JP7795406B2 - 建築内装用床材及び建築内装用床材の製造方法 - Google Patents
建築内装用床材及び建築内装用床材の製造方法Info
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Description
このような表層の着色化粧層は、一般に、塩化ビニル系樹脂などを含む樹脂層に、ロータリースクリーン印刷やグラビア印刷のような有版印刷を施すことによって形成される。しかしながら、有版印刷は、同じデザインを大量印刷する場合に適するが、小ロット印刷に適さず、また、有版印刷によって形成されるデザインは、ロール版に表された模様の繰り返しである上、そのデザインの繰り返しもロール版の円周長さに依存する。
この点、インクジェット印刷のような無版印刷によれば、任意のデザインの建築内装用床材を簡単に製造でき、また、小ロットで床材を製造する場合にも適する。
本発明の好ましい建築内装用床材は、前記接着層が、顔料を含まない。
本発明の好ましい建築内装用床材は、前記第2PVC層が、微粒子を含む、
本発明の好ましい建築内装用床材は、前記第1PVC層と第2PVC層の層間剥離強度が、30N/50mm以上である。
本発明の製造方法は、塩化ビニル系樹脂を含む第1PVCシートと前記第1PVCシート上に形成された着色化粧層と前記着色化粧層上に形成された接着層とを有する化粧シートを準備する工程、塩化ビニル系樹脂を含む第2PVCシートを準備する工程、前記化粧シート及び第2PVCシートを加熱状態下で一体化させることにより、第1PVCシート/着色化粧層/接着層/第2PVCシートからなる積層体を形成する工程、を有し、前記着色化粧層が、インクジェットプリンターを用いて前記第1PVCシート上に紫外線硬化型樹脂を含むインクジェットインクを印刷することによって形成され、前記接着層が、紫外線硬化型樹脂を含む塗工液を前記着色化粧層上に塗工し、硬化させることによって形成される。
本明細書において、建築内装用床材の「表面」又はそれを構成する任意の層の「表面」は、建築内装用床材を施工する施工面から遠い側の面を指し、「裏面」は、その反対側(建築内装用床材の施工面に近い側)の面を指す。平面視は、建築内装用床材の表面に対して鉛直な方向から床材を見ることをいう。
本明細書において、「下限値以上上限値以下」で表される数値範囲は、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「任意の下限値以上任意の上限値以下」を設定できるものとする。
また、各図における、厚み及び大きさなどの寸法は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
図1は、第1実施形態の建築内装用床材1の平面図であり、図2は、第2実施形態の建築内装用床材1の平面図である。以下、「建築内装用床材」を単に「床材」という場合がある。
図1を参照して、床材1は、平面視で長尺帯状に形成されている。前記長尺帯状は、長手方向の長さが短手方向よりも十分に長い平面視略長方形状をいい、例えば、長手方向長さが短手方向の長さの3倍以上、好ましくは5倍以上である。長尺帯状の具体的な寸法としては、例えば、短手方向の長さが500mm以上3000mm以下で、長手方向の長さが2m以上500m以下などの場合が挙げられる。長尺帯状に形成された床材1は、通常、ロールに巻かれて保管及び運搬に供され、施工現場において、所望の形状に裁断して使用される。
床材1の全体の厚みは、特に限定されず、例えば、0.5mm以上10mm以下であり、好ましくは、1mm以上8mm以下であり、より好ましくは、1.5mm以上5mm以下である。
床材1は、着色化粧層を含む表層2を有する。床材1の表面には、前記着色化粧層の色彩が表出されている。着色化粧層の色彩によって、床材1のデザインが構成されている。表層2の表面が床材1の表面を構成している。従って、本発明の床材1は、その表面にパイル糸や布生地を有さず、床材1の表面がPVC層にて構成されている。
本発明の建築内装用床材1は、前記表層2のみから構成されていてもよく、或いは、前記表層2とその裏面側に積層された裏面層とから構成されていてもよい。
前記表層2は、塩化ビニル系樹脂を含む第1PVC層と、インクジェットインクから形成された着色化粧層と、電離放射線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂を含む接着層と、塩化ビニル系樹脂を含む第2PVC層と、をこの順で有する。前記第1PVC層、着色化粧層、接着層及び第2PVC層をこの順で有する表層2は、前記第1PVC層が表層2の表面を構成していてもよく、或いは、前記第2PVC層が表層2の表面を構成していてもよい。第1PVC層と着色化粧層は直接的に強固に接着され、着色化粧層と第2PVC層は、接着層を介して強固に接着されている。
図3の床材1は、表面側から順に、表層2と、裏面層3と、を有する。表層2は、表面側から順に、塩化ビニル系樹脂を含む第1PVC層21と、インクジェットインクから形成された着色化粧層23と、電離放射線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂を含む接着層24と、塩化ビニル系樹脂を含む第2PVC層22と、を有する。この場合、第1PVC層21が床材1の最表面を構成している。裏面層3は、表面側から順に、第1樹脂層31と、第2樹脂層32と、第3樹脂層33と、を有する。なお、裏面層3は、4つ以上の樹脂層を有していてもよい。
