以下、添付図面に従って本開示の技術に係る検出装置、検査装置、磁気テープカートリッジ、磁気テープ、磁気テープドライブ、磁気テープシステム、検出方法、検査方法、及びプログラムの実施形態の一例について説明する。
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
NVMとは、“Non-volatile memory”の略称を指す。CPUとは、“Central Processing Unit”の略称を指す。RAMとは、“Random Access Memory”の略称を指す。EEPROMとは、“Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory”の略称を指す。SSDとは、“Solid State Drive”の略称を指す。HDDとは、“Hard Disk Drive”の略称を指す。ASICとは、“Application Specific Integrated Circuit”の略称を指す。FPGAとは、“Field-Programmable Gate Array”の略称を指す。PLCとは、“Programmable Logic Controller”の略称を指す。SoCとは、“System-on-a-chip"の略称を指す。ICとは、“Integrated Circuit”の略称を指す。RFIDとは、“Radio Frequency Identifier”の略称を指す。BOTとは、“Beginning Of Tape”の略称を指す。EOTとは、“End Of Tape”の略称を指す。UIとは、“User Interface”の略称を指す。WANとは、“Wide Area Network”の略称を指す。LANとは、“Local Area Network”の略称を指す。また、以下の説明において、幾何特性とは、長さ、形状、向き、及び/又は位置等の一般的に認識されている幾何学的な特性を指す。
一例として図1に示すように、磁気テープシステム10は、磁気テープカートリッジ12及び磁気テープドライブ14を備えている。磁気テープドライブ14には、磁気テープカートリッジ12が装填される。磁気テープカートリッジ12は、磁気テープMTを収容している。磁気テープドライブ14は、装填された磁気テープカートリッジ12から磁気テープMTを引き出し、引き出した磁気テープMTを走行させながら、磁気テープMTに対してデータを記録したり、磁気テープMTからデータを読み取ったりする。
本実施形態において、磁気テープMTは、本開示の技術に係る「磁気テープ」の一例である。また、本実施形態において、磁気テープシステム10は、本開示の技術に係る「磁気テープシステム」の一例である。また、本実施形態において、磁気テープドライブ14は、本開示の技術に係る「磁気テープドライブ」の一例である。また、本実施形態において、磁気テープカートリッジ12は、本開示の技術に係る「カートリッジ」及び「磁気テープカートリッジ」の一例である。
次に、図2~図4を参照しながら、磁気テープカートリッジ12の構成の一例について説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図2~図4において、磁気テープカートリッジ12の磁気テープドライブ14への装填方向を矢印Aで示し、矢印A方向を磁気テープカートリッジ12の前方向とし、磁気テープカートリッジ12の前方向の側を磁気テープカートリッジ12の前側とする。以下に示す構造の説明において、「前」とは、磁気テープカートリッジ12の前側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2~図4において、矢印A方向と直交する矢印B方向を右方向とし、磁気テープカートリッジ12の右方向の側を磁気テープカートリッジ12の右側とする。以下に示す構造の説明において、「右」とは、磁気テープカートリッジ12の右側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2~図4において、矢印B方向と逆の方向を左方向とし、磁気テープカートリッジ12の左方向の側を磁気テープカートリッジ12の左側とする。以下に示す構造の説明において、「左」とは、磁気テープカートリッジ12の左側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2~図4において、矢印A方向及び矢印B方向と直交する方向を矢印Cで示し、矢印C方向を磁気テープカートリッジ12の上方向とし、磁気テープカートリッジ12の上方向の側を磁気テープカートリッジ12の上側とする。以下に示す構造の説明において、「上」とは、磁気テープカートリッジ12の上側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2~図4において、磁気テープカートリッジ12の前方向と逆の方向を磁気テープカートリッジ12の後方向とし、磁気テープカートリッジ12の後方向の側を磁気テープカートリッジ12の後側とする。以下に示す構造の説明において、「後」とは、磁気テープカートリッジ12の後側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図2~図4において、磁気テープカートリッジ12の上方向と逆の方向を磁気テープカートリッジ12の下方向とし、磁気テープカートリッジ12の下方向の側を磁気テープカートリッジ12の下側とする。以下に示す構造の説明において、「下」とは、磁気テープカートリッジ12の下側を指す。
一例として図2に示すように、磁気テープカートリッジ12は、平面視略矩形であり、かつ、箱状のケース16を備えている。ケース16には、磁気テープMTが収容されている。ケース16は、ポリカーボネート等の樹脂製であり、上ケース18及び下ケース20を備えている。上ケース18及び下ケース20は、上ケース18の下周縁面と下ケース20の上周縁面とを接触させた状態で、溶着(例えば、超音波溶着)及びビス止めによって接合されている。接合方法は、溶着及びビス止めに限らず、他の接合方法であってもよい。
ケース16の内部には、送出リール22が回転可能に収容されている。送出リール22は、リールハブ22A、上フランジ22B1、及び下フランジ22B2を備えている。リールハブ22Aは、円筒状に形成されている。リールハブ22Aは、送出リール22の軸心部であり、軸心方向がケース16の上下方向に沿っており、ケース16の中央部に配置されている。上フランジ22B1及び下フランジ22B2の各々は円環状に形成されている。リールハブ22Aの上端部には上フランジ22B1の平面視中央部が固定されており、リールハブ22Aの下端部には下フランジ22B2の平面視中央部が固定されている。なお、リールハブ22Aと下フランジ22B2は一体成型されていてもよい。
リールハブ22Aの外周面には、磁気テープMTが巻き回されており、磁気テープMTの幅方向の端部は上フランジ22B1及び下フランジ22B2によって保持されている。
ケース16の右壁16Aの前側には、開口16Bが形成されている。磁気テープMTは、開口16Bから引き出される。
下ケース20にはカートリッジメモリ24が設けられている。具体的には、下ケース20の右後端部に、カートリッジメモリ24が収容されている。カートリッジメモリ24には、NVMを有するICチップが搭載されている。本実施形態では、いわゆるパッシブ型のRFIDタグがカートリッジメモリ24として採用されており、カートリッジメモリ24に対しては非接触で各種情報の読み書きが行われる。
カートリッジメモリ24には、磁気テープカートリッジ12を管理する管理情報が記憶されている。管理情報には、例えば、カートリッジメモリ24に関する情報(例えば、磁気テープカートリッジ12を特定可能な情報)、磁気テープMTに関する情報(例えば、磁気テープMTの記録容量を示す情報、磁気テープMTに記録されているデータの概要を示す情報、磁気テープMTに記録されているデータの項目を示す情報、磁気テープMTに記録されているデータの記録形式を示す情報など)、及び磁気テープドライブ14に関する情報(例えば、磁気テープドライブ14の仕様を示す情報、及び磁気テープドライブ14で用いられる信号)等が含まれている。なお、カートリッジメモリ24は、本開示の技術に係る「非接触式記憶媒体」及び「メモリ」の一例である。
一例として図3に示すように、磁気テープドライブ14は、コントローラ25、搬送装置26、磁気ヘッド28、UI系装置34、及び通信インタフェース35を備えている。コントローラ25は、本開示の技術に係る「検出装置」の一例であり、処理装置30及びストレージ32を備えている。処理装置30は、本開示の技術に係る「処理装置」の一例であり、ストレージ32は、本開示の技術に係る「格納媒体」の一例である。
磁気テープドライブ14には、矢印A方向に沿って磁気テープカートリッジ12が装填される。磁気テープドライブ14では、磁気テープMTが磁気テープカートリッジ12から引き出されて用いられる。
磁気テープMTは、磁性層29A、ベースフィルム29B、及びバックコート層29Cを有する。磁性層29Aは、ベースフィルム29Bの一方の面側に形成されており、バックコート層29Cは、ベースフィルム29Bの他方の面側に形成されている。磁性層29Aには、データが記録される。磁性層29Aは、強磁性粉末を含む。強磁性粉末としては、例えば、各種磁気記録媒体の磁性層において一般的に用いられる強磁性粉末が用いられる。強磁性粉末の好ましい具体例としては、六方晶フェライト粉末が挙げられる。六方晶フェライト粉末としては、例えば、六方晶ストロンチウムフェライト粉末、又は六方晶バリウムフェライト粉末等が挙げられる。バックコート層29Cは、例えば、カーボンブラック等の非磁性粉末を含む層である。ベースフィルム29Bは、支持体とも称されており、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、又はポリアミド等で形成されている。なお、ベースフィルム29Bと磁性層29Aとの間に非磁性層が形成されていてもよい。磁気テープMTにおいて、磁性層29Aが形成された面が磁気テープMTの表面31であり、バックコート層29Cが形成された面が磁気テープMTの裏面33である。
磁気テープドライブ14は、磁気テープMTの表面31に対して磁気ヘッド28を用いて磁気的処理を行う。ここで、磁気的処理とは、磁気テープMTの表面31に対するデータの記録、及び磁気テープMTの表面31からのデータの読み取り(すなわち、データの再生)を指す。本実施形態では、磁気テープドライブ14が磁気ヘッド28を用いて磁気テープMTの表面31に対するデータの記録と磁気テープMTの表面31からのデータの読み取りとを選択的に行う。すなわち、磁気テープドライブ14は、磁気テープカートリッジ12から磁気テープMTを引き出し、引き出した磁気テープMTの表面31に対して磁気ヘッド28を用いてデータを記録したり、引き出した磁気テープMTの表面31から磁気ヘッド28を用いてデータを読み取ったりする。
処理装置30は、磁気テープドライブ14の全体を制御する。本実施形態において、処理装置30は、ASICによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、処理装置30は、FPGA及び/又はPLCによって実現されるようにしてもよい。また、処理装置30は、CPU、フラッシュメモリ(例えば、EEPROM、及び/又は、SSD等)、及びRAMを含むコンピュータによって実現されるようにしてもよい。また、ASIC、FPGA、PLC、及びコンピュータのうちの2つ以上を組み合わせて実現されるようにしてもよい。すなわち、処理装置30は、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現されるようにしてもよい。
ストレージ32は、処理装置30に接続されており、処理装置30は、ストレージ32に対する各種情報の書き込み、及びストレージ32からの各種情報の読み出しを行う。ストレージ32の一例としては、フラッシュメモリ及び/又はHDDが挙げられる。フラッシュメモリ及びHDDは、あくまでも一例に過ぎず、磁気テープドライブ14に搭載可能な不揮発性メモリであれば如何なるメモリであってもよい。
UI系装置34は、ユーザからの指示を示す指示信号を受け付ける受付機能と、ユーザに対して情報を提示する提示機能とを有する装置である。受付機能は、例えば、タッチパネル、ハードキー(例えば、キーボード)、及び/又はマウス等によって実現される。提示機能は、例えば、ディスプレイ、プリンタ、及び/又はスピーカ等によって実現される。UI系装置34は、処理装置30に接続されている。処理装置30は、UI系装置34によって受け付けられた指示信号を取得する。UI系装置34は、処理装置30の制御下で、ユーザに対して各種情報を提示する。
通信インタフェース35は、処理装置30に接続されている。また、通信インタフェース35は、WAN及び/又はLAN等の通信網(図示省略)を介して外部装置37に接続されている。通信インタフェース35は、処理装置30と外部装置37との間の各種情報(例えば、磁気テープMTに対する記録用データ、磁気テープMTから読み取られたデータ、及び/又は処理装置30に対して与えられる指示信号等)の授受を司る。なお、外部装置37としては、例えば、パーソナル・コンピュータ又はメインフレーム等が挙げられる。
搬送装置26は、磁気テープMTを既定経路に沿って順方向及び逆方向に選択的に搬送する装置であり、送出モータ36、巻取リール38、巻取モータ40、及び複数のガイドローラGRを備えている。なお、ここで、順方向とは、磁気テープMTの送り出し方向を指し、逆方向とは、磁気テープMTの巻き戻し方向を指す。
送出モータ36は、処理装置30の制御下で、磁気テープカートリッジ12内の送出リール22を回転させる。処理装置30は、送出モータ36を制御することで、送出リール22の回転方向、回転速度、及び回転トルク等を制御する。
巻取モータ40は、処理装置30の制御下で、巻取リール38を回転させる。処理装置30は、巻取モータ40を制御することで、巻取リール38の回転方向、回転速度、及び回転トルク等を制御する。
磁気テープMTが巻取リール38によって巻き取られる場合には、処理装置30は、磁気テープMTが既定経路に沿って順方向に走行するように送出モータ36及び巻取モータ40を回転させる。送出モータ36及び巻取モータ40の回転速度及び回転トルク等は、巻取リール38に対して磁気テープMTを巻き取らせる速度に応じて調整される。また、送出モータ36及び巻取モータ40の各々の回転速度及び回転トルク等が処理装置30によって調整されることで、磁気テープMTに対して張力が付与される。また、磁気テープMTに付与される張力は、送出モータ36及び巻取モータ40の各々の回転速度及び回転トルク等が処理装置30によって調整されることによって制御される。
なお、磁気テープMTを送出リール22に巻き戻す場合には、処理装置30は、磁気テープMTが既定経路に沿って逆方向に走行するように送出モータ36及び巻取モータ40を回転させる。
本実施形態では、送出モータ36及び巻取モータ40の回転速度及び回転トルク等が制御されることにより磁気テープMTに掛けられる張力が制御されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、磁気テープMTに掛けられる張力は、ダンサローラを用いて制御されるようにしてもよいし、バキュームチャンバに磁気テープMTを引き込むことによって制御されるようにしてもよい。
複数のガイドローラGRの各々は、磁気テープMTを案内するローラである。既定経路、すなわち、磁気テープMTの走行経路は、複数のガイドローラGRが磁気テープカートリッジ12と巻取リール38との間において磁気ヘッド28を跨ぐ位置に分けて配置されることによって定められている。
磁気ヘッド28は、磁気素子ユニット42及びホルダ44を備えている。磁気素子ユニット42は、走行中の磁気テープMTに接触するようにホルダ44によって保持されている。磁気素子ユニット42は、複数の磁気素子を有する。
磁気素子ユニット42は、搬送装置26によって搬送される磁気テープMTにデータを記録したり、搬送装置26によって搬送される磁気テープMTからデータを読み取ったりする。ここで、データとは、例えば、サーボパターン52(図6参照)、及びサーボパターン52以外のデータ、すなわち、データバンドDB(図6参照)に記録されているデータを指す。
磁気テープドライブ14は、非接触式読み書き装置46を備えている。非接触式読み書き装置46は、磁気テープカートリッジ12が装填された状態の磁気テープカートリッジ12の下側にてカートリッジメモリ24の裏面24Aに正対するように配置されており、カートリッジメモリ24に対して非接触で情報の読み書きを行う。
一例として図4に示すように、非接触式読み書き装置46は、磁気テープカートリッジ12の下側からカートリッジメモリ24に向けて磁界MFを放出する。磁界MFは、カートリッジメモリ24を貫通する。
非接触式読み書き装置46は、処理装置30に接続されている。処理装置30は、制御信号を非接触式読み書き装置46に出力する。制御信号は、カートリッジメモリ24を制御する信号である。非接触式読み書き装置46は、処理装置30から入力された制御信号に従って磁界MFを生成し、生成した磁界MFをカートリッジメモリ24に向けて放出する。
非接触式読み書き装置46は、磁界MFを介してカートリッジメモリ24との間で非接触通信を行うことで、カートリッジメモリ24に対して、制御信号に応じた処理を行う。例えば、非接触式読み書き装置46は、処理装置30の制御下で、カートリッジメモリ24から情報を読み取る処理と、カートリッジメモリ24に対して情報を記憶させる処理(すなわち、カートリッジメモリ24に対して情報を書き込む処理)とを選択的に行う。換言すると、処理装置30は、非接触式読み書き装置46を介して、カートリッジメモリ24と非接触で通信を行うことにより、カートリッジメモリ24から情報を読み取ったり、カートリッジメモリ24に対して情報を記憶させたりする。
一例として図5に示すように、磁気テープドライブ14は、移動機構48を備えている。移動機構48は、移動アクチュエータ48Aを有する。移動アクチュエータ48Aとしては、例えば、ボイスコイルモータ及び/又はピエゾアクチュエータが挙げられる。移動アクチュエータ48Aは、処理装置30に接続されており、処理装置30は、移動アクチュエータ48Aを制御する。移動アクチュエータ48Aは、処理装置30の制御下で動力を生成する。移動機構48は、移動アクチュエータ48Aによって生成された動力を受けることで、磁気ヘッド28を磁気テープMTの幅方向に移動させる。
