JP7790021B2 - 化粧シート及び化粧材 - Google Patents
化粧シート及び化粧材Info
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Description
通常、化粧材では、基材上に直接絵柄層を設けただけの構成では耐傷性、耐汚染性、耐候性等の表面性能が不十分となるため、基材上に設けた絵柄層上に透明性樹脂フィルムを積層した化粧シートをラミネートすることにより、表面性能を付与している。また、このような化粧シートの表面には凹凸を形成して木目調の意匠性向上を図ったりしている。
これまでは、市場クレーム及びコンプレイン指摘となる化粧材の傷の現象は、抉れ傷又は凹み傷が大半であり、代用試験として実施している引き掻き試験(鉛筆硬度試験等)においても傷の評価は、「抉れ傷又は凹み傷」の発生の有無で評価されてきた。
上述した「艶変化」は、表面に荷重が加わった状態で引き摺られた際、抉れ傷又は凹み傷が発生しないまでも表面が平滑になり、そのことで表面を照らした光の反射状態が変化することで表面の艶の見え方が異なることにより発生する現象である。
特許文献1及び2では、「艶変化」については検討されておらず、更なる改善の余地があった。
また、上記凹部の最大深度が80μm以下であることが好ましい。
また、上記ベースフィルム層は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。
また、本発明の化粧シートは、総厚みが200μm以上であることが好ましい。
本発明の化粧シートにおいて、上記表面保護コート層は、インデンテーション硬さが100MPa以上であることが好ましく、また、厚みが10μm以上であることが好ましい。
また、本発明は、本発明の化粧シートと、基材とが積層されたものであることを特徴とする化粧材でもある。
なお、以下の記載において、「~」で表される数値範囲の下限上限は「以上以下」を意味する(例えば、α~βならば、α以上β以下である)。
図1(a)は、本発明の化粧シートの模式的な断面図であり、図1(b)は、本発明の化粧シートの模式的な平面図である。
図1(a)に示すように、本発明の化粧シート10は、表面保護コート層1及びベースフィルム層2を備える。
図1(a)、(b)に示したように本発明の化粧シート10は、表面保護コート層1及び化粧層を含む1層以上のベースフィルム層2を備えており、表面保護コート層1は、ベースフィルム層2が形成された側と反対側の表面に溝状の凹部aを有する。
本発明の化粧シート10の表面に溝状の凹部aが形成されている。
凹部aは、化粧シート10の表面保護コート層1に少なくとも存在していればよく、凹部aの深さは表面保護コート層1内に留まるものであってもよいし、また後述する第二オレフィン樹脂層5まで至るもの、その下の層や裏面に凸となって現れるものがあってもよい。
優れた質感(触感)を得る観点から、表面保護コート層1内に留まるものだけでなく、第二オレフィン樹脂層5まで至るもの、後述する第一オレフィン樹脂層3まで至るものが組み合わされていることが好ましい。
例えば、化粧層4が木目模様の場合は、凹部の模様として木目板導管溝を選択し、かつ化粧層4の木目と凹部の木目とを同調させると、よりリアルで質感に溢れた、高級感のある化粧シートが得られる。
密度が15%未満であると、艶変化を充分に防止できず耐傷性能が不充分となる。
上記凹部aの密度は、50%以下であることが好ましい。50%を超えると、抉れ傷が発生し易くなり、逆に耐傷性が低下することがある。上記凹部aの密度の好ましい下限は20%であり、より好ましい下限は25%、より好ましい上限は45%である。
なお、本明細書において「凹部の密度」は、以下の方法により測定される。
(1)図4に示したように、本発明の化粧シートを100mm×100mmにカットしてサンプル40を作製し、サンプル40の表面において10カ所の測定領域41を任意に選択する。このとき、測定領域41は、サンプル40において偏りがないよう均等な間隔で選択する。
なお、凹部の密度の計測においては、1つの測定領域41のサイズは20mm×15mmとする。
(2)選択した各測定領域41において、以下の方法で凹部の密度を計測する。
(2-1)測定環境
測定装置:KEYENCE社製、形状解析レーザー顕微鏡「VK-X1000」
解析ソフト:Adobe社製、Adobe Photoshop
(2-2)測定手順
(i)サンプル40をVK-X1000の試料台に置きピントを合わせる。