着色化粧層23の表面側に設けられるPVC層は、着色化粧層23を十分に保護するために比較的厚みを大きくすることがある。この点、前記のように第2PVC層22が着色化粧層23の表面側に配置されている場合、着色化粧層23の支持基材となる第1PVC層21の厚みを小さくすることができる。従って、第1PVCシート上に着色化粧層及び接着層が形成された化粧シートを予め製造しておく場合、この化粧シートを保管・運搬し易くなり、特にロール状に巻いた状態の前記化粧シートの保管・運搬が容易になる。
また、特に図示しないが、図3乃至図5の裏面層3の層構成を適宜組み合わせてもよく、或いは、置換してもよい。また、特に図示しないが、裏面層3の一部の層を省略してもよく、或いは、裏面層3に別の機能層を付加してもよい。例えば、裏面層3の裏面に、吸着部又は粘着部を設けてもよい(図示せず)。吸着部又は粘着部は、床面などの施工面に剥離可能な状態で付着する部分である。吸着部の形成材料としては、非常に柔らかい発泡樹脂などが挙げられ、粘着部の形成材料としては、ピールアップ性粘着剤などが挙げられる。
<第1PVC層>
第1PVC層21は、着色化粧層23の支持基材となる層である。つまり、第1PVC層21にインクジェット印刷することにより、第1PVC層21に着色化粧層23が形成される。第1PVC層21上に形成された着色化粧層23は、第1PVC層21に強固に接着する。
第1PVC層21は、塩化ビニル系樹脂を含み、必要に応じて、可塑剤、充填剤及び任意の適切な添加剤を含んでいてもよい。
ペースト塩化ビニル系樹脂は、例えば、乳化重合法で得られるペースト状の塩化ビニル系樹脂であり、可塑剤により、適宜粘度を調整できる。ペースト塩化ビニル系樹脂は、多数の微粒子集合体からなる粒子径が0.1以上10μm以下(好ましくは1μm以上3μm以下)の微細粉末であり、好ましくは、前記微細粉末の表面に界面活性剤がコーティングされている。ペースト塩化ビニル系樹脂の平均重合度は1000以上2000以下程度が好ましい。
サスペンション塩化ビニル系樹脂は、例えば、懸濁重合法で得られる塩化ビニル系樹脂である。サスペンション塩化ビニル系樹脂は、粒子径が好ましくは20μm以上100μm以下の微細粉末である。サスペンション塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、700以上1500以下程度が好ましく、700以上1100以下程度がより好ましく、700以上1000以下程度がさらに好ましい。
第1PVC層21は、主成分樹脂として塩化ビニル系樹脂を含んでいることを条件として、他の樹脂を含んでいてもよく、或いは、他の樹脂を含んでいなくてもよい。
ここで、本明細書において、ある層の主成分樹脂は、層中に含まれる樹脂成分全体に対して(樹脂成分全体を100重量%とした場合)、60重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上を占める樹脂を意味する。
可塑剤の量は、特に限定されず、例えば、第1PVC層の全体を100重量%として、15重量%以上50重量%以下であり、好ましくは20重量%以上45重量%以下である。
充填剤は、不透明でもよく、透明又は半透明でもよい。不透明の充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、マイカなどが挙げられる。透明又は半透明の充填剤としては、例えば、樹脂ビーズ、ガラスビーズなどが挙げられ、特に、樹脂ビーズが好ましく、例えば、アクリルビーズが好適に用いられる。
図3に示すように、第1PVC層21が床材1の表面を構成する場合、充填剤は、透明又は半透明が好ましい。これによって、裏面側の着色化粧層23の色彩を表出させることができる。
特に、図4に示すように、第1PVC層21が裏面側に配置される場合に、当該第1PVC層21に炭酸カルシウムなどの充填剤を含有させることにより、第1PVC層21と着色化粧層23の間の接着性をより向上できる。
なお、インクジェットインクを第1PVC層21に付着させることによって着色化粧層23を形成するため、第1PVC層21が実質的に充填剤を含んでいない場合であっても、着色化粧層23は第1PVC層21に強固に接着する。もちろん、第1PVC層21に炭酸カルシウムなどの上述の充填剤が含まれている場合であっても、着色化粧層23は第1PVC層21に強固に接着する。必要に応じて、第1PVC層21の印刷側の面に、インク受理層を設けてもよい。
添加剤を配合する場合、その量は特に限定されず、例えば、第1PVC層21の全体を100重量%として、0.1重量%以上5重量%以下である。
なお、図3に示すように、第1PVC層21が床材1の表面を構成する場合、裏面側の着色化粧層23の色彩を表出させるために、第1PVC層21は、無色透明又は有色透明とされる。一方、図4に示すように、第1PVC層21が裏面側に配置される場合、無色透明若しくは有色透明でもよく、又は、不透明でもよい。
第1PVC層21が裏面側に配置される場合、裏面層3を隠蔽し、着色化粧層23の色彩が鮮明となるような背景を構成できることから、第1PVC層21は不透明が好ましい。不透明である場合の色彩は、適宜選択でき、例えば、裏面層3の隠蔽及び着色化粧層23の発色性に優れることから白色不透明が好適に用いられる。
