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JP7796264B2 - 含窒素飽和複素環誘導体を含有する医薬組成物 - Google Patents
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JP7796264B2 - 含窒素飽和複素環誘導体を含有する医薬組成物 - Google Patents

含窒素飽和複素環誘導体を含有する医薬組成物

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Description

本発明は、脳内タンパク質の異常凝集体の蓄積抑制または減少作用を有する含窒素飽和複素環誘導体またはその製薬学的に許容される塩、並びに該誘導体を有効成分とする脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患の治療剤および/または予防剤に関する。また、本発明は、神経スフェロイドによるパーキンソン病病態の再現方法およびそれを用いたα-シヌクレイン凝集体量の評価方法を提供することにある。
アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症に代表される神経変性疾患では、患者脳内に異常凝集したタンパク質が形成され、当該凝集体が神経毒性を示し、発症、病態進行の原因となると考えられている。
疾患により凝集体の構成タンパク質は異なり、パーキンソン病の原因となる凝集体の主要構成成分としてはα-シヌクレインが報告されている。異常凝集したα-シヌクレインが神経毒性を示し、さらに凝集したα-シヌクレインは神経細胞間を伝播することが報告されている。
パーキンソン病の治療薬としては、対処療法であるドパミン前駆物質であるレボドパの投与があるが、現在のところ根本的な治療法は確立されていない。近年パーキンソン病の疾患修飾薬の開発が精力的に行われているが、現在のところ臨床試験が行われている剤で強力にα-シヌクレイン凝集体を蓄積抑制または減少させる剤は報告されていない。
α-シヌクレイン凝集体はパーキンソン病を含むレビー小体病(レビー小体型認知症、多系統萎縮症、ゴーシェ病、乳児神経軸索ジストロフィーなど)の原因の背景にあると考えられている。従って、α-シヌクレイン凝集体を蓄積抑制または減少させる薬剤はこれらの疾患に対して病態改善効果を発揮することが期待される。
これまで、神経細胞内において内在的に生ずるα-シヌクレイン凝集体を再現したin vitro評価系は報告されておらず、α-シヌクレイン病態に対する評価系については、in vitroで合成されたα-シヌクレインオリゴマーの添加によるリン酸化α-シヌクレイン量の増加量で示されることが多く、α-シヌクレイン凝集体の蓄積抑制、または蓄積したα-シヌクレイン凝集体の減少作用について評価することは不可能であった。
これまで、α-シヌクレイン凝集体形成阻害作用をもつ薬剤として、NPT200-11(Neuropore社)やAnle138b(MODAG社)などが報告されているが、それらは、試験管内で人工的にα-シヌクレインを凝集させる際の凝集形成能の阻害作用で評価されてきた(特許文献1、2)。
また、これまでに、(4aR,8aS)-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン誘導体である(4aR,8aS)-6-{4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-カルボニル}ヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オンや(4aR,8aS)-6-[4-(5-エチルピリジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボニル]ヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オンが、モノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)阻害作用を有し、神経炎症、神経変性疾患等に有用であることが報告されている(特許文献3)。また、(アゼチジン-1-イル)(フェニル)メタノン誘導体である2-クロロ-3-{3-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アゼチジン-1-カルボニル}-4-[(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ]ベンゾニトリルや2-メトキシ-3-{3-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アゼチジン-1-カルボニル}-4-[(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ]ベンゾニトリルが、グリシントランスポーター1(GlyT1)阻害作用を有し、神経変性疾患等に有用であることが報告されている(特許文献4)。
しかし、これらの化合物は、いずれも本発明の含窒素飽和複素環誘導体とは異なるものである。そして、これら文献には本発明の含窒素飽和複素環誘導体に関する開示はなく、また何ら示唆もされていない。また、脳内タンパク質の異常凝集体の蓄積抑制または減少作用に関して、何ら示唆されていない。
国際公開第2011/084642号公報 国際公開第2010/000372号公報 国際公開第2019/180185号公報 国際公開第2016/073420号公報
本発明の課題は、脳内タンパク質の異常凝集体の蓄積抑制または減少作用により特徴づけられる中枢神経系疾患の予防若しくは治療に使用するための化合物またはその製薬学的に許容される塩、当該化合物を含む組成物等を提供することにある。また、神経スフェロイドによるパーキンソン病病態の再現方法およびそれを用いたα-シヌクレイン凝集体量の評価方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、下記式(1)で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩(以下必要に応じ「本発明化合物」と略称することがある。)が、脳内タンパク質の異常凝集体の蓄積抑制または減少作用を有することを見出し、また、神経スフェロイドによるパーキンソン病病態の再現方法およびそれを用いたα-シヌクレイン凝集体量の評価方法を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[項1]
式(1):
[式中、
Xは、酸素またはNRを表し、
は、水素、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、またはシクロプロピルを表し、
Yは、CHまたは窒素を表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0または1を表し、
rは、0、1、2、3または4を表し、
sは、0、1または2を表し、
(ただし、s=0のとき、YはCH、かつrは1、2、3、または4であり、
s=1のとき、YはCH、かつrは0、1、2、または3であり、
s=2のとき、rは1または2である)
は、水素、ハロゲン、メチルまたはヒドロキシを表し、
は、水素、ハロゲン、メチルまたはヒドロキシを表し、
は、水素、またはC1-3アルキルを表し、
は、水素、またはC1-3アルキルを表し、
ここにおいて、RとRは一緒になって、架橋したメチレンまたはエチレンを形成していてもよく、
は、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルコキシを表し、
は、水素、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルコキシを表し、
Hyは、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、またはピラジン環を表し、
ここにおいて、
(I)RおよびRを含むHyが5-フルオロピリジン-2-イルであり、かつmおよびnが1であるとき、rは0かつsは1であり、
(II)RおよびRを含むHyが6-メトキシピリジン-3-イルであり、かつmおよびnが1であり、かつXが酸素であるとき、rは0かつsは1であり、
(III)RおよびRを含むHyが5-メトキシピリジン-2-イルであり、かつmおよびnが1であり、かつXがNRであるとき、rは0かつsは1であり、
(IV)Rがメチルであり、かつRが水素であるとき、rは0かつsは1であり、
ただし、
(I’)RおよびRを含むHyは4,6-ジメチルピリミジン-2-イル、または5-ブロモピリミジン-2-イルでなく、
(II’)RおよびRを含むHyが5-クロロピリジン-2-イルであるとき、mおよびnは1であり、かつRおよびRは共に水素ではなく、
ただし、以下の化合物
(III’)(1-イソプロピルピペリジン-4-イル){3-(2-メトキシピリジン-3-イル)ピロリジン-1-イル}メタノン、および
(IV’)(3-エトキシオキセタン-3-イル)[3-{4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル}ピロリジン-1-イル]メタノン、
を除く]
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
[項2]
mが、1であり、
nが、1である、
項1に記載の医薬組成物。
[項3]
およびRが、それぞれ独立して、水素、メチル、またはフッ素である、
項1又は2に記載の医薬組成物。
[項4]
およびRが、水素である、
項1又は2に記載の医薬組成物。
[項5]
Xが、酸素、NHまたはNMeである、
項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項6]
が、水素である、
項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項7]
が、メチルまたはエチルである、
項1~6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項8]
Yが、CHである、
項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項9]
sが1である、
項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項10]
rが0、およびsが1である、
項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項11]
式(2):
[式中、
Xは、酸素、NHまたはNMeを表し、
は、メチルまたはエチルを表し、
は、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルコキシを表し、
は、水素、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルコキシを表し、
Hyは、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、またはピラジン環を表し、
ただし、
およびRを含むHyは、5-クロロピリジン-2-イルではない]
で表される、項1に記載の医薬組成物。
[項12]
Hyが、ピリジン環である、
項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項13]
が、トリフルオロメチルである、
項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項14]
Hyが、ピリジン-3-イルである、
項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項15]
Xが、酸素である、
項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項16]
が、メチルである、
項1~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項17]
Xが、NHまたはNMeである、
項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項18]
Xが、NMeである、
項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項19]
化合物が以下の化合物群から選択される、項1に記載の医薬組成物:
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例1)、
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例2)、
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例3)、
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例4)、
{4-[5-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}(3-メチルオキセタン-3-イル)メタノン(実施例29)、
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[4-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例31)、
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例41)、
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例42)、
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例43)、および
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例44)。
[項20]
化合物が以下の化合物群から選択される、項1に記載の医薬組成物:
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例1)、
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例2)、
{4-[5-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}(3-メチルオキセタン-3-イル)メタノン(実施例29)、
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[4-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例31)、
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例42)、および
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例44)。
[項21]
項1~20のいずれか一項に記載の医薬組成物を含有する、脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患の治療剤または予防剤。
[項22]
脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が、タウ、α-シヌクレイン、TDP-43、またはポリグルタミンが関与する中枢神経系疾患である、項21に記載の治療剤または予防剤。
[項23]
脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が、アルツハイマー病、前頭側頭葉型変性症、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、ゴーシェ病、乳児神経軸索ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、または脊髄小脳失調症である、項21に記載の治療剤または予防剤。
[項24]
脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が、α-シヌクレインが関与する中枢神経系疾患である、項21に記載の治療剤または予防剤。
[項25]
脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、ゴーシェ病、または乳児神経軸索ジストロフィーである、項21に記載の治療剤または予防剤。
[項26]
治療が必要な患者に、治療上の有効量の項1~20のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩を投与することを含む、脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患を治療または予防するための方法。
[項27]
脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患の治療剤または予防剤を製造するための、項1~20のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
[項28]
脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患の治療または予防に使用するための、項1~20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項29]
項1~20のいずれか一項に記載の医薬組成物と、L-dopa、ドパミンアゴニスト、MAO-B阻害剤、カテコール-O-メチル転移酵素(COMT)阻害薬、αSyn抗体およびそれらの製薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の薬剤とを組み合わせてなる、脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患の治療剤または予防剤。
[項30]
L-dopa、ドパミンアゴニスト、MAO-B阻害剤、カテコール-O-メチル転移酵素(COMT)阻害薬、αSyn抗体およびそれらの製薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の薬剤と併用して脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患を治療または予防するための、項21に記載の治療剤または予防剤。
[項31]
式(1):
[式中、
Xは、酸素またはNRを表し、
は、水素、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、またはシクロプロピルを表し、
Yは、CHまたは窒素を表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0または1を表し、
rは、0、1、2、3または4を表し、
sは、0、1または2を表し、
(ただし、s=0のとき、YはCH、かつrは1、2、3、または4であり、
