JP7791882B2 - 非水電解液及び二次電池 - Google Patents
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Description
電解質としてLiN(FSO2)2(スルホニルイミド化合物)と、
添加剤として一般式(14):Si(R5)4 (14)
(式(14)中、R5は炭素数1~6のアルキル基(置換基を有していてもよい)、炭素数1~6のフルオロアルキル基(置換基を有していてもよい)、アリール基(置換基を有していてもよい)、シリル基(置換基を有していてもよい)、アルカリ金属原子、オニウム塩又は水素原子を示す。)
で表されるケイ素原子含有化合物、
一般式(3):B(OR6)3 (3)
(式(3)中、R6はR 5 と同じものを示す。)
で表されるホウ素原子含有化合物、
一般式(4):C(=O)(R5)(OR6) (4)
(式(4)中、R5及びR6は同一又は異なって前記と同じものを示す。)
で表される炭素原子含有化合物、
一般式(5):{S(=O)2(R5)y}x(OR6)x(2-y) (5)
(式(5)中、R5及びR6は同一又は異なって前記と同じものを示し、xは1又は2の整数を示し、yは0又は1の整数を示す。なお、xが2且つyが1のとき(OR6)2は(-O-R6-O-)であり、式(5)はS(=O)2(R5)-O-R6-O-S(=O) 2 (R5)を示す。)
で表される硫黄原子含有化合物、及び
一般式(6):P(=O)(R5)y(OR6)2 (6)
(式(6)中、R5 及びR 6 は同一又は異なって前記と同じものを示す。yは前記と同じものを示す。なお、式(6)が重合基の場合、yは0であり、(OR6)のうち1つは(-O-)であり、式(6)は[-P(=O)(OR6)O-]nを示す。)
で表されるリン原子含有化合物からなる群より選択される少なくとも一種とを含む。この非水電解液は、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、炭酸水素イオン(HCO3 -)及び炭酸イオン(CO3 2-)の少なくとも一種を溶存していてもよい。
電解質としてLiN(FSO2)2と、
添加剤として前記一般式(14)で表されるケイ素原子含有化合物、
前記一般式(3)で表されるホウ素原子含有化合物、
前記一般式(4)で表される炭素原子含有化合物、
前記一般式(5)で表される硫黄原子含有化合物、
前記一般式(6)で表されるリン原子含有化合物、
一般式(7):P(OR6)3 (7)
(式(7)中、R6は前記と同じものを示す。)
で表されるリン原子含有化合物、
一般式(8):P(=O)(OR6)3 (8)
(式(8)中、R6は前記と同じものを示す。)
で表されるリン原子含有化合物、及び
一般式(9):
で表されるボロキシン化合物からなる群より選択される少なくとも一種とを含み、
二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、炭酸水素イオン(HCO3 -)及び炭酸イオン(CO3 2-)の少なくとも一種を溶存している。
一般式(10):LiPFa(CmF2m+1)6-a (a:0≦a≦6、m:1≦m≦4) (10)
で表される化合物、
一般式(11):
LiBFb(CnF2n+1)4-b (b:0≦b≦4、n:1≦n≦4) (11)
で表される化合物、及び
LiAsF6からなる群より選択される少なくとも一種をさらに含んでいてもよい。
一般式(12):M1NO3 (M1:アルカリ金属元素を示す。) (12)
で表される化合物、及び
一般式(13):
で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種をさらに含んでいてもよい。
本実施形態に係る第1の非水電解液は、電解質と特定の化合物とを含む。
電解質は、一般式(1):
[化3]
LiN(R1SO2)(R2SO2) (1)
で表されるスルホニルイミド化合物(以下「スルホニルイミド化合物(1)」という、フッ素含有スルホニルイミド塩)を含む。
[化4]
LiPFa(CmF2m+1)6-a (a:0≦a≦6、m:1≦m≦4) (10)
で表される化合物(以下「フルオロリン酸化合物(10)」という)、一般式(11):
[化5]
LiBFb(CnF2n+1)4-b (b:0≦b≦4、n:1≦n≦4) (11)
で表される化合物(以下「フルオロホウ酸化合物(11)」という)、六フッ化砒酸リチウム(LiAsF6)、LiSbF6、LiClO4、LiSCN、LiAlF4、CF3SO3Li、LiC[(CF3SO2)3]、LiN(NO2)、LiN[(CN)2 ]等のリチウム塩;非リチウム塩(例えば、これらのリチウム塩において、リチウム(イオン)を前記例示のカチオンに置換した塩(例えば、NaBF4、NaPF6、NaPF3(CF3)3等)等が挙げられる。非イミド塩は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、非イミド塩は、市販品を使用してもよく、従来公知の方法により合成して得られたものを用いてもよい。
第1の非水電解液は、スルホニルイミド化合物(1)と共に、添加剤として以下に示す種々の特定の化合物の少なくとも一種を含む。このように、第1の非水電解液は、スルホニルイミド化合物(1)と一種以上の特定の化合物とが併用されているため、電池の自己放電抑制と、電荷移動抵抗(インピーダンス)及び電池直流抵抗(DCR)低減とを両立できる。即ち、電池の保存特性及び電池性能の改善を図ることができる。
(ケイ素原子含有化合物)
中心原子としてケイ素原子を含有する特定の化合物としては、一般式(14):
[化7]
Si(R5)4 (14)
で表されるケイ素原子含有化合物(以下「ケイ素原子含有化合物(14)」という)等が挙げられる。
中心原子としてホウ素原子を含有する特定の化合物としては、一般式(3):
[化8]
B(OR6)3 (3)
で表されるホウ素原子含有化合物(以下「ホウ素原子含有化合物(3)」という)等が挙げられる。
中心原子として炭素原子を含有する特定の化合物としては、一般式(4):
[化9]
C(=O)(R5)(OR6) (4)
で表される炭素原子含有化合物(以下「炭素原子含有化合物(4)」という)等が挙げられる。
中心原子として硫黄原子を含有する特定の化合物としては、一般式(5):
[化10]
{S(=O)2(R5)y}x(OR6)x(2-y) (5)
で表される硫黄原子含有化合物(以下「硫黄原子含有化合物(5)」という)等が挙げられる。
[化11]
S(=O)2(R5)-O-R6-O-S(=O) 2 (R5) (5a)
でも表される。
中心原子としてリン原子を含有する特定の化合物としては、一般式(6):
[化12]
P(=O)(R5)y(OR6)2 (6)
で表されるリン原子含有化合物(以下「リン原子含有化合物(6)」という)、一般式(7):
[化13]
P(OR6)3 (7)
で表されるリン原子含有化合物(以下「リン原子含有化合物(7)」という)等が挙げられる。
[化14]
[-P(=O)(OR6)O-]n (6a)
でも表される。
特定の化合物(3)~(7)は、中心原子周囲の酸素原子数によって、以下のようにも分類できる。
中心原子周囲の酸素原子数が2つである化合物としては、一般式(20):
Q1(R5)x(…OR6)2 (20)
で表される化合物(以下「O2含有化合物(20)」ともいう)等が挙げられる。
中心原子周囲の酸素原子数が3つである化合物としては、一般式(30):
Q2(…OR6)3 (30)
で表される化合物(以下「O3含有化合物(30)」ともいう)、一般式(35):
{Q3(R5)}x{(…OR6)3}x (35)
で表される化合物(以下「O3含有化合物(35)」ともいう)等が挙げられる。
Q2(OR6)3 (31)
等が挙げられる。
[-Q2[(…OR6)2]O-]n (32)、
より具体的には、一般式(33):
[-Q2(OR6)(=O)O-]n (33)
等でも表される。
Q3(R5)(…OR6)2-O-R6-O-Q3(R5)(…OR6)2 (36)、
より具体的には、一般式(37):
Q3(R5)(=O)2-O-R6-O-Q3(=O)(OR6)2 (37)
等でも表される。
中心原子周囲の酸素原子数が4つである化合物としては、一般式(40):
S(…OR6)4 (40)
で表される化合物(以下「O4含有化合物(40)」ともいう)等が挙げられる。
第1の非水電解液は、特定の化合物(3)~(7)と共に、各種電池性能を改善するために、特定の化合物(3)~(7)とは異なる添加剤をさらに含んでいてもよい。
[化18]
M1NO3 (12)
で表される化合物(以下「硝酸化合物(12)」ともいう)、一般式(13):
本実施形態に係る第1の非水電解液は、リチウムイオン二次電池の各種特性の向上を目的とする他の添加剤(特定の化合物(3)~(7)及び添加剤(12)~(13)とは異なる化合物)を含んでいてもよい。他の添加剤としては、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブサルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、テトラメチルチウラムモノスルフィド、トリメチレングリコール硫酸エステル等の含硫黄化合物;1-メチル-2-ピロリジノン、1-メチル-2-ピペリドン、3-メチル-2-オキサゾリジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルスクシンイミド等の含窒素化合物;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素化合物;フルオロエチレンカーボネート(FEC)、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート及びエリスリタンカーボネート等のカーボネート化合物;スルファミン酸(アミド硫酸、H3NSO3);スルファミン酸塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;マンガン塩、銅塩、亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩等の他の金属塩;アンモニウム塩;グアニジン塩等);モノフルオロリン酸リチウム(Li2PO3F)、ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)等のフルオロリン酸化合物;フルオロスルホン酸リチウム(LiFSO3)、フルオロスルホン酸ナトリウム(NaFSO3)、フルオロスルホン酸カリウム(KFSO3)、フルオロスルホン酸マグネシウム(Mg(FSO3)2)等のフルオロスルホン酸化合物等が挙げられる。他の添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本実施形態に係る第1の非水電解液は、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、炭酸水素イオン(HCO3 -)及び炭酸イオン(CO3 2-)の少なくとも一種(以下「CO2等」ともいう)を溶存していてもよい。
・非水電解液の調製工程において、電解液の調製後(直後)、若しくは必要に応じてCO2等の溶存量を安定させるための熟成期間(例えば1週間)経過後の電解液中におけるCO2等の合計溶存量、又は
・二次電池の製造工程において、電池のエージング工程を行った後に、例えば窒素雰囲気中で、当該電池から抜き取った電解液中におけるCO2等の合計溶存量をいう。なお、エージング工程としては、例えば以下の工程や、後述する実施例で記載の条件等が挙げられる。
(I)注液後、部分充電を行った後、30℃以上で6時間以上、28日以内の期間、高温処理する(保存する)。ガス抜き、再封止後、充放電により初期性能に欠陥が無いことを確認した後、充電深度50%で1週間以上保持して自己放電による欠陥が無いことを確認する工程
(II)部分充電の後、高温処理を行わない以外は(I)と同様の工程
(III)高温処理の後、ガス抜きを行わない以外は(I)と同様の工程
スルホニルイミド化合物(1)を含む非水電解液中にCO2等を溶存させる方法としては、例えば、(A)非水電解液の調製工程において、非水電解液にCO2等を溶存させる方法;(B)二次電池の製造工程において、非水電解液にCO2等を溶存させる方法等が挙げられる。
本実施形態に係る第1の非水電解液は電解液溶媒を含んでいてもよい。電解液溶媒は、前記電解質塩を溶解、分散できるものであれば特に限定されない、電解液溶媒としては、非水系溶媒、電解液溶媒に代えて用いられるポリマー及びポリマーゲル等の媒体等が挙げられ、電池に一般に使用される溶媒はいずれも使用できる。
次に、第2の非水電解液について以下に説明する。本実施形態に係る第2の非水電解液は、電解質と特定の化合物とを含み、且つCO2等を溶存している。具体的には、第2の非水電解液は、特定の化合物の種類と、CO2等を溶存している点で、上述の第1の非水電解液とは構成が異なる。その他の点については、上述の第1の非水電解液と同様の構成であるため、ここでは詳しい説明を省略する。つまり、上述の第1の非水電解液において、電解質、添加剤、その他の成分、電解液溶媒、CO2等の溶存量・溶存方法等はすべて第2の非水電解液にも適用される。また、特定の化合物についても、同じ種類の化合物については詳しい説明を省略する。
<中心原子ごとの分類>
第2の非水電解液は、スルホニルイミド化合物(1)と共に、添加剤として以下に示す種々の特定の化合物の少なくとも一種を含む。このように、第2の非水電解液は、スルホニルイミド化合物(1)と一種以上の特定の化合物とが併用されているため、電池の自己放電抑制と、電荷移動抵抗(インピーダンス)及び電池直流抵抗(DCR)低減とを両立できる。即ち、電池の保存特性及び電池性能の改善を図ることができる。第2の非水電解液では、ケイ素原子含有化合物(14)、ホウ素原子含有化合物(3)、炭素原子含有化合物(4)、硫黄原子含有化合物(5)、リン原子含有化合物(6)、リン原子含有化合物(7)等の他、以下に示す化合物も用いることができる。
中心原子としてリン原子を含有する特定の化合物としては、一般式(8):
[化20]
P(=O)(OR6)3 (8)
で表されるリン原子含有化合物(以下「リン原子含有化合物(8)」ともいう)等が挙げられる。
ボロキシン化合物としては、一般式(9):
特定の化合物(3)~(9)は、中心原子周囲の酸素原子数によって、以下のようにも分類できる。具体的には、前記したO2含有化合物(20)、O3含有化合物(30)、O3含有化合物(35)及びO4含有化合物(40)と共に、中心原子周囲の酸素原子数が4つである化合物としては、一般式(45):
P(…OR6)4 (45)
で表される化合物(以下「O4含有化合物(45)」ともいう)により分類できる。
次に、第3の非水電解液について以下に説明する。本実施形態に係る第3の非水電解液は、電解質と特定の化合物とを含む。具体的には、第3の非水電解液は、電解質の種類が特定されず、特定の化合物の種類が異なる点で、上述の第1又は第2の非水電解液とは構成が異なる。その他の点については、上述の第1又は第2の非水電解液と同様の構成であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
電解質は、特に限定されず、例えば第1又は第2の非水電解液に用いられる電解質等を採用できる。電解質の具体例としては、スルホニルイミド化合物(1)、スルホニルイミド化合物(1)以外の電解質としてイミド塩、非イミド塩(フルオロリン酸化合物(10)、フルオロホウ酸化合物(11)、LiAsF6等)等が挙げられる。電解質の濃度も特に限定されず、第1又は第2の非水電解液と同様の濃度が適用される。
第3の非水電解液は、上記電解質と共に、添加剤として上記リン原子含有化合物(6)のうち、以下に示す特定の化合物の少なくとも一種を含む。このように、第3の非水電解液は、上記電解質と一種以上の特定のリン原子含有化合物(6)とが併用されているため、電池の自己放電抑制と、電荷移動抵抗(インピーダンス)及び電池直流抵抗(DCR)低減とを両立できる。即ち、電池の保存特性及び電池性能の改善を図ることができる。
上記の構成以外に、上述の第1又は第2の非水電解液で説明した、添加剤、その他の成分、電解液溶媒、CO2等の溶存量・溶存方法等はすべて第3の非水電解液にも適用される。例えば、第3の非水電解液はCO2等が溶存されたものでもよい。
本実施形態に係る二次電池は、正極、負極及び非水電解液を備えている。この二次電池では、非水電解液として、上述の第1~第3の非水電解液が用いられる。
正極は、正極集電体及び正極合材層を含み、正極合材層が正極集電体上に形成され、通常、シート状に成形されている。
負極は、負極集電体及び負極合材層を含み、負極合材層が負極集電体上に形成され、通常、シート状に成形されている。
二次電池はセパレータを備えていてもよい。セパレータは正極と負極とを隔てるように配置されるものである。セパレータには、特に制限がなく、本開示では、従来公知のセパレータのいずれも使用できる。具体的なセパレータとしては、例えば、電解液(非水電解液)を吸収・保持し得るポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータやセルロース系セパレータなど)、不織布セパレータ、多孔質金属体等が挙げられる。
正極、負極及び非水電解液(さらにはセパレータ)を備えた電池素子は、通常、電池使用時の外部からの衝撃、環境劣化等から電池素子を保護するため電池外装材に収容される。電池外装材の素材は特に限定されず従来公知の外装材はいずれも使用できる。
本実施形態に係る二次電池は、例えば、正極と負極とを(必要に応じてセパレータを介して)重ね合わせ、得られた積層体を電池外装材に入れ、電池外装材に非水電解液を注液して封口することにより、容易に製造できる。
[参考実施例1~10]
〔非水電解液の調製〕
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表1に示す濃度となるように溶解した。続いて、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表1に示す含有量となるように添加し、1日撹拌し、不溶分をメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液(以下単に「電解液」ともいう。)を調製した。なお、参考実施例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表1に示す含有量となるようにさらに添加した。参考実施例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表1に示す含有量となるようにさらに添加した。
