以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1(a)及び図1(b)は、第1実施形態に係る電子機器の一例である撮像装置1000の斜視図である。図1(a)は、撮像装置1000を液晶画面1301の側から見た撮像装置1000の斜視図である。図1(b)は、撮像装置1000をレンズ鏡筒1302の側から見た撮像装置1000の斜視図である。撮像装置1000は、デジタルカメラであり、静止画及び/又は動画を撮像する機能を有する。撮像装置1000は、外装ケースである筐体1001と、筐体1001に設けられた液晶画面1301と、筐体1001に設けられたグリップ1304とを有する。グリップ1304には、シャッターボタン1303が設けられている。筐体1001には、レンズ鏡筒1302が着脱可能となっている。
筐体1001の内部には、スロット702Aを有するメモリコネクタ702が配置されている。メモリコネクタ702のスロット702Aには、SDカードやCFカードといったメモリであるメモリカードM1が着脱可能となっている。筐体1001から不図示の蓋を取り外すことで、メモリコネクタ702のスロット702Aが筐体1001の外部に露出する。メモリカードM1をスロット702Aに差し込むことで、撮像により得られた画像データをメモリカードM1に書き込んだり、メモリカードM1に書き込まれた画像データを読み出したりすることができる。
図2(a)及び図2(b)は、第1実施形態に係る撮像装置1000における筐体1001の内部に配置された内部構造である装置本体1500を示す斜視図である。図3は、第1実施形態に係る装置本体1500のブロック図である。撮像装置1000は、筐体1001と、筐体1001の内部に配置された装置本体1500とを備える。図2(a)は、図1(a)と同じ方向から装置本体1500を見た斜視図であり、図2(b)は、図1(b)と同じ方向から装置本体1500を見た斜視図である。
装置本体1500は、撮像ユニット100と、画像処理ユニット300と、無線通信ユニット500と、アクセサリユニット700と、を有する。画像処理ユニット300は、撮像ユニット100、無線通信ユニット500、及びアクセサリユニット700と互いに通信可能に電気的に接続されている。
筐体1001の内部には、樹脂又は金属で構成された支持部材1008が配置されており、撮像ユニット100、画像処理ユニット300、無線通信ユニット500、及びアクセサリユニット700は、支持部材1008に支持されている。撮像ユニット100は、支持部材1008に対して図1(b)に示すレンズ鏡筒1302の側に配置されている。画像処理ユニット300は、支持部材1008にねじなどの固定部材1005で固定されている。
撮像ユニット100は、第1配線板の一例であるリジッド配線板101と、リジッド配線板101に実装されたイメージセンサ102と、リジッド配線板101に実装されたコネクタ103と、を備える。リジッド配線板101は、プリント配線板、即ちリジッドプリント配線板である。イメージセンサ102は、電子部品の一例である半導体装置である。イメージセンサ102は、CMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサなどのイメージセンサである。イメージセンサ102は、入射された光像を光電変換して、撮像画像を示すデジタル信号であるデータ信号を出力する。コネクタ103は、イメージセンサ102にリジッド配線板101の配線で電気的に接続されている。
画像処理ユニット300は、配線板の一例であるリジッド配線板301と、リジッド配線板301に実装された画像処理IC302と、を有する。リジッド配線板301は、プリント配線板、即ちリジッドプリント配線板である。画像処理IC302は、電子部品の一例である半導体装置である。また、画像処理ユニット300は、リジッド配線板301に実装された、画像処理IC302にリジッド配線板301の配線で電気的に接続されたコネクタ303,304,305を有する。
無線通信ユニット500は、PC又は無線ルータなどの外部機器と無線通信可能なものである。無線通信ユニット500は、配線板の一例であるリジッド配線板501と、リジッド配線板501に実装された無線通信IC502と、を有する。リジッド配線板501は、プリント配線板、即ちリジッドプリント配線板である。リジッド配線板501は、導体パターンなどで構成されたアンテナ503を有する。また、無線通信ユニット500は、リジッド配線板501に実装された、無線通信IC502とリジッド配線板501の配線で電気的に接続されたコネクタ504を有する。
無線通信IC502は、アンテナ503を介して外部機器とデータの送信及び/又は受信が可能なICである。例えば、無線通信IC502は、画像データを示すデジタル信号を変調し、アンテナ503から無線規格の通信周波数の電波として送信する。また、例えば、無線通信IC502は、アンテナ503にて受信された電波を、画像データを示すデジタル信号に復調する。通信周波数は、1GHz以上の周波数であるGHz帯の周波数、例えば2GHz帯又は5GHz帯の周波数である。ここで、2GHz帯とは2.4GHz以上2.5GHz以下の範囲の周波数のことである。また、5GHz帯とは5.2GHz以上5.8GHz以下の範囲の周波数のことである。
無線通信ユニット500、即ち無線通信IC502は、無線通信規格に準拠して外部機器と無線通信するよう構成されている。無線通信規格は、例えばWiFi(登録商標)の規格又はBluetooth(登録商標)の規格である。
アクセサリユニット700は、配線板の一例であるリジッド配線板701と、リジッド配線板701に実装された上述のメモリコネクタ702と、を有する。リジッド配線板701は、プリント配線板、即ちリジッドプリント配線板である。また、アクセサリユニット700は、リジッド配線板701に実装された、メモリコネクタ702とリジッド配線板701の配線で電気的に接続されたコネクタ703を有する。
撮像ユニット100と画像処理ユニット300とは、第2配線板の一例であるフレキシブル配線板200により互いに通信可能に接続されている。フレキシブル配線板200は、プリント配線板、即ちフレキシブルプリント配線板である。画像処理ユニット300と無線通信ユニット500とは、ハーネス400により互いに通信可能に接続されている。画像処理ユニット300とアクセサリユニット700とは、ハーネス600により互いに通信可能に接続されている。撮像ユニット100のコネクタ103には、フレキシブル配線板200の長手方向の第1端が装着され、画像処理ユニット300のコネクタ303には、フレキシブル配線板200の長手方向の第2端が装着される。画像処理ユニット300のコネクタ304には、ハーネス400の長手方向の第1端が装着され、無線通信ユニット500のコネクタ504には、ハーネス400の長手方向の第2端が装着される。画像処理ユニット300のコネクタ305には、ハーネス600の長手方向の第1端が装着され、アクセサリユニット700のコネクタ703には、ハーネス600の長手方向の第2端が装着される。なお、ハーネス400はフレキシブルプリント配線板であってもよいし、ハーネス600はフレキシブルプリント配線板であってもよい。
