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JP7789404B2 - 魚介類又は食肉の食感改良剤 - Google Patents
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JP7789404B2 - 魚介類又は食肉の食感改良剤 - Google Patents

魚介類又は食肉の食感改良剤

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Description

本発明は、魚介類又は食肉の食感改良剤、並びにかかる食感改良剤を含有する魚介類又は食肉及びその製造方法に関する。
魚介類や食肉は、タンパク質を豊富に摂取できる食品として古くから食され、近年では、その加工技術も発展している。これら魚介類や食肉の加工技術の一例として、アルカリ処理やリン酸塩処理などの保水処理を行う技術がある(例えば特許文献1参照)。保水処理された魚介類や食肉の加工品は、水分を含むことによって食品の歩留まりが向上することから、これにより、結果的にコストを抑えることが可能となる。
特開2021-153510号公報
しかしながら、魚介類や食肉に対して保水処理などの加工処理を施すと、魚介類又は食肉の食感が損なわれるという問題がある。具体的には、保水処理された魚介類や食肉は、水分を含むことにより不自然な柔らかさが生じ、繊維感が損なわれてしまうという問題がある。
本発明の課題は、魚介類又は食肉の食感を改良することができる魚介類又は食肉の食感改良剤、並びにかかる食感改良剤を含有する魚介類又は食肉及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、植物に含まれるペクチンを分解する作用を有するペクチナーゼが、意外にも魚介類又は食肉の食感を改良できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]ペクチナーゼを含有することを特徴とする魚介類又は食肉の食感改良剤。
[2]前記ペクチナーゼが、ポリガラクチュロナーゼ活性、ペクチンメチルエステラーゼ活性、及びペクチントランスエリミナーゼ活性から選ばれる少なくとも1種の活性を有することを特徴とする上記[1]記載の魚介類又は食肉の食感改良剤。
[3]さらに、保水剤を含有することを特徴とする上記[1]又は[2]記載の魚介類又は食肉の食感改良剤。
[4]繊維感を付与又は向上させることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか記載の魚介類又は食肉の食感改良剤。
[5]上記[1]~[4]のいずれか記載の魚介類又は食肉の食感改良剤を含有することを特徴とする魚介類又は食肉。
[6]加熱加工品であることを特徴とする上記[5]記載の魚介類又は食肉。
[7]魚介類又は食肉に、上記[1]~[4]のいずれか記載の魚介類又は食肉の食感改良剤を接触させることを特徴とする魚介類又は食肉の製造方法。
[8]前記魚介類又は食肉に食品改良剤を接触させた後に、加熱処理を行い、加熱加工品とすることを特徴とする上記[7]記載の魚介類又は食肉の製造方法。
本発明の食感改良剤は、魚介類又は食肉の食感を改良することができる。
<本発明の魚介類又は食肉の食感改良剤>
本発明の魚介類又は食肉の食感改良剤(以下、単に食感改良剤ということがある)は、ペクチナーゼを含有することを特徴とする。
本発明の魚介類又は食肉の食感改良剤は、魚介類又は食肉に添加することで、魚介類又は食肉の食感を改良することができる。具体的には、従来、保水処理などの加工処理により食感が損なわれた魚介類又は食肉の加工品の繊維感などを改良することができる。ペクチナーゼは、植物の細胞壁や中葉に含まれるペクチンを分解する作用を有するものであることが知られているが、本発明は、このペクチナーゼを利用して、魚介類又は食肉の食感を改良するものである。