前記で得られた各リファレンス電解液を密閉ボトルに当該ボトルの容積の1/10程度となるように入れた。続いて、オートクレーブ内に、当該ボトルをその開口部が上方に位置するように開封状態で静置した後、CO2で0.5MPaまで加圧した。次いで、リリース弁を半開放してオートクレーブ内圧を0.1MPa(1気圧)まで下げた。この処理を3回繰り返し、オートクレーブ内の空気をCO2に置換した。置換後、再びCO2で0.5MPaまで加圧し、30分間静置した。30分間静置後の電解液をオートクレーブから取り出し、密閉状態にて、常温(25℃程度)でさらに2週間静置した。2週間静置後、0.5MPaでの静置時間を30分間とした電解液(例えば表1中の参考実施例3)の一部を分け取り、同じ塩組成のリファレンス電解液で希釈することにより、CO2溶存量を変化させた電解液(例えば表1中の参考実施例7~10)を調製した。
前記で得られた各CO2溶存電解液をガスクロマトグラフィーで分析し、以下の方法により当該電解液中CO2溶存量(初期CO2溶存量)を定量した。
ガスクロマトグラフィーで測定する際には、測定系に大気が混入しないように、ガスクロマトグラフィー装置を窒素でパージした状態(窒素雰囲気下)で、当該装置に電解液を直接投入した。ガスクロマトグラフィーの具体的な測定条件は以下のとおりである。
・気化室温度:130℃
・検出器温度:300℃(BID)
・キャリアガス:ヘリウム(カラム流量1.33mL/分)
・注入量:1μL(スプリット法、スプリット比:5.0)
(CO2溶存量の定量方法)
CO2混合比が既知の、複数種の標準ヘリウムガスを、上記の注入量(1μL)を1mLに変更したこと以外は上記のガスクロマトグラフィーの測定条件と同様の条件で分析し、得られたCO2ガスのピーク面積から、CO2混合量(溶存量)とCO2ガスのピーク面積との関係を示す検量線を作成した。続いて、各参考実施例で得られた非水電解液をガスクロマトグラフィーで分析した。最後に、外部標準法により、各非水電解液中におけるCO2の溶存量を定量した。
(正極の作製)
三元系正極活物質であるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(ユミコア製、品番:MX7h)、アセチレンブラック(AB、デンカ(株)製、製品名:デンカブラック(登録商標))、グラファイト(日本黒鉛工業(株)製、品番:SP270)、及びポリフッ化ビニリデン(PVdF、(株)クレハ製、品番:KF1120)をN-メチル-2-ピロリドン(NMP)中に分散させて正極合材スラリー(正極活物質:AB:グラファイト:PVdF=93:2:2:3(固形分質量比))を作製した。続いて、得られた正極合材スラリーをアルミニウム箔(正極集電体、日本製箔(株)製、厚み15μm)に対して、乾燥後の塗工重量が19.4mg/cm2となるようにアプリケーターで片面塗工し、110℃のホットプレート上で10分間乾燥させた。さらに、110℃の真空乾燥炉で12時間乾燥させた。その後、ロールプレス機により密度3.1g/cm3となるまで加圧成形することにより、シート状(厚み83μm)の正極を得た。
負極活物質としてグラファイト(天然黒鉛(日立化成(株)製、品番:SMG):人造黒鉛(TIMCAL製、品番:SFG15)=85:15(固形分質量比))、スチレン-ブタジエンゴム(SBR、結着剤)及びカルボキシメチルセルロース(CMC、結着剤)を、超純水中に分散させて、負極合材スラリー(負極活物質:SBR:CMC=97.3:1.5:1.2(固形分質量比))を作製した。続いて、得られた負極合材スラリーを銅箔(負極集電体、福田金属箔粉工業(株)製、厚み15μm)に対して、乾燥後の塗工重量が9.8mg/cm2となるようにアプリケーターで片面塗工し、80℃のホットプレート上で10分間乾燥させた。さらに、100℃の真空乾燥炉で12時間乾燥させた。その後、ロールプレス機により密度1.3g/cm3となるまで加圧成形することにより、シート状(厚み90μm)の負極を得た。
得られた正極及び負極をそれぞれカットし、極性導出リードを超音波で溶接し、16μmのポリエチレン(PE)セパレータを介して該正極及び負極を対向させ、ラミネート外装で3方を封止することにより、未注液電池を作製した。続いて、未注液電池の未封止の1方より、表1に示す各電解液を700μL添加した。
(コンディショニング条件)
充電:0.5C(15mA)、4.2Vで5時間(25℃)⇒放電:1C(30mA)、2.75V終止(25℃)
〔電池の評価〕
(インピーダンス)
コンディショニング工程後のセルを、充放電試験装置(アスカ電子(株)製、品番:ACD-01、以下同じ)を用い、常温にて4.2V、1C(30mA)で30分の定電流充電をして充電深度(SOC)50%にした。続いて、当該セルを、インピーダンスアナライザ(Bio Logic製、品番:VSP-300)を用い、-30℃の条件下で周波数1GHzから1mHzまでのインピーダンス測定を行った。得られた測定値の円弧が発散する周波数から、実軸抵抗(界面抵抗)を求めた。なお、円弧が発散する周波数とは、周波数10Hz~0.001Hzの間で虚軸数値が極小を迎えた周波数をいう。
インピーダンス測定後のセルを、常温にて1C(30mA)、4.2Vで0.02C(0.6mA)終止の定電流定電圧充電を行い、満充電状態(SOC100%)とした。続いて、満充電状態から、30分間放置後に6mAで10秒間放電し、続いて30分間放置後に30mAで10秒間放電し、さらに30分間放置後に60mAで10秒間放電した。各放電電流を横軸に、各放電電流での放電開始時と10秒後の閉路電圧の差(ΔV)を縦軸にプロットし、そのI-V直線の傾きをセルの「初期DCR」とした。
初期DCR測定後のセルを45℃にて、以下の充放電条件(サイクル条件)で、合計300サイクルのサイクル試験を行った。300サイクル後に25℃満充電状態のDCR(「300サイクル後DCR」)を同様の手法で測定した。
(サイクル条件)
・充電:4.2V、1C(30mA)で定電流定電圧充電、0.02C(0.6mA)終止、10分間休止
・放電:1C(30mA)で定電流(CC)放電、2.75V終止、10分間休止。
また、「初期DCR」及び「300サイクル後DCR」の測定結果を用い、「300サイクル後のDCR上昇率」を以下の数式(1)により求めた。
[数1]
「サイクル後のDCR上昇率」=「300サイクル後DCR」/「初期DCR」 (1)。
コンディショニング工程後のセルを、常温にて1C(30mA)、4.2Vで0.02C(0.6mA)終止の定電流定電圧充電を行い、満充電状態(SOC100%)とした。充電後、常温でセルの開路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)
を測定し、この測定値を「初期OCV」とした。
[数2]
「保存前後のOCV差(ΔV)」=「初期OCV」―「保存後OCV」 (2)
なお、「保存前後のOCV差(ΔV)」が小さいほど、つまり「初期OCV」に対して、「保存後OCV」の低下の度合いが小さいほど、電池の自己放電が抑制されていることを意味する。
初期DCR測定後のセルを常温にて1C(30mA)、4.2Vで0.02C(0.6mA)終止の定電流定電圧充電を行い、満充電状態(SOC100%)にて60℃で4週間保存したセルを、常温にて1C(30mA)、終止電圧2.75Vの定電流放電を行い、残存容量を測定した。その後、常温に1C(30mA)で4.2V、0.02C(0.6mA)終止の定電流定電圧充電を行った後、1C(30mA)2.75V終止の定電流放電を行い、回復容量を測定した。回復容量測定後のセルを、初期DCR測定と同条件にてDCRを測定し、この測定値を「60℃4週耐久後DCR」とした。
また、「初期DCR」及び「60℃4週耐久後DCR」の測定結果を用い、「60℃4週耐久後のDCR上昇率」を以下の数式(3)により求めた。
[数3]
「60℃4週耐久後のDCR上昇率」=「60℃4週耐久後DCR」/「初期DCR」 (3)。
コンディショニング工程後のセルをSOC50%、常温で4週間保存した。保存後のセルをアルゴンガス中で解体し、電解液を採取した。採取した電解液を前記と同様の手法によりガスクロマトグラフィーで分析することにより、コンディショニング工程後のCO2溶存電解液中CO2溶存量(「コンディショニング工程後CO2溶存量」)を定量した。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表1に示す濃度となるように溶解した。参考比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。参考比較例5では、前記で得られた溶液に、LiBOBを表1に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。参考比較例6では、前記で得られた溶液に、LiDFOBを表1に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。参考比較例8では、前記で得られた溶液に、LiNO3を表1に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌し、メンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表1に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表1に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表1に示す。
・参考実施例1~4(又は参考比較例1~4)の比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)が低減する一方、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大することが分かった。
・同じ塩組成の参考比較例3と参考比較例8との比較により、電解液にLiNO3を添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減し、300サイクル後及び60℃4週耐久後のDCR上昇率も低減する一方、自己放電が増大することが分かった。
・同じ塩組成の参考実施例3,7~10と参考比較例8との比較により、電解液にCO2を溶存させることで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ちLiNO3添加に起因する自己放電が抑制されると共に、インピーダンス及びDCRがさらに低減することが分かった。
・このように、LiNO3添加とCO2溶存とが併用された電解液を用いた電池では、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果という相乗効果が得られることが分かった。また、この相乗効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・同じ塩組成の参考実施例3,5,6と参考比較例3,5,6との比較により、LiNO3を含む電解液にLiBOB又はLIDFOBをさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に増大するものの(特にLiBOB)、電解液にLiNO3を添加し且つCO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCRの増大が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の参考実施例3,5,6(又は参考比較例3,5,6)の比較により、LiNO3を含む電解液にLiBOB又はLIDFOBをさらに添加することで、300サイクル後のDCR上昇率が小さい、即ち300サイクル後DCRの増大が抑制されること、及び自己放電が抑制されることが分かった。
(同じ塩組成でのDCR上昇率)
同じ塩組成の非水電解液において、特定の化合物添加による「60℃4週耐久後DCR」の上昇率(同じ塩組成でのDCR上昇率)を以下の数式(4)により求めた。なお、「同じ塩組成でのDCR上昇率」は、特定の添加剤を含有する各実施例又は比較例の欄に記載する。
[数4]
「同じ塩組成でのDCR上昇率」=「同じ塩組成且つ特定の化合物を含有する非水電解液の60℃4週耐久後DCR」/「同じ塩組成且つ特定の化合物を含有しない非水電解液の60℃4週耐久後DCR」 (4)
例えば、表2において、「1.2M LiPF6」という同じ塩組成でのDCR上昇率は、「比較例9の60℃4週耐久後DCR」/「比較例1の60℃4週耐久後DCR」により求めることができる。
コンディショニング工程後の各セルを、充放電試験装置を用い、常温にて4.2V、1C(30mA)0.6mA終止の定電流定電圧充電を行った後、0.2C(6mA)、2.75V終止の定電流放電を行い、初期容量を測定した。その後、-10℃の環境下で4.2V、2C(60mA)の定電流充電後1C(30mA)2.75V終止の定電流放電を1サイクルとする条件で200サイクル行った。200サイクル後のセルを常温にて初期容量を測定したときと同条件にて、200サイクル後容量を測定した。初期容量と200サイクル後容量との容量差△Cを正極活物質1gあたりに換算し、この換算値を「低温サイクル後の負極へのリチウム電析量」(低温サイクル後の電析量)とした。
[実施例1~4,10,12]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表3に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(3)で表されるホウ素原子含有化合物(3)としてホウ酸トリメチル(化合物B、東京化成工業(株)製)を表3に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例10では、前記で得られた溶液に、一般式(5)で表される硫黄原子含有化合物(5)としてビストリメチルシリルスルフェート(化合物J、東京化成工業(株)製)を表3に示す含有量となるようにさらに添加した。実施例12では、前記で得られた溶液に、一般式(8)で表されるリン原子含有化合物(8)としてリン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N、東京化成工業(株)製)を表3に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表3に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例9では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表3に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。実施例11では、前記で得られた溶液に、ビストリメチルシリルスルフェート(化合物J)を表3に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表3に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表3に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表3に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表3に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、LiNO3を表3に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、ホウ酸トリメチル(化合物B)を表3に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表3に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表3に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表3に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にホウ酸トリメチル(化合物B)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にホウ酸トリメチルを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、ホウ酸トリメチル添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が抑制されることがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にホウ酸トリメチルを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、ホウ酸トリメチルを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがホウ酸トリメチルの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されることで、これがホウ酸トリメチルの添加効果を高くしていることため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、ホウ酸トリメチルを含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果とがより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の実施例5,9及び比較例8の比較により、ホウ酸トリメチルを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例3と実施例10,12との比較(CO2溶存なし)、及び同じ塩組成の実施例5と実施例11との比較(CO2溶存あり)により、ホウ酸トリメチルを含む電解液に、ビストリメチルシリルスルフェート(化合物J)又はリン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。
