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JP7795758B2 - フィルタ、撮像装置及び撮像システム - Google Patents
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JP7795758B2 - フィルタ、撮像装置及び撮像システム - Google Patents

フィルタ、撮像装置及び撮像システム

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Description

本発明は、フィルタ、撮像装置及び撮像システムに関する。
近年、光学部品や薄膜製品、生体組織の偏光特性を測定し、測定によって得られた偏光特性をふまえて測定対象物の詳細な物性に関する情報を取得するために、偏光カメラ(或いは、偏光イメージングカメラ)が用いられている。偏光カメラの受光素子の複数の画素には、所定の方位を有する偏光子が組み込まれている。偏光カメラでは、ワンショット(或いは、スナップショット)で偏光画像情報を取得することができる。従来提案されている偏光カメラは、例えば画素毎に異なる4種類の方位の偏光情報を取得することによって、4つの偏光方向の画像を取得することができる(例えば、非特許文献1参照)。
上述の偏光カメラでは、上述のように偏光情報を取得することができるが、分光透過特性がある波長帯域に限定されているため、カラー画像や分光情報を得ることは難しかった。一方、従来提案されている分光カメラ(或いは、分光イメージングカメラ)では、ワンショットで画素毎に分光情報を取得することによってマルチスペクトル画像を取得できる(例えば、非特許文献2参照)。但し、前述の分光カメラでは、偏光情報を取得することは難しかった。このことに鑑み、画素毎に異なる偏光特性及び分光特性を取得し、ワンショットで偏光画像情報及び波長画像情報を取得可能なイメージング技術が提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献3参照)。
特開2018-040976号公報
川上彰二郎、川嶋貴之、井上喜彦、本間洋、佐藤尚、太田晋一、長嶋聖、青木孝文;「フォトニック結晶偏光子を用いた偏光イメージングカメラの開発」, 電子情報通信学会論文誌C, Vol.90, No.1, pp.17-24 (2007). P-J. Lapray, X. Wang, J-B. Thomas, P. Gouton; "Multispectral Filter Arrays: Recent Advances and Practical Implementation," Sensors, Vol.14, pp.21626-21659 (2014). K. Shinoda. Y. Ohtera, M. Hasegawa; "Snapshot multispectral polarization imaging using a photonic crystal filter array,"Optics Express, Vol.26, pp.15948-15961 (2018).
上述の特許文献1や非特許文献3に開示されている装置をはじめとする装置であってワンショットで偏光画像情報及び波長画像情報を取得可能な撮像装置では、受光素子よりも光の入射面側に、フィルタが配置されている。このフィルタは複数のセルを有し、複数のセルは光の進行方向に交差する表面内に配列されている。各々のセルは、所定の偏光特性及び分光特性を有する。受光素子は複数の画素を有し、複数の画素は前述の表面に平行な受光面内に配列されている。光の入射方向から見たとき、各々のセルは、対応する画素と同じ形状を有する。
上述のようにワンショットで偏光画像情報及び波長画像情報を取得可能な撮像装置の製造において、受光素子よりも入射面側にフィルタを搭載する際には、フィルタの複数のセルと受光素子の複数の画素との位置合わせをする必要があった。このようなフィルタと受光素子との位置合わせには、個々のセルや画素の大きさに応じてμmオーダーの精度が求められ、実際には専用の位置合わせ装置が用いられていた。そのため、ワンショットで偏光画像情報及び波長画像情報を取得可能な撮像装置の製造容易性が非常に低かった。
