JP7788108B2 - ビル管理システム - Google Patents
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Description
複数の管理項目のいずれかに分類される複数種類の設備機器と、
複数種類の検出項目の検出が可能なセンサー装置と、
昇順に上位層となる第1階層装置、第2階層装置、第3階層装置、第4階層装置のうちの少なくとも前記第1階層装置、及び、前記第2階層装置と、を備え、
少なくとも1つの前記管理項目を1つの項目系として複数の項目系を定めることが可能であり、
複数の前記項目系が、少なくとも、空調系、照明系、警報系、及び、エネルギー系を含む、ビル管理システムであって、
前記センサー装置が複数備えられ、
複数の前記センサー装置が、
少なくとも1つの無線通信規格により前記第1階層装置に対してデジタル情報を出力可能であり、
複数の前記項目系に跨るセンサー装置群を構成し、
前記第1階層装置で共通仕様の通信規格に基づき統一化された情報が前記第2階層装置へ送出され、
前記第2階層装置が、
所定のアプリケーションソフトであるプロダクティビティ・ツールを用いて、予め定められた構造体として、前記第1階層装置からの前記情報をデータベース化することが可能である。
以下、本発明の実施形態に係るビル管理システムについて説明する。本実施形態のビル管理システムは、空調(エアコン)、照明、衛生、警報(セキュリティー、アラーム)、エネルギー等といった各種の管理項目を、ビル内やビル外、及び、遠隔地から自在に、一元管理したり、分散制御したりすることを可能としている。
図1に示すように、本実施形態に係るビル管理システム10は、大きく分けて、レベル0~レベル4の5つの階層構造を有している。レベル0はセンサーの階層であり、レベル1はセンサー・コントローラー(マイクロ・エッジ・デバイス)の階層である。レベル2はアプリケーション・エッジ・デバイスの階層であり、レベル3は統合コントローラー(統合・エッジ・デバイス)の階層である。レベル4は、エンタープライズ・エッジ・サーバーの階層である。以下に各階層について説明する。
ビル管理システム10の最も下位レベルの階層はセンサーである。従来、例えば、温度や湿度等といった各種のアナログ情報をデジタル情報に変換するために、シーケンサーを設け、各種の情報に対する閾値を設定して管理する必要があった。
各無線式センサー装置30から送信されたデジタルデータは、レベル1のセンサー・コントローラー(マイクロ・エッジ・デバイス60)により受信される。センサー・コントローラーは、マイクロ・エッジ・デバイス60により構成される。
マイクロ・エッジ・デバイス60の上層(レベル2)にあるのがアプリケーション・エッジ・デバイス62である。アプリケーション・エッジ・デバイス62は、ビルの空調、電気、衛生、中央監視等といった管理項目(アプリケーション)毎にデータを集める役割を担う。
ビル内には、空調、電気、衛生、中央監視といったアプリケーション別のシステム(アプリケーション別システム)が多く構築されている。本実施形態のビル管理システム10における統合コントローラー(統合・エッジ・デバイス64)は、これらのアプリケーション別システムを統合し、受信した情報を、インターネット回線(公衆無線通信回線、及び、公衆有線通信回線)68を介して、さらに上位のシステムへと順次伝達する。情報の伝達には、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク、構内ネットワーク)も適宜利用される。
本実施形態のビル管理システム10においては、マイクロ・エッジ・デバイス60(レベル1)、アプリケーション・エッジ・デバイス62(レベル2)、統合エッジ・デバイス64(レベル3)の上層に、エンタープライズ・エッジ・サーバー66(レベル4)の階層が構築されている。これらのデバイスやサーバーは、いずれも、コンピュータ機器を用いて構成されるが、これらの間の大きな違いは、コンピュータ機器としての性能(処理容量、処理速度など)と、メモリ領域の利用形態である。
<<分散システム>>
本実施形態に係るビル管理システム10の一つの大きな特徴は、無線通信やインターネット通信を適切に組み合わせることにより、監視点数の増大を容易に行えるようにしていることである。従来のビル管理システムでは監視点数に制限があり、その制限は、数千から、多ければ数万程度である。ビルのインテリジェント化や、複数のビルの管理を行う多棟管理を進めようとすると、管理能力が容易に限界に達してしまう。従来のビル管理システムにより、管理点数の制限を超えるシステムを導入する場合は、特別にプログラムを組み、複数のサーバーをブリッジさせる必要があった。