また、第1PVC層21は、発泡された発泡体でもよいが、好ましくは発泡されていない非発泡体である。
第1PVC層21の厚みの上限は特にないが、図3に示すように、第1PVC層21が床材1の表面を構成する場合、その厚みは、例えば2mm以下であり、好ましくは1mm以下である。また、図4に示すように、第1PVC層21が裏面側に配置される場合、その厚みは、例えば9mm以下であり、好ましくは0.5mm以下である。特に、床材1が表層2のみからなる場合であって、第1PVC層21が裏面側に配置される場合には、厚みの大きい第1PVC層21が用いられる。
第2PVC層22は、塩化ビニル系樹脂を含み、必要に応じて、可塑剤及び任意の適切な添加剤を含んでいてもよい。さらに、第2PVC層22は、微粒子を含んでいてもよい。
第2PVC層22の塩化ビニル系樹脂としては、上記<第1PVC層>の欄で説明したようなものが用いられる。
第2PVC層22がペースト塩化ビニル系樹脂を含む場合、第2PVC層22を発泡させるなどの製造時の加工の自由度を高めることができる。また、第2PVC層22がサスペンション塩化ビニル系樹脂を含む場合、可塑剤の量を少なくしても加工でき、耐久性に優れる第2PVC層22を得ることができる。接着層24と強固に接着することから、第2PVC層22は、サスペンション塩化ビニル系樹脂を含むことが好ましい。
可塑剤の量は、特に限定されないが、可塑剤を比較的多く配合することにより、接着層24と第2PVC層22を強固に接着できる。かかる観点から、可塑剤の量は、例えば、第2PVC層の全体を100重量%として、5重量%以上であり、好ましくは、8重量%以上であり、より好ましくは、10重量%以上である。一方、可塑剤が余りに多量に含まれていると、第2PVC層が柔らかくなりすぎるおそれがあることから、可塑剤の量は、例えば、25重量%以下であり、好ましくは、20重量%以下である。
後述するように、接着層24は、電離放射線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂を含むので、硬化後は比較的硬くなる。第2PVC層22は、塩化ビニル系樹脂を含むので、可塑剤の量が前記下限値以上であることで、接着層24よりも柔軟にすることができる。これによって、第2PVC層22と接着層24とを、加熱状態下で容易にかつ強固に一体化することができる。塩化ビニル樹脂は、熱可塑性樹脂のなかでも比較的低温で可塑化するので、着色化粧層23及び接着層24の加工時の熱による劣化を抑制することができる。また、第2PVC層22は、可塑剤の量が前記上限値以下であることで、床材に必要な強度を発揮することができる。
微粒子は、第2PVC層22を接着層24に対して強固に接着させるために配合される。両者の接着性をより向上できることから、無機微粒子が好ましく、中でも、炭酸カルシウム、タルクがより好ましく、特に、炭酸カルシウムがさらに好ましい。
微粒子の形状は、略球形や略針状などの定形でもよく、或いは、特に形状を特定できない不定形であってもよい。両者の接着性をより向上できることから、微粒子の形状は、不定形であることが好ましい。特に、不定形の炭酸カルシウムを用いることにより、接着性を高めることができる。
平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定される値であり、具体的には、レーザー回折式粒度分布装置を用いて測定される粒度分布の体積累積50%の粒子径(D50)をいう。
特に、図3に示すように、第2PVC層22が裏面側に配置される場合に、当該第2PVC層22が微粒子を含んでいることにより、第2PVC層22と接着層24の間の接着性をより向上できる。
一方、図3に示すように、第2PVC層22が裏面側に配置される場合、無色透明若しくは有色透明でもよく、又は、不透明でもよい。第2PVC層22が裏面側に配置される場合、裏面層3を隠蔽し、着色化粧層23の色彩が鮮明となるような背景を構成できることから、第2PVC層22は不透明が好ましい。不透明である場合の色彩は、適宜選択でき、例えば、裏面層3の隠蔽及び着色化粧層23の発色性に優れることから白色不透明が好適に用いられる。例えば、微粒子として炭酸カルシウムを配合することにより、白色不透明な第2PVC層22を構成できる。
第2PVC層22の厚みの上限は特にないが、図4に示すように、第2PVC層22が床材1の表面を構成する場合、その厚みは、例えば2mm以下であり、好ましくは1mm以下である。また、図3に示すように、第2PVC層22が裏面側に配置される場合、その厚みは、例えば9mm以下であり、好ましくは0.5mm以下である。特に、床材1が表層2のみからなる場合であって、第2PVC層22が裏面側に配置される場合には、厚みの大きい第2PVC層22が用いられる。
着色化粧層23は、床材1にデザインを付与する層である。
着色化粧層23のデザインは、1色又は2色以上の多色から構成される。なお、着色化粧層23に付与される任意の1色又は2色以上の色彩において、濃淡が付けられていてもよい。
着色化粧層23は、インクジェットインクから形成されている。換言すると、着色化粧層23は、インクジェットインクのインク固化層からなる。かかる着色化粧層23は、インクジェット印刷によって第1PVC層21に形成される。
