JP7793450B2 - マスクブランク、位相シフトマスク及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
マスクブランク、位相シフトマスク及び半導体デバイスの製造方法Info
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Description
透光性基板と、
前記透光性基板上に形成された位相シフト膜と、を有し、
前記位相シフト膜は、
ハフニウムおよび酸素を含む下層と、
前記下層上に形成され、ケイ素、酸素、および窒素を含む上層と、を含み、
前記下層のハフニウムおよび酸素の合計含有量は95原子%以上であり、
前記上層の窒素の含有量は15原子%以上である、マスクブランク。
前記上層の酸素の含有量は50原子%以下である、構成1に記載のマスクブランク。
(構成3)
前記下層の酸素の含有量は50原子%以上である、構成1または2に記載のマスクブランク。
前記上層の窒素の含有量は60原子%以下である、構成1から3のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成5)
前記位相シフト膜は、前記下層と前記上層との間に形成される中間層を含み、
前記中間層は、ケイ素と酸素との合計含有量が90原子%以上である材料からなる、構成1から4のいずれかに記載のマスクブランク。
前記中間層は、ケイ素と酸素とからなる、構成5に記載のマスクブランク。
(構成7)
前記位相シフト膜の膜厚は60nm以下である、構成1から6のいずれかに記載のマスクブランク。
前記位相シフト膜は、ArFエキシマレーザーの露光光に対して、20%以上の透過率および150度以上210度以下の位相シフト量を有することを特徴とする構成1から7のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成9)
前記位相シフト膜上に、遮光膜を備えることを特徴とする構成1から8のいずれかに記載のマスクブランク。
透光性基板と、
前記透光性基板上に設けられ、転写パターンが形成された位相シフト膜と、を有し、
前記位相シフト膜は、
ハフニウムおよび酸素を含む下層と、
前記下層上に形成され、ケイ素、酸素、および窒素を含む上層と、を含み、
前記下層のハフニウムおよび酸素の合計含有量は95原子%以上であり、
前記上層の窒素の含有量は15原子%以上である、位相シフトマスク。
(構成11)
前記上層の酸素の含有量は50原子%以下である、構成10に記載の位相シフトマスク。
前記下層の酸素の含有量は50原子%以上である、構成10または11に記載の位相シフトマスク。
前記上層の窒素の含有量は60原子%以下である、構成10から12のいずれかに記載の位相シフトマスク。
前記位相シフト膜は、前記下層と前記上層との間に形成される中間層を含み、
前記中間層は、ケイ素と酸素との合計含有量は90原子%以上である材料からなる、構成10から13のいずれかに記載の位相シフトマスク。
(構成15)
前記中間層は、ケイ素と酸素とからなる、構成14に記載の位相シフトマスク。
前記位相シフト膜の膜厚は60nm以下である、構成10から15のいずれかに記載の位相シフトマスク。
(構成17)
前記位相シフト膜は、ArFエキシマレーザーの露光光に対して、20%以上の透過率および150度以上210度以下の位相シフト量を有することを特徴とする構成10から16のいずれかに記載の位相シフトマスク。
前記位相シフト膜上に、遮光パターンが形成された遮光膜を備えることを特徴とする構成10から17のいずれかに記載の位相シフトマスク。
(構成19)
構成10から18のいずれかに記載の位相シフトマスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に前記転写パターンを露光により転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
位相シフト膜は、露光光を所定の透過率で透過させる機能と、その位相シフト膜内を透過する露光光に対してその位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過する露光光との間で所定の位相差を生じさせる機能を併せ持つ必要がある。位相シフト膜の膜厚を一定以下に抑えようとすると、所望の位相差を確保することが困難となる。単層構造の位相シフト膜は設計自由度が低く、所望の位相差を確保しつつ、透過率を高くして、微細なパターンを形成でき、光学的な性能が良好となる構成とすることは容易ではなかった。