本発明において「食感」とは、魚介類又は食肉を口に入れたときに感じる、その食べ物の触感や口当たり、歯ごたえなどの感じ方をいい、本発明における「食感の改良」とは、少なくとも魚介類又は食肉の繊維感を付与又は向上させることをいう。この繊維感の付与又は向上により、例えば、歯切れのよさの向上、噛み応えの向上、弾力の向上、硬度の向上、存在感の増大などの食感の改良に繋がることから、このような効果が示されるものも本発明に含まれる。
(ペクチナーゼ)
ペクチナーゼは、ペクチンを分解する触媒能をもつ酵素の総称であり、ペクチンを分解する活性をペクチナーゼ活性という。本発明のペクチナーゼが有するペクチナーゼ活性としては、特に制限されないが、具体的に、ペクチンメチルエステラーゼ活性、ペクチントランスエリミナーゼ活性、ポリガラクチュロナーゼ活性、ペクチンリアーゼ活性、ペクチンエステラーゼ活性などが挙げられる。
本発明のペクチナーゼは、1種単独で又は複数種を組み合わせて用いることができるが、活性の異なる2種以上を組み合わせて用いることが好ましく、活性の異なる3種以上を組み合わせて用いることがより好ましい。活性の異なるペクチナーゼを複数種組み合わせることで、食感の複雑さが増し、繊維感などをより感じられるようになる。
本発明で用いるペクチナーゼとしては、微生物由来のものの他、化学合成されたものであってもよく、市販品を用いることができる。ペクチナーゼは、粗酵素であってもよいし、精製された酵素であってもよい。
ペクチナーゼの基原としては、例えば、Aspergillus niger、Aspergillus japonicus、Aspergillus oryzae、Aspergillus kawachii、Aspergillus usamii mutant shirousamii、Aspergillus sojae、Aspergillus tamarii、Aspergillus awamori、Aspergillus pulverulentus、Aspergillus aculeatus、Trichoderma viride、Rhizopus oryzaeなどが挙げられる。
ペクチナーゼの配合量としては、本発明の効果を奏する範囲で配合すればよく、例えば、食感改良剤1g当たり、0.001~100000Uであり、0.01~10000Uが好ましく、0.1~100Uがより好ましい。
(保水剤)
本発明の食感改良剤は、保水剤を含有することが好ましい。保水剤を含有することにより、魚介類又は食肉の歩留まりを向上することができる。通常、このような保水剤を含有した魚介類又は食肉は、食感が損なわれるが、本発明のペクチナーゼの作用により、保水による食感が損なわれることが抑制ないしは防止され、歩留まり向上と良好な食感を両立することができる。
このような保水剤としては特に制限されないが、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、コハク酸二ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、L(DL)-酒石酸ナトリウム、焼成カルシウムなどが挙げられる。
(魚介類、食肉)
本発明の食感改良剤を適用する魚介類としては、例えば、エビ、イカ、ホタテ、サバ、カニ、サケ、ニシン、サンマ、アジ、マグロ、タラ、ウナギ、サーモン、カキ、スジコ、タラコなどが挙げられる。食肉としては、例えば、牛肉、豚肉、鶏肉、鴨肉、馬肉、羊肉、山羊肉などが挙げられる。
食感改良剤の形態としては、粉末状、液状など、各種形態とすることが可能であるが、粉末状であることが好ましい。また、食感改良剤には、本効果を阻害しない範囲で必要に応じて各種添加剤を含有していていもよい。このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、安定剤、着色料、香料、甘味料、乳化剤、増粘剤、pH調整剤、膨張剤などが挙げられる。また、食感改良剤は、ペクチナーゼの酵素活性を阻害しない範囲で、他の酵素を含んでいてもよい。これらの添加剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<本発明の魚介類又は食肉>