第1実施形態では、図3に示すように、撮像ユニット100、画像処理ユニット300、及びフレキシブル配線板200を有して通信モジュール800が構成されている。撮像ユニット100は、第1電子ユニットの一例であり、画像処理ユニット300は、第2電子ユニットの一例である。撮像ユニット100と画像処理ユニット300とは、デジタル信号でデータ伝送を行うように、フレキシブル配線板200で接続されている。例えば、撮像ユニット100のイメージセンサ102は、画像処理ユニット300の画像処理IC302にデータ信号であるデジタル信号を、フレキシブル配線板200を介して送信可能である。
撮像ユニット100と画像処理ユニット300との間でフレキシブル配線板200を通じて通信されるデータ信号は、1Gbps以上の伝送レートのデジタル信号である。データ信号は、第1実施形態では画像データのデジタル信号である。フレキシブル配線板200を介して伝送されるデジタル信号は、シングルエンド信号及び差動信号のいずれであってもよいが、シングルエンド信号よりも高速な伝送が可能となる差動信号であるのが好ましい。第1実施形態では、撮像ユニット100から画像処理ユニット300へフレキシブル配線板200を介して伝送されるデジタル信号は、差動信号である。
画像処理IC302は、イメージセンサ102から撮像画像を示す電気信号であるデジタル信号を取得して画像処理を行うことができる。また、画像処理IC302は、画像データをメモリカードM1に書き込む処理、及びメモリカードM1から画像データを読み出す処理を行うことができる。更に、画像処理IC302は、無線通信IC502から画像データを取得する処理、及び無線通信IC502に画像データを送る処理を行うことができる。
フレキシブル配線板200は、データ信号の伝送に用いる信号線、即ちデータ信号線を含んでいる。更に、フレキシブル配線板200は、データ信号線以外の配線、例えば制御線、電源線及びグラウンド線といった配線を含んでいてもよい。なお、データ信号線で伝送されるデータ信号には、別の信号が付加されていてもよい。別の信号は、例えば同期信号である。
図4は、第1実施形態に係る装置本体1500の一部の概略構成を示す説明図である。フレキシブル配線板200を用いてデジタル信号を伝送する際、フレキシブル配線板200からノイズが放射されるのを低減する、又はデジタル信号に外来のノイズが重畳するのを低減するため、フレキシブル配線板200はシールド部材210を含んでいる。リジッド配線板101の主面101Aには、イメージセンサ102(図2(b))及びコネクタ103が実装されている。コネクタ103には、フレキシブル配線板200が装着される。ここで、主面101Aに垂直な方向をZ方向とする。Z方向と交差する方向を、X方向及びY方向とする。X方向及びY方向は、Z方向と直交するのが好適である。また、Y方向は、X方向と交差する方向であり、X方向と直交するのが好適である。
図5(a)は、第1実施形態に係るリジッド配線板101の一部と接続構造を示す平面図である。図5(b)は、第1実施形態に係るフレキシブル配線板200の一部と接続構造を示す平面図である。図5(c)は、第1実施形態に係るリジッド配線板101、フレキシブル配線板200及び接続構造の断面図である。図5(c)には、図5(a)及び図5(b)に示すVC-VC線に沿う断面を模式的に図示している。
リジッド配線板101は、少なくとも1つの導体層、第1実施形態では導体層1011を有するプリント配線板である。導体層は、導体パターンが配置される層である。導体層1011は、外層、即ち表層である。導体層1011は、図4に示す主面101Aと対応する。
導体層1011上には、ソルダーレジスト105が配置されている。リジッド配線板101は、絶縁基板である絶縁体110と、複数の信号線111と、グラウンド線120とを有する。第1実施形態では、信号線111の数は6である。各信号線111及びグラウンド線120は、導電性を有する部材、即ち金属で構成されている。各信号線111の一部又は全部は導体層1011に配置されている。また、グラウンド線120の一部又は全部は導体層1011に配置されている。グラウンド線120には、各部の基準となるグラウンド電位が印加される。例えば、グラウンド線120には、不図示のバッテリのマイナス極が電気的に接続される。
各信号線111は、第1信号線である。各信号線111は、導体層1011に配置された、配線方向である長手方向に延びる導体パターン1111を含む。導体パターン1111は、第1導体パターンの一例であり、第1信号パターンの一例である。グラウンド線120は、第1グラウンド線である。グラウンド線120は、導体層1011に配置された、ベタの導体パターン1200を含む。導体パターン1200は、第1グラウンドパターンの一例である。複数の信号線111のうち、互いに隣接する2つの信号線111で、差動信号を伝送する伝送路である差動ペア配線が構成されている。第1実施形態では、6つの信号線111によって、3組の差動ペア配線が構成されている。
フレキシブル配線板200の長手方向の第1端は、図5(b)及び図5(c)の例ではX方向の端部231である。フレキシブル配線板200の端部231は、コネクタ103に装着される。フレキシブル配線板200は、絶縁体205を介して厚み方向、図2(c)の例ではZ方向に間隔をあけて配置された2つの導体層201,202を有する2層のフレキシブルプリント配線板である。つまり、導体層201と導体層202とは、絶縁体205を挟んでZ方向に隣接して配置されている。
導体層201は、第1層の一例であり、導体層202は、第2層の一例である。導体層202は、導体層201とは異なる、別の導体層である。フレキシブル配線板200は、導体層201に配置された、複数の信号線212と、少なくとも1つのグラウンド線とを有する。第1実施形態では、少なくとも1つのグラウンド線は複数のグラウンド線220である。また、第1実施形態では、信号線212の数は、信号線111と同じ数の6ある。6つの信号線212で3組の差動ペア配線が構成されている。グラウンド線220の数は2である。各信号線212及び各グラウンド線220は、導電性を有する部材、即ち金属で構成されている。
各信号線212は、第2信号線である。各信号線212は、長手方向に延びる導体パターンの一例であり、第2信号パターンの一例である。各グラウンド線220は、第2グラウンド線である。各グラウンド線220は、長手方向に延びる導体パターンの一例であり、第2グラウンドパターンの一例である。
複数の信号線212と複数のグラウンド線220とは、所定方向、図5(b)に示す例ではY方向に間隔をあけて配置されている。即ち、図5(b)に示す例では、所定方向はY方向である。また、所定方向は、フレキシブル配線板200の幅方向、即ち複数の信号線212の各々の幅方向でもある。よって信号線212のY方向の長さとは、信号線212のY方向の幅ともいえる。
