以下、図面を参照して一実施の形態について説明する。図1乃至図10は一実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
複合容器の構成
まず、図1および図2により、本実施の形態による複合容器の概要について説明する。
なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ複合容器10Aを正立させた状態(図1)における上方および下方のことをいう。
図1および図2に示す複合容器10Aは、後述するように、ブロー成形型50を用いてプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを含む複合プリフォーム70(図4および図5参照)に対して2軸延伸ブロー成形を施すことにより、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを一体として膨張させて得られたものである。
このような複合容器10Aは、内側に位置するプラスチック材料製の容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを備えている。
このうち容器本体10は、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。
他方、プラスチック製部材40は、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しない状態で取付けられている。
次に、図1乃至図3により、容器本体10について詳述する。容器本体10は、上述したように口部11と、首部13と、肩部12と、胴部20と、底部30とを有している。
このうち口部11は、図示しないキャップが螺着されるねじ部14と、ねじ部14下方に設けられたカブラ16と、カブラ16下方に設けられたフランジ部17とを有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。容器本体10に内容液等の内容物が充填され、口部11に図示しないキャップが螺着されることにより、内容物入り複合容器が作製される。
首部13は、フランジ部17と肩部12との間に位置しており、後述する凹部15を除き略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部12は、首部13と胴部20との間に位置しており、首部13側から胴部20側に向けて徐々に径が拡大する形状(水平断面において徐々に面積が拡大する形状)を有している。
また、首部13に、径方向内方に窪む凹部15が形成されている。本実施の形態では、凹部15は、首部13と肩部12とに跨るように形成されている。すなわち、凹部15は、首部13のうち肩部12側の端部と、肩部12のうち首部13側の端部とを含む領域に形成されている。なお、凹部15は、首部13と肩部12とに跨ることなく、全体が首部13内に位置するように形成されていてもよい。
このような凹部15は、首部13の全周にわたって形成されている。この場合、後述するように、ブロー成形時に、後述する複合プリフォーム70のプラスチック製部材40aが全周にわたってブロー成形型50の凸部55に押し当てられる。このため、ブロー成形時に、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aの胴部20aに対して移動してしまうことを効果的に抑制することができるようになっている。
また、図3に示すように、凹部15は、凹部上面151と、凹部下面152とを含んでいる。この凹部上面151と凹部下面152との間に、凹部15の最深部P1が位置している。この凹部15の形状は、複合容器10Aを成形するブロー成形型50の内面形状から転写された形状である。
凹部15の深さD(径方向距離、図3参照)は、0.2mm以上0.8mm以下であることが好ましい。なお、凹部15の深さDとは、首部13の内面13aのうち、凹部15以外の部分の内面13aから、凹部15の最深部P1までの径方向距離をいう。ところで、上述したように、凹部15の形状は、複合容器10Aを成形するブロー成形型50の内面形状から転写された形状である。すなわち、凹部15の深さDは、ブロー成形型50の後述する凸部55の高さH(図9(a)参照)に対応しており、凹部15の深さDを深くする場合、凸部55の高さHが高くなる。このため、凹部15の深さDが0.2mm以上であることにより、凸部55の高さHが所定の高さ以上となり、後述するように、ブロー成形型50の凸部55を複合プリフォーム70のプラスチック製部材40aに押し当てた際に、凸部55とプリフォーム10aとによって、プラスチック製部材40aをしっかりと挟み込むことができる。また、凹部15の深さDが0.8mm以下であることにより、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができる。
また、凹部15の最深部P1からフランジ部17の下面までの上下方向距離L1(図3参照)は、1.5mm以上5mm以下であることが好ましい。この場合、後述するブロー成形型50において、一対の胴部型50a、50bの接触面50dから凸部55の最先端部P2までの上下方向距離L2(図9(a)参照)を1.5mm以上5mm以下とすることができる。
図1および図2に示すように、胴部20は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。あるいは、胴部20が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していても良い。
