以下、添付図面を参照して、本願の開示する吐水装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る吐水装置を示す全体斜視図である。なお、図1および図2以降に示す図は、いずれも模式図である。
また、図1では、説明の便宜のために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、以下の説明では、例えば吐水装置1が設置されたときの状態を基準として、直交座標系におけるX軸正方向を「右方」、X軸負方向を「左方」、Y軸正方向を「前方」あるいは「正面側」、Y軸負方向を「後方」あるいは「背面側」、Z軸正方向を「上方」、Z軸負方向を「下方」と記載する場合がある。
図1に示すように、吐水装置1は、壁付け式であり、壁面Wに設置される。なお、吐水装置1は、例えばトイレ室内の壁面Wに設置される手洗い装置であるが、これに限定されるものではない。すなわち、吐水装置1は、例えば洗面所やキッチンなどその他の場所の壁面に設置されてもよい。なお、壁面Wは、設置面の一例である。
図2は、吐水装置1の背面図であり、図3は、吐水装置1の背面分解斜視図である。図4は、図2のIV-IV線断面図である。なお、図4では、理解の便宜のため、壁面Wを含めて図示している。
図1~図4に示すように、吐水装置1は、手洗い器10と、カウンタ20と、吐水部30(図2,3で見えず)と、パネル部40と、給水部50(図1で見えず)と、電線70(図1,4で見えず)と、固定部80(図1で見えず)とを備える。
手洗い器10は、水受け部11を備える。水受け部11は、例えばボウル状に形成され、吐水部30から吐水される水を受ける。水受け部11は、受けた水を排水孔12(図2~図4参照)から、一点鎖線で示す排水管13(図2,4参照)へ排水する。なお、「水」という表現は、上水(水道水)などの常温の水の他、湯や湯水混合水、冷水などを含む意味で用いる場合がある。
カウンタ20は、例えば板状の部材であり、手洗い器10の下方に設けられる。カウンタ20は、例えば壁面Wあるいは図示しない床面などに固定されて設置される。そして、カウンタ20には、手洗い器10が載置される。
吐水部30は、図4に示すように、水を手洗い器10に向けて吐水口31から吐水する。例えば、吐水部30は自動水栓である。具体的には、吐水部30は、人体検知センサ32を備え、例えば吐水部30付近に使用者の手などが差し出されたこと検知すると、自動的に水を吐出する。なお、人体検知センサ32は、センサ部の一例である。
パネル部40は、例えば平板状に形成される。なお、パネル部40は、例えば木製の板材であり、おもて面40a側に樹脂製の化粧板を有する構成であるが、これは例示であって限定されるものではない。
パネル部40は、手洗い器10の背面側(後側。Y軸負側)およびカウンタ20の上方(Z軸正方向)に位置される。すなわち、パネル部40は、手洗い器10の背面側の壁部でもある。また、パネル部40のおもて面40a、言い換えると手洗い器10側の面には、図1,4に示すように、吐水部30が設けられる(取り付けられる)。
また、パネル部40は、設置面である壁面Wに対向するように位置されて設置(固定)される。そして、本実施形態に係る吐水装置1にあっては、パネル部40と設置面である壁面Wとの間に給水部50の一部を収容する収容空間60が形成される。
給水部50は、吐水部30に接続され、吐水部30へ給水する。給水部50、および、上記した収容空間60を形成するパネル部40については、後に詳説する。
電線70は、吐水部30に設けられた人体検知センサ32に接続される。例えば、電線70は、人体検知センサ32に電力を供給する電源線や、人体検知センサ32と後述する電磁弁101(図2参照)との間で信号の送受信を行う信号線などを含む。なお、電線70は、かかる電源線や信号線が可撓性を有するチューブ内に収容されて構成される。なお、かかるチューブは例えば樹脂製であるが、これに限られない。そして、電線70は、給水部50と同様に、収容空間60に収容されるが、これについては後述する。
固定部80は、吐水部30をパネル部40に固定する。固定部80は、図2,3に示すように、固定板81と、ボルト82とを備える。吐水部30は、これら固定板81やボルト82によってパネル部40に固定されるが、これについては図8を参照して後述する。