従来のビル管理システムは、一つのサーバーの中にデータを集約し、その中を統括して管理していた。このため、システム自体が大きくなっていた。しかし、本実施形態のビル管理システム10は、エッジ・サーバーを使うことでシステムを分散化している。そして、分散化は行っているが、例えば「マイクロ・エッジ・デバイス60の特定のデータを見たい」旨のコマンドを入力すると、オンデマンドでデータを見ることができる。
本実施形態のビル管理システム10における他の特徴の一つは、情報の管理がすべて、統一された様式で行われることである。前述のように、無線式センサー装置30を用いることにより、統一された様式のデータが自動的に収集される。しかもその様式は、先に述べた4種類のエッジ・デバイス(マイクロ・エッジ・デバイス60、アプリケーション・エッジ・デバイス62、統合・エッジ・デバイス64、及び、エンタープライズ・エッジ・サーバー66)のすべてで共通化されている。
<<遠隔監視>>
本実施形態のビル管理システム10では、クラウドが活用されている。このため、ビル監視者や一般利用者が、それぞれ独自にサーバーや記憶装置を持たずに、公共通信網を利用して、ビル管理のサービスを受けることが可能である。このようにクラウドを使用する理由の一つは、遠隔監視を行うためである。
現在、クラウドサービスは、情報処理サービスの主流となっている。クラウドサービスについては、とにかく多くのデータを集めてビッグデータを集積すればよいと考えられがちであるが、ビル管理システムに応用した場合、実際に膨大なデータを集めても、有効なビル管理システムを構築することは難しかった。
本実施形態のビル管理システム10では、収集したデータをクラウドで活用したり、オンプレミスで活用したりするために種々の機器類や、ツール(アプリケーションソフト)類が備えられている。これらの機器類やツール類は、個別に存在しているのではなく、互いに連携している。そして、これらの機器類やツール類は、システムのパフォーマンスを最大化するために不可欠のものとなっている。
<<ITとOTの融合による多彩な見える化を実現>>
ビル管理システムの大きな目的は、ビル内に設置された機器類の一元的な状態監視と制御である。従来は、このような全体的な管理が難しかった。しかし、本実施形態のビル管理システム10は、様々な工夫を組み合わせて、全体的な管理を実現している。例えば、電力量については、所定期間(指定期間)における全体の合計や、機器毎の合計について、可視化(見える化)が行われている。そして、いつ、どこで、どの機器が、どのくらいの電力を使用しているか、といった事項が確認できるようになっている。
本実施形態のビル管理システム10において、照明については、照明の点灯状況のほか、オン/オフ、及び、調光制御の状況等を、特定の態様で画面表示することが可能である。また、室内環境については、室内のCO2濃度、温度、湿度などを、特定の態様(ヒートマップなど)で画面表示することが可能である。
本実施形態のビル管理システム10においては、温度、湿度、照度等を、トレンドグラフによっても画面表示することが可能である。
本実施形態のビル管理システム10においては、スケジュール、操作履歴、帳票、地震警報システム、クラウドアプリケーションなども画面表示することが可能である。
<<多棟管理を可能にするクラウド監視システム>>
本実施形態のビル管理システム10においては、ビル内の空調、照明、衛生、警報、エネルギーに関する各種の機器類について、スマートフォンやタブレット等の携帯情報端末を介して、監視や制御を行うことができる。また、ビルから離れた遠隔地からも、携帯情報端末を介して、監視や制御を行うことができる。
複数のビルの管理を行う多棟管理においては、どのビルで障害(異常)が発生しているかを知ることが重要である。従来は、異常の発生を常時確認しているような常時監視が行われていた。これに対し、本実施形態のビル管理システム10においては、定期的にデータを採取したうえで、異常が発生した場合にだけ対応が行われる「予防保全」(CBM: Condition Based Maintenance)が実現されている。
本実施形態のビル管理システム10では、最新のテクノロジーを駆使し、新しい時代にふさわしい、照明とエアコンを制御するインテリジェントなツールが実現されている。ビル管理者や一般利用者等にブラウザを介して提供されるスマートパーム(商標登録出願中)は、照明と空調の両方のリモコン(遠隔操作)を携帯情報端末上で実現して、オフィス内の照明やエアコンを制御・監視することを可能とする。スマートパーム(商標登録出願中)は、あたかも手のひらがスイッチになったような操作性を提供するツールである。
