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JP7787751B2 - 電力システム - Google Patents
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JP7787751B2 - 電力システム - Google Patents

電力システム

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Description

本発明は、電力システムに関する。
充放電可能なバッテリと太陽電池を組み合わせた電力システムにおいて、太陽電池パネルに接続されているパワー・コンディショナ・システム(PCS:Power Conditioning System)からの有効電力出力量とバッテリに接続されている電力制御システムからの充放電量を調整することで電力系統側からの出力抑制指令に追従させることを可能とした構成が開示されている(非特許文献1)。
また、容量が大きく出力が小さい容量型バッテリと容量に対する出力の値が大きいパワー型バッテリの2種類のバッテリを採用した複合型の蓄電貯蔵システムが開示されている(特許文献1)。容量型バッテリはリチウムイオン(Li-ion)、ニッケル水素、(Ni-MH)、鉛バッテリ等とされ、パワー型バッテリはキャパシタ等とされている。蓄電貯蓄システムにおいて2種類のバッテリを使用することによって、バッテリが充放電を行う過程において容量劣化が加速する高SOC領域(例えば80%以上)や低SOC領域(例えば20~30%以下)を避けてSOCが50%近傍の領域で動作させることが可能になる。また、電力系統が瞬時的に高電力を必要とする状況下では主にパワー型バッテリから出力し、低出力ではあるが長時間電力を必要とする状況下では主に容量型バッテリから出力する等、用途に応じて種類の異なるバッテリの使い分けができる。
特開2019-198149号公報
Hikaru Akutsu, Kenji Hirata, Akihiro Ohori, Nobuyuki Hattori and Yoshito Ohta,"Decentralized Control Approach to Power Curtailment Instruction problem for PV Generation Plants with Storage",2017 11th Asian Control Conference (ASCC).
ところで、非特許文献1における電力システムでは、電力会社からのシステム要求電力に追従させることは可能であるが、複数の異種バッテリにおいて高容量・低出力型バッテリと低容量・高出力型バッテリのそれぞれの特性を活かした制御ができない。
また、特許文献1における蓄電貯蓄システムでは、特性の異なる異種バッテリを効率的に動作させることは可能であるが、主にシステムを管理する中央サーバがバッテリの情報(SOC等)に基づいてすべてのバッテリの出力を決定する集中制御方式を採用している。特許文献1には、「集中制御方式の代わりに、個々のバッテリ出力を分散制御する方式を採用しても良い」と記載されているが、どのような分散制御方式で制御を行うのか、目標追従性は確保されているのか等の具体的な記載はない。すなわち、分散制御については何ら示唆されておらず、システムの効率的な運用をどのように行うのか不明である。
本発明の1つの態様は、第1バッテリと、前記第1バッテリより低容量及び高出力の第2バッテリと、を含み、システム要求電力値と前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの総入出力電力値との差分値を小さくするように前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの入出力電力を制御する、電力システムであって、前記第1バッテリのSOCと、前記システム要求電力値における長周期成分及び前記差分値における長周期成分と、の関係に応じて前記第1バッテリの入出力電力を制御し、前記第2バッテリのSOCと、前記システム要求電力値及び前記差分値と、の関係に応じて前記第2バッテリの入出力電力を制御することを特徴とする電力システムである。
ここで、前記システム要求電力値における長周期成分及び前記差分値における長周期成分が放電要求時を示している場合、前記第1バッテリのSOCが大きいほど前記第1バッテリからの出力電力が大きくなるように制御を行うことが好適である。