磁気テープドライブ14は、傾斜機構49を備えている。傾斜機構49は、傾斜アクチュエータ49Aを有する。傾斜アクチュエータ49Aとしては、例えば、ボイスコイルモータ及び/又はピエゾアクチュエータが挙げられる。傾斜アクチュエータ49Aは、処理装置30に接続されており、処理装置30は、傾斜アクチュエータ49Aを制御する。傾斜アクチュエータ49Aは、処理装置30の制御下で動力を生成する。傾斜機構49は、傾斜アクチュエータ49Aによって生成された動力を受けることで、磁気ヘッド28を磁気テープMTの幅方向WDに対して磁気テープMTの長手方向LD側に傾斜させる(図8参照)。すなわち、磁気ヘッド28は、処理装置30の制御下で、磁気テープMT上でスキューする。
一例として図6に示すように、磁気テープMTの表面31には、サーボバンドSB1、SB2及びSB3と、データバンドDB1及びDB2と、が形成されている。なお、以下では、説明の便宜上、特に区別する必要がない場合、サーボバンドSB1~SB3をサーボバンドSBと称し、データバンドDB1及びDB2をデータバンドDBと称する。
サーボバンドSB1~SB3とデータバンドDB1及びDB2は、磁気テープMTの長手方向LD(すなわち、全長方向)に沿って形成されている。ここで、磁気テープMTの全長方向とは、換言すると、磁気テープMTの走行方向を指す。磁気テープMTの走行方向は、磁気テープMTが送出リール22側から巻取リール38側に走行する方向である順方向(以下、単に「順方向」とも称する)と、磁気テープMTが巻取リール38側から送出リール22側に走行する方向である逆方向(以下、単に「逆方向」とも称する)との2つの方向で規定される。
サーボバンドSB1~SB3は、磁気テープMTの幅方向WD(以下、単に「幅方向WD」とも称する)で離間した位置に配列されている。例えば、サーボバンドSB1~SB3は、幅方向WDに沿って等間隔に配列されている。なお、本実施形態において、「等間隔」とは、完全な等間隔の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの等間隔を指す。
データバンドDB1は、サーボバンドSB1とサーボバンドSB2との間に配されており、データバンドDB2は、サーボバンドSB2とサーボバンドSB3との間に配されている。つまり、サーボバンドSBとデータバンドDBとは、幅方向WDに沿って交互に配列されている。
なお、図6に示す例では、説明の便宜上、3本のサーボバンドSBと2本のデータバンドDBとが示されているが、これはあくまでも一例に過ぎず、2本のサーボバンドSBと1本のデータバンドDBであってもよいし、4本以上のサーボバンドSBと3本以上のデータバンドDBであっても本開示の技術は成立する。
サーボバンドSBには、磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のサーボパターン52が記録されている。サーボパターン52は、サーボパターン52Aとサーボパターン52Bとに類別される。複数のサーボパターン52は、磁気テープMTの長手方向LDに沿って一定の間隔で配置されている。なお、本実施形態において、「一定」とは、完全な一定の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの一定を指す。
サーボバンドSBは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のフレーム50で区切られている。フレーム50は、一組のサーボパターン52で規定されている。図6に示す例では、一組のサーボパターン52の一例として、サーボパターン52A及び52Bが示されている。サーボパターン52A及び52Bは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合っており、フレーム50内において、順方向の上流側にサーボパターン52Aが位置しており、順方向の下流側にサーボパターン52Bが位置している。
サーボパターン52は、線状磁化領域対54からなる。線状磁化領域対54は、本開示の技術に係る「第1線状磁化領域対」及び「第2線状磁化領域対」の一例である。線状磁化領域対54は、線状磁化領域対54Aと線状磁化領域対54Bとに類別される。
サーボパターン52Aは、線状磁化領域対54Aからなる。図6に示す例では、線状磁化領域対54Aの一例として、線状磁化領域54A1及び54A2による対が示されている。線状磁化領域54A1及び54A2の各々は、線状に磁化された領域である。線状磁化領域54A1は、本開示の技術に係る「第1線状磁化領域」及び「第3線状磁化領域」の一例であり、線状磁化領域54A2は、本開示の技術に係る「第2線状磁化領域」及び「第4線状磁化領域」の一例である。
線状磁化領域54A1及び54A2は、幅方向WDに沿った仮想的な直線である仮想直線C1に対して相反する方向に傾けられている。図6に示す例では、線状磁化領域54A1及び54A2が、仮想直線C1に対して線対称に傾けられている。より具体的に説明すると、線状磁化領域54A1及び54A2は、互いに非平行であり、かつ、仮想直線C1を対称軸として磁気テープMTの長手方向LD側の相反する方向に既定角度(例えば、5度)傾斜した状態で形成されている。
線状磁化領域54A1は、5本の磁化された直線である磁化直線54A1aの集合である。線状磁化領域54A2は、5本の磁化された直線である磁化直線54A2aの集合である。
サーボパターン52Bは、線状磁化領域対54Bからなる。図6に示す例では、線状磁化領域対54Bの一例として、線状磁化領域54B1及び54B2による対が示されている。線状磁化領域54B1及び54B2の各々は、線状に磁化された領域である。線状磁化領域54B1は、本開示の技術に係る「第1線状磁化領域」及び「第3線状磁化領域」の一例であり、線状磁化領域54B2は、本開示の技術に係る「第2線状磁化領域」及び「第4線状磁化領域」の一例である。
線状磁化領域54B1及び54B2は、幅方向WDに沿った仮想的な直線である仮想直線C2に対して相反する方向に傾けられている。図6に示す例では、線状磁化領域54B1及び54B2が、仮想直線C2に対して線対称に傾けられている。より具体的に説明すると、線状磁化領域54B1及び54B2は、互いに非平行であり、かつ、仮想直線C2を対称軸として磁気テープMTの長手方向LD側の相反する方向に既定角度(例えば、5度)傾斜した状態で形成されている。
線状磁化領域54B1は、4本の磁化された直線である磁化直線54B1aの集合である。線状磁化領域54B2は、4本の磁化された直線である磁化直線54B2aの集合である。
このように構成された磁気テープMTの表面31側に、磁気ヘッド28は配置されている。ホルダ44は、直方体状に形成されており、磁気テープMTの表面31上を幅方向WDに沿って横断するように配置されている。磁気素子ユニット42の複数の磁気素子は、ホルダ44の長手方向に沿って直線状に配列されている。磁気素子ユニット42は、複数の磁気素子として、一対のサーボ読取素子SR及び複数のデータ読み書き素子DRWを有する。ホルダ44の長手方向の長さは、磁気テープMTの幅に対して十分に長い。例えば、ホルダ44の長手方向の長さは、磁気素子ユニット42が磁気テープMT上の何れの位置に配置されたとしても、磁気テープMTの幅を超える長さとされている。
磁気ヘッド28には、一対のサーボ読取素子SRが搭載されている。磁気ヘッド28において、ホルダ44と一対のサーボ読取素子SRとの相対的な位置関係は固定されている。一対のサーボ読取素子SRは、サーボ読取素子SR1及びSR2からなる。サーボ読取素子SR1は、磁気素子ユニット42の一端に配置されており、サーボ読取素子SR2は、磁気素子ユニット42の他端に配置されている。図6に示す例では、サーボ読取素子SR1が、サーボバンドSB2に対応する位置に設けられており、サーボ読取素子SR2が、サーボバンドSB3に対応する位置に設けられている。
複数のデータ読み書き素子DRWは、サーボ読取素子SR1とサーボ読取素子SR2との間に直線状に配置されている。複数のデータ読み書き素子DRWは、磁気ヘッド28の長手方向に沿って間隔を空けて配置されている(例えば、磁気ヘッド28の長手方向に沿って等間隔に配置されている)。図6に示す例では、複数のデータ読み書き素子DRWが、データバンドDB2に対応する位置に設けられている。
処理装置30は、サーボ読取素子SRによってサーボパターン52が読み取られた結果であるサーボパターン信号を取得し、取得したサーボパターン信号に従ってサーボ制御を行う。ここで、サーボ制御とは、サーボ読取素子SRによって読み取られたサーボパターン52に従って移動機構48を動作させることで磁気ヘッド28を磁気テープMTの幅方向WDに移動させる制御を指す。
サーボ制御が行われることにより、複数のデータ読み書き素子DRWは、データバンドDB内の指定された領域上に位置し、データバンドDB内の指定された領域に対して磁気的処理を行う。図6に示す例では、データバンドDB2内の指定された領域に対して複数のデータ読み書き素子DRWによって磁気的処理が行われる。
また、磁気素子ユニット42によるデータの読み取り対象とされるデータバンドDBが変更される場合(図6に示す例では、磁気素子ユニット42によるデータの読み取り対象とされるデータバンドDBがデータバンドDB2からDB1に変更される場合)、移動機構48は、処理装置30の制御下で、磁気ヘッド28を幅方向WDに移動させることで、一対のサーボ読取素子SRの位置を変更する。すなわち、移動機構48は、磁気ヘッド28を幅方向WDに移動させることで、サーボ読取素子SR1をサーボバンドSB1に対応する位置に移動させ、サーボ読取素子SR2をサーボバンドSB2に対応する位置に移動させる。これにより、複数のデータ読み書き素子DRWの位置は、データバンドDB2上からデータバンドDB1上に変更され、複数のデータ読み書き素子DRWによってデータバンドDB1に対して磁気的処理が行われる。
ところで、近年、TDS(Transverse Dimensional Stability)の影響を低減する技術に関する研究が進められている。TDSは、温度、湿度、磁気テープがリールに巻き掛けられる圧力、及び経時劣化等に左右され、何ら対策を施さない場合、TDSが大きくなり、データバンドDBに対する磁気的処理が行われる場面でオフトラック(すなわち、データバンドDB内のトラックに対するデータ読み書き素子DRWの位置ずれ)が生じてしまうことが知られている。
図7に示す例では、磁気テープMTの幅が時間の経過と共に収縮した態様が示されている。この場合、オフトラックが生じる。磁気テープMTの幅は、拡がる場合もあり、この場合にも、オフトラックが生じる。すなわち、磁気テープMTの幅が時間の経過と共に縮まったり拡がったりすると、サーボ読取素子SRのサーボパターン52に対する位置が設計的に定められた既定位置(例えば、線状磁化領域54A1、54A2、54B1及び54B2の各々の中心位置)から幅方向WDに外れてしまう。サーボ読取素子SRのサーボパターン52に対する位置が設計的に定められた既定位置から幅方向WDに外れると、サーボ制御の精度が低下し、データバンドDB内のトラックとデータ読み書き素子DRWの位置とがずれてしまう。そうすると、当初予定されていたトラックに対して磁気的処理が行われなくなる。
TDSの影響を低減する方法としては、一例として図8に示すように、磁気テープMT上で磁気ヘッド28をスキューさせることで、サーボ読取素子SRのサーボパターン52に対する位置を設計的に定められた既定位置に保持する方法が知られている。
磁気ヘッド28は、回転軸RAを備えている。回転軸RAは、磁気ヘッド28に含まれる磁気素子ユニット42の平面視中央部に相当する位置に設けられている。磁気ヘッド28は、回転軸RAを介して傾斜機構49に回転可能に保持されている。磁気ヘッド28には仮想的な中心線である仮想直線C3が設けられている。仮想直線C3は、回転軸RAを通り、かつ、磁気ヘッド28の平面視長手方向(すなわち、複数のデータ読み書き素子DRWが配列された方向)に延びた直線である。磁気ヘッド28は、幅方向WDに沿った仮想的な直線である仮想直線C4に対して仮想直線C3が磁気テープMTの長手方向LD側に傾斜した姿勢となるように傾斜機構49によって保持されている。図8に示す例では、磁気ヘッド28が、仮想直線C3を仮想直線C4に対して送出リール22側に傾斜した姿勢(すなわち、図8の紙面表側から見た場合の反時計回りで傾斜した姿勢)で傾斜機構49によって保持されている。なお、以下では、仮想直線C3と仮想直線C4とで成す角度を「スキュー角度」とも称する。スキュー角度は、図8の紙面表側から見た場合の反時計回りの方向を正とし、図8の紙面表側から見た場合の時計回りを負として規定された角度である。
傾斜機構49は、傾斜アクチュエータ49A(図5参照)の動力を受けることで、磁気テープMTの表面31上で回転軸RAを中心にして磁気ヘッド28を回転させる。傾斜機構49は、処理装置30の制御下で、磁気テープMTの表面31上で回転軸RAを中心にして磁気ヘッド28を回転させることで、仮想直線C3の仮想直線C4に対する傾斜(すなわち、アジマス)の方向及び傾斜の角度を変更する。
仮想直線C3の仮想直線C4に対する傾斜の方向及び傾斜の角度が、温度、湿度、磁気テープMTがリールに巻き掛けられる圧力、及び経時劣化等、又は、これらによる磁気テープMTの幅方向WDの伸縮に応じて変更されることにより、サーボ読取素子SRのサーボパターン52に対する位置が設計的に定められた既定位置に保持される。
ところで、サーボ読取素子SRは、仮想直線C3に沿って直線状に形成されている。そのため、サーボ読取素子SRによってサーボパターン52Aが読み取られる場合、線状磁化領域対54Aにおいて、線状磁化領域54A1とサーボ読取素子SRとで成す角度と、線状磁化領域54A2とサーボ読取素子SRとで成す角度が異なる。このように角度が異なると、線状磁化領域54A1に由来するサーボパターン信号(すなわち、サーボ読取素子SRによって線状磁化領域54A1が読み取られることによって得られるサーボパターン信号)と線状磁化領域54A2に由来するサーボパターン信号(すなわち、サーボ読取素子SRによって線状磁化領域54A2が読み取られることによって得られるサーボパターン信号)との間にアジマス損失に起因するばらつき(例えば、信号レベルのばらつき、及び、波形の歪み等)が生じる。図8に示す例において、サーボ読取素子SRと線状磁化領域54A1とで成す角度は、サーボ読取素子SRと線状磁化領域54A2とで成す角度よりも大きいため、サーボパターン信号の出力が小さく、波形も広がることとなり、磁気テープMTが走行している状態でサーボ読取素子SRがサーボバンドSBを横切って読み取ることで得たサーボパターン信号にばらつきが生じることとなる。また、サーボ読取素子SRによってサーボパターン52Bが読み取られる場合にも、線状磁化領域54B1に由来するサーボパターン信号と線状磁化領域54B2に由来するサーボパターン信号との間にアジマス損失に起因するばらつきが生じる。このようなサーボパターン信号のばらつきは、サーボ制御の精度を低下させる一因になり得る。
サーボパターン信号を検出する方法としては、自己相関係数を用いてサーボパターン信号を検出する方法が考えられる。この方法では、理想波形を示す理想波形信号とサーボバンド信号(すなわち、サーボバンドSBがサーボ読取素子によって読み取られた結果を示す信号)とが比較される。サーボバンド信号と比較される理想波形信号は事前に準備される。しかし、磁気テープの種類(例えば、主にサーボパターン52の傾き)及び/又は磁気ヘッド28の傾き等によってサーボバンド信号と比較される理想波形信号は異なる。また、磁気テープMTの経時変化及び/又は磁気ヘッド28の傾き(すなわち、スキュー角度)が想定範囲を逸脱すると、事前に準備した理想波形信号の波形と実際のサーボパターン信号の波形とが乖離し、精度良くサーボパターン信号を検出することが困難となる。
そこで、このような事情に鑑み、本実施形態に係る磁気テープドライブ14のコントローラ25(図3参照)の処理装置30(図3及び図9参照)では、サーボパターン検出処理(図15参照)及び理想波形信号取得処理(図16参照)が行われる。以下、サーボパターン検出処理及び理想波形信号取得処理について、具体的に説明する。
先ず、サーボパターン検出処理の一例について図9及び図10を参照しながら説明する。一例として図9に示すように、処理装置30は、制御装置30A及び位置検出装置30Bを有する。位置検出装置30Bは、第1位置検出装置30B1及び第2位置検出装置30B2を有する。位置検出装置30Bは、サーボ読取素子SRによってサーボバンドSBが読み取られた結果であるサーボバンド信号を取得し、取得したサーボバンド信号に基づいて、磁気テープMT上での磁気ヘッド28の位置を検出する。サーボバンド信号には、サーボパターン52が読み取られた結果であるサーボパターン信号の他に、サーボ制御に不要な信号(例えば、ノイズ等)も含まれている。従って、サーボパターン信号に基づく制御(例えば、サーボ制御等)を高精度に実現するためには、処理装置30が、サーボバンド信号からサーボパターン信号を高精度に検出する必要がある。
位置検出装置30Bは、磁気ヘッド28からサーボバンド信号を取得する。サーボバンド信号は、第1サーボバンド信号S1と第2サーボバンド信号S2とに類別される。第1サーボバンド信号S1は、サーボ読取素子SR1によってサーボバンドSBが読み取られた結果を示す信号であり、第2サーボバンド信号S2は、サーボ読取素子SR2によってサーボバンドSBが読み取られた結果を示す信号である。第1位置検出装置30B1は、第1サーボバンド信号S1を取得し、第2位置検出装置30B2は、第2サーボバンド信号S2を取得する。図9に示す例では、第1サーボバンド信号S1の一例として、サーボバンドSB2がサーボ読取素子SR1によって読み取られることで得られた信号が示されており、第2サーボバンド信号S2の一例として、サーボバンドSB3がサーボ読取素子SR2によって読み取られることで得られた信号が示されている。なお、以下では、説明の便宜上、第1サーボバンド信号S1と第2サーボバンド信号S2とを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「サーボバンド信号」と称する。
第1位置検出装置30B1は、第1サーボバンド信号S1に基づいて、サーボバンドSB2に対するサーボ読取素子SR1の位置を検出する。第2位置検出装置30B2は、第2サーボバンド信号S2に基づいて、サーボバンドSB3に対するサーボ読取素子SR2の位置を検出する。