本発明は、ワンショットで偏光画像情報及び波長画像情報を取得可能な撮像装置において、フィルタの複数のセルと受光素子の複数の画素との位置合わせを必要としないフィルタ、及びこのフィルタを備え且つ製造容易性の高い撮像装置、撮像システムを提供する。
本実施形態に係る撮像装置、偏光透過特性の基準方位と分光透過特性が割り当てられた分光偏光セルを複数備え、前記複数の分光偏光セルの大きさ及び形状の少なくとも一方が不均一であるフィルタと、前記フィルタに対向して配置され、前記フィルタから出射される光を受光する複数の画素を備える受光部と、を備え、各々の前記画素に対向して配置され、且つ、各々の前記画素が受光する光が出射される前記分光偏光セルの大きさ及び形状の少なくとも一方が前記複数の画素間で不均一である
上述の撮像装置では、前記分光偏光セルは、割り当てられた前記分光透過特性に対応する格子ピッチと、割り当てられた前記偏光透過特性の基準方位に対応する格子方向と、を有するフォトニック結晶で構成されていてもよい。
上述の撮像装置では、前記画素が前記分光偏光セルから出射される光を受光可能な範囲に、前記分光偏光セル同士の境界部分が含まれてもよい。
本実施形態に係る撮像システムは、上述の撮像装置と、前記分光偏光セル毎にそれぞれ割り当てられた前記分光透過特性に対応する波長帯域を少なくとも含む光であるキャリブレーション光を前記フィルタに照射することにより、前記画素によって取得される光の波長帯域と、前記画素によって取得される偏光の方位と、前記画素によって取得される光の強度との対応関係が前記画素毎に記憶されたキャリブレーション情報に基づいて、測定対象の光が入射した場合に、前記画素によって取得される光の波長帯域を示すスペクトル情報を前記画素毎に算出すると共に、前記画素によって取得される偏光の方位を示す方位情報を前記画素毎に算出する演算装置と、前記演算装置で算出された前記スペクトル情報と前記方位情報とを出力する出力装置と、を備える。
本発明によれば、ワンショットで偏光画像情報及び波長画像情報を取得可能な撮像装置において、フィルタの複数のセルと受光素子の複数の画素との位置合わせを必要としないフィルタ、及びこのフィルタを備え且つ製造容易性の高い撮像装置、撮像システムを提供することができる。
本発明を適用した一実施形態のフィルタの斜視図及びフィルタの領域R1の拡大斜視図である。 図1に示すフィルタの領域R1の拡大平面図である。 図1に示すフィルタの製造方法を説明するための図であって、図1に示す領域R2の拡大した断面図である。 図1に示すフィルタの製造方法を説明するための図であって、図1に示す領域R2の拡大した断面図である。 図1に示すフィルタの製造方法を説明するための図であって、図1に示す領域R2の拡大断面図である。 本発明を適用した一実施形態の撮像装置の斜視図である。 図6に示す撮像装置の側面図である。 図7に示す撮像装置の領域R3におけるフィルタと受光素子の拡大斜視図である。 図7に示す撮像装置の領域R3におけるフィルタと受光素子の拡大平面図である。 図9に示す受光素子の各画素における複数セルの透過特性を合成した後の偏光透過特性の基準軸を示す模式図である。 本発明を適用した一実施形態の撮像システムのブロック図である。 実施例1における分光情報を示すグラフである。 実施例2における偏光情報を示す写真であり、左側は方位0°の偏光情報であり、右側は方位90°の偏光情報である。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
<フィルタの構成>
図1に示すように、本発明を適用した一実施形態のフィルタ10は、薄板状に形成されている。フィルタ10の表面12aは、光が入射する面である入射面13である。フィルタ10の裏面12bは、入射した光が出射する面である出射面14である。以下では、入射面13及び出射面14に含まれ、且つ互いに直交する2方向をx方向及びy方向と称し、入射面13の周縁と出射面14の周縁とを連結する方向、即ち本体12の厚み方向をz方向と称する。