インクジェットインクは、固化させる方式による分類では、水系インク、溶剤系インク、紫外線硬化型などの電離放射線硬化型インク、熱硬化型インクなどを用いることができる。後述するようにPVCシートにインクジェット印刷することから、溶剤系インク、電離放射線硬化型インク又は熱硬化型インクが好ましく、乾燥時間を殆ど要さず、耐久性にも優れることから、電離放射線硬化型インク又は熱硬化型インクがより好ましく、さらに汎用プリンターで印刷できることから、紫外線硬化型インクがさらに好ましい。
インクジェットインクは、硬化前の状態で第1PVC層21に塗布され、その後、硬化すると第1PVC層21に強固に接着された着色化粧層23となる。一方、インクジェットインクは、硬化して着色化粧層23になると、その後に加熱・加圧状態で第2PVC層22とラミネートしても強固に接着させることが困難であることが知られている。特に、インクジェットインクに顔料が含まれる場合、着色化粧層23と第2PVC層22を加熱・加圧状態でラミネートしても十分に接着せず、それらの層間剥離強度は小さいものとなる。
また、前記熱硬化型のインクジェットインクから形成される着色化粧層23は、着色剤及び熱硬化型樹脂を含み、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含む。
着色剤は、着色化粧層23に色彩を付与する。着色剤は、染料、顔料のいずれでもよく、染料と顔料を併用してもよい。染料は、発色性に優れ、綺麗な意匠を表現できるという利点がある。顔料は、耐光性や耐久性に優れ、長期間にわたって良好な意匠性を維持できるという利点がある。
顔料は、有機、無機のいずれでもよく、有機と無機を併用してもよい。有機顔料としては、例えば、ニトロソ類、染付レーキ類、アゾレーキ類、不溶性アゾ類、モノアゾ類、ジスアゾ類、縮合アゾ類、ベンゾイミダゾロン類、フタロシアニン類、アントラキノン類、ペリレン類、キナクリドン類、ジオキサジン類、イソインドリン類、アゾメチン類、ピロロピロール類などが挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化物類、水酸化物類、硫化物類、フェロシアン化物類、クロム酸塩類、炭酸塩類、ケイ酸塩類、リン酸塩類、炭素類(カーボンブラック)、金属粉類などが挙げられる。
インクジェットインク中の着色剤の含有量は、0.01重量%以上10重量%以下である。下限値以上であれば、色彩を十分に付与することができ、上限値以下であれば、インクジェット印刷での良好な吐出性が得られる。
電離放射線硬化型樹脂は、ラジカル重合系であってもよいし、カチオン重合系であってもよいし、ラジカル重合及びカチオン重合系が混在しているものであってもよい。
電離放射線硬化型樹脂は、従来公知のものを用いることができる。
電離放射線硬化型樹脂としては、紫外線や電子線などの電離放射線の照射によって重合反応可能な重合性モノマー及び/又はオリゴマーを含むものを使用でき、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含むものを使用できる。
前記重合性モノマーの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、分子中に2個以上のチオール基を有するポリオール化合物などが挙げられる。
前記重合性モノマーの具体例としては、例えば、アクリレートモノマー、ビニルエーテルモノマー、α-メチルスチレン等のスチレン系モノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、分子中に2個以上のチオール基を有するポリオール化合物などが挙げられる。前記アクリレートモノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、リン酸含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。前記リン酸含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ビス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートなどのモノマーが挙げられる。前記ビニルエーテルモノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)、ジエチレングリコールモノビニルエーテル(DEGV)、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)などが挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエーテル(ベンゾエチルエーテル、ベンゾブチルエーテル等)、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンなどの光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤などが挙げられる。
また、前記重合性モノマー又はオリゴマーの分子量は、特に限定されないが、例えば200以上10000以下の範囲などが挙げられる。
例えば、インクジェットインクの電離放射線硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合、重合性オリゴマーは、5重量%以上40重量%以下であり、重合性モノマーは、55重量%以上90重量%以下であり、重合開始剤は、1重量%以上10重量%以下である。これらの配合割合は、硬化前のインクジェット印刷での吐出性や硬化後の硬度などを考慮して適宜決定される。
