記録媒体に記録することになる。この時には常に新しい位置にホログラムを記録させるために駆動装置15を使い、所定の位置に移動させながら記録する。この記録過程では十分ホログラムを記録媒体に記録(定着)させるために十分な時間を使って記録すれば良い。この移動制御はシステム制御・処理機能10を使って正確に行う。このような動作を繰り返すことにより、上述のホログラム記録媒体6を作成する。上述の記録プロセスのフローチャートを図8に示す。図4の記録媒体24へホログラムを記録する記録装置において、空間光変調器22に図5の位相変調パターンと基準位相パターンを表示させる(S101)。表示した位相変調パターンに位相シフトを適用する(S102)。この場合、例えばφ=0、π/2、π、3π/2を適用させる。ここでは後述するが、φ=0、π/2、π、3π/2の4通りの場合を示す。次に光源21から単一波長の光を出射させる(S103)。波長としては赤色、青色、緑色等のレーザー光を出射させるが、これは記録媒体24にホログラムを記録させる訳であるが、その使用する記録媒体24の感光出来る波長を選ぶ。次に光源20から参照光としての単一波長の光を出射させる(S104)。この波長はS103で記述した光源21と同じ単一波長の光を照射する。次に光源21から出射された光を物体光として空間光変調器22で式(1)記載の位相変調させる(S105)。次に上述の物体光と参照光の干渉光を第三のレンズ23で集光させ(S106)、干渉光をホログラムとして記録媒体24に記録する(S107)。ホログラムを記録媒体24に記録した後に駆動装置15により次のホログラムを記録するために所定の位置まで移動させる(S108)。この移動制御はシステム制御・処理機能で行う。このS101からS108で一つのホログラムの記録過程を示している。つまりφ=0の位相シフト量のホログラム記録が出来たことになる。次に例えばφ=π/2のシフト量を適用させる(S109)。シフト量に関しては上述ではφ=0、π/2、π、3π/2の4通りのシフト量を適用させているので、その位相シフト量を全て適用したかどうかの判断をS110で行い、全て終わった場合にはS111へ、まだ終わっていない場合にはS102からS109を繰り返し行う。上記の場合の4パターンの位相シフトが終わった後に次の記録パターンを適用させる(S111)。最後に全ての記録パターンをホログラムとして記録したかどうかの判断をS112で行う。図6の場合にはアダマールパターンの大きさが16x16 pixelであることから16 x 16 = 256個のホログラムが記録されるため、256枚のアダマールパターンがすべて記録されたかどうかの判断をS112で行う。
次に相関プロセスについて説明する。相関プロセスでは図9に記述したフローチャートに従う。以下、図9を用いて説明する。光源3から出射された単一波長の光を出射させる(S201)。この光は前述したとおり対象物体4の屈折率分布に依存して位相変調される(S202)。この位相変調された光をoとし,対象物体4の中でもイメージング対象の領域をot、それ以外の領域をooと記述したときoは次式で記述される。
この対象物体4によって位相変調された光oは集光させるため第一のレンズ5に通過させ集光する(S203)。さらに前述したホログラムが記録されているホログラム記録媒体6に第一のレンズ5で集光させた光をホログラムが記録されているホログラム記録媒体6に通過させ(S204)、その回折光をホログラム記録媒体6から出射させる(S205)。O=F[o]としたときホログラム記録媒体6から出射した直後の回折光Dは次式で記述される。
特に回折光の中でも右辺の第一項目は0次光、第二項目は1次光、第三項目は-1次光と呼ばれる。この回折光を平行光にするため第二のレンズ7に通過させ(S206)、空間フィルタ8に1次光または-1次光のみを通過させる(S207)。通過させる空間フィルタ8にはピンホールを設置する。ピンホールの大きさはできるだけ小さいことが望ましい。Pn=F[pn]、A=F[a]、F-1を逆フーリエ変換としたときフィルタを通過させた1次光dは次式で記述できる。
特に式(5)のPn*Oは位相変調パターンと対象物体4の相関に対応する。最後にこの1次の回折光を強度として光検出器9で取得する(S208)。上述の実施例では敢えて位相シフト量を変更したときの光強度取得については特にフローチャートには記載していないが、上述の実施例では位相シフト量としてはφ=0、π/2、π、3π/2の4通りのシフト量を適用させているので、4通り全ての位相シフト量分の光強度を取得する。この4通りの光強度を全て取得したかの判断をS209で行なっている。また、図8で説明した通り、上述の実施例ではホログラム記録媒体6には256 x 4 =1,024個のホロクラムが記録媒体に記録されているので、その全てのパターンの光強度を取得したかの判断をS210で行う。各ホログラムの再生ではここでは記載していないが駆動装置15を使って高速に位置制御を行い再生させる。例えば対象物体4の再構成像を1秒で得るためには上述の1,024個のホログラム再生を少なくとも1秒以下で行う必要があり、一つのホログラムを1/1,024 = 約977マイクロ秒で再生させる必要がある。但し、この程度のスピードであれば例えば記録媒体をディスク状にして高速回転させれば問題なく再生できるスピードである。再構成計算も最低977マイクロ秒で行う必要があるが、CPUの処理能力からして問題ないレベルである。