フィルタ10は、複数の分光偏光セル21-1、21-2、・・・、21-mを備える。mは、フィルタ10における分光偏光セルの総数であり、2以上の自然数である。以下では、複数の分光偏光セル21-1、21-2、・・・、21-mのうち2つ以上の分光偏光セルについて共通する内容を説明する際には、これらの分光偏光セルをまとめて、分光偏光セル21と記載する。z方向に沿って見たとき、複数の分光偏光セル21の大きさ及び形状は、不均一に区画されている。即ち、各々の分光偏光セル21の大きさ及び形状はランダムに決められている。
複数の分光偏光セル21の不均一な大きさ及び形状は、例えば乱数を用いる手法等や後述するようなボロノイ(Voronoi)分割に基づいて求めることもでき、特定の方法によって求められる大きさや形状に限定されない。
複数の分光偏光セル21は、分光透過特性及び偏光透過特性の基準方位が割り当てられた分光偏光セル21-i(iは1以上m以下の自然数)を有する。なお、以下において、分光透過特性に対応した光の波長帯域を波長帯域WB(i)と称し、偏光透過特性の基準方位を偏光の方位φ(i)と称する。
フィルタ10の分光偏光セル21は、例えばフォトニック結晶30で構成され、基板32と、多層膜34と、を有する。基板32の材質は、例えば石英である。多層膜34としては、例えば五酸化ニオブ(Nb)と二酸化シリコン(SiO)とがz方向で交互に積層された積層膜が挙げられる。
分光偏光セル21-iを構成するフォトニック結晶30は、分光偏光セル21-iに割り当てられた波長帯域WB(i)に対応した格子ピッチd(i)と、分光偏光セル21-iに割り当てられた偏光の方位φ(i)に対応した格子方向と、を有する。即ち、基板32及び多層膜34は、周期的な凹凸構造を有し、凸構造の頂部は偏光の方位φ(i)に平行に延びており、隣り合う凸構造の頂部同士の間隔は格子ピッチd(i)である。
<フィルタの製造方法>
次に、フィルタ10の製造方法について簡単に説明する。図3に示すように、ベースとしての石英製の基板32を用意する。図示していないが、図2と同様に互いに不均一な大きさ及び形状で区画された分光偏光セル21-iの格子方向及び格子ピッチd(i)と一致するマスクパターンを有するマスクを用意する。このマスクは、例えば電子ビーム描画法によって作製される。基板32の表面32a上に不図示のレジストを塗布し、マスクパターンをレジストに転写する。パターン転写されたレジストをマスクとして基板32をエッチングする。図4に示すように、基板32には、分光偏光セル21-iに割り当てられた格子方向及び格子ピッチd(i)を有する周期構造が形成される。
図5に示すように、基板32において周期構造が形成された表面32aに、Nb及びSiOのうち一方からなる第1層35-1と、Nb及びSiOのうち他方からなる第2層35-2と、を交互に積層する。第1層35-1及び第2層35-2のそれぞれの厚み、屈折率は、分光偏光セル21-iに割り当てられた波長帯域WB(i)によって適切に設定されている。積層膜の全体の厚みが所定値になるように第1層35-1と第2層35-2とを交互に積層することによって多層膜34が形成され、フォトニック結晶30を備えたフィルタ10が完成する。
<撮像装置の構成>
図6及び図7に示すように、本発明を適用した一実施形態の撮像装置100は、少なくとも上述のフィルタ10と、受光素子(受光部)110と、フィルタ10及び受光素子110をはじめとする素子を支持する筐体と、を備える。撮像装置100は、例えば受光素子110を備えた撮像カメラである。受光素子110は、フィルタ10に対向して配置され、フィルタ10からz方向とは逆向きに出射される光Lを受光する複数の画素112-1、112-2、・・・、112-nを備える。nは、受光素子110における画素の総数であり、2以上の自然数である。以下では、複数の画素112-1、112-2、・・・、112-nのうち2つ以上の画素について共通する内容を説明する際には、これらの画素をまとめて、画素112と記載する。受光素子110は、例えばCMOSやCCD等のイメージセンサである。