・同じ塩組成でのホウ酸トリメチル添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのホウ酸トリメチル添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4,11,12]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表4に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(3)で表されるホウ素原子含有化合物(3)としてトリス(トリメチルシリル)ボレート(化合物C、東京化成工業(株)製)を表4に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例11では、前記で得られた溶液に、一般式(6)で表されるリン原子含有化合物(6)としてポリリン酸トリメチルシリル(化合物M、シグマ アルドリッチ製)を表4に示す含有量となるようにさらに添加した。実施例12では、前記で得られた溶液に、一般式(8)で表されるリン原子含有化合物(8)としてリン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N、東京化成工業(株)製)を表4に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表4に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例9では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表4に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。実施例10では、前記で得られた溶液に、LiNO3と、ジメトキシジフェニルシラン(化合物A)とをそれぞれ表4に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表4に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表4に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表4に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表4に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、LiNO3を表4に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、トリス(トリメチルシリル)ボレート(化合物C)を表4に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表4に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表4に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表4に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にトリス(トリメチルシリル)ボレート(化合物C)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にトリス(トリメチルシリル)ボレートを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、トリス(トリメチルシリル)ボレート添加による、インピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にトリス(トリメチルシリル)ボレートを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、トリス(トリメチルシリル)ボレートを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがトリス(トリメチルシリル)ボレートの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、トリス(トリメチルシリル)ボレートを含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果、自己放電抑制効果並びに低温電析抑制効果がより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の実施例5,9及び比較例8の比較により、トリス(トリメチルシリル)ボレートを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例3と実施例11,12との比較(CO2溶存なし)により、トリス(トリメチルシリル)ボレートを含む電解液に、ポリリン酸トリメチルシリル(化合物M)又はリン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが低減することが分かった。
・同じ塩組成でのトリス(トリメチルシリル)ボレート添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのトリス(トリメチルシリル)ボレート添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4,10]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表5に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(3)で表されるホウ素原子含有化合物(3)としてホウ酸トリエチル(化合物D、東京化成工業(株)製)を表5に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例10では、前記で得られた溶液に、一般式(5)で表される硫黄原子含有化合物(5)としてビストリメチルシリルスルフェート(化合物J、東京化成工業(株)製)を表5に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表5に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例9では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表5に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。実施例11では、前記で得られた溶液に、ビストリメチルシリルスルフェート(化合物J)を表5に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表5に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表5に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表5に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表5に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、LiNO3を表5に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、ホウ酸トリエチル(化合物D)を表5に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表5に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表5に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表5に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にホウ酸トリエチル(化合物D)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にホウ酸トリエチルを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、ホウ酸トリエチル添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にホウ酸トリエチルを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電により負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、ホウ酸トリエチルを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがホウ酸トリエチルの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、ホウ酸トリエチルを含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果、自己放電抑制効果並びに低温電析抑制効果がより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例5,9及び比較例8の比較により、ホウ酸トリエチルを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例10との比較(CO2溶存なし)、及び同じ塩組成の実施例5と実施例11との比較(CO2溶存あり)により、ホウ酸トリエチルを含む電解液に、ビストリメチルシリルスルフェート(化合物J)をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが低減することが分かった。
・同じ塩組成でのホウ酸トリエチル添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのホウ酸トリエチル添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4,10]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表6に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(3)で表されるホウ素原子含有化合物(3)としてホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチル(化合物E、東京化成工業(株)製)を表6に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例10では、前記で得られた溶液に、一般式(5)で表される硫黄原子含有化合物(5)としてトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(化合物I、東京化成工業(株)製)を表6に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表6に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例9では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表6に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。実施例11では、前記で得られた溶液に、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(化合物I)を表6に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表6に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表6に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表6に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表6に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、LiNO3を表6に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、ホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチル(化合物E)を表6に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表6に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表6に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表6に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR及び300サイクル後DCR)は低減するものの、電解液にホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチル(化合物E)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチルを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、ホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチル添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチルを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、ホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチルを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチルの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、ホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチルを含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果、自己放電抑制効果並びに低温電析抑制効果がより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例5,9及び比較例8の比較により、ホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチルを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例10との比較(CO2溶存なし)、及び同じ塩組成の実施例5と実施例11との比較(CO2溶存あり)により、ホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチルを含む電解液に、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(化合物I)をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが低減することが分かった。
・同じ塩組成でのホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチル添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのホウ酸トリス(2,2,2)トリフルオロエチル添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4,10]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表7に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(3)で表されるホウ素原子含有化合物(3)としてトリブチルボレート(化合物F、東京化成工業(株)製)を表7に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例10では、前記で得られた溶液に、一般式(5)で表される硫黄原子含有化合物(5)としてビストリメチルシリルスルフェート(化合物J、東京化成工業(株)製)を表7に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表7に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例9では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表7に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。実施例11では、前記で得られた溶液に、ビストリメチルシリルスルフェート(化合物J)を表7に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表7に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表7に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表7に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表7に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、LiNO3を表7に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、トリブチルボレート(化合物F)を表7に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表7に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表7に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表7に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にトリブチルボレート(化合物F)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にトリブチルボレートを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、トリブチルボレート添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にトリブチルボレートを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、トリブチルボレートを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがトリブチルボレートの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、トリブチルボレートを含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果、自己放電抑制効果並びに低温電析抑制効果がより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例5,9及び比較例8の比較により、トリブチルボレートを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例10との比較(CO2溶存なし)、及び同じ塩組成の実施例5と実施例11との比較(CO2溶存あり)により、トリブチルボレートを含む電解液に、ビストリメチルシリルスルフェート(化合物J)をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが低減することが分かった。