中でも、第1PVC層21に強固に接着した着色化粧層23を形成できることから、アクリル系紫外線硬化型樹脂を含む着色化粧層23が好ましい。
着色化粧層23を構成する熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。中でも、第1PVC層21に強固に接着した着色化粧層23を形成できることから、前記例示から選ばれる少なくとも1つの熱硬化性樹脂を含む着色化粧層23が好ましい。
接着層24は、着色化粧層23と第2PVC層22を強固に接着させるための層である。着色化粧層23上に形成された接着層24は、着色化粧層23に強固に接着する。
接着層24は、電離放射線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂を含み、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含む。つまり、接着層24は、電離放射線硬化型樹脂及び熱硬化型樹脂の少なくとも一方を含む樹脂硬化膜から構成され、必要に応じて、前記樹脂硬化膜には、任意の添加剤が含まれていてもよい。
接着層24を構成する電離放射線硬化型樹脂としては、上記<着色化粧層>の欄で説明したようなものが用いられる。紫外線や電子線などの電離放射線の照射によって重合反応可能な重合性モノマー及び/又はオリゴマーとしては、上記<着色化粧層>の欄で例示したようなものなどが挙げられる。比較的接着性に優れた接着層24を構成でき、且つ汎用的であることから、接着層24を構成する電離放射線硬化型樹脂は、紫外線硬化型樹脂であることが好ましい。
接着層24を構成する熱硬化型樹脂としては、上記<着色化粧層>の欄で説明したようなものが用いられる。比較的接着性に優れた接着層24を構成でき、且つ汎用的であることから、接着層24を構成する熱硬化型樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
接着層24を構成する電離放射線硬化型樹脂又は熱硬化性樹脂は、硬化後に第2PVC層22と接着させるので、塩化ビニル系樹脂に対する接着性の高い電離放射線硬化型樹脂又は熱硬化性樹脂を選択することにより、接着層24と第2PVC層22との間の層間剥離強度を高めることができる。
中でも、着色化粧層23と接着層24が強固に接着することから、接着層24は、着色化粧層23と同型の樹脂を含んでいることが好ましく、さらに、着色化粧層23と同種の樹脂を含んでいることがより好ましい。例えば、着色化粧層23と接着層24は、いずれもアクリル系紫外線硬化型樹脂を含むことが好ましい。
前記同型の樹脂とは、接着層24及び着色化粧層23がいずれも電離放射線硬化型樹脂を含む場合、又は、接着層24及び着色化粧層23がいずれも熱硬化型樹脂を含む場合を意味する。前記同種の樹脂とは、接着層24の樹脂成分の主たる繰り返し単位及び着色化粧層23の樹脂成分の主たる繰り返し単位が、同一であることを意味する。
一方、図3に示すように、第1PVC層21が床材1の表面を構成し且つ第2PVC層22が裏面側に配置される場合、接着層24は、無色透明若しくは有色透明でもよく、又は、不透明でもよい。第2PVC層22が裏面側に配置される場合、裏面層3を隠蔽し、着色化粧層23の色彩が鮮明となるような背景を構成できることから、接着層24を不透明としてもよい。不透明である場合の色彩は、適宜選択でき、例えば、裏面層3の隠蔽及び着色化粧層23の発色性に優れることから白色不透明が好適に用いられる。また、第2PVC層22が裏面側に配置される場合、接着層24を無色透明とし、第2PVC層22を不透明にしてもよく、このようにしても、裏面層3を隠蔽し、着色化粧層23の色彩が鮮明となるような背景を構成できる。
顔料は、接着層24を構成する樹脂よりも硬度が高いので、顔料を含む接着層は、その表面の硬度が高くなり、接着層24と第2PVC層22との間の接着性を低下させるおそれがある。
<樹脂層>
裏面層3の第1樹脂層31、第2樹脂層32、第3樹脂層33などの樹脂層は、主として床材1の強度及び重量を構成する層である。
樹脂層は、発泡されている発泡体でもよく、或いは、発泡されていない非発泡体でもよい。裏面層3が複数の樹脂層を有する場合、少なくとも1つの樹脂層が発泡体から構成され且つ少なくとも1つの樹脂層が非発泡体から構成されていてもよく、或いは、全ての樹脂層が発泡体又は非発泡体から構成されていてもよい。また、裏面層3が複数の樹脂層を有する場合、各樹脂層の主成分樹脂が異なっていてもよく、或いは、各樹脂層の主成分樹脂が同じであってもよい。