s=1のとき、YはCH、かつrは0、1、2、または3であり、
s=2のとき、rは1または2である)
は、水素、ハロゲン、メチルまたはヒドロキシを表し、
は、水素、ハロゲン、メチルまたはヒドロキシを表し、
は、水素、またはC1-3アルキルを表し、
は、水素、またはC1-3アルキルを表し、
ここにおいて、RとRは一緒になって、架橋したメチレンまたはエチレンを形成していてもよく、
は、水素、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルコキシを表し、
は、水素、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルコキシを表し、
Hyは、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、またはピラジン環を表す]
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患の治療剤又は予防剤。
[項32]
mが、1であり、
nが、1である、
項31に記載の治療剤又は予防剤。
[項33]
およびRが、それぞれ独立して、水素、メチル、またはフッ素である、
項31又は32に記載の治療剤又は予防剤。
[項34]
およびRが、水素である、
項31又は32に記載の治療剤又は予防剤。
[項35]
Xが、酸素、NHまたはNMeである、
項31~34のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項36]
が、水素である、
項31~35のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項37]
が、メチルまたはエチルである、
項31~36のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項38]
Yが、CHである、
項31~37のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項39]
sが1である、
項31~38のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項40]
rが0、およびsが1である、
項31~39のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項41]
式(2):
[式中、
Xは、酸素、NHまたはNMeを表し、
は、メチルまたはエチルを表し、
は、水素、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルコキシを表し、
は、水素、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルコキシを表し、
Hyは、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、またはピラジン環を表す]
で表される、項31に記載の治療剤又は予防剤。
[項42]
Hyが、ピリジン環である、
項31~41のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項43]
が、トリフルオロメチルである、
項31~42のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項44]
Hyが、ピリジン-3-イルである、
項31~43のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項45]
Xが、酸素である、
項31~44のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項46]
が、メチルである、
項31~45のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項47]
Xが、NHまたはNMeである、
項31~44のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項48]
Xが、NMeである、
項31~44のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
[項49]
脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が、タウ、α-シヌクレイン、TDP-43、またはポリグルタミンが関与する中枢神経系疾患である、項31~48いずれか一項に記載の治療剤または予防剤。
[項50]
脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が、アルツハイマー病、前頭側頭葉型変性症、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、ゴーシェ病、乳児神経軸索ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、または脊髄小脳失調症である、項31~48のいずれか一項に記載の治療剤または予防剤。
[項51]
脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が、α-シヌクレインが関与する中枢神経系疾患である、項31~48のいずれか一項に記載の治療剤または予防剤。
[項52]
脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、ゴーシェ病、または乳児神経軸索ジストロフィーである、項31~48のいずれか一項に記載の治療剤または予防剤。
[項53]
治療が必要な患者に、治療上の有効量の項31~48のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩を投与することを含む、脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患を治療または予防するための方法。
[項54]
脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患の治療剤または予防剤を製造するための、項31~48のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩の使用。
[項55]
脳内のタンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患の治療または予防に使用するための、項31~48のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩。
[項56]
項31~48のいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤と、L-dopa、ドパミンアゴニスト、MAO-B阻害剤、カテコール-O-メチル転移酵素(COMT)阻害薬、αSyn抗体およびそれらの製薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の薬剤とを組み合わせてなる、脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患の治療剤または予防剤。
[項57]
L-dopa、ドパミンアゴニスト、MAO-B阻害剤、カテコール-O-メチル転移酵素(COMT)阻害薬、αSyn抗体およびそれらの製薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の薬剤と併用して脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患を治療または予防するための、項31~48のいずれか一項に記載の治療剤または予防剤。
[項58]
工程(I)を含む、シヌクレオパチー関連遺伝子変異ヒトiPS細胞を用いた三次元培養での神経スフェロイドによるパーキンソン病病態の再現方法;
(I)神経スフェロイドからα-シヌクレイン凝集体量を測定する工程。
[項59]
工程(I)を含む、シヌクレオパチー関連遺伝子変異ヒトiPS細胞を用いた三次元培養での神経スフェロイドによるパーキンソン病病態におけるα-シヌクレイン凝集体の蓄積抑制、また減少作用をもつ薬剤を評価する方法;
(I)神経スフェロイドからα-シヌクレイン凝集体量を測定する工程。
[項60]
式(3):
[式中、
は、メチルまたはエチルを表し、
は、トリフルオロメチルを表し、
は、水素、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルコキシを表し、
Hyは、ピリジン-3-イルを表す。]
で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩の製造方法であって、
下記の工程1を含む製造方法;
(工程1)式(4):
[式中、R、R、およびHyは、上記と同じ基を表す。]
で表される化合物またはその塩と式(5):
[式中、Rは、上記と同じ基を表し、
Aは、OHまたはハロゲンを表す。]
で表される化合物またはその塩を縮合して、式(3)で表される化合物またはその製薬的に許容される塩を製造する工程。
[項61]
式(3):
[式中、
は、メチルまたはエチルを表し、
は、トリフルオロメチルを表し、
は、水素、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルコキシを表し、
Hyは、ピリジン-3-イルを表す。]
で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩の製造方法であって、
下記の工程1を含む製造方法;
(工程1)式(4):
[式中、R、R、およびHyは、上記と同じ基を表す。]
で表される化合物またはその塩と式(5):
[式中、Rは、上記と同じ基を表し、
Aは、OHを表す。]
で表される化合物またはその塩を、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-トリオキシドおよびトリエチルアミン存在下で縮合して、式(3)で表される化合物またはその製薬的に許容される塩を製造する工程。
[項62]
式(6):
[式中、
は、メチルを表し、
は、トリフルオロメチルを表し、
は、水素、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルコキシを表し、
Hyは、ピリジン-3-イルを表す。]
で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩の製造方法であって、
下記の工程1~3を含む製造方法;
(工程1) 式(4):
[式中、R、R、およびHyは、上記と同じ基を表す。]
で表される化合物またはその塩と式(7):
[式中、Rは、上記と同じ基を表し、
Aは、OHまたはハロゲンを表し、
Proは、アミノ基の保護基を表す。]
で表される化合物またはその塩を縮合して、式(8):
[式中、R、R、R、Hy、およびProは、上記と同じ基を表す。]
で表される化合物またはその塩を製造する工程、
(工程2) 式(8)で表される化合物またはその塩のアミノ基の保護基を脱保護して、式(9):
[式中、R、R、R、およびHyは、上記と同じ基を表す。]
で表される化合物またはその塩を製造する工程、
(工程3) 式(9)で表される化合物またはその塩を、還元剤存在下でホルムアルデヒド又はその等価体と反応して、式(6)で表される化合物またはその製薬的に許容される塩を製造する工程。
[項63]
式(6):
[式中、
は、メチルを表し、
は、トリフルオロメチルを表し、
は、水素、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキル、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルコキシを表し、
Hyは、ピリジン-3-イルを表す。]
で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩の製造方法であって、
下記の工程1~3を含む製造方法;
(工程1) 式(4):
[式中、R、R、およびHyは、上記と同じ基を表す。]
で表される化合物またはその塩と式(7):
[式中、Rは、上記と同じ基を表し、
Proはtert-ブトキシカルボニルを表し、
Aは、OHを表す。]
で表される化合物またはその塩を、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-トリオキシドおよびトリエチルアミン存在下で縮合して、式(8):
[式中、R、R、R、Hy、Proは、上記と同じ基を表す。]
で表される化合物またはその塩を製造する工程、
(工程2) 式(8)で表される化合物またはその塩のアミノ基の保護基を、トリフルオロ酢酸にて脱保護して、式(9):
[式中、R、R、R、およびHyは、上記と同じ基を表す。]
で表される化合物またはその塩を製造する工程、
(工程3) 式(9)で表される化合物またはその塩を、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムおよび酢酸存在下、ホルムアルデヒドと反応させて、式(6)で表される化合物またはその製薬的に許容される塩を製造する工程。
本発明により、式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩を提供することが可能になった。当該化合物又はその製薬学的に許容される塩は、脳内タンパク質の異常凝集体の蓄積抑制または減少作用を有し、脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患、特にα-シヌクレインが関与する神経変性疾患(パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、ゴーシェ病、乳児神経軸索ジストロフィー等)に対する治療剤又は予防剤として有用である。また、パーキンソン病病態である神経細胞内における自発的なα-シヌクレイン凝集体を再現することにより、α-シヌクレイン凝集体の蓄積抑制、また減少作用をもつ薬剤を評価する評価方法として有用である。
図1は健常人iPS細胞由来神経スフェロイドとPLA2G6変異iPS細胞由来神経スフェロイド内の凝集体量の差を示す。縦軸は神経スフェロイド内の凝集体量を示し、横軸は培養日数を示す。また、白色のグラフは健常人由来神経スフェロイドの凝集体量を示し、黒色のグラフはPLA2G6変異iPS細胞由来神経スフェロイドの凝集体量を示す。 図2は健常人iPS細胞由来ドパミン神経スフェロイドとPLA2G6変異iPS細胞由来ドパミン神経スフェロイド内の凝集体量の差を示す。縦軸はドパミン神経スフェロイド内の凝集体量を示し、横軸は培養日数を示す。また、白色のグラフは健常人由来神経スフェロイドの凝集体量を示し、黒色のグラフはPLA2G6変異iPS細胞由来神経スフェロイドの凝集体量を示す。 図3は培養26日目の健常人iPS細胞由来ドパミン神経スフェロイドとPLA2G6変異iPS細胞由来ドパミン神経スフェロイド内のチロシン水酸化酵素量の差を示す。縦軸はドパミン神経スフェロイド内のチロシン水酸化酵素量を示す。また、白色のグラフは健常人由来神経スフェロイド、黒色のグラフはPLA2G6変異iPS細胞由来神経スフェロイドのチロシン水酸化酵素量を示す。 図4は培養40日目の健常人iPS細胞由来ドパミン神経スフェロイドとPLA2G6変異iPS細胞由来ドパミン神経スフェロイド内のcleaved caspase3量の差を示す。縦軸はドパミン神経スフェロイド内のcleaved caspase3量を示す。また、白色のグラフは健常人由来神経スフェロイド、黒色のグラフはPLA2G6変異iPS細胞由来神経スフェロイドのcleaved caspase3量を示す。 図5は健常人iPS細胞由来ドパミン神経スフェロイドとGBA1遺伝子ホモ変異iPS細胞由来ドパミン神経スフェロイド内の凝集体量の差を示す。縦軸はドパミン神経スフェロイド内の凝集体量を示し、横軸は異なる培養日数を示す。また、白色のグラフは健常人由来神経スフェロイドの凝集体量を示し、黒色のグラフはGBA1遺伝子ホモ変異iPS細胞由来神経スフェロイドの凝集体量を示す。
以下に、本発明を詳細に説明する。本明細書において「置換基」の定義における炭素の数を、例えば、「C1-3」等と表記する場合もある。具体的には、「C1-3アルキル」なる表記は、炭素数1から3のアルキルと同義である。
「ハロゲン」の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素が挙げられる。好ましくは、フッ素または塩素である。
「C1-3アルキル」は、炭素数1~3個を有する直鎖状もしくは分枝状の飽和炭化水素基を意味する。好ましくは、「C1-2アルキル」である。「C1-3アルキル」の具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等が挙げられる。
「C1-3アルコキシ」の「C1-3アルキル」部分は、前記「C1-3アルキル」と同義である。好ましくは、「C1-2アルコキシ」である。「C1-3アルコキシ」の具体例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等が挙げられる。
式(1)で表される本発明化合物の中でも、X、Y、m、n、r、s、R、R、R、R、R、RおよびRで、好ましいものは以下のとおりであるが、本発明の技術的範囲は下記に挙げる化合物の範囲に限定されるものではない。
式(1)で表される化合物においてR、R、R、R、RおよびR基は、置換可能であればいずれの炭素に置換してもよく、RとR、およびRとRにおいては置換可能であれば同一炭素上に置換していてもよく、またRおよびRにおいてはYがCHである場合のCHのHと置換されてもよい。
式(1)で表される化合物において、含窒素飽和複素環とHyが結合するHyの結合部位(矢印)は、炭素である。
Xとして、好ましくは酸素、NH、NMeが挙げられ、より好ましくは酸素、NMeが挙げられる。
Yとして、好ましくはCHが挙げられる。
nとして、好ましくは1が挙げられる。
mとして、好ましくは1が挙げられる。
YがCHであるとき、rとして、好ましくは0、1、2が挙げられ、より好ましくは、0または1が挙げられ、さらに好ましくは0が挙げられる。
Yが窒素であるとき、rは1、2、3または4であり、好ましくは1が挙げられる。
YがCHであるとき、sとして、好ましくは0、1、2が挙げられ、より好ましくは1、2が挙げられ、さらに好ましくは1が挙げられる。Yが窒素であるとき、sは2である。
として、好ましくは水素、メチル、フッ素が挙げられ、より好ましくは水素が挙げられる。
として、好ましくは水素、メチル、フッ素が挙げられ、より好ましくは水素が挙げられる。
として、好ましくは水素、メチル、エチル挙げられ、より好ましくは水素が挙げられる。
として、好ましくは水素、メチル、エチルが挙げられ、より好ましくはメチル、エチルが挙げられ、さらに好ましくはメチルが挙げられる。
XおよびYを含む環において、RとRが一緒になって、架橋したメチレンまたはエチレンを形成した構造として、XおよびYを含む環と共に下記式(3)の構造が挙げられる。下記式(3)において、波線は式(1)におけるカルボニルへの結合部位を示す。また、下記式(3)において、XおよびYは項1と同義である。