制御装置30Aは、第1位置検出装置30B1での位置検出結果(すなわち、第1位置検出装置30B1によって位置が検出された結果)及び第2位置検出装置30B2での位置検出結果(すなわち、第2位置検出装置30B2によって位置が検出された結果)に基づいて各種制御を行う。ここで、各種制御とは、例えば、サーボ制御、スキュー角度制御、及び/又は張力制御等を指す。張力制御とは、磁気テープMTに付与する張力(例えば、TDSの影響を低減するための張力)の制御を指す。
次に、位置検出装置30Bの具体的な処理内容について説明する。なお、第2位置検出装置30B2の構成は、第1位置検出装置30B1の構成と同一であるので、以下では、位置検出装置30Bの処理内容については、主に第1位置検出装置30B1の具体的な処理内容を例に挙げて説明し、第2位置検出装置30B2の具体的な処理内容についての説明を省略する。
また、以下では、説明の便宜上、線状磁化領域54A1又は54B1(図6~図9参照)に由来するサーボパターン信号を「第1線状磁化領域信号」とも称し、線状磁化領域54A2又は54B2(図6~図9参照)に由来するサーボパターン信号を「第2線状磁化領域信号」とも称する。また、本実施形態において、サーボパターン信号は、第1線状磁化領域信号と第2線状磁化領域信号とから構成された信号である。よって、位置検出装置30Bによって第1線状磁化領域信号と第2線状磁化領域信号とが検出されることは、位置検出装置30Bによってサーボパターン信号が検出されることを意味する。
一例として図10に示すように、第1位置検出装置30B1は、第1検出回路39A及び第2検出回路39Bを有する。第1検出回路39A及び第2検出回路39Bは、並列に接続されており、互いに共通の入力端子30B1a及び出力端子30B1bを備えている。図10に示す例では、入力端子30B1aに第1サーボバンド信号S1が入力される態様例が示されている。第1サーボバンド信号S1には、第1線状磁化領域信号S1a及び第2線状磁化領域信号S1bが含まれている。第1線状磁化領域信号S1a及び第2線状磁化領域信号S1bは、サーボ読取素子SR1(図9参照)によって読み取られた結果であるサーボパターン信号(すなわち、アナログのサーボパターン信号)である。第2サーボバンド信号S2(図9参照)にも、第1サーボバンド信号S1と同様のことが言える。すなわち、サーボパターン信号は、第1線状磁化領域信号S1a及び第2線状磁化領域信号S1bを有する。
ストレージ32には、理想波形信号66が予め格納されている。理想波形信号66は、磁気テープMTのサーボバンドSBに記録されたサーボパターン52(図6~図9参照)がサーボ読取素子SRによって読み取られた結果であるサーボパターン信号(すなわち、アナログのサーボパターン信号)の理想波形を示す信号である。理想波形信号66は、第1サーボバンド信号S1と比較される見本信号とも言える。
理想波形信号66は、第1理想波形信号66Aと第2理想波形信号66Bとに類別される。第1理想波形信号66Aは、線状磁化領域54A2又は54B2に由来する信号、すなわち、第2線状磁化領域信号S1bに対応しており、第2線状磁化領域信号S1bの理想波形を示す信号である。第2理想波形信号66Bは、線状磁化領域54A1又は54B1に由来する信号、すなわち、第1線状磁化領域信号S1aに対応しており、第1線状磁化領域信号S1aの理想波形を示す信号である。より詳しく説明すると、例えば、第1理想波形信号66Aは、第2線状磁化領域信号S1bに含まれる単発(すなわち、1波長分)の理想波形を示す信号(例えば、サーボパターン52に含まれる理想的な磁化直線の1本がサーボ読取素子SRによって読み取られた結果である理想的な信号)である。また、例えば、第2理想波形信号66Bは、第1線状磁化領域信号S1aに含まれる単発(すなわち、1波長分)の理想波形を示す信号(例えば、サーボパターン52に含まれる理想的な磁化直線の1本がサーボ読取素子SRによって読み取られた結果である理想的な信号)である。
第1理想波形信号66Aにより示される理想波形は、磁気テープMT上での磁気ヘッド28の向きに応じて定められた波形である。磁気ヘッド28のホルダ44(図8参照)とサーボ読取素子SRとの相対的な位置関係は固定されている。従って、第1理想波形信号66Aにより示される理想波形は、磁気テープMT上でのサーボ読取素子SRの向きに応じて定められた波形とも言える。例えば、第1理想波形信号66Aにより示される理想波形は、サーボパターン52Aの線状磁化領域54A2の幾何特性(例えば、磁化直線54A2aの幾何特性)と磁気テープMT上での磁気ヘッド28の向きとに応じて定められた波形である。上述したように、磁気ヘッド28のホルダ44(図8参照)とサーボ読取素子SRとの相対的な位置関係は固定されているので、第1理想波形信号66Aにより示される理想波形は、サーボパターン52Aの線状磁化領域54A2の幾何特性(例えば、磁化直線54A2aの幾何特性)と磁気テープMT上でのサーボ読取素子SRの向きに応じて定められた波形とも言える。ここで、磁気テープMT上での磁気ヘッド28の向きとは、例えば、磁気テープMT上において線状磁化領域54A2と磁気ヘッド28とで成す角度を指す。また、磁気テープMT上でのサーボ読取素子SRの向きとは、例えば、磁気テープMT上において線状磁化領域54A2とサーボ読取素子SRとで成す角度を指す。なお、第1理想波形信号66Aにより示される理想波形は、上述した要素に加え、サーボ読取素子SRそのものの特性(材質、大きさ、形状、及び/又は使用履歴など)、磁気テープMTの特性(材質、及び/又は使用履歴など)、及び/又は磁気ヘッド28の使用環境なども加味して定められてもよい。
第1理想波形信号66Aにより示される理想波形と同様に、第2理想波形信号66Bにより示される理想波形も、磁気テープMT上での磁気ヘッド28の向きに応じて定められた波形、すなわち、磁気テープMT上でのサーボ読取素子SRの向きに応じて定められた波形である。例えば、第2理想波形信号66Bにより示される理想波形は、サーボパターン52Aの線状磁化領域54A1の幾何特性(例えば、磁化直線54A1aの幾何特性)と磁気テープMT上での磁気ヘッド28の向きとに応じて定められた波形、すなわち、サーボパターン52Aの線状磁化領域54A1の幾何特性(例えば、磁化直線54A1aの幾何特性)と磁気テープMT上でのサーボ読取素子SRの向きに応じて定められた波形である。ここで、磁気テープMT上での磁気ヘッド28の向きとは、例えば、磁気テープMT上において線状磁化領域54A1と磁気ヘッド28とで成す角度を指す。また、磁気テープMT上でのサーボ読取素子SRの向きとは、例えば、磁気テープMT上において線状磁化領域54A1とサーボ読取素子SRとで成す角度を指す。なお、第2理想波形信号66Bにより示される理想波形も、第1理想波形信号66Aにより示される理想波形と同様に、上述した要素に加え、サーボ読取素子SRそのものの特性(材質、大きさ、形状、及び/又は使用履歴など)、磁気テープMTの特性(材質、及び/又は使用履歴など)、及び/又は磁気ヘッド28の使用環境なども加味して定められてもよい。
第1位置検出装置30B1は、第1サーボバンド信号S1を取得し、取得した第1サーボバンド信号S1と理想波形信号66とを比較することでサーボパターン信号S1Aを検出する。図10に示す例において、第1位置検出装置30B1は、第1検出回路39A及び第2検出回路39Bを用いることでサーボパターン信号S1Aを検出する。第1検出回路39Aは、本開示の技術に係る「第1検出回路」の一例であり、第2検出回路39Bは、本開示の技術に係る「第2検出回路」の一例である。
第1検出回路39Aには、入力端子30B1aを介して第1サーボバンド信号S1が入力される。第1検出回路39Aは、入力された第1サーボバンド信号S1から、自己相関係数を用いて、第2線状磁化領域信号S1bを検出する。第2線状磁化領域信号S1bは、本開示の技術に係る「第1信号」の一例である。
第1検出回路39Aによって用いられる自己相関係数は、第1サーボバンド信号S1と第1理想波形信号66Aとの相関の度合いを示す係数である。第1検出回路39Aは、ストレージ32から第1理想波形信号66Aを取得し、取得した第1理想波形信号66Aと第1サーボバンド信号S1とを比較する。そして、第1検出回路39Aは、比較結果に基づいて自己相関係数を算出する。第1検出回路39Aは、サーボバンドSB(例えば、図9に示すサーボバンドSB2)上において、第1サーボバンド信号S1と第1理想波形信号66Aとの相関が高い位置(例えば、第1サーボバンド信号S1と第1理想波形信号66Aとが一致する位置)を、自己相関係数に従って検出する。
一方、第2検出回路39Bにも、入力端子30B1aを介して第1サーボバンド信号S1が入力される。第2検出回路39Bは、入力された第1サーボバンド信号S1から、自己相関係数を用いて、第1線状磁化領域信号S1aを検出する。第1線状磁化領域信号S1aは、本開示の技術に係る「第2信号」の一例である。
第2検出回路39Bによって用いられる自己相関係数は、第1サーボバンド信号S1と第2理想波形信号66Bとの相関の度合いを示す係数である。第2検出回路39Bは、ストレージ32から第2理想波形信号66Bを取得し、取得した第2理想波形信号66Bと第1サーボバンド信号S1とを比較する。そして、第2検出回路39Bは、比較結果に基づいて自己相関係数を算出する。第2検出回路39Bは、サーボバンドSB(例えば、図9に示すサーボバンドSB2)上において、第1サーボバンド信号S1と第2理想波形信号66Bとの相関が高い位置(例えば、第1サーボバンド信号S1と第2理想波形信号66Bとが一致する位置)を、自己相関係数に従って検出する。
第1位置検出装置30B1は、第1検出回路39Aによる検出結果及び第2検出回路39Bによる検出結果に基づいてサーボパターン信号S1Aを検出する。
第1位置検出装置30B1は、出力端子30B1bからサーボパターン信号S1Aを制御装置30Aに出力する。サーボパターン信号S1Aは、第1検出回路39Aによって検出された第2線状磁化領域信号S1bと第2検出回路39Bによって検出された第1線状磁化領域信号S1aとの論理和を示す信号(例えば、デジタル信号)である。
サーボバンドSBに対するサーボ読取素子SRの位置は、例えば、サーボパターン52A及び52Bの長手方向LDの間隔に基づいて検出される。例えば、サーボパターン52A及び52Bの長手方向LDの間隔は、自己相関係数に従って検出される。サーボ読取素子SRがサーボパターン52の上側(すなわち、図9中の紙面正面視の上側)に位置している場合、線状磁化領域54A1と線状磁化領域54A2との間隔は狭くなり、かつ、線状磁化領域54B1と線状磁化領域54B2との間隔も狭くなる。これに対し、サーボ読取素子SRがサーボパターン52の下側(すなわち、図9中の紙面正面視の下側)に位置している場合、線状磁化領域54A1と線状磁化領域54A2との間隔は広くなり、かつ、線状磁化領域54B1と線状磁化領域54B2との間隔も広くなる。このようにして、第1位置検出装置30B1は、自己相関係数に従って検出した線状磁化領域54A1と線状磁化領域54A2との間隔、及び、線状磁化領域54B1と線状磁化領域54B2との間隔を用いて、サーボバンドSBに対するサーボ読取素子SRの位置の検出を行う。
なお、図10に示す例では、第1位置検出装置30B1が、第1サーボバンド信号S1と理想波形信号66とを比較することでサーボパターン信号S1Aを検出する形態例を挙げて説明したが、これと同様に、第2位置検出装置30B2も、第2サーボバンド信号S2と理想波形信号66とを比較することでサーボパターン信号S2Aを検出し、検出したサーボパターン信号S2Aを制御装置30Aに出力する。
一例として図11に示すように、制御装置30Aは、位置検出装置30Bでの位置検出結果(すなわち、サーボパターン信号S1A及びS2A)に基づいて移動機構48を動作させることで磁気ヘッド28の位置を調整する。また、制御装置30Aは、磁気素子ユニット42に対して磁気テープMTのデータバンドDBに対して磁気的処理を行わせる。すなわち、制御装置30Aは、磁気素子ユニット42から読取信号(すなわち、磁気素子ユニット42によって磁気テープMTのデータバンドDBから読み取られたデータ)を取得したり、磁気素子ユニット42に記録信号を供給することで記録信号に応じたデータを磁気テープMTのデータバンドDBに記録したりする。
また、TDSの影響を低減するために、制御装置30Aは、位置検出装置30Bでの位置検出結果(すなわち、サーボパターン信号S1A及びS2A)からサーボバンドピッチを算出し、算出したサーボバンドピッチに従って、張力制御を行ったり、磁気テープMT上で磁気ヘッド28をスキューさせたりする。張力制御は、送出モータ36及び巻取モータ40の各々の回転速度及び回転トルク等が調整されることによって実現される。磁気ヘッド28のスキューは、傾斜機構49を作動させることによって実現される。
次に、理想波形信号取得処理の一例について図12及び図13を参照しながら説明する。なお、理想波形信号取得処理は、制御装置30A(図13参照)によって行われる。
一例として図12に示すように、磁気テープMTは、BOT区間31A及びEOT区間31Bを有する。BOT区間31Aは、磁気テープMTの先頭に設けられた区間を指す。EOT区間31Bは、磁気テープMTの後尾に設けられて区間を指す。
BOT区間31A及びEOT区間31Bは、磁気テープMTの表面31に形成されており、複数のサーボバンドSB(図12に示す例では、サーボバンドSB1、SB2及びSB3)と複数のデータバンドDB(図12に示す例では、データバンドDB1及びDB2)と、を有する。
また、磁気テープMTは、磁気テープMTの長手方向LDにおいてBOT区間31AとEOT区間31Bとの間に複数の理想波形信号取得区間31Cを有する。複数の理想波形信号取得区間31Cは、本開示の技術に係る「複数の区間」の一例である。
複数の理想波形信号取得区間31Cは、長手方向LDに沿ってBOT区間31AとEOT区間31Bとの間に断続的に設けられている。例えば、複数の理想波形信号取得区間31Cは、長手方向LDに沿ってBOT区間31AとEOT区間31Bとの間に一定の間隔で設けられている。
BOT区間31AのサーボバンドSB、理想波形信号取得区間31CのサーボバンドSB、及びEOT区間31BのサーボバンドSBには、長手方向LDに沿って複数のサーボパターン52が記録されている。BOT区間31AのサーボバンドSB、理想波形信号取得区間31CのサーボバンドSB、及びEOT区間31BのサーボバンドSBに記録されているサーボパターン52は、本開示の技術に係る「基準サーボパターン」の一例である。
理想波形信号取得処理では、磁気ヘッド28が理想波形信号取得区間31Cに対向しており、かつ、磁気テープMTが定速(例えば、BOT区間31AとEOT区間31Bとの間の領域のうちの理想波形信号取得区間31C以外の領域で磁気ヘッド28によって磁気的処理が行われる速度として指定された一定の速度と同じ速度)で走行している状態で、サーボ読取素子SRによって理想波形信号取得区間31Cのサーボパターン52が読み取られる。図12に示す例では、サーボ読取素子SR2によって理想波形信号取得区間31Cのサーボパターン52Aが読み取られる態様の一例が示されている。なお、図12に示す例では、理想波形信号取得処理において、サーボ読取素子SR2によって理想波形信号取得区間31Cのサーボパターン52が読み取られる態様の一例が示されているが、これは、あくまでも一例である。例えば、理想波形信号取得処理において、サーボ読取素子SR2によって理想波形信号取得区間31Cのサーボパターン52が読み取られることに加え、BOT区間31A及びEOT区間31Bのうちの少なくとも一方のサーボパターン52もサーボ読取素子SR2によって読み取られるようにしてもよい。
BOT区間31A、理想波形信号取得区間31C、及びEOT区間31Bの各々のサーボバンドSBに記録されているサーボパターン52の幾何特性は、磁気テープMTのうちのBOT区間31A、理想波形信号取得区間31C、及びEOT区間31B以外に記録されちるサーボパターン52の幾何特性と同一である。ここで、「同一」とは、完全な同一の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの同一を指す。
一例として図13に示すように、制御装置30Aには、第1サーボバンド信号S1が入力される。図13に示す例において、制御装置30Aに入力される第1サーボバンド信号S1は、理想波形信号取得区間31CのサーボバンドSB3がサーボ読取素子SRによって読み取られることで得られる信号である(図12も参照)。なお、図13には、理想波形信号取得区間31CのサーボバンドSB3がサーボ読取素子SRによって読み取られることで得られた第1サーボバンド信号S1が例示されているが、これはあくまでも一例に過ぎず、BOT区間31AのサーボバンドSB3及び/又はEOT区間31BのサーボバンドSB3がサーボ読取素子SRによって読み取られることで得られた第1サーボバンド信号S1であってもよい。また、図13には、第1サーボバンド信号S1が例示されているが、これはあくまでも一例に過ぎず、第1サーボバンド信号S1に代えて第2サーボバンド信号S2を適用してもよい。
制御装置30Aは、サーボパターン52とサーボ読取素子SRとで成す角度(すなわち、磁気ヘッド28のスキュー角度)に応じて定められた閾値THを有する。例えば、閾値THは、磁気ヘッド28のスキュー角度を独立変数とし、閾値THを従属変数とする演算式(図示省略)、又は、磁気ヘッド28のスキュー角度と閾値THとが対応付けられたテーブル(図示省略)から導出される。
制御装置30Aは、閾値THを用いて第1サーボバンド信号S1から小波形信号SWS及び大波形信号LWSを抽出する。閾値THは、第1閾値TH1と第2閾値TH2とに類別される。第1閾値TH1は、第1角度に応じて定められており、第2閾値TH2は、第2角度に応じて定められている。第1角度とは、線状磁化領域54A1又は54B1(図6~図9参照)とサーボ読取素子SR(図6~図9参照)とで成す角度(例えば、磁化直線54A1a又は54B1a(図6~図8参照)とサーボ読取素子SR(図6~図9参照)とで成す角度)を指す。第2角度とは、線状磁化領域54A2又は54B2(図6~図9参照)とサーボ読取素子SR(図6~図9参照)とで成す角度(例えば、磁化直線54A2a又は54B2a(図6~図8参照)とサーボ読取素子SR(図6~図9参照)とで成す角度)を指す。