本発明の魚介類又は食肉は、上記魚介類又は食肉の食感改良剤を含有する。すなわち、本発明の魚介類又は食肉は、ペクチナーゼを含有する。
本発明の魚介類又は食肉としては、加熱用の魚介類又は食肉や、加熱処理された加熱加工品が好ましい。加熱処理時にペクチナーゼの活性が特に活発になるため、本発明の食感改良の効果をより有効に享受することができる。
魚介類の加熱加工品としては、例えば、エビにおいては、茹でエビ、エビフライ、エビの天ぷら、焼きエビなどが挙げられる。イカにおいては、茹でイカ、イカフライ、イカの天ぷら、焼きイカなどが挙げられる。また、食肉の加熱加工品としては、ハンバーグ、つくね、ステーキ、とんかつ、唐揚げ、コロッケ、焼肉、焼き鳥などが挙げられる。
<本発明の魚介類又は食肉の製造方法>
本発明の魚介類又は食肉の製造方法は、魚介類又は食肉に、上記食感改良剤を接触させることを特徴とする。食品改良剤の接触後に、加熱処理を行い、加熱加工品とすることが好ましい。
食感改良剤の魚介類又は食肉への接触方法としては、食感改良剤を直接魚介類又は食肉に添加する方法や、食感改良剤の水溶液に魚介類又は食肉を浸漬させる方法などが挙げられる。加熱処理する前に、食感改良剤を接触させた魚介類又は食肉を所定期間寝かせることが好ましく、これにより、食感改良剤を魚介類又は食肉全体に十分に浸透させることができ、ペクチナーゼが特に作用する加熱処理時に十分な効果を発揮させることが可能となる。
加熱処理の方法としては、食品分野において通常用いられる方法であれば特に制限されるものではなく、湯煎加熱、茹で加熱、油調加熱、蒸し加熱、焼成加熱、マイクロ波加熱、過熱水蒸気加熱、熱風加熱などが挙げられる。また、適宜加熱方法を組み合わせてもよく、例えば、蒸し加熱ののちに焼成加熱を行ってもよく、スチーム付きコンベクションオーブンなどを用いて蒸し加熱と焼成加熱を同時に行ってもよい。
加熱温度及び加熱時間などの各種条件は、魚介類又は食肉の種類や酵素の種類などによって適宜設定することができ特に制限されないが、通常、酵素が40~65℃の高温帯で活発に働き、さらに高温にすることで失活するという性質を持つことから、湯煎加熱の場合、加熱温度は、好ましくは50~100℃であり、より好ましくは70~90℃である。この場合、加熱時間は、好ましくは5~30分間であり、より好ましくは10~20分間である。また、油調加熱の場合には、加熱温度は、好ましくは120~250℃であり、より好ましくは、150~200℃である。この場合、加熱時間は、0.5~20分間であり、より好ましくは1~10分間である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例で用いた酵素は表1のとおりである。
なお、以下の試験においては、歩留まりが酵素を添加していない試験群と同等であることを確認した上で試験を行った。具体的には、歩留まりは約95~105%の範囲内であり、この範囲であれば食感に大きな影響を与えない。
<実施例1:魚介類>
(実施例1-1:エビ、湯煎)
バナメイエビの殻を剥き、ビニールパウチに入れた。バナメイエビに対して、対エビ30質量%の水と共に、表2に記載の配合で各酵素を添加して、一晩冷暗所で静置した。80℃のウォーターバスにて20分間湯煎した。なお、バナメイエビは、日本において一般に食される代表的なエビである。また、ペクチナーゼを添加しない試験区を比較例1-1-1として、ペクチナーゼに代えてアミラーゼを添加した試験区を比較例1-1-2として用意した。
(官能評価)
食感の官能評価は3名の専門パネルが、比較例1-1-1を基準として、実施例1-1-1~1-1-8及び比較例1-1-2を相対評価し、その合計点から3名の平均値を算出した(基準1)。
[基準1:相対評価]
10点:比較例1-1-1に比べて好ましい
1点:比較例1-1-1と同等
[項目]
繊維感、弾力
