JP7787402B2 - パネル材及びパネル材の製造方法 - Google Patents
パネル材及びパネル材の製造方法Info
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Description
まず、本実施形態に係るパネル材10を、図1~図6を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係るパネル材10は、リップ溝形鋼12と、上側のフランジ12Bに接合された面材14と、下側のフランジ12Bに接合された面材22と、を有する。上側の面材14と下側の面材22との間には、充填部材24が配置されている。なお、図1中では、リップ溝形鋼12の見易さのため、面材14,22の一部が例示的に分断されている。
リップ溝形鋼12は、ウェブ12Aと一対のフランジ12Bと一対のリップ12Cとを有する。リップ溝形鋼12は、一枚の鋼板から、例えば折り曲げ成形によって作製できる。本開示では、鋼板の板厚は、2.3mm以下である。
本実施形態では、一対のリップ12Cのリップ長さLは、互いに等しいが、本開示では、一対のリップのリップ長さが、互いに異なってもよい。「リップ長さL」は、図4(B)に示すように、リップ溝形鋼12の材軸方向Dに直交する断面中で測ったリップ12Cの最大長さである。また、図4(B)中の上下に位置する一対のフランジ12Bのフランジ幅についても、互いに異なってもよい。
図2(A)に示すように、面材14は、板面を正面から見て、矩形状の建築部材である。面材14は、例えば、板状の下地部材や石膏ボード等である。本実施形態では、面材14は、外壁材であるが、本開示では、これに限定されず、例えば床材等の他のパネル材であってよい。また、本実施形態では、面材は、一対のフランジ12Bの両方に接合された場合が例示されたが、本開示では、これに限定されず、図1中の上側のフランジ12Bのみに接合されてもよいし、下側のフランジ12Bのみに接合されてもよい。
本実施形態では、充填部材24は、例えばグラスウールやセルロースファイバー等の断熱材であるが、本開示では、これに限定されず、適宜変更できる。また、本開示では、充填部材は、必須ではない。
接合部材20は、例えばビス等であって、フランジ12Bと面材14とを接合する建築部材である。図2(A)中には、面材14の板面を正面から見て、複数の接合部材20がリップ溝形鋼12の材軸方向(図2(A)中の上下方向に延びるZ方向)に沿って直線状に複数配置された2つの列がフランジ幅方向に間を空けて並列配置された状態が例示されている。なお、本開示では、列の個数は、2つ以上、任意に設定できる。
図4(A)に示すように、本実施形態では、ウェブ12Aに、材軸方向Dに沿ってほぼ等しい間隔Gで直線状に配置された複数のスリット16が含まれる列が設けられる。複数のスリット16は、溝形鋼の断熱性能を向上させる孔である。複数のスリット16が含まれる列は、図4(A)中の上下方向に沿ってほぼ等しい間隔Gで3列形成される。なお、「材軸方向D」は、リップ溝形鋼12のウェブ12Aとフランジ12Bとが、図4(A)中の左右方向に沿って延びる方向である。すなわち、材軸方向Dは、長手方向と等しい。
本実施形態では、ウェブ12Aにおいて、1つの列中で隣接する、一定の長さMを有する直線状のスリット16同士の材軸方向Dの間隔Gが形成される部分に、ウェブ12Aの板部材を高さ方向に結合する結合部18が構成される。
本開示では、スリット率は、ウェブ12Aにおける材軸方向Dで隣接するスリット16の間隔Gの和をスリット16の長さMの和で除して定義される。なお、本開示では、「スリットの間隔」には、2つのスリットに挟まれた位置に形成される間隔と、材軸方向のウェブの端部で1つのスリットと端部との間に形成される間隔との両方が含まれる。
図6中には、有限要素数値解析(FEM)を用いて異なるスリット率を有するリップ溝形鋼12の低伝熱形鋼を用いたパネル材の熱貫流率を解析した結果から算出された熱貫流率低下率が例示されている。具体的には、結合部18の配置パターンが直列配置であるリップ溝形鋼12の解析モデルの熱貫流率低下率と、結合部18の配置パターンが千鳥配置であるリップ溝形鋼12の解析モデルの熱貫流率低下率とが、それぞれ例示されている。
次に、本実施形態に係る接合部材20の配置パターンについて具体的に説明する。図2(B)中には、フランジ幅方向の中心を通って垂直に伸びる中心線Cが例示されている。図2(B)に示すように、本実施形態では、2列並列配置された接合部材20は、フランジ幅方向の中心を挟み、中心には配置されない。なお、本開示では、接合部材20は、フランジ幅方向の中心に配置されてもよい。
本実施形態に係る接合部材20の配置パターンが形成されたパネル材の製造方法としては、リップ溝形鋼のフランジと、フランジの上に重ねられた面材14とを、面材14の板面を正面から見て、複数の接合部材20が、千鳥配置された状態で接合すればよい。或いは、複数の接合部材20が、リップ溝形鋼の材軸方向に沿って直線状に複数配置された2つの列がフランジ幅方向に間を空けて並列配置された状態で接合しても、本実施形態に係る接合部材20の配置パターンが形成されたパネル材を製造できる。
実施例1では、FEMを用いて、リップ溝形鋼12の面外方向に沿って加えられた圧縮力を模擬するため強制変位を生じさせた解析を実行した。
次に、実施例2では、接合部材20の材軸方向Dの接合間隔を変化させた場合のリップ溝形鋼12の最大曲げ耐力について、FEMを用いて解析した。