図13に示す例において、第1閾値TH1は第2閾値TH2よりも小さい。制御装置30Aは、第1サーボバンド信号S1から、信号レベルが“0”で立ち上がる点Pを検出し、かつ、隣接する点P間で第1閾値TH1以上第2閾値TH2未満の1つのピーク値を有する1波長分の信号を小波形信号SWSとして抽出する。また、制御装置30Aは、隣接する点P間で第2閾値TH2以上の1つのピーク値を有する1波長分の信号を大波形信号LWSとして抽出する。
小波形信号SWS及び大波形信号LWSの各々は、1波長分の信号である。小波形信号SWSの振幅は、大波形信号LWSの振幅よりも小さい。図13に示す例では、制御装置30Aによって、第1線状磁化領域信号S1aから5個の小波形信号SWSが抽出され、第2線状磁化領域信号S1bから5個の大波形信号LWSが抽出される。
制御装置30Aは、複数の小波形信号SWS(図13に示す例では、5個の小波形信号SWS)を平均化することで第2理想波形信号66Bを生成し、生成した第2理想波形信号66Bをストレージ32に格納する。ここで、複数の小波形信号SWSの平均化とは、複数の小波形信号SWSの平均的な波形を示す信号を生成することを意味する。
また、ここでは、複数の小波形信号SWSの平均的な波形を示す信号が第2理想波形信号66Bとしてストレージ32に格納される形態例を挙げているが、これは、あくまでも一例に過ぎない。例えば、複数の小波形信号SWSのうちの中央値に位置する波形を示す信号が第2理想波形信号66Bとされてもよいし、複数の小波形信号SWSのうちの最も高い頻度で現れる波形を示す信号が第2理想波形信号66Bとされてもよく、複数の小波形信号SWSのうちの統計値に従って導出された波形(すなわち、複数の小波形信号SWSから導出された統計的な波形)を示す信号が第2理想波形信号66Bとされるようにすればよい。
また、本実施形態では、第2理想波形信号66Bを生成するために用いる複数の小波形信号SWSの個数は5個であるが、これは、あくまでも一例に過ぎない。例えば、第2理想波形信号66Bを生成するために用いる複数の小波形信号SWSの個数は6個以上であってもよい。この場合、例えば、複数の線状磁化領域54A1(図6~図9参照)に対応する複数の第1線状磁化領域信号S1aから抽出された複数の小波形信号SWSから第2理想波形信号66Bが生成されるようにしてもよい。また、第2理想波形信号66Bを生成するために用いる複数の小波形信号SWSの個数は5個未満であってもよい。
制御装置30Aは、複数の大波形信号LWS(図13に示す例では、5個の大波形信号LWS)を平均化することで第1理想波形信号66Aを生成し、生成した第1理想波形信号66Aをストレージ32に格納する。ここで、複数の大波形信号LWSの平均化とは、複数の大波形信号LWSの平均的な波形を示す信号を生成することを意味する。
また、ここでは、複数の大波形信号LWSの平均的な波形を示す信号が第1理想波形信号66Aとしてストレージ32に格納される形態例を挙げているが、これは、あくまでも一例に過ぎない。例えば、複数の大波形信号LWSのうちの中央値に位置する波形を示す信号が第1理想波形信号66Aとされてもよいし、複数の大波形信号LWSのうちの最も高い頻度で現れる波形を示す信号が第1理想波形信号66Aとされてもよく、複数の大波形信号LWSのうちの統計値に従って導出された波形(すなわち、複数の大波形信号LWSから導出された統計的な波形)を示す信号が第1理想波形信号66Aとされるようにすればよい。
また、本実施形態では、第1理想波形信号66Aを生成するために用いる複数の大波形信号LWSの個数は5個であるが、これは、あくまでも一例に過ぎない。例えば、第1理想波形信号66Aを生成するために用いる複数の大波形信号LWSの個数は6個以上であってもよい。この場合、例えば、複数の線状磁化領域54A1及び54B1(図6~図9参照)に対応する複数の第2線状磁化領域信号S1bから抽出された複数の大波形信号LWSから第1理想波形信号66Aが生成されるようにしてもよい。また、第1理想波形信号66Aを生成するために用いる複数の大波形信号LWSの個数は5個未満であってもよい。
このように、制御装置30Aによって理想波形信号取得処理が実行されることで、磁気テープMTにおいてBOT区間31AとEOT区間31Bとの間に記録されたサーボパターン52A(ここでは、一例として、理想波形信号取得区間31Cに記録されたサーボパターン52A)がサーボ読取素子SRによって読み取られた結果を示す信号が理想波形信号66としてストレージ32に格納される。
なお、図12及び図13に示す例では、理想波形信号取得区間31Cに記録されたサーボパターン52Aがサーボ読取素子SRによって読み取られた結果を示す信号を理想波形信号66としたが、これは、あくまでも一例に過ぎない。例えば、理想波形信号取得区間31Cに記録されたサーボパターン52Bがサーボ読取素子SRによって読み取られた結果を示す信号を理想波形信号66としてもよい。また、BOT区間31Aに記録されたサーボパターン52がサーボ読取素子SRによって読み取られた結果を示す信号を理想波形信号66としてもよい。また、EOT区間31Bに記録されたサーボパターン52がサーボ読取素子SRによって読み取られた結果を示す信号を理想波形信号66としてもよい。
次に、磁気テープMTの製造工程に含まれる複数の工程のうち、磁気テープMTのサーボバンドSBにサーボパターン52を記録するサーボパターン記録工程、及び磁気テープMTを巻き取る巻取工程の一例について説明する。
一例として図14に示すように、サーボパターン記録工程では、サーボライタSWが用いられる。サーボライタSWは、送出リールSW1、巻取リールSW2、駆動装置SW3、パルス信号生成器SW4、サーボライタコントローラSW5、複数のガイドSW6、搬送路SW7、サーボパターン記録ヘッドWH、及びベリファイヘッドVHを備えている。サーボライタコントローラSW5には、上述したコントローラ25(図3参照)に相当する装置が組み込まれている。
本実施形態において、サーボライタSWは、本開示の技術に係る「検出装置」及び「検査装置」の一例である。また、本実施形態において、サーボライタコントローラSW5は、本開示の技術に係る「処理装置」、「検査プロセッサ」及び「格納媒体」の一例である。
サーボライタコントローラSW5は、サーボライタSWの全体を制御する。本実施形態において、サーボライタコントローラSW5は、ASICによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、サーボライタコントローラSW5は、FPGA及び/又はPLCによって実現されるようにしてもよい。また、サーボライタコントローラSW5は、CPU、フラッシュメモリ(例えば、EEPROM、及び/又は、SSD等)、及びRAMを含むコンピュータによって実現されるようにしてもよい。また、ASIC、FPGA、PLC、及びコンピュータのうちの2つ以上を組み合わせて実現されるようにしてもよい。すなわち、サーボライタコントローラSW5は、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現されるようにしてもよい。
送出リールSW1には、パンケーキがセットされている。パンケーキとは、サーボパターン52の書き込み前に幅広のウェブ原反から製品幅に裁断された磁気テープMTがハブに巻き掛けられた大径ロールを指す。
駆動装置SW3は、モータ(図示省略)及びギア(図示省略)を有しており、送出リールSW1及び巻取リールSW2に機械的に接続されている。磁気テープMTが巻取リールSW2によって巻き取られる場合、駆動装置SW3は、サーボライタコントローラSW5からの指示に従って、動力を生成し、生成した動力を送出リールSW1及び巻取リールSW2に伝達することで送出リールSW1及び巻取リールSW2を回転させる。すなわち、送出リールSW1は、駆動装置SW3から動力を受けて回転することで、磁気テープMTを既定の搬送路SW7に送り出す。巻取リールSW2は、駆動装置SW3から動力を受けて回転することで、送出リールSW1から送り出された磁気テープMTを巻き取る。送出リールSW1及び巻取リールSW2の回転速度及び回転トルク等は、巻取リールSW2に対して磁気テープMTを巻き取らせる速度に応じて調整される。
搬送路SW7上には、複数のガイドSW6及びサーボパターン記録ヘッドWHが配置されている。サーボパターン記録ヘッドWHは、複数のガイドSW6間で、磁気テープMTの表面31側に配置されている。送出リールSW1から搬送路SW7に送り出された磁気テープMTは、複数のガイドSW6に案内されてサーボパターン記録ヘッドWH上を経由して巻取リールSW2によって巻き取られる。
サーボパターン記録工程では、パルス信号生成器SW4が、サーボライタコントローラSW5の制御下で、パルス信号を生成し、生成したパルス信号をサーボパターン記録ヘッドWHに供給する。磁気テープMTが搬送路SW上を一定の速度で走行している状態で、サーボパターン記録ヘッドWHは、パルス信号生成器SW4から供給されたパルス信号に従って、サーボバンドSBにサーボパターン52を記録する。これにより、例えば、磁気テープMTのサーボバンドSBには、磁気テープMTの全長にわたって複数のサーボパターン52が記録される(図6~図9参照)。
また、磁気テープMTに複数のサーボパターン52が記録された後、サーボライタSWでは、サーボライタコントローラSW5によって理想波形信号取得処理が行われる。これにより、サーボライタコントローラSW5内のストレージ(図示省略)には理想波形信号66が格納される。
磁気テープMTの製造工程には、サーボパターン記録工程の他にも複数の工程が含まれている。複数の工程には、検査工程及び巻取工程が含まれている。
例えば、検査工程は、サーボパターン記録ヘッドWHによって磁気テープMTの表面31に形成されたサーボバンドSBを検査する工程である。サーボバンドSBの検査とは、例えば、サーボバンドSBに記録されたサーボパターン52の正否を判定する処理を指す。サーボパターン52の正否の判定とは、例えば、サーボパターン52A及び52Bが表面31内の事前に決められた箇所に対して、磁化直線54A1a、54A2a、54B1a及び54B2aが過不足なく、かつ、許容誤差内で記録されているか否かの判定(すなわち、サーボパターン52のベリファイ)を指す。
検査工程は、サーボライタコントローラSW5及びベリファイヘッドVHを用いることによって行われる。ベリファイヘッドVHは、サーボパターン記録ヘッドWHよりも、磁気テープMTの搬送方向の下流側に配置されている。また、ベリファイヘッドVHには、磁気ヘッド28と同様に、複数のサーボ読取素子(図示省略)が設けられており、複数のサーボ読取素子によって複数のサーボバンドSBに対する読み取りが行われる。また、サーボライタコントローラSW5によって理想波形信号取得処理が行われる場合、磁気テープドライブ14での磁気ヘッド28のサーボ読取素子SRによるサーボパターン52に対する読み取りと同様の要領で、ベリファイヘッドVHに含まれるサーボ読取素子によってサーボパターン52に対する読み取りも行われる。
ベリファイヘッドVHは、サーボライタコントローラSW5に接続されている。ベリファイヘッドVHには、磁気テープMTの表面31側(すなわち、ベリファイヘッドVHの背面側)から見てサーボバンドSBに対して正対する位置に配置されており、サーボバンドSBに記録されたサーボパターン52を読み取り、読み取った結果(以下、「サーボパターン読取結果」と称する)をサーボライタコントローラSW5に出力する。サーボライタコントローラSW5は、ベリファイヘッドVHから入力されたサーボパターン読取結果(例えば、サーボパターン信号)に基づいてサーボバンドSBの検査(例えば、サーボパターン52の正否の判定)を行う。例えば、サーボライタコントローラSW5には、上述したコントローラ25(図3参照)に相当する装置が組み込まれているので、サーボライタコントローラSW5は、サーボパターン読取結果から位置検出結果を取得し、位置検出結果を用いてサーボパターン52の正否を判定することでサーボバンドSBの検査を行う。
ここで、サーボライタコントローラSW5は、例えば、サーボパターン検出処理を行うことで、サーボパターン読取結果から位置検出結果を取得する。サーボライタコントローラSW5によるサーボパターン検出処理で用いられる理想波形信号66は、サーボライタコントローラSW5内のストレージ(図示省略)に格納されている理想波形信号66である。
サーボライタコントローラSW5は、サーボバンドSBを検査した結果(例えば、サーボパターン52の正否を判定した結果)を示す情報を既定の出力先(例えば、ストレージ32(図3参照)、UI系装置34(図3参照)、及び/又は外部装置37(図3参照)等)に出力する。
例えば、検査工程が終了すると、次に、巻取工程が行われる。巻取工程は、複数の磁気テープカートリッジ12(図1~図4参照)のそれぞれに対して用いられる送出リール22(すなわち、磁気テープカートリッジ12(図1~図4参照)に収容される送出リール22(図2~図4参照))に磁気テープMTを巻回する工程である。巻取工程では、巻取モータMが用いられる。巻取モータMは、送出リール22にギア等を介して機械的に接続されている。巻取モータMは、処理装置(図示省略)の制御下で、送出リール22に対して回転力を付与することで送出リール22を回転させる。巻取リールSW2に巻き取られた磁気テープMTは、送出リール22の回転によって送出リール22に巻き取られる。巻取工程では、裁断装置(図示省略)が用いられる。複数の送出リール22の各々について、送出リール22によって必要な分の磁気テープMTが巻き取られると、巻取リールSW2から送出リール22に送出される磁気テープMTが裁断装置によって裁断される。
パルス信号生成器SW4は、サーボライタコントローラSW5の制御下で、パルス信号を生成し、生成したパルス信号をサーボパターン記録ヘッドWHに供給する。磁気テープMTが搬送路SW上を一定の速度で走行している状態で、サーボパターン記録ヘッドWHは、パルス信号生成器SW4から供給されたパルス信号に従ってサーボパターン52をサーボバンドSBに記録する。
次に、磁気テープシステム10の作用について説明する。
磁気テープカートリッジ12には、図6に示す磁気テープMTが収容されている。磁気テープカートリッジ12は、磁気テープドライブ14に装填される。磁気テープドライブ14では、磁気テープMTに対して磁気素子ユニット42による磁気的処理が行われる場合、磁気テープカートリッジ12から磁気テープMTが引き出され、磁気ヘッド28のサーボ読取素子SRによってサーボバンドSB内のサーボパターン52が読み取られる(図8及び図9参照)。
図8に示すように、サーボ読取素子SRによってサーボパターン52Aが読み取られる場合、線状磁化領域対54Aにおいて、線状磁化領域54A1とサーボ読取素子SRとで成す角度と、線状磁化領域54A2とサーボ読取素子SRとで成す角度が異なる。このように角度が異なると、線状磁化領域54A1に由来するサーボパターン信号、すなわち、第1線状磁化領域信号S1a(図10参照)と、線状磁化領域54A2に由来するサーボパターン信号、すなわち、第2線状磁化領域信号S1b(図10参照)との間にアジマス損失に起因するばらつきが生じる。第1線状磁化領域信号S1aと第2線状磁化領域信号S1bとのばらつきは、サーボ制御等の精度を低下させる一因になり得る。
そこで、本実施形態に係る磁気テープシステム10では、一例として図15に示すように、処理装置30(図9参照)によって、サーボパターン検出処理が行われる。例えば、図15に示すサーボパターン検出処理は、サーボ読取素子SRによってサーボパターン52の読み取りが開始される毎(すなわち、サーボ読取素子SRによってフレーム50単位でのサーボパターン52に対する読み取りが開始される毎)に行われる。なお、図15に示すサーボパターン検出処理の流れは、本開示の技術に係る「検出方法」の一部の一例である。
図15に示すサーボパターン検出処理では、先ず、ステップST10で、位置検出装置30Bは、サーボバンド信号を取得する。例えば、第1位置検出装置30B1は、第1サーボバンド信号S1を取得し、第2位置検出装置30B2は、第2サーボバンド信号S2を取得する。ステップST10の処理が実行された後、サーボパターン検出処理は、ステップST12へ移行する。
ステップST12で、位置検出装置30Bは、ストレージ32から第1理想波形信号66A及び第2理想波形信号66Bを取得する。ここで、ストレージ32からは、サーボ読取素子SRによって読み取られるサーボパターン52Aを含むフレーム50に対応する第1理想波形信号66A及び第2理想波形信号66Bが位置検出装置30Bによって取得される。ステップST12の処理が実行された後、サーボパターン検出処理は、ステップST14へ移行する。なお、図16に示すサーボパターン検出処理においてステップST10の処理とステップST12の処理とを入れ替えても、本開示の技術は成立する。
ステップST14で、位置検出装置30Bは、ステップST10で取得したサーボバンド信号とステップST12で取得した理想波形信号66とを比較する。すなわち、第1位置検出装置30B1において、第1検出回路39Aは、第1サーボバンド信号S1と第1理想波形信号66Aとを比較し、第2検出回路39Bは、第1サーボバンド信号S1と第2理想波形信号66Bとを比較する。一方、第2位置検出装置30B2において、第1検出回路39Aは、第2サーボバンド信号S2と第1理想波形信号66Aとを比較し、第2検出回路39Bは、第2サーボバンド信号S2と第2理想波形信号66Bとを比較する。ステップST14の処理が実行された後、サーボパターン検出処理は、ステップST16へ移行する。
ステップST16で、第1位置検出装置30B1の第1検出回路39Aは、ステップST14での比較結果に基づいて第2線状磁化領域信号S1bを取得し、第1位置検出装置30B1の第2検出回路39Bは、ステップST14での比較結果に基づいて第1線状磁化領域信号S1aを取得する。また、第2位置検出装置30B2の第1検出回路39Aは、ステップST14での比較結果に基づいて第2線状磁化領域信号S1bを取得し、第2位置検出装置30B2の第2検出回路39Bは、ステップST14での比較結果に基づいて第1線状磁化領域信号S1aを取得する。ステップST16の処理が実行された後、サーボパターン検出処理は、ステップST18へ移行する。
ステップST18で、第1位置検出装置30B1は、ステップST16で取得した第1線状磁化領域信号S1aと第2線状磁化領域信号S1bとの論理和であるサーボパターン信号S1Aを生成して制御装置30Aに出力する。また、第2位置検出装置30B2は、ステップST16で取得した第1線状磁化領域信号S1aと第2線状磁化領域信号S1bとの論理和であるサーボパターン信号S2Aを生成して制御装置30Aに出力する。ステップST18の処理が実行された後、サーボパターン検出処理が終了する。