また、前記システム要求電力値における長周期成分及び前記差分値における長周期成分が充電要求時を示している場合、前記第1バッテリのSOCが大きいほど前記第1バッテリへの入力電力が小さくなるように制御を行うことが好適である。
また、前記第1バッテリのSOCに応じて、前記第1バッテリの入出力電力に制限をかけることが好適である。
また、前記システム要求電力値及び前記差分値が放電要求時を示している場合、前記第2バッテリのSOCが大きいほど前記第2バッテリからの出力電力が大きくなるように制御を行うことが好適である。
また、前記システム要求電力値及び前記差分値が充電要求時を示している場合、前記第2バッテリのSOCが大きいほど前記第2バッテリへの入力電力が小さくなるように制御を行うことが好適である。
また、前記第2バッテリのSOCに応じて、前記第2バッテリの入出力電力に制限をかけることが好適である。
また、前記第2バッテリのSOCの変動が所定の変動範囲に収まるように前記第2バッテリの入出力を制限することが好適である。
また、前記システム要求電力値における長周期成分及び前記差分値における長周期成分を抽出するローパスフィルタを備えることが好適である。
本発明によれば、異なる種類のバッテリの特性を生かしつつ、総出力をシステム要求電力に追従させることができる。
本発明の実施の形態における電力システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態における電力システムの制御ロジックを示す図である。 本発明の実施の形態における電力システムの制御方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における第1バッテリの制御方法を示すフローチャートである。 バッテリモデルを説明する図である。 本発明の実施の形態におけるゲインの設定方法を説明する図である。 本発明の実施の形態における出力指令値の設定方法を説明する図である。 本発明の実施の形態における第2バッテリの制御方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における充放電要求量の設定方法を説明する図である。 本発明の実施例におけるシステム要求電力のパターンを説明する図である。 本発明の実施例におけるシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例におけるシミュレーション結果を示す図である。
本発明の実施の形態における電力システム100は、図1に示すように、電力系統10、パワー・コンディショナ・システム(PCS)12、第1バッテリ14及び第2バッテリ16を含んで構成される。電力システム100は、電力系統10側から要求される電力(システム要求電力)に応じて、パワー・コンディショナ・システム12の制御によって2種類の第1バッテリ14及び第2バッテリ16に対して適切に出力電力を分配して出力する。すなわち、中央サーバ等から集中制御を行うことなく、電力システム100に設けられたパワー・コンディショナ・システム12によって分散的に電力制御が行われる。
電力システム100は、定置用の蓄電システムとしての運用のみならず、電気自動車、ハイブリッド自動車、航空機等の移動体の電力システムとしても運用することができる。
本実施の形態では、第1バッテリ14は、高容量及び低出力型のバッテリとする。また、第2バッテリ16は、第1バッテリ14よりも低容量及び高出力型のバッテリとする。例えば、第1バッテリ14は、リチウムイオン(Li-ion)バッテリとすることができる。また、例えば、第2バッテリ16は、ニッケル水素(Ni-MH)バッテリとすることができる。なお、本実施の形態では、2つの第2バッテリ16a及び第2バッテリ16bを設けた構成例としている。
ただし、第1バッテリ14及び第2バッテリ16の種類及び個数は、これらに限定されるものではなく、必要に応じて他の種類のバッテリを採用したり、個数を変更したりしてもよい。
図2は、電力システム100において第1バッテリ14及び第2バッテリ16の総出力をシステム要求電力Pに追従させるための制御ロジックを示す。パワー・コンディショナ・システム12は、当該制御ロジックに基づいて電力システム100における電力の供給や充電を制御する。図3は、本実施の形態における電力システム100の制御方法を示すフローチャートである。