(ii)1の測定領域41を選択し、表面形状の計測を行う。
(iii)計測された表面形状からうねりの除去を行う。
(iv)うねりを除去した計測データの高さ表示を白黒に変更する。
(v)得られた画像をTIF画像として保存しAdobe Photoshopへ取り込んだ後、画像のトリミングを行う。トリミングは、処理前の画像に対し縦横の長さが90%となるよう元画像の周囲で均等に行う。
(vi)トリミング後の画像において凹部にあたる部分を選択し、画像中で凹部の占める面積(ピクセル数)を計測する。
具体的には、
(a)画像上の最も黒色のセル(K値:100%)を選択する。
(b)色域指定の処理を実施する(指定色に近い色のセルを選択する)。
凹部のみを指定するために、色域指定の許容量(色差の判断パラメータ)を調整する。
凹部の大半を選択でき、かつ平面(非凹部)はほとんど選択されていないようにする。
(c)(b)で指定された面積のピクセル数を計測する。
(vii)1の測定領域41における凹部の密度(%)を以下の式により計算する。
なお、本明細書において「凹部の平均幅」は、以下の方法により測定される。
(1)図4に示したように、本発明の化粧シートを100mm×100mmにカットしてサンプル40を作製し、サンプル40の表面において10カ所の測定領域41を任意に選択する。このとき、測定領域41は、サンプル40において偏りがないよう均等な間隔で選択する。
なお、凹部の平均幅の計測においては、1つの測定領域41のサイズは4mm×4mmとする。
(2)選択した各測定領域41において、以下の方法で凹部の平均幅を計測する。
(2-1)測定環境
測定装置:KEYENCE社製、形状解析レーザー顕微鏡「VK-X1000」
(2-2)測定手順
(i)サンプル40をVK-X1000の試料台に置きピントを合わせる。
(ii)1の測定領域41を選択し、表面形状の計測を行う。
(iii)計測された表面形状からうねりの除去を行う。
(iv)うねりを除去した後の画像より1の測定領域における凹部の幅の計測を行う。
まず、測定する凹部を以下の基準で3点選択する。
(A)凹部であること。
(B)2つ以上の凹部同士が重なっていないこと。
(C)凹部のアスペクト比(長軸の長さ/短軸の長さ)が10以上であること。
「長軸の長さ」とは凹部の描く輪郭上の最大の2点間の長さ。
「短軸の長さ」とは凹部の描く輪郭上の長軸に対し垂直な方向の最大の2点間長さ。
図5に示した溝状の凹部の破線の長さが「長軸の長さ」、細線の長さが「短軸の長さ」。
上記基準に基づくと、図5に示した凹部ではA-1、B-1、C-1、C-2、Dは、上記基準(A)~(C)を全て満たすため選択可能である。なお、B-1は凹部の全体が測定領域に含まれないが、最大幅が測定領域の端近傍でないため選択可能である。
凹部B-2は、アスペクト比が10以上であるが、全体が測定領域に含まれず最大幅が選択領域の端近傍であるため、選択できる他の凹部が無い場合にのみ測定可能である。
一方、凹部B-3、E-1、E-2はアスペクト比が10未満であるため選択不可であり、凹部Fは2つの凹部が重なっているため選択不可である。
上記で選択した凹部において、幅が最大になる場所を選びその長さを計測する。このとき、測定する幅の長さの方向は溝状の凹部の短軸と平行となる。選択した3点の溝状の凹部の幅の長さを測定した後、それらを平均して得られた数値を1の測定領域における凹部の幅とする。
(v)(i)~(iv)の手順を選択した全ての測定領域41(合計10点)で行い得られた数値を平均することで本発明の化粧シートにおける「凹部の平均幅」を算出する。
また、最大深度が15μm未満であると艶変化を防止することができない。上記最大深度は20μm以上であることが好ましく、25μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることが更に好ましい。
なお、本明細書において「凹部の最大深度」とは、以下の方法により測定される。
上記「凹部の平均幅」と同様の(i)~(iii)の手順を行う。
(vi)「凹部の平均幅」と同様の基準で深さを測定する溝状の凹部を3点選択する。
(vii)(iii)で得られた画像データに対し、スムージング(条件:±8)を行う。
(viii)選択した凹部の最大の深さを測定する。このとき「最大の深さ」とは、凹部の底部から表面の平面部までの厚み方向に平行な距離の最大値である。選択した3点の溝状の凹部の最大の深さを測定した後、3点の中で最大のものを1の測定領域における溝状の凹部の最大深度とする。
