JP7786938B2 - 中空突起具の製造方法、及び中空突起具 - Google Patents
中空突起具の製造方法、及び中空突起具Info
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Description
特許文献3に記載の技術では、突起部の突出方向に沿って貫通孔が形成される。そのため、貫通孔から放出された剤は前記突出方向に広がってしまい、所望の部位にピンポイントで剤を注液することは困難であった。
特許文献2では、微細中空突起に開孔を形成することについて何ら記載されていない。
したがって、本発明の課題は、所望の部位にピンポイントに注液可能な中空突起具及びその製造方法を提供することにある。
前記中空突起具の製造方法は、熱可塑性樹脂を含む基材シートと、該基材シートよりも、前記開孔手段により加えるエネルギーの吸収率が高い成形補助シートとを積層して積層シートを形成するシート積層工程と、
前記積層シートに、前記成形補助シート側から、加熱部を有する凸型部を当接させ、該積層シートにおける該凸型部の当接部分を熱により軟化させながら、該基材シート側に向けて該凸型部を該積層シートに刺入する突起形成工程と、
前記凸型部を前記積層シートから引き抜くリリース工程と、
前記リリース工程後に行う前記開孔形成工程と、
前記開孔形成工程後に、前記中空突起部と前記成形補助シートとを分離する分離工程とを具備することが好ましい。
前記開孔は、前記中空突起部の側壁を貫通していることが好ましい。
前記開孔は、前記側壁の外面に位置する一方の開口の面積が、該側壁の内面に位置する他方の開口の面積よりも小さいことが好ましい。
図1には、微細な中空突起部を有する中空突起具の一実施形態である、マイクロニードルアレイ1(中空突起具)が示されている。本実施形態のマイクロニードルアレイ1は、シート状の基底部2と複数の中空突起部3とを有し、中空突起部3の側壁31に開孔8が設けられている。中空突起部3は、基底部2から突出し、内部は中空となっている。開孔8は、中空突起部3における中空部を囲み且つ該中空部の頂点位置よりも基底部2側に位置する部分に形成されている。マイクロニードルアレイ1は、基底部2における中空突起部3が形成された部分の反対側に開口しており、開口部7(図3(a)参照)が形成されている。開口部7と中空突起部3の内部空間V(図3(a)参照)とが連通している。中空突起部3の内部空間Vは、中空突起部3の外形形状に対応した円錐状に形成されている。すなわち、中空突起部3の内周面は、中空突起部3の外周面に対応した形状を有している。中空突起部3の形状は、円錐状、円錐台状、円柱状、角柱状、角錐状、角錐台状等の任意の形状とすることができる。
肉厚T1=(r1-r2)/2・・・(1)
r1:外径
r2:内径
例えば、図4に示すように、マイクロニードルアレイ1の中空突起部3を皮膚Sの表皮S1に刺入して該表皮S1に剤を注入すると、該剤は、相対的に開口面積が大きい開口8bから該開孔8に入って、相対的に開口面積が小さい開口8aから放出される。剤が放出される出口となる開口8aの開口面積が相対的に小さいことによって、放出された剤が広がりにくくなるので、剤を表皮S1内にピンポイントに供給することができる。図4には、剤を表皮S1に供給する例を示したが、剤を供給する部位は、表皮S1に限られず、例えば、真皮S2、皮下組織S3、皮下脂肪(図示せず)、筋肉、静脈(図示せず)等であってもよい。特許文献3の突起部の貫通孔のように、一方の開口が突起部の側壁に位置し、他方の開口が基底部に位置していると、該貫通孔が該突起部の突出方向に沿って形成されることになるので、貫通孔から放出された剤は前記突出方向に広がってしまい、所望の部位にピンポイントで剤を注液することは困難である。
