JP7790858B2 - 板状線香 - Google Patents
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Description
(1)燃焼基材、無機物及び揮散性化合物を含有し、前記無機物の含有量が30~70質量%、前記燃焼基材の含有量が25~60質量%であり、厚みが2mm以上5mm未満である板状線香。
(2)前記揮散性化合物の25℃における蒸気圧が、2.0×10-4~2.0×10-2Paである、前記(1)に記載の板状線香。
(3)50°以下の鋭角をなす角部を有する、前記(1)又は(2)に記載の板状線香。
以下に各成分について説明する。
燃焼基材としては、線香に使用できる従来公知の燃焼基材を使用することができ、例えば、スギ、クスノキ、モミノキ、ビャクダン、トウヒ、シラカバ等の木粉末;除虫菊抽出粉末(粕粉)、ココナツパウダー、茶葉、コーヒー豆殻等の植物粉末;木炭、竹炭、ヤシ殻炭等の活性炭粉末等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機物としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム等の無機粉末;パーライト、タルク、クレー、ベントナイト、無水ケイ酸、粘土、珪藻土、カオリン等の鉱物性粉末等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、煙の刺激臭を抑え、安定した燃焼性を有する観点から、炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
本発明の板状線香に含有される揮散性化合物は、揮散性を有するものであれば、用途に応じて公知の各種物質を選択することができ、とくに制限されない。例えば、殺虫成分、害虫忌避成分、防黴成分、香料成分、消臭成分等が挙げられ、これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記蒸気圧は、下限は1.0×10-4Pa以上がより好ましく、2.0×10-4Pa以上がさらに好ましく、また、上限は3.0×10-2Pa以下がより好ましく、2.0×10-2Pa以下がさらに好ましい。具体的に、蒸気圧は2.0×10-4~2.0×10-2Paであるものを使用すると、効果的に揮散性化合物を揮散させることができるので好ましい。
本発明の板状線香には、原料を結合して固めるためのバインダーとして粘結剤を配合することが好ましい。粘結剤としては、例えば、タブ粉、デンプン、コーンスターチ、グァーガム、松脂、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、マンナン、各種ガム類、カゼイン、水溶性高分子等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の板状線香には、本発明の効果に対して影響を与えない程度でその他の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、乳化剤、防腐剤、着色剤等が挙げられる。
本発明の板状線香は、例えば、1)線香原料を必要により水を加えて練り合わせ、得られた練合物を押出成形機、打抜機等によって成形し、乾燥する、一括混合により製造する方法、2)有効成分である揮散性化合物以外の原料を必要により水を加えて練り合わせ、押出成形機、打抜機等によって成形し、乾燥した後、揮散性化合物を含浸させる、ベース線香への有効成分添加により製造する方法等により製造することができる。
この製造方法では、配合原料を所定の割合で混合し、その混合物に対して必要により水又は温水を加えて十分に練り合わせ、得られた練合物を押出成形機、打抜機等によって成形した後、乾燥する。
各工程での条件は、従来の線香を製造する際の条件と同様の条件を採用することができる。
この製造方法では、まず、有効成分である揮散性化合物以外の原料を必要により水を加えて十分に練り合わせ、押出成形機、打抜機等によって成形し、乾燥させてベース線香を得る。その後、ベース線香に揮散性化合物を含浸させる。
ベース線香を作製する工程での条件は、従来の線香を製造する際の条件と同様の条件を採用することができる。
なお、粘度は毛細管粘度計法、回転粘度計法等により測定することができる。
また、これらの中でも、揮散性化合物のベース線香内での拡散性の観点から、揮散性化合物と有機溶剤の混合液を添加する方法、揮散性化合物を添加した後に有機溶剤を添加する方法が好ましく、製造効率の観点からは、揮散性化合物と有機溶剤の混合液を添加する方法が好ましい。
