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JP7790466B2 - 水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法 - Google Patents
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JP7790466B2 - 水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法 - Google Patents

水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法

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Description

本発明は水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法に関する。
近年、工場で使用される蒸気の質に対する注目が高まっている。特に、飲料、食品分野では人体に対する化学物質の影響の低減、半導体工場では加湿蒸気の不純物の低減が必要となっている。
カーボンニュートラルの観点から、効率的な熱交換ニーズも高く、近年は滴状凝縮を実現する有機薬剤(滴状凝縮促進剤)が利用されている。例えば、蒸気式の熱交換器の加熱効率向上を目的として、ポリアミン等の薬剤がボイラ給水又は蒸気に添加されることがある(特許文献1)。
これら薬剤の一部はドレン回収中に含まれ、補給水と共に再びボイラ給水となって系内を循環することになる。
火力発電プラントにおいては、復水処理装置として、復水脱塩装置のみの単独方式と、復水前置濾過装置と復水脱塩装置との組み合わせ方式が従来使用されている。この脱塩システムによれば、プラントの構成材料から発生し、復水中に微量存在する腐食生成物およびイオンの除去と、復水器の冷却水として使用される海水・淡水が万一漏洩した場合の海水成分の除去が行われる。
特開2019-56524号公報
ボイラから発生する蒸気の一部を熱交換器以外の蒸気使用箇所に直接供給する場合には、この蒸気中に含まれる有機薬剤を十分に除去することが必要となる。
本発明は、滴状凝縮促進剤等の添加による熱交換器の効率向上と、対象熱交換器を除いた水・蒸気サイクル系の有機系溶存物質の除去を両立させることができる、水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法を提供することを課題とする。
本発明の要旨は、次の通りである。
[1]熱交換器の上流で有機系薬品を添加する水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質を除去する方法であって、
該熱交換器のドレン水の少なくとも一部を濾過装置に通して有機系溶存物質を除去する方法において、
該濾過装置として、イオン交換装置、活性炭濾過装置、RO膜装置及びNF膜装置の少なくとも一種よりなる機器が複数個並列に配置されており、
一部の該機器にドレン水を通し、薬品添加量またはセンサによる水質の測定値に基づいて濾過性能が低下したと判断された場合に通水を他の該機器に切替えることを特徴とする水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法。
[2]前記センサが、電気伝導率計、pH計、薬品濃度計、水晶振動子のいずれか1又は2以上であることを特徴とする[1]の水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法。
[3]前記センサの閾値またはトレンドのいずれかで、前記濾過装置を切り替えることを特徴とする[1]の水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法。
[4]前記濾過装置内の濾材は、別設備での使用履歴があり、濾材を詰めたカートリッジまたは濾材のみを交換できることを特徴とする[1]の水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法。
[5]前記機器の切換え作動信号を外部に発信し、運転管理者に該濾過装置の交換を促すことを特徴とする[1]の水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法。
[6]前記濾過装置が、直前に薬品が添加される熱交換器の後段に設置されていることを特徴とする[1]の水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法。
[7]熱交換器の上流で有機系薬品を添加する水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質を除去する方法において、
該熱交換器のドレン水の少なくとも一部を電気脱イオン装置に通して有機系溶存物質を除去することを特徴とする水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法。
[8]前記有機系薬品は滴状凝縮促進剤である[1]~[7]のいずれかの水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法。
本発明の水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法によると、滴状凝縮促進剤等の添加による熱交換器の効率向上と、滴状凝縮の対象熱交換器を除いた水・蒸気サイクル系の有機系溶存物質の除去を両立させることができる。
また、本発明の一態様では、樹脂再生などではなく、ディスポーザブルを基準とすることにより、再生装置も不要となるので装置サイズは小さく、設備導入のハードルが顕著に低減できる。
本発明の一態様では、特定の熱交換器の直前に意図的に添加した有機系薬品を、出口のドレンで濾過することで、水蒸気サイクル系全体に、有機系薬品を拡散させない。
実施の形態に係る水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法を示すフロー図である。 実施の形態に係る水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法を示すフロー図である。 実施の形態に係る水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法を示すフロー図である。 実施の形態に係る水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法を示すフロー図である。
本発明の水・蒸気サイクル中の有機系溶存物質の除去方法の一例を図1~4に示す。
図1~3では、ボイラ1で発生した蒸気が配管2を通って熱交換器3に送蒸される。蒸気は熱交換器3において降温して凝縮してドレン水となる。このドレン水は、配管4から三方弁5によって配管6又は7に流れ、濾過装置(この実施の形態では滴状凝縮促進剤除去装置)A又はBに流れ、滴状凝縮促進剤の除去処理が行われる。滴状凝縮促進剤除去処理された処理水は、配管8又は9から配管10を通ってボイラ1に返送される。この途中で、補給水配管11から補給水が供給される。