として、好ましくはハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキルが挙げられ、より好ましくはハロゲン、1~3個のフッ素で置換されていてもよいメチルが挙げられ、さらに好ましくはトリフルオロメチル、メチル、フッ素が挙げられ、最も好ましくはトリフルオロメチルが挙げられる。
として、好ましくは水素、ハロゲン、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキルが挙げられ、より好ましくは水素、ハロゲン、1~3個のフッ素で置換されていてもよいメチルが挙げられ、さらに好ましくは水素、ハロゲン、メチルが挙げられ、最も好ましくは水素、フッ素、メチルが挙げられる。
として、好ましくは水素、C1-3アルキルが挙げられ、より好ましくは水素、メチルが挙げられ、さらに好ましくはメチルが挙げられる。Rの別の態様としては、重水素を1から5個含むC1-3アルキルが挙げられる。
Hyとして、好ましくはピリジン環が挙げられ、より好ましくは下記式(4)で表されるピリジン-3-イルが挙げられる。下記式(4)において、矢印は含窒素飽和環への結合位置を表す。
縮合反応に用いられる縮合剤としては、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-トリオキシド等が挙げられる。好ましくは、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-トリオキシドが挙げられる。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。好ましくは、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。
ホルムアルデヒドまたはその等価体としては、ホルムアルデヒド、1,3,5-トリオオキサン、パラホルムアルデヒドが挙げられる。好ましくは、ホルムアルデヒドである。
アミノ基の保護基としては、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくは、tert-ブトキシカルボニル基が挙げられる。
式(1)で表される化合物のうちで、好ましい化合物としては、以下のような化合物又はその製薬学的に許容される塩が挙げられる。
式(1)で表される化合物の1つの態様としては、以下の(A)が挙げられる。
(A)
Xが、酸素またはNRであり、
が、水素、C1-3アルキルまたはシクロプロピルであり、
Yが、CHまたは窒素であり、
mが、0、1、または2であり、
nが、0または1であり、
rが、0、1または2であり、
sが、0、1または2であり、
(ただし、s=0のとき、YはCH、かつrは1または2であり、
s=1のとき、YはCH、かつrは0、1または2であり、
s=2のとき、rは1または2である)
が、水素、ハロゲン、メチルまたはヒドロキシであり、
が、水素、ハロゲン、メチルまたはヒドロキシであり、
が、水素、またはC1-3アルキルであり、
が、水素、またはC1-3アルキルであり、
ここにおいて、RとRは一緒になって、架橋したメチレンまたはエチレンを形成していてもよく、
が、ハロゲン、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
が、水素、ハロゲン、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
Hyが、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、またはピラジン環であり、
ここにおいて、
(I)RおよびRを含むHyが5-フルオロピリジン-2-イルであり、かつmおよびnが1であるとき、rは0かつsは1であり、
(II)Rがメチルであり、かつRが水素であるとき、rは0かつsは1であり、
ただし、
(I’)RおよびRを含むHyは4,6-ジメチルピリミジン-2-イル、または5-ブロモピリミジン-2-イルでなく、
(II’)RおよびRを含むHyが5-クロロピリジン-2-イルであるとき、mおよびnは1であり、かつRおよびRは共に水素ではなく、
ただし、以下の化合物
(III’)(3-エトキシオキセタン-3-イル)[3-{4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル}ピロリジン-1-イル]メタノン、
を除く
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩。
式(1)で表される化合物の1つの態様としては、以下の(B)が挙げられる。
(B)
Xが、酸素またはNRであり、
が、水素、C1-3アルキル、またはシクロプロピルであり、
Yが、CHまたは窒素であり、
mが、0、1、または2であり、
nが、0または1であり、
rが、0、1または2であり、
sが、0、1または2であり、
(ただし、s=0のとき、YはCH、かつrは1または2であり、
s=1のとき、YはCH、かつrは0、1または2であり、
s=2のとき、rは1または2である)
が、水素、ハロゲン、メチルまたはヒドロキシであり、
が、水素、ハロゲン、メチルまたはヒドロキシであり、
が、水素、またはC1-3アルキルであり、
が、水素、またはC1-3アルキルであり、
ここにおいて、RとRは一緒になって、架橋したメチレンまたはエチレンを形成していてもよく、
が、ハロゲン、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
が、水素、ハロゲン、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
Hyが、ピリジン環であり、
ここにおいて、
(I)RおよびRを含むHyが5-フルオロピリジン-2-イルであり、かつmおよびnが1であるとき、rは0かつsは1であり、
(II)Rがメチルであり、かつRが水素であるとき、rは0かつsは1であり、
ただし、
(I’)RおよびRを含むHyが5-クロロピリジン-2-イルであるとき、mおよびnは1であり、かつRおよびRは共に水素ではない
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩。
式(1)で表される化合物の1つの態様としては、以下の(C)が挙げられる。
(C)
Xが、酸素またはNRであり、
が、水素、C1-3アルキルまたはシクロプロピルであり、
Yが、CHであり、
mが、1であり、
nが、1であり、
rが、0、1または2であり、
sが、0、1または2であり、
(ただし、s=0のとき、rは1または2であり、
s=1のとき、rは0、1または2であり、
s=2のとき、rは1または2である)
が、水素、メチルまたはフッ素であり、
が、水素、メチルまたはフッ素であり、
が、水素、メチルまたはエチルであり、
が、水素、メチルまたはエチルであり、
が、ハロゲン、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
が、水素、ハロゲン、または同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキルであり、
Hyが、ピリジン環であり、
ここにおいて、
(I)RおよびRを含むHyが5-フルオロピリジン-2-イルであるとき、rは0かつsは1であり、
(II)Rがメチルであり、かつRが水素であるとき、rは0かつsは1であり、
ただし、
(I’)RおよびRを含むHyが5-クロロピリジン-2-イルであるとき、RおよびRは共に水素ではない
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩。
式(1)で表される化合物の1つの態様としては、以下の(D)が挙げられる。
(D)
Xが、酸素またはNRであり、
が、水素またはメチルであり、
Yが、CHであり、
mが、1であり、
nが、1であり、
rが、0または1であり、
sが、1または2であり、
(ただし
s=2のとき、rは1である)
が、水素であり、
が、水素であり、
が、水素であり、
が、メチルまたはエチルであり、
が、ハロゲン、または1~3個のフッ素で置換されていてもよいメチルであり、
が、水素、ハロゲン、または1~3個のフッ素で置換されていてもよいメチルであり、
Hyが、ピリジン-3-イルである、
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩。
式(1)で表される化合物の1つの態様としては、式(2)の構造である以下の(E)が挙げられる。
(E)
式(2)において、
Xが、酸素またはNMeであり、
が、メチルであり、
が、トリフルオロメチル、メチルまたはフッ素であり、
が、水素、ハロゲンまたはメチルであり、
Hyが、ピリジン-3-イルである、
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩。
式(1)で表される化合物の1つの態様としては、以下の化合物またはその製薬学的に許容される塩が挙げられる。
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例1)、
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例2)、
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例3)、
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例4)、
{4-[5-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}(3-メチルオキセタン-3-イル)メタノン(実施例29)、
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[4-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例31)、
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例41)、
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例42)、
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例43)、または
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例44)。
式(1)で表される化合物の1つの態様としては、以下の化合物またはその製薬学的に許容される塩が挙げられる。
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例1)、
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例2)
{4-[5-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}(3-メチルオキセタン-3-イル)メタノン(実施例29)、
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[4-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例31)、
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例42)、または
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン(実施例44)。
本発明における、「製薬学的に許容される塩」としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩又はクエン酸塩、シュウ酸塩、フタル酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、para-トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。また、塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、アルミニウム塩等の無機塩基塩、又はトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6-ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert-ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N-ジベンジルエチルアミン等の有機塩基との塩等が挙げられる。さらに、「製薬学的に許容される塩」としては、アルギニン、リジン、オルニチン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の塩基性アミノ酸又は酸性アミノ酸とのアミノ酸塩も挙げられる。
出発化合物及び中間体の好適な塩及び医薬品原料として許容しうる塩は、慣用の無毒性塩であり、それらとしては、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ギ酸塩、para-トルエンスルホン酸塩等)及び無機酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等)のような酸付加塩、アミノ酸(例えば、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等)との塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)及びアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩等)等の金属塩、アンモニウム塩又は有機塩基塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン塩等)等の他、当業者が適宜選択することができる。
本発明の化合物の塩を取得したい場合、本発明の化合物が塩の形で得られるときには、そのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときには、適当な有機溶媒に溶解若しくは懸濁させ、酸又は塩基を加えて通常用いられる方法により塩を形成させればよい。
本発明において、式(1)で表される化合物のいずれか1つ又は2つ以上のHをH(D)に変換した重水素変換体も、式(1)で表される化合物に包含される。本発明には、式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩が含まれる。また、本発明の化合物は、水和物及び/又は各種溶媒との溶媒和物(エタノール和物等)の形で存在することもあるので、これらの水和物及び/又は溶媒和物も本発明の化合物に含まれる。さらに、本発明には、本発明の化合物(1)のあらゆる互変異性体、存在するあらゆる立体異性体、及びあらゆる様態の結晶形のもの、さらにこれらの混合物も含まれる。
本発明の化合物の中には、光学活性中心に基づく光学異性体、分子内回転の束縛により生じた軸性又は面性キラリティーに基づくアトロプ異性体、その他の立体異性体、互変異性体及び幾何異性体等が存在し得るものがある。そして、これらを含め、存在することが可能な全ての異性体及びそれらの混合物も本発明の化合物に包含される
特に、光学異性体やアトロプ異性体は、ラセミ体として又は光学活性の出発原料や中間体が用いられた場合には光学活性体として、それぞれ得ることができる。必要であれば、下記製造法の適切な段階で、対応する原料、中間体又は最終品のラセミ体を、光学活性カラムを用いた方法、分別結晶化法等の公知の分離方法によって、物理的に又は化学的にそれらの光学対掌体に分割することができる。具体的には、例えばジアステレオマー法では、光学活性分割剤を用いる反応によってラセミ体から2種のジアステレオマーを形成する。この異なるジアステレオマーは一般に物理的性質が異なるため、分別結晶化等の公知の方法によって分割することができる。
以下に、本発明における式(1)で表される化合物の製造法について、例を挙げて説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。
製造法
本発明化合物は、下記に示す製造法、および公知の合成方法を組み合わせた方法により合成される。
反応式中の化合物はそれぞれ塩を形成している場合も含み、該塩としては、例えば、式(1)で表される化合物の塩と同様のものが挙げられる。なお、これらの反応は単なる例示であり、有機合成に習熟している者の知識に基づき、適宜、他の方法で本発明化合物を製造することもできる。
下記において説明する各製造法において、具体的に保護基の使用を明示していない場合であっても、保護が必要な官能基が存在する場合は、当該官能基を必要に応じて保護し、反応終了後または一連の反応を行った後に脱保護することにより目的物を得ることもある。
保護基の導入および脱離は、有機合成化学で常用される方法(例えば、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis", 3rd Ed., John Wiley and Sons, inc., New York (1999)に記載されている方法等)またはそれに準じた方法により行うことができる。
アミノ基の保護基としては、例えば、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p-トルエンスルホニル、o-ニトロベンゼンスルホニル、4-メトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル等が挙げられる。
製造法1
式(1)で表される化合物のうち、式(1a)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
[式中、R、R、R、R、R、R、m、n、r、s、Y、およびHyは、前記[項1]と同義であり;AはハロゲンまたはOHを表す。]
(工程1-1:化合物(1a)の製造工程)
化合物(1a)は、適当な不活性溶媒中、種々の縮合剤及び/又は塩基存在下又は非存在下、化合物(1-1)と化合物(1-2)と反応させることにより製造される。化合物(1-1)は、市販の化合物、または公知の方法(例えば、国際公開第WO2014/192868)により製造されたものを用いることができる。また、後記の製造法3~6より製造されたものを用いることができる。化合物(1-2)は、市販の化合物、または公知の方法(例えば、国際公開第WO2016/004272)により製造されたものを用いることができる。本工程において使用される塩基としては、後述で例示される塩基等から適宜選択されるが、例えば、水素化ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又は炭酸ナトリウムが挙げられる。本工程において使用される縮合剤は、有機合成反応で一般的に使用される種々の縮合剤を使用することができるが、例えば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-トリオキシド等が挙げられる。本工程において使用される溶媒は、後述で例示される溶媒等から適宜選択されるが、例えば、DMF、THF、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル等が挙げられる。本工程の反応時間は、通常、5分~72時間であり、好ましくは30分~24時間である。本工程の反応温度は、通常、-78℃~200℃であり、好ましくは-78℃~80℃である。