・同じ塩組成でのトリブチルボレート添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのトリブチルボレート添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表8に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(4)で表される炭素原子含有化合物(4)としてトリメチルシリルアセテート(化合物G、東京化成工業(株)製)を表8に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表8に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表8に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表8に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表8に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表8に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表8に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、トリメチルシリルアセテート(化合物G)を表8に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表8に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表8に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表8に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にトリメチルシリルアセテート(化合物G)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にトリメチルシリルアセテートを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、トリメチルシリルアセテート添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にトリメチルシリルアセテートを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、トリメチルシリルアセテートを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがトリメチルシリルアセテートの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・実施例1~8の比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、トリメチルシリルアセテートを含む電解液にCO2を溶存させることで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されると共に、インピーダンス及びDCR、低温電析がさらに低減することが分かった。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成でのトリメチルシリルアセテート添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのトリメチルシリルアセテート添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表9に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(4)で表される炭素原子含有化合物(4)としてトリメチルシリルトリフルオロアセテート(化合物H、東京化成工業(株)製)を表9に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表9に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表9に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表9に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表9に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表9に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表9に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、トリメチルシリルトリフルオロアセテート(化合物H)を表9に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表9に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表9に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表9に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にトリメチルシリルトリフルオロアセテート(化合物H)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にトリメチルシリルトリフルオロアセテートを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、トリメチルシリルトリフルオロアセテート添加によるインピーダンス及び自己放電抑制効果、DCR上昇率低減効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にトリメチルシリルトリフルオロアセテートを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、トリメチルシリルトリフルオロアセテートを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがトリメチルシリルトリフルオロアセテートの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・実施例1~8の比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、トリメチルシリルトリフルオロアセテートを含む電解液にCO2を溶存させることで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されると共に、インピーダンス及びDCRがさらに低減することが分かった。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成でのトリメチルシリルトリフルオロアセテート添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのトリメチルシリルトリフルオロアセテート添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表10に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(5)で表される硫黄原子含有化合物(5)としてトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(化合物I、東京化成工業(株)製)を表10に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表10に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表10に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表10に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表10に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表10に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表10に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(化合物I)を表10に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表10に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表10に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表10に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(化合物I)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート添加によるインピーダンス及び自己放電抑制効果、DCR上昇抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・実施例1~8の比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを含む電解液にCO2を溶存させることで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されると共に、インピーダンス及びDCRがさらに低減することが分かった。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成でのトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表11に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(5)で表される硫黄原子含有化合物(5)としてビストリメチルシリルスルフェート(化合物J、東京化成工業(株)製)を表11に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表11に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例9では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表11に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。また、実施例10では、前記で得られた溶液に、LiNO3及びフルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)をそれぞれ表11に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表11に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表11に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表11に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表11に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表11に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、ビストリメチルシリルスルフェート(化合物J)を表11に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表11に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表11に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表11に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にビストリメチルシリルスルフェート(化合物J)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にビストリメチルシリルスルフェートを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、ビストリメチルシリルスルフェート添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にビストリメチルシリルスルフェートを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、ビストリメチルシリルスルフェートを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがビストリメチルシリルスルフェートの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、ビストリメチルシリルスルフェートを含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果とがより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の実施例5,9及び比較例8の比較により、ビストリメチルシリルスルフェートを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。・同じ塩組成でのビストリメチルシリルスルフェート添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのビストリメチルシリルスルフェート添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表12に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(5)で表される硫黄原子含有化合物(5)としてジターシャリーブチルシリルビストリフルオロメタンスルホネート(化合物K、東京化成工業(株)製)を表12に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表12に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例9では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表12に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表12に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表12に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表12に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表12に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表12に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、ジターシャリーブチルシリルビストリフルオロメタンスルホネート(化合物K)を表12に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表12に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表12に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表12に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR及び300サイクル後DCR、60℃耐久後のDCR)は低減するものの、電解液にジターシャリーブチルシリルビストリフルオロメタンスルホネート(化合物K)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にジターシャリーブチルシリルビストリフルオロメタンスルホネートを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、ジターシャリーブチルシリルビストリフルオロメタンスルホネート添加によるインピーダンス及びDCR低減効果、DCR変動抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にジターシャリーブチルシリルビストリフルオロメタンスルホネートを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、ジターシャリーブチルシリルビストリフルオロメタンスルホネートを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがジターシャリーブチルシリルビストリフルオロメタンスルホネートの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・実施例1~8の比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、ジターシャリーブチルシリルビストリフルオロメタンスルホネートを含む電解液にCO2を溶存させることで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ちさらに自己放電が抑制されると共に、インピーダンス及びDCRがさらに低減することが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の実施例5,9及び比較例8の比較により、ジターシャリーブチルシリルビストリフルオロメタンスルホネートを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成でのジターシャリーブチルシリルビストリフルオロメタンスルホネート添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのジターシャリーブチルシリルビストリフルオロメタンスルホネート添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表13に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(5)で表される硫黄原子含有化合物(5)としてターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(化合物Z、東京化成工業(株)製)を表13に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表13に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例9では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表13に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表13に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表13に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表13に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表13に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表13に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、ターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(化合物Z)を表13に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表13に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表13に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表13に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(化合物Z)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、ターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート添加によるインピーダンス及びDCR低減効果及びDCR変動抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、ターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・実施例1~8の比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、ターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを含む電解液にCO2を溶存させることで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ちさらに自己放電が抑制されると共に、インピーダンス及びDCRがさらに低減することが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の実施例5,9及び比較例8の比較により、ターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成でのターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのターシャリーブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表14に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(6)で表されるリン原子含有化合物(6)として亜リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)(化合物L、東京化成工業(株)製)を表14に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表14に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例9では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表14に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表14に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表14に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表14に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表14に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表14に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、亜リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)(化合物L)を表14に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表14に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表14に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表14に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液に亜リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)(化合物L)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液に亜リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)を添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、亜リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成に亜リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)を添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、亜リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)を添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうが亜リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)の添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、亜リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)を含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果とがより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例5,9及び比較例8の比較により、亜リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)を含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成での亜リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成での亜リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表15に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(6)で表されるリン原子含有化合物(6)としてポリリン酸トリメチルシリル(化合物M、シグマ アルドリッチ製)を表15に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15に示す。
上記シグマ アルドリッチ製試薬のポリリン酸トリメチルシリル(化合物M)を31P-NMRで分析したところ、ケミカルシフト-28ppm~-33ppmに出現するピーク(Pt)と、-35ppm~-41ppmに出現するピーク(Pm)との2ピークが確認された。2ピークの積分比はPt:Pm=1.00:1.43であった。一方、-41ppm~-45ppmに出現するピーク(Pb)は確認されなかった。なお、31P-NMR測定は、JEOL(日本電子)製JNM-ECA500を用い、試料管として2重試料管にて測定し、一方の管に加えたH3PO4のリンのピークを0ppmとしてケミカルシフトを決定した。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例9では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表15に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表15に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表15に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表15に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表15に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9では、前記で得られた溶液に、ポリリン酸トリメチルシリル(化合物M)を表15に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表15に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にポリリン酸トリメチルシリル(化合物M)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にポリリン酸トリメチルシリルを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、ポリリン酸トリメチルシリル添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~4、比較例7、比較例9、実施例2~9を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にポリリン酸トリメチルシリルを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、ポリリン酸トリメチルシリルを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがポリリン酸トリメチルシリルの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、ポリリン酸トリメチルシリルを含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果とがより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例5,9及び比較例8の比較により、ポリリン酸トリメチルシリルを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成でのポリリン酸トリメチルシリル添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのポリリン酸トリメチルシリル添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
(ポリリン酸トリメチルシリルの合成)
五酸化二リン1.553gを溶媒の塩化メチレン10mLに分散させ、撹拌しながらヘキサメチレンジシロキサン1.710gを徐々に滴下した後、室温で1日程度撹拌した。その後、溶媒を留去することにより、ポリリン酸トリメチルシリル(化合物M2)を合成した。
合成されたポリリン酸トリメチルシリル(化合物M2)を31P-NMRで前記と同様に分析したところ、ケミカルシフト-28ppm~-33ppmに出現するピーク(Pt)と、-35ppm~-41ppmに出現するピーク(Pm)と、-41ppm~-45ppmに出現するピーク(Pb)との3ピークが確認された。3ピークの積分比はPt:Pm:Pb=1.00:6.73:1.00であった。この分析結果から、化合物M2は、分岐構造(上記構造式(6a-3)で表される分岐構造)が多く含まれるポリリン酸トリメチルシリルであると推定される。
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表15-2に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(6)で表されるリン原子含有化合物(6)としてポリリン酸トリメチルシリル(化合物M2)を表15-2に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-2に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-2に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表15-2に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、ポリリン酸トリメチルシリル(化合物M2)を表15-2に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-2に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にポリリン酸トリメチルシリル(化合物M2)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にポリリン酸トリメチルシリルを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。また、理由は不明であるが、ポリリン酸トリメチルシリルの中でも、31P-NMR分析によりPbピークが確認された合成物(化合物M2)は、Pbピークが確認されなかったシグマ アルドリッチ製試薬(化合物M)よりも自己放電がより一層抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例5と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、ポリリン酸トリメチルシリル添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~5、実施例2~8を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にポリリン酸トリメチルシリルを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、ポリリン酸トリメチルシリルを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがポリリン酸トリメチルシリルの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、ポリリン酸トリメチルシリルを含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果とがより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成でのポリリン酸トリメチルシリル添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのポリリン酸トリメチルシリル添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
(ポリリン酸トリメチルシリルの合成)
五酸化二リン1.553gを溶媒のトルエン10mLに分散させ、撹拌しながらヘキサメチレンジシロキサン1.710gを徐々に滴下した後、室温で1日程度撹拌した。その後、溶媒を留去することにより、ポリリン酸トリメチルシリル(化合物M3)を合成した。
合成されたポリリン酸トリメチルシリル(化合物M3)を31P―NMRで前記と同様に分析したところ、ケミカルシフト-28ppm~-33ppmに出現するピーク(Pt)と、-35ppm~-41ppmに出現するピーク(Pm)と、-41ppm~-45ppmに出現するピーク(Pb)との3ピークが確認された。3ピークの積分比はPt:Pm:Pb=1.00:6.51:0.81であった。この分析結果から、化合物M3は、分岐構造(上記構造式(6a-3)で表される分岐構造)が多く含まれるポリリン酸トリメチルシリルであると推定される。