この胴部20には、第1水平方向溝25と、第1水平方向溝25よりも深さが浅い第2水平方向溝26とが形成されている(図1参照)。第1水平方向溝25および第2水平方向溝26は、それぞれ胴部20の円周方向全周に延びており、その上下方向の幅は、それぞれ円周方向全周にわたって均一である。
図示された例において、胴部20には、肩部12側から底部30側に向けて、3本の第2水平方向溝26、3本の第1水平方向溝25および3本の第2水平方向溝26がこの順に形成されている。
この場合、胴部20に形成された第1水平方向溝25および第2水平方向溝26は、3本の第1水平方向溝25のうち上下方向中央に位置する第1水平方向溝25を基準として、位置関係及び間隔の両方ともが上下対称に配置されている。これにより、容器本体10の内部が減圧した際、各第1水平方向溝25および各第2水平方向溝26によって、この減圧を均等に吸収することができる。
なお、第1水平方向溝25は、主として、容器本体10の内部が減圧した際、上下方向に収縮することにより、減圧を吸収する機能を発揮する。また、第1水平方向溝25は、変形しやすい部分である胴部20の中央部周辺の強度を高める役割も果たしている。
第2水平方向溝26は、主として、胴部20のうち比較的変形しやすい部分である肩部12周辺の強度または底部30周辺の強度を高め、これらの部分が水平方向に凹むことを防止する役割を果たす。また、この第2水平方向溝26は、補助的に、上下方向に収縮することにより減圧を吸収する機能も発揮する。なお、第2水平方向溝26の深さが(例えば第1水平方向溝25程度に)大きすぎないことにより、容器本体10の容量が減少することを防止することができる。
また、胴部20における容器本体10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば50μm以上250μm以下程度に薄くすることができる。さらに、容器本体10の重量についても、これに限定されるものではないが、10g以上20g以下とすることができる。このように容器本体10の肉厚を薄くすることにより、容器本体10の軽量化を図ることができる。
一方、底部30は、中央に位置する窪み部31と、この窪み部31周囲に設けられた接地部32とを有している。なお、底部30の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状等)を有していても良い。
このような容器本体10は、合成樹脂材料を射出成形して製作したプリフォーム10a(後述)を二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。なお、容器本体10の材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)を使用することが好ましい。容器本体10は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良いが、リサイクルのしやすさを考慮した場合、無色透明であることが好ましい。また、上述した各種樹脂をブレンドして用いても良い。さらに、容器本体10の内面に、容器のバリア性を高めるために、例えばダイヤモンド状炭素膜や酸化珪素薄膜等の蒸着膜を形成しても良い。
また、容器本体10は、2層以上の多層成形ボトルとして形成することもできる。すなわち射出成形により、例えば、中間層をMXD6、MXD6+脂肪酸塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガスバリア性を有する樹脂(中間層)として3層以上からなるプリフォーム10aを射出成形後、ブロー成形することによりガスバリア性を有する多層ボトルとして形成しても良い。なお、中間層としては、上述した各種樹脂をブレンドした樹脂を用いても良い。
また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡プリフォームを成形し、この発泡プリフォームをブロー成形することによって、容器本体10を作製しても良い。このような容器本体10は、発泡セルを内蔵しているため、容器本体10全体の遮光性を高めることができる。
このような容器本体10は、例えば満注容量が100ml以上2000ml以下のボトルからなっていても良い。あるいは、容器本体10は、満注容量が例えば10L以上60L以下の大型のボトルであっても良い。
次に、プラスチック製部材40について説明する。プラスチック製部材40(40a)は後述するようにプリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられ、プリフォーム10aの外側に密着された後、プリフォーム10aとともに2軸延伸ブロー成形されることにより得られたものである。
プラスチック製部材40は容器本体10の外面に接着されることなく取付けられており、容器本体10に対して移動又は回転しないほどに密着されている。このプラスチック製部材40は、容器本体10の外面において薄く引き延ばされて容器本体10を覆っている。また、図2に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
この場合、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11を除く、首部13、肩部12、胴部20および底部30を覆うように設けられている。これにより、容器本体10の首部13、肩部12、胴部20および底部30に対して所望の機能や特性を付与することができる。