製造法2
式(1)で表される化合物のうち、式(1b)および式(1c)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
[式中、R、R、R、R、R、R、m、n、r、s、Y、およびHyは、前記[項1]と同義であり;Rは、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキルまたはシクロプロピルを表し、AはハロゲンまたはOHを表し;Proはアミノ基の保護基を表す。]
(工程2-1:化合物(1c)の製造工程)
化合物(1c)は、化合物(1-1)と化合物(2-1)より、工程1-1に記載の方法に準じて製造される。化合物(2-1)は、市販の化合物、または公知の方法(例えば、国際公開第WO2010/026096)により製造されたものを用いることができる。
(工程2-2:化合物(2-3)の製造工程)
化合物(2-3)は、化合物(1-1)と化合物(2-2)より、工程1-1に記載の方法に準じて製造される。化合物(2-2)は、市販の化合物、または公知の方法(例えば、国際公開第WO2008/085117)により製造されたものを用いることができる。
(工程2-3:化合物(1b)の製造工程)
化合物(1b)は、化合物(2-3)のアミノ基の保護基Proを、公知の方法(例えば、Protective Group in Organic Synthesis第3版(Theodora W. Green, Peter G. M. Wuts著、 John Wiley & Sons Inc発行、1999年)に記載の方法)で脱保護することにより製造される。アミノ基の置換基Proとしては、例えば、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
(工程2-4:化合物(1c)の製造工程)
化合物(1c)は、適当な不活性溶媒中、還元剤の存在下、化合物(1b)とRに対応する種々のアルデヒド、ケトン、ケトン等価体等を反応させることによって製造される。還元剤としては、有機合成反応で一般的に使用される種々の還元剤を使用することができるが、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。本工程において使用される溶媒は、後述で例示される溶媒等から適宜選択されるが、例えば、トルエン、THF、ジクロロメタン、メタノール等が挙げられる。反応時間は、通常、5分~48時間であり、好ましくは1時間~24時間である。反応温度は、通常、-78℃~100℃であり、好ましくは0℃~80℃である。
また、化合物(1c)は、適当な不活性溶媒中、塩基の存在下、化合物(1b)とRに対応する種々のアルキルハライド、アルキルスルホナートを反応させることによっても製造される。塩基としては、後述で例示される塩基等から適宜選択されるが、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド等が挙げられる。本工程において使用される溶媒は、後述で例示される溶媒等から適宜選択されるが、例えば、DMF、ジメチルスルホキシド、THF、1,4-ジオキサン等が挙げられる。反応時間は、通常、5分~48時間であり、好ましくは1時間~24時間である。反応温度は、通常、-78℃~100℃であり、好ましくは0℃~80℃である。
製造法3
式(1-1)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
[式中、R、R、R、R、m、n、およびHyは、前記[項1]と同義であり;WおよびWはハロゲンを表し;Proはアミノ基の保護基を表す。]
(工程3-1:化合物(3-3)の製造工程)
化合物(3-3)は、適当な不活性溶媒中、亜鉛及びパラジウム触媒存在下、化合物(3-1)と化合物(3-2)を反応させることにより製造される。化合物(3-1)は、市販の化合物、または公知の方法(例えば、国際公開第WO2008/147831)により製造されたものを用いることができる。化合物(3-2)は、市販の化合物、または公知の方法(例えば、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (2006), 16(17), 4528-4532)により製造されたものを用いることができる。WおよびWにおけるハロゲンとしては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。アミノ基の置換基Proとしては、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。パラジウム触媒としては、常法で使用される種々のパラジウム触媒を使用することができるが、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等が挙げられる。本工程において使用される溶媒は、後述で例示される溶媒等から適宜選択されるが、例えば、DMF、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。反応時間は、通常、5分~48時間であり、好ましくは1時間~24時間である。反応温度は、通常、0℃~100℃であり、好ましくは0℃~80℃である。
(工程3-2:化合物(1-1)の製造工程)
化合物(1-1)は、化合物(3-3)より、工程2-3に記載の方法に準じて製造される。
製造法4
式(1-1)で表される化合物のうち、式(1-1a)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
[式中、R、R、R、R、n、およびHyは、前記[項1]と同義であり;Wはハロゲンを表し;Proはアミノ基の保護基を表し;Tはボロン酸またはボロン酸エステルを表す。]
(工程4-1:化合物(4-2)の製造工程)
化合物(4-2)は、適当な不活性溶媒中、パラジウム触媒の存在下、化合物(4-1)と化合物(3-2)を反応させることにより製造される。本工程は、必要に応じて塩基および/またはリン配位子の存在下で行うことができる。化合物(4-1)は、市販の化合物、または公知の方法(例えば、国際公開第WO2019/163865)により製造されたものを用いることができる。アミノ基の置換基Proとしては、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。パラジウム触媒としては、常法で使用される種々のパラジウム触媒を使用することができるが、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等が挙げられる。本工程において使用される塩基としては、後述で例示される塩基等から適宜選択されるが、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム等が挙げられる。本工程において使用されるリン配位子としては、有機合成反応で一般的に使用される種々のリン配位子を使用することができるが、例えば、トリフェニルホスフィンやビス(ジフェニルホスフィノ)メタン等が挙げられる。本工程において使用される溶媒は、後述で例示される溶媒等から適宜選択されるが、例えば、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、水およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。反応温度は通常、0℃~200℃、好ましくは20℃~150℃であり、必要に応じてマイクロ波照射下で行うこともできる。反応時間は、反応温度、使用されるパラジウム触媒、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常、5分~72時間であり、好ましくは1時間~24時間である。
(工程4-2:化合物(4-3)の製造工程)
化合物(4-3)は、適当な不活性溶媒中、触媒存在下、水素雰囲気下で化合物(4-2)を反応させることにより製造される。本工程において使用される溶媒は、後述で例示される溶媒等から適宜選択されるが、例えば、メタノール、エタノール、クロロホルムおよびこれらの混合溶媒等が挙げられる。触媒としては、接触還元反応で一般的に使用される種々の触媒を使用することができるが、例えば、パラジウム炭素や水酸化パラジウム等が挙げられる。反応時間は、通常、5分~48時間であり、好ましくは1時間~24時間である。反応温度は、通常、0℃~100℃であり、好ましくは0℃~40℃である。
(工程4-3:化合物(1-1a)の製造工程)
化合物(1-1a)は、化合物(4-3)より、工程2-3に記載の方法に準じて製造される。
製造法5
式(1-1)で表される化合物のうち、式(1-1b)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
[式中、R、R、R、m、n、およびHyは、前記[項1]と同義であり;Wはハロゲンを表し;Proはアミノ基の保護基を表す。]
(工程5-1:化合物(5-2)の製造工程)
化合物(5-2)は、適当な不活性溶媒中、アルキルリチウム存在下、化合物(3-2)と化合物(5-1)を反応させることにより製造される。化合物(5-1)は、市販の化合物、または公知の方法(例えば、国際公開第WO2005/058888)により製造されたものを用いることができる。アミノ基の置換基Proとしては、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。アルキルリチウムとしては、常法で使用される種々のアルキルリチウムを使用することができるが、例えば、ブチルリチウム等が挙げられる。本工程において使用される溶媒は、後述で例示される溶媒等から適宜選択されるが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等が挙げられる。反応時間は、通常、5分~48時間であり、好ましくは1時間~24時間である。反応温度は、通常、-78℃~100℃であり、好ましくは-78℃~40℃である。
(工程5-2:化合物(1-1b)の製造工程)
化合物(1-1b)は、化合物(5-2)より、工程2-3に記載の方法に準じて製造される。
製造法6
式(1-1)で表される化合物のうち、式(1-1c)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
[式中、R、R、R、m、n、およびHyは、前記[項1]と同義であり;Qはハロゲンを表し;Proはアミノ基の保護基を表す。]
(工程6-1:化合物(6-1)の製造工程)
化合物(6-1)は、適当な不活性溶媒中、ハロゲン化剤存在下、化合物(5-2)を反応させることにより製造される。アミノ基の置換基Proとしては、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。Qにおけるハロゲンとしては、フッ素、塩素が挙げられる。ハロゲン化剤としては、常法で使用される種々のハロゲン化剤を使用することができるが、例えば、(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド、ビス(2-メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド、オキシ塩化リン等が挙げられる。本工程において使用される溶媒は、後述で例示される溶媒等から適宜選択されるが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,4-ジオキサン、トルエン等が挙げられる。反応時間は、通常、5分~48時間であり、好ましくは1時間~24時間である。反応温度は、通常、-78℃~100℃であり、好ましくは-78℃~40℃である。
(工程6-2:化合物(1-1c)の製造工程)
化合物(1-1c)は、化合物(6-1)より、工程2-3に記載の方法に準じて製造される。
製造法7
式(1)で表される化合物のうち、式(1d)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
[式中、R、R、R、R、R、R、m、n、r、s、およびHyは、前記[項1]と同義である。]
(工程7-1:化合物(1d)の製造工程)
化合物(1d)は、適当な不活性溶媒中、トリホスゲンおよび塩基存在下、化合物(7-1)を反応させた後、化合物(1-1)と反応させることにより製造される。本工程において使用される塩基としては、後述で例示される塩基等から適宜選択されるが、例えば、ピリジンやトリエチルアミンが挙げられる。本工程において使用される溶媒は、後述で例示される溶媒等から適宜選択されるが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルムが挙げられる。反応時間は、通常、5分~48時間であり、好ましくは30分~24時間である。反応温度は、通常、-78℃~100℃であり、好ましくは0℃~80℃である。
製造法8
式(1)で表される化合物のうち、式(1e)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
[式中、R、R、R、R、R、R、m、n、r、s、およびHyは、前記[項1]と同義であり;Rは、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキルまたはシクロプロピルを表す。]
(工程8-1:化合物(1e)の製造工程)
化合物(1e)は、化合物(8-1)と化合物(1-1)より、工程7-1に記載の方法に準じて製造される。
製造法9
式(1)で表される化合物のうち、式(1e)および式(1f)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
[式中、R、R、R、R、R、R、m、n、r、s、およびHyは、前記[項1]と同義であり;Rは、同種もしくは異種の1~3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-3アルキルまたはシクロプロピルを表し;Proはアミノ基の保護基を表す。]
(工程9-1:化合物(9-2)の製造工程)
化合物(9-2)は、化合物(9-1)と化合物(1-1)より、工程7-1に記載の方法に準じて製造される。アミノ基の置換基Proとしては、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
(工程9-2:化合物(1f)の製造工程)
化合物(1f)は、化合物(9-2)より、工程2-3に記載の方法に準じて製造される。
(工程9-3:化合物(1e)の製造工程)
化合物(1e)は、化合物(1f)より、工程2-4に記載の方法に準じて製造される。
前記で説明した製造法で用いている原料又は中間体のうち、特にあらためてその製造法を記載しなかったものについては、市販化合物であるか、又は市販化合物から当業者に公知の方法、若しくはそれに準じた方法によって合成することができる。
前記の各製造法の各工程において使用される塩基は、反応や原料化合物の種類等によって適時選択されるべきであるが、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸アルカリ類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ類;水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムt-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド類;ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド等の有機金属塩基類;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)等の有機塩基類等が挙げられる。
前記の各製造法の各工程において使用される溶媒は、反応や原料化合物の種類等によって適時選択されるべきであるが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルケトン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類;アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。これらの溶媒は単独又は2種類以上混合して用いることができる。また、反応の種類によっては、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等の有機塩基類を溶媒として用いてもよい。
式(1)で表される本発明の化合物又はその中間体は、当業者に公知の方法で分離又は精製することができる。それらの方法としては、例えば、抽出、分配、再沈殿、カラムクロマトグラフィー(例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、イオン交換カラムクロマトグラフィー若しくは分取液体クロマトグラフィー)又は再結晶等が挙げられる。
再結晶溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン等のケトン系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;ヘキサン等の炭化水素系溶媒;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン系溶媒、水、又はこれらの混合溶媒等を用いることができる。その他の精製方法としては、実験化学講座(日本化学会編、丸善)1巻等に記載された方法等を用いることができる。また、本発明の化合物の分子構造の決定は、それぞれの原料化合物に由来する構造を参照して、核磁気共鳴法、赤外吸収法、円二色性スペクトル分析法等の分光学的手法、及び/又は質量分析法により容易に行える。
また、前記製造方法における中間体又は最終生成物は、その官能基を適宜変換すること、また特に、アミノ、水酸基、カルボニル、ハロゲン等を足がかりに種々の側鎖を伸張すること、及びその際に必要に応じて前記の保護、脱保護を行うことによって、本発明に含まれる別の化合物へ導く事もできる。官能基の変換及び側鎖の伸張は、通常行われる一般的方法(例えば、Comprehensive Organic Transformations, R. C. Larock, John Wiley & Sons Inc.(1999)等を参照)によって行うことができる。