中空突起部3の先端部を、走査型電子顕微鏡(SEM)又はマイクロスコープを用いて拡大観察する。観察される中空突起部3の先端部について、図3に示すように、両側辺1a,1bのうちの一側辺1aにおける直線部分に沿って仮想直線ILaを延ばす。これと同様に、他側辺1bにおける直線部分に沿って仮想直線ILbを延ばす。次いで、先端側にて、一側辺1aが仮想直線ILaから離れる箇所を第1先端点1a1として求め、他側辺1bが仮想直線ILbから離れる箇所を第2先端点1b1として求める。このようにして求めた第1先端点1a1と第2先端点1b1とを結ぶ直線の長さLを測定し、これを中空突起部3の先端径Lとする。
基材シート20に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリ脂肪酸エステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)類、ポリ塩化ビニル、ナイロン樹脂、アクリル樹脂等又はこれらの組み合わせが挙げられ、生分解性の観点から、ポリ脂肪酸エステルが好ましく用いられる。ポリ脂肪酸エステルとしては、具体的に、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。
<エネルギーの吸収率の測定方法>
測定対象のシートに、開孔手段により照射するものと同じ波長の光を照射したときに、該シートに入射したエネルギーのうち、該シートで反射したエネルギーと透過したエネルギーとを引いたものが吸収したエネルギーとなる。エネルギーの吸収率は、シートに入射したエネルギーに対するシートが吸収したエネルギーの割合として求める。例えば、入射したエネルギーがUV光の場合、分光光度計等で吸収率を測定する。
凸型部51は、凸型底部52と、凸型底部52から突出する複数の凸型53とを有している。すなわち、凸型部51は、台となる支持体(凸型底部52)と、支持体の一方の面から複数箇所において突出する部分(凸型53)とを有している。かかる形態に限らず、凸型部51は、突出する部分(凸型53)のみからなる構造を有していてもよい。
本実施態様の製造方法では、分離工程後に、得られた連続シートを所定の範囲に切断するカット工程を含んでもよい。カット工程では、連続シートを切断装置によって切断する。これにより、マイクロニードルアレイ1が製造される。切断装置としては、例えば、アンビルとトムソン刃とを備えるものを用いてもよい。
また本実施態様では、リリース工程後に開孔形成工程を行っているので、中空突起部3に開孔8を形成するときに、開孔手段6Aによって凸型部51が傷つけられることを防ぐことができる。
また、本実施態様では、積層シート4における成形補助シート21側から凸型部51を刺入し積層突起44を形成しているので、積層突起44から凸型部51を引き抜いた後も、中空突起部3の内面に沿うように成形補助シート21が配されている。そのため、凸型部51を引き抜いた後の積層突起44に、開孔手段6Aによって貫通孔を形成しても、中空突起部3の形状が維持されやすい。
このように、本実施態様の製造方法は、凸型部51が傷つくことを防ぐことができるとともに、中空突起部3の成形性に優れる。
詳述すると前記加熱温度は、好ましくは30℃以上、更に好ましくは40℃以上であり、そして、好ましくは300℃以下であり、更に好ましくは250℃以下であり、具体的には、好ましくは30℃以上300℃以下であり、更に好ましくは40℃以上250℃以下である。なお、超音波振動装置を用いて積層シート4を加熱する場合においては、凸型53と接触した成形補助シート21の部分の温度範囲として適用される。一方、超音波振動装置の代わりに加熱ヒーター装置を用いて積層シート4を加熱する場合には、凸型部51の加熱温度を上述した範囲で調整すればよい。なお、ガラス転移温度(Tg)の測定方法は、以下の方法によって測定され、軟化温度の測定方法は、JIS K-7196「熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機械分析による軟化温度試験方法」に従って行う。
DSC測定器を使用して熱量の測定を行い、ガラス転移温度を求める。具体的に、測定器はPerkin Elmer社製の示差走査熱量測定装置(Diamond DSC)を使用する。基材シートから試験片10mgを採取する。測定条件は20℃で5分間維持した後に、20℃から320℃まで、5℃/分で昇温させ、横軸温度、縦軸熱量のDSC曲線を得る。そして、このDSC曲線からガラス転移温度Tgを求める。