ステップS10では、電力系統からのシステム要求電力Pと時定数Tに基づいて、数式(1)に基づいてシステム全体の出力目標電力Pcrを決定する。ここで、時定数Tは、電力伝達や計測を考慮した遅れの時定数である。
ステップS12では、第1バッテリ14及び第2バッテリ16から電力系統10へ供給される供給電力Pcoの計測が行われる。ここで、供給電力Pcoは、第1バッテリ14及び第2バッテリ16の総出力電力P並びに時定数Tと数式(2)の関係がある。
なお、第1バッテリ14及び第2バッテリ16の総出力電力Pは、数式(3)によって算出することができる。ここで、第1バッテリ14の出力電力PLi、第2バッテリ16aの出力電力PNi-1、第2バッテリ16bの出力電力PNi-2である。
ステップS14では、数式(4)を用いて出力目標電力Pcrと供給電力Pcoとの差分である電力差分値eを算出する。電力システム100における制御は、供給電力Pcoを出力目標電力Pcrに追従させることであり、すなわち電力差分値eを最小にすることである。
ステップS16では、高容量の第1バッテリ14におけるSOCが緩やかに変化するようにシステム要求電力Pの長周期成分に対応させるため、電力差分値eの長周期成分eとシステム要求電力Pの長周期成分Prlを抽出する。長周期成分の抽出は、図2に示すように、例えばローパスフィルタを用いることができる。ここで、長周期とは、10分以上の周期とすることが好適である。高容量の第1バッテリ14における長周期成分に対する処理については後述する。
ステップS18では、システム要求電力Pの短周期成分に加えて、高容量の第1バッテリ14における長周期成分に対する制御によって入出力できなかった不足分に対応させるために第1バッテリ14に対して低容量の第2バッテリ16の制御を行う。ここで、短周期とは、ステップS16における長周期未満の周期とすることが好適である。低容量の第2バッテリ16における短周期成分に対する処理については後述する。
電力システム100の制御を続ける場合、ステップS10~ステップS18の処理を繰り返す。
<長周期成分の処理>
図4は、メインルーチンのステップS16において、第1バッテリ14を長周期制御する際の制御方法を示す。電力差分値eの長周期成分e及びシステム要求電力Pの長周期成分Prlを用いて第1バッテリ14を以下のように制御する。
ステップS20では、電力差分値eの長周期成分e及びシステム要求電力Pの長周期成分Prlを取得する。
ステップS22では、第1バッテリ14のSOCを算出する。バッテリのSOCは、図5に示すバッテリモデルに基づいて算出することができる。すなわち、バッテリの出力電圧Vは、バッテリの開放電圧Vo、内部抵抗R及び出力電流Iを用いて数式(5)によって算出される。また、バッテリの電力Pと出力電流V及び出力電流Iとの関係は数式(6)で表される。
そして、バッテリのSOCは数式(7)によって表される。ここで、バッテリの容量C、時刻tにおいてバッテリに蓄積されている電気量Q(t)、初期SOCをSOC(0)とする。
ステップS24では、システム要求電力Pの長周期成分Prlの正負号、電力差分値eの長周期成分e及び第1バッテリ14のSOCに基づいてゲインKLiを決定する。ゲインKLiは、図6の設定方法に示すように、システム要求電力Pの長周期成分Prlの正負号、すなわち放電要求時であるか充電要求時であるかに応じて場合分けされて決定される。
システム要求電力Pの長周期成分Prlが正のとき、すなわち放電要求時のときには、第1バッテリ14のSOCが所定の下限値以下ではゲインKLiを0とする。これによって、バッテリの容量劣化抑制のために低SOC状態である第1バッテリ14からの放電は停止される。第1バッテリ14のSOCが下限値より大きく、上限値未満ではSOCが増加するにつれてゲインKLiを増加させる。例えば、第1バッテリ14のSOCに比例させてゲインKLiを増加させる。これによって、複数のバッテリ間のSOCが均一になるようにSOCが高いバッテリほど放電出力が大きくなる。第1バッテリ14のSOCが上限値以上ではゲインKLiを上限値に設定する。これによって、バッテリの容量劣化抑制のために高SOC状態である第1バッテリ14からの出力はゲインKLiで決定される上限値に制限される。