前記配管2において、有機系溶存物質として滴状凝縮促進剤が滴状凝縮促進剤添加装置20によって添加される。滴状凝縮促進剤添加装置20は、薬液を貯留する薬品タンク、薬注ポンプ及び薬品添加ライン等を備えている。
三方弁5は、制御器21によって次のようにして制御される。
図1では、滴状凝縮促進剤添加装置20に、薬品の添加量を検知する機構が設けられている。
運転開始当初は、まず一方の濾過装置Aに通水するように三方弁5が配管4,6を連通させる。薬品の添加量の積算量が、あらかじめ設定しておいた濾過装置Aの薬品吸着量の上限量に近づいたならば、三方弁5を切替え、濾過装置Bへ通水する。濾過装置Bに通水している間に濾過装置Aの濾材の交換を行う。濾過装置Bから濾過装置Aへの通水切替も同様にして行う。
薬品の添加量は、薬品タンク内の薬液の減少量から求めてもよく、薬品添加ラインに設けた流量計の検出値又は薬注ポンプの稼働時間から求めてもよい。
本発明の別の一態様を図2に示す。図2では、配管10に滴状凝縮促進剤濃度などの水質を検出する水質センサ22が設けられている。
この水質センサ22で、水質を連続的にモニタリングし、有機系薬品濃度に対応するセンサ値が閾値を超えた場合、またはセンサ値に所定のトレンド変動(時系列データの変動)があった場合には、三方弁5を切り替え、通水する濾過装置を切り替える。水質センサ22としては、薬品濃度計のほか、電気伝導率計、pH計、水晶振動子等の1又は2以上を用いることができる。
本発明のさらに別の一態様を図3に示す。図3では、配管4に添加薬品の濃度を検出する濃度センサ24が設けられると共に、配管10にドレン流量を検出する流量計25が設けられている。なお、流量計25は配管4に設けられてもよい。
濃度センサ24とドレン流量計25の検出値が制御器21に入力され、負荷(濃度と流量の積の経時的積算値)が濾過装置の上限量に近づいたならば三方弁5を切り替える。なお、ドレン流量計25の代わりに、熱交換器前段の蒸気流量計を使用して、濾過装置A又はBを通過するドレン流量を把握してもよい。
図4は本発明のさらに別の一態様を示す。図4では、熱交換器3からのドレンが配管4を介して電気脱イオン装置30に送水され、脱イオン処理水が配管10を介してボイラ1に送水される。その他の構成は図1と同じである。
図1~4では、ボイラで発生した蒸気を、単独の有機系薬品を添加する熱交換器3のみに送蒸しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、図1~4では対象熱交換器を通過したドレンの全量を濾過装置(図中では滴状凝縮促進剤除去装置)又は電気脱イオン装置に通水しているが、一部でもよいし、他の系統の蒸気・ドレンと合わせて通水してもよい。濾過装置又は電気脱イオン装置が高温(例えば、60℃以上)のドレンを処理できない場合は、他の系統などの低温の水と合わせて水温を低下させてから通水してよい。
また、図1~3では、濾過設備は2系統を並列で設置しているが、3系統以上を並列設置し、随時切り替えるようにしてもよい。
なお、有機溶存物質の除去レベルは、完全な除去でもよいし、低減でもよく、例えば要求される濃度に応じて除去レベルを決定してよい。
図1~3で使用する濾過装置(滴状凝縮促進剤除去装置)としては、イオン交換樹脂塔、活性炭塔、RO膜装置、NF膜装置が挙げられる。
イオン交換樹脂は、添加する有機薬剤の種類に応じて、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂、混床樹脂を選択することが経済的な観点で望ましい。
例えば、添加する薬品がポリアミン類(具体的には、OLDA(N-オレイル-1,3-プロパンジアミン))の場合には、カチオン交換樹脂を用いるのが好ましく、サルコシン類の場合にはアニオン交換樹脂を用いることが好ましい。
また、イオン交換樹脂は、高温のドレン水でも劣化しにくいものが望ましい。
更に望ましくは、濾過装置は、純水レベルの高い設備で使用されていたハイスペックのイオン交換樹脂を用いたイオン交換樹脂塔、又は、RO膜装置が不純物の溶出防止の観点で望ましい。
本発明では、濾過装置の前段に、ドレン水を冷却するためのドレン冷却部用熱交換器を設置してもよい。このようにすることで、ディスポーザブルで使用する濾材を収容した濾過装置の容器(ヴェッセル)を非金属製のものとし、操作性と経済性を向上させることができる。
なお、濾過装置としてRO膜装置又はNF膜装置を用いる場合は、図1,2の態様に適用される。
[実施例1]
<実験条件>
図1の構成を有した水・蒸気サイクルにおいて、ボイラの定常運転時蒸気発生量10t/hr、常用圧力0.78MPaで運転した。蒸気使用用途は、蒸気直接吹込設備での使用量が1t/hrであり、残りの9t/hrは加熱用の熱交換器に使用される。また、配管2から蒸気を分流させて蒸気の一部を蒸気直接吹込み設備に供給する構成になっている。
熱交換器のドレン水は、濾過装置A又はBで濾過された後、補給水が補給されて、再度ボイラ給水となっている。濾過装置A,Bとしてはイオン交換塔を設置した。まず、除去装置Aに通水した。
滴状凝縮促進剤とて、N-オレイル-1,3-プロパンジアミンを主剤とする薬剤を蒸気量に対して20ppm添加した。
また、薬品タンクに液面計を設け、この液面計検出値からタンクからの薬注量を求め、外部に出力信号を発信する仕組みが設けられている。
イオン交換樹脂が破過する値(閾値)を、理論値から算出した値の80%の値として設定し、この閾値を超えると三方弁切替信号を発信するように構成した。
濾過装置A,Bには、別プラントで超純水製造に用いられていたハイグレードのイオン交換樹脂を再利用して充填した。
<結果・考察>
蒸気量に対して20ppmの薬剤を連続添加することで、熱交換器3では期待通りの伝熱効率の向上が得られた。また、配管10でドレン水を採取して分析したところ、薬品由来の有機物濃度はゼロであり、まったく検出されなかった。更に、蒸気直接吹込み設備の蒸気を分析しても有機物濃度は同様にゼロであった。
濾過装置Aに通水開始して、2か月経過後、薬品の積算使用量に基づいて、三方弁が切り替わり、濾過装置Bへの通水に切り替わると同時に、濾過装置Aの樹脂を交換する指示信号が外部に発信された。
[比較例1]
<実験条件>
図1において、三方弁5、配管6,7,8,9及び濾過装置A,Bを省略し、配管4,10を直結した構成とした。これ以外は、実施例1と全く同じ条件で試験を行った。
<結果・考察>
蒸気直接吹込み設備で検出された薬品成分濃度は、0.14mg/Lとなり、蒸気中にTOC成分を含まない蒸気質の規格を満足できなかった。なお、薬品成分の分析は、蒸気を冷却する仮設の熱交換器(図示略)を用いて凝縮してから測定した。
以上のことから、熱交換器3の前段で添加された有機系薬品を、ドレンから濾過除去することにより、水蒸気サイクル系全体に、有機系薬品を拡散させないことが確認できた。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、発明の効果が奏される範囲内で様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
1 ボイラ
3 熱交換器
5 三方弁
21 制御器
30 電気脱イオン装置