式(1)で表される本発明の化合物には、不斉が生じる場合又は不斉炭素を有する置換基を有する場合があり、そのような化合物にあっては光学異性体が存在する。本発明の化合物にはこれらの各異性体の混合物や単離されたものも含まれ、通常の方法に従って製造することができる。製造方法としては、例えば、不斉点を有する原料を用いる方法か、又は途中の段階で不斉を導入する方法が挙げられる。例えば、光学異性体の場合、光学活性な原料を用いるか、製造工程の適当な段階で光学分割等を行うことで、光学異性体を得ることができる。光学分割法としては例えば、式(1)で表される化合物又はその中間体が、塩基性官能基を有する場合には、不活性溶媒中(例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;トルエン等の炭化水素系溶媒;アセトニトリル等の非プロトン系溶媒又は前記溶媒から選択される2種以上の混合溶媒)、光学活性な酸(例えば、マンデル酸、N-ベンジルオキシアラニン、乳酸等のモノカルボン酸;酒石酸、o-ジイソプロピリデン酒石酸、リンゴ酸等のジカルボン酸;カンファースルフォン酸、ブロモカンファースルホン酸等のスルホン酸等)を用いて塩を形成させるジアステレオマー法が挙げられる。式(1)で表される本発明の化合物又はその中間体が、カルボキシル基等の酸性官能基を有する場合には、光学活性なアミン(例えば、1-フェニルエチルアミン、キニン、キニジン、シンコニジン、シンコニン、ストリキニーネ等の有機アミン)を用いて、塩を形成させることにより、光学分割を行うこともできる。
塩を形成させる温度としては、-50℃から溶媒の沸点までの範囲、好ましくは0℃から沸点までの範囲、より好ましくは室温から溶媒の沸点までの範囲から選択される。光学純度を向上させるためには、一旦、溶媒の沸点付近まで温度を上げることが望ましい。析出した塩を濾取する際、必要に応じて冷却し、収率を向上させることができる。光学活性な酸又はアミンの使用量は、基質に対し約0.5~約2.0当量の範囲、好ましくは1当量前後の範囲が適当である。必要に応じ結晶を不活性溶媒中(例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;トルエン等の炭化水素系溶媒;アセトニトリル等の非プロトン系溶媒又は前記溶媒から選択される2種以上の混合溶媒)で再結晶し、高純度の光学活性な塩を得ることもできる。また、必要に応じて光学分割した塩を通常の方法で酸又は塩基で処理し、フリー体として得ることもできる。
パーキンソン病等のレビー小体病では、患者脳内に異常凝集したα-シヌクレインが認められる。従って、α-シヌクレイン凝集体を蓄積抑制または減少させる本願の薬剤は、これらの疾患に対して病態改善効果を発揮することが期待される。
また、当該凝集体が神経毒性を示し、神経脆弱性や神経細胞死を誘発し、発症、病態進行の原因となると考えられている。従って、α-シヌクレイン凝集体を伴う神経毒性や神経細胞死を抑制させる本願の薬剤は、パーキンソン病等のレビー小体病に対して病態改善効果を発揮することが期待される。
神経伝達物質の産生は神経機能の一つであり、神経伝達物質の減少は神経脆弱性を示す。その神経脆弱性は、例えばドパミン神経においては、ドパミン代謝に関与するチロシン水酸化酵素量の減少によって示される。
さらに、パーキンソン病等のレビー小体病においては脳波の異常が報告されている。脳波は神経同期活動の現れである。従って、α-シヌクレイン凝集体を伴う神経同期活動を正常化させる本願の薬剤は、これらの疾患に対して病態改善効果を発揮することが期待される。
α-シヌクレイン凝集体量を測定するのに用いられる神経スフェロイドは、例えば、神経分化誘導下で、シヌクレオパチー関連遺伝子変異ヒトiPS細胞から作成した神経幹細胞やドーパミン(DA)神経前駆細胞を三次元培養することによって作成できる。三次元培養をした神経スフェロイドを用いて、α-シヌクレイン抗体を用いたタンパク質解析の手法で高分子量のα-シヌクレイン量を測定することにより、α-シヌクレイン凝集体量を評価することができる。
また、三次元培養した神経スフェロイドを用いて、蛍光カルシウムプローブを用いたイメージング解析を行うことにより、同期神経発火を評価することができる。
さらに、α-シヌクレイン凝集体量を測定する工程と、神経スフェロイドにおける同期神経発火を測定する工程を用いることにより、パーキンソン病病態を再現することができ、またパーキンソン病病態におけるα-シヌクレイン凝集体の蓄積抑制または減少作用をもつ薬剤を評価することができる。
シヌクレオパチー関連遺伝子変異ヒトiPS細胞からの神経幹細胞への分化誘導は、例えば、健常人由来iPS細胞株(クローン名201B7, 京都大学iPS細胞研究所より入手)から樹立したPLA2G6遺伝子変異細胞を用い、StemFitAK03N培地(味の素社、Basic03)中37℃、5% CO2の条件で培養し、PSC Neuronal Induction Medium(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製, cat#A1647801)を用いて誘導することでできる。
神経幹細胞の培養培地としては、例えば、以下の組成のものを用いることができる。
<神経幹細胞の培養培地組成>
Neurobasal 培地(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 2113049)
Advanced DMEM/F-12培地(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 12634028)
Neural Induction Supplement(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 A1647801)
神経幹細胞の神経スフェロイドへの分化誘導については、例えば、神経幹細胞(10000 cells/well)を96穴U字プレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 cat#174929)に播種し、培養培地中、37℃、5% CO2の条件で培養し、分化誘導後2日目、4日目に半量培地交換しすることによって行うことができる。
神経幹細胞の神経スフェロイドの分化培地としては、例えば、以下の組成のものを用いることができる。
<神経スフェロイドの培養培地組成>
BrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)
NeuroCult SM1 Neuronal Supplement (STEMCELL Technologies社製, cat#05711)
N2 Supplement-A (STEMCELL Technologies社製, cat#07152)
20 ng/mL BDNF (Peprotech社製, cat#450-02)
20 ng/mL GDNF (Peprotech社製, cat#450-10)
1 mM dibutyryl cAMP (ナカライ社製, cat#11540-74)
200 nM ascorbic acid (ナカライ社製, cat#03420-52)
シヌクレオパチー関連遺伝子変異ヒトiPS細胞からのドパミン神経前駆細胞への分化誘導については、例えば、ドパミン神経誘導キット(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製, cat#A3147701)を用いて、PLA2G6遺伝子変異細胞や健常人由来iPS細胞株から樹立したGBA1遺伝子ホモ変異細胞からドパミン神経前駆細胞を誘導することでできる。
ドパミン神経前駆細胞の神経スフェロイドの分化誘導については、例えば、凍結保存したドパミン神経前駆細胞を、Floor Plate Cell expansionキット(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、cat#A3165801)により、37℃、5% CO2の条件で培養し、ドパミン神経前駆細胞(10000 cells/well)を96穴U字プレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 cat#174929)に播種し、培養培地中、37℃、5% CO2の条件で培養し、分化誘導後3、4日毎に半量培地交換することによって行うことができる。
ドパミン神経前駆細胞のドパミン神経スフェロイドの培養培地としては、例えば以下の組成のものを用いることができる。
<ドパミン神経スフェロイドの培養培地組成>
BrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)
Dopaminergic Neuron Maturation Supplement (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、cat#A3147401)
20 ng/mL BDNF (Peprotech社製, cat#450-02)
20 ng/mL GDNF (Peprotech社製, cat#450-10)
1 mM dibutyryl cAMP (ナカライ社製, cat#11540-74)
200 nM ascorbic acid (ナカライ社製, cat#03420-52)
神経スフェロイドにおけるα-シヌクレイン凝集体量の測定については、例えば、分化誘導した神経スフェロイドを上記培養培地から取り出し、1% TritionX-100(ナカライ社製, cat#12967-32)を添加したTBS溶液(ナカライ社製, cat#12748-31)を加え、超音波破砕機によりタンパク質を抽出し、α-シヌクレイン抗体(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製,cat#AHB0261)によるSimple Westernシステムを用いた非還元状態でのタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W008)により分子量約300 kD付近で示される波形について定量評価することにより行うことができる。
神経スフェロイドにおける神経脆弱性の測定については、例えば、分化誘導したドパミン神経スフェロイドを、1% TritionX-100(ナカライ社製, cat#12967-32)を添加したTBS溶液(ナカライ社製, cat#12748-31)に移し、超音波破砕機によりタンパク質を抽出し、チロシン水酸化酵素抗体(Millipore社製, cat#AB152)によるSimple Westernシステムを用いた還元状態でのタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W004)により分子量約60kD付近で示される波形について定量評価することにより行うことができる。
神経スフェロイドにおける神経細胞死の測定については、例えば、分化誘導したドパミン神経スフェロイドを、1% TritionX-100(ナカライ社製, cat#12967-32)を添加したTBS溶液(ナカライ社製, cat#12748-31)に移し、超音波破砕機によりタンパク質を抽出し、cleaved caspase 3抗体(Cell singnaling Technology社製, cat#9664)によるSimple Westernシステムを用いた還元状態でのタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W004)により分子量約20 kD付近で示される波形について定量評価することにより行うことができる。
神経スフェロイドにおける異常な神経活動の測定については、、例えば、三次元培養をした神経スフェロイドによる蛍光カルシウムプローブを用いたイメージング解析を行うことにより、同期神経発火を測定することでできる。
神経スフェロイドにおける同期神経発火の測定については、例えば、蛍光カルシウムプローブ(モレキュラー・デバイス社製,商品名FLIPR Calcium 6 Assay Bulk Kit, cat#R8191)を含む測定用培地を利用した、イメージング解析することによって行うことができる。
測定用培地としては、例えば、20mM Hepes(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製,cat#15630-080)、0.1%牛血清アルブミン(シグマアルドリッチ社製,cat#A9576)含有Hank’s緩衝液(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製,cat#14065-056)を用いることができる。
本発明の化合物は、脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用である。
前記の脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患としては、タウ、α-シヌクレイン、TDP-43、またはポリグルタミンが関与する中枢神経系疾患が挙げられる。
前記のタウが関与する中枢神経系疾患としては、アルツハイマー病、前頭側頭葉型変性症等が挙げられ、α―シヌクレイン凝集体が関与する疾患としては、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、ゴーシェ病、乳児神経軸索ジストロフィー等が挙げられ、TDP-43が関与する中枢神経系疾患としては、筋萎縮性側索硬化症、前頭側頭葉型変性症等が挙げられ、ポリグルタミンが関与する中枢神経系疾患としては、ハンチントン病、脊髄小脳失調症等が挙げられる。
本願の化合物は、好ましくは、アルツハイマー病、前頭側頭葉型変性症、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、ゴーシェ病、乳児神経軸索ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、または脊髄小脳失調症の治療剤及び/又は予防剤として有用である。
本願の化合物は、より好ましくは、α-シヌクレイン凝集体が関与する疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用である。
本願の化合物は、更により好ましくは、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、ゴーシェ病、または乳児神経軸索ジストロフィーの治療剤及び/又は予防剤として有用である。
なお、本発明において、「予防」とは、疾患を発症していない健常人に対して本発明の有効成分を投与する行為であり、例えば、疾患の発症を防止することを目的とするものである。「治療」とは、医師により疾患を発症していると診断をされた人(患者)に対して本発明の化合物を有効成分として投与する行為である。
本発明化合物及びこれを含有する医薬は、経口投与または非経口投与により、直接または適当な剤形を用いて製剤にし、投与することができる。剤形は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、注射剤、貼付剤、パップ剤等が挙げられるがこれに限らない。製剤は、製薬学的に許容される添加剤を用いて、公知の方法で製造される。
添加剤は、目的に応じて、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、コーティング剤、溶解剤、溶解補助剤、増粘剤、分散剤、安定化剤、甘味剤、香料等を用いることができる。具体的には、例えば、乳糖、マンニトール、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、部分α化デンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、酸化チタン、タルク等が挙げられる。
投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口、または、静脈内、塗布、吸入および点眼等の非経口を挙げることができるが、好ましくは経口投与である。投与形態としては、例えば錠剤、注射剤等を挙げることができるが、好ましくは錠剤である。これらの医薬組成物の投与量や投与回数は、投与形態、患者の疾患やその症状、患者の年齢や体重等によって異なり、一概に規定することができないが、通常は成人に対し1日あたり有効成分の量として約0.0001~約5000mgの範囲、好ましくは約0.001~約1000mgの範囲、さらに好ましくは約0.1~約500mgの範囲、特に好ましくは約1~約300mgの範囲を1日1回または数回、好ましくは1日1~3回に分けて投与することができる。
本発明化合物及びこれを含有する医薬は、その効果の増強および/または副作用の軽減を目的として、他の薬物と併用して用いることができる。例えば、L-dopa、ドパミンアゴニスト(例えば、ロピニロール塩酸塩、アポモルヒネ塩酸塩水和物等)、MAO-B阻害剤(例えば、セレギリン塩酸塩等)、カテコール-O-メチル転移酵素(COMT)阻害薬(例えば、エンタカポン等)、αSyn抗体(例えば、Prasenimab等)、またはその製薬学的に許容される塩等の中枢神経系疾患治療薬と併用することができる。以下、本発明化合物と併用し得る薬物を、併用薬剤と略記する。
本発明化合物及びこれを含有する医薬並びに併用薬剤の投与期間は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、本発明化合物と併用薬剤の合剤としてもよい。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01~100重量部用いればよい。また、その副作用抑制の目的として、制吐剤、睡眠導入剤、抗痙攣薬などの薬剤(併用薬剤)と組み合わせて用いることができる。
以下に本発明を、参考例、実施例および試験例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本明細書において、例えば、「実施例1」は「実施例1の化合物」、「参考例1」は「参考例1の化合物」のように、実施例や参考例という言葉は化合物を意味する場合がある。なお、以下の参考例および実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
明細書の記載を簡略化するために、参考例、実施例及び試験例において、以下に示すような略号を用いることもある。
Me:メチル
Et:エチル
Pr:ノルマルプロピル
iPr:イソプロピル
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
TFA:トリフルオロ酢酸
HATU:1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート
NMRに用いられる記号としては、sは一重線、dは二重線、ddは二重線の二重線、tは三重線、tdは三重線の二重線、qは四重線、mは多重線、brは幅広い、brsは幅広い一重線、brmは幅広い多重線及びJは結合定数を意味する。
高速液体クロマト質量分析計;LCMSの測定条件は、以下の通りであり、観察された質量分析の値[MS(m/z)]をMHで、保持時間をRt(分)で示す。なお、各実測値においては、測定に用いた測定条件をA又はBで付記する。
測定条件A
検出機器:
MS detector:Waters ACQUITY SQ Detector
HPLC:Waters ACQUITY UPLC
カラム:ACQUITY UPLC BEH C18 1.7μm 2.1×30mm
流速:0.8mL/min
オーブン温度:40℃