図1に、第1の実施形態のマスクブランクの概略構成を示す。図1に示すマスクブランク100は、透光性基板1における一方の主表面上に、位相シフト膜2、遮光膜3、及び、ハードマスク膜4がこの順に積層された構成である。マスクブランク100は、必要に応じてハードマスク膜4を設けない構成であってもよい。また、マスクブランク100は、ハードマスク膜4上に、必要に応じてレジスト膜を積層させた構成であってもよい。以下、マスクブランク100の主要構成部の詳細を説明する。
透光性基板1は、リソグラフィーにおける露光工程で用いられる露光光に対して透過性が良好な材料で構成されている。このような材料としては、合成石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、低熱膨張ガラス(SiO2-TiO2ガラス等)、その他各種のガラス基板を用いることができる。特に、合成石英ガラスを用いた基板は、ArFエキシマレーザー光(波長:約193nm)に対する透過性が高いので、マスクブランク100の透光性基板1として好適に用いることができる。
尚、ここで言うリソグラフィーにおける露光工程とは、このマスクブランク100を用いて作製された位相シフトマスクを使用したリソグラフィーにおける露光工程であり、露光光とは、特に断りの無い限り、ArFエキシマレーザー光(波長:193nm)を指すものとする。
透光性基板1を形成する材料の露光光における屈折率は、1.5以上1.6以下であることが好ましく、1.52以上1.59以下であるとより好ましく、1.54以上1.58以下であるとさらに好ましい。
位相シフト膜2は、露光光を20%以上の透過率で透過させる機能を有していることが好ましく、30%以上であるとより好ましく、40%以上であるとさらに好ましい。位相シフト膜2の内部を透過した露光光と空気中を透過した露光光との間で十分な位相シフト効果を生じさせるためである。また、位相シフト膜2の露光光に対する透過率の上限値は、適宜設定することができ、特に制限はないが、60%以下であると好ましく、50%以下であるとより好ましい。位相シフト膜2の膜厚を、光学的な性能を確保できる適正な範囲に抑えるためである。また、位相シフト膜2の露光光に対する透過率を60%以下にすることにより、上記の露光工程において、被転写体上の感光性材料(例えばレジスト膜)が不要な感光を受けることを抑制することができる。
このため、下層21におけるハフニウムと酸素の合計含有量は95原子%以上であることがより好ましく、98原子%以上であることがより一層好ましい。また、下層21における酸素の含有量は、50原子%以上であることが好ましく、55原子%以上であることがより好ましく、60原子%以上であることがより一層好ましい。また、不純物としてごくわずかに下層21に含有される可能性のある上記元素(貴ガス、水素、炭素等)においても合計含有量は3原子%以下が好ましく、2原子%以下であることがより好ましい。
また、下層21は、下層21に接して下層21上に設けられた膜(例えば、上層22、中間層23)との界面領域および透光性基板1との界面領域を除いて、ケイ素を含まないことが好ましい。これにより、下層21は、高い耐薬性および耐洗浄性を有することができる。
また、下層21の厚さは、光学特性の観点から、46nm以下であることが好ましく、45nm以下であることがより好ましい。
また、X線回折プロファイルにおける回折角度2θが28度から29度の間における回折強度の最大値をI_Lmax、回折角度2θが30度から32度の間における回折強度の最大値をI_Hmaxとしたとき、I_Lmax/I_Hmaxが1.5以上であることが好ましく、1.7以上であるとより好ましく、1.9以上であるとさらに好ましい。
このようなX線回折プロファイルを有する下層21とすることで、疑似欠陥の検出を抑制することができる点で好ましい。ここでいう疑似欠陥とは、パターン転写に影響しない薄膜表面上の許容される凹凸であって、欠陥検査装置で検査した場合に、欠陥と誤判定されてしまうものをいう。欠陥検査において、このような疑似欠陥が多数検出されると、パターン転写に影響のある致命欠陥が多数の疑似欠陥に埋もれてしまい、検出し損なってはならない致命欠陥を発見することができない可能性がある。
ここで、m[11-1]およびm[111]は、単純単斜格子における[11-1]面および[111]面であり、28.589度および31.811度の回折角度2θを有する。また、o[111]は、単純直方格子における[111]面であり、30.056度の回折角度2θを有する。なお、m[11-1]は、
上層22における窒素の含有量は15原子%以上であることが好ましく、18原子%以上であることがより好ましい。これにより、位相シフト膜全体としての膜厚をより小さくすることができる。一方、上層22における窒素の含有量は60原子%以下であることが好ましく、50原子%以下であることがより好ましい。これにより、位相シフト膜全体としての透過率を高くすることができる。