Claims (7)

  1. ボイラからの蒸気の一部を蒸気直接吹込設備に供給し、ボイラからの蒸気の残部を、滴状凝縮促進剤を添加した後、熱交換器に供給し、該熱交換器からのドレン水を該ボイラに返送する水・蒸気サイクルにおいて、
    該熱交換器のドレン水を濾過装置に通して滴状凝縮促進剤を除去することにより前記蒸気直接吹込設備へ供給される蒸気に滴状凝縮促進剤を含有させないようにする水・蒸気サイクル中の滴状凝縮促進剤の除去方法であって
    該濾過装置として、イオン交換装置、活性炭濾過装置、RO膜装置及びNF膜装置の少なくとも一種よりなる機器が複数個並列に配置されており、
    一部の該機器にドレン水を通し、薬品添加量またはセンサによる水質の測定値に基づいて濾過性能が低下したと判断された場合に通水を他の該機器に切替えることを特徴とする水・蒸気サイクル中の滴状凝縮促進剤の除去方法。
  2. 前記センサが、電気伝導率計、pH計、薬品濃度計、水晶振動子のいずれか1又は2以上であることを特徴とする請求項1の水・蒸気サイクル中の滴状凝縮促進剤の除去方法。
  3. 前記センサの閾値またはトレンドのいずれかで、該濾過装置を切り替えることを特徴とする請求項1の水・蒸気サイクル中の滴状凝縮促進剤の除去方法。
  4. 前記濾過装置内の濾材は、別設備での使用履歴があり、濾材を詰めたカートリッジまたは濾材のみを交換できることを特徴とする請求項1の水・蒸気サイクル中の滴状凝縮促進剤の除去方法。
  5. 前記機器の切換え作動信号を外部に発信し、運転管理者に該濾過装置の交換を促すことを特徴とする請求項1の水・蒸気サイクル中の滴状凝縮促進剤の除去方法。
  6. 前記濾過装置が、直前に薬品が添加される熱交換器の後段に設置されていることを特徴とする請求項1の水・蒸気サイクル中の滴状凝縮促進剤の除去方法。
  7. ボイラからの蒸気の一部を蒸気直接吹込設備に供給し、ボイラからの蒸気の残部を、滴状凝縮促進剤を添加した後、熱交換器に供給し、該熱交換器からのドレン水を該ボイラに返送する水・蒸気サイクルにおいて、
    該熱交換器のドレン水を電気脱イオン装置に通して滴状凝縮促進剤を除去することにより前記蒸気直接吹込設備へ供給される蒸気に滴状凝縮促進剤を含有させないようにすることを特徴とする水・蒸気サイクル中の滴状凝縮促進剤の除去方法。
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