また、実施例1-1-1~1-1-4及び比較例1-1-2で用いた酵素の効能差を明確にするために、VAS法も行い、その合計点から3名の平均点を算出した(基準2)。
[基準2:VAS法]
0点:これまで経験した中で最も好ましくない
100点:これまで経験した中で最も好ましい
[項目]
繊維感、弾力
例えば、基準1の比較例1-1-1は繊維感、弾力ともに1点と設定されているので、その平均値は1点であり、3名の平均値も「1点」である。また、基準2では比較例1-1-1との点数差を算出するので、比較例1-1-1における繊維感、弾力の点数及びその平均値は0点であり、3名の平均値も「0点」である。
なお、酵素の添加率は湯煎前のバナメイエビに対する質量割合(%)である。
表2に示すように、実施例1-1-1~1-1-4のペクチナーゼを1種類添加した湯煎エビにおいて、繊維感や弾力が好ましい方向へと変化する様子が確認された。比較例1-1-2のアミラーゼは、ペクチナーゼと同様に糖分解酵素であるものの、比較例1-1-1とほとんど変わらない結果となっていることからも、本発明におけるペクチナーゼの食感改良効果が優れたものであることが分かる。また、相対評価やVAS法によれば、スミチーム(登録商標)SPGを用いた実施例1-1-3における湯煎エビでの評価が特に高かった。
また、活性の異なるペクチナーゼを2種組み合わせた実施例1-1-5~1-1-7では、1種添加した場合に比べて、官能評価の結果が高く、より好ましい食感になっていることが分かった。さらに、ペクチナーゼ3種を組み合わせた実施例1-1-8では、さらに好ましい食感となっていることが分かる。専門パネルからは、ペクチナーゼを2種もしくは3種組み合わせることで、さらに複雑な食感が生まれ、エビらしいプリッとした食感が出ているとの評価があった。
(実施例1-2:エビ、湯煎)
リン酸塩で保水処理された未加熱のバナメイエビをビニールパウチに入れて、対えび30質量%の水と、実施例1-2-1ではスミチームPME、実施例1-2-2ではスミチームPTE、実施例1-2-3ではスミチームSPGをそれぞれ対エビ0.03質量%添加し、一晩静置し、80℃20分間ウォーターバスにて湯煎した。また、ペクチナーゼを添加していない試験区として比較例1-2を用意した。
いずれも比較例1-2に比べて、繊維感及び弾力の向上が確認された。一般に、保水処理を行うとエビが不自然に柔らかくなるため、そのような食感を嫌がる消費者は多いが、ペクチナーゼを用いた実施例1-2においては、食感を改良することができた。
(実施例1-3:エビ、油調)
リン酸塩で保水処理された未加熱のバナメイエビをビニールパウチに入れて、対エビ30質量%の水と、実施例1-3-1ではスミチームPME、実施例1-3-2ではスミチームPTE、実施例1-3-3ではスミチームSPGをそれぞれ対えび0.03質量%添加し、一晩静置した。バッター液及びパン粉につけ、180℃に熱したサラダ油で3分間油調して、エビフライにした。また、ペクチナーゼを添加していない試験区として比較例1-3を用意した。
いずれも比較例1-3に比べて、繊維感及び弾力が感じられた。特に、スミチームSPGを用いた実施例1-3-3では、繊維感の付与が大きく感じられ、エビフライの中でのエビの存在感が増大していた。
(実施例1-4:イカ、湯煎)
リン酸塩で保水処理された未加熱のオオアカイカの胴部をビニールパウチに入れて、対イカ30質量%の水と、実施例1-4-1ではスミチームPME、実施例1-4-2ではスミチームPTE、実施例1-4-3ではスミチームSPGをそれぞれ対イカ0.03質量%添加し、一晩静置し、80℃のウォーターバスで20分間湯煎した。また、ペクチナーゼを添加していない試験区として比較例1-4を用意した。なお、オオアカイカは冷凍のシーフードミックスなどに用いられることも多い、代表的なイカである。
いずれも比較例1-4に比べて、繊維感及び弾力が確認された。特に、スミチームSPGを用いた実施例1-4-3では、イカの噛み応えが顕著に向上していた。
(実施例1-5:ホタテ、湯煎)