上層22における酸素の含有量は20原子%以上であることが好ましく、25原子%以上であることがより好ましい。これにより、位相シフト膜全体としての透過率を高くすることができる。一方、上層22における酸素の含有量は50原子%以下であることが好ましく、45原子%以下であることがより好ましい。これにより、所望の光学特性を確保しつつ、位相シフト膜全体としての膜厚を小さくすることができる。
マスクブランク100は、位相シフト膜2上に遮光膜3を備える。位相シフトマスクでは、転写パターンが形成される領域(転写パターン形成領域)の外周領域は、露光装置を用いて半導体ウェハ上のレジスト膜に露光転写した際に外周領域を透過した露光光による影響をレジスト膜が受けないように、所定値以上の光学濃度(Optical Density、以下ODと記載)を確保することが求められることがある。位相シフトマスクの外周領域は、ODが2.8以上であると好ましく、3.0以上であるとより好ましい。上述のように、位相シフト膜2は所定の透過率で露光光を透過する機能を有しており、位相シフト膜2だけでは所定値の光学濃度を確保することは困難な場合がある。このため、マスクブランク100を製造する段階で位相シフト膜2の上に、不足する光学濃度を確保するために遮光膜3を積層しておくことがある。このようなマスクブランク100の構成とすることで、位相シフトマスク200(図2参照)を製造する途上で、位相シフト効果を使用する領域(基本的に転写パターン形成領域)の遮光膜3を除去すれば、外周領域に所定値の光学濃度が確保された位相シフトマスク200を製造することができる。
ハードマスク膜4は、遮光膜3の表面に接して設けられている。ハードマスク膜4は、遮光膜3をエッチングする際に用いられるエッチングガスに対してエッチング耐性を有する材料で形成された膜である。このハードマスク膜4は、遮光膜3にパターンを形成するためのドライエッチングが終わるまでの間、エッチングマスクとして機能することができるだけの膜の厚さがあれば十分であり、基本的に光学特性の制限を受けない。このため、ハードマスク膜4の厚さは遮光膜3の厚さに比べて大幅に薄くすることができる。
マスクブランク100において、ハードマスク膜4の表面に接して、有機系材料のレジスト膜が100nm以下の膜厚で形成されていることが好ましい。DRAM hp32nm世代に対応するパターンの場合、ハードマスク膜4に形成すべき転写パターン(位相シフトパターン)に、線幅が40nmのSRAF(Sub-Resolution Assist Feature)が設けられることがある。しかし、この場合でも上述のようにハードマスク膜4を設けたことによってレジスト膜の膜厚を抑えることができ、これによってこのレジスト膜で構成されたレジストパターンの断面アスペクト比を1:2.5と低くすることができる。したがって、レジスト膜の現像時、リンス時等にレジストパターンが倒壊や脱離することを抑制することができる。なお、レジスト膜は、膜厚が80nm以下であることがより好ましい。レジスト膜は、電子線描画露光用のレジストであると好ましく、さらにそのレジストが化学増幅型であるとより好ましい。
図2は、本発明の第2の実施形態に係るマスクブランク100の構成を示す断面図である。図2に示すマスクブランク100は、位相シフト膜2を、下層21、上層22に加えて、その間に中間層23を含む3層構造で構成している点が、図1に示すマスクブランク100と異なっている。本実施形態において、中間層23は下層21および上層22のそれぞれに接して形成されている。以下、第1の実施形態のマスクブランク100と共通する点については、適宜その説明を省略する。なお、図1、図2に示す位相シフト膜2の各層の厚さは、上述の説明から把握されるように例示的なものであり、図示のものに限定されるものではない。
中間層23の厚さは、密着性を向上する機能を確保する観点から、1nmより大きいことが好ましく、2nm以上であることがより好ましい。また、中間層23の厚さは、位相シフト膜2の膜厚抑制のために、10nm以下であることが好ましく、8nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。
中間層23を含む位相シフト膜2において、上層22の厚さは、5nm以上であることが好ましく、7nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。一方、上層22の厚さは、25nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。