(ix)(i)~(viii)の手順を選択した全ての測定領域41(合計10点)で行い得られた凹部の深度のうち最大のものを本発明の化粧シートにおける「凹部の最大深度」とする。なお、得られた10点の値を平均することで平均深度を算出することもできる。
本発明の化粧シート10は、総厚みが200μm以上であることが好ましい。
化粧シート10の総厚みが200μm未満であると、凹み傷を防止することができないことがある。化粧シート10は、総厚みが220μm以上であることがより好ましく、240μm以上であることが更に好ましく、250μm以上であることが最も好ましい。
化粧シート10は、総厚みの上限は特に限定されないが500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましい。
図2(a)は、本発明の化粧シートの模式的な断面図であり、図2(b)は、別の形態に係る本発明の化粧シートの模式的な断面図である。
本発明の化粧シート10が一方の面にのみ凹部を有する場合には、図2(a)に示すように、表面Aから表面Bまでの厚み方向の長さが化粧シート10の「総厚み」である。
一方、本発明の化粧シート10が一方の面に凹部を、他方の面に突起部B′を有する場合であっても、図2(b)に示すように、表面Aから平滑面である表面Bまでの厚み方向の長さが化粧シート10の「総厚み」である。
続いて、化粧シート10を構成する各層について説明する。
本発明の化粧シート10は、表面保護コート層1を有する。
表面保護コート層1は、インデンテーション硬さが100MPa以上であることが好ましい。
表面保護コート層1のインデンテーション硬さが100MPa未満の場合には、艶変化を防止することができないことがある。
表面保護コート層1は、インデンテーション硬さが160MPa以上であることがより好ましく、200MPa以上であることが更に好ましい。
一方、表面保護コート層1は、インデンテーション硬さが300MPa以下であることが好ましく、290MPa以下であることがより好ましい。
表面保護コート層1のインデンテーション硬さが300MPaを超えると、脆くなってしまい、艶変化を防止できるが、抉れ傷が発生し易くなったり、化粧シート10の取り扱い時や意匠性を付与するためのエンボス賦形時に割れが生じ易くなることがある。
なお、トライボインデンター(登録商標)「TI-950」を用いた各層のインデンテーション硬さ(HIT)の測定方法は次の通りである。
すなわち、HIT=Fmax/Apである。
(2)ここで、押込み条件は、室温(実験室環境温度)において、図6(c)に示される通り、表面保護コート層1については、先ず0~100μNまでの負荷を10秒間で加え(すなわち10μN/s)、次に100μN(Fmax)の負荷で5秒間保持し、最後に100~0μNまでの除荷を10秒間で行う。
また、後述する第一オレフィン樹脂層3については、先ず0~50μNまでの負荷を5秒間で加え(すなわち10μN/s)、次に50μN(Fmax)の負荷で5秒間保持し、最後に50~0μNまでの除荷を10秒間で行う。
通常、押し込み量(h)は100~150nm程度であるため、測定試料となる層の押し込み方向の厚さは1.0μm以上(好適には1.5μm以上)であればよい。Apは、24.50〔hmax-ε(hmax-hr)〕2で算出される(ここで、εは圧子の幾何学的形状による補正係数であり、hrは除荷後の表面に残存している三角錐型の幾何学的形状の深さである。)。
(3)なお、硬さの測定に際し、測定試料30となる層以外の層の硬さの影響を回避するために測定対象の層の断面の硬さを測定する。すなわち、化粧シートを樹脂(冷間硬化タイプのエポキシ2液硬化樹脂)で包埋し、室温で24時間以上放置して硬化させた後、硬化した埋包サンプルを機械研磨して測定対象の層の断面を露出させ、測定対象の層の断面(充填剤等の微粒子が層中に含まれる場合には当該微粒子を避けた位置)にバーコビッチ圧子31を押込むことにより各層の断面の硬さを測定する。
(4)各層について、それぞれ偏りが生じないように10箇所のインデンテーション硬さを測定し、10箇所の平均値をそれぞれ「表面保護コート層1のインデンテーション硬さ」、「第一オレフィン樹脂層3のインデンテーション硬さ」とする。
上記硬化性樹脂組成物としては、例えば、熱硬化性樹脂、2液硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を含む樹脂組成物が挙げられ、より優れた表面特性を得る観点から、硬化性樹脂として2液硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物が好ましい。