実施例3では、接合部材20が2列並列配置である場合における、フランジ幅方向の列間隔をパラメータとした解析を行った。実施例3の解析モデルの断面形状は、実施例2と同様である。実施例3の材軸方向Dの接合間隔Dxは、150mmに設定した。なお、実施例3の材軸方向Dの接合間隔Dxは、図11中に例示した接合間隔Dxと同様に定義される。
実施例4では、板厚tの影響を確認するため、板厚tをパラメータとしたFEAを実施した。具体的には、接合部材20が2列並列配置である実施例2と同様の解析モデルを設定し、板厚tを、1.2mm、1.6mm、2.3mmの場合の3種類を用意した。そして、実施例2と同様の基準モデルを用いて、それぞれの最大曲げ耐力上昇率を算出した。
実施例5では、接合部材20の配置パターンが千鳥配置である場合の接合間隔と最大曲げ耐力上昇率との関係の解析を、板厚tを変化させて行った。具体的には、接合部材20が千鳥配置である実施例2と同様の解析モデルを設定し、板厚tを、1.2mm、1.6mm、2.3mmの場合の3種類を用意した。そして、実施例2と同様の基準モデルを用いて、それぞれの最大曲げ耐力上昇率を算出した。
実施例6では、リップ溝形鋼12のリップ長さLが、必要リップ長さである場合と、有効リップ長さである場合とに分けて、それぞれの最大曲げ耐力上昇率を比較した。具体的には、実施例2と同様に、接合部材20が2列並列配置である場合と千鳥配置である場合との2種類の解析モデルとを設定した。そして、それぞれの種類において、リップ長さLが必要リップ長さである解析モデルと、有効リップ長さである解析モデルとを用意した。そして、実施例2と同様の基準モデルを用いて、それぞれの最大曲げ耐力上昇率を算出した。
ここで、必要リップ長さは、「薄板軽量形鋼造建築物設計の手引き 第2版」(一般社団法人 日本鉄鋼連盟)P.83の記載に基づき、以下の計算式によって定義される。
Cmin:必要リップ長さ[mm]
b:リップ溝形鋼等のフランジの板要素の幅[mm]
F: リップ溝形鋼のF値[N/mm2]
t:リップ溝形鋼の板厚[mm]
また、有効リップ長さは、「薄板軽量形鋼造建築物設計の手引き 第2版」(一般社団法人 日本鉄鋼連盟)P.56の表3.4.4.中に記載の「リップの有効幅」と同じである。具体的には、下記の計算式によって定義される。
有効リップ長さ[mm]=(240/√F)×t
図18に示すように、本実施形態の変形例に係るパネル材のリップ溝形鋼では、2列並列配置された接合部材20の2つの列の間に設定される補助位置に、接合部材20が、材軸方向Dに沿って複数配置されてもよい。補助位置は、フランジ幅方向(図18中の上下方向)の列間隔を2等分し、かつ、材軸方向D(図18中の左右方向)の接合間隔Dxを2等分する。
実施例7では、図18中に例示された変形例に係るリップ溝形鋼の最大曲げ耐力上昇率について解析を行った。具体的には、実施例7の解析モデルでは、図11(A)中に例示された2列並列配置である実施例2の解析モデルと同様の解析モデルにおいて、並列配置された接合部材20の2列の間でフランジ12Bのフランジ幅方向の中央位置に、補助位置が追加で設定された。
本実施形態では、図10に示したように、複数の接合部材20が、2列並列配置である場合、接合部材20が1列配置された場合と比べ、リップ溝形鋼12の曲げ耐力が上昇することが分かった。また、複数の接合部材20が千鳥配置された場合、接合部材20が1列配置された場合と比べ、接合部材20の個数が同じであっても、リップ溝形鋼12の曲げ耐力が上昇することが分かった。
本開示は、上記の実施形態によって説明されたが、この説明は、本開示を限定するものではない。本開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになると考えられるべきである。
10Z パネル材
12 リップ溝形鋼(フレーム材)
12A ウェブ
12B フランジ
12C リップ
14 面材
16 スリット
18 結合部
20 接合部材
22 面材
24 充填部材
C 中心線
Dx 接合間隔
D 材軸方向
G 間隔
HW ウェブ高さ
L リップ長さ
M スリットの長さ
WF フランジ幅
t 板厚
δx 変位
δy 変位
Claims (4)
- ウェブと一対のフランジと一対のリップとを有し、溝形鋼の断熱性能を向上させ、かつ、前記フランジに加わる曲げ荷重に対し前記ウェブの局所変形を生じさせる孔が前記ウェブに設けられたリップ溝形鋼と、
面材と、
少なくとも一方の前記フランジの外面と前記面材とを接合する複数の接合部材であって、前記面材の板面を正面から見て、千鳥配置された複数の接合部材と、
を有するパネル材。 - 前記リップ溝形鋼の板厚は、1.6mm以下であり、
千鳥配置された前記複数の接合部材において、前記リップ溝形鋼の材軸方向に沿って隣接する前記接合部材の間隔は、200mm以下である、
請求項1に記載のパネル材。 - 前記孔は、スリットであり、
前記リップ溝形鋼の材軸方向における前記スリットの間隔の和を前記スリットの長さの和で除して定義されるスリット率は、5%以上、20%以下である、
請求項1又は2に記載のパネル材。 - ウェブと一対のフランジと一対のリップとを有し、溝形鋼の断熱性能を向上させ、かつ、前記フランジに加わる曲げ荷重に対し前記ウェブの局所変形を生じさせる孔が前記ウェブに設けられたリップ溝形鋼の少なくとも一方の前記フランジと、少なくとも一方の前記フランジの外面上に重ねられた面材とを、前記面材の板面を正面から見て、複数の接合部材が、千鳥配置された状態で接合する、
パネル材の製造方法。
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