なお、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち口部11以外の全域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11を除く、首部13、肩部12、胴部20および底部30の全体を覆うように設けられていても良い。また、プラスチック製部材40は、容器本体10の首部13の一部領域に設けられている限り(すなわち、プラスチック製部材40の少なくとも一部が凹部15内に入り込むように設けられている限り)、容器本体10のうち口部11以外の一部領域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11、および底部30の中心部を除く、首部13、肩部12、胴部20および底部30を覆うように設けられていても良い。
プラスチック製部材40は、容器本体10に対して溶着ないし接着されていないため、容器本体10から剥離して除去することができる。具体的には、例えば刃物等を用いてプラスチック製部材40を切除したり、プラスチック製部材40に予め図示しない切断線を設け、この切断線に沿ってプラスチック製部材40を剥離したりすることができる。これにより、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができる。
このようなプラスチック製部材40としては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもたないものであっても良く、収縮する作用をもつものであっても良い。
プラスチック製部材40がプリフォーム10aに対して収縮する作用をもつ場合、プラスチック製部材40は、プリフォーム10aの外側に設けられ、このプリフォーム10aと一体となって加熱され、2軸延伸ブロー成形されることにより得られる。
ところで、本実施の形態において、プラスチック製部材40が、容器本体10の首部13に形成された凹部15内に入り込んでいる。ここで、凹部15内に入り込んだプラスチック製部材40は、ブロー成形時に、後述する複合プリフォーム70のプラスチック製部材40aが、後述するブロー成形型50の凸部55に押し当てられるとともに、凸部55の内面に対応する形状に賦形されたものである。このように、ブロー成形時に、複合プリフォーム70のプラスチック製部材40aが、凹部15を形成するブロー成形型50の凸部55に押し当てられることにより、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aの胴部20aに対して移動してしまうことを抑制することができるようになっている。
プラスチック製部材40としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の熱可塑性非弾性樹脂を用いることが好ましい。またそれらのブレンド材料や多層構造、部分的多層構造のものであってもよい。さらに、プラスチック製部材40の材料には、その特性が損なわれない範囲において、主成分の樹脂以外にも、各種の添加剤を添加してもよい。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用し、この発泡プリフォームを成形することによって、遮光性を高めることができる。
プラスチック製部材40は、紫外線等の不可視光線をバリアする光線バリア性を有する材料からなっていても良い。この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aの光線バリア性を高め、紫外線等により内容液が劣化することを防止することができる。このような材料としては、ブレンド材料、またはPETやPE、PPに遮光性樹脂を添加した材料が考えられる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることにより作製された、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用しても良い。
また、プラスチック製部材40は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良く、さらに透明であっても不透明であっても良い。
また、プラスチック製部材40の厚みは、これに限定されるものではないが、容器本体10に取り付けられた状態で例えば5μm以上500μm以下程度とすることができる。
複合プリフォームの構成
次に、図4および図5により、複合プリフォームの構成について説明する。
図4および図5に示すように、複合プリフォーム70は、プラスチック材料製のプリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に設けられた有底円筒状のプラスチック製部材40aとを備えている。
プリフォーム10aは、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。このうち口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。すなわち、口部11aは、容器本体10のねじ部14に対応するねじ部14aと、カブラ16に対応するカブラ16aと、フランジ部17に対応するフランジ部17aとを有している。
胴部20aは、上述した容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応するものである。この胴部20aは、口部11a側の大径部21aと、大径部21a下方に設けられた縮径部22aと、縮径部22a下方に設けられた小径部23aとを有している。
このうち大径部21aは、胴部20aにおいて最も外径が大きい部分であり、略均一な外径をもつ円筒形状を有している。大径部21aの厚みは、全体として略一定となっている。
縮径部22aは、下方に向けて外径が徐々に縮小する形状を有する。縮径部22aの厚みは、下方に向けて徐々に厚くなっている。
小径部23aは、胴部20aにおいて、最も外径が小さい部分であり、略均一な外径をもつ円筒形状を有する。小径部23aの厚みは、全体として略一定となっている。