<<ネットワークをまたいだ遠隔監視が可能>>
本実施形態のビル管理システム10においては、スマートフォンやタブレット等の携帯情報端末を利用することにより、場所や時間等の制約に縛られず、どこからでもビル管理システムを制御することが可能である。
本実施形態のビル管理システム10においては、携帯情報端末を使って、空調や照明等の制御を直接行うことができる。このため、例えば、オフィスの照明や空調(エアコン)の温度を変更するために、オフィス内の人員が壁のスイッチまで移動することが不要になる。
本実施形態のビル管理システム10においては、一度設定された照明や空調(エアコン)のグループを、携帯情報端末において変更することが可能となっている。このようにすることにより、例えば、空調の工事業者や、システムの工事業者に、ビル内のテナントが休業している週末を利用してグループ変更の作業を実施してもらう、といったことが不要になる。
携帯情報端末を介して設定された内容は、プロジェクトとして保存することが可能である。プロジェクトは、複数保存することが可能である。これにより、例えば、時間帯毎に設定を変えたり、平日と週末で、照明や空調のグループを変えたりすることが可能となる。このようにすることで、グループの変更のために、壁に新たにスイッチや操作盤を取り付ける必要がない。また、スイッチや操作盤に配線を繋げて壁内や床下等に引き回す工事を行う必要もない。さらに、工事業者に作業を依頼することなく、利用者が自社内で設定変更することが可能である。
照明器具を設置するにあたっては、フロア内にどれくらいの機器を設置すればよいのか、設置した照明と電源をオン・オフするスイッチとの間のグループ化(グルーピング)をどのように行えばよいのか、といった事項が重要な焦点となる。過度に細かく設計してしまうと、制御が複雑になり、多くの制御用の機械が必要となる。逆に、過度に粗く設計してしまうと、例えば、人がいないところも照明が点灯するなどといった無駄が発生する。
これまで、本実施形態に係るビル管理システム10の全体像について説明した。以下では、前述したプロダクティビティ・ツールに焦点をあて、プロダクティビティ・ツールの開発に至った背景や、プロダクティビティ・ツールの詳細について説明する。
ビル管理システムの歴史は意外と古く、1950年代からその考え方はある。1980年代半ばからインテリジェントビルとして、コンピュータ制御のしくみが構築されてきたという経緯がある。
そうした歴史のある業界であるため、ビル管理システムを構築するための手順も伝統的に合理的なしくみが取られてきた。
ビル管理システムの対象となる範囲は、照明、空調、衛生、エネルギー、施設管理等がある。これらは、ビルの設計段階から、どの位置に配置され、どのような情報を収集し、どのように機能を持たせるかということが計画される。
それは、温度であれば、設定する最低温度はいくらで、最高温度はいくらとするか。さらに、どれくらいの刻みで通知するかという定義が行われる。
こうした細かな規定が、機器の種類ごとに決められている。
ビル内で使用される機器類は、何が、何階の、どの位置に置かれ、その設定内容はどうであるかが、事細かく設計書に記述される。その設計書に基づいて、一つひとつの機器に対して設定を行うとともに、ビル管理システムへの登録も行われる。
当たり前のことであるが、大きなビルになればなるほど、設置される機器類も多くなり、設定される項目も多くなる。この設定作業は当然のことながら、一つひとつ手作業で行わなければならず、非常に手間がかかっていた。
プロダクティビティ・ツールが解決しようとしているのはまさにこの手間がかかるという部分にある。
ビル管理システムにはもう一つの課題がある。それが機器類の相互接続の問題である。
ビル管理に使われている機器は様々あるが、機器同士を接続するにあたって、互いに通信するための取り決めがある。
従来、各機器メーカーは、自社のネットワークに接続するためのプロトコルを使用していたが、公開はしておらず、そのため、メーカーが異なると、互いに接続ができなかった。
この問題解決策の一つとして、オープン化の名のもとに、異なるメーカー製の機器類を、互いに接続することを目的としていくつものプロトコルが制定されてきた。代表的なものがModbus(商品名)やLonWorks(商品名)、BACnet (商品名)、である。
LonWorks は、アメリカのエシュロン(ECHELON社)が提供するオープン化を目指したネットワーク技術である。