測定波長:254、220nm
移動層:A液 0.06% ギ酸 水溶液
B液 0.06% ギ酸 アセトニトリル
タイムプログラム:
ステップ 時間(分)
1 0.0-1.3 A液:B液=98:2~4:96
2 1.3-1.5 A液:B液=4:96~98;2
測定条件B
検出機器:Agilent 1200 Series、Agilent 6110 Quadrupole LCMS
カラム:Xbridge C18 3.5μm 4.6×50mm
流速:1.8mL/min
測定波長:254、214nm
移動層:A液 10mM 炭酸水素アンモニウム水溶液
B液 アセトニトリル
タイムプログラム:
ステップ 時間(分)
1 0.0-1.5 A液:B液=90:10~5:95
オーブン温度:50℃
参考例1
5-(ピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)ピリジン
1-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2,3,6-テトラヒドロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(6.7g)のシクロペンチルメチルエーテル/水(4/1)(100mL)溶液に、5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(4.1g)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(0.66g)、炭酸セシウム(12g)を加え、100℃で30分撹拌した。室温に冷却した後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、アミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で簡易的に精製した。得られた粗精製物をメタノール(50mL)に溶かし、10%パラジウム炭素(55%wet)(0.30g)を加え、水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応液を一度セライトろ過し、メタノールで洗浄した後、得られたろ液の溶媒を減圧留去した。残渣を再度メタノール(50mL)に溶かし、10%パラジウム炭素(55%wet)(0.30g)を加え、水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応液をセライトろ過し、メタノールで洗浄した後、得られたろ液の溶媒を減圧留去した。得られた残渣をクロロホルム(10mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(20mL)を加えた。室温で1分撹拌した後、溶媒およびトリフルオロ酢酸を減圧留去した。得られた残渣をアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)で精製することにより参考例1(3.8g)を得た。
LC/MS ([M+H]+/Rt(min)): 231.2/0.50(測定条件A)
参考例2~11
参考例1に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用いて、表1に示す化合物を得た。
参考例12
5-(アゼチジン-3-イル)-2-(トリフルオロメチル)ピリジン
乾燥したシュレンクチューブ内に亜鉛粉末(0.33g)を加え、内部を窒素置換した。窒素雰囲気下、DMF(1.0mL)、ヨウ素(51mg)を加え室温下5分間攪拌した。活性化させた亜鉛溶液に、tert-ブチル 3-ヨードアゼチジン-1-カルボキシレート(0.19mL)のDMF(1.0mL)溶液を添加し、40℃で1時間攪拌した。調製したアルキル亜鉛溶液に、5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(0.23g)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(58mg)が溶解したDMF(1.0mL)溶液を添加し80℃で2時間攪拌した。反応溶液を0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液をゆっくり滴下し反応の停止を行った。生じた沈殿物は吸引ろ過で取り除き、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層の溶媒を減圧留去した後、得られた粗生成物にクロロホルム(1.0mL)とトリフルオロ酢酸(3.0mL)を加え20分間還流した。室温へ冷却し、溶媒およびトリフルオロ酢酸を減圧留去した。得られた残渣をアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより参考例12(75mg)を得た。
LC/MS ([M+H]+/Rt(min)): 203.1/0.47(測定条件A)
参考例13
4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-4-オール
乾燥した2口フラスコ内に5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(2.0g)を加え、内部を窒素置換した。窒素雰囲気下、乾燥THF(20mL)を加え-78℃に冷却した。2.6mol/Lのn-ブチルリチウムヘキサン溶液(5.1mL)を滴下し、-78℃で1時間攪拌した。1-Boc-4-ピペリドン(1.8g)のTHF(10mL)溶液を調製し、反応溶液に滴下し、滴下完了後に室温まで昇温させた。1時間後、反応溶液を0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液をゆっくり滴下し反応の停止を行った。反応溶液を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層の溶媒を減圧留去した後、アミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル 95:5-0:100)で簡易精製を行った。得られた粗生成物にクロロホルム(2.0mL)とトリフルオロ酢酸(4.0mL)を加え室温下30分間攪拌した。溶媒およびトリフルオロ酢酸を減圧留去し、得られた残渣をアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)で精製することにより参考例13(0.23g)を得た。
LC/MS ([M+H]+/Rt(min)): 247.1/0.46(測定条件A)
参考例14
5-(4-フルオロピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)ピリジン
a)tert-ブチル 4-ヒドロキシ-4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物W1)の製造
乾燥した2口フラスコ内に5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(2.0g)を加え、内部を窒素置換した。窒素雰囲気下、乾燥THF(20mL)を加え-78℃に冷却した。1.6mol/Lのn-ブチルリチウムヘキサン溶液(6.8mL)を滴下し、-78℃で20分攪拌した。1-Boc-4-ピペリドン(1.76g)のTHF(20mL)溶液を調整し、反応溶液に滴下、滴下完了後に室温まで昇温させた。1時間後、反応溶液を0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液をゆっくり滴下し反応の停止を行った。反応溶液を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層の溶媒を減圧留去した後、アミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、化合物W1(1.18g)を得た。
LC/MS ([M+H]+/Rt(min)): 347.2/0.93(測定条件A)
b)5-(4-フルオロピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(参考例14)の製造
化合物W1(0.12g)をクロロホルム(1.5mL)に溶解させ、ビス(2-メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(0.24mL)を加えた後、室温下30分間攪拌した。反応溶液を濃縮し、アミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で簡易的に精製した。得られた化合物をクロロホルム(0.50mL)に溶かし、TFA(1.0mL)を作用させ、室温下5分間攪拌した。反応溶液を濃縮し、トルエンで共沸することで過剰のTFAを取り除いた。得られた粗生成物をアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)で精製することにより参考例14(18mg)を得た。
LC/MS ([M+H]+/Rt(min)): 249.1/0.60(測定条件A)
参考例15~21
参考例1に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用いて、表2に示す化合物を得た。
実施例1
(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン
参考例1(30mg)のクロロホルム(1.0mL)溶液に、3-メチルオキセタン-3-カルボン酸(18mg)、トリエチルアミン(27μL)、HATU(60mg)を加え、室温下30分間攪拌した。その後、炭酸セシウム(42mg)を加え再び室温下30分間攪拌した。反応溶液をアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)で精製することにより実施例1(41mg)を得た。
LC/MS ([M+H]+/Rt(min)): 329.2/0.75(測定条件A)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ: 8.72 (1H, d, J = 1.6 Hz), 8.02 (1H, dd, J = 2.0, 8.4 Hz), 7.84 (1H, d, J = 8.8 Hz), 4.83 (2H, dd, J = 6.4, 8.8 Hz), 4.55-4.52 (1H, m), 4.28 (2H, t, 6.8 Hz), 3.18-3.05 (2H, m), 3.01-2.93 (1H, m), 2.67 (1H, t, J = 12 Hz), 1.85-1.81 (2H, brs), 1.72-1.57 (5H, m).
実施例1の化合物は、下記の方法によっても合成することができる。
参考例1の塩酸塩(100mg)の酢酸エチル(1.0mL)溶液に、3-メチルオキセタン-3-カルボン酸(52mg)、トリエチルアミン(0.17mL)、50% 2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-トリオキシド 酢酸エチル溶液(0.40mL)を加え、室温下1時間攪拌した。反応溶液をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル/メタノール)で精製することにより実施例1(93mg)を得た。
実施例2~32
対応する原料化合物を用いて、実施例1の合成法に準じた方法により、表3に示す化合物を得た。
実施例33
(3-メチルアゼチジン-3-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン
参考例1(50mg)のクロロホルム(1.0mL)溶液に、1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-メチルアゼチジン-3-カルボン酸(56mg)、トリエチルアミン(45μL)、HATU(99mg)、炭酸セシウム(71mg)を加えた。室温下1時間攪拌した後、反応溶液をアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)で簡易精製し粗生成物を得た。得られた粗生成物をクロロホルム(1.0mL)に溶解させ、TFA(1.0mL)を添加し、室温下5分間攪拌した。反応溶液を濃縮し、アミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)で精製することで実施例33(65mg)を得た。
LC/MS ([M+H]+/Rt(min)): 328.2/0.60(測定条件A)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ: 8.71 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.00 (1H, dd, J = 8.4, 2.0 Hz), 7.83 (1H, d, J = 8.4 Hz), 4.53 (1H, d, J = 12.8 Hz), 3.87 (2H, t, J = 8.4 Hz), 3.35-3.30 (1H, m), 3.16-3.07 (3H, m), 2.97 (1H, tt, J = 12, 3.6 Hz), 2.63 (1H, t, J = 12 Hz), 1.84 (2H, d, J = 12.8 Hz), 1.65-1.47 (5H, m).
実施例33の化合物は、下記の方法によっても合成することができる。
参考例1の塩酸塩(100mg)の酢酸エチル(1.0mL)溶液に、1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-メチルアゼチジン-3-カルボン酸(97mg)、トリエチルアミン(0.17mL)、50% 2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-トリオキシド 酢酸エチル溶液(0.40mL)を加え、室温下1時間攪拌した。反応溶液をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル/メタノール)で簡易精製し粗生成物を得た。得られた粗生成物をクロロホルム(1.0mL)に溶解させ、TFA(1.0mL)を添加し、室温下1時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、アミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル/メタノール)で精製することで実施例33(90mg)を得た。
実施例34~40
対応する原料化合物を用いて、実施例33の合成法に準じた方法により、表4に示す化合物を得た。ただし、実施例が塩の場合、塩化の工程を含む。
実施例41
(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン 塩酸塩
実施例33(20mg)のTHF(0.50mL)溶液に、36%ホルムアルデヒド水溶液(19μL)、酢酸(5.2μL)を加え、室温下溶液を攪拌しながらナトリウム トリアセトキシボロヒドリド(39mg)を添加し30分間攪拌した。反応溶液をアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)で精製した。得られたオイル状化合物を酢酸エチル(1mL)に溶解させ、室温下4mol/L塩酸の酢酸エチル溶液を作用させ実施例41(15mg)を得た。
LC/MS ([M+H]+/Rt(min)): 342.3/0.63(測定条件A)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ: 10.6 (1H, brs), 8.72 (1H, d, J = 1.6 Hz), 7.99 (1H, dd, J = 8.0, 1.6 Hz), 7.86 (1H, d, J = 8.8 Hz), 4.52 (1H, d, J = 12.8 Hz), 4.13-4.12 (2H, m), 3.92-3.90 (2H, m), 3.32-3.29 (1H, m), 3.15 (1H, t, J = 12.8 Hz), 3.00 (1H, tt, J = 12, 3.2 Hz), 2.72 (3H, s), 1.91-1.83 (2H, m), 1.68-1.50 (5H, m).
実施例42~48
対応する原料化合物を用いて、実施例41の合成法に準じた方法により、表5に示す化合物を得た。ただし、実施例が塩ではない場合、塩化の工程は不要である。
実施例49
(モルホリン-4-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン
参考例1(30mg)のクロロホルム(1.0mL)溶液に、モルホリン-4-カルボニルクロライド(18μL)、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(34μL)を加え室温下1時間攪拌した。反応溶液をアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)で精製することで実施例49(44mg)を得た。
LC/MS ([M+H]+/Rt(min)): 344.2/0.79(測定条件A)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ: 8.70 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.98 (1H, dd, J = 8.0, 2.0 Hz), 7.83 (1H, d, J = 8.0 Hz), 3.74 (2H, d, J = 13.6 Hz), 3.58 (4H, m), 3.15 (4H, m), 2.93-2.83 (3H, m), 1.82-1.79 (2H, m), 1.70-1.59 (2H, m).
実施例50~59
対応する原料化合物を用いて、実施例1の合成法に準じた方法により、表6に示す化合物を得た。
実施例60
(1,4-オキサゼパン-4-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン」-1-イル}メタノン
1,4-オキサゼパン(61mg)のジクロロメタン(2.0mL)溶液にピリジン(95mg)を加え、0℃に冷却した。トリホスゲン(72mg)を加え、0℃で30分攪拌した。ジイロプロピルエチルアミン(0.23g)および参考例1(69mg)を加え、室温で1時間攪拌した。応溶液を濃縮し分取HPLCで精製することで実施例60(31mg)を得た。
LC/MS ([M+H]+/Rt(min)): 357.9/1.54(測定条件B)
1H-NMR (500 MHz, CDCl3)δ: 8.63 (1H, s), 7.74-7.72 (1H, m), 7.66 (1H, d, J = 8.0 Hz), 3.83-3.79 (6H, m), 3.55-3.52 (4H, m), 2.95-2.90 (2H, m), 2.86-2.81 (1H, m), 2.02-2.00 (2H, m), 1.91 (2H, d, J = 11.0 Hz), 1.80-1.72 (2H, m).