本実施形態に係る磁気テープシステム10では、一例として図16に示すように、処理装置30(図9参照)によって、理想波形信号取得処理が行われる。理想波形信号取得処理は、既定条件を満足した場合に処理装置30によって行われる。ここで、既定条件の一例としては、例えば、サーボ読取素子SRを磁気テープMTの長手方向LDの先頭に位置させ、かつ、幅方向LDの中央部に位置させた状態で磁気テープMTが順方向に走行を開始した、という条件が挙げられる。なお、図16に示す理想波形信号取得処理の流れは、本開示の技術に係る「検出方法」の一部の一例である。
図16に示す理想波形信号取得処理では、先ず、ステップST20で、制御装置30Aは、磁気ヘッド28上で磁気テープMTの理想波形信号取得区間31C(図12参照)が定速で走行しているか否かを判定する。ステップST20において、磁気ヘッド28上で磁気テープMTの理想波形信号取得区間31Cが定速で走行していない場合は、判定が否定されて、理想波形信号取得処理はステップST36へ移行する。ステップST20において、磁気ヘッド28上で磁気テープMTの理想波形信号取得区間31Cが定速で走行している場合は、判定が肯定されて、理想波形信号取得処理はステップST22へ移行する。
ステップST22で、制御装置30Aは、理想波形信号取得区間31CのサーボバンドSBがサーボ読取素子SRによって読み取られることで得られたサーボバンド信号(例えば、第1サーボバンド信号S1)を取得する。ステップST22の処理が実行された後、理想波形信号取得処理はステップST24へ移行する。
ステップST24で、制御装置30Aは、ステップST22で取得したサーボバンド信号から小波形信号SWSを取得する。例えば、制御装置30Aは、第1サーボバンド信号S1から、隣接する点P間で第1閾値TH1以上第2閾値TH2未満の1つのピーク値を有する1波長分の信号を小波形信号SWSとして抽出することで、小波形信号SWSを取得する。ステップST24の処理が実行された後、理想波形信号取得処理はステップST26へ移行する。
ステップST26で、制御装置30Aは、ステップST24で取得した小波形信号SWSの個数が既定個数(例えば、5個)に達したか否かを判定する。ステップST26において、小波形信号SWSの個数が既定個数に達していない場合は、判定が否定されて、理想波形信号取得処理はステップST24へ移行する。ステップST26において、小波形信号SWSの個数が既定個数に達した場合は、判定が肯定されて、理想波形信号取得処理はステップST28へ移行する。
ステップST28で、制御装置30Aは、ステップST22で取得したサーボバンド信号から大波形信号LWSを取得する。例えば、制御装置30Aは、第1サーボバンド信号S1から、隣接する点P間で第2閾値TH2以上の1つのピーク値を有する1波長分の信号を大波形信号LWSとして抽出することで、大波形信号LWSを取得する。ステップST28の処理が実行された後、理想波形信号取得処理はステップST30へ移行する。
ステップST30で、制御装置30Aは、ステップST28で取得した大波形信号LWSの個数が既定個数(例えば、5個)に達したか否かを判定する。ステップST30において、大波形信号LWSの個数が既定個数に達していない場合は、判定が否定されて、理想波形信号取得処理はステップST28へ移行する。ステップST30において、大波形信号LWSの個数が既定個数に達した場合は、判定が肯定されて、理想波形信号取得処理はステップST32へ移行する。
ステップST32で、制御装置30Aは、ステップST28の処理及びステップST30の処理を繰り返し行うことで得た複数の大波形信号LWSの平均的な波形を示す信号を第1理想波形信号66Aとして生成し、第1理想波形信号66Aをストレージ32に格納する。ここで、格納とは、例えば、第1理想波形信号66Aのストレージ32への上書き保存を指す。なお、第1理想波形信号66Aのストレージ32への上書き保存は、あくまでも一例に過ぎず、第1理想波形信号66Aが時系列で(例えば、ストレージ32に格納した時刻と対応付けた状態で)ストレージ32に格納されていてもよい。ステップST32の処理が実行された後、理想波形信号取得処理はステップST34へ移行する。
ステップST34で、制御装置30Aは、ステップST24の処理及びステップST26の処理を繰り返し行うことで得た複数の小波形信号SWSの平均的な波形を示す信号を第2理想波形信号66Bとして生成し、第2理想波形信号66Bをストレージ32に格納する。なお、第2理想波形信号66Bのストレージ32への上書き保存は、あくまでも一例に過ぎず、第2理想波形信号66Bが時系列で(例えば、ストレージ32に格納した時刻と対応付けた状態で)ストレージ32に格納されていてもよい。ステップST34の処理が実行された後、理想波形信号取得処理はステップST36へ移行する。
ステップST36で、制御装置30Aは、理想波形信号取得処理が終了する条件(以下、「終了条件」と称する)を満足したか否かを判定する。終了条件の一例としては、次の第1~第4条件のうちの何れかが挙げられる。第1条件は、磁気テープMTの走行方向(例えば、順方向又は逆方向)においてサーボ読取素子SRが全ての理想波形信号取得区間31Cのうちの端に位置する理想波形信号取得区間31CとBOT区間31A又はEOT区間31Bとの間の領域上にサーボ読取素子SRが到達した、との条件である。第2条件は、磁気テープMTの走行方向においてサーボ読取素子SRが全ての理想波形信号取得区間31Cを通過した、との条件である。第3条件は、サーボ読取素子SRがBOT区間31A又はEOT区間31B上に到達した、との条件である。第4条件は、理想波形信号取得処理を終了させる指示がUI系装置34によって受け付けられた、との条件である。
ステップST36において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、理想波形信号取得処理はステップST20へ移行する。ステップST36において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、理想波形信号取得処理が終了する。
図16に示す理想波形信号取得処理が行われることによってストレージ32に格納された理想波形信号66は、サーボパターン検出処理にてサーボバンド信号との比較に用いられる。
なお、図16に示す理想波形信号取得処理では、理想波形信号取得区間31Cからサーボ読取素子SRによってサーボパターン52が読み取られた結果が理想波形信号66としてストレージ32に格納される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、BOT区間31A及び/又はEOT区間31Bからサーボ読取素子SRによってサーボパターン52が読み取られた結果が理想波形信号66としてストレージ32に格納されるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る磁気テープシステム10では、理想波形信号取得区間31CのサーボバンドSBに記録されたサーボパターン52が読み取られた結果が、理想波形信号66としてストレージ32に格納され、サーボバンド信号と理想波形信号とが比較されることによってサーボパターン信号が検出される。従って、本構成によれば、サーボバンド信号と比較される理想波形信号66が経験則又は勘のみによって設定された信号である場合い比べ、サーボパターン信号を精度良く検出することができる。
また、本構成によれば、磁気テープMT内のBOT区間31AとEOT区間31Bとの間で磁気ヘッド28によって磁気的処理が行われている場合であっても、新たな理想波形信号66を得るためだけに、BOT区間31A又はEOT区間31B上にサーボ読取素子SRを戻す必要はないので、BOT区間31A又はEOT区間31B上にサーボ読取素子SRを戻す場合よりも迅速に新たな理想波形信号66を得ることができる。また、本構成によれば、磁気テープMT内のBOT区間31AとEOT区間31Bとの間で磁気ヘッド28によって磁気的処理が行われている場合、BOT区間31A又はEOT区間31Bの特性(例えば、磁気テープMTの幅方向の変形の度合い等)よりも、磁気的処理が行われている箇所の特性に近い特性を有する箇所のサーボパターン52がサーボ読取素子SRによって読み取られた結果を新たな理想波形信号66として用いることができる。
また、本実施形態に係る磁気テープシステム10では、磁気テープMT内の長手方向LDに沿って断続的に設けられた複数の理想波形信号取得区間31Cの各々のサーボパターン52がサーボ読取素子SRによって読み取られた各結果が理想波形信号66として用いられる。従って、本構成によれば、磁気テープMT内のBOT区間31AとEOT区間31Bとの間で磁気ヘッド28によって磁気的処理が行われている箇所の特性に即した理想波形信号66を得ることができる。
また、本実施形態に係る磁気テープシステム10では、磁気テープMT内の長手方向LDに沿って一定の間隔で複数の理想波形信号取得区間31Cが設けられており、複数の理想波形信号取得区間31Cの各々のサーボパターン52がサーボ読取素子SRによって読み取られた各結果が理想波形信号66として用いられる。従って、本構成によれば、磁気テープMT内のBOT区間31AとEOT区間31Bとの間において一定の間隔で理想波形信号66を更新することができる。
また、本実施形態に係る磁気テープシステム10では、理想波形信号66として、サーボバンドSBのBOT区間31A及びEOT区間31Bのうちの少なくとも一方に記録されたサーボパターン52がサーボ読取素子SRによって読み取られた結果を示す信号が採用される。従って、本構成によれば、仮に理想波形信号取得区間31Cで理想波形信号66を得ることができない事態が発生したとしても、理想波形信号66を得ることができる。
また、本実施形態に係る磁気テープシステム10では、複数の大波形信号LWSが統計化されて得られた信号(例えば、複数の大波形信号LWSのうちの平均的な波形を示す信号)を第1理想波形信号66Aとして採用している。従って、本構成によれば、複数の大波形信号LWSからランダムに選択された大波形信号LWSを第1理想波形信号66Aとして用いる場合に比べ、信頼性の高い第1理想波形信号66Aを得ることができる。また、本実施形態に係る磁気テープシステム10では、複数の小波形信号SWSが統計化されて得られた信号(例えば、複数の小波形信号SWSのうちの平均的な波形を示す信号)を第2理想波形信号66Bとして採用している。従って、本構成によれば、複数の小波形信号SWSからランダムに選択された小波形信号SWSを第2理想波形信号66Bとして用いる場合に比べ、信頼性の高い第2理想波形信号66Bを得ることができる。
また、本実施形態に係る磁気テープシステム10では、理想波形信号66を生成するためにサーボ読取素子SRによって読み取られるサーボパターン52の幾何特性は、他のサーボパターン52の幾何特性と同一である。従って、本構成によれば、理想波形信号66を生成するためにサーボ読取素子SRによって読み取られるサーボパターン52の幾何特性が他のサーボパターン52の幾何特性と全く異なる幾何特性である場合に比べ、信頼性の高い理想波形信号66を生成することができる。
また、本実施形態に係る磁気テープシステム10では、仮想直線C1に対して相反する方向に傾けられた線状磁化領域54A1及び54A2がサーボ読取素子SRによって読み取られる。この場合、上述したように、第1線状磁化領域信号S1a(図10参照)と、第2線状磁化領域信号S1b(図10参照)との間にアジマス損失に起因するばらつきが生じる。しかし、第1線状磁化領域信号S1aと第2線状磁化領域信号S1bとの間でばらつきが生じたとしても、本実施形態に係る磁気テープシステム10では、ストレージ32に理想波形信号66が予め格納されており、サーボバンド信号と理想波形信号66とが比較されることによってサーボパターン信号が検出される。従って、本構成によれば、仮想直線C1に対して相反する方向に傾けられた線状磁化領域54A1及び54A2がサーボ読取素子SRによって読み取られたとしても、信号レベルが閾値を超えたか否かを判定する手法のみを用いてサーボパターン信号を検出する場合に比べ、サーボパターン信号を精度良く検出することができる。
また、本実施形態に係る磁気テープシステム10では、第1検出回路39A及び第2検出回路39Bが並列に接続されており、第1検出回路39A及び第2検出回路39Bには、共通のサーボバンド信号が取り込まれる。この場合、例えば、第1検出回路39Aによって、第1サーボバンド信号S1と第1理想波形信号66Aとが比較されることで第2線状磁化領域信号S1bが検出され、第2検出回路39Bによって、第1サーボバンド信号S1と第2理想波形信号66Bとが比較されることで第1線状磁化領域信号S1aが検出される。すなわち、第1検出回路39A及び第2検出回路39Bによって第2線状磁化領域信号S1bと第1線状磁化領域信号S1aとが並行して検出される。そして、第1位置検出装置30B1では、第1検出回路39Aによって検出された第2線状磁化領域信号S1bと第2検出回路39Bによって検出された第1線状磁化領域信号S1aとの論理和がサーボパターン信号S1Aとして検出される。また、第2位置検出装置30B2でも、第1位置検出装置30Aと同様の要領で、第2サーボバンド信号S2から、第2線状磁化領域信号S1bと第1線状磁化領域信号S1aとが並行して検出され、第2線状磁化領域信号S1bと第1線状磁化領域信号S1aとの論理和がサーボパターン信号S2Aとして検出される。従って、本構成によれば、1つのサーボバンド信号に対して異なる理想波形信号(例えば、第1理想波形信号66Aと第2理想波形信号66B)を順に比較することで第1線状磁化領域信号S1a及び第2線状磁化領域信号S1bを順に検出する場合に比べ、第1線状磁化領域信号S1a及び第2線状磁化領域信号S1bを迅速に検出することができる。
また、本実施形態に係る磁気テープシステム10では、サーボ―パターン信号が自己相関係数を用いて検出される。従って、本構成によれば、信号レベルが閾値を超えたか否かを判定する手法のみを用いてサーボパターン信号を検出する場合に比べ、サーボパターン信号を精度良く検出することができる。
また、本実施形態に係るサーボライタSWでは、サーボライタコントローラSW5に、図9に示す処理装置30に相当する装置が組み込まれている。そのため、サーボライタコントローラSW5によって理想波形信号取得処理が行われ、そして、理想波形信号取得処理によって得られた理想波形信号66を用いたサーボパターン検出処理が行われる。従って、サーボライタコントローラSW5は、サーボパターン読取結果から位置検出結果を取得し、位置検出結果を用いてサーボパターン52の正否を判定することでサーボバンドSBの検査を行うことができる。よって、図9に示す処理装置30に相当する装置が組み込まれたサーボライタコントローラSW5は、信号レベルが閾値を超えたか否かを判定する手法のみを用いてサーボパターン信号を検出する場合に比べ、サーボパターン信号を精度良く検出することができるので、サーボライタコントローラSW5が組み込まれたサーボライタSWは、サーボバンドSBの検査を精度良く行うことができる。
なお、上記実施形態では、ストレージ32に理想波形信号66が予め格納されているが、これはあくまでも一例に過ぎず、例えば、理想波形信号66がカートリッジメモリ24に格納されていてもよい。また、例えば、理想波形信号66は、外部装置37のメモリ(図示省略)に格納されてもよい。また、磁気テープMTのBOT区間31A、及び/又は、磁気テープMTのEOT区間31Bに理想波形信号66が格納されていてもよい。また、データバンドDBの空き領域に理想波形信号66が格納されていてもよい。これらの場合、ストレージ32に理想波形信号66を格納しておく必要がなくなるので、理想波形信号66が格納されない分だけ、ストレージ32の容量を増やすことができる。
また、上記実施形態では、サーボパターン52がサーボ読取素子SRによって読み取られることで得られた結果が理想波形信号66として用いられる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術にはこれに限定されない。例えば、図17に示すように、サーボパターン52に代えて、基準サーボパターン520がサーボ読取素子SRによって読み取られることによって得られた結果が理想波形信号66として用いられるようにしてもよい。
基準サーボパターン520は、線状磁化領域対540からなる。基準サーボパターン520の幾何特性は、上記実施形態で説明したサーボパターン52の幾何特性に対応している。線状磁化領域対540は、磁化直線540A及び540Bからなる。磁化直線540Aは、線状磁化領域54A1に含まれる1本の磁化直線54A1a(図6~図8参照)に相当する磁化直線であり、磁化直線540Bは、線状磁化領域54A2に含まれる1本の磁化直線54A2a(図6~図8参照)に相当する磁化直線である。
サーボ読取素子SRは、BOT区間31AのサーボバンドSBから基準サーボパターン520を読み取ることで、基準サーボパターン520の読み取り結果を示す基準信号RSを出力する。
一例として図18に示すように、制御装置30Aには、基準信号RSが入力される。基準信号RSには、上記実施形態で説明した小波形信号SWSと大波形信号LWSが含まれている。制御装置30Aは、上記実施形態で説明した要領で、基準信号RSから小波形信号SWSと大波形信号LWSとを抽出する。そして、制御装置30Aは、基準信号RSから抽出した大波形信号LWSを第1理想波形信号66Aとしてストレージ32に格納し、基準信号RSから抽出したSWSを第2理想波形信号66Bとしてストレージ32に格納する。このようにしてストレージ32に格納された第1理想波形信号66A及び第2理想波形信号66Bは、サーボパターン検出処理にてサーボバンド信号との比較に用いられる。
また、上記実施形態では、磁気テープMTにおいて複数の理想波形信号取得区間31Cが長手方向LDに沿って一定の間隔で設けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、磁気テープMTにおいて、複数の理想波形信号取得区間31Cは、磁気テープMTの幅が変形している箇所として予め指定された箇所を長手方向LDに跨いで設けられていてもよい。この場合、磁気テープMTの幅が変形している箇所とは全く無関係に複数の理想波形信号取得区間31Cが配置されている場合に比べ、磁気テープMTの幅が変形している箇所に対して磁気ヘッド28によって磁気的処理が行われる場合にサーボバンド信号と比較される理想波形信号66として信頼性の高い理想波形信号66を用いることができる。