BACnet は、ASHRAE(米国冷暖房空調工業会)が制定した規格をもとにして、国際標準規格として登録されたものである。
相互接続を目指したオープン化であったが、その後も課題として残ったのが、オープン化といっても、自分たちの領域の中だけの限られた範囲でのオープン化であったことである。
つまり、LonWorks やBACnet のプロトコルを採用する機器類は、BACnet対応やLonWorks対応のビル管理システムでは管理できたが、LonWorks とBACnet が同時に混在するビル管理システムで使用することが難しかった。何が難しいかというと、プロトコルごとに属性がバラバラで、共通のデータを構成しないといけないが、これが大変であった。
たとえば、LonWorks とBACnet のプロトコルを持ったものを混在させると、両者間のデータの変換・取り扱いが難しく、トラブルが続出していた。さらに、シーケンサーやModbus も含めて統合的に処理しなければならなかった。
これらが混在しているのがビル管理システムの課題であった。
<<<ビル管理システムを作るときの難しさ>>>
ビルの管理システムは、照明や空調、エネルギーといった、各種のセンサーから情報を得て、監視システム上で状態や過去のトレンドを表示したり、制御したりするシステムである。
センサーから上がってくるアナログ情報は、シーケンサーやアナログ/デジタル変換機能を備えたセンサーそのものを介してデジタル化され、上位システムに送出される。一つのセンサーから上がってくる情報を上位システムで受け取るにあたっては、そのセンサーの持つ、各情報に特有の名称を付与して、区別する必要がある。ここに、各種の設定を登録する必要性が生じている。
従来、使用しているセンサーや上位機器の設定には、以下の課題があった。
(a)データは、プロトコルごとに構成しなければならない。
(b)機器の特性やプロトコルの特性を理解しておかないといけなかった。
(c)しかも、ものすごく複雑で、取り扱いも、理解することも難しかった。
(d)理解しないで使用したり、そのルールを間違ったりすると、「動かない」という制約がある。
(e)そのため、理解不足によるミスも多かった。
プロトコルごとに、設定するための専用のツールがあり、専用のツールは複数ある。さらにプラグインがあったりする。
例えば、LonWorks にはLonMaker というツールがあるが、LonMaker はLonWorks しか設定できない。
これを習得するのが大変であるし、プロトコルごとに一つずつ切り替えて使わなければならない。
各プロトコルには多くの設定があり、それらに対しての設定を入れなければならなかった。
LonWorks のSNVT(Standard Network Variable Type)の構成は、219 もの設定項目がある。
設定は手作業であり、その設定の登録に相当の手間がかかっていた。BACnet にも同様に、設定項目が多数ある。
図5は、SNVT対応表の一例を示している。
<<<実現するための手段>>>
これらの課題や問題を解決するために、取り扱うデータを変換する機能として、構造化体を用意した。この部分が従来にない機能である。
ここで言う「構造化体」は、データストレージに配置される前に事前定義され、ある定められた構造となるように整形されたデータ(情報)のことである。
要は、ビル管理システム内で扱われるデータをもとにしたデータベースを構築し、ビル管理システムで統合的に使用できるようになっている。
具体的には、ビル内で使用される、照明、センサー、ゲートウェイ、コントローラー等、機器の種類毎にどの場所にデータを保存するかを定め、機器の設定をやりやすくした。また同時に、収集されるデータの取り扱いも容易にした。
LonWorks やBACnet といったプロトコル以外の様々なデータに対応できるようにするため、150 ものプロトコルも用意した。
このようにして、様々な情報を一元的に取り扱えるように整えた。
その上で、各種プロトコルに対応し、様々な設定を入れるためのツールとして、前述したようにプロダクティビティ・ツールを用意した。
プロダクティビティ・ツールは、設定を容易にするためのツールである。
<<<プロダクティビティ・ツールの特徴>>>
プロダクティビティ・ツールの特徴は以下である。
(a)LonWorks もBACnet も一つのツールで登録できる。
(b)ゲートウェイを使って、外側で変換をかけなくてもよい。
(c)設定データを登録する時間が短くてすむ。
(d)類似データの登録は、データの複写で行える。