前記樹脂層の樹脂成分としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、一般的には、熱可塑性樹脂が用いられ、さらに、軟質の熱可塑性樹脂が用いられる。前記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂;ポリオレフィン系樹脂;ウレタン系樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル系樹脂;エチレン-メタクリレート樹脂などのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;エステル系樹脂;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーなどの各種エラストマー;ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で、又は2種以上を併用できる。安価で且つ優れた可撓性及び耐久性を有し、さらに、表層2と強固に接着することから、樹脂層は、塩化ビニル系樹脂を主成分樹脂として含むことが好ましい。樹脂層の塩化ビニル系樹脂としては、上記<第2PVC層>の欄で説明したようなものが用いられる。
樹脂層の厚みは、特に限定されず、例えば、0.3mm以上9mm以下であり、好ましくは、0.4mm以上7mm以下である。なお、裏面層3が複数の樹脂層を有する場合、前記樹脂層の厚みの範囲は、複数の樹脂層の合計厚みを意味する。
裏面層3の繊維層は、床材1の寸法安定性を維持する層である。
繊維層としては、例えば、不織布、織布などが挙げられる。不織布や織布を構成する繊維の材質は、特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリオレフィンなどの合成樹脂繊維;ガラス、カーボンなどの無機繊維;天然繊維などが挙げられる。特に、温度による寸法変化が小さいことから、繊維層としては、ガラス繊維を含むガラスシートを用いることが好ましい。
本発明の建築内装用床材1は、次のような製造方法によって製造できるが、本発明の建築内装用床材1は次の製法によって製造されたものに限定されるわけではない。
建築内装用床材の製造方法は、塩化ビニル系樹脂を含む第1PVCシートと前記第1PVCシート上に形成された着色化粧層と前記着色化粧層上に形成された接着層とを有する化粧シートを準備する工程、塩化ビニル系樹脂を含む第2PVCシートを準備する工程、前記化粧シート及び第2PVCシートを加熱状態下で一体化させることにより、第1PVCシート/着色化粧層/接着層/第2PVCシートからなる積層体を形成する工程、を有する。
前記準備工程において、着色化粧層は、インクジェットプリンターを用いて前記第1PVCシート上にインクジェットインクを印刷することによって形成され、前記接着層は、電離放射線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂を含む塗工液を前記着色化粧層上に塗工し、これを硬化させることによって形成される。
裏面層の形成は、前記積層体を形成する工程で同時に行なってもよく、或いは、積層体を形成する工程の前に、予め第2PVCシート又は第1PVCシートに形成しておいてもよく、或いは、積層体を形成した後、その積層体の第2PVCシート又は第1PVCシートに形成してもよい。裏面層を有する床材を製造する場合において、1つの積層工程にて床材を製造できることから、積層体を形成する工程で同時に裏面層を形成することが好ましい。
以下では、積層体の形成工程にて裏面層を形成する場合を例に採って説明する。
第1PVCシートは、第1PVC層に対応している。
第1PVCシートは、上記<第1PVC層>の欄で説明したように、塩化ビニル系樹脂を含み、必要に応じて、可塑剤、充填剤及び任意の適切な添加剤を含んでいてもよい。これらの塩化ビニル系樹脂などを混合し、従来公知の方法でフィルム状に成膜することによって、第1PVCシートが得られる。成膜法は、特に限定されず、例えば、カレンダー法、溶融押出法、溶液流延法などが挙げられる。
インクジェットインクとしては、上記<着色化粧層>の欄で説明したようなものを用いることができ、好ましくは、電離放射線硬化型インク又は熱硬化型インクが用いられ、より好ましくは紫外線硬化型のインクジェットインクが用いられ、さらに好ましくはアクリル系紫外線硬化型のインクジェットインクが用いられる。インクジェットプリンターによれば、任意のデザインを簡単に表すことができる。
第1PVCシートにインクジェットインクを印刷した後、そのインクを固化させることによって、第1PVCシート上に着色化粧層を形成できる。第1PVCシートに直接インクジェットインクを印刷して固化させるので、形成される着色化粧層(インク固化層)は第1PVCシートに強固に接着する。なお、固化は、硬化を含む概念であり、電離放射線硬化型インク又は熱硬化型インクの場合には一般に硬化という。
インクの固化方法は、そのインクに従い、例えば、水系又は溶剤系のインクジェットインクの場合には乾燥し、紫外線硬化型のインクジェットインクの場合には所定の紫外線を照射し、熱硬化型のインクジェットインクの場合には所定の温度に加熱する。
紫外線の照射には、従来公知の超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプなどの光線を利用できる。熱硬化型の加熱としては、従来公知の加熱方法を用いることができ、ヒータ加熱、オーブン加熱、赤外線加熱、レーザー加熱などを用いることができる。
なお、製造過程にあっては、後述する塗工液を塗工する前の着色化粧層は、実質的に完全に固化した状態又は半固化状態のいずれでもよい。
半固化状態は、後述する塗工液を塗工する際、塗工液がインクジェットインクに混じり合うなどの塗工に支障がでないほどに、固化しているが、完全には固化していない状態をいう。