撮像装置100では、図8及び図9に示すように、受光素子110の画素112の大きさ及び形状と、画素112に対向して配置されている分光偏光セル21の大きさ及び形状とが、不均一に対応している。つまり、図9に示すように、複数の画素112には、1つの分光偏光セル21が対応している画素112と2つ以上の分光偏光セル21が対応している画素112が含まれており、フィルタ10の分光偏光セル21と受光素子110の画素112とは1対1対応していない。
図9に示すように、受光素子110の画素112が分光偏光セル21から出射される光を受光可能な範囲に、分光偏光セル21同士の境界部分が含まれている。また、複数の画素112のうち少なくとも1つの画素112が分光偏光セル21から出射される光を受光可能な範囲に、2つ以上の分光偏光セル21が含まれている。
例えば、図9に示すように、z方向に沿って見た場合、画素112-1には、2つのセル21-1、21-2が重なっている。画素112-1によって取得される光の波長帯域WR(1)は、分光偏光セル21-1において画素112-1と重なっている部分の面積と分光偏光セル21-2において画素112-1と重なっている部分の面積との面積比に応じて、分光偏光セル21-1に割り当てられた波長帯域WB(1)と分光偏光セル21-2に割り当てられた波長帯域WB(2)とを合成して得られる合成波長帯域(波長帯域)で表される。同様に、画素112-cには、3つの分光偏光セル21-1、21-2、21-eが重なっている。したがって、画素112-cによって受光される光の波長帯域WR(c)は、分光偏光セル21-1において画素112-cと重なっている部分の面積と、分光偏光セル21-2において画素112-cと重なっている部分の面積と、分光偏光セル21-eにおいて画素112-cと重なっている部分の面積との面積比に応じて、波長帯域WB(1)、WB(2)と分光偏光セル21-eに割り当てられた波長帯域WB(e)とを合成して得られる合成波長帯域(波長帯域)で表される。
また、画素112-1によって取得される偏光の方位Φ(1)は、分光偏光セル21-1において画素112-1と重なっている部分の面積と分光偏光セル21-2において画素112-1と重なっている部分の面積との面積比に応じて、分光偏光セル21-1に割り当てられた偏光の方位φ(1)と分光偏光セル21-2に割り当てられた偏光の方位φ(2)とを合成して得られる合成方位(方位)で表される。同様に、画素112-cによって受光される偏光の方位Φ(c)は、分光偏光セル21-1において画素112-cと重なっている部分の面積、分光偏光セル21-2において画素112-cと重なっている部分の面積、及び分光偏光セル21-eにおいて画素112-cと重なっている部分の面積の面積比に応じて、偏光の方位φ(1)、φ(2)と分光偏光セル21-eに割り当てられた偏光の方位φ(e)とを合成して得られる合成方位(方位)で表される。
<撮像システムの構成>
図11に示すように、本発明を適用した一実施形態の撮像システム150は、少なくとも上述の撮像装置100と、読み取り装置152と、記憶装置155と、演算装置160と、出力装置170と、を備える。撮像装置100では、受光素子110に対向させてフィルタ10が配置されているが、特段の位置合わせをすることなくフィルタ10を受光素子110に対向配置させたときに、受光素子110の画素112-j(jは1以上n以下の自然数)によって取得される偏光の方位Φ(j)及び光の波長帯域WR(j)が決まる。撮像システム150では、撮像装置100の受光素子110の画素112-jで取得される偏光の方位Φ(j)及び光の波長帯域WR(j)を実測定によって調べ、先ず撮像装置100のキャリブレーションを行う。
撮像システム150では、受光素子110の画素112-jによって取得される光の波長帯域WR(j)と、画素112-jによって取得される偏光の方位Φ(j)と、画素112-jによって取得される光の強度I(j)との対応関係がキャリブレーション情報として記憶装置155に記録される。具体的には、先ずキャリブレーション光LCをフィルタ10に照射する。キャリブレーション光LCは、フィルタ10の分光偏光セル21毎にそれぞれ割り当てられた波長帯域WB(1)、WB(2)、・・・、WB(m)を少なくとも含む光であって、分光偏光セル21毎にそれぞれ割り当てられた偏光の方位φ(1)、φ(2)、・・・、φ(m)を含む光である。