また、前記「基材シートの軟化温度」についてもガラス転移温度(Tg)と同様であり、即ち、基材シートの構成樹脂が複数種存在する場合においてそれら複数種の軟化温度が互いに異なる場合、前記加熱手段による基材シートの加熱温度は、少なくともそれら複数の軟化温度のうち最も低い軟化温度以上であることが好ましく、それら複数の軟化温度のうち最も高い軟化温度以上であることがさらに好ましい。「成形補助シートの軟化温度」についても同様である。
また、基材シート又は成形補助シートが融点の異なる2種以上の樹脂を含んで構成されている場合、前記加熱手段による積層シート4の加熱温度は、それら複数の融点のうち最も低い融点未満であることが好ましい。
凸型部51の凸型53は、その根本径D2が、好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.2mm以上であり、そして、好ましくは5mm以下であり、更に好ましくは3mm以下であり、具体的には、好ましくは0.1mm以上5mm以下であり、更に好ましくは0.2mm以上3mm以下である。凸型部51の凸型53は、十分な強度が得られ易くなる観点から、その先端角度βが、好ましくは1度以上、更に好ましくは5度以上である。そして、先端角度βは、適度な角度を有する中空突起部3を得る観点から、好ましくは60度以下であり、更に好ましくは45度以下であり、具体的には、好ましくは1度以上60度以下であり、更に好ましくは5度以上45度以下である。凸型部51の先端角度βは、以下のようにして測定する。
凸型部51の凸型53の先端部を、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率に拡大した状態で観察する。次に、図6に示すように、両側辺11a,11bの内の一側辺11aにおける直線部分に沿って仮想直線ILcを延ばし、他側辺11bにおける直線部分に沿って仮想直線ILdを延ばす。そして、先端側にて、一側辺11aが仮想直線ILcから離れる箇所を第1先端点11a1として求め、他側辺11bが仮想直線ILdから離れる箇所を第2先端点11b1として求める。このようにして求めた第1先端点11a1と第2先端点11b1とを結ぶ直線の長さD1を、走査型電子顕微鏡又はマイクロスコープを用いて測定し、測定した該直線の長さを、凸型53の先端径とする。
凸型部51の凸型53の先端部を、走査型電子顕微鏡もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率拡大した状態で、例えば、図6に示す画像のように観察する。次に、図6に示すように、両側辺11a,11bの内の一側辺11aにおける直線部分に沿って仮想直線ILcを延ばし、他側辺11bにおける直線部分に沿って仮想直線ILdを延ばす。そして、仮想直線ILcと仮想直線ILdとのなす角を、走査型電子顕微鏡又はマイクロスコープを用いて測定し、測定した該なす角を、凸型部51の凸型53の先端角度βとする。
凸型部51としては、1個の円錐状の凸型53を有しているものを用意した。凸型53は、その高さ(テーパー部の高さ)H2が2.5mmであり、その先端径D1が15μmであり、その根本径D2が0.5mmであり、その先端角度βが11度であった。
(2)製造装置の備える開孔手段6Aの準備
開孔手段6Aとしては、UVレーザー装置を用い、波長355nmのUVレーザー光を照射した。
図7(a)~(g)に示す順序で、実施例1の中空突起具を製造した。基材シート20としては、PLAからなる、厚さ0.4mmのシートを用いた。成形補助シート21としては、PETからなる、厚さ0.4mmのシートを用いた。開孔形成工程においては、積層突起44の先端からの位置を300μm、レーザー光6Lのレーザー出力を2W、レーザー光6Lの照射時間を2ミリ秒、刺入方向ILeと傾斜する方向ILfとのなす角θを30度とした。