本発明の板状線香は、2mm以上5mm未満の厚みを有する板状であることを特徴とする。ここで、「板状」とは、表裏面(上下の主面)が実質的に、或いは略平坦な板状(平板状)であることをいい、外形は方形状、平行四辺形状(例えば菱形)、多角形状、円形状及びこれらの混合形状(例えば、略二等辺三角形の底辺部が略半円状となった涙型(ディアードロップ形状))のいずれであってもよい。また、「実質的に平坦」とは、表裏面が凹曲面又は凸曲面をなしていることを含むものである。また、本発明の効果に対して影響を与えない程度であれば、表面を波打ったような形状や凹凸を設けた形状等であってもよい。
図1は、本実施形態の板状線香の形態を説明するための図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
図1(a)及び(b)に示したように、本実施形態の板状線香1は、主面である表面2と裏面3が略三角形の形状をした薄板状であり、全体にわたりほぼ均一な厚みを有している。
本発明の板状線香は、当該板状線香の角部、具体的には50°以下の鋭角をなす角部に着火させて燃焼させ、有効成分である揮散性化合物を揮散させる。本発明の板状線香を用いて燃焼させる方法によれば、線香燃焼時における煙や刺激臭の発生、並びに灰の舞い散りが抑制され、線香の燃焼性に優れるとともに、室内の壁や天井等に対する揮散性化合物の付着時間が増加し、所望の効果が長時間持続する。
なお、室内における本発明の板状線香の使用量は、室内空間の大きさや、板状線香の用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、17~35m3の室内空間における板状線香の使用量は、0.3~2.0g程度とすることが好ましい。
(板状線香の作製)
表1に示す処方1~3の各処方例に基づき、木粉、ココナツパウダー、炭酸カルシウム及びタブ粉(ジョス粉)を測り取り、練合容器に入れて均一に混合し、混合粉を得た。混合粉の60質量%に相当する水を加え、均一になるまで練り合わせて練合物を得た。
練合物を、図1(a)及び(b)に示すような、厚みtが3mm、主面2,3の最大長さLが40mm、着火点となる角部5の内角θが30°の平面視二等辺三角形に成形し、その後、65℃の微風下で10時間乾燥し、約1.5gの板状線香を作製した。
板状線香の着火点(角部5)に着火させ、線香全体を燃焼させて灰にした。灰化した線香に対して0.5m離れた位置から、風速2m/sの風を30秒間当て、その際の灰の舞い散りを評価した。風を当てた際に灰が崩れる又は灰が10cm以上移動したものを「×」と評価し、灰の崩れも移動もなかったものを「○」と評価した。結果を表1に示す。また、試験後の各線香の状態を図2に示す。
(板状線香の作製)
表2に示す処方4~6の各処方例に基づき、各成分を測り取り、練合容器に入れて均一に混合し、混合粉を得た。混合粉の60質量%に相当する水を加え、均一になるまで練り合わせて練合物を得た。なお、処方4は試験例1の処方3と同一処方である。
同様に、厚みtを4mm、5mmの厚さに変更した板状線香を作製した。なお、処方例6については厚みtが3mmと5mmの板状線香を作製した。
上記作製した板状線香について、角部5に着火させ、各種線香がすべて燃焼するか否かを調べた。すべて燃焼したものを「○」、燃焼途中で立ち消えしたものを「×」と評価した。結果を表3~5に示す。
処方4は燃焼基材35質量%、炭酸カルシウム50質量%を含有する例(実施例相当)である。処方4の練合物から成形した板状線香は、着火点が内角50°の角部である場合は厚み3mmと4mmのいずれにおいても板状線香を完全燃焼させることができ、内角60°の角部に着火した場合は厚み3mmでは完全燃焼できたが、4mmでは途中で立ち消える結果となった。処方5は燃焼基材28質量%、炭酸カルシウム60質量%を含有する例(実施例相当)である。処方5の練合物から成形した板状線香は、着火点が内角30°の角部である場合は厚み3mmと4mmのいずれにおいても板状線香を完全燃焼させることができ、内角40°の角部に着火した場合は厚み3mmでは完全燃焼できたが、4mmでは途中で立ち消える結果となった。
また、処方6は燃焼基材21質量%、炭酸カルシウム70質量%を含有する例(比較例相当)である。処方6の混練物から成形した板状線香は、着火点の角部の内角がいずれの場合でも完全燃焼させることができなかった。
(板状線香の作製)
表6に示す処方7~12の各処方例に基づき、各成分を測り取り、練合容器に入れて均一に混合し、混合粉を得た。混合粉の60質量%に相当する水を加え、均一になるまで練り合わせて練合物を得た。なお、処方10は試験例1の処方3と同一処方である。
練合物を、試験例1と同様に成形し、板状線香を得た。
試験室として6畳間(空間容積=23m3)を使用し、試験室に空気の流通がないように、仕切り及び目張りを行った。板状線香を線香立てに立て、試験室の中央部に設置し、着火点に着火させ、試験室を閉鎖した状態で燃焼させた。
2時間後、燃焼後の板状線香の外観を確認し、立ち消えの有無を確認した。すべて燃焼したものを「○」、燃焼途中で立ち消えしたものを「×」と評価した。