読み取り装置152は、受光素子110の画素112―j(j=1~n)によって取得されたキャリブレーション光LCの強度I(j)を画素毎に受信する。読み取り装置152には、キャリブレーション光LCの予め判明している波長帯域の種類及び方位の種類が外部入力されている。読み取り装置152は、当該画素112-jによって取得される光の波長帯域WR(j)及び偏光の方位Φ(j)として、外部入力されたキャリブレーション光LCの波長帯域の種類及び方位の種類を採用し、記憶装置155に記録する。複数の種類の波長帯域の光及び複数の種類の偏光の方位のキャリブレーション光LCで測定が完了したときに、記憶装置155には、画素112の番号jと、その画素112―jによって取得される光の波長帯域であってキャリブレーションされた波長帯域である波長帯域WR(j)と、その画素112―jによって取得される偏光の方位であってキャリブレーションされた方位である方位Φ(j)と、がテーブルデータとして記憶される。
次に、図7に示すように、測定対象の光DCであって測定対象物(図示略)から出射された光DCが撮像装置100に照射された場合に、読み取り装置152は、受光素子110の画素112―j(j=1~n)によって取得された測定対象の光DCの強度I(j)を画素112毎に受信する。演算装置160は、読み取り装置152から画素112毎の光の強度I(j)の情報を受信し、記憶装置155からキャリブレーション情報を読み出す。演算装置160は、キャリブレーション情報に基づいて、画素112-jによって取得される光の波長帯域を示すスペクトル情報、及び画素112-jによって取得される偏光の方位を示す方位情報を画素112-j毎に算出する。
出力装置170は、演算装置160で算出されたスペクトル情報と方位情報とを受信し、出力する。出力装置170は、例えば液晶ディスプレイ等である。スペクトル情報は、例えば液晶ディスプレイの複数の表示素子に受光素子110の複数の画素112を対応させ、画素112-j毎に取得された波長帯域の相対強度を表示させた画像でもよく、横軸に波長をとり、縦軸に全ての画素112によって取得された当該波長の光強度の積算値をとったスペクトルヒストグラムであってもよく、特定の形式に限定されない。また、方位情報は、例えば液晶ディスプレイの複数の表示素子に受光素子110の複数の画素112を対応させ、画素112-j毎に取得された偏光の方位の相対強度を任意の階調値に変換して表示させた画像でもよく、横軸に方位角度をとり、縦軸に全ての画素112によって取得された当該方位の光強度の積算値をとった方位ヒストグラムであってもよく、特定の形式に限定されない。
<設計例及び撮像装置のキャリブレーションについて>
例えば、フィルタ10の複数の分光偏光セル21の大きさ及び形状を、ボロノイ(Voronoi)分割の考え方に基づき、次に示す(1)式及び(2)式を用いて設定することができる。
(1)式及び(2)式において、SはN個の母点の集合を表し、δはユークリッド距離関数を表す。Sは、パターン領域(即ち、複数の分光偏光セル21が形成する領域)でN個のランダムな点を選ぶことによって決まる。ボロノイ分割によるランダムパターンは、ランダムなピッチ及び角度を伴う格子パターンでのボロノイセルを満たすことによって作成される。Nは、画素数の1/10から10倍程度の間で,画素数と同程度に設定することが好ましい。
前述のようにフィルタ10において各々の分光偏光セル21の大きさ及び形状はランダムに決められており、複数の画素112のうち少なくとも1つの画素112が分光偏光セル21の出射される光を受光可能な範囲には2つ以上の分光偏光セル21が含まれている。但し、ある程度の数の画素112が分光偏光セル21から出射される光を受光可能な範囲に極めて多数の分光偏光セル21が含まれると、実質的に複数の画素112間で、取得される光の波長帯域及び偏光の方位の違いが殆どなくなる。そのため、画素112が分光偏光セル21の出射される光を受光可能な範囲には、例えば画素数の1/10から10倍程度の間で、画素数と同程度の分光偏光セル21が含まれていることが好ましい。