電離放射線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂としては、上記<接着層>の欄で説明したようなものを用いることができ、好ましくは紫外線硬化型樹脂が用いられ、より好ましくはアクリル系紫外線硬化型樹脂が用いられる。
塗工液の塗工方法は、特に限定されず、ロールコーター、ブレードコータ、カーテンコーターなどの各種コータ法、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷などの各種印刷法を用いることができる。
着色化粧層上に塗工液を塗工した後、その塗工液を硬化させることによって、着色化粧層上に接着層を形成できる。着色化粧層に直接塗工液を塗工して硬化させるので、形成される接着層は着色化粧層に強固に接着する。特に、半固化状態の着色化粧層に塗工液を塗工してこれを硬化させることにより、形成される接着層が着色化粧層により強固に接着することが期待される。
塗工液の硬化方法は、樹脂に従い、例えば、紫外線硬化型樹脂を含む塗工液の場合には所定の紫外線を照射し、熱硬化型樹脂を含む塗工液の場合には所定の温度に加熱する。紫外線の照射や加熱方法は、上記のものを採用できる。
このようにして、第1PVCシート/着色化粧層/接着層が一体化された化粧シートを得ることができる。
第2PVCシートは、第2PVC層に対応している。
第2PVCシートは、上記<第2PVC層>の欄で説明したように、塩化ビニル系樹脂を含み、必要に応じて、微粒子、可塑剤及び任意の適切な添加剤を含んでいてもよい。塩化ビニル系樹脂などを混合し、従来公知の方法でフィルム状に成膜することによって、第2PVCシートが得られる。成膜法は、特に限定されず、例えば、カレンダー法、溶融押出法、溶液流延法などが挙げられる。
裏面層は、上記[建築内装用床材の層構成]の欄で説明したように、様々な層の組み合わせが考えられる。
形成したい裏面層に従い、樹脂層や繊維層を準備する。樹脂層としては、例えば、フィルム状に成膜した樹脂シートを用いることができる。塩化ビニル系樹脂を主成分樹脂とする樹脂層の場合、上記<樹脂層>の欄で説明したように、塩化ビニル系樹脂、可塑剤及び充填剤などを混合し、フィルム状に成膜することによって、樹脂シートが得られる。
図6に示すように、表面側から化粧シート4(第1PVCシート51、着色化粧層53及び接着層54)、第2PVCシート52、裏面層形成材料6の順で重ね合わせることにより、集積物71を形成する。なお、化粧シート4の接着層54が第2PVCシート52に面するようにして、化粧シート4を第2PVCシート52上に重ねる。この集積物71を加熱して隣接するシート及び各層を接着させることによって積層構造物72を形成する。図6では、裏面層形成材料6は、表面側から順に、樹脂シート61、繊維層64、樹脂シート62の順で重ねられたものであり、これらを互いに接着させることにより、樹脂層31/繊維層34/樹脂層32からなる裏面層3が形成される。加熱温度は、塩化ビニル系樹脂が溶融する温度以上であり、例えば、140℃以上200℃以下である。層間をより強固に接着させるために、前記集積物71を厚み方向に加圧することが好ましい。加圧方法としては、特に限定されず、図示例のように、集積物71を加圧ローラ81,82に通過させる方法、集積物71の上下からプレス板を押圧させる方法(図示せず)などが挙げられる。加圧の圧力は、特に限定されず、例えば0.5MPa以上10MPa以下であり、好ましくは1MPa以上5MPa以下である。加熱及び加圧は、同時に行なってもよく、或いは、加熱後に加圧してもよい。加熱及び加圧を同時に行なう場合、加熱された加圧ローラなどが用いられる。
本発明の床材は、特に剥離強度が求められる用途である建築物の床材、例えばマンション、ビルディング、体育館、一般家屋などの各種建築物の内装用床材として好適である。
本発明の床材は、床面のような施工面に、直接的に敷設され、又は、接着剤若しくは粘着剤を介して敷設される。
特に、下記実施例からも明らかなとおり、可塑剤を含む塩化ビニル系樹脂を用い、接着層が顔料を含まない場合、層間剥離し難い表層を構成できる。
前記層間剥離強度は、第1PVC層と第2PVC層の層間における剥離強度をいう。層間剥離強度は、接着されている層を剥離させるときに必要な強度のことをいい、層間がどれだけ強く接着しているかを示す目安となるものである。
前記層間剥離強度は、例えば、次のようにして測定できる。床材を縦×横=200mm×50mmに裁断してサンプル片を作製し、縦方向一端部において第1PVC層と第2PVC層を強制的に剥離し、標準状態下(23℃、1気圧、50%RH)で、市販の精密万能試験機にて前記分離した第1PVC層の端部と第2PVC層の端部が180度を成すように引張って剥離する際に要する力を測定し、その力の最大値を層間剥離強度とする。
<化粧シートの作製>
100重量部の塩化ビニル系樹脂(サスペンションタイプの塩化ビニル樹脂。新第一塩ビ株式会社製の商品名「ZEST-800Z」。重合度:820)、29重量部の可塑剤(フタル酸ジオクチル)、3重量部のBa-Zn系安定剤を、十分に混合した後、ロール温度を150℃に設定したカレンダー成形機にて、厚み約0.28mmのフィルム状に成形することによって、第1PVCシートを作製した。