また、複数の信号線212と複数のグラウンド線220とは、長手方向、図5(b)に示す例ではX方向に延びて形成されている。6つの信号線212は、Y方向に互いに間隔をあけた状態で互いに隣接して配置されている。2つのグラウンド線220は、Y方向において6つの信号線212を挟むように、Y方向の両端に位置する2つの信号線212とそれぞれ間隔をあけて配置されている。なお、信号線212及びグラウンド線220の配列順は、これに限定されるものではない。例えば差動ペア配線と差動ペア配線との間などの複数の信号線212の間に、グラウンド線が配置されていてもよい。この場合の差動ペア配線とは、互いに隣接する一対の信号線212である。
導体層202には、シールド部材210が配置されている。シールド部材210は、導電性を有する部材で構成された導体パターンであり、外部に露出するように導体層202に配置されている。フレキシブル配線板200の端部231において、各信号線212の一部及び各グラウンド線220の一部は、コネクタ103に装着可能に外部に露出している。即ち、シールド部材210は、端部231における配線上には配置されていない。なお、フレキシブル配線板200において、端部231とは反対側の端部、即ち図2(a)に示すコネクタ303に装着される端部も、端部231と同様の構成である。
リジッド配線板101に実装されたコネクタ103は、複数の信号端子901と、複数のグラウンド端子903とを有する。複数の信号端子901及び複数のグラウンド端子903は、Y方向に間隔をあけて1列に配置されている。
各信号端子901は、第1接続部材の一例である。各グラウンド端子903は、グラウンド接続部材の一例であり、第2接続部材の一例である。複数の信号端子901は、はんだ等の接合材で複数の信号線111にそれぞれ電気的及び機械的に接続されている。複数のグラウンド端子903は、はんだ等の接合材でともにグラウンド線120に電気的及び機械的に接続されている。フレキシブル配線板200の端部231がコネクタ103に装着されることで、リジッド配線板101の複数の信号線111とフレキシブル配線板200の複数の信号線212とがコネクタ103の複数の信号端子901でそれぞれ電気的に接続される。またフレキシブル配線板200の端部231がコネクタ103に装着されることで、リジッド配線板101のグラウンド線120とフレキシブル配線板200の複数のグラウンド線220とがコネクタ103の複数のグラウンド端子903で電気的に接続される。第1実施形態では、フレキシブル配線板200がコネクタ103に着脱可能であるため、フレキシブル配線板200は、リジッド配線板101に複数の信号端子901を含むコネクタ103を介して着脱可能に接続される。
イメージセンサ102によって生成された画像を示すデータ信号は、差動信号として、一対の信号線111、一対の信号端子901、及び一対の信号線212を介して、画像処理IC302に伝送される。
ここで、フレキシブル配線板200のシールド部材210には、各信号線212を流れるデジタル信号の電流に対するリターン電流が流れる。各信号線212は、厚み方向であるZ方向においてシールド部材210と対向している部分2121を含む。部分2121は、一対の端部以外の部分である。一対の端部のうちの一方は、端部231である。各信号線212における部分2121は、図5(b)においてシールド部材210で隠れている部分である。各信号線212の部分2121を流れるデジタル信号の電流と、シールド部材210を流れるリターン電流とが近接することで、各電流によって生成される電界同士が相殺し合い、各信号線212からの放射ノイズを効果的に低減することができる。
一方、コネクタ103においては、フレキシブル配線板200のシールド部材210がない。そこで第1実施形態では、フレキシブル配線板200のシールド部材210を流れるリターン電流の経路を確保するため、通信モジュール800は、リジッド配線板101とフレキシブル配線板200との間に配置された、少なくとも1つの導電性部材を有する。第1実施形態において、少なくとも1つの導電性部材は、1つの接続部材902である。接続部材902の材質は、導電性を有する材質、即ち金属である。例えば、接続部材902には、金属製のガスケットを用いることができる。接続部材902は、リジッド配線板101のグラウンド線120とフレキシブル配線板200のシールド部材210とを電気的に接続するものである。コネクタ103におけるリターン電流を接続部材902に分散させるため、接続部材902はコネクタ103に近いほど好ましい。
リジッド配線板101のソルダーレジスト105には、開口部1051が形成されており、開口部1051からグラウンド線120の部分1201が露出している。接続部材902は、ソルダーレジスト105の開口部1051を通じてグラウンド線120の部分1201と接触する。また、フレキシブル配線板200は、シールド部材210がリジッド配線板101のグラウンド線120の部分1201と対向するようにコネクタ103に装着される。グラウンド線120の部分1201上に設けられた接続部材902は、シールド部材210と接触する。
リジッド配線板101のグラウンド線120及びフレキシブル配線板200のシールド部材210のうち少なくとも一方と、接続部材902とは、導電性の両面粘着テープで接続されるのが好ましい。グラウンド線120及びシールド部材210のうちの一方と接続部材902とが、導電性の両面粘着テープで接続される場合、グラウンド線120及びシールド部材210のうちの他方と接続部材902とは、はんだ等の接合材で接合されるようにしてもよい。また、接続部材902自体が、導電性の両面粘着テープであってもよい。
図6(a)は、第1実施形態におけるリターン電流の流れの説明図である。図6(b)は、比較例におけるリターン電流の流れの説明図である。図6(b)に示す比較例は、図6(a)から接続部材902を省略した状態を示している。なお、図6(a)及び図6(b)において、フレキシブル配線板200の絶縁体205の図示は省略している。
図6(b)に示す比較例のように接続部材902が無ければ、シールド部材210からリジッド配線板101へ流れるリターン電流の経路は、コネクタ103のグラウンド端子903のみとなる。フレキシブル配線板200を伝送されるデジタル信号の伝送レートに対応する周波数及びその周波数の近傍において、デジタル信号に重畳する伝導ノイズのレベルは高くなる傾向にある。フレキシブル配線板200において、伝導ノイズを含む信号電流によって発生する電界とそのリターン電流によって発生する電界とが相殺することで、放射ノイズを低減することができる。しかし、図6(b)に示す比較例において、シールド部材210を流れるリターン電流は、コネクタ103のグラウンド端子903に集中する。このため、コネクタ103及びコネクタ103の近傍において、伝導ノイズを含む信号電流によって発生する電界とそのリターン電流によって発生する電界との相殺効果が低減する。これにより、比較例では、コネクタ103及びコネクタ103の近傍から放射される電界ノイズのレベルも高くなる傾向にある。コネクタ103及びその近傍から放射された電界ノイズが無線通信ユニット500に干渉すると、無線通信ユニット500が誤動作するおそれがある。例えば、デジタル信号において、無線通信ユニット500の無線通信で用いられる2.4GHz又は5GHzの周波数、又はその近傍の周波数のコモンモード成分が発生すると、コモンモード成分の周波数と同じ周波数の電界ノイズが発生する。放射された電界ノイズが無線通信ユニット500に干渉すると、無線通信ユニット500において通信不良が発生するおそれがある。