なお、胴部20aが、大径部21a、縮径部22aおよび小径部23aを有することなく、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有していてもよい。
底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの外面に接着されることなく取付けられており、プリフォーム10aに対して移動又は回転しないほどに密着されているか、又は自重で落下しない程度に密着されている。プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、円形状の水平断面を有している。
この場合、プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aのうち、胴部20aの全域と、底部30aの全域とを覆うように設けられている。
なお、プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの胴部20aの一部領域に設けられている限り(すなわち、プラスチック製部材40aが、後述するブロー成形型50の凸部55に押し当てられるように設けられている限り)、口部11a以外の一部領域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40aは、底部30を除く、胴部20aを覆うように設けられていても良い。
このようなプラスチック製部材40aとしては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもたないものであっても良く、収縮する作用をもつものであっても良い。
プラスチック製部材40aが収縮する作用をもつ場合、プラスチック製部材40aは、例えば、外的な作用(例えば熱)が加えられた際、プリフォーム10aに対して収縮(例えば熱収縮)するものが用いられても良い。あるいは、プラスチック製部材40aは、それ自体が収縮性ないし弾力性を持ち、外的な作用を加えることなく収縮可能なものであっても良い。
なお、プラスチック製部材40aが熱収縮作用をもつ場合、円筒状のプラスチック製部材40aをプリフォーム10aに嵌め込んだ後、プラスチック製部材40aの下端部(口部11aとは反対側の端部)に形成された余白部を熱圧着しても良い。
プラスチック製部材40aとしては、例えばダイレクトブロー成形により作製されたダイレクトブローチューブ、シート成形により作製されたシート成形チューブ、押出成形により作製された押出チューブ、射出成形により作製された射出成形チューブ、インフレーション成形により作製されたインフレーション成形チューブ等を用いることができるが、これに限定されるものではなく、上記以外の成形方法を用いても良い。
プラスチック製部材40aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良く、さらに透明であっても不透明であっても良い。
また、プラスチック製部材40aの厚みは、これに限定されるものではないが、例えば0.1mm以上0.5mm以下程度とすることができ、一例として0.3mmであってもよい。
次に、プラスチック製部材40aの形状について説明する。
図6(a)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有していても良い。この場合、プラスチック製部材40aの底部42がプリフォーム10aの底部30aを覆うので、複合容器10Aの胴部20に加え、底部30に対してもバリア性等の様々な機能や特性を付与することができる。また、プラスチック製部材40aは、全周にわたって繋ぎ目がない円筒形状からなっていても良い。このようなプラスチック製部材40aは、例えば上述したダイレクトブローチューブやシート成形チューブ、射出成形チューブを挙げることができる。
また、図6(b)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として円管形状(無底円筒形状)からなり、円筒状の胴部41を有していても良い。また、プラスチック製部材40aは、全周にわたって繋ぎ目がない円筒形状からなっていても良い。この場合、プラスチック製部材40aとしては、例えば上述したブローチューブ、押出チューブ、インフレーション成形チューブ、シート成形チューブを用いることができる。
また、図6(c)および図6(d)に示すように、プラスチック製部材40aは、フィルムを筒状に形成してその端部を貼り合わせることにより作製されても良い。この場合、図6(c)に示すように、プラスチック製部材40aは、胴部41を有する管形状(無底円筒形状)に構成されていても良く、図6(d)に示すように、底部42を貼り合わせることにより有底筒形状に構成されていても良い。
複合プリフォーム及び複合容器の製造方法
次に、図7(a)-(e)、図8、図9(a)-(b)および図10(a)-(b)により、本実施の形態による複合容器10Aの製造方法(ブロー成形方法)について説明する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図7(a)参照)。この場合、例えば図示しない射出成形機を用いて、射出成形法によりプリフォーム10aを作製しても良い。また、プリフォーム10aとして、従来一般に用いられるプリフォームを用いても良い。
次に、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けることにより、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に密着されたプラスチック製部材40aとを有する複合プリフォーム70を作製する(図7(b)参照)。この場合、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有している。