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表15-3に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(6)で表されるリン原子含有化合物(6)としてポリリン酸トリメチルシリル(化合物M3)を表15-3に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-3に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-3に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表15-3に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、ポリリン酸トリメチルシリル(化合物M3)を表15-3に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-3に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にポリリン酸トリメチルシリル(化合物M3)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にポリリン酸トリメチルシリルを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。また、理由は不明であるが、ポリリン酸トリメチルシリルの中でも、31P-NMR分析によりPbピークが確認された合成物(化合物M3)は、Pbピークが確認されなかったシグマ アルドリッチ製試薬(化合物M)よりも自己放電がより一層抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例5と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、ポリリン酸トリメチルシリル添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~5、実施例2~8を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にポリリン酸トリメチルシリルを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、ポリリン酸トリメチルシリルを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがポリリン酸トリメチルシリルの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、ポリリン酸トリメチルシリルを含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果とがより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成でのポリリン酸トリメチルシリル添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのポリリン酸トリメチルシリル添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
(ポリリン酸エチルの合成)
五酸化二リン10g、溶媒のクロロホルム10g及びジエチルエーテル20gを試験管に入れ、3日間、900rpm、35℃で攪拌した。その後、エバポレーターで溶媒を留去し、24時間真空乾燥を行うことにより、ポリリン酸エチル(化合物T)を合成した。
合成されたポリリン酸エチル(化合物T)を31P―NMRで前記と同様に分析したところ、ケミカルシフト-12ppm~-15ppmに出現するピーク(Pt)と、-25ppm~-31ppmに出現するピーク(Pm)と、-39ppm~-46ppmに出現するピーク(Pb)との3ピークが確認された。3ピークの積分比はPt:Pm:Pb=1.00:3.59:0.42であった。この分析結果から、化合物Tは、分岐構造(上記構造式(6a-3)で表される分岐構造)が多く含まれるポリリン酸エチルであると推定される。
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表15-4に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(6)で表されるリン原子含有化合物(6)としてポリリン酸エチル(化合物T)を表15-4に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-4に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-4に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表15-4に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、ポリリン酸エチル(化合物T)を表15-4に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-4に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にポリリン酸エチル(化合物T)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にポリリン酸エチルを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例5と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、ポリリン酸エチル添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇抑制効果が高いことが分かった。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがポリリン酸エチルの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、ポリリン酸エチルを含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果とがより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成でのポリリン酸エチル添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのポリリン酸エチル添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
(ポリリン酸(トリイソプロピルシリル)の合成)
テトラヒドロフラン30mLに臭化インジウム(III)0.53gを溶解させた後にトリイソプロピルシラン4.75gを加え、室温にて1日撹拌し、反応を行った。反応後の溶液にヘキサン30mLを加えて静置すると2層に分離した。分液回収した上層を減圧濃縮して無色の液体であるヘキサイソプロピルジシロキサン4.01gを得た。続いて、ジクロロメタン10mLに五酸化リン1.55gと前記で得られたヘキサイソプロピルジシロキサン1.70gを加え、35℃で3日間撹拌し、反応を行った。反応後の溶液をろ過し、減圧濃縮することにより、粘稠性の液体としてポリリン酸(トリイソプロピルシリル)2.10g(化合物W)を合成した。
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表15-5に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(6)で表されるリン原子含有化合物(6)としてポリリン酸(トリイソプロピルシリル)(化合物W)を表15-5に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-5に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-5に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表15-5に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、ポリリン酸(トリイソプロピルシリル)(化合物W)を表15-5に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-5に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にポリリン酸(トリイソプロピルシリル)(化合物W)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にポリリン酸(トリイソプロピルシリル)を添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例5と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、ポリリン酸(トリイソプロピルシリル)添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇抑制効果が高いことが分かった。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがポリリン酸エチルの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、ポリリン酸(トリイソプロピルシリル)を含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果とがより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成でのポリリン酸(トリイソプロピルシリル)添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのポリリン酸エチル添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
(ポリリン酸[(tert-ブチル)ジメチルシリル]の合成)
実施例5-2(5)シリーズにおいて、ポリリン酸(トリイソプロピルシリル)(化合物W)の合成時に用いたトリイソプロピルシランをtert-ブチルジメチルシランに変更したこと以外は当該合成時と同様の手順を行うことにより、ポリリン酸[(tert-ブチル)ジメチルシリル](化合物X)を合成した。
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表15-6に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(6)で表されるリン原子含有化合物(6)としてポリリン酸[(tert―ブチル)ジメチルシリル](化合物X)を表15-6に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-6に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-6に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表15-6に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、ポリリン酸[(tert-ブチル)ジメチルシリル](化合物X)を表15-6に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表15-6に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にポリリン酸[(tert-ブチル)ジメチルシリル](化合物X)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にポリリン酸[(tert―ブチル)ジメチルシリル]を添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例5と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、ポリリン酸[(tert-ブチル)ジメチルシリル]添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇抑制効果が高いことが分かった。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがポリリン酸[(tert-ブチル)ジメチルシリル]の添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、ポリリン酸[(tert-ブチル)ジメチルシリル]を含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果とがより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成でのポリリン酸[(tert-ブチル)ジメチルシリル]添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのポリリン酸[(tert-ブチル)ジメチルシリル]添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~8]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表16に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(8)で表されるリン原子含有化合物(8)としてリン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N、東京化成工業(株)製)を表16に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表16に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表16に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表16に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表16に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表16に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表16に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9~11では、前記で得られた溶液に、リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)をそれぞれ表16に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例12では、前記で得られた溶液に、ポリリン酸トリメチルシリル(化合物M)を表16に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表16に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表16に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表16に示す。
・同じ塩組成の比較例2~3と比較例10~11との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にリン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・実施例1~7と比較例10~11との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、リン酸トリス(トリメチルシリル)を含む電解液にCO2を溶存させることで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されると共に、インピーダンス及びDCRがさらに低減することが分かった。比較例1~3比較例9~11を比較するとリン酸トリス(トリメチルシリル)のみを添加しても自己放電抑制効果はないことがわかった。
・比較例1~3、比較例9~11、実施例2~7を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にリン酸トリス(トリメチルシリル)を添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、リン酸トリス(トリメチルシリル)を添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。またCO2を溶存させると低温電析が抑制されることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがリン酸トリス(トリメチルシリル)の添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・インピーダンス及びDCR低減効果、自己放電抑制効果並びに低温電析抑制効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3,8及び比較例8の比較により、リン酸トリス(トリメチルシリル)を含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の比較例11と比較例12との比較により、リン酸トリス(トリメチルシリル)を含む電解液に、ポリリン酸トリメチルシリル(化合物M)をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが低減し、自己放電も抑制されることが分かった。