第1実施形態では、接続部材902は、Z方向に視て複数の信号線212のうちの少なくとも1つの信号線212と部分的に重なるように配置されている。これにより、図6(a)に示すように、接続部材902によって、フレキシブル配線板200からリジッド配線板101へ流れるリターン電流の経路が確保される。
第1実施形態では、接続部材902は、Z方向に視て、複数の信号線212のうち少なくとも1つの信号線212のX方向の一部分と重なり、少なくとも1つの信号線212のY方向の一部分又は全体と重なる。図5(b)の例においては、接続部材902は、Z方向に視て、6つの信号線212のうち、2つ以上の信号線212、具体的には5つの信号線212と部分的に重なる。更に詳述すると、接続部材902は、Z方向に視て、5つの信号線212の各々のX方向の一部分と重なる。また、接続部材902は、Z方向に視て、5つの信号線212のうち、4つの信号線212の各々のY方向の全体と重なり、1つの信号線212のY方向の一部分と重なる。
以上、第1実施形態によれば、フレキシブル配線板200からリジッド配線板101に流れるリターン電流の経路が接続部材902によって確保される。これにより、フレキシブル配線板200とリジッド配線板101との接続部分であるコネクタ103及びその近傍の信号線212からの放射ノイズを低減することができる。また、放射ノイズを低減することができるので、図2(b)に示す無線通信ユニット500においてノイズ干渉を低減することができ、無線通信ユニット500において無線通信を安定して行うことができる。
なお、信号端子901と接続部材902とは、接触しない状態で近接しているのが好ましい。
(実施例1)
実施例1は、第1実施形態の通信モジュール800について、コンピュータによる数値計算によってシミュレーションした例である。実施例1では、コンピュータにより、3次元電磁界シミュレーションを実施した。コンピュータシミュレーションには、ANSYS社の三次元電磁界シミュレータHFSSを用いた。シミュレーションモデルについて説明する。図7(a)~図7(c)は、実施例1のシミュレーションに用いた構成の説明図である。図7(a)は、リジッド配線板101、コネクタ103及び接続部材902を模式的に示した平面図である。図7(b)は、フレキシブル配線板200、コネクタ103及び接続部材902を模式的に示した平面図である。図7(c)は、図7(a)及び図7(b)に示すVIIC-VIIC線に沿う断面を模式的に示した図である。
シミュレーションに用いた寸法について説明する。リジッド配線板101は、外形が幅5.3mm、長さ10.35mm、厚さ0.236mmの2層基板とした。また、リジッド配線板101から伝送される信号の受信側のリジッド配線板301(図2(b))も同様の寸法とした。
フレキシブル配線板200は、外形が幅10.35mm、長さ129mm、厚さ57.5μmの2層基板とした。導体層201にある信号線212の寸法は、幅54μm、長さ129mm、厚さ6μmとした。
図7(a)に示すように、リジッド配線板101は、複数の第1信号線として20の信号線111を備えるものとした。信号線111を伝送されるデジタル信号は、差動信号である。そのため、隣り合う一対の信号線111によって差動信号が伝送される差動ペア配線が構成されている。また、差動ペア配線をノイズが伝搬するように、各差動配線ペア配線における一対の信号線111どうしを始端で短絡し、その短絡した箇所に1Wの給電点7010を設けた。リジッド配線板101において、一対の信号線111、即ち差動ペア配線は、10組ある。各信号線111には、電力が常に1Wになるような条件で、周波数が0.1~8.0GHzまでの0.1GHz間隔の交流電圧および交流電流を与えた。
同様に、図7(b)に示すように、フレキシブル配線板200は、複数の第2信号線として20の信号線212を備えるものとした。隣り合う一対の信号線212によって差動信号が伝送される差動ペア配線が構成されている。フレキシブル配線板200において、一対の信号線212、即ち差動ペア配線は、10組ある。一対の信号線212の間隔を55μmとした。フレキシブル配線板200において、隣り合う2組の差動ペア配線の間隔を141μmとした。
また、各グラウンド線220の幅を1.2mmとした。グラウンド線220と、グラウンド線220に隣接する信号線212とのY方向の間隔を215μmとした。シールド部材210のZ方向の厚みを5μmとした。各グラウンド線220は、Z方向に視てシールド部材210と重なるように配置され、シールド部材210とX方向に5mm間隔で電気的に接続した。
また、リジッド配線板101とフレキシブル配線板200とのZ方向の距離が95μmとなるように、コネクタ103をリジッド配線板101上に設けた。そして、Z方向に視て、Y方向において接続部材902が全ての信号線212と重なるように、コネクタ103から+X方向に0.2mm離れた位置に接続部材902を設けた。接続部材902の寸法は、長さ0.3mm、幅5.3mm、高さ0.95mmとした。
フレキシブル配線板200の絶縁体205は、比誘電率3.5のポリイミドとした。リジッド配線板101の絶縁体110は、比誘電率4.3のFR4とした。信号線111、グラウンド線120、信号線212、グラウンド線220、コネクタ103の信号端子901及びグラウンド端子903、並びに接続部材902は、導電率5.8×107S/mの銅とした。
シールド部材210から-Z方向に5mmの位置に22点の測定点を設定した。22点の測定点は、フレキシブル配線板200の中央からX方向にリジッド配線板301(図2(a))に向かって2.5mm間隔で設定した。接続部材902の有無のそれぞれの条件で、各測定点における電界ノイズの電界強度をシミュレーションにより求めた。接続部材902の有無のそれぞれの条件について、22点の測定点の中で最大の電界強度を、表1に示す。なお、表1に示す電界強度の各値は、一例として無線LANの周波数である5.5GHzにおける値を示している。
表1より、接続部材902がある場合では、接続部材902がない場合と比較して、8.4dBV/m程度、電界ノイズの電界強度が低減していることがわかる。これにより、実施例1では、電界ノイズ、即ち放射ノイズを低減することができる。