この際、プリフォーム10aの外径と同一又はわずかに小さい内径をもつプラスチック製部材40aを、プリフォーム10aに対して押し込むことにより、プリフォーム10aの外面に密着させても良い。あるいは、後述するように、熱収縮性をもつプラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外面に設け、このプラスチック製部材40aを50℃乃至100℃に加熱することにより熱収縮させてプリフォーム10aの外面に密着させても良い。
このように、予めプリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを密着させ、複合プリフォーム70を作製しておくことにより、複合プリフォーム70を作製する一連の工程(図7(a)-(b))と、複合容器10Aをブロー成形により作製する一連の工程(図7(c)-(e)、図8、図9(a)-(b)および図10(a)-(b))とを別々の場所(工場等)で実施することが可能になる。
次に、複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図7(c)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
また、複合容器10Aを作製するためのブロー成形型50を準備する。このブロー成形型50には、後述するように、径方向内方に突出する凸部55(図8参照)が形成されている。本実施の形態において、このような凸部55が形成されたブロー成形型50も提供する。
そして、加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、ブロー成形型50に送られる(図7(d)参照)。
複合容器10Aは、このブロー成形型50を用いて成形される。この場合、ブロー成形型50は、金属型または樹脂型である型本体52を備えており、型本体52は、互いに分割された一対の胴部型50a、50bと、底部型50cとからなる(図7(d)参照)。型本体52の内面は、複合容器10Aの肩部12、首部13、胴部20および底部30に対応する形状を有している。図7(d)において、一対の胴部型50a、50b間は互いに開いており、底部型50cは上方に上がっている。
次に、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aをブロー成形型50内に装着するとともに、ブロー成形型50の後述する凸部55をプラスチック製部材40aに押し当てる。この際、まず、図7(d)に示す状態で型本体52の一対の胴部型50a、50b間に、複合プリフォーム70が挿入される。次に、図7(e)に示すように、底部型50cが下がったのちに一対の胴部型50a、50bが閉鎖され、型本体52の一対の胴部型50a、50bおよび底部型50cにより密閉されたブロー成形型50が構成される。
ここで、図8および図9(a)に示すように、ブロー成形型50には、径方向内方に突出する凸部55が形成されている。具体的には、型本体52の一対の胴部型50a、50bのそれぞれに、径方向内方に突出する凸部55が形成されている。この凸部55は、容器本体10の首部13に対応する位置に形成されており、凸部55の形状は、容器本体10の凹部15に対応する形状を有している。なお、図8において、型本体52の内面のうち、容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応する領域に、それぞれ仮想線(二点鎖線)で対応する符号を付している。
密閉されたブロー成形型50が構成された際、プラスチック製部材40aがブロー成形型50の凸部55に押し当てられる。この際、凸部55の内径は、凸部55の任意の箇所において、プリフォーム10aの胴部20aの縮径部22aの外径よりも大きくなっている。このため、凸部55は、プリフォーム10aには当接しない。これにより、一対の胴部型50a、50bが閉鎖することができなくなる不具合を抑制することができるようになっている。
また、図9(a)に示すように、凸部55がプラスチック製部材40aに当接する際、
一対の胴部型50a、50bの内面501のうち、凸部55よりも接触面50d側に位置する部分の内面501と、プラスチック製部材40aとの間に、周方向に空間Sが形成される。すなわち、プラスチック製部材40aは、凸部55を除き、一対の胴部型50a、50bに直接接触することはない。
このような凸部55は、ブロー成形型50のうち、首部13に対応する部分の全周にわたって形成されている。これにより、プラスチック製部材40aがブロー成形型50の凸部55に押し当てられる際に、プラスチック製部材40aが全周にわたって凸部55に押し当てられる。このため、後述するように、ブロー成形時に、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aの胴部20aに対して移動してしまうことを効果的に抑制することができる。
また、図9(a)に示すように、凸部55の高さH(径方向内方への突出量)は、0.2mm以上0.8mm以下であることが好ましい。なお、凸部55の高さHとは、一対の胴部型50a、50bの内面501のうち、凸部55よりも接触面50d側に位置する部分の内面501から、凸部55の最先端部(凸部55のうち最も径方向内方に位置する点)P2までの径方向距離をいう。凸部55の高さHが0.2mm以上であることにより、凸部55をプラスチック製部材40aに押し当てた際に、凸部55とプリフォーム10aとによって、プラスチック製部材40aをしっかりと挟み込むことができる。また、凸部55の高さHが0.8mm以下であることにより、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができる。