ここで、ビル管理システム(例えば、ビル管理システム10)で使用される機器類とプロトコル、プロダクティビティ・ツールの関係図(図7(b))を示す。
アプリケーション・エッジ・デバイス62には、LonWorks やBACnet といった各種プロトコルを使用したゲートウェイやシーケンサー、センサー類が接続される。
なお、アプリケーション・エッジ・デバイス62は、監視システムを表示する仕組みを有している。
前述した問題を解決するために、一つには、データベースの持ち方を工夫した。具体的には、プロトコルの違いを、構造化体を介すことで解決した。その構造化体に合わせてデータを入れるデータベースを構築した。
そのデータベースは、アナログの入力と出力、デジタルの入力と出力、電力量の積算とカウンターの6種類に集約した。この中に、上限値、下限値等、200項目くらいの大きなデータベースがある。
プロダクティビティ・ツールは、従来、手作業で設定しなければならなかったことを自動化する。たとえば、アプリケーション・エッジ・デバイス62に関し、コントローラーのレジスターの紐付けを行う。
LonWorksのプロトコルで使用されているオブジェクトにはさまざまな情報が登録されている。例えば、 1秒おきに送られてくるものや、何秒毎、あるいは何分毎に送られてくる等といったルールが厳密に定義されている。それらの情報を読んで、決められた場所にデータを登録する。
コントローラーにはレジスターがあり、その中のコードにオブジェクトの何番が使われるということが規定されている。このマッピングが最も重要である。
何番目のデータが欲しいとなると、そのレジスターを読みにいく。それを自動的に、WEB アクセスを使って、自分のデータベースにマッピングしている。
プロダクティビティ・ツールは、LonWorks やBACnet のデータをWEB アクセスにデータマッピングする際、そのアドレスを理解しなくてもよいようにした。
新しく登場してくるビル管理用機器に対しては、プロダクティビティ・ツールでデータの登録ができるようにするため、REST(Representational State Transfer) とREST API (REST Application Programing Interface)のコマンド操作(例えば、ビル管理者が予め携帯情報端末22を用いて行ったコマンド入力操作など)によって、コマンドの送出ができるように機能を付け足す。こうすることで、新製品の設定を容易にすることができる。
大事なのは、機器とのデータの受け渡しがコマンドで対応できるようにすることである。データの受け渡しができる主要なプロトコルは、Modbus、LonWorks、BACnet他、5種類ある。
例えば、図6(a)に示すように従来は、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)のレジスター上に各センサーから上がってきた情報を、プロトコルを介して、一つずつ手作業でアドレスを指定し、WEB アクセスにデータマッピングするようなことが行われていた。
これに対し、本実施形態に係るマッピングでは、図6(b)に示すように、プロダクティビティ・ツールが、各種のプロトコルごとの構造化体(ここではModbus構造化体、LonWorks構造化体、BACnet構造化体など)のデータ変換を行い、統合化された構造体(ここではNWC構造化体、データベース)を作成する。そして、統合化された構造体は、SCADAへ渡すことができるよう、データ形式が整えられている。
このため、各プロトコルを介した情報を、直接SCADAの項目に手作業でアドレスを指定し、マッピングを行わなければならなかった。
特に、接続されるすべての機器別に情報を登録する必要があり、この手作業での登録量が膨大なものになっていた。ここで、図7(a)の「HMI」は、画面表示(Human Machine Interface)の略である。
これに対し、本実施形態に係るマッピングでは、図7(b)に示すように、プロダクティビティ・ツールが、各種のプロトコルごとの構造化体(ここではModbus構造化体、LonWorks構造化体、BACnet構造化体など)を用いて、統合化された構造体(ここではNWC構造化体)を作成し、統合化された構造体を、上位のシステム(ここではSCADA)へ渡せるようにする。つまり、各プロトコルごとの構造化体にデータが登録され、その後、NMC構造化体に集約されて、構造化体がSCADAに渡されるため、アドレスを理解しなくてもよくなった。