リン酸塩で処理した北海道産のホタテをビニールパウチに入れて、対ホタテ30質量%の水と、実施例1-5-1ではスミチームPME、実施例1-5-2ではスミチームPTE、実施例1-5-3ではスミチームSPGをそれぞれ対ホタテ0.03質量%添加し、一晩静置し、80℃のウォーターバスで20分間湯煎した。また、ペクチナーゼを添加していない試験区として比較例1-5を用意した。
いずれも比較例1-5に比べて、繊維感及び弾力の向上が確認され、ホタテらしい適度な噛み応えや歯ごたえを感じられた。
(実施例1-6:サバ、蒸し焼き)
リン酸塩で処理した千葉県産のサバをビニールパウチに入れて、対サバ30質量%の水と、実施例1-6-1ではスミチームPME、実施例1-6-2ではスミチームPTE、実施例1-6-3ではスミチームSPGをそれぞれ対サバ0.03質量%添加し、一晩静置し、温度180℃湿度60%の条件でスチーム付きコンベクションオーブンにて8分間加熱した。また、ペクチナーゼを添加していない試験区として比較例1-6を用意した。
いずれも比較例1-6に比べて、繊維感及び弾力の向上が確認され、保水処理による不自然な柔らかさを感じることなく、サバを食することができた。
(実施例1-7:エビ、湯煎)
実施例1-1にならい、スミチームPME及びスミチームSPGを湯煎前のエビに対して各0.02質量割合%添加し、保水剤としてクエン酸三ナトリウム及び炭酸ナトリウムを適宜配合した。バナメイエビを一晩浸漬させ、80℃のウォーターバスにて20分間湯煎した。また、ペクチナーゼを添加していない試験区として比較例1-7を用意した。
比較例1-7で湯煎したエビは食感が柔らかすぎたが、実施例1-7のエビは繊維感が付与されており、食感が改良されていた。保水剤により歩留まりを向上させつつ、自然な食感を維持した湯煎エビを得ることができた。
<実施例2:食肉>
(実施例2-1:牛豚合挽肉、ハンバーグ)
牛と豚の合挽肉に調味料(食塩、おろししょうが)を加え、粘り気が出るまで手で混ぜた。表3に記載の割合で各酵素を添加し、さらに練った。クッキングシートの上に俵型に成形した肉を、温度200℃、湿度60%の条件でスチーム付きコンベクションオーブンを使用し、4分焼成後、裏返してさらに3分焼成してハンバーグにした。また、ペクチナーゼを添加していない試験区として比較例2-1を用意した。
(官能評価)
食感の官能評価は6名の専門パネルが、比較例2-1を基準として、実施例2-1-1~2-1-6を10点満点で相対評価し、その合計点から6名の平均値を算出した。
[基準]
10点:比較例2-1に比べて好ましい
5点:比較例2-1と同等
1点:比較例2-1に比べて好ましくない
[項目]
繊維感
なお、酵素の添加率は焼成前のハンバーグの肉だねに対する質量割合(%)である。
表3のとおり、実施例2-1-1~2-1-3のペクチナーゼを1種添加したハンバーグにおいて、繊維感が好ましい方向へと変化する様子が確認された。また、ペクチナーゼを2種併用した実施例2-1-4~2-1-6において、繊維感がさらに好ましくなる様子が確認された。一方で、ジューシー感が増した、弾力や硬さが良くなったとの食感改良の評価が寄せられたため、以降の試験では「ジューシー感」「弾力」「硬さ」に関する評価も行った。
(実施例2-2:鶏挽肉、つくね)
鶏むね肉の挽肉に食塩を加えて粘り気が出るまでよく混ぜ、残りの調味料(酒、おろししょうが、醤油)、卵、片栗粉を加えて均一に混ぜ合わせた。ここに表4に記載の配合で各酵素を添加して混ぜ、20g程度に分割成形し、沸騰したお湯で6分間茹でて鶏つくねにした。また、ペクチナーゼを添加していない試験区を比較例2-2-1として、ペクチナーゼに代えてアミラーゼを添加した試験区を比較例2-2-2として用意した。
(官能評価)
食感の官能評価は6名の専門パネルが、比較例2-2-1を基準として、実施例2-2-1~2-2-4を10点満点で相対評価し、その合計点から6名の平均値を算出した。
[基準]
10点:比較例2-2-1に比べて好ましい
5点:比較例2-2-1と同等
1点:比較例2-2-1に比べて好ましくない
[項目]
繊維感、ジューシー感、弾力、硬さ