また、上述説明したように、撮像システム150を用いて撮像装置100のキャリブレーションを行う際には、キャリブレーション方法は以下の通りとなる。フィルタに入射するストークスパラメータsをs=[sと設定する。わかりやすく説明するために、複数の画素112のうち1つの画素112-j(jは1以上n以下の自然数)に、ある波長のキャリブレーション光LCが照射されていることを想定する。ストークスパラメータと偏光強度I=[I0°45°90°との関係は、次に示す(3)式及び(4)式で表される。
本実施形態の撮像装置100及び撮像システム150では、少なくとも1つの画素112-jに複数の分光偏光セル21が対応しているので、受光素子110のある特定の画素112における観測信号値は、次に示す(5)式で表される。
上述の(5)式では、受光素子110のある画素112にM個のボロノイ領域(即ち、透過する光の波長帯域及び偏光の方位が異なる領域)が重なって混入していると想定している。また、(5)式において、wは各ボロノイ領域の混合比を表し、q及びrは、各ボロノイ領域におけるTE偏光の分光透過特性及びTM偏光の分光透過特性を表し、θは各ボロノイ領域における格子角度、即ち方位φ(i)を表す。(5)式を整理すると、次に示す(6)式-(9)式が得られる。
本実施形態のフィルタ10が受光素子110の特定の位置に接着されている場合、(7)式-(9)式から前述の特定の画素112についての正確なk、k、2(θ´+ψ)を算出することは難しい。しかしながら、直線偏光を出射する光源と共にフィルター付きの撮像装置を用いることによって、(6)式のk、k、2(θ´+ψ)は容易に決められる。角度αの直線偏光で規格化されたストークスパラメータsをs=[1 cos2α sin2α]とすると、上述の(6)式は次に示す(10)式で表される。
観測信号値gαは周期π及び位相2(θ´+ψ)の余弦波であるから、サンプリング理論によれば、0からπまでの間の角度αで観測信号値gαを3点以上測定すれば、位相2(θ´+ψ)を決めることができる。つまり、上述の(7)式-(9)式について、ある特定の画素に対応する全てのボロノイ領域(即ち、分光偏光セル21)のTE偏光の分光透過特性、TM偏光の分光透過特性、及び格子角度を求めなければ値を求めることができないように思われる。しかしながら、撮像装置100に既知の方位の直線偏光を照射することによって、(10)式の条件下とし、キャリブレーション光LCの偏光の方位を0からπの間で少なくとも3つの角度で変えて、画素112毎の分光特性を測定すれば、位相2(θ´+ψ)を求めることができる。
上述のように位相2(θ´+ψ)が求められた時点で、角度αの直線偏光を入射したときの観測信号値gαqと角度αの偏光の方位を有するキャリブレーション光LCを入射したときの観測信号値gαrが次に示す(11)式及び(12)式によってわかる。
上述の(6)式に(11)式及び(12)式を代入すると、次に示す(13)式が得られる。
上述の(13)式からもわかるように、本実施形態のフィルタ10では、複数のセルに規則的に区画された従来のフィルタを撮像カメラに搭載したときと同様の透過特性が得られる。即ち、gαq、gαr、αは、3種類の偏光の方位のキャリブレーション光LC毎に分光特性を測定することによって判明する。
以上説明した本実施形態のフィルタ10は、波長帯域WB(i)と偏光の方位φ(i)とがそれぞれ割り当てられた分光偏光セル21-i(iは1からmまでの自然数)を複数備え、複数の分光偏光セル21-iの大きさ及び形状が不均一である。本実施形態のフィルタ10によれば、例えば撮像カメラに搭載する際に、受光素子の複数の画素112-j(jは1からnまでの自然数)と複数の分光偏光セル21-iとの位置合わせが不要になる。
本実施形態のフィルタ10では、分光偏光セル21-iは、割り当てられた波長帯域WB(i)に対応した格子ピッチと、割り当てられた偏光の方位φ(i)に対応した格子方向と、を有するフォトニック結晶で構成されている。本実施形態のフィルタ10によれば、上述のような不均一でランダムパターンを有するフィルタ10を容易に製造できる。また、微小な領域や画素112に対応する領域毎に材料やプロセスを変えることなく、フィルタ10を製造できる。