ここで、給水部50について詳しく説明する。給水部50は、上記したように、パネル部40と壁面Wとの間に形成された収容空間60に収容される(図4参照)。すなわち、本実施形態においては、給水部50が壁面Wの表側に設けられることから、例えば壁面Wの裏側での給水工事などを不要にすることができる。これにより、比較的短期間でかつ低コストで吐水装置1を設置することが可能となり、吐水装置1の施工性を向上させることができる。
また、本実施形態にあっては、収容空間60の前後方向(Y軸方向)の奥行を可及的に小さくすることで、パネル部40の奥行Yd(図4参照)を小さくして薄型にし、吐水装置1のコンパクト化を図るようにした。
具体的に説明すると、図2,3に示すように、給水部50は、給水管51と、給水路52と、分流部53と、合流部54(図4参照。図4においてブロックで示す)とを備える。
給水管51は、壁面Wに設けられた止水栓100(図2においてブロックで示す)を介して図示しない水道管などの給水源に接続される。また、給水管51と止水栓100との間には、自動水栓用の電磁弁101(図2においてブロックで示す)が接続される。かかる電磁弁101は、吐水部30の人体検知センサ32(図4参照)から、例えば吐水部30付近に使用者の手などが差し出されたことを示す検知信号が出力されている間、開弁して流路を開放する一方、検知信号の出力が停止すると、閉弁して流路を閉塞する。なお、給水管51は、可撓性を有する材質(例えばシリコンなどの樹脂)により製作されるが、材質はこれに限定されるものではない。
給水路52は、複数(例えば2つ(2本))あり、給水管51の下流側に分流部53を介して接続される。すなわち、分流部53は、給水管51からの水を複数の給水路52へ分流する。
また、給水路52の下流側には、合流部54(図4参照)が接続され、合流部54の下流側には吐水部30の吐水口31が接続される。すなわち、合流部54は、複数の給水路52からの水を合流させる。そして、合流部54において合流した水は、吐水部30の吐水口31から吐出される。なお、上記では、給水路52を2つとしたが、これに限定されるものではなく、例えば3つ(3本)以上であってもよい。
上記したように、複数の給水路52には、同一の給水管51から供給された水が流れるものとする。言い換えると、複数の給水路52には、同一の給水系統から供給された水が流れるものとするが、これに限定されるものではない。
複数の給水路52はそれぞれ、上流側の給水管51より細くなるように形成される。具体的には、図2に示すように、複数の給水路52はそれぞれ、外形寸法(外径)A2が給水管51の外形寸法(外径)A1より小さくなるように形成される(A2<A1)。ここで、給水路52の外形寸法A2は、例えば複数の給水路52を流れる水の流量の合計(総流量)が、上流側の給水管51を流れる水の流量と同じあるいは同等となるような値に設定される。なお、複数の給水路52は、全て同じ外形寸法A2に設定されるが、これに限られず、複数の給水路52の一部あるいは全部が、互いに異なる外形寸法となるように設定されてもよい。
そして、上記のように構成された複数の給水路52は、図2~図4などに示すように、収容空間60内に配置される。これにより、収容空間60の奥行を、例えば給水管51が収容されるように構成した場合に比べて小さくして薄型にすることができる。そのため、パネル部40の奥行Yd(図4参照)を小さくして薄型にでき、よって吐水装置1において奥行を薄型にしコンパクト化することができる。
また、本実施形態に係る給水部50にあっては、給水管51より細い外形寸法A2の給水路52を複数(ここでは2つ)備えることで、例えば給水管51から供給される水量を維持しつつ吐水部30から吐出させることが可能となる。
ここで、例えば仮に、上記した給水路52が銅管など剛性の高い材料で製作された場合、施工時における給水路52の接続やメンテナンス時における給水路52の取り外しなどの際に、給水路52を取り回しにくくなって、結果として施工性やメンテナンス性の低下を招くおそれがある。
そこで、本実施形態に係る複数の給水路52はそれぞれ、可撓性を有するように構成される。なお、給水路52としては、例えば樹脂製(塩化ビニールやシリコンなど)のチューブを用いることができるが、これに限定されるものではない。
このように、複数の給水路52が可撓性を有することで、施工時やメンテナンス時において給水路52を取り回し易くなり、施工性やメンテナンス性の低下を抑制することができ、よって施工性等をより向上させることができる。
但し、給水路52は、上記したように可撓性を有し、複数あるため、施工時やメンテナンス時に、複数の給水路52がばらばらになってしまったり、絡み合ってねじれが発生したりするおそれがあった。