最後に再構成プロセスについて示す。再構成プロセスでは光検出器9で得た光強度を基にシステム制御・処理機能10で再構成計算を行う。位相変調パターンの位相シフトは複数回行いそれに対応する光強度を取得すればよく、ここでは4回の位相シフト(φ=0、π/2、π、3π/2)を行なう。各位相シフトに対して得られる光強度をIn,0、In,π/2、In,π、In,3π/2としたとき再構成像oreconは次式で記述される。
この再構成計算を行うプロセスがS211であり、図1のシステム制御・処理機能10で計算を行う。
ここで上述の式(6)の再構成像oreconは複素振幅像であり、この複素振幅の分布(複数の複素振幅像)に対しフレネル伝搬計算などを行うことで3次元の再構成像を取得することも可能である。この場合に複素振幅像の数を増やす事(ホログラム数を増やす)により対象物体の詳細な3次元像を取得することが出来るので、3次元顕微鏡等の様々な用途に利用可能になる。
次に上述の実施例の効果を明確にするために検討した結果を下記に示す。図10と図11、図12の光学系は実施形態の一例として示した図であり、この図を使ってその方法について説明する。図10は記録時に使用する光学系を示す。記録時は光源(レーザー)3から照射された光はシャッター41を通り半波長板36、2つのミラーM、偏光ビームスプリッター(P B S)35、ビームエキスパンダー(B E)34を通り絞り37で絞られ半波長板36、ミラーM32で反射されて32を通り、無偏光ビームスプリッター(N P B S)38で反射されて空間光変調器(S L M)22に入る。ここで空間光変調器22では物体光となるパターンと参照光となるパターンを同時に表示させる。従って、図4では参照光と物体光が、波長が等しい2つの光源(第二の光源20と第三の光源21)から照射され、物体光のパターンを空間光変調器22で作成しているように示しているが、図10では一つの光源3が空間光変調器22に入り、物体光のパターンと参照光になる点光源が空間光変調器22から照射される。その後、無偏光ビームスプリッター(N P B S)38を透過し、以下省略するが図10に示す各光学部品を透過してホログラム記録媒体に照射されてホログラムが記録される。図11は再生時に使用する光学系を示す。再生時は光源(レーザー)3から照射された光はシャッター41を通り半波長板36、2つのミラーM、偏光ビームスプリッター(P B S)35、ビームエキスパンダー(B E)34を通り絞り37で絞られ半波長板36、ミラーM32で反射されて32を通り、無偏光ビームスプリッター(N P B S)38で反射されて空間光変調器(S L M)22に入る。ここで空間光変調器22には対象物体のパターンを表示させ対象物体として空間光変調器22から照射され、無偏光ビームスプリッター(N P B S)38を透過し、以下省略するが図11に示す各光学部品を透過してホログラム記録媒体に照射される。前記照射された対象物体光とホログラムが記録されているホログラム記録媒体の回折光が以下省略するが図11に示す各光学部品を透過、或いは反射してピンホール39を通り、光電子増倍管(P M T)40に入る。この点線で示す光がホログラムディスクから帰ってくる1次の回折光である。光学増幅管40に入る0次の回折光(実線)とは区別して表示している。このピンホール39は図3で示す空間フィルタ8であり、光電子増幅管40は図3の光検出器9の事である。本発明の特徴はホログラム記録媒体に記録する物体光のパターンを空間光変調器22で作成し、表示させることと、光検出器9の前にピンホールタイプ空間フィルタ8を配置する事である。これにより対象物体の位相情報と振幅情報を精度よく取得することが可能となる。図12は各光学部材の配置と焦点距離fとフーリエ面との関係を示した図である。この図では配置の位置関係を明確にするために各光学部材の説明用の記号は削除してある。図10、図11の各レンズ31の焦点距離fは図12に示す関係にあり、各部品の配置は図12に示す通りの焦点距離位置に配置する。また各部材位置とフーリエ面との関係も図12に示す通りである。
次に再構成させる対象物体の振幅分布と位相分布と、再構成像の振幅分布と位相分布の単純なシミュレーション結果を図13、図14に示す。シミュレーションでは参照光を点光源とし,ガウス分布で表現,このガウス分布の半値全幅と1次光のみを通過させる空間フィルタのピンホール開口の大きさを考慮し、半値全幅1 pixel,ピンホールの大きさを1x1 pixelのときの再構成像を参照した。また評価はRMSEで行った。RMSEの値は小さければ小さいほど高い精度で再構成できていることを示す。振幅分布に関してRMSEは0.07613、位相分布に関してRMSEは0.00979と高い精度で再構成できていることを確認した。