したがって、データ登録を大幅に省力化することが可能となった。なお、データベースは、アプリケーション・エッジ・デバイス62だけでなく、統合・エッジ・デバイス64やエンタープライズ・エッジ・サーバー66でも行うことが可能である。
もしプロダクティビティ・ツールがなかったらどうなるか。それは、設定作業にものすごい時間がかかるということが一つ。もう一つは、設定ミスが起きやすいため、エラーが発生する可能性が高くなる。
プロダクティビティ・ツールの特徴の一つは、いろんな構造体を理解していなくとも、マッピングできる点にある。これまでは、マッピングを行うときには、人が判断しないといけなかった。例えば、「スペース・テンプ(室内温度)」というと、それがいったい何の略なのかを覚えておかないといけなかった。プロダクティビティ・ツールにより、この問題が解消した。そして、設定をパターン化することで、プロトコルを深く理解しなくても設定ができるようにした。設定の難しさからの解放が可能となった。
さらに、手作業で一つ一つ入力しなくてもよいように、設定がテンプレート化された。フロアごとのコピー(データコピー)のように、一度設定したデータを、すべて書き換えたり追記したりせずに、利用できるようにした。そして、設定量の多さからの解放を図ることができた。
また、Modbus、LonWorks、BACnet等、例えば150種類ものプロトコルを用意した上で、設定データを構造化体として構築し、プロトコル間の相違を吸収することで、異なるプロトコル間での相互接続を可能にした(構造化体を介してプロトコルの違いの吸収)。
また、従来、手作業で設定しなければならなかった事項について、コントローラーのレジスターへの紐付けを自動的に行えるようになった(レジスターの紐付け)。手作業で設定しなければならなかった事項としては、例えば、処理のタイミングをどのように設定するかや、データの登録位置等がある。
また、データの読み出しにおいて、BACnetやLonWorks等のデータをWEBアクセスしてデータマッピングする際、それらのアドレスを理解しなくても読み出しができるようになった。これにより、従来はすべてのデータ設定をアナログ的作業により作らなければならなかったが、デジタル的な作業により処理することが可能となった。
これらのことをまとめると、本実施形態のビル管理システム10については、以下のようなことがいえる。
(a)マルチベンダー下の一元管理システムを構築した。
(b)BACnet もLonWorks も同じツールで設定できる。
(c)プロトコルを詳しく知らなくても設定ができる。
(d)150 ものプロトコルに対応している。
(e)様々な設定をテンプレートとして持てる。
(f)一度設定した内容を複写して利用することで、ゼロから設定しなくてもすむ。
(g)属性を与えると画面ができ、ダッシュボードも1対1で作れるようになった。
(h)設定作業が楽。
(i)設定ミスで機能しないということが激減した。
(j)従来は何日もかかっていた設定に要する時間が数時間で済む。
プロダクティビティ・ツールは、見た目での効果としては上記のようなものが挙げられるが、一番大きな効果としては、複数のプロトコルを理解する必要性から解放されたことが挙げられる。
従来であれば、LonWorks のプロトコルを理解するのにも相当な時間を要した。それに加えて、BACnet や他のプロトコルを理解することが憚られることが多かった。
本発明により、この問題も解消した。
従来、ビル管理システムを構築しようとすると、要求仕様、設計、機器選定、ラダー作成等の中間の作業、動作確認、及び、納品・工事の作業(工程)が発生していた。
これに対して、プロダクティビティ・ツールを使用することで、ラダー作成等の中間の作業を行う必要がなくなった。
あるビルのプロジェクトでは、パッケージエアコンを84台使用している。1台のパッケージエアコンには16 の監視ポイントがある。そうすると、合計で16点×84台=1,344点のポイントを登録しないといけない。従来であれば、この1,344 のポイントを手作業で登録しており、その設定に何日もかかっていた。それに対し、プロダクティビティ・ツールを使えば、5分~10分もあれば設定は終わってしまう。しかも、1つの設定を行い、それを複数作るといった作業は、とても早くできる。
重要なのは、機器そのものに付随する、センサーに定義をする情報の設定部分。プロダクティビティ・ツールは、この作業を簡便化する。
以上のように、プロダクティビティ・ツールは、これまでアナログ的に作業していたものをデジタル化した。このことが、プロダクティビティ・ツールを用いたこと大きな利点である。
これまでに説明したような実施形態から、以下のような発明を抽出することが可能である。