そこで、本実施形態に係る吐水装置1にあっては、給水路52におけるねじれの発生などを抑制することができるような構成とした。
以下、かかる構成について具体的に説明する。給水部50は、複数の給水路52を束ねるガイド部56を備える。ガイド部56はさらに、電線70を複数の給水路52と一緒に束ねることができる。
詳しくは、ガイド部56は、複数(例えば2つ)ある。なお、以下では、給水部50の上方(Z軸正方向)に設けられるガイド部56aを「第1ガイド部56a」、下方(Z軸負方向)に設けられるガイド部56bを「第2ガイド部56b」と記載する場合があるが、これらを特に区別せずに説明する場合には「ガイド部56」と記載する。
図5は、図2のV-V線図であり、図6は、図5に示すガイド部56(正確には第1ガイド部56a)付近の拡大断面図である。なお、図6では、図示の簡略化のため、電線70において、電源線や信号線を省略して斜線を付している。
図5,6等に示すように、ガイド部56は、収容空間60内に配置される。そして、ガイド部56は、図2,6等に示すように、複数の給水路52および電線70を束ね、複数の給水路52および電線70が上下方向(Z軸方向)沿って延在するようにガイドする。
ガイド部56の構成について図6を参照して詳説すると、ガイド部56は、第1固定部材561と、第2固定部材562と、連結部563と、係止部564とを備える。なお、ガイド部56は、例えば樹脂製であるが、これに限定されるものではなく、例えば金属製などであってもよい。
第1固定部材561には、給水路用溝部561aと、電線用溝部561bとが形成される。給水路用溝部561aは、給水路52が配置される部位であり、給水路52の外形に即した湾曲形状となるように形成される。電線用溝部561bは、電線70が配置される部位であり、電線70の外形に即した湾曲形状となるように形成される。なお、電線70の外形寸法(外径)は、給水路52の外形寸法(外径)より小さいが、これに限定されるものではない。
ガイド部56には、2つ(2本)の給水路52が配置されるため、給水路用溝部561aが2つ形成される。ガイド部56には、1つの電線70が配置されるため、電線用溝部561bが1つ形成される。また、給水路用溝部561aおよび電線用溝部561bは、左右方向(X軸方向)に並列になるように形成される。詳しくは、電線用溝部561bは、複数(ここでは2つ)の給水路用溝部561aの間になるようにして、左右方向に並んで形成される。
第2固定部材562は、第1固定部材561と対応する形状となるように形成される。例えば、第2固定部材562には、給水路用溝部562aと、電線用溝部562bとが形成される。給水路用溝部562aは、給水路52の外形に即した湾曲形状となるように形成される。電線用溝部562bは、電線70の外形に即した湾曲形状となるように形成される。また、ガイド部56には、給水路用溝部562aが2つ、電線用溝部562bが1つ形成される。また、給水路用溝部562aおよび電線用溝部562bは、左右方向(X軸方向)に並列になるように形成される。詳しくは、電線用溝部562bは、複数(ここでは2つ)の給水路用溝部562aの間になるようにして、左右方向に並んで形成される。
連結部563は、第1固定部材561と第2固定部材562とを連結する。例えば、連結部563は、第1固定部材561の一端と第2固定部材562の一端とを連結する。従って、第1固定部材561の他端と第2固定部材562の他端とは連結されていないため、開閉可能とされる。
係止部564は、第1固定部材561と第2固定部材562とを係止する。例えば、係止部564は、第1固定部材561の他端と第2固定部材562の他端とを係止して固定する。逆に言えば、第1、第2固定部材561,562の他端は、係止部564によって係止されない場合、開放された状態となる。
上記のように構成されたガイド部56においては、例えば第1、第2固定部材561,562の他端が開放された状態で、第1、第2固定部材561,562の間に給水路52および電線70が挿入される。第1、第2固定部材561,562の間に挿入された給水路52および電線70は、それぞれ対応する給水路用溝部561a,562aおよび電線用溝部561b,562bに配置される。そして、係止部564によって第1固定部材561と第2固定部材562とが係止されることで、ガイド部56は、図6に示すように複数の給水路52および電線70を束ねることができる。