この第1PVCシートの片面に、紫外線照射装置付きのインクジェットプリンターを用いて、紫外線硬化型インクジェットインクをベタ状に印刷し、紫外線を照射してインクを硬化させることにより、第1PVCシートの上に厚み約10μmの着色化粧層を形成した。前記インクジェットインクは、マゼンタ染料を含有したアクリル系紫外線硬化型であった。
100重量部の塩化ビニル系樹脂(サスペンションタイプの塩化ビニル樹脂。新第一塩ビ株式会社製の商品名「ZEST-800Z」。重合度:820)、29重量部の可塑剤(フタル酸ジオクチル)、3重量部のBa-Zn系安定剤を、十分に混合した後、ロール温度を150℃に設定したカレンダー成形機にて、厚み約0.5mmのフィルム状に成形することによって、第2PVCシートを作製した。
100重量部の塩化ビニル系樹脂(サスペンションタイプの塩化ビニル樹脂。新第一塩ビ株式会社製の商品名「ZEST800Z」。重合度:820)、36重量部の可塑剤(フタル酸ジオクチル)、259重量部の充填剤(炭酸カルシウム。常陸砕石株式会社製の商品名「KP200」と秩父石灰工業株式会社製の商品名「TA074B」を混合したもの)、3重量部のCa-Zn系安定剤(勝田化工株式会社製の商品名「HE-1218G」)を、十分に混合した後、ロール温度を150℃に設定したカレンダー成形機にて、厚み約1.7mmのフィルム状に成形することによって、1つの樹脂シートを作製した。この1枚の樹脂シートを裏面層形成材料として用いた。
化粧シート(第1PVCシート/着色化粧層/接着層)/第2PVCシート/樹脂シートの順で重ね合わせた集積物を、プレス機を用いて140℃に加熱しつつ加圧することにより、各シートを一体化させた。プレス機によって集積物に加わる圧力は、約0.8MPaに設定した。
このようにして、表面側から順に、第1PVC層/着色化粧層/接着層/第2PVC層/裏面層からなる建築内装用床材を作製した。
接着層を形成しなかったこと以外は、実施例と同様にして、表面側から順に、第1PVC層/着色化粧層/第2PVC層/裏面層からなる建築内装用床材を作製した。
この相違が生じる原因は、次のように推定される。
実施例にあっては、加熱による可塑性と常温で比較的柔軟な性質を有する第2PVC層の塩化ビニル系樹脂が接着層の表面に食い込み、且つ、加熱によって少し軟化する接着層の樹脂が第2PVC層の表面に食い込むことによる、相互のアンカー効果によって接着層と第2PVC層の間の接着力が高められていると考えられる。特に、第2PVC層に炭酸カルシウムなどの微粒子を含ませた場合には、その微粒子が第2PVC層の表面に散在し、その表面に凹凸を形成するので、前記アンカー効果をさらに高めることができる。
一方、比較例にあっては、着色化粧層と第2PVC層が直接接着されている。着色化粧層は、表現性などを高めるために、その表面が平滑となり且つ表面の硬度が高くなるインクジェットインクによって形成されていることが多い。第2PVC層の塩化ビニル系樹脂は、前記のような着色化粧層の表面に対して食い込み難く、同様に、着色化粧層の表面(硬度の高い表面)も第2PVC層の表面に対して食い込み難くなる。このような理由から、比較例にあっては、層間剥離強度が十分でないと考えられる。
このように着色化粧層は、その表現性などの意匠的要素を考慮して形成されるものなので、比較例のように、着色化粧層と第2PVC層を直接的に接着する場合には層間剥離強度の向上に限界がある。一方、実施例のように、着色化粧層に求められる意匠的要素を考慮する必要がない接着層を、着色化粧層と第2PVC層の間に介在させることにより、意匠的要素を満足した着色化粧層を有しつつ、第1PVC層と第2PVC層の層間剥離強度を高めることができる。
2 表層
21 第1PVC層
22 第2PVC層
23,53 着色化粧層
24,54 接着層
3 裏面層
4 化粧シート
51 第1PVCシート
52 第2PVCシート
Claims (6)
- 塩化ビニル系樹脂を含む第1PVC層と、インクジェットインクから形成され且つ紫外線硬化型樹脂を含む着色化粧層と、紫外線硬化型樹脂を含む接着層と、塩化ビニル系樹脂を含む第2PVC層と、をこの順で有する表層を有する、建築内装用床材。
- 前記着色化粧層の紫外線硬化型樹脂が、アクリル系紫外線硬化型樹脂を含み、
前記接着層の紫外線硬化型樹脂が、アクリル系紫外線硬化型樹脂を含む、請求項1に記載の建築内装用床材。 - 前記接着層が、顔料を含まない、請求項1または2に記載の建築内装用床材。
- 前記第2PVC層が、微粒子を含む、請求項1または2に記載の建築内装用床材。
- 前記第1PVC層と第2PVC層の層間剥離強度が、30N/50mm以上である、請求項1または2に記載の建築内装用床材。
- 塩化ビニル系樹脂を含む第1PVCシートと前記第1PVCシート上に形成された着色化粧層と前記着色化粧層上に形成された接着層とを有する化粧シートを準備する工程、
塩化ビニル系樹脂を含む第2PVCシートを準備する工程、
前記化粧シート及び第2PVCシートを加熱状態下で一体化させることにより、第1PVCシート/着色化粧層/接着層/第2PVCシートからなる積層体を形成する工程、を有し、
前記着色化粧層が、インクジェットプリンターを用いて前記第1PVCシート上に紫外線硬化型樹脂を含むインクジェットインクを印刷することによって形成され、
前記接着層が、紫外線硬化型樹脂を含む塗工液を前記着色化粧層上に塗工し、硬化させることによって形成される、建築内装用床材の製造方法。
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