本実施形態の撮像装置100は、上述のフィルタ10と、フィルタ10に対向して配置され、フィルタ10から出射される光を受光する複数の画素112-jを備える受光素子110と、を備える。画素112-jの大きさ及び形状と、当該画素に対向して配置されている分光偏光セル21の大きさ及び形状とが、不均一に対応している。
本実施形態の撮像装置100によれば、上述のフィルタ10を備え、画素112-jの大きさ及び形状と画素112-jに対向して配置されている分光偏光セル21の大きさ及び形状とが不均一に対応しているため、フィルタ10を受光素子110に対して設置する際に受光素子の複数の画素112と複数の分光偏光セル21との位置合わせが不要になる。したがって、ワンショットで偏光画像情報及び波長画像情報を取得可能な撮像装置であって、フィルタ10の複数の分光偏光セルと受光素子の複数の画素との位置合わせを必要としない撮像装置100を提供できる。本実施形態の撮像装置100では、例えば画素112-jが分光偏光セル21から出射される光を受光可能な範囲に、分光偏光セル21同士の境界部分が含まれてもよく、上述の効果が得られる。
本実施形態の撮像システム150は、上述の撮像装置100と、分光偏光セル21-i毎にそれぞれ割り当てられた波長帯域φ(i)を少なくとも含む光であるキャリブレーション光LCをフィルタ10に照射することにより、画素112-jによって取得される光の波長帯域WR(j)と、画素112-jによって取得される偏光の方位Φ(i)と、画素112-jによって取得される光の強度I(j)との対応関係が画素112毎に記憶されたキャリブレーション情報に基づいて、測定対象の光DCが入射した場合に、画素112によって取得される光の波長帯域を示すスペクトル情報を画素112毎に算出すると共に、画素112によって取得される偏光の方位を示す方位情報を画素112毎に算出する演算装置160と、演算装置160で算出されたスペクトル情報と方位情報とを出力する出力装置170と、を備える。本実施形態の撮像システム150によれば、フィルタ10を搭載した撮像装置100を用いてワンショットで様々なスペクトル情報及び方位情報を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、上述の実施形態に限定されない。本発明は、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更可能である。
例えば、本発明に係るフィルタでは、本実施形態のフィルタ10と同様の作用効果が得られれば、複数の分光偏光セル21-iの大きさ及び形状の少なくとも一方が不均一であってもよい。また、本発明に係る撮像装置においても、本実施形態の撮像装置100と同様の作用効果が得られれば、画素112の大きさ及び形状の少なくとも一方と、当該画素に対向して配置されている分光偏光セル21の大きさ及び形状の少なくとも一方とが、不均一に対応していてもよい。
次いで、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されない。
<実施例1>
上述の実施形態で例示したフィルタ10として、ランダム構造を有するフォトニック結晶を試作し、破綻なく成膜できていることを確認した。次に、試作したフィルタをモノクロカメラ(型番;ARTCAM150P5、ARTRAY社製)の受光部の手前側に、紫外線硬化樹脂を用いて接着し、カラーチャートの撮影を行った。試作において、フィルタの複数の分光偏光セルとモノクロカメラの受光素子の複数の画素との位置合わせは行わなかった。
図12に、カラーチャートの撮影後に、分光偏光画像(スペクトル情報、方位情報)を復元し、RGB成分のみを抽出して色再現をしたときの16色のスペクトル(スペクトル情報)の結果を示す。図12の各スペクトルにおいて、破線は元のカラーチャートのスペクトルを表し、実線は色再現したスペクトルを表している。図12に示すように、試作したフィルタを装着したモノクロカメラによって可視光の分光情報を復元できることを確認した。
<実施例2>
市販の携帯機器の液晶画面を、実施例1と同じ試作フィルタ及びモノクロカメラで撮影した。図13に、偏光の0°の方位と90°の方位とによって復元した偏光画像(方位情報)を示す。方位0°の偏光画像に対し、方位90°の偏光画像が全体的に暗いことから、液晶画面の表面に偏光板が搭載されていること、及び画面から出射している光が0°の方位に偏光していることを確認した。