実施例61~63
対応する原料化合物を用いて、実施例60の合成法に準じた方法により、表7に示す化合物を得た。
実施例64~65
対応する原料化合物を用いて、実施例41の合成法に準じた方法により、表8に示す化合物を得た。ただし、実施例が塩ではない場合、塩化の工程は実施しなかった。
実施例66
[3-メチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)アゼチジン-3-イル]{4-[2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン
実施例34(46mg)のTHF(3.0mL)溶液に2,2,2-トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホナート(42mg)およびトリエチルアミン(71mg)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を濃縮し分取HPLCで精製することで実施例66(19mg)を得た。
LC/MS ([M+H]+/Rt(min)): 410.1/1.78(測定条件B)
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 8.59 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.79 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.51 (1H, dd, J = 7.6, 4.8 Hz), 4.79 (1H, d, J = 13.2 Hz), 3.54-3.50 (4H, m), 3.41 (1H, d, J = 12.4 Hz), 3.26-3.17 (2H, m), 3.01 (2H, q, J = 9.2 Hz), 2.69 (1H, t, J = 12.8 Hz), 1.90 (2H, d, J = 12.8 Hz), 1.81-1.77 (1H, m), 1.69 (3H, s), 1.67-1.57 (1H, m).
実施例67
(1-シクロプロピル-3-メチルアゼチジン-3-イル){4-[2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン
実施例34(46mg)のエタノール(4.0mL)溶液に、(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン(73mg)、酢酸(13mg)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(44mg)を加え60℃で終夜攪拌した。反応溶液を室温に冷却し濃縮後、分取HPLCで精製することで実施例67(22mg)を得た。
LC/MS ([M+H]+/Rt(min)): 368.2/1.68(測定条件B)
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 8.58 (1H, dd, J = 4.4, 0.8 Hz), 7.79 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.50 (1H, dd, J = 8.0, 4.8 Hz), 4.81 (1H, d, J = 12.8 Hz), 3.53-3.50 (3H, m), 3.38-3.31 (2H, m), 3.25-3.12 (2H, m), 2.76-2.65 (1H, m), 1.89-1.84 (3H, m), 1.71-1.61 (2H, m), 1.59 (3H, s), 0.38-0.35 (4H, m).
試験例1:PLA2G6遺伝子変異ヒトiPS細胞を用いた三次元培養での神経スフェロイドによるパーキンソン病病態(α-シヌクレイン凝集体蓄積)の再現試験
健常人由来iPS細胞株(クローン名201B7,京都大学iPS細胞研究所より入手)から樹立したPLA2G6遺伝子変異細胞を、StemFitAK03N培地(味の素社、Basic03)を用いて37℃、5%CO2の条件で培養した。
iPS細胞からPSC Neuronal Induction Medium(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製, cat#A1647801)を用いて神経幹細胞を誘導し、細胞ストックを作成した。
凍結保存した神経幹細胞を、培養培地中、37℃、5% CO2の条件で培養した。神経幹細胞の培養培地としては、以下の組成のものを用いた。
神経幹細胞の培養培地組成
Neurobasal 培地(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 2113049)
Advanced DMEM/F-12培地(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 12634028)
Neural Induction Supplement(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 A1647801)
神経幹細胞(10000 cells/well)を96穴U字プレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 cat#174929)に播種し、培養培地中、37℃、5% CO2の条件で培養した。培養液は3~4日に1回、半量交換した。神経スフェロイドの培養培地としては、以下の組成のものを用いた。
BrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)
NeuroCult SM1 Neuronal Supplement (STEMCELL Technologies社製, cat#05711)
N2 Supplement-A (STEMCELL Technologies社製, cat#07152)
20 ng/mL BDNF (Peprotech社製, cat#450-02)
20 ng/mL GDNF (Peprotech社製, cat#450-10)
1 mM dibutyryl cAMP (ナカライ社製, cat#11540-74)
200 nM ascorbic acid (ナカライ社製, cat#03420-52)
分化誘導した神経スフェロイドを上記培養培地から取り出し、1% TritionX-100(ナカライ社製, cat#12967-32)を添加したTBS溶液(ナカライ社製, cat#12748-31)を加え、超音波破砕機によりタンパク質を抽出した。
抽出したタンパク質についてα-シヌクレイン抗体(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製,cat#AHB0261)によるSimple Westernシステムを用いた非還元状態でのタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W008)によりα-シヌクレイン凝集体量を測定し、分子量約300 kD付近で示される波形について定量評価した。
α-シヌクレイン凝集体は培養7日目から培養9日目にかけて急激に増加した。培養9日目では、α-シヌクレイン凝集体がPLA2G6変異iPS細胞から作成した神経スフェロイドは、健常人iPS細胞由来神経スフェロイドと比較して5倍以上の凝集体量を示した。培養9日目以降は緩慢な増加傾向を示した。結果を図1に示す。
試験例2:PLA2G6遺伝子変異ヒトiPS細胞から作成した神経スフェロイドを用いたα-シヌクレイン凝集体蓄積抑制評価
(1)ヒトiPS細胞から神経細胞への分化誘導
PSC Neuronal Induction Medium(ThermoFisher社製, cat#A1647801)を用いてPLA2G6遺伝子変異細胞から神経幹細胞を誘導した。誘導した神経幹細胞から、三次元培養法を用いて神経スフェロイドを作製し、NeuroCult SM1 Neuronal Supplement、N2 Supplement-A、20 ng/mL BDNF、20 ng/mL GDNF、1mM dibutyryl cAMP、200 nM ascorbic acidを含むBrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)を用いて維持した。培養液は分化誘導後2日目、4日目に半量交換した。
試験化合物を最終濃度の2倍濃度液になるように培養液で希釈して、分化誘導4日後の半量交換の際に、各wellに2倍濃度液を等量添加した。
(2)α-シヌクレイン凝集体量の評価
分化誘導9日後の神経スフェロイドから1% TritionX-100を添加したTBS溶液によりタンパク質を抽出し、α-シヌクレイン抗体(ThermoFisher社製,cat#AHB0261)によるSimple Westernシステムを用いたタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W008)によりα-シヌクレイン凝集体量を測定した。
DMSO溶液を添加した神経スフェロイドの凝集体量を100%として、各試験化合物を添加した神経スフェロイドの凝集体量を測定した。代表的化合物添加時の凝集体量を表9に示す。
試験例3:PLA2G6遺伝子変異ヒトiPS細胞から作成した神経スフェロイドを用いたα-シヌクレイン凝集体蓄積減少評価
(1)ヒトiPS細胞から神経細胞への分化誘導
PSC Neuronal Induction Medium(ThermoFisher社製, cat#A1647801)を用いてPLA2G6遺伝子変異細胞から神経幹細胞を誘導した。誘導した神経幹細胞から、三次元培養法を用いて神経スフェロイドを作製し、NeuroCult SM1 Neuronal Supplement、N2 Supplement-A、20 ng/mL BDNF、20 ng/mL GDNF、1 mM dibutyryl cAMP、200 nM ascorbic acidを含むBrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)を用いて維持した。培養液は3~4日に1回、半量交換した。
試験化合物を最終濃度の2倍濃度液になるように培養液で希釈して分化誘導10日後の半量交換の際に、各wellに2倍濃度液を等量添加した。
(2)α-シヌクレイン凝集体量の評価
分化誘導15日後の神経スフェロイドから1% TritionX-100を添加したTBS溶液によりタンパク質を抽出し、α-シヌクレイン抗体(ThermoFisher社製,cat#AHB0261)によるSimple Westernシステムを用いたタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W008)によりα-シヌクレイン凝集体量を測定した。
各試験化合物を添加した神経スフェロイドの凝集体量を測定した。DMSO溶液を添加した神経スフェロイドの凝集体量を100%として、代表的化合物添加時の凝集体量のデータ(%)を表10に示す。
試験例4:PLA2G6遺伝子変異ヒトiPS細胞から作成したドパミン神経スフェロイドによるパーキンソン病病態(α-シヌクレイン凝集体蓄積)の再現試験
ドパミン神経誘導キット(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製, cat#A3147701)を用いてPLA2G6遺伝子変異細胞からドパミン神経前駆細胞を誘導し、細胞ストックを作成した。
凍結保存したドパミン神経前駆細胞を、Floor Plate Cell expansionキット(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、cat#A3165801)により、37℃、5% CO2の条件で培養した。
まず、ドパミン神経前駆細胞(10000 cells/well)を96穴U字プレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 cat#174929)に播種し、培養培地中、37℃、5% CO2の条件で培養した。培地交換は分化誘導後3、4日毎に半量交換した。ドパミン神経スフェロイドの培養培地としては、以下の組成のものを用いた。
BrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)
Dopaminergic Neuron Maturation Supplement (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、cat#A3147401)
20 ng/mL BDNF (Peprotech社製, cat#450-02)
20 ng/mL GDNF (Peprotech社製, cat#450-10)
1 mM dibutyryl cAMP (ナカライ社製, cat#11540-74)
200 nM ascorbic acid (ナカライ社製, cat#03420-52)
分化誘導したドパミン神経スフェロイドを上記培養培地から取り出し、1% TritionX-100(ナカライ社製, cat#12967-32)を添加したTBS溶液(ナカライ社製, cat#12748-31)を加え、超音波破砕機によりタンパク質を抽出した。
抽出したタンパク質についてα-シヌクレイン抗体(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製, cat#AHB0261)によるSimple Westernシステムを用いた非還元状態でのタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W008)によりα-シヌクレイン凝集体量を測定し、分子量約300 kD付近で示される波形について定量評価した。
α-シヌクレイン凝集体は培養10日目から培養21日目にかけて急激に増加した。培養21日目では、α-シヌクレイン凝集体がPLA2G6変異iPS細胞から作成したドパミン神経スフェロイドは、健常人iPS細胞由来ドパミン神経スフェロイドと比較して5倍以上の凝集体量を示した。培養21日目以降は緩慢な増加傾向を示した。結果を図2に示す。
試験例5:PLA2G6遺伝子変異ヒトiPS細胞から作成したドパミン神経スフェロイドを用いたα-シヌクレイン凝集体蓄積抑制評価
(1)ヒトiPS細胞から神経細胞への分化誘導
ドパミン神経誘導キット(ThermoFisher社製, cat#A3147701)を用いてPLA2G6遺伝子変異細胞からドパミン神経前駆細胞を誘導した。誘導したドパミン神経前駆細胞から、三次元培養法を用いてドパミン神経スフェロイドを作製し、NeuroCult SM1 Neuronal Supplement、N2 Supplement-A,20 ng/mL BDNF、20 ng/mL GDNF、1 mM dibutyryl cAMP、200 nM ascorbic acidを含むBrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)を用いて維持した。培養液は3~4日に1回、半量交換した。
試験化合物を最終濃度の2倍濃度液になるように培養液で希釈して、分化誘導21日後の半量交換の際に、各wellに2倍濃度液を等量添加した。
(2)α-シヌクレイン凝集体量の評価
分化誘導26日後のドパミン神経スフェロイドから1% TritionX-100を添加したTBS溶液によりタンパク質を抽出し、α-シヌクレイン抗体(ThermoFisher社製,cat#AHB0261)によるSimple Westernシステムを用いたタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W008)によりα-シヌクレイン凝集体量を測定した。
各試験化合物を添加した神経スフェロイドの凝集体量を測定した。DMSO溶液を添加した神経スフェロイドの凝集体量を100%として、代表的化合物添加時の凝集体量のデータ(%)を表11に示す。
試験例6:PLA2G6遺伝子変異ヒトiPS細胞から作成したドパミン神経スフェロイドを用いた神経脆弱性の再現方法
(1)ヒトiPS細胞から神経細胞への分化誘導
ドパミン神経誘導キット(ThermoFisher社製, cat#A3147701)を用いてPLA2G6遺伝子変異細胞からドパミン神経前駆細胞を誘導した。誘導したドパミン神経前駆細胞から、三次元培養法を用いてドパミン神経スフェロイドを作製し、NeuroCult SM1 Neuronal Supplement、N2 Supplement-A、20 ng/mL BDNF、20 ng/mL GDNF、1 mM dibutyryl cAMP、200 nM ascorbic acidを含むBrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)を用いて維持した。培養液は3~4日に1回、半量交換した。
(2)チロシン水酸化酵素量の評価
分化誘導26日後のドパミン神経スフェロイドから1% TritionX-100を添加したTBS溶液によりタンパク質を抽出し、チロシン水酸化酵素抗体(Millipore社製,cat#AB152)によるSimple Westernシステムを用いたタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W008)によりチロシン水酸化酵素量を測定した。結果を図3に示す。
試験例7:PLA2G6遺伝子変異ヒトiPS細胞から作成したドパミン神経スフェロイドを用いた神経脆弱性の改善評価
(1)ヒトiPS細胞から神経細胞への分化誘導
ドパミン神経誘導キット(ThermoFisher社製, cat#A3147701)を用いてPLA2G6遺伝子変異細胞からドパミン神経前駆細胞を誘導する。誘導したドパミン神経前駆細胞から、三次元培養法を用いてドパミン神経スフェロイドを作製し、NeuroCult SM1 Neuronal Supplement、N2 Supplement-A、20 ng/mL BDNF、20 ng/mL GDNF、1 mM dibutyryl cAMP、200 nM ascorbic acidを含むBrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)を用いて維持する。培養液は3~4日に1回、半量交換する。
試験化合物を最終濃度の2倍濃度液になるように培養液で希釈して、分化誘導21日後の半量交換の際に、各wellに2倍濃度液を等量添加する。
(2)チロシン水酸化酵素量の評価
分化誘導26日後のドパミン神経スフェロイドから1% TritionX-100を添加したTBS溶液によりタンパク質を抽出し、チロシン水酸化酵素抗体(Millipore社製,cat#AB152)によるSimple Westernシステムを用いたタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W008)によりチロシン水酸化酵素量を測定する。