システム要求電力Pの長周期成分Prlが負のとき、すなわち充電要求時のときには、第1バッテリ14のSOCが上限値以上のときはゲインKLiを0とする。これによって、バッテリの容量劣化抑制のために高SOC状態である第1バッテリ14への充電は停止される。第1バッテリ14のSOCが上限値より小さく下限値より大きい場合ではSOCが低下するにつれてゲインKLiを増加させる。例えば、第1バッテリ14のSOCの減少に比例させてゲインKLiを増加させる。これによって、複数のバッテリ間のSOCが均一になるようにSOCが低いバッテリほど充電入力が大きくなる。第1バッテリ14のSOCが下限値以下ではゲインKLiを上限値に設定する。これによって、バッテリの容量劣化抑制のために低SOC状態である第1バッテリ14への充電入力はゲインKLiで決定される上限値に制限される。
なお、SOCの上限値及び下限値は、放電要求時及び充電要求時において同じ値としてもよいし、それぞれ異なる値に設定してもよい。また、SOCの上限値及び下限値は、バッテリ毎にそれぞれ異なる値に設定してもよい。
ステップS26では、切替変数ψLiが算出される。すなわち、数式(8)を時間積分することによって切替変数ψLiを算出する。なお、ステップS24の処理によって、第1バッテリ14のSOCが上限値又は下限値に到達した場合には切替変数ψLiは制限される。
ステップS28では、第1バッテリ14への出力指令値σLi(ψLi)が決定される。出力指令値σLi(ψLi)は、図7の決定方法に示すように、バッテリの入出力過多を抑制し、計測された供給電力Pcoをシステム全体の出力目標電力Pcrに追従させるためにシステム要求電力Pの長周期成分Prlの正負号、すなわち放電要求時であるか充電要求時であるかに応じて場合分けされて決定される。
システム要求電力Pの長周期成分Prlが正のとき、すなわち放電要求時のときには、切替変数ψLiが0以下では出力指令値σLi(ψLi)を0に設定する。すなわち、バッテリが出力過多であり、切替変数ψLiが負になると出力指令値σLi(ψLi)を0に設定することで第1バッテリ14からの放電を停止する。切替変数ψLiが0より大きく所定の上限値未満では、切替変数ψLiが増加するにつれて出力指令値σLi(ψLi)を増加させる。例えば、切替変数ψLiに比例させて出力指令値σLi(ψLi)を増加させる。これによって、切替変数ψLiに応じた第1バッテリ14の放電出力が得られる。切替変数ψLiが上限値以上では出力指令値σLi(ψLi)を上限値に設定する。これによって、バッテリの出力不足が継続を避けることができる。出力指令値σLi(ψLi)を上限値は、バッテリの容量の劣化を抑制できる値に設定することが好適である。また、出力指令値σLi(ψLi)の上限値は、発熱による回路障害を抑制できる値に設定することも好適である。
システム要求電力Pの長周期成分Prlが負のとき、すなわち充電要求時のときには、切替変数ψLiが0以上では出力指令値σLi(ψLi)を0に設定する。すなわち、バッテリが充電過多であり、切替変数ψLiが正になると出力指令値σLi(ψLi)を0に設定することで第1バッテリ14への充電を停止する。切替変数ψLiが0より小さく所定の下限値より大きい場合、切替変数ψLiが減少するにつれて出力指令値σLi(ψLi)を減少させる。例えば、切替変数ψLiの減少に比例させて出力指令値σLi(ψLi)を減少させる。これによって、切替変数ψLiに応じた第1バッテリ14への充電入力が得られる。切替変数ψLiが下限値以下では出力指令値σLi(ψLi)を下限値に設定する。これによって、バッテリの充電過多の継続を避けることができる。出力指令値σLi(ψLi)の下限値は、バッテリの容量の劣化を抑制できる値に設定することが好適である。
ステップS30では、出力指令値σLi(ψLi)に応じて第1バッテリ14を制御する。すなわち、ステップS28において設定された出力指令値σLi(ψLi)に対応するように第1バッテリ14に対する充放電が制御される。システム要求電力Pの長周期成分Prlが正のとき、すなわち放電要求時のときには、第1バッテリ14からの放電は0から出力指令値σLi(ψLi)の上限値に対応する出力電力PLi-outの範囲において放電制御が行われる。システム要求電力Pの長周期成分Prlが負のとき、すなわち充電要求時のときには、第1バッテリ14への充電は0から下限値に対応する充電電力PLi-inの範囲において充電制御が行われる。この充放電制御を行うための第1バッテリ14の電流値は、数式(5)及び数式(6)を用いて算出することができる。また、第1バッテリ14の充放電によるSOCの変化は数式(7)にて算出される。当該SOCの算出値は、ステップS24の処理にフィードバックされる。
なお、本実施の形態では第1バッテリ14を1つ設けた構成としたが、複数の第1バッテリ14を設けた場合にはバッテリ毎に上記処理を行えばよい。
<短周期成分の処理>