これらの重合性オリゴマーは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分散剤としては、高分子界面活性剤、脂肪酸金属塩、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイル、ワックス、変性樹脂等が挙げられる。
また、国際公開第2018/159660号等に記載のナノシェルを好適に用いることもできる。
これらの分散剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、カオリナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム及びガラス等が挙げられる。
また、上記無機微粒子の種類や含有量を制御することにより、表面保護コート層1のインデンテーション硬さを調節することもできる。
上記無機微粒子の平均粒子径は、溶液中の該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を体積累積分布で表したときの50%粒子径(d50:メジアン径)である。50%粒子径は、例えば、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
表面保護コート層1の厚さが10μm以上30μm以下であることにより、抉れ傷及び凹み傷と、艶変化とを好適に防止することができ、更に、本発明の化粧シート10の割れを好適に防止することができ、取り扱い性を向上することもできる。
表面保護コート層1の厚さは、12μm以上25μm以下であることがより好ましく、15μm以上20μm以下であることが更に好ましい。
本発明の化粧シート10は、ベースフィルム層2を有、ベースフィルム層2は、化粧層、第一オレフィン樹脂層及びプライマー層を少なくとも含む。
ベースフィルム層2は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂を含有するベースフィルム層を備えた本発明の化粧シートは加工性に優れたものとなるため、ロール成形やエンボス加工に対する適性が優れたものとなる。
なお、上記熱可塑性樹脂としては、後述するベースフィルム層2を構成する各層において例示される樹脂成分が挙げられる。
このようなベースフィルム層2としては、例えば、化粧層、第一オレフィン樹脂層及びプライマー層の他、第二オレフィン樹脂層、及び、バッカー層等が挙げられる。
図3は、本発明の化粧シートを用いた化粧材の好ましい一例を模式的な断面図である。
図3に示すように、化粧材100は、表面保護コート層1及びベースフィルム層2を備える化粧シート10と、基材20とが積層されており、ベースフィルム層2は、第一オレフィン樹脂層3、化粧層4、第二オレフィン樹脂層5及びバッカー層6を含む層である。
なお、上記プライマー層は、例えば、第一オレフィン樹脂層3の片面又は両面に有することが好ましい。
ベースフィルム層2を構成する各層について説明する。
第一オレフィン樹脂層3は、インデンテーション硬さが100MPa以上であることが好ましい。
第一オレフィン樹脂層3のインデンテーション硬さが100MPa以上であると、化粧材の抉れ傷をより好適に防止することができる。
第一オレフィン樹脂層3は、インデンテーション硬さが115MPa以上であることがより好ましく、130MPa以上であることがさらに好ましい。
また、第一オレフィン樹脂層3は、インデンテーション硬さが200MPa以下であることがより好ましく、180MPa以下であることがさらに好ましい。
なお、第一オレフィン樹脂層3のインデンテーション硬さの測定方法は、上述した方法と同様の方法が挙げられる。
上記オレフィン樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィンの単独重合体;エチレン-プロピレンのブロック共重合体、ランダム共重合体;エチレン及びプロピレンの少なくとも一種と、ブテン、ペンテン、ヘキセン等の少なくとも一種の他のオレフィンとの共重合体;エチレン及びプロピレンの少なくとも一種と、酢酸ビニル、ビニルアルコール等の少なくとも一種の他の単量体との共重合体;等が挙げられる。
なかでも、優れた耐擦傷性と良好な曲げ加工性とを得る観点から、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ポリエチレンがより好ましい。
ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、架橋ポリエチレン(PEX)等が挙げられる。
これらのポリエチレンは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのポリプロピレンは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、優れた耐擦傷性と曲げ加工性の観点から、プロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)であることが特に好ましい。
この場合、冷却方法としては、例えば、押出し成型時において冷却水を通した冷却ロール(チルロール)にダイから押し出された材料を接触させて冷却を行なうチルロール法による冷却が挙げられる。
また、上記結晶核剤としては、上記の結晶核剤がナノシェルに内包されたものを用いることもできる。ナノシェルに内包された結晶核剤を用いることにより、第一オレフィン樹脂層3中において結晶核剤がより均一に分散するため、溶融条件、冷却条件等の諸条件によらず、容易にかつ安定的に、インデンテーション硬さを好適に調節することができ、また優れた耐擦傷性と良好な曲げ加工性とが得られる。
なお、上記ナノシェルとしては、国際公開第2018/159660号等に記載のものを適宜選択して用いることができる。
上記結晶核剤の含有量が上記範囲内であると、第一オレフィン樹脂層3を形成する樹脂中に均一に分散しやすく、結晶核剤としての効果が得られやすく、ベースフィルム層2のインデンテーション硬さを好適に調節することができ、また優れた耐擦傷性と曲げ加工性とが得られる。
第一オレフィン樹脂層3の厚さが30μm未満であると、耐擦傷性や耐衝撃性(特に耐凹み性)が劣ったり、印刷機で印刷やコーティングを施す際に印刷時に加わる張力で第一オレフィン樹脂層3が伸びてしまうおそれがある。
また、第一オレフィン樹脂層3の厚さが120μmを超えると、曲げ加工において表面保護コート層1に亀裂や破断を生じてしまうことや耐衝撃性(特に耐割れ性)が劣ってしまうおそれがある。
上記プライマー層は、主に各層の密着性の向上を図るために設けられる層である。
本発明の化粧シート10において、プライマー層は、例えば、第一オレフィン樹脂層3の片面又は両面、第二オレフィン樹脂層5の片面又は両面、等に設けることができる。
なかでも、密着性を好適に向上させる観点から、オレフィン樹脂を用いることが好ましい。
本発明の化粧シート10は、意匠性を向上させる観点から、化粧層4を有することができる。
化粧層4は、例えば、第一オレフィン樹脂層3と第二オレフィン樹脂層5との間、又は第一オレフィン樹脂層3と表面保護コート層1との間、表面保護コート層1上等に設けることができる。
更に、化粧層は同一層内で複数箇所に設けてもよいし、一層だけでなく複数の層で設けてもよい。
第二オレフィン樹脂層5は、オレフィン樹脂からなる層であることが好ましい。
第二オレフィン樹脂層5を形成するオレフィン樹脂としては、第一オレフィン樹脂層3を形成し得るオレフィン樹脂と同じものが例示できる。
なかでも、優れた耐擦傷性と曲げ加工性の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
この場合は、上記オレフィン樹脂に着色剤を添加すればよい。上記着色剤としては、上述した化粧層4で用いる顔料又は染料が使用できる。
本発明の化粧シート10は、化粧シート10の最下層、すなわち、化粧シート10の第二オレフィン樹脂層5側にバッカー層6を備えていてもよい。
バッカー層6を備えることにより、抉れ傷及び凹み傷と艶変化とを好適に防止することができ、耐衝撃性を好適に付与することができる。
上記中空ビーズの種類、粒子径、及び、含有量等は、特開2014-188941号公報に記載のものを適用することができる。
上記発泡樹脂バッカー層は、特開2014-188941号公報に記載のものを適用することができる。
上記バッカー層の厚みが100μm以上であることにより、凹み傷をより好適に防止することができ、耐衝撃性にも優れたmのとすることができる。
上記バッカー層は、厚みが120μm以上であることがより好ましく、200μm以上であることが更に好ましい。
上記バッカー層の厚みの上限としては、1000μm以下が好ましく、600μm以下がより好ましく、400μm以下がさらに好ましい。