次に、接続部材902のY方向の幅を変更してシミュレーションを行った。各信号線212のY方向の長さ(幅)をLiとする。iは、1からnまでの正の整数である。nは、信号線212の総数である。例えば信号線212の数が20であれば、n=20である。Y方向における複数の信号線212の合計の長さ(幅)をLsumとすると、以下の式(1)が成り立つ。
例えば、20の信号線212の各々のY方向の長さが同じ長さLであれば、合計の長さLsumは20×Lである。
複数の信号線212のうち、Z方向に視て接続部材902と重なる信号線212において、接続部材902と重なる部分におけるY方向の長さ(幅)をWjとする。jは、1からmまでの正の整数である。mは、複数の信号線212のうち、Z方向に視て接続部材902と重なる信号線212の数であり、1≦m≦nである。複数の信号線212のうちZ方向に視て接続部材902と重なる部分のY方向の長さを合計した長さをWsumとすると、以下の式(2)が成り立つ。
例えばZ方向に視て接続部材902と重なる1つの信号線212に着目したとき、その信号線212において接続部材902と重なる部分のY方向の長さWjは、その信号線212のY方向の長さ(幅)以下である。
合計の長さLsumに対する合計の長さWsumの割合をRとすると、以下の式(3)が成り立つ。
割合Rに対する電界ノイズの電界強度dBV/mをシミュレーションした結果を、図8に示す。図8は、実施例1における電界ノイズの電界強度のシミュレーション結果を示すグラフである。横軸は割合R、縦軸は電界ノイズの電界強度dBV/mである。
シミュレーションの結果、割合Rが高くなるほど、電界ノイズの電界強度が低下することが分かった。そして、割合Rが3/5以上となると、電界ノイズの電界強度がほぼ飽和することが分かった。そのため、割合Rは、電界ノイズの低減効果の高い3/5以上1以下が好ましい。
なお、Z方向に視て接続部材902と重なる信号線212において、接続部材902と重なる部分におけるY方向の長さWjがその信号線212のY方向の長さLiと同じであれば、式(3)における分母と分子は、信号線の数でも表せる。この場合、Z方向に視て接続部材902と重なる信号線212は、X方向においては一部分が接続部材902と重なり、Y方向においては全体が接続部材902と重なるものとする。
複数の信号線212の総数は、上述したnであり、複数の信号線212のうちZ方向に視て接続部材902とX方向において部分的に重なる信号線212の数は、上述したmである。この場合、総数nに対する数mの割合Rは、m/nで表される。よって、この場合も、割合Rは、電界ノイズの低減効果の高い3/5以上1以下が好ましい。例えば、20本の信号線212の例では、10組の差動ペア配線が存在することになる。この例の場合、10組の差動ペア配線のうち、Z方向に視て6組以上10組以下の差動ペア配線が接続部材902と重なっているのが好ましい。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、フレキシブル配線板200がコネクタ103に着脱可能である場合について説明したが、フレキシブル配線板200とリジッド配線板101との接続形態は、これに限定されるものではない。図9(a)は、第2実施形態に係るリジッド配線板101の一部及び接続構造を示す平面図である。図9(b)は、第2実施形態に係るフレキシブル配線板200Aの一部及び接続構造を示す平面図である。図9(c)は、第2実施形態に係るリジッド配線板101、フレキシブル配線板200A及び接続構造の断面図である。図9(c)には、図9(a)及び図9(b)に示すIXC-IXC線に沿う断面を模式的に図示している。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
第2実施形態のリジッド配線板101は、第1実施形態と同様の構成である。第2実施形態のフレキシブル配線板200Aは、フレキシブルプリント配線板であり、第2配線板の一例である。フレキシブル配線板200Aは、端部231Aの形状が、第1実施形態の端部231の形状と異なるだけであり、それ以外の構成は、第1実施形態と同様である。フレキシブル配線板200Aは、第1実施形態と同様、導体層201,202を有する2層のフレキシブルプリント配線板である。フレキシブル配線板200Aは、第1実施形態と同様、導体層201に配置された複数の信号線212及び複数のグラウンド線220と、導体層202に配置されたシールド部材210と、を有する。
第2実施形態では、リジッド配線板101とフレキシブル配線板200Aとは、図5(a)及び図5(c)に示すコネクタ103の代わりに、はんだ等の導電性の接合材で直接接続され、接続強度が確保されている。具体的に説明すると、リジッド配線板101の複数の信号線111と、フレキシブル配線板200Aの複数の信号線212とは、それぞれ複数の信号接合部901Aで電気的及び機械的に接続されている。各信号接合部901Aは、第1接続部材の一例である。また、リジッド配線板101のグラウンド線120と、フレキシブル配線板200Aの複数のグラウンド線220とは、複数のグラウンド接合部903Aで電気的及び機械的に接続されている。各グラウンド接合部903Aは、グラウンド接続部材の一例であり、第2接続部材の一例である。各信号接合部901A及び各グラウンド接合部903Aは、はんだ等の導電性の接合材で構成されている。
以上、第2実施形態によれば、フレキシブル配線板200Aからリジッド配線板101に流れるリターン電流の経路が接続部材902によって確保される。これにより、フレキシブル配線板200Aとリジッド配線板101との接続部分である信号接合部901A及びその近傍の信号線212からの放射ノイズを低減することができる。また、放射ノイズを低減することができるので、図2(b)に示す無線通信ユニット500においてノイズ干渉を低減することができ、無線通信ユニット500において無線通信を安定して行うことができる。
なお、グラウンド線120と接続部材902とは、導電性の両面粘着テープで接続されていてもよいし、はんだ等の導電性の接合材で接続されていてもよい。同様に、シールド部材210と接続部材902とは、導電性の両面粘着テープで接続されていてもよいし、はんだ等の導電性の接合材で接続されていてもよい。また、接続部材902自体が、導電性の両面粘着テープであってもよいし、はんだ等の導電性の接合材であってもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。図10(a)は、第3実施形態に係るリジッド配線板101の一部及び接続構造を示す平面図である。図10(b)は、第3実施形態に係るフレキシブル配線板200Aの一部及び接続構造を示す平面図である。図10(c)及び図10(d)は、第3実施形態に係るリジッド配線板101、フレキシブル配線板200A及び接続構造の断面図である。図10(c)には、図10(a)及び図10(b)に示すXC-XC線に沿う断面を模式的に図示している。図10(d)には、図10(a)及び図10(b)に示すXD-XD線に沿う断面を模式的に図示している。第3実施形態において、第1及び第2実施形態と同様の構成については、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