図8は、メインルーチンのステップS18において、第2バッテリ16を短周期制御する際の制御方法を示す。システム要求電力P及び電力差分値eを用いて第2バッテリ16を以下のように制御する。
ステップS32では、システム要求電力P及び電力差分値eを取得する。ステップS34では、第2バッテリ16のSOCを算出する。バッテリのSOCは、上記の長周期成分の処理と同様に算出することができる。
ステップS36では、システム要求電力Pの正負号、電力差分値e及び第2バッテリ16のSOCに基づいてゲインKNiを決定する。ゲインKNiは、図6の設定方法に示すように、システム要求電力Pの正負号、すなわち放電要求時であるか充電要求時であるかに応じて場合分けされて決定される。
システム要求電力Pが正のとき、すなわち放電要求時のときには、第2バッテリ16のSOCが所定の下限値以下ではゲインKNiを0とする。これによって、バッテリの容量劣化抑制のために低SOC状態である第2バッテリ16からの放電は停止される。第2バッテリ16のSOCが下限値より大きく、上限値未満ではSOCが増加するにつれてゲインKNiを増加させる。例えば、第2バッテリ16のSOCに比例させてゲインKNiを増加させる。これによって、複数のバッテリ間のSOCが均一になるようにSOCが高いバッテリほど放電出力が大きくなる。第2バッテリ16のSOCが上限値以上ではゲインKNiを上限値に設定する。これによって、バッテリの容量劣化抑制のために高SOC状態である第2バッテリ16からの出力はゲインKNiで決定される上限値に制限される。
システム要求電力Pが負のとき、すなわち充電要求時のときには、第2バッテリ16のSOCが上限値以上のときはゲインKNiを0とする。これによって、バッテリの容量劣化抑制のために高SOC状態である第2バッテリ16への充電は停止される。第2バッテリ16のSOCが上限値より小さく下限値より大きい場合ではSOCが低下するにつれてゲインKNiを増加させる。例えば、第2バッテリ16のSOCの減少に比例させてゲインKNiを増加させる。これによって、複数のバッテリ間のSOCが均一になるようにSOCが低いバッテリほど充電入力が大きくなる。第2バッテリ16のSOCが下限値以下ではゲインKNiを上限値に設定する。これによって、バッテリの容量劣化抑制のために低SOC状態である第2バッテリ16への充電入力はゲインKNiで決定される上限値に制限される。
なお、SOCの上限値及び下限値は、放電要求時及び充電要求時において同じ値としてもよいし、それぞれ異なる値に設定してもよい。また、SOCの上限値及び下限値は、バッテリ毎にそれぞれ異なる値に設定してもよい。
ステップS38では、切替変数ψNiが算出される。すなわち、数式(9)を時間積分することによって切替変数ψNiを算出する。なお、ステップS36の処理によって、第2バッテリ16のSOCが上限値又は下限値に到達した場合には切替変数ψNiは制限される。
ステップS40では、第2バッテリ16への出力指令値σNi(ψNi)が決定される。出力指令値σNi(ψNi)は、図7の決定方法に示すように、バッテリの入出力過多を抑制し、計測された供給電力Pcoをシステム全体の出力目標電力Pcrに追従させるためにシステム要求電力Pの正負号、すなわち放電要求時であるか充電要求時であるかに応じて場合分けされて決定される。
システム要求電力Pが正のとき、すなわち放電要求時のときには、切替変数ψNiが0以下では出力指令値σNi(ψNi)を0に設定する。すなわち、バッテリが出力過多であり、切替変数ψNiが負になると出力指令値σNi(ψNi)を0に設定することで第2バッテリ16からの放電を停止する。切替変数ψNiが0より大きく所定の上限値未満では、切替変数ψNiが増加するにつれて出力指令値σNi(ψNi)を増加させる。例えば、切替変数ψNiに比例させて出力指令値σNi(ψNi)を増加させる。これによって、切替変数ψNiに応じた第2バッテリ16の放電出力が得られる。切替変数ψNiが上限値以上では出力指令値σNi(ψNi)を上限値に設定する。これによって、バッテリの出力不足が継続を避けることができる。出力指令値σNi(ψNi)の上限値は、バッテリの容量の劣化を抑制できる値に設定することが好適である。また、出力指令値σNi(ψNi)の上限値は、発熱による回路障害を抑制できる値に設定することも好適である。