なお、下層21のハフニウムおよび酸素の合計含有量は95原子%以上とし、上層22の窒素の含有量は15原子%以上とすることで、下層21のエッチングの際に用いるエッチングガス(塩素系ガス)に対する上層22のエッチング耐性を十分に確保することができる。これにより、下層21をエッチングしている間に上層22のパターン側壁がエッチングされることを抑制できる。したがって、良好なパターン断面形状を得ることができる。
以上の構成のマスクブランク100は、次のような手順で製造する。先ず、透光性基板1を用意する。この透光性基板1は、端面及び主表面が所定の表面粗さ(例えば、一辺が1μmの四角形の内側領域内において自乗平均平方根粗さRqが0.2nm以下)に研磨され、その後、所定の洗浄処理及び乾燥処理を施されたものである。
また、位相シフト膜2の上層22(および中間層23)については、ケイ素を含有するスパッタリングターゲット、ケイ素及び酸素を含有するスパッタリングターゲットのいずれも適用することができる。
位相シフト膜2の下層21を成膜した後、上層22を成膜する前にアニール処理(加熱処理)を行うと、下層21の膜応力が低減されるため、下層21と上層22における応力差による膜剥がれ欠陥を低減して位相シフト膜2の品質を向上できる点で好ましい。
ここで、中間層23を含む3層構造の位相シフト膜2の場合には、下層21や上層22との密着性を向上することができる。このため、下層21成膜後に膜応力低減のためのアニール処理を行わずに中間層23や上層22を成膜しても、欠陥の少ない良好な品質の位相シフト膜2とすることが可能となる点で好ましい。
このように、第1および第2の実施形態のマスクブランク100によれば、露光光(特に、ArFエキシマレーザーの露光光)に対する透過率を高くして位相シフト効果を高めることができるとともに、位相シフト膜の膜厚を抑制することができ、微細なパターンを形成でき、光学的な性能が良好な位相シフトマスク200を製造することができる。
図3に、上記実施形態のマスクブランク100から製造される本発明の実施形態に係る位相シフトマスク200とその製造工程を示す。図3(g)に示されているように、位相シフトマスク200は、マスクブランク100の位相シフト膜2に転写パターンである位相シフトパターン2aが形成され、遮光膜3に遮光帯を含むパターンを有する遮光パターン3bが形成されていることを特徴としている。この位相シフトマスク200は、マスクブランク100と同様の技術的特徴を有している。位相シフトマスク200における透光性基板1、位相シフト膜2の下層21、上層22、(および中間層23)、遮光膜3に関する事項については、マスクブランク100と同様である。この位相シフトマスク200の作成途上でハードマスク膜4は除去される。
そして、この位相シフト膜を備える位相シフトマスク200を露光装置にセットして転写対象物(半導体基板上のレジスト膜等)に対して露光転写するときに、露光マージンを確保することができる。
[マスクブランクの製造]
図1を参照し、主表面の寸法が約152mm×約152mmで、厚さが約6.35mmの合成石英ガラスで構成される透光性基板1を準備した。この透光性基板1は、端面及び主表面が所定の表面粗さ(Rqで0.2nm以下)に研磨され、その後、所定の洗浄処理及び乾燥処理が施されている。分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製 M-2000D)を用いて透光性基板1の各光学特性を測定したところ、波長193nmの光における屈折率は1.556、消衰係数は0.000であった。
また、回折角度2θが28度から29度の間における回折強度の最大値をI_Lmax、回折角度2θが30度から32度の間における回折強度の最大値をI_Hmaxとしたとき、I_Lmax/I_Hmaxが1.5以上であった。
そして、それぞれの回折X線強度のピークにおける配向度を調べたところ、m[11-1]、o[111]、およびm[111]の各配向のうち、m[11-1]の配向度が最も大きく、o[111]の配向度が最も小さいものであった。
さらに、実施例1における位相シフト膜2の疑似欠陥が低減されていることを確認するために、別の透光性基板を用いて、上述と同様の処理を行って得られたマスクブランクの位相シフト膜2の表面状態を、非接触表面形状測定機にて測定し、パワースペクトル密度解析を行った。パワースペクトル密度解析においては、実施例1における位相シフト膜2の表面状態を、原子間力顕微鏡にて測定した(測定領域:10μm×10μm、ピクセル数:256×256)。
パワースペクトル密度解析の結果、空間周波数0.1μm-1以上1.0μm-1以下の低空間周波数領域において、パワースペクトル密度の最大値は、1.2×106nm4以下であった。低空間周波数領域におけるパワースペクトル密度の値が小さいほど、疑似欠陥を低減することができる。つまり、実施例1においては、疑似欠陥を十分に低減できていることが明らかとなった。