(1)複数の管理項目(空調、照明、衛生、警報、エネルギーなど)のいずれかに分類される複数種類の設備機器(エアコン、照明機器、扉、無線式センサー装置30等のセンサー類、スイッチ類、その他の電気機器類など)と、
複数種類の検出項目(温度、湿度、照度、加速度、コンタクトなど)の検出が可能なセンサー装置(無線式センサー装置30など)と、
昇順に上位層となる第1階層装置(マイクロ・エッジ・デバイス60など)、第2階層装置(アプリケーション・エッジ・デバイス62など)、第3階層装置(統合・エッジ・デバイス64など)、第4階層装置(エンタープライズ・エッジ・サーバー66など)のうちの少なくとも前記第1階層装置、及び、前記第2階層装置と、を備え、
少なくとも1つの前記管理項目を1つの項目系として複数の項目系(空調関連系12、照明・コンセント系14、衛生・水回り系16、状態・警報系18、エネルギー系20など)を定めることが可能であり、
複数の前記項目系が、少なくとも、空調系、照明系、警報系、及び、エネルギー系を含む、ビル管理システムであって、
前記センサー装置が複数備えられ、
複数の前記センサー装置が、
少なくとも1つの無線通信規格により前記第1階層装置に対してデジタル情報を出力可能であり、
複数の前記項目系に跨るセンサー装置群を構成し、
前記第1階層装置で共通仕様の通信規格に基づき統一化された情報が前記第2階層装置へ送出され、
前記第2階層装置が、
所定のアプリケーションソフトであるプロダクティビティ・ツールを用いて、予め定められた構造体として、前記第1階層装置からの前記情報をデータベース化することが可能な、ビル管理システム。
(2)前記第2階層装置は、前記第3階層装置が備えられていない場合には、
ユーザーの端末装置(携帯情報端末22、24など)から、少なくとも、公衆無線通信回線(インターネット回線68など)を介して、特定の前記管理項目(空調など)に係る要求があると、前記データベース化された情報から前記ユーザーへの応答に必要な処理前情報(空調の温度、部屋の湿度の情報など)を選択し、
前記処理前情報に基づき、前記特定の前記管理項目についての情報である提供情報(携帯情報端末22、24の操作により空調の温度設定が可能な空調温度設定画面など)を、前記共通通信規格により、前記公衆無線通信回線を介して前記ユーザーの端末装置に提供する、上記(1)に記載のビル管理システム。
(3)前記第2階層装置が複数備えられている場合には、複数の前記第2階層装置に対して1つの前記第3階層装置が備えられ、
前記第3階層装置は、前記第4階層装置が備えられていない場合には、
ユーザーの端末装置(携帯情報端末22、24など)から、少なくとも、公衆無線通信回線(インターネット回線68など)を介して、特定の前記管理項目(空調など)に係る要求があると、前記第2階層装置に対し、前記データベース化された情報から前記ユーザーへの応答に必要な処理前情報(空調の温度、部屋の湿度の情報など)を選択して送出するよう要求し、
前記第2階層装置から前記共通通信規格により、前記公衆無線通信回線を介して送出された前記処理前情報に基づき、前記特定の前記管理項目についての情報である提供情報(携帯情報端末22、24の操作により空調の温度設定が可能な空調温度設定画面など)を、前記共通通信規格により、前記公衆無線通信回線を介して前記ユーザーの端末装置に提供する、上記(1)に記載のビル管理システム。
(4)前記第2階層装置が複数備えられている場合には、複数の前記第2階層装置に対して1つの前記第3階層装置が備えられ、
前記第3階層装置が複数備えられている場合には前記第4階層装置が備えられ、
前記第4階層装置は、
ユーザーの端末装置(携帯情報端末22、24など)から、少なくとも、公衆無線通信回線(インターネット回線68など)を介して、特定の前記管理項目(空調など)に係る要求があると、前記第3階層装置を介して、前記第2階層装置に、前記データベース化された情報から前記ユーザーへの応答に必要な処理前情報(空調の温度、部屋の湿度の情報など)を選択して送信するよう要求し、
前記第3階層装置は、
前記第2階層装置から、前記共通通信規格により、少なくとも、前記公衆無線通信回線を介して送出された前記処理前情報を、前記第4階層装置に中継し、
前記第4階層装置は、
前記第3階層装置により中継された前記処理前情報に基づき、前記特定の前記管理項目についての情報である提供情報(携帯情報端末22、24の操作により空調の温度設定が可能な空調温度設定画面など)を、前記共通通信規格により、少なくとも、前記公衆無線通信回線を介して前記ユーザーの端末装置に提供する、上記(1)に記載のビル管理システム。