第3実施形態のリジッド配線板101は、第1及び第2実施形態と同様の構成である。第3実施形態のフレキシブル配線板200Aは、第2実施形態と同様である。第3実施形態では、導電性部材の一例である接続部材902Bの構成が、第1及び第2実施形態の接続部材902と異なる。なお、リジッド配線板101の信号線111とフレキシブル配線板200Aの信号線212との接続構造、及びリジッド配線板101のグラウンド線120とフレキシブル配線板200Aのグラウンド線220との接続構造は、第2実施形態と同様である。具体的に説明すると、リジッド配線板101の複数の信号線111と、フレキシブル配線板200Aの複数の信号線212とは、それぞれ複数の信号接合部901Aで電気的及び機械的に接続されている。また、リジッド配線板101のグラウンド線120と、フレキシブル配線板200Aの複数のグラウンド線220とは、複数のグラウンド接合部903Aで電気的及び機械的に接続されている。各信号接合部901A及び各グラウンド接合部903Aは、はんだ等の導電性の接合材で構成されている。
接続部材902Bは、Z方向に視て、略U字形状に形成されている。そして、接続部材902Bは、各グラウンド接合部903Aに接触するように配置されている。これにより、リジッド配線板101とフレキシブル配線板200Aとの接続強度が更に高まる。
以上、第3実施形態によれば、フレキシブル配線板200Aからリジッド配線板101に流れるリターン電流の経路が接続部材902Bによって確保される。これにより、フレキシブル配線板200Aとリジッド配線板101との接続部分である信号接合部901A及びその近傍の信号線212からの放射ノイズを低減することができる。また、放射ノイズを低減することができるので、図2(b)に示す無線通信ユニット500においてノイズ干渉を低減することができ、無線通信ユニット500において無線通信を安定して行うことができる。
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。上記第1~第3実施形態では、少なくとも1つの導電性部材が1つの接続部材902又は902Bである場合について説明したが、これに限定するものではない。第1配線板及び第2配線板の配線構造によっては、少なくとも1つの導電性部材が複数の導電性部材を含むのが好ましい場合もある。図11(a)は、第4実施形態に係るリジッド配線板101Cの一部及び接続構造を示す平面図である。図11(b)は、第4実施形態に係るフレキシブル配線板200Cの一部及び接続構造を示す平面図である。図11(c)は、第4実施形態に係るリジッド配線板101C、フレキシブル配線板200C及び接続構造の断面図である。図11(c)には、図11(a)及び図11(b)に示すXIC-XIC線に沿う断面を模式的に図示している。第4実施形態において、第1~第3実施形態と同様の構成については、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
第4実施形態では、通信モジュールにおいて、図2(b)に示すリジッド配線板101及びフレキシブル配線板200を、図11(a)~図11(c)に示すリジッド配線板101C及びフレキシブル配線板200Cに置き換えたものである。第4実施形態のリジッド配線板101Cは、第1配線板の一例であり、リジッドプリント配線板である。第4実施形態のフレキシブル配線板200Cは、第2配線板の一例であり、フレキシブルプリント配線板である。リジッド配線板101Cとフレキシブル配線板200Cとは、コネクタ103Cで接続されている。フレキシブル配線板200Cには、リジッド配線板101Cに実装されたイメージセンサ102からのデジタル信号である差動信号が伝送される。
リジッド配線板101Cは、コネクタ103Cに対して両側に配線された複数の信号線111Cを有する。各信号線111Cは、第1信号線の一例である。図11(a)には、複数の信号線111Cとして、合計12の信号線111Cが図示されている。12の信号線111Cにより6組の差動ペア配線が構成されている。12の信号線111Cは、コネクタ103Cに対して一方側に配線された6つの信号線111Cと、コネクタ103Cに対して一方側とは反対の他方側に配線された6つの信号線111Cからなる。
第4実施形態のリジッド配線板101Cは、上記第1実施形態のリジッド配線板101とは信号線111Cの数及び配線構造が異なるものの、それ以外の構成は、第1実施形態のリジッド配線板101と略同様である。リジッド配線板101Cは、少なくとも2つの導体層1011C,1012Cを有する。導体層1011Cと導体層1012Cとは、絶縁基板である絶縁体110Cを介してZ方向に対向して配置されている。各信号線111Cは、2つの導体層1011C,1012Cに跨って配線されている。グラウンド線120Cは、第1グラウンド線の一例であり、導体層1011Cに配線されている。
フレキシブル配線板200Cは、コネクタ103Cに対して両側に配線された複数の信号線212Cと、コネクタ103Cに対して両側に配線された複数のグラウンド線220Cと、コネクタ103Cを避けて配置されたシールド部材210Cと、を有する。各グラウンド線220Cは、第2グラウンド線の一例である。図11(b)には、複数の信号線212Cとして、合計12の信号線212Cが図示されている。12の信号線212Cにより6組の差動ペア配線が構成されている。12の信号線212Cは、コネクタ103Cに対して一方側に配線された6つの信号線212Cと、コネクタ103Cに対して一方側とは反対の他方側に配線された6つの信号線212Cからなる。
第4実施形態のフレキシブル配線板200Cは、上記第1実施形態のフレキシブル配線板200とは信号線212Cの数及び配線構造は異なるものの、それ以外の構成は、第1実施形態のフレキシブル配線板200と略同様である。フレキシブル配線板200Cは、第1実施形態と同様、絶縁体205Cを介してZ方向に対向して配置された導体層201C,202Cを有する2層のフレキシブルプリント配線板である。導体層201Cは、第1層の一例であり、導体層202Cは、第1層とは別の第2層の一例である。各信号線212C及びグラウンド線220Cは、導体層201Cに配置され、シールド部材210Cは、導体層202Cに配置されている。
コネクタ103Cは、複数の信号線111Cと複数の信号線212Cとをそれぞれ電気的に接続する複数の信号端子901Cを有する。各信号端子901Cは、第1接続部材の一例である。また、コネクタ103Cは、グラウンド線120Cと複数のグラウンド線220Cとを電気的に接続する複数のグラウンド端子903Cを有する。各グラウンド端子903Cは、グラウンド接続部材の一例であり、第2接続部材の一例である。