下層21の厚さは42nm、上層22の厚さは18nmであり、位相シフト膜2の厚さは60nmであった。
また、別の透光性基板上に実施例1の位相シフト膜を成膜し、所望のアニール処理を施した後に、所定の洗浄試験(耐薬試験)を行った。この洗浄試験を行った後に、実施例1における位相シフト膜の表面および側面につき膜減りの有無を観察したところ、表面および側面のいずれにおいても膜減りはほぼ見られず、十分な耐薬性を有していることがわかった。
次に、微細パターンが倒壊しないことを確認するために、この実施例1のマスクブランク100を用い、以下の手順で、幅寸法が18nmの位相シフトパターン2aを有する実施例1のハーフトーン型の位相シフトマスク200を製造した。最初に、ハードマスク膜4の表面にHMDS処理を施した。続いて、スピン塗布法によって、ハードマスク膜4の表面に接して、電子線描画用化学増幅型レジストで構成されるレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に対して、位相シフト膜2に形成すべき位相シフトパターンに対応する第1のパターンを電子線描画し、所定の現像処理及び洗浄処理を行い、第1のパターンに対応するレジストパターン5aを形成した(図3(a)参照)。
実施例1の位相シフトマスク200においては、位相シフトパターン2aの倒壊は見られなかった。また、実施例1の位相シフトマスク200における位相シフトパターン2aの断面について観察したところ、位相シフトパターン2aの断面形状は良好であり、位相シフトパターン2aの表面および側面のいずれにも膜減りはみられず、良好な位相シフトパターン2aとなっていた。
以上の手順を得て作製された位相シフトマスク200に対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に20nmの微細なパターンを露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、CD面内均一性が高く、設計仕様を十分に満たしていた。この結果から、この実施例1の位相シフトマスク200を露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に20nmの微細なパターンを露光転写したとしても、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンは高精度で形成できるといえる。
[マスクブランクの製造]
実施例2のマスクブランク100は、位相シフト膜2以外については、実施例1と同様の手順で製造した。この実施例2の位相シフト膜2は、実施例1の位相シフト膜2とは成膜条件を変更して成膜した。具体的には、まず、位相シフト膜2の下層21の厚さを39nmとした(下層21の組成、回折強度、パワースペクトル密度解析の結果等は実施例1と同じ)。そして、上層22を成膜する前にアニール処理(加熱処理)を行い、下層21が成膜された透光性基板1に対して、Siターゲットを用い、クリプトン(Kr)、酸素(O2)および窒素(N2)の混合ガス雰囲気での反応性スパッタリング(RFスパッタリング)により、下層21上に、ケイ素、酸素及び窒素で構成される上層22を20nmの厚さで成膜し、下層21および上層22からなる位相シフト膜2を59nmの厚さで形成した。別の透光性基板上に上層を同じ条件で成膜し、組成分析を行ったところ、Si:O:N=41%:31%:28%であり、窒素の含有量は15原子%以上60原子%以下であり、酸素の含有量は50原子%以下であった。
また、別の透光性基板上に実施例2の位相シフト膜を成膜し、実施例1と同様に、所定の洗浄試験(耐薬試験)を行った。この洗浄試験を行った後に、実施例2における位相シフト膜の表面および側面につき膜減りの有無を観察したところ、表面および側面のいずれにおいても膜減りはほぼ見られず、十分な耐薬性を有していることがわかった。
次に、この実施例2のマスクブランク100を用い、実施例1と同様の手順で、幅18nmの位相シフトパターン2aを有する実施例2の位相シフトマスク200を製造した。
実施例2の位相シフトマスク200においては、位相シフトパターン2aの倒壊は見られなかった。また、実施例2の位相シフトマスク200における位相シフトパターン2aの断面について観察したところ、位相シフトパターン2aの断面形状は良好であり、位相シフトパターン2aの表面および側面のいずれにも膜減りはみられず、良好な位相シフトパターン2aとなっていた。