(5)上記(1)~(5)のビル管理システムで行われるビル管理方法。
(6)上記(1)~(5)の「ビル管理システム」を「ビル管理装置」に置き換えた発明。
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
12 :空調関連系
14 :コンセント系
16 :水回り系
18 :警報系
20 :エネルギー系
22、24 :携帯情報端末
30 :無線式センサー装置
60 :マイクロ・エッジ・デバイス
60A :デバイス群
62 :アプリケーション・エッジ・デバイス
64 :統合・エッジ・デバイス
66 :エンタープライズ・エッジ・サーバー
Claims (5)
- 複数の管理項目のいずれかに分類される複数種類の設備機器と、
複数種類の検出項目の検出が可能なセンサー装置と、
昇順に上位層となる第1階層装置、第2階層装置、第3階層装置、第4階層装置のうちの少なくとも前記第1階層装置、及び、前記第2階層装置と、を備え、
少なくとも1つの前記管理項目を1つの項目系として複数の項目系を定めることが可能であり、
複数の前記項目系が、少なくとも、空調系、照明系、警報系、及び、エネルギー系を含む、ビル管理システムであって、
前記センサー装置が複数備えられ、
複数の前記センサー装置が、
少なくとも1つの無線通信規格により前記第1階層装置に対してデジタル情報を出力可能であり、
複数の前記項目系に跨るセンサー装置群を構成し、
前記第1階層装置で共通仕様の通信規格である共通通信規格に基づき統一化された情報が前記第2階層装置へ送出され、
前記第2階層装置が、
所定のアプリケーションソフトであるプロダクティビティ・ツールを用いて、予め定められた構造体として、前記第1階層装置からの前記情報をデータベース化することが可能な、ビル管理システム。 - 前記設備機器には、前記センサー装置を含み、
前記第1階層装置は、前記設備機器に識別のためのIPアドレスを割り振り、
前記第2階層装置は、前記第1階層装置からの前記情報を、少なくとも前記IPアドレス、及び、前記管理項目を含んでデータベース化する、請求項1に記載のビル管理システム。 - 前記第2階層装置は、前記第3階層装置が備えられていない場合には、
ユーザーの端末装置から、少なくとも、公衆無線通信回線を介して、特定の前記管理項目に係る要求があると、前記データベース化された情報から前記ユーザーへの応答に必要な処理前情報を選択し、
前記処理前情報に基づき、前記特定の前記管理項目についての情報である提供情報を、前記共通通信規格により、前記公衆無線通信回線を介して前記ユーザーの端末装置に提供する、請求項1に記載のビル管理システム。 - 前記第2階層装置が複数備えられている場合には、複数の前記第2階層装置に対して1つの前記第3階層装置が備えられ、
前記第3階層装置は、前記第4階層装置が備えられていない場合には、
ユーザーの端末装置から、少なくとも、公衆無線通信回線を介して、特定の前記管理項目に係る要求があると、前記第2階層装置に対し、前記データベース化された情報から前記ユーザーへの応答に必要な処理前情報を選択して送出するよう要求し、
前記第2階層装置から前記共通通信規格により、前記公衆無線通信回線を介して送出された前記処理前情報に基づき、前記特定の前記管理項目についての情報である提供情報を、 前記共通通信規格により、前記公衆無線通信回線を介して前記ユーザーの端末装置に提供する、請求項1に記載のビル管理システム。 - 前記第2階層装置が複数備えられている場合には、複数の前記第2階層装置に対して1つの前記第3階層装置が備えられ、
前記第3階層装置が複数備えられている場合には前記第4階層装置が備えられ、
前記第4階層装置は、
ユーザーの端末装置から、少なくとも、公衆無線通信回線を介して、特定の前記管理項目に係る要求があると、前記第3階層装置を介して、前記第2階層装置に、前記ユーザーへの応答に必要な処理前情報を選択して送信するよう要求し、
前記第3階層装置は、
前記第2階層装置から、前記共通通信規格により、少なくとも、前記公衆無線通信回線を介して送出された前記処理前情報を、前記第4階層装置に中継し、
前記第4階層装置は、
前記第3階層装置により中継された前記処理前情報に基づき、前記特定の前記管理項目についての情報である提供情報を、前記共通通信規格により、少なくとも、前記公衆無線通信回線を介して前記ユーザーの端末装置に提供する、請求項1に記載のビル管理システム。
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