このように、本実施形態に係る給水部50は、複数の給水路52を束ねる(結束する)ガイド部56を備えるようにした。これにより、例えば施工時やメンテナンス時に、複数の給水路52がばらついてねじれが発生することを抑制することができる。また、本実施形態にあっては、ガイド部56によって複数の給水路52のねじれ等の発生が抑制されるため、施工時やメンテナンス時において給水路52の取り回しが容易となり、施工性等をより向上させることができる。
また、本実施形態に係るガイド部56は、複数の給水路52および電線70を束ねて(結束して)固定する。これにより、例えば施工時やメンテナンス時に、複数の給水路52および電線70がばらついてねじれが発生することを抑制することができ、施工時やメンテナンス時において給水路52および電線70の取り回しが容易となり、結果として施工性等をより一層向上させることができる。
また、複数の給水路52は、上記のように構成されたガイド部56によって左右方向(X軸方向)に並列になるように束ねられて固定される。これにより、収容空間60の前後方向(Y軸方向)の奥行を、例えば複数の給水路52が前後方向に並列になる場合に比べて小さくして薄型にすることができる。そのため、パネル部40の奥行Yd(図4参照)をより小さくして薄型にでき、よって吐水装置1において奥行を薄型にしよりコンパクト化することができる。
また、電線70は、複数の給水路52と左右方向に並列になるようにガイド部56によって束ねられて固定される。これにより、収容空間60の前後方向(Y軸方向)の奥行を、例えば電線70と複数の給水路52とが前後方向に並列になる場合に比べて小さくして薄型にすることができる。そのため、パネル部40の奥行Yd(図4参照)をより小さくして薄型にでき、よって吐水装置1において奥行を薄型にしよりコンパクト化することができる。
ここで、複数の給水路52および電線70は、上記したように左右方向に並列に配置されるが、必ずしも左右方向に直線状に並んで配置されることを要しない。これについて、図7Aおよび図7Bを参照して説明する。図7Aおよび図7Bは、並列に配置された給水路52および電線70を説明するための図である。なお、図7Aは複数の給水路52および電線70を上方から見たときの模式平面図であり、図7Bは、複数の給水路52を左右方向から見たとき(正確にはX軸負側から正方向に向けて見たとき)の模式側面図である。なお、ここでは、理解の便宜のため、2つの給水路52うち、一方の給水路52に符号521を付し、他方の給水路52に符号522を付して説明する。
まず、一方の給水路521および他方の給水路522の並列配置について説明する。図7Aに実線で示すように、一方の給水路521と他方の給水路522とは、左右方向(X軸方向)に直線状に並んで配置されるが、これに限定されるものではない。すなわち、図7Aに一点鎖線で示すように、例えば一方の給水路521と他方の給水路522とが、前後方向(Y軸方向)にずれて配置された状態であってもよく、詳しくは図7Bに示すように、側面視において一方の給水路521と他方の給水路522とは少なくとも一部が重なるようにして、左右方向に並列に配置されていればよい。なお、図7Bでは、理解の便宜のため、一方の給水路521と他方の給水路522とが重なる部位Fをドットで示している。
このように、一方の給水路521と他方の給水路522とは、側面視において少なくとも一部が重なるようにして、左右方向に並列に配置されていれば、上記したように、パネル部40の奥行Yd(図4参照)を小さくして、よって吐水装置1をコンパクト化することができる。
次に、給水路521,522と電線70との並列配置について説明する。図7Aに実線で示すように、給水路521,522と電線70とは、左右方向(X軸方向)に直線状に並んで配置されるが、これに限定されるものではない。すなわち、図7Aに二点鎖線で示すように、例えば給水路521,522と電線70とが、前後方向(Y軸方向)にずれて配置された状態であってもよい。すなわち、図示は省略するが、側面視において給水路521,522と電線70とは少なくとも一部が重なるようにして、左右方向に並列に配置されていればよい。
好ましくは、電線70は、給水路521,522の外径における前端521a,522aと、給水路521,522の後端521b,522bとの間(例えば図7Aにおいて、他方の給水路522が実線で示される位置にある場合は範囲D1で示される間であり、他方の給水路522が一点鎖線で示される位置にある場合は範囲D2で示される間)に位置するようにして、給水路521,522と左右方向に並列に配置されていればよい。