実施例2の位相シフトマスク200に対し、実施例1と同様にAIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に20nmの微細なパターンを露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、CD面内均一性が高く、設計仕様を十分に満たしていた。この結果から、この実施例2の位相シフトマスク200を露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に20nmの微細なパターンを露光転写したとしても、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンは高精度で形成できるといえる。
[マスクブランクの製造]
実施例3のマスクブランク100は、位相シフト膜2以外については、実施例1と同様の手順で製造した。この実施例3の位相シフト膜2は、実施例1の位相シフト膜2とは成膜条件を変更して成膜した。具体的には、位相シフト膜2を、下層21、上層22に加えて、中間層23を積層した3層構造で構成した。まず、位相シフト膜2の下層21の厚さを41nmとした(下層21の組成、回折強度、パワースペクトル密度解析の結果等は実施例1と同じ)。そして、下層21が成膜された透光性基板1に対して、SiO2ターゲットを用い、アルゴン(Ar)ガス雰囲気でのスパッタリング(RFスパッタリング)により、下層21上に、ケイ素及び酸素で構成される中間層23を3nmの厚さで成膜した。別の透光性基板上に中間層を同じ条件で成膜し、組成分析を行ったところ、Si:O=34%:66%であり、ケイ素と酸素の合計含有量は90原子%以上であった。
そして、下層21および中間層23が成膜された透光性基板1に対して、Siターゲットを用い、クリプトン(Kr)、酸素(O2)および窒素(N2)の混合ガス雰囲気での反応性スパッタリング(RFスパッタリング)により、中間層23上に、ケイ素、酸素及び窒素で構成される上層22を15nmの厚さで成膜し、下層21、中間層23および上層22からなる位相シフト膜2を59nmの厚さで形成した。別の透光性基板上に上層を同じ条件で成膜し、組成分析を行ったところ、Si:O:N=41%:31%:28%であり、窒素の含有量は15原子%以上60原子%以下であり、酸素の含有量は50原子%以下であった。
また、別の透光性基板上に実施例3の位相シフト膜を成膜し、実施例1と同様に、所定の洗浄試験(耐薬試験)を行った。この洗浄試験を行った後に、実施例3における位相シフト膜の表面および側面につき膜減りの有無を観察したところ、表面および側面のいずれにおいても膜減りはほぼ見られず、十分な耐薬性を有していることがわかった。
次に、この実施例3のマスクブランク100を用い、実施例1と同様の手順で、幅18nmの位相シフトパターン2aを有する実施例3の位相シフトマスク200を製造した。
実施例3の位相シフトマスク200においては、位相シフトパターン2aの倒壊は見られなかった。また、実施例3の位相シフトマスク200における位相シフトパターン2aの断面について観察したところ、位相シフトパターン2aの断面形状は良好であり、位相シフトパターン2aの表面および側面のいずれにも膜減りはみられず、良好な位相シフトパターン2aとなっていた。
実施例3の位相シフトマスク200に対し、実施例1と同様にAIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に20nmの微細なパターンを露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの露光転写像を検証したところ、CD面内均一性が高く、設計仕様を十分に満たしていた。この結果から、この実施例3の位相シフトマスク200を露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に20nmの微細なパターンを露光転写したとしても、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンは高精度で形成できるといえる。
[マスクブランクの製造]
比較例1のマスクブランクは、位相シフト膜以外については、実施例1と同様の手順で製造した。この比較例1の位相シフト膜は、実施例1の位相シフト膜2とは成膜条件を変更している。具体的には、まず、位相シフト膜の下層の厚さを44nmとした(下層の組成は実施例1と同じ)。そして、上層を成膜する前にアニール処理(加熱処理)を行い、下層が成膜された透光性基板に対して、Siターゲットを用い、クリプトン(Kr)、酸素(O2)および窒素(N2)の混合ガス雰囲気での反応性スパッタリング(RFスパッタリング)により、下層上に、ケイ素、酸素及び窒素で構成される上層を18nmの厚さで成膜し、下層および上層からなる位相シフト膜2を62nmの厚さで形成した。別の透光性基板上に上層を同じ条件で成膜し、組成分析を行ったところ、Si:O:N=34%:56%:10%であり、窒素の含有量は15原子%以上60原子%以下を満たすものではなかった。また、酸素の含有量は、50原子%以下を満たすものではなかった。