なお、酵素の添加率は加熱前のつくねの肉だねに対する質量割合(%)である。
表4のとおり、実施例2-2-1~2-2-4のペクチナーゼを1種添加したつくねにおいて、食感が好ましい方向へと変化する様子が確認された。一方で、比較例2-2-2のアミラーゼは、ペクチナーゼと同様に糖分解酵素であるものの、比較例2-2-1とほとんど変わらない結果となっていることからも、本発明におけるペクチナーゼの食感改良効果が優れたものであることが分かった。
(実施例2-3:牛うで肉、ステーキ)
40gにカットした牛うで肉をビニールパウチに入れ、対肉50%重量部の合わせ調味料(醤油、酒、塩、おろししょうが、おろしにんにく、水)と、表5に記載の配合で各酵素を添加した。タンブリングを1時間行い、一晩静置し、ざるで調味液をきった肉を200℃のホットプレートで片面2分ずつ焼成してステーキにした。また、ペクチナーゼを添加していない試験区として比較例2-3を用意した。
(官能評価)
比較例2-3を基準として、実施例2-2と同様に評価した。
なお、酵素の添加率は焼成前の牛ステーキ肉に対する質量割合(%)である。
表5のとおり、実施例2-3-1~2-3-3のペクチナーゼを1種類添加したステーキにおいて、食感が好ましい方向へと変化する様子が確認された。さらに、ペクチナーゼを2種併用した実施例2-3-4において、さらに食感が好ましくなった。
(実施例2-4:豚ロース肉、とんかつ)
豚ロース肉をビニール袋に入れ、対肉20質量%のバッター液(全卵、薄力粉、水)と表6に記載の配合で各酵素を添加した。タンブリングを1時間行ったのち、冷蔵庫にて一晩浸漬させた。ビニールパウチから取り出した肉に、パン粉をまぶし、180℃の油で3分間油調してとんかつにした。また、ペクチナーゼを添加していない試験区として比較例2-4を用意した。
(官能評価)
比較例2-4を基準として、実施例2-2と同様に評価した。
なお、酵素の添加率は加熱前の豚ロース肉に対する質量割合(%)である。
表6のとおり、実施例2-4-1~2-4-3のペクチナーゼを1種類添加したとんかつにおいて、食感が好ましい方向へと変化する様子が確認された。
(実施例2-5:鶏もも肉、唐揚げ)
鶏もも肉をビニールパウチに入れ、対肉30質量%の合わせ調味料(醤油、酒、塩、おろししょうが、チキンエキス、水)と、表7に記載の配合で各酵素を添加した。タンブリングを1時間行い、一晩静置し、ざるで調味液をきった肉に、薄力粉と片栗粉を混合した衣をまぶし、油調して唐揚げにした。油調は180℃の油で3分加熱ののち、一度取出し、さらに2分加熱する二度揚げを行った。また、ペクチナーゼを添加していない試験区として比較例2-5を用意した。
(官能評価)
比較例2-5を基準として、実施例2-2と同様に評価した。
なお、酵素の添加率は加熱前の鶏もも肉に対する質量割合(%)である。
表7のとおり、実施例2-5-1~2-5-3のペクチナーゼを1種添加した唐揚げにおいて、食感が好ましい方向へと変化する様子が確認された。
本発明の食感改良剤は、魚介類又は食肉の食感の改良に用いることができることから、産業上有用である。

Claims (4)

  1. ペクチナーゼを含有し、未加熱の魚介類又は食肉と接触させることを特徴とする魚介類又は食肉の加熱加工品の繊維感を付与又は向上させる食感改良剤(ただし、ペクチンを含有する食感改良剤を除く。)
  2. 前記ペクチナーゼが、ポリガラクチュロナーゼ活性、ペクチンメチルエステラーゼ活性、及びペクチントランスエリミナーゼ活性から選ばれる少なくとも1種の活性を有することを特徴とする請求項1記載の食感改良剤。
  3. さらに、保水剤を含有することを特徴とする請求項1記載の食感改良剤。
  4. 未加熱の魚介類又は食肉に、請求項1~3のいずれか記載の食感改良剤を直接接触させた後に、加熱処理を行うことを特徴とする繊維感を付与又は向上させた魚介類又は食肉の加熱加工品の製造方法。
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