このように、給水路521,522と電線70とが並列配置されていれば、上記したように、パネル部40の奥行Yd(図4参照)を小さくして、よって吐水装置1をコンパクト化することができる。
図2に戻ってガイド部56や給水路52、電線70等の説明を続ける。図2に示すように、電線70は、複数の給水路52の間に配置される。
これにより、例えば施工時等において電線70が意図しない隙間に挟まってしまうことを抑制することができる。すなわち、例えば施工する際、パネル部40と設置場所(例えばカウンタ20や壁面W)との間の隙間に、給水路52や電線70が挟まってしまうおそれがある。このとき、ガイド部56によって束ねられる給水路52および電線70においては、パネル部40と設置場所との隙間に近い外側に配置されるものの方が挟まれやすい。ここで、例えば仮に、電線70が給水路52より左右方向において外側に配置されると、電線70が挟まったことに施工者が気づかず、電線70が徐々に劣化して断線して気づくなど、施工不良の発見が遅れてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態にあっては、電線70は、複数の給水路52の間に配置されるため、パネル部40と設置場所との隙間から遠くなり、隙間に挟まってしまうことを抑制することができる。また、左右方向において外側に配置される給水路52が、仮に隙間に挟まってしまった場合であっても、給水路52の流路が狭まるため、吐水部30からの吐出される流量が減少する吐水不良を施工者は視覚的に認識できるため、施工不良を早期に発見することができる。
また、上記したように、電線70の外形寸法(外径)は、給水路52の外形寸法(外径)より小さい。従って、給水路52よりも外径が小さい電線70、言い換えると、隙間に挟まれやすい電線70を、挟まれやすい外側ではなく内側に設ける(外径の大きい給水路52の間に設ける)ことによって、電線70が隙間に挟まれてしまうことをより一層抑制することができる。
次に、ガイド部56の数および取付位置などについて説明する。ガイド部56は、収容空間60において少なくとも2つ設けられる、別言すれば複数設けられる。詳しくは、図2,4等に示すように、第1ガイド部56aは、収容空間60の上方(Z軸正方向)であって吐水部30付近に設けられ、第2ガイド部56bは、収容空間60の上下方向(Z軸方向)における中央付近に設けられる。
このように、本実施形態にあっては、ガイド部56が収容空間60において少なくとも2つ設けられることで、収容空間60内での給水路52のねじれ等を抑制することができる。すなわち、例えば収容空間60内は、パネル部40と壁面Wとの間であるため、外部からの視認が困難であり、給水路52にねじれ等が生じてしまって吐水不良が起きると、原因の発見が遅れてしまうおそれがある。本実施形態にあっては、ガイド部56が収容空間60内に少なくとも2つ設けられるため、外部からの視認が困難な収容空間60内での給水路52のねじれ等を抑制することができる。
第1、第2ガイド部56a,56bはともに、給水路52において直線状の部位に設けられる(取り付けられる)。具体的に説明すると、給水路52は、図4に示すように、接続部52aと、屈曲部52bと、直線部52cとを備える。接続部52aは、吐水部30に接続される、正確には、合流部54を介して吐水部30の吐水口31に接続される。屈曲部52bは、接続部52aから下流側に向かって屈曲形状を有し、吐水部30の内部および収容空間60を通る部位である。直線部52cは、屈曲部52bから下流側に向かって直線状を有し、収容空間60を上下方向(Z軸方向)に沿って通る部位である。第1、第2ガイド部56a,56bは、かかる直線部52cに設けられる。
これにより、ガイド部56(第1、第2ガイド部56a,56b)は、給水路52を適切にガイドすることができる。すなわち、例えば仮に、第1ガイド部56aが直線部52cではなく、屈曲部52bに設けられた場合、屈曲部52bの復元力(例えば屈曲部52bが元の直線状に戻ろうとする力)によって、給水路52が所期の位置にガイドされず、結果として第1ガイド部56aがパネル部40や壁面Wに当たってしまい、給水路52に不要な力(負荷)が作用するおそれがある。本実施形態にあっては、ガイド部56(例えば第1、第2ガイド部56a,56b(詳しくは第1ガイド部56a))が、屈曲部52bから下流側に位置する直線部52cに設けられることから、可撓性を有する給水路52が所期の位置に適切にガイドされ、結果として給水路52に不要な力が作用することも抑制することができる。