・同じ塩組成でのリン酸トリス(トリメチルシリル)添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのリン酸トリス(トリメチルシリル)添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4,10]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表17に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(7)で表されるリン原子含有化合物(7)として亜リン酸トリメチル(化合物O、東京化成工業(株)製)を表17に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例10では、前記で得られた溶液に、一般式(8)で表されるリン原子含有化合物(8)としてリン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)を表17に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表17に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例9では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表17に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。実施例11では、前記で得られた溶液に、リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)を表17に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表17に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表17に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表17に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表17に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表17に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9~11では、前記で得られた溶液に、リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)をそれぞれ表17に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例12では、前記で得られた溶液に、亜リン酸トリメチル(化合物O)を表17に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表17に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表17に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表17に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液に亜リン酸トリメチル(化合物O)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液に亜リン酸トリメチルを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例9と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、亜リン酸トリメチル添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~3、比較例9、12、実施例2~7を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成に亜リン酸トリメチルを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、亜リン酸トリメチルを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、負極の劣化が抑制されていることがわかる。またCO2を溶存させると低温電析が抑制されることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうが亜リン酸トリメチルの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、亜リン酸トリメチルを含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果とがより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例5,9及び比較例8の比較により、亜リン酸トリメチルを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・実施例3、5,10,11の比較により、亜リン酸トリメチルを含む電解液に、リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRがさらに低減することが分かった。
・同じ塩組成での亜リン酸トリメチル添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成での亜リン酸トリメチル添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4,10]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表18に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(7)で表されるリン原子含有化合物(7)として亜リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物P、東京化成工業(株)製)を表18に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例10では、前記で得られた溶液に、一般式(8)で表されるリン原子含有化合物(8)としてリン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)を表18に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表18に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例9では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表18に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。実施例11では、前記で得られた溶液に、ポリリン酸トリメチルシリル(化合物M)を表18に示す含有量となるようにさらに添加した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表18に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表18に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表18に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表18に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表18に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9~11では、前記で得られた溶液に、リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)をそれぞれ表18に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例12では、前記で得られた溶液に、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物P)を表18に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表18に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表18に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表18に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液に亜リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物P)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液に亜リン酸トリス(トリメチルシリル)を添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例12と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~3、比較例9、12、実施例2~7を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成に亜リン酸トリス(トリメチルシリル)を添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)を添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。またCO2を溶存させると低温電析が抑制されることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうが亜リン酸トリス(トリメチルシリル)の添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)を含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果とがより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・実施例3、5,10,11の比較により、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)を含む電解液に、リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)又はポリリン酸トリメチルシリル(化合物M)をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRがさらに低減することが分かった。・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の実施例5,9及び比較例8の比較により、亜リン酸トリス(トリメチルシリル)を含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成での亜リン酸トリス(トリメチルシリル)添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成での亜リン酸トリス(トリメチルシリル)添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~9]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表19に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(9)で表されるボロキシン化合物(9)として2,4,6-トリメトキシボロキシン(Bx(OMe)3、化合物Q、東京化成工業(株)製)を表19に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表19に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表19に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表19に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表19に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表19に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表19に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9~11では、前記で得られた溶液に、2,4,6-トリメトキシボロキシン(化合物Q)をそれぞれ表19に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例12では、前記で得られた溶液に、リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)を表19に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表19に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表19に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表19に示す。
・同じ塩組成の比較例2~3と比較例10~11との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液に2,4,6-トリメトキシボロキシン(化合物Q)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・実施例1~7と比較例10~11との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、2,4,6-トリメトキシボロキシンを含む電解液にCO2を溶存させることで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されると共に、インピーダンス及びDCRがさらに低減することが分かった。比較例1~3比較例9~11を比較すると2,4,6-トリメトキシボロキシンのみを添加しても自己放電抑制効果は不十分であることがわかった。
・比較例1~3、比較例9~11、実施例2~7を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成に2,4,6-トリメトキシボロキシンを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、2,4,6-トリメトキシボロキシンを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。またCO2を溶存させるとさらに低温電析が抑制されることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうが2,4,6-トリメトキシボロキシンの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・インピーダンス及びDCR低減効果、自己放電抑制効果並びに低温電析抑制効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3,8及び比較例8の比較により、2,4,6-トリメトキシボロキシンを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の比較例11と比較例12との比較により、2,4,6-トリメトキシボロキシンを含む電解液に、リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが低減することが分かった。
・同じ塩組成での2,4,6-トリメトキシボロキシン添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成での2,4,6-トリメトキシボロキシン添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。また、DCR上昇率抑制効果は、CO2溶存により、さらに高まることが分かった。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~9]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表20に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(9)で表されるボロキシン化合物(9)として2,4,6-トリイソプロポキシボロキシン(Bx(OiPr)3、化合物R、東京化成工業(株)製)を表20に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表20に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表20に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表20に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表20に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表20に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表20に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9~11では、前記で得られた溶液に、2,4,6-トリイソプロポキシボロキシン(化合物R)をそれぞれ表20に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例12では、前記で得られた溶液に、リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)を表20に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表20に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表20に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表20に示す。
・同じ塩組成の比較例2~3と比較例10~11との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液に2,4,6-トリイソプロポキシボロキシン(化合物R)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・実施例1~7と比較例10~11との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、2,4,6-トリイソプロポキシボロキシンを含む電解液にCO2を溶存させることで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されると共に、インピーダンス及びDCRがさらに低減することが分かった。比較例1~3比較例9~11を比較すると2,4,6-トリイソプロポキシボロキシンのみを添加しても自己放電抑制効果は不十分であることがわかった。