以上の実施例1、2から、本発明を適用したフィルタ、撮像装置及び撮像システムによれば、フィルタの複数の分光偏光セルと受光素子の複数の画素との位置合わせを行うことなく、ワンショットでスペクトル情報及び方位情報を良好に得ることができることを確認した。
なお、上述の実施形態は、ワンショットで偏光画像情報及び波長画像情報を取得可能な撮像装置として、分光透過特性及び偏光透過特性の基準方位とがそれぞれ割り当てられた分光偏光セルを複数備えたフィルタを用いた場合について説明したが、本発明の原理は上述の実施形態だけに適用されるものではなく、例えば以下のような実施形態にも適用可能である。
例えば、非特許文献1に記載されているような、ワンショットで偏光画像情報を取得可能な撮像装置として、偏光透過特性の基準方位が割り当てられた偏光セルを複数備えたフィルタを用いた場合にも適用可能である。この場合は、上述の実施例における分光偏光セルを偏光セルに置き換えることで、同様の効果を奏する。
例えば、非特許文献2に記載されているような、ワンショットで画素毎に分光情報を取得可能な撮像装置として、分光透過特性が割り当てられた分光セルを複数備えたフィルタを用いた場合にも適用可能である。この場合は、上述の実施例における分光偏光セルを分光セルに置き換えることで、同様の効果を奏する。
例えば、特許文献1に記載されているような、ワンショットで偏光画像情報及び波長画像情報を取得可能な撮像装置として、分光透過特性が割り当てられた分光セルを複数備えたフィルタと偏光透過特性の基準方位が割り当てられた偏光セルを複数備えたフィルタを用いた場合にも適用可能である。この場合は、上述の実施例における分光偏光セルを分光セルと偏光セルに置き換えることで、同様の効果を奏する。なお、この場合は、対向して配置される分光セルと偏光セルについても、それぞれの大きさ及び形状の少なくとも一方とが不均一に対応させることにより、分光セルと偏光セルの位置合わせも不要になるという効果も奏する。
10…フィルタ
100…撮像装置
150…撮像システム

Claims (4)

  1. 偏光透過特性の基準方位と分光透過特性が割り当てられた分光偏光セルを複数備え、前記複数の分光偏光セルの大きさ及び形状の少なくとも一方が不均一であるフィルタと、
    前記フィルタに対向して配置され、前記フィルタから出射される光を受光する複数の画素を備える受光部と、
    を備え、
    各々の前記画素に対向して配置され、且つ、各々の前記画素が受光する光が出射される前記分光偏光セルの大きさ及び形状の少なくとも一方が前記複数の画素間で不均一である、
    撮像装置。
  2. 前記分光偏光セルは、割り当てられた前記分光透過特性に対応する格子ピッチと、割り当てられた前記偏光透過特性の基準方位に対応する格子方向と、を有するフォトニック結晶で構成されている、
    請求項1に記載の撮像装置
  3. 前記画素が前記分光偏光セルから出射される光を受光可能な範囲に、前記分光偏光セル同士の境界部分が含まれる、
    請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 請求項1からの何れか一項に記載の撮像装置と、
    前記分光偏光セル毎にそれぞれ割り当てられた前記分光透過特性に対応する波長帯域を少なくとも含む光であるキャリブレーション光を前記フィルタに照射することにより、前記画素によって取得される光の波長帯域と、前記画素によって取得される偏光の方位と、前記画素によって取得される光の強度との対応関係が前記画素毎に記憶されたキャリブレーション情報に基づいて、測定対象の光が入射した場合に、前記画素によって取得される光の波長帯域を示すスペクトル情報を前記画素毎に算出すると共に、前記画素によって取得される偏光の方位を示す方位情報を前記画素毎に算出する演算装置と、
    前記演算装置で算出された前記スペクトル情報と前記方位情報とを出力する出力装置と、
    を備える、撮像システム。
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