なお、上記では、ガイド部56が2つである例を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、ガイド部56は、例えば1つであっても、3つ以上であってもよいが、少なくとも2つあることが好ましい。
次に、給水部50が収容される収容空間60を形成するパネル部40について詳説する。上記した給水部50は、図2に示すように、パネル部40の裏面40bに設置される。なお、パネル部40の裏面40bは、設置面である壁面W(図4参照)と対向する面である。
パネル部40の裏面40bには、図2に示すように、給水部設置領域41と、給水部非設置領域42とが形成される。なお、図2では、理解の便宜のため、給水部設置領域41を一点鎖線で囲んで示し、給水部非設置領域42を破線で囲んで示す。
パネル部40の給水部設置領域41には、収容空間60が形成され、かかる収容空間60に給水部50が収容されて設置される。パネル部40の給水部非設置領域42は、収容空間60が形成されず、給水部50が設置されない部位である。具体的には、給水部非設置領域42は、給水部設置領域41より設置面である壁面W側に突出した部位を有するように構成される。より具体的には、給水部非設置領域42は、給水部設置領域41において壁面Wと対向する面41aから壁面W側に向けて奥行B分突出するように構成される(図5参照)。
これにより、本実施形態に係るパネル部40にあっては、給水部設置領域41の収容空間60に給水部50を収容することで奥行Yd(図4参照)を小さくして吐水装置1をコンパクト化できるとともに、給水部非設置領域42においては設置面である壁面W側に突出した部位を有することで板厚を確保することができ、結果としてパネル部40全体の強度を向上させることができる。
次に、給水部設置領域41の収容空間60について説明する。給水部設置領域41には、上下方向に延在する凹部43が設けられる。言い換えると、給水部設置領域41は、ザグリ形状とされる。この凹部43によってパネル部40と壁面Wとの間に収容空間60が形成され、かかる収容空間60に給水部50が収容される。
これにより、給水部50は、上下方向に延在する凹部43内に収容されることから、例えば施工時などにおいて給水部50を上下方向にガイドすることができる。また、凹部43は、例えば左右方向に湾曲したりせずに、上下方向に延在する形状であることから、凹部43内において給水路52にねじれが発生することを抑制できる。
また、凹部43内に収容される給水部50は、可撓性を有する複数の給水路52であるため、ばらついてねじれ等が生じやすいが、上記のように凹部43内に収容されることから、例えば施工時等に複数の給水路52がばらついてねじれが発生することを抑制しつつ、複数の給水路52を上下方向にガイドすることができる。
また、図2や図6などに示すように、複数の給水路52は、左右方向に並列になるように凹部43内の収容空間60に収容される。
これにより、凹部43内の収容空間60の前後方向(Y軸方向)の奥行を、例えば複数の給水路52が前後方向に並列になる場合に比べて小さくして薄型にすることができる。そのため、パネル部40の奥行Yd(図4参照)をより小さくして薄型にでき、よって吐水装置1において奥行を薄型にしコンパクト化することができる。
また、電線70も、複数の給水路52と左右方向に並列になるように凹部43内の収容空間60に収容される。これにより、収容空間60の前後方向(Y軸方向)の奥行を、例えば電線70と複数の給水路52とが前後方向に並列になる場合に比べて小さくして薄型にすることができる。そのため、パネル部40の奥行Yd(図4参照)をより小さくして薄型にでき、よって吐水装置1において奥行を薄型にしよりコンパクト化することができる。
上記した凹部43の構成について詳説すると、凹部43は、第1凹部43aと、第2凹部43bとを備える。第1凹部43aは、パネル部40の下端から上方(Z軸正方向)に向けて延在するように直線状に形成される。
第2凹部43bは、第1凹部43aの上端と連続するように形成される。また、第2凹部43bは、図3に示すように、第1凹部43aより左右方向の幅が広くなるように形成される。詳しくは、第2凹部43bの左右方向(X軸方向)の幅C2が、第1凹部43aの左右方向の幅C1より広くなるように設定される(C2>C1)。