また、各層の密着性の向上を図るため、第一オレフィン樹脂層3、第二オレフィン樹脂層5の片面又は両面に、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、又は化学的表面処理等の表面処理を施してもよい。
本発明の化粧シート10の製造方法について、本発明の化粧シート10の好ましい態様の一つである、厚さ方向において、表面保護コート層1、第一オレフィン樹脂層3、化粧層4、第二オレフィン樹脂層5、及びバッカー層6を順に有する化粧シート10を例にとって、その製造方法の一例を説明する。
また、これとは別に、第一オレフィン樹脂層3を形成する樹脂組成物を用意して、溶融押出法等の方法により第一オレフィン樹脂層3を製膜し、該第一オレフィン樹脂層3の上に、硬化性樹脂組成物を塗布した未硬化層に、加熱又は電離放射線を照射して硬化させて、表面保護コート層1を形成する。
また、バッカー層6は、例えば、Tダイ押出し法などで作製したバッカー層6と、第二オレフィン樹脂層5とを、熱ラミネートや接着剤を介してドライラミネートにより積層するなど、公知の方式で形成することができる。
該インキの塗布は、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式、好ましくはグラビア印刷法により行うことができる。
照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5~300kGy(0.5~30Mrad)、好ましくは10~50kGy(1~5Mrad)の範囲で選定される。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
作業の容易さを考慮すると、上記凹部の形成はエンボス加工を採用することが好ましい。上記エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用する通常の方法により行えばよい。
基材20としては、例えば、中密度木質繊維板、高密度木質繊維板、パーティクルボード、針葉樹合板、広葉樹合板、早成樹合板、コルクシート、コルク含有複合基材といった木質基材や、熱可塑性樹脂板(ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂等を主成分とする樹脂板、又はそれらを発泡させたもの)等の少なくとも1種が挙げられる。
基材20は、合板であることが好ましい。
基材20が合板であることにより、抉れ傷及び凹み傷と艶変化とを好適に防止することができる。
上記接着剤は、公知の接着剤から適宜選択すればよい。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、アイオノマー、ウレタン系反応型ホットメルト(以下、「PUR系接着剤」という。)などの反応型ホットメルト接着剤等や、ブタジエン-アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。
これら接着剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第二オレフィン樹脂層として、60μm厚の着色ポリプロピレンフィルムを準備し、その一方の面上にグラビア印刷機にて化粧層(5μm厚)を積層した。
次いで、第一オレフィン樹脂層として、48μm厚、50MPaのオレフィン系フィルム(ランダムポリプロピレン、クリヤー)を準備し、その一方の面に12μm厚のプライマー層(オレフィン樹脂層)を形成した。このプライマー層に接着剤を塗布し、接着剤を介して、上記化粧層と貼り合わせた。
上記第一オレフィン樹脂層の面上に、グラビアコートにて表面保護コート層用組成物(ウレタンアクリレート系電子線硬化型樹脂)を塗布した後、電離放射線(電子線)を照射して硬化させ、15μm厚、インデンテーション硬さが150MPaの表面保護コート層を設けた。
更に、表面保護コート層が形成された側から熱圧によるエンボス加工を施すことにより、木目導管柄(溝状)の凹凸模様(凹部)を形成した。形成した凹部の密度は25%、最大深度は50μm、平均幅は350μmであった。
その後、上記第二オレフィン樹脂層の裏面(化粧層を有する側と反対側面)に、120μm厚のオレフィン系フィルム(ホモポリプロピレン)を貼り合わせてバッカー層を形成し、化粧シートを作製した。
上記化粧シートと基材とを接着剤を介して(化粧シートの表面保護コート層を有する側と反対側面が基材と接するように)貼り合わせ、実施例1の化粧材を作製した。