また、上記実施形態では、サーボパターン52を例示したが、サーボパターン52は、あくまでも一例に過ぎず、他種類のサーボパターン(すなわち、サーボパターン52の幾何特性とは異なる幾何特性のサーボパターン)を用いたとしても、本開示の技術は成立する。以下の第1変形例~第8変形例では、サーボパターン52とは異なる種類のサーボパターンについて説明する。
[第1変形例]
一例として図19に示すように、第1変形例に係る磁気テープMTは、図6に示す磁気テープMTに比べ、フレーム50に代えて、フレーム56を有する点が異なる。フレーム56は、一組のサーボパターン58で規定されている。サーボバンドSBには、磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のサーボパターン58が記録されている。複数のサーボパターン58は、図6に示す磁気テープMTに記録されている複数のサーボパターン52と同様に、磁気テープMTの長手方向LDに沿って一定の間隔で配置されている。
図19に示す例では、フレーム56に含まれる一組のサーボパターン58の一例として、サーボパターン58A及び58Bが示されている。サーボパターン58A及び58Bは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合っており、フレーム56内において、順方向の上流側にサーボパターン58Aが位置しており、順方向の下流側にサーボパターン58Bが位置している。
サーボパターン58は、線状磁化領域対60からなる。線状磁化領域対60は、線状磁化領域対60Aと線状磁化領域対60Bとに類別される。
サーボパターン58Aは、線状磁化領域対60Aからなる。図19に示す例では、線状磁化領域対60Aの一例として、線状磁化領域60A1及び60A2が示されている。線状磁化領域60A1及び60A2の各々は、線状に磁化された領域である。
線状磁化領域60A1及び60A2は、仮想直線C1に対して相反する方向に傾けられている。線状磁化領域60A1及び60A2は、互いに非平行であり、かつ、仮想直線C1に対して異なる角度で傾斜している。線状磁化領域60A1は、線状磁化領域60A2よりも、仮想直線C1に対する傾斜角度が急である。ここで「急」とは、例えば、仮想直線C1に対する線状磁化領域60A1の角度が、仮想直線C1に対する線状磁化領域60A2の角度よりも小さいことを指す。また、線状磁化領域60A1の全長は、線状磁化領域60A2の全長よりも短い。
サーボパターン58Aにおいて、線状磁化領域60A1には、複数の磁化直線60A1aが含まれており、線状磁化領域60A2には、複数の磁化直線60A2aが含まれている。線状磁化領域60A1に含まれる磁化直線60A1aの本数と線状磁化領域60A2に含まれる磁化直線60A2aの本数は同じである。
線状磁化領域60A1は、5本の磁化された直線である磁化直線60A1aの集合であり、線状磁化領域60A2は、5本の磁化された直線である磁化直線60A2aの集合である。サーボバンドSB内では、幅方向WDについて線状磁化領域60A1の両端の位置(すなわち、5本の磁化直線60A1aの各々の両端の位置)と線状磁化領域60A2の両端の位置(すなわち、5本の磁化直線60A2aの各々の両端の位置)とが揃っている。なお、ここでは、5本の磁化直線60A1aの各々の両端の位置と5本の磁化直線60A2aの各々の両端の位置とが揃っている例を挙げているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、5本の磁化直線60A1aのうちの1本以上の磁化直線60A1aの両端の位置と5本の磁化直線60A2aのうちの1本以上の磁化直線60A2aの両端の位置とが揃っていればよい。また、本実施形態において、「揃っている」という概念には、完全に揃っているという意味の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めての「揃っている」という意味も含まれている。
サーボパターン58Bは、線状磁化領域対60Bからなる。図19に示す例では、線状磁化領域対60Bの一例として、線状磁化領域60B1及び60B2が示されている。線状磁化領域60B1及び60B2の各々は、線状に磁化された領域である。
線状磁化領域60B1及び60B2は、仮想直線C2に対して相反する方向に傾けられている。線状磁化領域60B1及び60B2は、互いに非平行であり、かつ、仮想直線C2に対して異なる角度で傾斜している。線状磁化領域60B1は、線状磁化領域60B2よりも、仮想直線C2に対する傾斜角度が急である。ここで「急」とは、例えば、仮想直線C2に対する線状磁化領域60B1の角度が、仮想直線C2に対する線状磁化領域60B2の角度よりも小さいことを指す。また、線状磁化領域60B1の全長は、線状磁化領域60B2の全長よりも短い。
サーボパターン58Bにおいて、線状磁化領域60B1には、複数の磁化直線60B1aが含まれており、線状磁化領域60B2には、複数の磁化直線60B2aが含まれている。線状磁化領域60B1に含まれる磁化直線60B1aの本数と線状磁化領域60B2に含まれる磁化直線60B2aの本数は同じである。
サーボパターン58Bに含まれる磁化直線60B1a及び60B2aの総本数は、サーボパターン58Aに含まれる磁化直線60A1a及び60A2aの総本数と異なる。図19に示す例では、サーボパターン58Aに含まれる磁化直線60A1a及び60A2aの総本数が10本であるのに対し、サーボパターン58Bに含まれる磁化直線60B1a及び60B2aの総本数は8本である。
線状磁化領域60B1は、4本の磁化された直線である磁化直線60B1aの集合であり、線状磁化領域60B2は、4本の磁化された直線である磁化直線60B2aの集合である。サーボバンドSB内では、幅方向WDについて線状磁化領域60B1の両端の位置(すなわち、4本の磁化直線60B1aの各々の両端の位置)と線状磁化領域60B2の両端の位置(すなわち、4本の磁化直線60B2aの各々の両端の位置)とが揃っている。
なお、ここでは、4本の磁化直線60B1aの各々の両端の位置と4本の磁化直線60B2aの各々の両端の位置とが揃っている例を挙げているが、これは、あくまでも一例に過ぎず、4本の磁化直線60B1aのうちの1本以上の磁化直線60B1aの両端の位置と4本の磁化直線60B2aのうちの1本以上の磁化直線60B2aの両端の位置とが揃っていればよい。
また、ここでは、線状磁化領域60A1の一例として、5本の磁化された直線である磁化直線60A1aの集合を挙げ、線状磁化領域60A2の一例として、5本の磁化された直線である磁化直線60A2aの集合を挙げ、線状磁化領域60B1の一例として、4本の磁化された直線である磁化直線60B1aの集合を挙げ、線状磁化領域60B2の一例として、4本の磁化された直線である磁化直線60B2aの集合を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、線状磁化領域60A1は、磁気テープMT上の磁気ヘッド28の位置の特定に寄与する本数の磁化直線60A1aであり、線状磁化領域60A2は、磁気テープMT上の磁気ヘッド28の位置の特定に寄与する本数の磁化直線60A2aであり、線状磁化領域60B1は、磁気テープMT上の磁気ヘッド28の位置を特定に寄与する本数の磁化直線60B1aであり、線状磁化領域60B2は、磁気テープMT上の磁気ヘッド28の位置の特定に寄与する本数の磁化直線60B2aであればよい。
ここで、線状磁化領域対60Aの磁気テープMT上での幾何特性について、図20を参照しながら説明する。
一例として図20に示すように、線状磁化領域対60Aの磁気テープMT上での幾何特性は、仮想線状領域対62を用いて表現することが可能である。仮想線状領域対62は、仮想線状領域62A及び仮想線状領域62Bからなる。線状磁化領域対60Aの磁気テープMT上での幾何特性は、仮想直線C1に対して線対称に傾けられた仮想線状領域62A及び仮想線状領域62Bの対称軸SA1を仮想直線C1に対して傾斜させることによって仮想線状領域対62の全体を仮想直線C1に対して傾斜させた場合の仮想線状領域対62に基づく幾何特性に相当する。
仮想線状領域対62は、図8に示す線状磁化領域対54Aと同じ幾何特性を有する仮想的な線状の磁化領域対である。仮想線状領域対62は、線状磁化領域対60Aの磁気テープMT上での幾何特性の説明のために便宜的に用いられる仮想的な磁化領域であり、実在する磁化領域ではない。
仮想線状領域62Aは、図8に示す線状磁化領域54A1と同じ幾何特性を有しており、図8に示す5本の磁化直線54A1aに対応する5本の仮想的な直線62A1からなる。仮想線状領域62Bは、図8に示す線状磁化領域54B1と同じ幾何特性を有しており、図8に示す5本の磁化直線54A2aに対応する5本の仮想的な直線62B1からなる。
仮想線状領域対62には、中心O1が設けられている。例えば、中心O1は、5本の直線62A1のうちの順方向の最上流側に位置する直線62A1の中心と、5本の直線62B1のうちの順方向の最下流側に位置する直線62B1の中心とを結ぶ線分L0の中心である。
仮想線状領域対62は、図8に示す線状磁化領域対54Aと同じ幾何特性を有するので、仮想線状領域62A及び仮想線状領域62Bは、仮想直線C1に対して線対称に傾けられている。ここで、中心O1を回転軸として仮想直線C1に対して仮想線状領域62A及び62Bの対称軸SA1を角度a(例えば、10度)傾斜させることによって仮想線状領域対62の全体を仮想直線C1に対して傾斜させた場合の仮想線状領域対62に対して、仮にサーボ読取素子SRによる読み取りが行われる場合について考える。この場合、仮想線状領域対62のうち、幅方向WDについて、仮想線状領域62Aは読み取られるが、仮想線状領域62Bは読み取られなかったり、仮想線状領域62Aは読み取られないが、仮想線状領域62Bは読み取られたりする箇所が生じる。すなわち、仮想線状領域62A及び62Bの各々において、サーボ読取素子SRによる読み取りが行われる場合に、不足する部分と不要な部分とが生じる。
そこで、不足する部分を補い、かつ、不要な部分を削ることにより、幅方向WDについて、仮想線状領域62Aの両端の位置(すなわち、5本の直線62A1の各々の両端の位置)と、仮想線状領域62Bの両端の位置(すなわち、5本の直線62B1の各々の両端の位置)とを揃える。
このようにして得られた仮想線状領域対62の幾何特性(すなわち、仮想的なサーボパターンの幾何特性)は、実際のサーボパターン58Aの幾何特性に相当する。すなわち、サーボバンドSBには、幅方向WDについて仮想線状領域62Aの両端の位置と仮想線状領域62Bの両端の位置とを揃えることによって得られた仮想線状領域対62の幾何特性に相当する幾何特性の線状磁化領域対60Aが記録される。
なお、線状磁化領域対60Bは、線状磁化領域対60Aに比べ、5本の磁化直線60A1aに代えて4本の磁化直線60B1aを有する点、及び、5本の磁化直線60A2aに代えて4本の磁化直線60B2aを有する点のみが異なる。よって、サーボバンドSBには、幅方向WDについて4本の直線62A1の各々の両端の位置と4本の直線62B1の各々の両端の位置とを揃えることによって得られた仮想線状領域対(図示省略)の幾何特性に相当する幾何特性の線状磁化領域対60Bが記録される。
一例として図21に示すように、磁気テープMTには、幅方向WDに複数のサーボバンドSBが形成されており、サーボバンドSB間で対応関係にあるフレーム56は、幅方向WDで隣接するサーボバンドSB間で磁気テープMTの長手方向LDに既定間隔でずれている。これは、サーボバンドSB間で対応関係にあるサーボパターン58が、幅方向WDで隣接するサーボバンドSB間で磁気テープMTの長手方向LDに既定間隔でずれていることを意味する。
既定間隔は、角度α、幅方向WDで隣接するサーボバンドSB間のピッチ(以下、「サーボバンドピッチ」とも称する)、及びフレーム長に基づいて規定されている。図21に示す例では、角度αを視覚的に把握し易くするために、角度αが誇張して示されているが、実際のところ、角度αは、例えば、15度程度である。角度αは、幅方向WDで隣接するサーボバンドSB間で対応関係にないフレーム56間と仮想直線C1とで成す角度である。図21に示す例では、角度αの一例として、幅方向WDで隣接するサーボバンドSB間で対応関係にある一対のフレーム56のうちの一方のフレーム56(図21に示す例では、サーボバンドSB3の1つのフレーム56)と、一対のフレーム56のうちの他方のフレーム56(図21に示す例では、サーボバンドSB2内の複数のフレーム56のうち、サーボバンドSB3の1つのフレーム56と対応関係にあるフレーム56)に隣接するフレーム56との間(図21に示す例では、線分L1)と仮想直線C1とで成す角度が示されている。この場合、フレーム長とは、磁気テープMTの長手方向LDについてのフレーム56の全長を指す。既定間隔は、以下の数式(1)で規定される。なお、Mod(A/B)は、“A”を“B”で除した場合に生じる余りを意味する。
(既定間隔)=Mod{(サーボバンドピッチ×tanα)/(フレーム長)}・・・(1)
なお、図21に示す例では、角度αとして、幅方向WDで隣接するサーボバンドSB間で対応関係にある一対のフレーム56のうちの一方のフレーム56(以下、「第1フレーム」とも称する)と、一対のフレーム56のうちの他方のフレーム56(以下、「第2フレーム」とも称する)に隣接するフレーム56との間と仮想直線C1とで成す角度を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、角度αは、第1対応フレームと、第2フレームと同じサーボバンドSB内で第2フレームから2フレーム以上離れたフレーム56(以下、「第3フレーム」とも称する)との間と仮想直線C1とで成す角度であってもよい。この場合、数式(1)で用いられる“フレーム長”は、磁気テープMTの長手方向LDについての第2フレームと第3フレームとの間のピッチ(例えば、第2フレームの先端から第3フレームの先端までの距離)である。
一例として図22に示すように、仮想直線C1の方向と仮想直線C3の方向とが一致している状態(すなわち、磁気ヘッド28の長手方向と幅方向WDが一致している状態)でサーボ読取素子SRによってサーボパターン58A(すなわち、線状磁化領域対60A)が読み取られると、線状磁化領域60A1に由来するサーボパターン信号と線状磁化領域60A2に由来するサーボパターン信号との間でアジマス損失によるばらつきが生じる。また、仮想直線C1の方向と仮想直線C3の方向とが一致している状態(すなわち、磁気ヘッド28の長手方向と幅方向WDが一致している状態)でサーボ読取素子SRによってサーボパターン58B(すなわち、線状磁化領域対60B)が読み取られた場合も、同様の現象が生じる。
そこで、一例として図23に示すように、傾斜機構49(図8参照)は、仮想直線C1に対して仮想直線C3が順方向の上流側に角度β(すなわち、図23の紙面表側から見た場合の反時計回りに角度β)傾くように回転軸RAを中心として磁気ヘッド28を磁気テープMT上でスキューさせる。このように、磁気テープMT上で磁気ヘッド28が順方向の上流側に角度β傾くので、図22に示す例に比べ、線状磁化領域60A1に由来するサーボパターン信号と線状磁化領域60A2に由来するサーボパターン信号との間でアジマス損失によるばらつきが小さくなる。また、サーボ読取素子SRによってサーボパターン58B(すなわち、線状磁化領域対60B)が読み取られた場合も、同様に、線状磁化領域60B1に由来するサーボパターン信号と線状磁化領域60B2に由来するサーボパターン信号との間でアジマス損失によるばらつきが小さくなる。
[第2変形例]
上記第1変形例では、サーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のフレーム56で区切られている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図24に示すように、サーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向LDに沿ってフレーム70で区切られていてもよい。フレーム70は、一組のサーボパターン72で規定されている。サーボバンドSBには、磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のサーボパターン72が記録されている。複数のサーボパターン72は、複数のサーボパターン58と同様に、磁気テープMTの長手方向LDに沿って一定の間隔で配置されている。
図24に示す例では、一組のサーボパターン72の一例として、サーボパターン72A及び72Bが示されている。サーボパターン72A及び72Bの各々は、M字状に磁化されたサーボパターンである。サーボパターン72A及び72Bは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合っており、フレーム70内において、順方向の上流側にサーボパターン72Aが位置しており、順方向の下流側にサーボパターン72Bが位置している。
一例として図25に示すように、サーボパターン72は、線状磁化領域対74からなる。線状磁化領域対74は、線状磁化領域対74Aと線状磁化領域対74Bとに類別される。
サーボパターン72Aは、一組の線状磁化領域対74Aからなる。一組の線状磁化領域対74Aは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合った状態で配置されている。
図25に示す例では、線状磁化領域対74Aの一例として、線状磁化領域74A1及び74A2が示されている。線状磁化領域対74Aは、上記第1変形例で説明した線状磁化領域対60Aと同様に構成されており、線状磁化領域対60Aと同様の幾何特性を有する。すなわち、線状磁化領域74A1は、上記第1変形例で説明した線状磁化領域60A1と同様に構成されており、線状磁化領域60A1と同様の幾何特性を有し、線状磁化領域74A2は、上記第1変形例で説明した線状磁化領域60A2と同様に構成されており、線状磁化領域60A2と同様の幾何特性を有する。
サーボパターン72Bは、一組の線状磁化領域対74Bからなる。一組の線状磁化領域対74Bは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合った状態で配置されている。