システム要求電力Pが負のとき、すなわち充電要求時のときには、切替変数ψNiが0以上では出力指令値σNi(ψNi)を0に設定する。すなわち、バッテリが充電過多であり、切替変数ψNiが正になると出力指令値σNi(ψNi)を0に設定することで第2バッテリ16への充電を停止する。切替変数ψNiが0より小さく所定の下限値より大きい場合、切替変数ψNiが減少するにつれて出力指令値σNi(ψNi)を減少させる。例えば、切替変数ψNiの減少に比例させて出力指令値σNi(ψNi)を減少させる。これによって、切替変数ψNiに応じた第2バッテリ16への充電入力が得られる。切替変数ψNiが下限値以下では出力指令値σNi(ψNi)を下限値に設定する。これによって、バッテリの充電過多の継続を避けることができる。出力指令値σNi(ψNi)の下限値は、バッテリの容量の劣化を抑制できる値に設定することが好適である。
ステップS42では、充放電要求量Pchrgを設定する。すなわち、図9に示すように、低容量である第2バッテリ16が容量劣化し易い高SOC領域や低SOC領域に入らず、SOCの中央領域付近で動作できるように充放電要求量Pchrgを設定する。SOCの中央領域は、例えば、第2バッテリ16の最大SOCの50%以上60%以下の範囲に設定することが好適である。第2バッテリ16のSOCが当該中央領域よりも大きい場合には第2バッテリ16を強制的に放電させ、当該中央領域よりも小さい場合には第2バッテリ16を強制的に充電させる。
ステップS44では、出力指令値σNi(ψNi)及び充放電要求量Pchrgに応じて第2バッテリ16を制御する。すなわち、ステップS40において設定された出力指令値σNi(ψNi)にステップS42において設定された充放電要求量Pchrgを加算して第2バッテリ16に対する出力指令値とする。システム要求電力Pが正のとき、すなわち放電要求時のときには、第2バッテリ16からの放電は、0から出力指令値σNi(ψNi)の上限値と充放電要求量Pchrgとを加算した出力電力PNi-outの範囲において放電制御が行われる。システム要求電力Pが負のとき、すなわち充電要求時のときには、第2バッテリ16への充電は、0から出力指令値σNi(ψNi)の下限値と充放電要求量Pchrgとを加算した充電電力PNi-inの範囲において充電制御が行われる。この充放電制御を行うための第2バッテリ16の電流値は、数式(5)及び数式(6)を用いて算出することができる。また、第2バッテリ16の充放電によるSOCの変化は数式(7)にて算出される。当該SOCの算出値は、ステップS36の処理にフィードバックされる。
なお、本実施の形態では第2バッテリ16を2つ設けた構成としたが、複数の第2バッテリ16についてバッテリ毎に上記処理を行えばよい。
<実施例>
本実施例では、図10に示すように、+17kW~-17kWの電力幅で変化する1時間の長周期成分に+30kW~-30kWの電力幅で変化する1分の短周期成分を重畳させたパターンでシステム要求電力Pが変化する場合の電力システム100の制御についてシミュレーションを行った。
電力システム100には、第1バッテリ14として1個のリチウムイオン(Li-ion)バッテリと第2バッテリ16として2個のニッケル水素(Ni-MH)バッテリが設けられた構成とした。第1バッテリ14であるリチウムイオン(Li-ion)バッテリの初期SOCは70%とした。第2バッテリ16であるニッケル水素(Ni-MH)バッテリの入力制限は1個当たり-25kW及び出力制限は1個当たり+25kWとし、初期SOCは2個共に60%、中心SOCは2個共に60%とした。
システム要求電力P及び電力差分値eの長周期成分の抽出に用いるローパスフィルタとしてバターワースフィルタを適用した。バターワースフィルタのフィルタ特性は数式(10)で表される。バターワースフィルタの次数nは5、カットオフ周波数ωは30ω(ただし、ωは長周期成分の基本波周波数:ω=2πf,f=1/1時間=1/3600Hz)とした。
図11及び図12は、本実施例におけるシミュレーションの結果を示す。図11の領域Aに示すように、出力目標電力Pcrと供給電力Pcoとが異なる区間が存在するものの、シミュレーションをおこなったほぼ全域において出力目標電力Pcrと供給電力Pcoとが一致するように制御が行われた。領域Aにおいて出力目標電力Pcrと供給電力Pcoに差が生じた原因としては、図11の領域Bに示すように、ローパスフィルタを適用した後のシステム要求電力Pの長周期成分Prlの時間変化において制御の切り替わりに遅延が発生したために本来は充電されるべき第1バッテリ14であるリチウムイオン(Li-ion)バッテリが放電したためと考えられる。