また、立ち消えの評価が「○」のものについては、試験室内の煙臭さ(刺激臭)をパネラーにより確認した。煙臭さを全く感じない場合を「◎」、煙臭さを感じるが気になる程度ではない場合を「○」、煙臭い場合を「×」と評価した。
結果を表7に示す。
これに対し、処方7は燃焼基材と炭酸カルシウムがいずれも前記範囲外の例であり、処方例8は炭酸カルシウムの含有量が前記範囲外であり、処方例12は燃焼基材の含有量が前記範囲外である。処方7、8から成形した板状線香は、煙臭さが悪化する結果となり、処方12から成形した線香処方は燃焼途中で立ち消えてしまい、いずれも燃焼性と煙臭さの抑制を両立させることはできなかった。
(板状線香の作製)
木粉を20g、ココナツパウダーを15g、タブ粉(ジョス粉)を15g、炭酸カルシウムを50gを測り取り、メトフルトリンが板状線香中に0.4質量%となるように加えて練合容器に入れて均一に混合し、混合粉を得た。混合粉の60質量%に相当する水を加え、均一になるまで練り合わせて練合物を得た。
練合物を、図1(a)及び(b)に示すような、厚みtが3mm、主面2,3の最大長さLが40mm、着火点となる角部5の内角θが30°の平面視二等辺三角形に成形し、その後、65℃の微風下で10時間乾燥し、板状線香(検体線香)を作製した。
供試虫としてアカイエカ約20頭を入れたポリエステル製ケージ6(14メッシュ、23cm×23cmのPET製の網を二つ折りにして袋状としたもの)を用意した。
図3に示すように、8畳空間(3.6m×3.6m×高さ2.4m≒31.1m3)の試験室10において、アカイエカを入れたポリエステル製ケージ6を試験室10の床から75cm、150mの高さに各2個対角方向に計4個設置した。板状線香を線香立てに立て、試験室10の床の中央部7に設置し、着火点に着火させ、試験室10を閉鎖した状態で燃焼させた。
試験開始から2時間後まで、ノックダウン数を10分毎に経時的に観察した。2時間経過時点で供試虫をケージごと約25℃の別室に移し、1%砂糖水を与えて24時間後の死虫数を観察した。
着火6時間後にアカイエカ約20頭を入れたポリエステル製ケージ6を試験室10内に設置し、設置から2時間後まで(すなわち着火6時間後から8時間後の2時間)、同様の試験を行った。そしてさらに、着火12時間後においても同様の試験を行った。
試験は2回行い、得られた結果の合計数からノックダウン率、致死率を算出し、時間経過にともなうノックダウン率からProbit法によりKT50値およびKT90値を算出した。結果を表8に示す。
以上より本発明の板状線香が8畳居室空間において高い駆除効果を示すことが確認された。
(板状線香の作製)
木粉を24g、ココナツパウダーを19g、タブ粉(ジョス粉)を11g、炭酸カルシウムを46gを錬合容器に測り取り均一に混合し、混合粉を得た。混合粉の60質量%に相当する水を加え、均一になるまで練り合わせて練合物を得た。
練合物を、図1(a)及び(b)に示すような、厚みtが3mm、主面2,3の最大長さLが40mm、着火点となる角部5の内角θが30°の平面視二等辺三角形に成形し、その後、65℃の微風下で10時間乾燥し、ベース線香を作製した。
メトフルトリンと表9に示す溶剤を質量比で1:2.5の割合で混合し、混合液を作製した。
トレイに上記ベース線香を設置し、上記混合液を21mg滴下し(線香中のメトフルトリンの含有量:0.4質量%)、約1分後にトレイの蓋を閉め、50℃で1時間エージングを行い、板状線香(検体線香)を作製した。
作製した板状線香(検体線香)の外観を目視で確認し、下記評価に基づき評価した。なお、比較対象として、ベース線香にメトフルトリンを6mg滴下し、50℃で1時間エージングを行った板状線香を用いた。結果を表9に示す。
〔評価基準〕
○:点滴痕は略消失し、視認できない。
△:点滴痕が確認できるが、比較対象よりも薄い。
×:比較対象と変わらない点滴痕がある。
2 表面(主面)
3 裏面(主面)
5 50°以下の鋭角をなす角部
6 ポリエステル製ケージ
7 中央部
10 試験室
t 厚み
L 主面の最大長さ
Claims (3)
- 燃焼基材、無機物及び揮散性化合物を含有し、前記無機物が炭酸カルシウムを含み、前記無機物の含有量が30~70質量%、前記燃焼基材の含有量が30~60質量%であり、厚みが2mm以上4mm以下、且つ主面の最大長さが60mm以下であり、50°以下の鋭角をなす角部を有する板状線香(ただし、うず巻型の形状を除く。)。
- 前記揮散性化合物の含有量が0.4質量%以上である、請求項1に記載の板状線香。
- 前記揮散性化合物の25℃における蒸気圧が、2.0×10-4~2.0×10-2Paである、請求項1又は2に記載の板状線香。
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