突起形成工程において、積層シート4における基材シート20としては、PETからなる、厚さ0.4mmのシートを用いた。成形補助シート21としては、PLAからなる、厚さ0.4mmのシートを用いた。つまり、比較例1の突起形成工程では、基材シート20として用いるシートと、成形補助シート21として用いるシートとを、実施例1とは反対にした。これら以外は、実施例1と同様にして中空突起具を製造した。
実施例1において、成形補助シート21として、PLAからなる、厚さ0.4mmのシートを用いた。つまり、比較例2のシート積層工程では、エネルギーの吸収率が同じシートどうしを重ねた。また開孔形成工程において、レーザー光6Lの照射時間を20ミリ秒に変更した。分離工程においては、突起形成工程で形成された突起の外面側に位置する基材シート20から、該突起の内面側に位置する成形補助シート21を分離した。
(分離のしやすさの評価基準)
〇:中空突起具と成形補助シートとを、該中空突起具の内面に成形補助シートとの溶着痕がない状態で分離できた場合
×:中空突起具と成形補助シートとを分離できるが、分離した中空突起具の内面に成形補助シートとの溶着痕が付いた場合、又は中空突起具と成形補助シートとを分離できなかった場合
また比較例2においては、分離のしやすさの評価結果が「×」であった。より具体的には、基材シート20と成形補助シート21との界面が熱融着しており、該シート20,21どうしを剥離することが困難であった。また剥離した基材シート20における内面に成形補助シート21との溶着痕が付いており、該内面が荒れている様子が確認できた(表1の比較例2のA-A線断面図参照)。また剥離した成形補助シート21における外面に基材シート20との溶着痕が付いており、該外面が荒れている様子が確認できた(表1の比較例2の正面図及び左側面図参照)。
2 基底部
3 中空突起部
31 側壁
6A 非接触の開孔手段
6L レーザー光
7 開口部
8 開孔
20 基材シート
21 成形補助シート
51 凸型部
52 凸型底部
53 凸型
100 製造装置
V 内部空間
Y1 搬送方向
Z 高さ方向
Claims (4)
- 微細な中空突起部の側壁に、非接触式の開孔手段により該側壁を貫通する開孔を形成する開孔形成工程を有する、中空突起具の製造方法であって、
製造する前記中空突起具は、開孔を有する微細な中空突起部を備え、該開孔は、該中空突起部の側壁を貫通し、該側壁の外面に位置する一方の開口の面積が、該側壁の内面に位置する他方の開口の面積よりも小さくなっており、
熱可塑性樹脂を含む基材シートと、該基材シートよりも、前記開孔手段により加えるエネルギーの吸収率が高い成形補助シートとを積層して積層シートを形成するシート積層工程と、
前記積層シートに、前記成形補助シート側から、加熱部を有する凸型部を当接させ、該積層シートにおける該凸型部の当接部分を熱により軟化させながら、該基材シート側に向けて該凸型部を該積層シートに刺入する突起形成工程と、
前記凸型部を前記積層シートから引き抜くリリース工程と、
前記リリース工程後に行う前記開孔形成工程と、
前記開孔形成工程後に、前記中空突起部と前記成形補助シートとを分離する分離工程とを具備しており、
前記非接触式の開孔手段が、レーザー光の照射であり、
前記成形補助シートの構成材料として、前記レーザー光の吸収率が、前記基材シートの構成材料の吸収率よりも高いものを用い、
前記成形補助シートに含まれる熱可塑性樹脂として、その融点が、前記基材シートに含まれる熱可塑性樹脂の融点よりも高いものを用いる、中空突起具の製造方法。 - 前記成形補助シートとして、前記基材シートと熱溶着しないものを用いる、請求項1に記載の中空突起具の製造方法。
- 前記成形補助シートに含まれる熱可塑性樹脂として、そのガラス転移点が、前記基材シートに含まれる熱可塑性樹脂のガラス転移点よりも高いものを用いる、請求項1又は2に記載の中空突起具の製造方法。
- 前記凸型部を超音波振動させて前記積層シートを加熱する、請求項1~3の何れか一項に記載の中空突起具の製造方法。
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