第4実施形態では、12の信号線212Cに対して2つの接続部材902Cが、リジッド配線板101Cとフレキシブル配線板200Cとの間に設けられている。2つの接続部材902Cの各々は、導電性部材の一例である。各接続部材902Cの材質は、導電性を有する材質、即ち金属である。各接続部材902Cは、フレキシブル配線板200Cのシールド部材210Cと、リジッド配線板101Cのグラウンド線120Cとを電気的に接続する。接続部材902Cは、グラウンド線120Cにおける、リジッド配線板101Cのソルダーレジスト105Cに形成された開口部を通じて露出する部分1201Cに接続されている。
2つの接続部材902Cのうち一方がコネクタ103Cに対して一方側に配線された6つの信号線212Cに対応して配置される。また、2つの接続部材902Cのうち他方が、コネクタ103Cに対して他方側に配線された6つの信号線212Cに対応して配置される。各接続部材902Cは、Z方向に視て6つの信号線212Cのうち、少なくとも1つの信号線212Cと部分的に重なるように配置されている。
複数の信号線111Cの各々は、導体層1011Cに配置された第1導体パターンの一例である導体パターン1111Cと、導体層1012Cに配置された第2導体パターンの一例である導体パターン1112Cとを含む。また、複数の信号線111Cの各々は、導体パターン1111Cと導体パターン1112Cとを電気的に接続するヴィア導体1113Cを含む。各導体パターン1111Cは、各信号端子901Cと接触している。以上の構成により、各信号線111Cは、導体層1012Cに配置されたグラウンド線120Cと干渉しないように配線されている。
以上、第4実施形態によれば、フレキシブル配線板200Cからリジッド配線板101Cに流れるリターン電流の経路が、複数の接続部材902Cによって確保される。これにより、フレキシブル配線板200Cとリジッド配線板101Cの接続部分であるコネクタ103C及びその近傍の信号線212Cからの放射ノイズを低減することができる。また、放射ノイズを低減することができるので、図2(b)に示す無線通信ユニット500においてノイズ干渉を低減することができ、無線通信ユニット500において無線通信を安定して行うことができる。
[第4実施形態の変形例]
図12(a)~図12(c)は、第4実施形態の変形例を示す図である。図12(a)は、変形例のリジッド配線板101Cの一部及び接続構造を示す平面図である。図12(b)は、変形例のフレキシブル配線板200Cの一部及び接続構造を示す平面図である。図12(c)は、変形例のリジッド配線板101C、フレキシブル配線板200C及び接続構造の断面図である。図12(c)には、図12(a)及び図12(b)に示すXIIC-XIIC線に沿う断面を模式的に図示している。変形例において、第4実施形態と同様の構成については、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。第4実施形態では、複数の導電性部材が2つの接続部材902Cである場合について説明したが、これに限定するものではない。複数の導電性部材が3つ以上の接続部材902Cであってもよい。その際、各接続部材902Cは、コネクタ103Cと近接するように配置するのが好ましい。
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。上記第1実施形態では、接続部材902は、リジッド配線板101のグラウンド線120とフレキシブル配線板200のシールド部材210とを電気的に接続する場合について説明したが、接続部材902の態様はこれに限定されるものではない。図13(a)は、第5実施形態に係るリジッド配線板101の一部及び接続構造を示す平面図である。図13(b)は、第5実施形態に係るフレキシブル配線板200の一部及び接続構造を示す平面図である。図13(c)は、第5実施形態に係るリジッド配線板101、フレキシブル配線板200及び接続構造の断面図である。図13(c)には、図13(a)及び図13(b)に示すXIII-XIII線に沿う断面を模式的に図示している。第5実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
第5実施形態のリジッド配線板101は、リジッドプリント配線板であり、第1実施形態と同様の構成である。第5実施形態のフレキシブル配線板200は、フレキシブルプリント配線板であり、第1実施形態と同様の構成である。リジッド配線板101とフレキシブル配線板200との間には、導電性部材の一例である接続部材902Dが配置されている。接続部材902Dの材質は、導電性を有する材質、即ち金属である。
第5実施形態では、接続部材902Dはフレキシブル配線板200のシールド部材210と接触しているが、リジッド配線板101のグラウンド線120とは接触していない。接続部材902Dとリジッド配線板101のグラウンド線120との間には、絶縁部材1310が設けられている。このような構成におけるフレキシブル配線板200からリジッド配線板101に流れるリターン電流の経路は、接続部材902Dとグラウンド線120との間が容量結合するため、第1実施形態とほぼ同じ経路となる。
絶縁部材1310は、例えば、ポリイミドテープである。絶縁部材1310の材質は電気的に絶縁性を有していれば特に制限はない。絶縁部材1310のZ方向の厚みは、接続部材902Dとグラウンド線120との間が容量結合しやすい厚みであることが好ましい。具体的には0.2mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.1mm以下である。
以上、第5実施形態によれば、フレキシブル配線板200からリジッド配線板101に流れるリターン電流の経路が接続部材902Dおよび絶縁部材1310によって確保される。これにより、フレキシブル配線板200とリジッド配線板101との接続部分である信号端子901及びその近傍の信号線212からの放射ノイズを低減することができる。また、放射ノイズを低減することができるので、図2(b)に示す無線通信ユニット500においてノイズ干渉を低減することができ、無線通信ユニット500において無線通信を安定して行うことができる。
なお、絶縁部材1310は接続部材902Dとグラウンド線120の間ではなく、接続部材902Dとフレキシブル配線板200のシールド部材210との間に設けられてもよい。また、2つの絶縁部材1310を有し、接続部材902Dとグラウンド線120の間および接続部材902Dとシールド部材210の間に設けられてもよい。
(実施例2)
実施例2は、実施例1で行ったシミュレーションを基に、撮像装置1000であるデジタルカメラに搭載された無線通信ユニット500のノイズ干渉量を測定した。図14、図15(a)及び図15(b)は、実施例2における受信感度を測定する測定系を示す概略図である。評価装置から送信されるパケット数と無線通信ユニット500が受信するパケット数との割合を、送受信特性測定器1401(アンリツ社製MT8862A)を用いて算出することで、受信感度を測定した。