また、一対の胴部型50a、50bのうち、フランジ部17aに接触する接触面50dから、凸部55の最先端部P2までの上下方向距離L2は、1.5mm以上5mm以下であることが好ましい。
ところで、複合プリフォーム70を作製した際に、上下方向において、プリフォーム10aのフランジ部17aとプラスチック製部材40aとの間に隙間Gが形成される場合がある。ここで、接触面50dから凸部55の最先端部P2までの上下方向距離L2が1.5mm以上であることにより、ブロー成形型50を密閉した際に、隙間G内に凸部55が配置されてしまうことを抑制することができる。すなわち、ブロー成形型50を密閉した際に、プラスチック製部材40aが凸部55に押し当てられるように、凸部55を配置することができる。
また、上下方向距離L2が5mm以下であることにより、プラスチック製部材40aのうちフランジ部17aの下面から5mm以下の領域に凸部55を押し当てることができる。ここで、複合プリフォーム70において、フランジ部17aの下面から5mm以下の領域は、延伸倍率が小さくなる領域である。このように延伸倍率が小さくなる領域において、凸部55をプラスチック製部材40aに押し当てることにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが延伸する際に、凸部55が延伸の邪魔になってしまうことを抑制することができる。このため、ブロー成形時の成形性が低下することを抑制することができる。
このようなブロー成形型50を用いて複合容器10Aを作製する場合、図9(b)および図10(a)に示すように、プリフォーム10a内に空気が圧入され、複合プリフォーム70に対して2軸延伸ブロー成形が施される。
これにより、複合プリフォーム70は、ブロー成形型50の内面に対応する形状に賦形され、ブロー成形型50内でプリフォーム10aから容器本体10が得られる。この間、胴部型50a、50bは30℃乃至80℃まで加熱され、底部型50cは5℃乃至25℃まで冷却される。また、ブロー成形型50内では、ブロー成形型50(型本体52)の凸部55の形状が転写されることにより、ブロー成形後の容器本体10の首部13に、径方向内方に窪む凹部15が形成される。この際、ブロー成形型50内では、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが一体として膨張される。これにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、一体となってブロー成形型50の内面に対応する形状に賦形される。これにより、ブロー成形後のプラスチック製部材40が、凹部15内に入り込む。
ここで、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが一体として膨張される際、プリフォーム10aの延伸に伴い、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aの胴部20aに対して移動してしまう可能性がある。すなわち、プリフォーム10aの胴部20aおよび底部30a(図4参照)の延伸に伴い、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aの底部30a側に引っ張られることにより、プラスチック製部材40aが胴部20aに対して底部30a側に移動してしまう可能性がある。このように、プラスチック製部材40aが胴部20aに対して移動してしまう場合、ブロー成形後のプラスチック製部材40が容器本体10の所望の領域(例えば、首部13や肩部12)を覆うことが困難になる場合がある。この場合、複合容器10Aが不良品として廃棄され、複合容器10Aの歩留まりが低下する。また、この場合、容器本体10の所定の領域(例えば、首部13や肩部12)が外方に露出してしまい、容器本体10に対して所望の機能や特性を十分に付与することが困難になる可能性がある。
これに対して、本実施の形態では、プラスチック製部材40aが、ブロー成形型50の凸部55に押し当てられている。これにより、プラスチック製部材40aが、ブロー成形型50の凸部55とプリフォーム10aの胴部20aとによって挟み込まれる。このため、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aの胴部20aに対して移動してしまうことを抑制することができる。この結果、不良品として廃棄される複合容器10Aの数を低減することができ、複合容器10Aの歩留まりが低下することを抑制することができる。また、プラスチック製部材40によって容器本体10の所望の領域(例えば、首部13や肩部12)を覆うことができ、容器本体10に対して所望の機能や特性を効果的に付与することができる。
その後、図10(b)に示すように、型本体52の一対の胴部型50a、50bおよび底部型50cが互いに離れ、ブロー成形型50内から複合容器10Aが取出される。このようにして、図1および図2に示す複合容器10Aが得られる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、容器本体10の首部13に、径方向内方に窪む凹部15が形成され、プラスチック製部材40が、凹部15内に入り込んでいる。この場合、ブロー成形時に、プラスチック製部材40aが、凹部15を形成するブロー成形型50の凸部55に押し当てられる。これにより、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aの胴部20aに対して移動してしまうことを抑制することができる。このため、不良品として廃棄される複合容器10Aの数を低減することができ、複合容器10Aの歩留まりが低下することを抑制することができる。また、プラスチック製部材40によって容器本体10の所望の領域(例えば、首部13や肩部12)を覆うことができ、容器本体10に対して所望の機能や特性を効果的に付与することができる。