・比較例1~3、比較例9~11、実施例2~7を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成に2,4,6-トリイソプロポキシボロキシンを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、2,4,6-トリイソプロポキシボロキシンを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。またCO2を溶存させるとさらに低温電析が抑制されることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうが2,4,6-トリイソプロポキシボロキシンの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・インピーダンス及びDCR低減効果、自己放電抑制効果並びに低温電析抑制効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の実施例3,8及び比較例8の比較により、2,4,6-トリイソプロポキシボロキシンを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の比較例11と比較例12との比較により、2,4,6-トリイソプロポキシボロキシンを含む電解液に、リン酸トリストリメチルシリルをさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが低減することが分かった。
・同じ塩組成での2,4,6-トリイソプロポキシボロキシン添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成での2,4,6-トリイソプロポキシボロキシン添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。また、DCR上昇率抑制効果は、CO2溶存により、さらに高まることが分かった。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~9]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表21に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(9)で表されるボロキシン化合物(9)として2,4,6-トリフェニルボロキシン(Bx(OcHx)3、化合物S、東京化成工業(株)製)を表21に示す含有量となるように添加し、1日撹拌することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。なお、実施例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表21に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表21に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表21に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB、東京化成工業(株)製)を表21に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例6では、前記で得られた溶液に、フルオロオキサラト化合物(13)としてリチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB、東京化成工業(株)製)を表21に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例8では、前記で得られた溶液に、硝酸化合物(12)として硝酸リチウム(LiNO3、東京化成工業(株)製)を表21に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌後にメンブレンフィルタでろ過することにより非水電解液を調製した。比較例9~11では、前記で得られた溶液に、2,4,6-トリフェニルボロキシン(化合物S)をそれぞれ表21に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。比較例12では、前記で得られた溶液に、リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)を表21に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表21に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩を表21に示す濃度となるように溶解することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られたリファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表21に示す。
・同じ塩組成の比較例2~3と比較例10~11との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液に2,4,6-トリフェニルボロキシン(化合物S)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・実施例1~7と比較例10~11との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、2,4,6-トリフェニルボロキシンを含む電解液にCO2を溶存させることで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されると共に、インピーダンス及びDCRがさらに低減することが分かった。比較例1~3比較例9~11を比較すると2,4,6-トリフェニルボロキシンのみを添加しても自己放電抑制効果は不十分であることがわかった。
・比較例1~3、比較例9~11、実施例2~7を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成に2,4,6-トリフェニルボロキシンを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電により負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、2,4,6-トリフェニルボロキシンを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。またCO2を溶存させるとさらに低温電析が抑制されることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうが2,4,6-トリフェニルボロキシンの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・インピーダンス及びDCR低減効果、自己放電抑制効果並びに低温電析抑制効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・CO2溶存による自己放電抑制効果がLiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが高い理由については、充電時に正負極に形成されるFSIのアニオン成分による被膜と、CO2による炭酸リチウム成分による被膜との形成順位などが関係していると考えられる。
・同じ塩組成の実施例3,8及び比較例8の比較により、2,4,6-トリフェニルボロキシンを含む電解液に、LiNO3をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが顕著に低減することが分かった。一方、自己放電が増大するものの、当該電解液にCO2を溶存させることで、LiNO3添加に起因する自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の比較例11と比較例12との比較により、2,4,6-トリフェニルボロキシンを含む電解液に、リン酸トリス(トリメチルシリル)(化合物N)をさらに添加することで、インピーダンス及びDCRが低減することが分かった。
・同じ塩組成での2,4,6-トリフェニルボロキシン添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成での2,4,6-トリフェニルボロキシン添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。また、DCR上昇率抑制効果は、CO2溶存により、さらに高まることが分かった。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
[実施例1~4]
電解液溶媒としてエチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)組成の混合溶媒(キシダ化学(株)製)に、LiFSI((株)日本触媒製)及びLiPF6(ステラケミファ(株)製)を含む混合塩組成の電解質塩をそれぞれ表22に示す濃度となるように溶解した。前記で得られた溶液に、一般式(14)で表されるケイ素原子含有化合物(14)としてテトラキス(トリメチルシリル)シラン(化合物Y、東京化成工業(株)製)を表22に示す含有量となるように添加し、1日撹拌し、不溶分をろ過することにより非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表22に示す。
前記と同様にして非水電解液(リファレンス電解液)を調製した。続いて、前記で得られた各リファレンス電解液を用い、前記と同様にして溶存工程を行った。得られたCO2溶存電解液を用い、前記と同様にしてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表22に示す。
前記と同じ混合溶媒に、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解質塩、又はLiPF6のみを含む単体塩組成の電解質塩をそれぞれ表22に示す濃度となるように溶解した。比較例1~4では、前記で得られた溶液を非水電解液(リファレンス電解液)として用いた。比較例5では、前記で得られた溶液に、テトラキス(トリメチルシリル)シラン(化合物Y)を表22に示す含有量となるようにさらに添加し、1日攪拌することにより非水電解液を調製した。続いて、電解液の溶存工程を行わなかったこと以外は前記と同様にして、前記で得られた各リファレンス電解液を用いてセルを作製し、セルの評価を行った。その結果を表22に示す。
・実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、インピーダンス及びDCR(初期DCR、300サイクル後DCR及び60℃4週耐久後DCR)は低減するものの、電解液にテトラキス(トリメチルシリル)シラン(化合物Y)を添加することで、前記の低減効果が顕著になることが分かった。
・また、実施例1~4と比較例2~4との比較により、LiFSIの濃度に依存して、保存前後のOCV差(ΔV)が大きい、即ち自己放電が増大するものの、電解液にテトラキス(トリメチルシリル)シランを添加することで、保存前後のOCV差(ΔV)が小さい、即ち自己放電が抑制されることが分かった。
・同じ塩組成の実施例2~4と比較例2~4との比較、及び同じ塩組成の比較例5と比較例1との比較により、LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成は、LiPF6のみを含む単体塩組成よりも、テトラキス(トリメチルシリル)シラン添加によるインピーダンス低減効果、自己放電抑制効果及びDCR上昇抑制効果が高いことが分かった。
・比較例1~5、実施例2~8を比較すると、LiFSI濃度に依存し、低温サイクル後の電析量が減少しており、低温充電による負極の劣化が低減することがわかる。LiPF6のみを含む単体塩組成にテトラキス(トリメチルシリル)シランを添加すると低温サイクル中に負極へのリチウム電析が増加し、低温充電による負極の劣化が進んでいることがわかる。LiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成では、テトラキス(トリメチルシリル)シランを添加することで低温サイクル後の電析量が減少し、低温充電による負極の劣化が抑制されていることがわかる。
・これらLiPF6のみを含む単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成のほうがテトラキス(トリメチルシリル)シランの添加効果が高い理由については、LiFSIのアニオン成分由来の被膜が正負極界面に形成されるため、LiFSIの溶解性が高いことから低温での電解液粘度が低減されるため等が考えられる。
・同じ塩組成の実施例3と実施例5~8との比較により、テトラキス(トリメチルシリル)シランを含む電解液に、CO2を溶存させることで、インピーダンス及びDCR低減効果と自己放電抑制効果とがより一層高くなることが分かった。また、これら効果は、電解液中のCO2溶存量が10質量ppm超過(例えば20質量ppm以上)であるときに顕著になることが分かった。
・CO2溶存によりこれら効果が改善する理由は、正負極にCO2由来の被膜が形成されることで保存中の正極へのリチウムイオンインターカレント(インターカレーション(挿入)反応)が抑制されること、正極での副反応が抑制されること、負極への低温充電受入性が改善されること等が考えられる。
・同じ塩組成でのテトラキス(トリメチルシリル)シラン添加による60℃4週耐久後のDCR上昇率を比較すると、LiPF6単体塩組成よりもLiFSI及びLiPF6を含む混合塩組成の電解液のほうが顕著に低く、DCR上昇率抑制効果が高いことが分かった。これは、同じ塩組成でのテトラキス(トリメチルシリル)シラン添加による300サイクル後のDCR上昇率も同様である。この理由も正負極へのLiFSIのアニオン被膜が形成されるためと考えられる。
Claims (7)
- 電解質としてLiN(FSO2)2と、
添加剤として一般式(14)で表されるケイ素原子含有化合物、一般式(3)で表されるホウ素原子含有化合物、一般式(5)で表される硫黄原子含有化合物、及び一般式(6)で表されるリン原子含有化合物からなる群より選択される少なくとも一種とを含む、非水電解液。
Si(R5)4 (14)
(式(14)中、R5は炭素数1~6のアルキル基(置換基を有していてもよい)、炭素数1~6のフルオロアルキル基(置換基を有していてもよい)、アリール基(置換基を有していてもよい)、シリル基(置換基を有していてもよい)、アルカリ金属原子、オニウム塩又は水素原子を示す。4つのR5は同一の基である。)
B(OR6)3 (3)
(式(3)中、R6はR5と同じものを示す。)
{S(=O)2(R5)y}x(OR6)x(2-y) (5)
(式(5)中、R5及びR6は同一又は異なって前記と同じものを示し、xは1又は2の整数を示し、yは0又は1の整数を示す。なお、xが2且つyが1のとき(OR6)2は(-O-R6-O-)であり、式(5)はS(=O)2(R5)-O-R6-O-S(=O)2(R5)を示す。)
[-P(=O)(OR6)O-]n (6)
(式(6)中、R6は前記と同じものを示す。nは重合度を示す。) - 二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、炭酸水素イオン(HCO3 -)及び炭酸イオン(CO3 2-)の少なくとも一種を溶存している、請求項1に記載の非水電解液。
- 電解質としてLiN(FSO2)2と、
添加剤として一般式(14)で表されるケイ素原子含有化合物、一般式(3)で表されるホウ素原子含有化合物、一般式(5)で表される硫黄原子含有化合物、一般式(6)で表されるリン原子含有化合物、一般式(7)で表されるリン原子含有化合物、一般式(8)で表されるリン原子含有化合物、及び一般式(9)で表されるボロキシン化合物からなる群より選択される少なくとも一種とを含み、
二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、炭酸水素イオン(HCO3 -)及び炭酸イオン(CO3 2-)の少なくとも一種を溶存している、非水電解液。
Si(R5)4 (14)
(式(14)中、R5は炭素数1~6のアルキル基(置換基を有していてもよい)、炭素数1~6のフルオロアルキル基(置換基を有していてもよい)、アリール基(置換基を有していてもよい)、シリル基(置換基を有していてもよい)、アルカリ金属原子、オニウム塩又は水素原子を示す。4つのR5は同一の基である。)
B(OR6)3 (3)
(式(3)中、R6はR5と同じものを示す。)
{S(=O)2(R5)y}x(OR6)x(2-y) (5)
(式(5)中、R5及びR6は同一又は異なって前記と同じものを示し、xは1又は2の整数を示し、yは0又は1の整数を示す。なお、xが2且つyが1のとき(OR6)2は(-O-R6-O-)であり、式(5)はS(=O)2(R5)-O-R6-O-S(=O)2(R5)を示す。)
[-P(=O)(OR6)O-]n (6)
(式(6)中、R6は前記と同じものを示す。nは重合度を示す。)
P(OR6)3 (7)
(式(7)中、R6は前記と同じものを示す。)
P(=O)(OR6)3 (8)
(式(8)中、R6は同一に炭素数1~6のトリアルキルシリル基(置換基を有していてもよい)を示す。)
(式(9)中、R7は同一又は異なって炭素数1~6のアルキル基(置換基を有していてもよい)、炭素数1~6のフルオロアルキル基(置換基を有していてもよい)又はシクロアルキル基(置換基を有していてもよい)を示す。) - 前記二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、炭酸水素イオン(HCO3 -)及び炭酸イオン(CO3 2-)の少なくとも一種の合計溶存量が20質量ppm以上である、請求項2又は3に記載の非水電解液。
- 前記電解質が、一般式(10)で表される化合物、一般式(11)で表される化合物及びLiAsF6からなる群より選択される少なくとも一種をさらに含む、請求項1又は3に記載の非水電解液。
LiPFa(CmF2m+1)6-a (a:0≦a≦6、m:1≦m≦4) (10)
LiBFb(CnF2n+1)4-b (b:0≦b≦4、n:1≦n≦4) (11) - 一般式(12)で表される化合物及び一般式(13)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種をさらに含む、請求項1又は3に記載の非水電解液。
M1NO3 (M1:アルカリ金属元素を示す。) (12)
(一般式(13)中、M3:B又はP、Af+:金属イオン、H又はオニウムイオン、f:1≦f≦3、g:1≦g≦3、h:g/f、i:1≦i≦3、j:0≦j≦4、k:0又は1、R3:炭素数1~10のアルキレン基又は炭素数1~10のハロゲン化アルキレン基、R4:F又は炭素数1~10のフッ素化アルキル基、T1、T2:それぞれ独立にO又はSを示す。) - 請求項1~3のいずれか一項に記載の非水電解液が用いられてなる二次電池。
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