図8は、図2のVIII-VIII線断面図であり、具体的には第2凹部43b付近の拡大断面図である。図8に示すように、第2凹部43bは、パネル部40において吐水部30が固定される位置と対応する部位に形成される。言い換えると、第2凹部43bは、パネル部40の裏面40bであって、吐水部30が固定されるおもて面40aの位置とは反対側の部位に形成される。
そして、第2凹部43bにおいて、上記した固定部80が吐水部30をパネル部40に固定する。具体的には、固定部80の固定板81は、第2凹部43bの幅C2(図3参照)より小さい幅を有する板状の部材であり、第2凹部43bに嵌合する形状とされる。固定板81には、ボルト82が挿通可能な挿通孔81aが形成される。また、吐水部30には、ボルト82に対応するネジ孔33が形成される。
吐水部30の固定手順の一例としては、まず吐水部30が、パネル部40のおもて面40aの固定される位置に配置される。なお、このとき、吐水部30から延びる給水部50や電線70は、パネル部40の貫通孔44を通って裏面40b側に引き出されている。次いで、固定板81が第2凹部43bに嵌合され、かかる状態でボルト82が固定板81の挿通孔81aおよびネジ孔33に挿通されて締結されることで、吐水部30がパネル部40に固定される。言い換えると、吐水部30と固定板81とでパネル部40を挟むようにして、吐水部30がパネル部40に固定される。
上記したように、本実施形態に係る第2凹部43bは、第1凹部43aより左右方向の幅が広くなるように形成されることから、吐水部30の固定範囲(別言すれば、パネル部40と固定板81との接触面積)を広く確保することができるため、吐水部30に作用する荷重を分散でき、結果として吐水部30の脱落やパネル部40の破損等を防止することができる。
上述してきたように、実施形態に係る吐水装置1は、吐水部30と、給水部50と、パネル部40とを備える。給水部50は、吐水部30へ給水する。パネル部40は、設置面(壁面W)に対向するように設置される。パネル部40と設置面との間に給水部50の少なくとも一部を収容する収容空間60が形成される。給水部50は、収容空間60内に配置され可撓性を有する複数の給水路52と、複数の給水路52を束ねるガイド部56とを備える。これにより、吐水装置1において、前後方向の奥行を薄型にするコンパクト化を図りつつ、給水路52におけるねじれの発生を抑制することができる。
また、実施形態に係る吐水装置1は、吐水部30と、給水部50と、パネル部40とを備える。給水部50は、吐水部30へ給水する。パネル部40は、設置面(壁面W)に対向するように設置される。パネル部40において設置面と対向する裏面40bには、給水部設置領域41と、給水部非設置領域42とが形成される。給水部設置領域41は、給水部50の少なくとも一部を収容する収容空間60が形成される。給水部非設置領域42は、給水部設置領域41より設置面側に突出した部位を有する。これにより、吐水装置1において、前後方向の奥行を薄型にするコンパクト化を図りつつ、パネル部40の強度を向上させることができる。
(変形例)
次に、変形例について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図9は、変形例に係る吐水装置1を示す全体斜視図である。図9に示すように、変形例に係る吐水装置1にあっては、例えばパネル部40やカウンタ20などが、左右方向(X軸方向)に幅広となるように構成される。一例としては、パネル部40やカウンタ20などがトイレ室の壁面Wにおいて左右方向(X軸方向)の全域にわたって形成される。なお、変形例に係るカウンタ20は、例えばキャビネット110の天板である。
このように、パネル部40の幅が比較的広くなるように形成される場合であっても、パネル部40に、上記した給水部設置領域41および給水部非設置領域42(図2参照)が形成されることで、吐水装置1の前後方向の奥行を薄型にするコンパクト化を図りつつ、パネル部40の強度を向上させることができる。
なお、上記した実施形態および変形例では、収容空間60は、給水部50の一部を収容するようにしたが、これに限定されるものではなく、給水部50の全部を収容するようにしてもよい。すなわち、収容空間60は、給水部50の少なくとも一部を収容していればよい。
また、上記では、吐水装置1の吐水部30が自動水栓である例を示したが、これに限られず、手動水栓であってもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。