図25に示す例では、線状磁化領域対74Bの一例として、線状磁化領域74B1及び74B2が示されている。線状磁化領域対74Bは、上記第1変形例で説明した線状磁化領域対60Bと同様に構成されており、線状磁化領域対60Bと同様の幾何特性を有する。すなわち、線状磁化領域74B1は、上記第1変形例で説明した線状磁化領域60B1と同様に構成されており、線状磁化領域60B1と同様の幾何特性を有し、線状磁化領域74B2は、上記第1変形例で説明した線状磁化領域60B2と同様に構成されており、線状磁化領域60B2と同様の幾何特性を有する。
[第3変形例]
図24に示す例では、サーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のフレーム70で区切られている形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図26に示すように、サーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向LDに沿ってフレーム76で区切られていてもよい。フレーム76は、一組のサーボパターン78で規定されている。サーボバンドSBには、磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のサーボパターン78が記録されている。複数のサーボパターン78は、複数のサーボパターン72(図24参照)と同様に、磁気テープMTの長手方向LDに沿って一定の間隔で配置されている。
図26に示す例では、一組のサーボパターン78の一例として、サーボパターン78A及び78Bが示されている。サーボパターン78A及び78Bの各々は、N字状に磁化されたサーボパターンである。サーボパターン78A及び78Bは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合っており、フレーム76内において、順方向の上流側にサーボパターン78Aが位置しており、順方向の下流側にサーボパターン78Bが位置している。
一例として図27に示すように、サーボパターン78は、線状磁化領域群80からなる。線状磁化領域群80は、線状磁化領域群80Aと線状磁化領域群80Bとに類別される。
サーボパターン78Aは、線状磁化領域群80Aからなる。線状磁化領域群80Aは、線状磁化領域80A1、80A2及び80A3からなる。線状磁化領域80A1、80A2及び80A3は、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合った状態で配置されている。線状磁化領域80A1、80A2及び80A3は、順方向の上流側から線状磁化領域80A1、80A2及び80A3の順に配置されている。
線状磁化領域80A1及び80A2は、図25に示す線状磁化領域対74Aと同様に構成されており、線状磁化領域対74Aと同様の幾何特性を有する。すなわち、線状磁化領域80A1は、図25に示す線状磁化領域74A1と同様に構成されており、線状磁化領域74A1と同様の幾何特性を有し、線状磁化領域80A2は、図25に示す線状磁化領域74A2と同様に構成されており、線状磁化領域74A2と同様の幾何特性を有する。また、線状磁化領域80A3は、線状磁化領域80A1と同様に構成されており、線状磁化領域80A1と同様の幾何特性を有する。
サーボパターン78Bは、線状磁化領域群80Bからなる。線状磁化領域群80Bは、線状磁化領域80B1、80B2及び80B3からなる。線状磁化領域80B1、80B2及び80B3は、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合った状態で配置されている。線状磁化領域80B1、80B2及び80B3は、順方向の上流側から線状磁化領域80B1、80B2及び80B3の順に配置されている。
線状磁化領域80B1及び80B2は、図25に示す線状磁化領域対74Bと同様に構成されており、線状磁化領域対74Bと同様の幾何特性を有する。すなわち、線状磁化領域80B1は、図25に示す線状磁化領域74B1と同様に構成されており、線状磁化領域74B1と同様の幾何特性を有し、線状磁化領域80B2は、図25に示す線状磁化領域74B2と同様に構成されており、線状磁化領域74B2と同様の幾何特性を有する。また、線状磁化領域80B3は、線状磁化領域80B1と同様に構成されており、線状磁化領域80B1と同様の幾何特性を有する。
[第4変形例]
上記第1変形例では、既定間隔が、角度α、サーボバンドピッチ、及びフレーム長に基づいて規定された形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されず、フレーム長を用いずに既定間隔を規定してもよい。例えば、図28に示すように、既定間隔は、幅方向WDで隣接するサーボバンドSB間で対応関係にあるフレーム56間(図28に示す例では、線分L3)と仮想直線C1とで成す角度α、及び幅方向WDで隣接するサーボバンドSB間のピッチ(すなわち、サーボバンドピッチ)に基づいて規定されている。この場合、例えば、既定間隔は、以下の数式(2)から算出される。
(既定間隔)=(サーボバンドピッチ)×tanα・・・・(2)
このように、数式(2)には、フレーム長が含まれていない。これは、フレーム長を考慮せずとも既定間隔が算出されることを意味する。従って、本構成によれば、数式(1)から既定間隔を算出する場合に比べ、簡易に既定間隔を算出することができる。
[第5変形例]
上記第1変形例では、サーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のフレーム56で区切られている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図29に示すように、サーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向LDに沿ってフレーム82で区切られていてもよい。
フレーム82は、一組のサーボパターン84で規定されている。サーボバンドSBには、磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のサーボパターン84が記録されている。複数のサーボパターン84は、磁気テープMT(図6参照)に記録されている複数のサーボパターン52(図6参照)と同様に、磁気テープMTの長手方向LDに沿って一定の間隔で配置されている。
図29に示す例では、フレーム82に含まれる一組のサーボパターン84の一例として、サーボパターン84A及び84Bが示されている。サーボパターン84A及び84Bは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合っており、フレーム82内において、順方向の上流側にサーボパターン84Aが位置しており、順方向の下流側にサーボパターン84Bが位置している。
サーボパターン84Aは、線状磁化領域対86Aからなる。図29に示す例では、線状磁化領域対86Aの一例として、線状磁化領域86A1及び86A2が示されている。線状磁化領域86A1及び86A2の各々は、線状に磁化された領域である。
線状磁化領域86A1及び86A2は、仮想直線C1に対して相反する方向に傾けられている。線状磁化領域86A1及び86A2は、互いに非平行であり、かつ、仮想直線C1に対して異なる角度で傾斜している。線状磁化領域86A1は、線状磁化領域86A2よりも、仮想直線C1に対する傾斜角度が急である。ここで「急」とは、例えば、仮想直線C1に対する線状磁化領域86A1の角度が、仮想直線C1に対する線状磁化領域86A2の角度よりも小さいことを指す。
また、線状磁化領域86A1の全体の位置と線状磁化領域86A2の全体の位置は、幅方向WDにずれている。すなわち、線状磁化領域86A1の一端の位置と線状磁化領域86A2の一端の位置が、幅方向WDで不揃いであり、線状磁化領域86A1の他端の位置と線状磁化領域86A2の他端の位置が、幅方向WDで不揃いである。
サーボパターン84Aにおいて、線状磁化領域86A1には、複数の磁化直線86A1aが含まれており、線状磁化領域86A2には、複数の磁化直線86A2aが含まれている。線状磁化領域86A1に含まれる磁化直線86A1aの本数と線状磁化領域86A2に含まれる磁化直線86A2aの本数は同じである。
線状磁化領域86A1は、5本の磁化された直線である磁化直線86A1aの集合であり、線状磁化領域86A2は、5本の磁化された直線である磁化直線86A2aの集合である。
サーボバンドSB内において、線状磁化領域86A1に含まれる全ての磁化直線86A1aの一端の幅方向WDの位置は揃っており、線状磁化領域86A1に含まれる全ての磁化直線86A1aの他端の幅方向WDの位置も揃っている。また、サーボバンドSB内において、線状磁化領域86A2に含まれる全ての磁化直線86A2aの一端の幅方向WDの位置は揃っており、線状磁化領域86A2に含まれる全ての磁化直線86A2aの他端の幅方向WDの位置も揃っている。
サーボパターン84Bは、線状磁化領域対86Bからなる。図29に示す例では、線状磁化領域対86Bの一例として、線状磁化領域86B1及び86B2が示されている。線状磁化領域86B1及び86B2の各々は、線状に磁化された領域である。
線状磁化領域86B1及び86B2は、仮想直線C2に対して相反する方向に傾けられている。線状磁化領域86B1及び86B2は、互いに非平行であり、かつ、仮想直線C2に対して異なる角度で傾斜している。線状磁化領域86B1は、線状磁化領域86B2よりも、仮想直線C2に対する傾斜角度が急である。ここで「急」とは、例えば、仮想直線C2に対する線状磁化領域86B1の角度が、仮想直線C2に対する線状磁化領域86B2の角度よりも小さいことを指す。
また、線状磁化領域86B1の全体の位置と線状磁化領域86B2の全体の位置は、幅方向WDにずれている。すなわち、線状磁化領域86B1の一端の位置と線状磁化領域86B2の一端の位置が、幅方向WDで不揃いであり、線状磁化領域86B1の他端の位置と線状磁化領域86B2の他端の位置が、幅方向WDで不揃いである。
サーボパターン84Bにおいて、線状磁化領域86B1には、複数の磁化直線86B1aが含まれており、線状磁化領域86B2には、複数の磁化直線86B2aが含まれている。線状磁化領域86B1に含まれる磁化直線86B1aの本数と線状磁化領域86B2に含まれる磁化直線86B2aの本数は同じである。
サーボパターン84Bに含まれる磁化直線86B1a及び86B2aの総本数は、サーボパターン84Aに含まれる磁化直線86A1a及び86A2aの総本数と異なる。図29に示す例では、サーボパターン84Aに含まれる磁化直線86A1a及び86A2aの総本数が10本であるのに対し、サーボパターン84Bに含まれる磁化直線86B1a及び86B2aの総本数は8本である。
線状磁化領域86B1は、4本の磁化された直線である磁化直線86B1aの集合であり、線状磁化領域86B2は、4本の磁化された直線である磁化直線86B2aの集合である。
サーボバンドSB内において、線状磁化領域86B1に含まれる全ての磁化直線86B1aの一端の幅方向WDの位置は揃っており、線状磁化領域86B1に含まれる全ての磁化直線86B1aの他端の幅方向WDの位置も揃っている。また、サーボバンドSB内において、線状磁化領域86B2に含まれる全ての磁化直線86B2aの一端の幅方向WDの位置は揃っており、線状磁化領域86B2に含まれる全ての磁化直線86B2aの他端の幅方向WDの位置も揃っている。
なお、ここでは、線状磁化領域86A1の一例として、5本の磁化された直線である磁化直線86A1aの集合を挙げ、線状磁化領域86A2の一例として、5本の磁化された直線である磁化直線86A2aの集合を挙げ、線状磁化領域86B1の一例として、4本の磁化された直線である磁化直線86B1aの集合を挙げ、線状磁化領域86B2の一例として、4本の磁化された直線である磁化直線86B2aの集合を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、線状磁化領域86A1は、磁気テープMT上の磁気ヘッド28の位置の特定に寄与する本数の磁化直線86A1aであり、線状磁化領域86A2は、磁気テープMT上の磁気ヘッド28の位置の特定に寄与する本数の磁化直線86A2aであり、線状磁化領域86B1は、磁気テープMT上の磁気ヘッド28の位置を特定に寄与する本数の磁化直線86B1aであり、線状磁化領域86B2は、磁気テープMT上の磁気ヘッド28の位置の特定に寄与する本数の磁化直線86B2aであればよい。
ここで、線状磁化領域対86Aの磁気テープMT上での幾何特性について、図30を参照しながら説明する。
一例として図30に示すように、線状磁化領域対86Aの磁気テープMT上での幾何特性は、仮想線状領域対62を用いて表現することが可能である。ここで、中心O1を回転軸として仮想直線C1に対して仮想線状領域62A及び62Bの対称軸SA1を角度a(例えば、10度)傾斜させることによって仮想線状領域対62の全体を仮想直線C1に対して傾斜させる。そして、この状態での仮想線状領域対62の仮想線状領域62Aに含まれる全ての直線62A1の一端の幅方向WDの位置を揃え、かつ、仮想線状領域62Aに含まれる全ての直線62A1の他端の幅方向WDの位置も揃える。また、同様に、仮想線状領域対62の仮想線状領域62Bに含まれる全ての直線62B1の一端の幅方向WDの位置を揃え、かつ、仮想線状領域62Bに含まれる全ての直線62B1の他端の幅方向WDの位置も揃える。これにより、仮想線状領域62A及び仮想線状領域62Bは、幅方向WDにずれる。
すなわち、仮想線状領域62Aの一端と仮想線状領域62Bの一端とが幅方向WDに一定の間隔Int1でずれており、仮想線状領域62Aの他端と仮想線状領域62Bの他端とが幅方向WDに一定の間隔Int2でずれている。
このようにして得られた仮想線状領域対62の幾何特性(すなわち、仮想的なサーボパターンの幾何特性)は、実際のサーボパターン84Aの幾何特性に相当する。すなわち、線状磁化領域対86Aの磁気テープMT上での幾何特性は、仮想直線C1に対して線対称に傾けられた仮想線状領域62A及び仮想線状領域62Bの対称軸SA1を仮想直線C1に対して傾斜させることによって仮想線状領域対62の全体を仮想直線C1に対して傾斜させた場合の仮想線状領域対62に基づく幾何特性に相当する。
仮想線状領域62Aは、サーボパターン84Aの線状磁化領域86A1に対応しており、仮想線状領域62Bは、サーボパターン84Aの線状磁化領域86A2に対応している。従って、サーボバンドSBには、線状磁化領域86A1の一端と線状磁化領域86A2の一端とが幅方向WDに一定の間隔Int1でずれ、かつ、線状磁化領域86A1の他端と線状磁化領域86A2の他端とが幅方向WDに一定の間隔Int2でずれた線状磁化領域対86Aからなるサーボパターン84Aが記録される(図29参照)。
なお、線状磁化領域対86Bは、線状磁化領域対86Aに比べ、5本の磁化直線86A1aに代えて4本の磁化直線86B1aを有する点、及び、5本の磁化直線86A2aに代えて4本の磁化直線86B2aを有する点のみが異なる(図29参照)。よって、サーボバンドSBには、線状磁化領域86B1の一端と線状磁化領域86B2の一端とが幅方向WDに一定の間隔Int1でずれ、かつ、線状磁化領域86B1の他端と線状磁化領域86B2の他端とが幅方向WDに一定の間隔Int2でずれた線状磁化領域対86Bからなるサーボパターン84Bが記録される(図29参照)。
一例として図31に示すように、磁気テープMTには、幅方向WDに複数のサーボバンドSBが形成されており、サーボバンドSB間で対応関係にあるフレーム82は、幅方向WDで隣接するサーボバンドSB間で磁気テープMTの長手方向LDに既定間隔でずれている。これは、サーボバンドSB間で対応関係にあるサーボパターン84が、幅方向WDで隣接するサーボバンドSB間で、磁気テープMTの長手方向LDに、上記第1変形例で説明した既定間隔でずれていることを意味する。既定間隔は、上記第1変形例で説明した数式(1)によって規定されている。
上記第1変形例と同様に、本第5変形例においても、一例として図32に示すように、傾斜機構49(図8参照)は、仮想直線C1に対して仮想直線C3が順方向の上流側に角度β(すなわち、図32の紙面表側から見た場合の反時計回りに角度β)傾くように回転軸RAを中心として磁気ヘッド28を磁気テープMT上でスキューさせる。すなわち、磁気テープMT上で磁気ヘッド28が順方向の上流側に角度β傾く。この状態で、線状磁化領域86A1及び86A2が幅方向WDで重複する範囲R内で長手方向LDに沿って、サーボ読取素子SRによってサーボパターン84Aが読み取られた場合、図22に示す例に比べ、線状磁化領域86A1に由来するサーボパターン信号と線状磁化領域86A2に由来するサーボパターン信号との間でアジマス損失によるばらつきが小さくなる。また、サーボ読取素子SRによってサーボパターン84B(すなわち、線状磁化領域対86B)が読み取られた場合も、同様に、線状磁化領域86B1に由来するサーボパターン信号と線状磁化領域86B2に由来するサーボパターン信号との間でアジマス損失によるばらつきが小さくなる。
[第6変形例]
上記第5変形例では、サーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のフレーム82で区切られている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図33に示すように、サーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向LDに沿ってフレーム88で区切られていてもよい。フレーム88は、一組のサーボパターン90で規定されている。サーボバンドSBには、磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のサーボパターン90が記録されている。複数のサーボパターン90は、複数のサーボパターン84(図29参照)と同様に、磁気テープMTの長手方向LDに沿って一定の間隔で配置されている。
図33に示す例では、一組のサーボパターン90の一例として、サーボパターン90A及び90Bが示されている。サーボパターン90A及び90Bの各々は、M字状に磁化されたサーボパターンである。サーボパターン90A及び90Bは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合っており、フレーム88内において、順方向の上流側にサーボパターン90Aが位置しており、順方向の下流側にサーボパターン90Bが位置している。