また、本実施の形態によれば、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができるので、従来と同様に無色透明な容器本体10をリサイクルすることができる。
また、本実施の形態によれば、凹部15が、首部13の全周にわたって形成されている。この場合、ブロー成形時に、プラスチック製部材40aが全周にわたってブロー成形型50の凸部55に押し当てられる。このため、ブロー成形時に、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aの胴部20aに対して移動してしまうことを効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、ブロー成形型50には、容器本体10の首部13に対応する位置に、径方向内方に突出する凸部55が形成されている。これにより、ブロー成形時に、プラスチック製部材40aがブロー成形型50の凸部55に押し当てられ、ブロー成形時に、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aの胴部20aに対して移動してしまうことを抑制することができる。このため、不良品として廃棄される複合容器10Aの数を低減することができ、複合容器10Aの歩留まりが低下することを抑制することができる。
さらに、本実施の形態によれば、凸部55が、ブロー成形型50の全周にわたって形成されている。これにより、プラスチック製部材40aがブロー成形型50の凸部55に押し当てられる際に、プラスチック製部材40aが全周にわたって凸部55に押し当てられる。このため、ブロー成形時に、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aの胴部20aに対して移動してしまうことを効果的に抑制することができる。
なお、上記実施の形態において、凹部15が、首部13の全周にわたって形成されている場合を例にとって説明した。しかしながら、これに限らず、図11および図12に示すように、凹部15が、周方向に沿って複数形成されていても良い。この場合、図12に示すように、ブロー成形型50に形成された凸部55は、周方向に沿って複数形成される。図12に示す例では、周方向に沿って互いに離間した4つの凹部15(凸部55)が形成されている。なお、凹部15(凸部55)の個数は3つ以下であってもよく、5つ以上であってもよい。また、図12において、密閉されたブロー成形型50を仮想線(二点鎖線)で示している。
このように、周方向に沿って互いに離間した凹部15(凸部55)が形成されていることにより、例えば複合容器10Aを落下させたときなど、口部11に過大な力が加わったときに、容器本体10が凹部15から割れることを抑制することができる。また、この場合、凹部15(凸部55)は、周方向に沿って互いに等間隔で配置されていることが好ましい。これにより、ブロー成形時に、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aの胴部20aに対して移動してしまうことを効果的に抑制することができる。
また、本変形例においても、ブロー成形時に、プラスチック製部材40aが、凹部15を形成するブロー成形型50の凸部55に押し当てられ、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aの胴部20aに対して移動してしまうことを抑制することができる。このため、複合容器10Aの歩留まりが低下することを抑制することができる。また、プラスチック製部材40によって容器本体10の所望の領域を覆うことができ、容器本体10に対して所望の機能や特性を効果的に付与することができる。
また、図13および図14に示すように、凹部15が、上下方向に沿って複数形成されていても良い。図14に示す例では、上下方向に沿って互いに離間した2つの凹部15が形成されている。2つの凹部15のうち一方の凹部15aは、他方の凹部15bよりもフランジ部17側に形成されている。この凹部15aは、全体が首部13内に位置するように形成されている。他方の凹部15bは、首部13と肩部12とに跨るように形成されている。なお、凹部15aの深さ(径方向距離)および凹部15bの深さ(径方向距離)は、互いに等しくなっていても良く、互いに異なっていても良い。また、凹部15の個数は3つ以上であってもよい。
また、この場合、ブロー成形型50に形成された凸部55は、上下方向に沿って複数形成される。図14に示す例では、上下方向に沿って互いに離間した2つの凸部55が形成されている。2つの凸部55のうち一方の凸部55aは、凹部15aに対応する位置に形成され、他方の凸部55bは、凹部15bに対応する位置に形成されている。なお、凸部55aの高さ(径方向内方への突出量)および凸部55bの高さ(径方向内方への突出量)は、互いに等しくなっていても良く、互いに異なっていても良い。また、凸部55の個数は3つ以上であってもよい。
このように、上下方向に沿って互いに離間した凹部15(凸部55)が形成されていることにより、ブロー成形時に、プラスチック製部材40aが胴部20aに対して底部30a側に移動してしまうことをより効果的に抑制することができる。また、本変形例においても、上述した効果を得ることができる。
上記実施の形態および各変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。