表面保護コート層の表面に密度25%、最大深度50μm、平均幅200μmとなるよう溝状の凹部を設けた以外は実施例1と同様にして化粧材を作製した。
表面保護コート層の表面に密度47%、最大深度50μm、平均幅350μmとなるよう溝状の凹部を設けた以外は実施例1と同様にして化粧材を作製した。
表面保護コート層の表面に密度25%、最大深度80μm、平均幅350μmとなるよう溝状の凹部を設けた以外は実施例1と同様にして化粧材を作製した。
表面保護コート層の表面に密度15%、最大深度40μm、平均幅350μmとなるよう溝状の凹部を設けた以外は実施例1と同様にして化粧材を作製した。
表面保護コート層の表面に密度5%、最大深度40μm、平均幅250μmとなるよう溝状の凹部を設けた以外は実施例1と同様にして化粧材を作製した。
表面保護コート層の表面に密度35%、最大深度100μm、平均幅350μmとなるよう溝状の凹部を設けた以外は実施例1と同様にして化粧材を作製した。
表面保護コート層の表面に密度30%、最大深度10μm、平均幅250μmとなるよう溝状の凹部を設けた以外は実施例1と同様にして化粧材を作製した。
(インデンテーション硬さ)
表面保護コート層及び第一オレフィン樹脂層のインデンテーション硬さは、明細書本文に記載の方法により測定した。
実施例及び比較例で作製した化粧材について、JIS K5600に準じて、2Hの硬度の鉛筆を用いて試験を実施し、下記項目について評価した。その結果を表1に示した。
なお、表1に記載の総合判断は、全ての評価で「+/-」以上の評価であったものを合格した。
(艶変化)
+:目視で判別できない
+/-:目視で僅かに分かるが目立たない
-:目視で容易に判別でき、目立つ
(抉れ傷)
+:傷長さが2mm未満
+/-:傷長さが2mm以上、3mm未満
-:傷長さが3mmを超える
(凹み傷)
+:目視で凹みが判別できない
+/-:目視で凹みが僅かに分かるが目立たない
-:目視で容易に凹みを判別でき、目立つ
実施例及び比較例で作製した化粧材の表面に赤クレヨンを1cm×7cm長さの範囲を3回重ね塗りした後に15分放置し、ティッシュ―エタノールを浸して拭き取りを行い、下記基準で拭き取り性を評価した。2以上で合格とした。
4:20往復以内で拭き取れる
3:回数制限なく拭き取りを行い、色残り無し
2:回数制限なく拭き取りを行い、極軽微な色残り有り
1:回数制限なく拭き取りを行い、色残り有り
特に、表面保護コート層のインデンテーション硬さが250MPa以上であり、表面保護コート層の厚みが15~30μmである実施例1、3及び4で作製した化粧材では、鉛筆硬度試験の全てにおいて優れていた。
一方で、凹部の密度が5%であった比較例1で作製した化粧材では、艶変化を防止することができず、最大深度が100μmであった比較例2で作製した化粧材では、汚れ拭き取り性が劣っていた。また、凹部の最大深度が10μmであった比較例3で作製した化粧材では、艶変化を防止することができなかった。
2 ベースフィルム層
3 第一オレフィン樹脂層
4 化粧層
5 第二オレフィン樹脂層
6 バッカー層
10 化粧シート
20 基材
30 測定試料
31 バーコビッチ圧子
32 荷重をかける方向
100 化粧材
Claims (5)
- 表面保護コート層及びベースフィルム層を備える化粧シートであって、
前記表面保護コート層は、前記ベースフィルム層が形成された側と反対側の表面に凹部を備え、
前記ベースフィルム層は、化粧層、第一オレフィン樹脂層及びプライマー層を少なくとも含み、
前記凹部は、化粧シートを表面視した際の密度が15%以上47%以下、平均幅が200μm以上350μm以下、最大深度が40μm以上80μm以下であり、
前記表面保護コート層は、インデンテーション硬さが100MPa以上300MPa以下である
ことを特徴とする化粧シート。 - 前記ベースフィルム層は、熱可塑性樹脂を含有する請求項1に記載の化粧シート。
- 前記化粧シートの総厚みが200μm以上である請求項1又は2に記載の化粧シート。
- 前記表面保護コート層は、厚みが10μm以上である請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧シート。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧シートと、基材とが積層されたものであることを特徴とする化粧材。
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