図14では、撮像装置1000の一部である無線通信ユニット500、リジッド配線板101及びフレキシブル配線板200と、送受信特性測定器1401とが示されている。フレキシブル配線板200の一端にはリジッド配線板101が、他端にはリジッド配線板1400が接続されている。無線通信ユニット500をフレキシブル配線板200に近接させ、フレキシブル配線板200から放射されたノイズのうち、無線通信ユニット500に干渉したノイズの受信感度を測定した。
測定条件をより詳細に説明する。図15(a)は実施例2における電子モジュール1501の一部を示す側面図であり、図15(b)は実施例2における電子モジュール1501の一部を示す平面図である。図15(a)および図15(b)に示すように、フレキシブル配線板200はX方向に真っ直ぐに伸ばした状態とした。リジッド配線板101とリジッド配線板1400とは、金属フレーム1502の一方の面に金属部材1503を介して固定した。
リジッド配線板101の外形寸法は、X方向の長さを129.0mm、Y方向の長さを210.0mm、Z方向の厚みを1.6mmとした。リジッド配線板101は、6層の基板とした。差動信号を出力するIC(Thine社製THCV215)を20個、リジッド配線板101に実装した。フレキシブル配線板200の外形寸法は、X方向の長さを144.0mm、Y方向の長さを27.0mm、Z方向の厚みを37.5μmとした。フレキシブル配線板200は、信号線が配置される層が単層の基板とした。フレキシブル配線板200の片面の全面に、シールド印刷によって、銀からなるシールド部材210を設けた。フレキシブル配線板200とリジッド配線板101とを接続するコネクタ1504には、ヒロセ電機社製のDF40C-70DS-0.4V[51]とDF40C-70DP-0.4V[51]を用いた。
シールド部材210とリジッド配線板101とを接続する接続部材902には、星和電機製のE02S020015RT‐450を用いた。フレキシブル配線板200の幅方向であるY方向の両端および中央には、それぞれグラウンド線を配置し、中央に配置されたグラウンド線の両側のそれぞれに、10組の差動ペア配線を配置した。
リジッド配線板1400の外形寸法は、X方向の長さを50.0mm、Y方向の長さを70.0mm、Z方向の厚みを1.6mmとした。リジッド配線板1400は、6層の基板とした。
フレキシブル配線板200とリジッド配線板1400とを接続するコネクタ1505には、ヒロセ電機社製のDF40C-70DS-0.4V[51]とDF40C-70DP-0.4V[51]を用いた。
リジッド配線板1400に設けられた差動ペア配線に含まれる2つの信号線間を100Ωの抵抗で終端した。リジッド配線板101,1400は、高さ15.0mm、直径6mmの金属部材1503で金属フレーム1502に電気的に接続した。金属フレーム1502は、X方向の長さが325mm、Y方向の長さが250mm、Z方向の厚みが1.0mmの金属板とした。フレキシブル配線板200から放射される電磁ノイズを測定するため、フレキシブル配線板200の中央から高さ5mmの地点に無線通信ユニット500を設置した。
差動信号の周波数は2.65GHzとした。リジッド配線板101には、2つの信号線で構成される差動ペア配線を20組、設けた。差動信号をフレキシブル配線板200に出力したところ、コモンモード電流による電磁ノイズが、1GHzから6GHzまでの周波数帯域に亘って検出された。
図16は、実施例2のフレキシブル配線板200の断面構造を示す模式図である。信号線1600は銅からなる。絶縁部材1601はポリイミドで形成される。各信号線1600の配線幅Lは55μm、差動ペア配線の2つの信号線1600間の距離Sは140μm、各信号線1600の厚さT1は6μm、絶縁部材1601の厚さT2は37.5μmとした。また、シールド部材210の厚さT3は5μm、シールド部材210と金属フレーム1502との間隔Dは15.0mmとした。ポリイミドの比誘電率は3.38であった。
4つの条件で放射ノイズの測定を行った。図17(a)~図18(b)は、実施例2における測定時の条件を示す概略図である。接続部材902がない条件を構造Aとする。接続部材902がグラウンド線120とシールド部材210に接触していない条件を構造Bとする。接続部材902がグラウンド線120と接触しシールド部材210に接触していない条件を構造Cとする。接続部材902がシールド部材210と接触しグラウンド線120と接触していない条件を構造Dとする。接続部材902がグラウンド線120とシールド部材210に接触している場合を構造Eとする。構造B、構造Cおよび構造Dにおいて、絶縁部材1310には厚さが0.1mmのポリイミドテープを用いた。構造A~構造Eのノイズの干渉量をそれぞれ求めた。その結果を、図19に示す。図19は無線LANの周波数である5.3GHzにおける電磁ノイズの干渉量を示すグラフである。なお、干渉量とは、ノイズがない状態の受信感度からノイズの干渉を受け悪化した受信感度を引いた差のことである。
図19より、構造B~構造Eは比較例である構造Aと比較して、ノイズ干渉量が低減していることが分かった。特に構造Eがノイズ干渉量を低減させる効果が最も高いことが分かった。また、構造C及び構造Dも構造A及び構造Bに対しては、ノイズ干渉量を低減させる効果が十分に発現できていることが分かった。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されない。
上記第1~第5実施形態で説明したように、デジタル信号の送信側の第1配線板に導電性部材を設けるのが好適であるが、これに限定するものではない。デジタル信号の受信側の第1配線板に導電性部材を設けてもよい。例えば、第1実施形態の例では、リジッド配線板301とフレキシブル配線板200との間に、導電性部材の一例である接続部材902を設けてもよい。また、デジタル信号の送信側の第1配線板とデジタル信号の受信側の第1配線板の双方に、導電性部材を設けてもよい。
また、上記第1~第5実施形態では、デジタル信号を送信する電子部品がイメージセンサ102である場合について説明した。即ち、イメージセンサ102は、大容量の画像データを送信するため、信号線111の数が多い。そのため、リターン電流の経路を確保するという観点で、イメージセンサ102を搭載するリジット配線板とフレキシブル配線板との間に導電性部材を配置するのが好適であるが、これに限定するものではない。イメージセンサ102以外の電子部品を搭載する第1配線板と、第2配線板との間に導電性部材を設けてもよい。
また、上記第1~第5実施形態では信号線111の数は6つとしたが、信号線111の数はこれに限定されない。信号線の数が多くなっても本発明は適用可能であり、特に信号線の数が20以上であってもよい。
また、上記第1~第5実施形態では、電子機器が撮像装置1000である場合について説明したが、これに限定するものではない。撮像装置以外の電子機器についても、本発明は適用可能である。その際、電子機器は、外部機器と無線通信可能な無線通信ユニットを有するのが好適である。