一例として図34に示すように、サーボパターン90は、線状磁化領域対92からなる。線状磁化領域対92は、線状磁化領域対92Aと線状磁化領域対92Bとに類別される。
サーボパターン90Aは、一組の線状磁化領域対92Aからなる。一組の線状磁化領域対92Aは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合った状態で配置されている。
図34に示す例では、線状磁化領域対92Aの一例として、線状磁化領域92A1及び92A2が示されている。線状磁化領域対92Aは、上記第5変形例で説明した線状磁化領域対86A(図29参照)と同様に構成されており、線状磁化領域対86Aと同様の幾何特性を有する。すなわち、線状磁化領域92A1は、上記第5変形例で説明した線状磁化領域86A1(図29参照)と同様に構成されており、線状磁化領域86A1と同様の幾何特性を有し、線状磁化領域92A2は、上記第5変形例で説明した線状磁化領域86A2(図29参照)と同様に構成されており、線状磁化領域86A2と同様の幾何特性を有する。
サーボパターン90Bは、一組の線状磁化領域対92Bからなる。一組の線状磁化領域対92Bは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合った状態で配置されている。
図34に示す例では、線状磁化領域対92Bの一例として、線状磁化領域92B1及び92B2が示されている。線状磁化領域対92Bは、上記第5変形例で説明した線状磁化領域対86B(図29参照)と同様に構成されており、線状磁化領域対86Bと同様の幾何特性を有する。すなわち、線状磁化領域92B1は、上記第5変形例で説明した線状磁化領域86B1(図29参照)と同様に構成されており、線状磁化領域86B1と同様の幾何特性を有し、線状磁化領域92B2は、上記第5変形例で説明した線状磁化領域86B2(図29参照)と同様に構成されており、線状磁化領域86B2と同様の幾何特性を有する。
[第7変形例]
図33に示す例では、サーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のフレーム88で区切られている形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図35に示すように、サーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向LDに沿ってフレーム94で区切られていてもよい。フレーム94は、一組のサーボパターン96で規定されている。サーボバンドSBには、磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のサーボパターン96が記録されている。複数のサーボパターン96は、複数のサーボパターン90(図33参照)と同様に、磁気テープMTの長手方向LDに沿って一定の間隔で配置されている。
図35に示す例では、一組のサーボパターン96の一例として、サーボパターン96A及び96Bが示されている。サーボパターン96A及び96Bの各々は、N字状に磁化されたサーボパターンである。サーボパターン96A及び96Bは、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合っており、フレーム94内において、順方向の上流側にサーボパターン96Aが位置しており、順方向の下流側にサーボパターン96Bが位置している。
一例として図36に示すように、サーボパターン96は、線状磁化領域群98からなる。線状磁化領域群98は、線状磁化領域群98Aと線状磁化領域群98Bとに類別される。
サーボパターン96Aは、線状磁化領域群98Aからなる。線状磁化領域群98Aは、線状磁化領域98A1、98A2及び98A3からなる。線状磁化領域98A1、98A2及び98A3は、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合った状態で配置されている。線状磁化領域98A1、98A2及び98A3は、順方向の上流側から線状磁化領域98A1、98A2及び98A3の順に配置されている。
線状磁化領域98A1及び98A2は、図34に示す線状磁化領域対92Aと同様に構成されており、線状磁化領域対92Aと同様の幾何特性を有する。すなわち、線状磁化領域98A1は、図34に示す線状磁化領域92A1と同様に構成されており、線状磁化領域92A1と同様の幾何特性を有し、線状磁化領域98A2は、図34に示す線状磁化領域92A2と同様に構成されており、線状磁化領域92A2と同様の幾何特性を有する。また、線状磁化領域98A3は、線状磁化領域92A1と同様に構成されており、線状磁化領域92A1と同様の幾何特性を有する。
サーボパターン96Bは、線状磁化領域群98Bからなる。線状磁化領域群98Bは、線状磁化領域98B1、98B2及び98B3からなる。線状磁化領域98B1、98B2及び98B3は、磁気テープMTの長手方向LDに沿って隣り合った状態で配置されている。線状磁化領域98B1、98B2及び98B3は、順方向の上流側から線状磁化領域98B1、98B2及び98B3の順に配置されている。
線状磁化領域98B1及び98B2は、図34に示す線状磁化領域対92Bと同様に構成されており、線状磁化領域対92Bと同様の幾何特性を有する。すなわち、線状磁化領域98B1は、図34に示す線状磁化領域92B1と同様に構成されており、線状磁化領域92B1と同様の幾何特性を有し、線状磁化領域98B2は、図34に示す線状磁化領域92B2と同様に構成されており、線状磁化領域92B2と同様の幾何特性を有する。また、線状磁化領域98B3は、線状磁化領域92B1と同様に構成されており、線状磁化領域92B1と同様の幾何特性を有する。
[第8変形例]
上記第1変形例(例えば、図19に示す例)では、サーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のフレーム56で区切られている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図37に示すように、サーボバンドSBが磁気テープMTの長手方向LDに沿ってフレーム560で区切られていてもよい。フレーム560は、一組のサーボパターン580で規定されている。サーボバンドSBには、磁気テープMTの長手方向LDに沿って複数のサーボパターン580が記録されている。複数のサーボパターン580は、複数のサーボパターン58と同様に、磁気テープMTの長手方向LDに沿って一定の間隔で配置されている。
サーボパターン580は、線状磁化領域対600からなる。線状磁化領域対600は、線状磁化領域対600Aと線状磁化領域対600Bとに類別される。すなわち、線状磁化領域対600は、線状磁化領域対60(図19参照)に比べ、線状磁化領域対60Aに代えて線状磁化領域対600Aを有する点、及び線状磁化領域対60Bに代えて線状磁化領域対600Bを有する点が異なる。
サーボパターン580Aは、線状磁化領域対600Aからなる。線状磁化領域対600Aは、線状磁化領域対60Aに比べ、線状磁化領域60A1に代えて線状磁化領域600A1を有する点、及び線状磁化領域60A2に代えて線状磁化領域600A2を有する点が異なる。線状磁化領域600A1及び600A2の各々は、線状に磁化された領域である。
線状磁化領域600A1及び600A2は、仮想直線C1に対して相反する方向に傾けられている。線状磁化領域600A1及び600A2は、互いに非平行であり、かつ、仮想直線C1に対して異なる角度で傾斜している。線状磁化領域600A2は、線状磁化領域600A1よりも、仮想直線C1に対する傾斜角度が急である。ここで「急」とは、例えば、仮想直線C1に対する線状磁化領域600A2の角度が、仮想直線C1に対する線状磁化領域600A2の角度よりも小さいことを指す。また、線状磁化領域600A2の全長は、線状磁化領域600A2の全長よりも短い。
線状磁化領域600A1は、線状磁化領域60A1に比べ、複数の磁化直線60A1aに代えて複数の磁化直線600A1aを有する点が異なる。線状磁化領域600A2は、線状磁化領域60A2に比べ、複数の磁化直線60A2aに代えて複数の磁化直線600A2aを有する点が異なる。
線状磁化領域600A1には、複数の磁化直線600A1aが含まれており、線状磁化領域600A2には、複数の磁化直線600A2aが含まれている。線状磁化領域600A1に含まれる磁化直線600A1aの本数と線状磁化領域600A2に含まれる磁化直線600A2aの本数は同じである。
線状磁化領域600A1は、第1線対称領域に相当する線状磁化領域である。第1線対称領域とは、上記第1変形例で説明した線状磁化領域60A2(図19参照)が仮想直線C1に対して線対称に形成された領域を指す。すなわち、線状磁化領域600A1は、線状磁化領域60A2(図19参照)の鏡像の幾何特性(すなわち、仮想直線C1を線対称軸として線状磁化領域60A2(図19参照)に対しての鏡像が行われることによって得られる幾何特性)で形成された線状磁化領域とも言える。
線状磁化領域600A2は、第2線対称領域に相当する線状磁化領域である。第2線対称領域とは、上記第1実施形態で説明した線状磁化領域60A1(図19参照)が仮想直線C1に対して線対称に形成された領域を指す。すなわち、線状磁化領域600A2は、線状磁化領域60A1(図19参照)の鏡像の幾何特性(すなわち、仮想直線C1を線対称軸として線状磁化領域60A1(図19参照)に対しての鏡像が行われることによって得られる幾何特性)で形成された線状磁化領域とも言える。
つまり、図20に示す例において、仮想直線C1に対して仮想線状領域62A及び62Bの対称軸SA1を、中心O1を回転軸として、図20の紙面表側から見た場合の時計回りに角度a傾斜させることによって仮想線状領域対62の全体を仮想直線C1に対して傾斜させた場合の仮想線状領域62Aの両端の位置と仮想線状領域62Bの両端の位置とを揃えることで得られた仮想線状領域対62の幾何特性が、サーボパターン580Aの幾何特性に相当する。
サーボパターン580Bは、線状磁化領域対600Bからなる。線状磁化領域対600Bは、線状磁化領域対60Bに比べ、線状磁化領域60B1に代えて線状磁化領域600B1を有する点、及び線状磁化領域60B2に代えて線状磁化領域600B2を有する点が異なる。線状磁化領域600B1及び600B2の各々は、線状に磁化された領域である。
線状磁化領域600B1及び600B2は、仮想直線C2に対して相反する方向に傾けられている。線状磁化領域600B1及び600B2は、互いに非平行であり、かつ、仮想直線C2に対して異なる角度で傾斜している。線状磁化領域600B2は、線状磁化領域600B1よりも、仮想直線C2に対する傾斜角度が急である。ここで「急」とは、例えば、仮想直線C2に対する線状磁化領域600B2の角度が、仮想直線C2に対する線状磁化領域600B2の角度よりも小さいことを指す。
線状磁化領域600B1には、複数の磁化直線600B1aが含まれており、線状磁化領域600B2には、複数の磁化直線600B2aが含まれている。線状磁化領域600B1に含まれる磁化直線600B1aの本数と線状磁化領域600B2に含まれる磁化直線600B2aの本数は同じである。
サーボパターン580Bに含まれる磁化直線600B1a及び600B2aの総本数は、サーボパターン580Aに含まれる磁化直線600A1a及び600A2aの総本数と異なる。図34に示す例では、サーボパターン580Aに含まれる磁化直線600A1a及び600A2aの総本数が10本であるのに対し、サーボパターン580Bに含まれる磁化直線600B1a及び600B2aの総本数は8本である。
線状磁化領域600B1は、4本の磁化された直線である磁化直線600B1aの集合であり、線状磁化領域600B2は、4本の磁化された直線である磁化直線600B2aの集合である。サーボバンドSB内では、幅方向WDについて線状磁化領域600B1の両端の位置(すなわち、4本の磁化直線600B1aの各々の両端の位置)と線状磁化領域600B2の両端の位置(すなわち、4本の磁化直線600B2aの各々の両端の位置)とが揃っている。
このように、サーボパターン580Aの幾何特性は、線状磁化領域60A2(図19参照)の鏡像の幾何特性及び線状磁化領域60A2(図19参照)の鏡像の幾何特性(すなわち、図19に示すサーボパターン58Aの鏡像の幾何特性)に相当し、サーボパターン580Bの幾何特性は、線状磁化領域60B2(図19参照)の鏡像の幾何特性及び線状磁化領域60B2(図19参照)の鏡像の幾何特性(すなわち、図19に示すサーボパターン58Bの鏡像の幾何特性)に相当する。しかし、これは、あくまでも一例に過ぎず、サーボパターン580に代えて、図24に示すサーボパターン72の鏡像の幾何特性、図26に示すサーボパターン78の鏡像の幾何特性、図29に示すサーボパターン84の鏡像の幾何特性、図33に示すサーボパターン90の鏡像の幾何特性、又は、図35に示すサーボパターン96の鏡像の幾何特性で形成されたサーボパターンを適用してもよい。
なお、このように、サーボパターンの幾何特性を変えた場合も、傾斜機構49は、サーボパターンの幾何特性に応じて仮想直線C3の仮想直線C4に対する傾斜(すなわち、アジマス)の方向及び傾斜の角度(例えば、図23に示す角度β)を変更する。つまり、サーボパターンの幾何特性を変えた場合であっても、上記第1変形例と同様に、傾斜機構49は、制御装置30Aの制御下で、磁気テープMTの表面31上で回転軸RAを中心にして磁気ヘッド28を回転させることで、サーボパターン信号のばらつきを小さくするように、仮想直線C3の仮想直線C4に対する傾斜(すなわち、アジマス)の方向及び傾斜の角度(例えば、図23に示す角度β)を変更する。
[その他の変形例]
上記実施形態では、磁気テープドライブ14に対して磁気テープカートリッジ12が挿脱自在な磁気テープシステム10を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、磁気テープドライブ14に対して少なくとも1つの磁気テープカートリッジ12が事前に装填されている磁気テープシステム(すなわち、少なくとも1つの磁気テープカートリッジ12と磁気テープドライブ14とが事前に一体化された磁気テープシステム)であっても本開示の技術は成立する。
上記実施形態では、単一の磁気ヘッド28を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、複数の磁気ヘッド28が磁気テープMT上に配置されてもよい。例えば、読み取り用の磁気ヘッド28と、少なくとも1つの書き込み用の磁気ヘッド28とが磁気テープMT上に配置されるようにしてもよい。読み取り用の磁気ヘッド28は、書き込み用の磁気ヘッド28によってデータバンドDBに記録されたデータのベリファイに用いてもよい。また、読み取り用の磁気素子ユニット42と、少なくとも1つの書き込み用の磁気素子ユニット42とが搭載された1つの磁気ヘッドが磁気テープMT上に配置されてもよい。
上記実施形態では、処理装置30(図3参照)がASICによって実現される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されず、処理装置30は、ソフトウェア構成によって実現されてもよい。また、処理装置30に含まれる制御装置30A及び位置検出装置30Bのみがソフトウェア構成によって実現されてもよい。制御装置30A及び位置検出装置30Bがソフトウェア構成によって実現される場合、例えば、図38に示すように、処理装置30は、コンピュータ200を備えている。コンピュータ200は、プロセッサ200A(例えば、単数のCPU又は複数のCPUなど)、NVM200B、及びRAM200Cを有する。プロセッサ200A、NVM200B、及びRAM200Cは、バス200Dに接続されている。コンピュータ読取可能な非一時的記憶媒体である可搬型の記憶媒体202(例えば、SSD又はUSBメモリなど)には、プログラムPGが記憶されている。
記憶媒体202に記憶されているプログラムPGは、コンピュータ200にインストールされる。プロセッサ200Aは、プログラムPGに従ってサーボパターン検出処理(図15参照)及び理想波形信号取得処理(図16参照)を実行する。
また、通信網(図示省略)を介してコンピュータ200に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶装置にプログラムPGを記憶させておき、処理装置30からの要求に応じてプログラムPGがダウンロードされ、コンピュータ200にインストールされるようにしてもよい。なお、プログラムPGは、本開示の技術に係る「プログラム」の一例であり、コンピュータ200は、本開示の技術に係る「コンピュータ」の一例である。
図38に示す例では、コンピュータ200が例示されているが、本開示の技術はこれに限定されず、コンピュータ200に代えて、ASIC、FPGA、及び/又はPLCを含むデバイスを適用してもよい。また、コンピュータ200に代えて、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせを用いてもよい。
処理装置30(図3参照)及び/又はサーボライタコントローラSW5(図14参照)の処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLC、又は例示のASIC等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電子回路が挙げられる。いずれのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、いずれのプロセッサもメモリを使用することで処理を実行する。
処理装置30及び/又はサーボライタコントローラSW5の処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理装置30及び/又はサーボライタコントローラSWの処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoC等に代表されるように、処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理装置30及び/又はサーボライタコントローラSW5の処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電子回路を用いることができる。また、上記の処理装置30及び/又はサーボライタコントローラSW5の処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。