次に、この比較例1のマスクブランクを用い、実施例1と同様の手順で、幅18nmの位相シフトパターンを有する比較例1の位相シフトマスクを製造した。
比較例1の位相シフトマスク200においては、位相シフトパターン2aの倒壊が見られた。この原因は、位相シフトパターン2aの幅寸法に対して、位相シフト膜の膜厚が大きくなりすぎたことにあると推察される。この結果から、この比較例1の位相シフトマスクを露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に20nm以下の微細なパターンを露光転写した場合、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンを高精度で形成することは困難であるといえる。
2 位相シフト膜
21 下層
22 上層
23 中間層
2a 位相シフトパターン
3 遮光膜
3a,3b 遮光パターン
4 ハードマスク膜
4a ハードマスクパターン
5a レジストパターン
6b レジストパターン
100 マスクブランク
200 位相シフトマスク
Claims (17)
- 透光性基板と、
前記透光性基板上に形成された位相シフト膜と、を有し、
前記位相シフト膜は、
ハフニウムおよび酸素を含む下層と、
前記下層上に形成され、ケイ素、酸素、および窒素を含む上層と、を含み、
前記下層のハフニウムおよび酸素の合計含有量は95原子%以上であり、
前記上層の窒素の含有量は15原子%以上であり、
前記位相シフト膜の膜厚は60nm以下である、マスクブランク。 - 前記上層の酸素の含有量は50原子%以下である、請求項1に記載のマスクブランク。
- 前記下層の酸素の含有量は50原子%以上である、請求項1または2に記載のマスクブランク。
- 前記上層の窒素の含有量は60原子%以下である、請求項1から3のいずれかに記載のマスクブランク。
- 前記位相シフト膜は、前記下層と前記上層との間に形成される中間層を含み、
前記中間層は、ケイ素と酸素との合計含有量が90原子%以上である材料からなる、請求項1から4のいずれかに記載のマスクブランク。 - 前記中間層は、ケイ素と酸素とからなる、請求項5に記載のマスクブランク。
- 前記位相シフト膜は、ArFエキシマレーザーの露光光に対して、20%以上の透過率および150度以上210度以下の位相シフト量を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のマスクブランク。
- 前記位相シフト膜上に、遮光膜を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のマスクブランク。
- 透光性基板と、
前記透光性基板上に設けられ、転写パターンが形成された位相シフト膜と、を有し、
前記位相シフト膜は、
ハフニウムおよび酸素を含む下層と、
前記下層上に形成され、ケイ素、酸素、および窒素を含む上層と、を含み、
前記下層のハフニウムおよび酸素の合計含有量は95原子%以上であり、
前記上層の窒素の含有量は15原子%以上であり、
前記位相シフト膜の膜厚は60nm以下である、位相シフトマスク。 - 前記上層の酸素の含有量は50原子%以下である、請求項9に記載の位相シフトマスク。
- 前記下層の酸素の含有量は50原子%以上である、請求項9または10に記載の位相シフトマスク。
- 前記上層の窒素の含有量は60原子%以下である、請求項9から11のいずれかに記載の位相シフトマスク。
- 前記位相シフト膜は、前記下層と前記上層との間に形成される中間層を含み、
前記中間層は、ケイ素と酸素との合計含有量が90原子%以上である材料からなる、請求項9から12のいずれかに記載の位相シフトマスク。 - 前記中間層は、ケイ素と酸素とからなる、請求項13に記載の位相シフトマスク。
- 前記位相シフト膜は、ArFエキシマレーザーの露光光に対して、20%以上の透過率および150度以上210度以下の位相シフト量を有することを特徴とする請求項9から14のいずれかに記載の位相シフトマスク。
- 前記位相シフト膜上に、遮光パターンが形成された遮光膜を備えることを特徴とする請求項9から15のいずれかに記載の位相シフトマスク。
- 請求項9から16のいずれかに記載の位相シフトマスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に前記転写パターンを露光により転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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