上記では本発明の効果を説明するために様々な実験結果や検討結果、サンプルの形状等を数値化して示しているが、上記数値化はあくまでも一例であり、対象とする物体の大きさや形状により様々な形状を用いることが可能である。
上述では実際に光強度を取得してそのデータを元に再構成計算を行う過程については図1のシステム制御・処理機能10内のソフトウェアで計算を行うとして図2で説明しているが、例えば、図15のような再計算処理部等の一部、または全部をハードウェアで構成しても良い。図15では、光検出器9で光強度を電気信号化された電気信号に対し、様々な処理を行う。すなわち、電気信号のレベルとして表される輝度や色彩等の補正や電気信号化された画像をより鮮明にするためのエッジ処理や画質改善処理、ノイズ除去処理等を行う画像処理42で適切な値のデータ化を行う。その後、再構成計算43を行い、画像表示処理44を行って対象物体4の画像表示を行う。上述ではホログラム記録媒体に1,024個を記録した場合について記載されているが、より高精度、高速化のためにより多くのホログラムを記録媒体に記録するケースもあるので、この再構成計算部をハードウェアで構成し、処理速度を格段に向上させても良い。
1:物体形状計測装置、2:光学系、3:光源(レーザー)、4:対象物体、5:第一のレンズ、6:ホログラム記録媒体、7:第二のレンズ、8:空間フィルタ、9:光検出器、10:システム制御・処理機能、11:C P U、12:R O M、13:R A M、14:外部メモリ、15:駆動装置、16:表示部、17:システムバス、20:第二の光源、21:第三の光源:22:空間光変調器(S L M)、23:第三のレンズ、24:ホログラムが記録されていない記録媒体、31:レンズL、32:ミラーM、33:対物レンズ、34:ビームエキスパンダー(B E)、35:偏光ビームスプリッター(P B S)、36:半波長板(H W P)、37:絞り、38:無偏光ビームスプリッター(N P B S)、39:ピンホール、40:光電子増倍管(P M T)、41:シャッター、42:画像処理、43:再構成計算、44:画像表示処理

Claims (4)

  1. 光源から出射され、対象物体に入射した単一波長の平行光が当該対象物体を透過または反射した光を収束する第一の光学素子と、
    前記第一の光学素子の焦点位置に配置され、前記第一の光学素子によって収束された光を、参照光と、単位変調素子が二次元配置された二次元空間光変調部によって変調された物体光とによる干渉縞であって、前記単位変調素子の変調状態が互いに異なる複数の変調パターンの干渉縞が配置されたホログラムで回折し出射する記録媒体と、
    前記記録媒体から出射された光を収束する第二の光学素子と、
    前記第二の光学素子の焦点距離に配置され、前記二次元空間光変調部の前記単位変調素子の大きさの開口を有し、前記第二の光学素子によって収束された光のうち一次光前記開口によって透過させる第三の光学素子と、
    前記第三の光学素子を透過した光の強度を検出する光検出部と、
    を備える物体形状測定装置。
  2. 前記変調パターンには、基準位相パターンからの第1の位相差を有する第1の位相変調パターンと、前記第1の位相変調パターンとは前記基準位相パターンからの位相差が異なる第2の位相差を有する第2の位相変調パターンとが含まれ、
    前記ホログラムには、前記第1の位相変調パターンの前記干渉縞が配置された第1の位置と、前記第2の位相変調パターンの前記干渉縞が配置された第2の位置とに、前記干渉縞がそれぞれ配置されている
    請求項1に記載の物体形状測定装置。
  3. 前記光検出部で検出された光の強度に基づいて、信号パターンと前記対象物体の相関を含む複素数値を計算し、計算した前記複素数値に基づいて前記対象物体の複素振幅像を再構成する再構成部と、
    再構成された前記複素振幅像を光伝搬計算することで3次元物体を表示させる表示制御部と、
    をさらに備える請求項1に記載の物体形状測定装置。
  4. 光源から出射され、対象物体に入射した単一波長の平行光が当該対象物体を透過または反射した光を第一の光学素子によって収束することと、
    前記第一の光学素子の焦点位置に配置され、前記第一の光学素子によって収束された光を、参照光と、単位変調素子が二次元配置された二次元空間光変調部によって変調された物体光とによる干渉縞であって、前記単位変調素子の変調状態が互いに異なる複数の変調パターンの干渉縞が配置されたホログラムである記録媒体で回折し出射することと、
    前記記録媒体から出射された光を第二の光学素子によって収束することと、
    前記第二の光学素子の焦点距離に配置され、前記二次元空間光変調部の前記単位変調素子の大きさの開口を有し、前記第二の光学素子によって収束された光のうち一次光を前記開口を有する第三の光学素子によって透過させることと、
    前記第三の光学素子を透過した光の強度を光検出部によって検出することと、
    を有する物体形状測定方法。
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