また、図12に示すように、第1バッテリ14であるリチウムイオン(Li-ion)バッテリのSOCは設定した1時間の長周期に同期して変化し、第2バッテリ16であるニッケル水素(Ni-MH)バッテリは設定した1分の短周期に同期して変化した。また、第2バッテリ16であるニッケル水素(Ni-MH)バッテリのSOCの変化の幅は、50%~60%の範囲に十分収まった。
以上のように、長周期成分の放電と充電の切り替わりにおいて若干の遅延が見られたものの、第1バッテリ14及び第2バッテリ16の異なる種類のバッテリの特性を生かしつつ、出力目標電力Pcrに対して供給電力Pcoを適切に追従させることができる。
また、中央サーバからの集中制御方式に頼ることなく、電力システム100の各々において分散的に異なる種類のバッテリの特性を生かした電力の供給及び充電を行うことが可能になる。
10 電力系統、12 パワー・コンディショナ・システム、14 第1バッテリ、16(16a,16b) 第2バッテリ、100 電力システム。

Claims (9)

  1. 第1バッテリと、前記第1バッテリより低容量及び高出力の第2バッテリと、を含み、システム要求電力値と前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの総入出力電力値との差分値を小さくするように前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの入出力電力を制御する、電力システムであって、
    前記第1バッテリのSOCと、前記システム要求電力値における長周期成分及び前記差分値における長周期成分と、の関係に応じて前記第1バッテリの入出力電力を制御し、
    前記第2バッテリのSOCと、前記システム要求電力値及び前記差分値と、の関係に応じて前記第2バッテリの入出力電力を制御することを特徴とする電力システム。
  2. 請求項1に記載の電力システムであって、
    前記システム要求電力値における長周期成分及び前記差分値における長周期成分が放電要求時を示している場合、前記第1バッテリのSOCが大きいほど前記第1バッテリからの出力電力が大きくなるように制御を行うことを特徴とする電力システム。
  3. 請求項1又は2に記載の電力システムであって、
    前記システム要求電力値における長周期成分及び前記差分値における長周期成分が充電要求時を示している場合、前記第1バッテリのSOCが大きいほど前記第1バッテリへの入力電力が小さくなるように制御を行うことを特徴とする電力システム。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の電力システムであって、
    前記第1バッテリのSOCに応じて、前記第1バッテリの入出力電力に制限をかけることを特徴とする電力システム。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の電力システムであって、
    前記システム要求電力値及び前記差分値が放電要求時を示している場合、前記第2バッテリのSOCが大きいほど前記第2バッテリからの出力電力が大きくなるように制御を行うことを特徴とする電力システム。
  6. 請求項1又は2に記載の電力システムであって、
    前記システム要求電力値及び前記差分値が充電要求時を示している場合、前記第2バッテリのSOCが大きいほど前記第2バッテリへの入力電力が小さくなるように制御を行うことを特徴とする電力システム。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の電力システムであって、
    前記第2バッテリのSOCに応じて、前記第2バッテリの入出力電力に制限をかけることを特徴とする電力システム。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の電力システムであって、
    前記第2バッテリのSOCの変動が所定の変動範囲に収まるように前記第2バッテリの入出力を制限することを特徴とする電力システム。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の電力システムであって、
    前記システム要求電力値における長周期成分及び前記差分値における長周期成分を抽出するローパスフィルタを備えることを特徴とする電力システム。
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