試験例8:PLA2G6遺伝子変異ヒトiPS細胞から作成した神経スフェロイドを用いた神経細胞死の再現方法
(1)ヒトiPS細胞から神経細胞への分化誘導
ドパミン神経誘導キット(ThermoFisher社製, cat#A3147701)を用いてPLA2G6遺伝子変異細胞からドパミン神経前駆細胞を誘導した。誘導したドパミン神経前駆細胞から、三次元培養法を用いてドパミン神経スフェロイドを作製し、NeuroCult SM1 Neuronal Supplement、N2 Supplement-A、20 ng/mL BDNF、20 ng/mL GDNF、1 mM dibutyryl cAMP、200 nM ascorbic acidを含むBrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)を用いて維持した。培養液は3~4日に1回、半量交換した。
(2)神経細胞死の評価
分化誘導35日目から培養液中に10μMドパミンを添加し、分化誘導40日後のドパミン神経スフェロイドから1% TritionX-100を添加したTBS溶液によりタンパク質を抽出し、cleaved caspase 3抗体(Cell singnaling Technology社製,cat#9664)によるSimple Westernシステムを用いたタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W008)により神経細胞死量を測定した。結果を図4に示す。
試験例9: PLA2G6遺伝子変異ヒトiPS細胞から作成した神経スフェロイドを用いた神経細胞死の抑制評価
(1)ヒトiPS細胞から神経細胞への分化誘導
ドパミン神経誘導キット(ThermoFisher社製, cat#A3147701)を用いてPLA2G6遺伝子変異細胞からドパミン神経前駆細胞を誘導する。誘導したドパミン神経前駆細胞から、三次元培養法を用いてドパミン神経スフェロイドを作製し、NeuroCult SM1 Neuronal Supplement、N2 Supplement-A、20 ng/mL BDNF、20 ng/mL GDNF、1 mM dibutyryl cAMP、200 nM ascorbic acidを含むBrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)を用いて維持する。培養液は3~4日に1回、半量交換する。
試験化合物を最終濃度の2倍濃度液になるように培養液で希釈して、分化誘導35日後の半量交換の際に、10μMドパミンと共に各wellに2倍濃度液を等量添加する。
(2)神経細胞死の評価
分化誘導40日後のドパミン神経スフェロイドから1% TritionX-100を添加したTBS溶液によりタンパク質を抽出し、cleaved caspase 3抗体(Cell singnaling Technology社製,cat#9664)によるSimple Westernシステムを用いたタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W008)により神経細胞死量を測定する。
試験例10:GBA1遺伝子変異ヒトiPS細胞を用いた三次元培養での神経スフェロイドによるパーキンソン病病態(α-シヌクレイン凝集体蓄積)の再現方法
健常人由来iPS細胞株から樹立したGBA1遺伝子ホモ変異細胞を、StemFitAK03N培地(味の素社、Basic03)を用いて37℃、5% CO2の条件で培養した。
ドパミン神経誘導キット(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製, cat#A3147701)を用いてGBA1遺伝子ホモ変異iPS細胞からドパミン神経前駆細胞を誘導し、細胞ストックを作成した。
凍結保存したドパミン神経前駆細胞を、Floor Plate Cell expansionキット(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、cat#A3165801)により、37℃、5% CO2の条件で培養した。
ドパミン神経前駆細胞(10000 cells/well)を96穴U字プレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 cat#174929)に播種し、培養培地中、37℃、5% CO2の条件で培養した。培地交換は分化誘導後3、4日毎に半量交換した。ドパミン神経スフェロイドの培養培地としては、以下の組成のものを用いた。
BrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)
Dopaminergic Neuron Maturation Supplement (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、cat#A3147401)
20 ng/mL BDNF (Peprotech社製, cat#450-02)
20 ng/mL GDNF (Peprotech社製, cat#450-10)
1 mM dibutyryl cAMP (ナカライ社製, cat#11540-74)
200 nM ascorbic acid (ナカライ社製, cat#03420-52)
分化誘導したドパミン神経スフェロイドを上記培養培地から取り出し、1% TritionX-100(ナカライ社製, cat#12967-32)を添加したTBS溶液(ナカライ社製, cat#12748-31)を加え、超音波破砕機によりタンパク質を抽出した。
抽出したタンパク質についてα-シヌクレイン抗体(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製,cat#AHB0261)によるSimple Westernシステムを用いた非還元状態でのタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W008)によりα-シヌクレイン凝集体量を測定し、分子量約300 kD付近で示される波形について定量評価した。
α-シヌクレイン凝集体は培養21日目から培養40日目にかけて急激に増加し、培養40日目において凝集体量は飽和に達し、それ以降は量に変化は認められなかった。結果を図5に示す。
試験例11:GBA1遺伝子変異ヒトiPS細胞から作成したドパミン神経スフェロイドを用いたα-シヌクレイン凝集体蓄積減少評価
(1)ヒトiPS細胞から神経細胞への分化誘導
ドパミン神経誘導キット(ThermoFisher社製, cat#A3147701)を用いてGBA1遺伝子変異細胞からドパミン神経前駆細胞を誘導した。誘導したドパミン神経前駆細胞から、三次元培養法を用いてドパミン神経スフェロイドを作製し、NeuroCult SM1 Neuronal Supplement、N2 Supplement-A、20 ng/mL BDNF、20 ng/mL GDNF、1 mM dibutyryl cAMP、200 nM ascorbic acidを含むBrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)を用いて維持した。培養液は3~4日に1回、半量交換した。
試験化合物を最終濃度の2倍濃度液になるように培養液で希釈して、分化誘導40日後の半量交換の際に、各wellに2倍濃度液を等量添加した。
(2)α-シヌクレイン凝集体量の評価
分化誘導44日後のドパミン神経スフェロイドから1% TritionX-100を添加したTBS溶液によりタンパク質を抽出し、α-シヌクレイン抗体(ThermoFisher社製,cat#AHB0261)によるSimple Westernシステムを用いたタンパク質解析(Protein Simple社製, cat#SM-W008)によりα-シヌクレイン凝集体量を測定した。
各試験化合物を添加した神経スフェロイドの凝集体量を測定した。DMSO溶液を添加した神経スフェロイドの凝集体量を100%として、代表的化合物添加時の凝集体量のデータ(%)を表12に示す。
試験例12:GBA1遺伝子変異ヒトiPS細胞を用いた三次元培養での神経スフェロイドによる同期発火異常の確認
健常人由来iPS細胞株から樹立したGBA1遺伝子ホモ変異細胞を、StemFitAK03N培地(味の素社、Basic03)を用いて37℃、5% CO2の条件で培養する。
ドパミン神経誘導キット(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製, cat#A3147701)を用いてGBA1遺伝子ホモ変異iPS細胞からドパミン神経前駆細胞を誘導し、細胞ストックを作成する。
凍結保存したドパミン神経前駆細胞を、Floor Plate Cell expansionキット(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、cat#A3165801)により、37℃、5% CO2の条件で培養する。
ドパミン神経前駆細胞(10000 cells/well)を96穴U字プレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 cat#174929)に播種し、培養培地中、37℃、5% CO2の条件で培養する。培地交換は分化誘導後3、4日毎に半量交換する。ドパミン神経スフェロイドの培養培地としては、以下の組成のものを用いる。
BrainPhys Neuronal Medium(STEMCELL Technologies社製, cat#ST-05793)
Dopaminergic Neuron Maturation Supplement (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、cat#A3147401)
20 ng/mL BDNF (Peprotech社製, cat#450-02)
20 ng/mL GDNF (Peprotech社製, cat#450-10)
1 mM dibutyryl cAMP (ナカライ社製, cat#11540-74)
200 nM ascorbic acid (ナカライ社製, cat#03420-52)
分化誘導40日目以降に培養液を半量除去し、蛍光カルシウムプローブ(モレキュラー・デバイス社製,商品名FLIPR Calcium 6 Assay Bulk Kit, cat#R8191)を含む測定用培地を残りの培地の等量添加し、30分静置した後測定する。測定用培地は20mM Hepes(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製,cat#15630-080)、0.1%牛血清アルブミン(シグマアルドリッチ社製,cat#A9576)含有Hank’s緩衝液(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製,cat#14065-056)を用いる。撮影は一秒につき一フレーム取得する。
試験例13:GBA1遺伝子変異ヒトiPS細胞から作成したドパミン神経スフェロイドを用いた同期発火異常改善評価試験
(1)ヒトiPS細胞から神経細胞への分化誘導
ドパミン神経誘導キット(ThermoFisher社製, cat#A3147701)を用いてGBA1遺伝子変異細胞からドパミン神経前駆細胞を誘導する。誘導したドパミン神経前駆細胞から、三次元培養法を用いてドパミン神経スフェロイドを作製し、NeuroCult SM1 Neuronal Supplement、N2 Supplement-A、20 ng/mL BDNF、20 ng/mL GDNF、1 mM dibutyryl cAMP、200 nM ascorbic acidを含むBrainPhys Neuronal Medium (STEMCELL Technologies社製), cat#ST-05793)を用いて維持する。培養液は3~4日に1回、半量交換する。
試験化合物を最終濃度の2倍濃度液になるように培養液で希釈して、分化誘導40日後の半量交換の際に、各wellに2倍濃度液を等量添加した。
(2)同期発火の評価
分化誘導44日後のドパミン神経スフェロイドの培養液を半量交換し、蛍光カルシウムプローブ(モレキュラー・デバイス社製,商品名FLIPR Calcium 6 Assay Bulk Kit, cat#R8191)を含む測定用培地を残りの培地の等量添加し、30分静置した後測定する。測定用培地は20mM Hepes(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製,cat#15630-080)、0.1%牛血清アルブミン(シグマアルドリッチ社製,cat#A9576)含有Hank’s緩衝液(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製,cat#14065-056)を用いる。撮影は一秒につき一フレーム取得する。
本発明化合物は、α-シヌクレイン凝集体の蓄積抑制または減少作用を示すことから、脳内タンパク質の異常凝集体の蓄積抑制または減少作用により特徴づけられる中枢神経系疾患の治療剤および/または予防剤として有用である。また、本発明は、神経スフェロイドによるパーキンソン病病態の再現方法、およびそれを用いたα-シヌクレイン凝集体量の評価方法として有用である。
以上で説明したように、式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩は、α-シヌクレイン凝集体抑制または減少作用を示す。したがって、式(1)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩は、α-シヌクレイン凝集体が関与するパーキンソン病やレビー正体型認知症などの中枢神経疾患に対する治療剤及び/又は予防剤として有用である。

Claims (15)

  1. 以下の化合物群から選択される化合物またはその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物:
    (3-メチルオキセタン-3-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン、
    (3-メチルオキセタン-3-イル){4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン、
    {4-[5-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}(3-メチルオキセタン-3-イル)メタノン、
    (3-メチルオキセタン-3-イル){4-[4-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン、
    (1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン、および
    (1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノン。
  2. 化合物が(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノンである、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 化合物が(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノンである、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 化合物が{4-[5-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}(3-メチルオキセタン-3-イル)メタノンである、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 化合物が(3-メチルオキセタン-3-イル){4-[4-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノンである、請求項1に記載の医薬組成物。
  6. 化合物が(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノンである、請求項1に記載の医薬組成物。
  7. 化合物が(1,3-ジメチルアゼチジン-3-イル){4-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]ピペリジン-1-イル}メタノンである、請求項1に記載の医薬組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物を含有する、脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患の治療剤又は予防剤。
  9. 脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が、タウ、α-シヌクレイン、TDP-43、またはポリグルタミンが関与する中枢神経系疾患である、請求項8に記載の治療剤または予防剤。
  10. 脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が、アルツハイマー病、前頭側頭葉型変性症、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、ゴーシェ病、乳児神経軸索ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、または脊髄小脳失調症である、請求項8に記載の治療剤または予防剤。
  11. 脳内タンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が、α-シヌクレインが関与する中枢神経系疾患である、請求項8に記載の治療剤または予防剤。
  12. 脳内のタンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、ゴーシェ病、または乳児神経軸索ジストロフィーである、請求項8に記載の治療剤または予防剤。
  13. 脳内のタンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患がパーキンソン病である、請求項8に記載の治療剤または予防剤。
  14. 脳内のタンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が乳児神経軸索ジストロフィーである、請求項8に記載の治療剤または予防剤。
  15. 脳内のタンパク質の異常凝集体が関与する中枢神経系疾患が多系統萎縮症である、請求項8に記載の治療剤または予防剤。
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