JP7797374B2 - 発泡性樹脂粒子、発泡粒子、発泡成形体および発泡性樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
発泡性樹脂粒子、発泡粒子、発泡成形体および発泡性樹脂粒子の製造方法Info
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Description
本発明者らが検討したところ、特許文献1~3に開示された発泡性樹脂粒子を用いて得られる発泡成形体は、自動車分野および建材分野で要求されるVOC放散量の規格をクリアするために長期間の乾燥処理を必要とするものであることがわかった。すなわち、特許文献1~3の技術は、VOCの低減の点および生産性の点で改善の余地がある。
本発明の一実施形態に係る発泡性樹脂粒子は、構成単位としてスチレン単位およびアクリロニトリル単位を含む基材樹脂と、発泡剤とを含む発泡性樹脂粒子であり、前記基材樹脂において、(a)前記スチレン単位の含有量は80.0重量部~84.5重量部であり、前記アクリロニトリル単位の含有量は15.5重量部~20.0重量部であり、かつ(b)前記スチレン単位および前記アクリロニトリル単位の合計含有量は100重量部であり、
前記発泡性樹脂粒子を22倍に発泡させてなる発泡粒子のD2230/D1600は1.20以上である:ここで、前記D2230/D1600は、前記発泡粒子の表面に対する全反射測定法によるフーリエ変換赤外分光分析で得られた赤外吸収スペクトルにおける、波数2230cm-1の吸光度(D2230)と波数1600cm-1の吸光度(D1600)との比である。
VOCは、広義には、例えば日本国の大気汚染防止法にて定義されるように、「排出口から大気中に排出され、また飛散したときに気体である有機化合物」を意味する。各技術分野において、VOCとして規制されるべき化合物が指定されている。例えば、日本国の厚生労働省は、下記の物質について室内濃度指針値を定めている:ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、スチレン、ノナナール、テトラデカン、フタル酸ジ-n-ブチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、p-ジクロロベンゼン、クロロピリホス、ダイアジノン、およびフェノブカルブ。また、日本国の自動車工業会は、下記物質について自動車室内の濃度規制を行っている:ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、スチレン、テトラデカン、フタル酸ジ-n-ブチル、およびフタル酸ジ-2-エチルヘキシル。
本発泡性樹脂粒子が含む基材樹脂は、構成単位としてスチレン単位およびアクリロニトリル単位を含む。本明細書において、「スチレン単位」とは、スチレン単量体に由来する構成単位であり、「アクリロニトリル単位」とは「アクリロニトリル単量体」に由来する構成単位である。
本発泡性樹脂粒子が含む発泡剤としては、(a)プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、およびネオペンタンシクロへキサンなどの炭化水素などの脂肪族炭化水素類、および(b)ジフルオロエタン、およびテトラフルオロエタンなどのオゾン破壊係数がゼロであるフッ化炭化水素類、などの揮発性発泡剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上述した発泡剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発泡性樹脂粒子は、基材樹脂および発泡剤に加えて、任意でその他の添加剤を含んでいてもよい。前記その他の添加剤としては、溶剤、可塑剤、気泡調整剤、難燃剤、難燃助剤、熱線輻射抑制剤、顔料、染料および帯電防止剤などが挙げられる。
(D2230/D1600)
本明細書において、「全反射測定法によるフーリエ変換赤外分光分析」を「ATR-FTIR分析」とも称し、「表面に対するATR-FTIR分析で得られた赤外吸収スペクトル」を「ATR-FTIRスペクトル」とも称する場合もある。「本発泡性樹脂粒子を22倍に発泡させてなる発泡粒子のD2230/D1600」とは、「本発泡性樹脂粒子を22倍に発泡させてなる発泡粒子のATR-FTIRスペクトルにおける、波数2230cm-1の吸光度(D2230)と波数1600cm-1の吸光度(D1600)との比」である。
発泡倍率(cm3/g):発泡粒子の体積(cm3)/10g。
本明細書において、発泡性樹脂粒子中のスチレンおよびエチルベンゼンの含有量(すなわちVOC含有量)は、発泡性樹脂粒子の重量を基準とした重量比率(ppm)で示す。本発泡性樹脂粒子中のスチレンの含有量は20ppm未満であることが好ましく、かつ、エチルベンゼンの含有量は130ppm以下であることが好ましい。本発泡性樹脂粒子中のスチレンの含有量は、10ppm以下であることがより好ましく、5ppm以下であることがより好ましく、0ppm、すなわち後述する測定方法における検出限界以下であることがさらに好ましい。本発泡性樹脂粒子中のエチルベンゼンの含有量は、120ppm以下であることがより好ましく、110ppm以下であることがより好ましく、100ppm以下であることがさらに好ましい。前記構成によれば、発泡性樹脂粒子が提供し得る発泡成形体は、環境中に放出されるVOC放散量を低減でき、その結果、人体への悪影響を抑えることが可能となる。
なお、ガスクロマトグラフィーの条件は、下記の通りとする。
キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx-1
カラム温度条件:50℃から80℃まで昇温速度3℃/分で昇温後、80℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温
キャリアガス:ヘリウム。
本発泡性樹脂粒子の重量平均分子量は、15万~22万であることが好ましく、16万~22万であることがより好ましく、17万~22万であることがさらに好ましく、18万~21万であることが特に好ましい。発泡性樹脂粒子の重量平均分子量が、(a)15万以上である場合、発泡性樹脂粒子が提供し得る発泡成形体は、十分な強度、難燃性、および耐熱性を有するものとなり、(b)22万以内である場合、発泡性樹脂粒子の成形性が良好となる。発泡性樹脂粒子の重量平均分子量の測定方法としては、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPCと称する場合もある。)を用いた測定方法が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る発泡性樹脂粒子の製造方法は、スチレン単量体およびアクリロニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合する共重合工程と、得られた共重合体に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、を含み、前記共重合工程は、(a)前記スチレン単量体および前記アクリロニトリル単量体の一部を含む初期単量体混合物を容器内に仕込む仕込み工程と、(b)前記初期単量体混合物の重合開始後に、前記アクリロニトリル単量体の一部を反応混合物中に添加する添加工程と、をさらに含み、前記共重合工程において、(a)前記スチレン単量体の総使用量は80.0重量部~84.5重量部であり、前記アクリロニトリル単量体の総使用量は15.5重量部~20.0重量部であり、かつ(b)前記スチレン単量体および前記アクリロニトリル単量体の合計使用量は100重量部であり、前記添加工程において、前記反応混合物中に添加する前記アクリロニトリル単量体の一部の量は2.0重量部~5.0重量部である。
共重合工程は、スチレン単量体およびアクリロニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合することにより、スチレン単量体に由来する構成単位と、アクリロニトリル単量体に由来する構成単位とを有する共重合体を調製する工程である。
仕込み工程は、共重合の開始時点で使用する単量体の混合物、すなわち初期単量体混合物を容器内に仕込む工程である。仕込み工程では、初期単量体混合物と共に、分散剤、重合開始剤、架橋剤、可塑剤、気泡調整剤、難燃剤、および難燃助剤などを容器内に仕込んでもよい。仕込み工程は、共重合を開始するための水性懸濁液を調製する工程ともいえる。
共重合工程は、初期単量体混合物の重合開始後に、共重合工程で使用するアクリロニトリル単量体の一部を反応混合物中に添加する添加工程をさらに含む。本製造方法が当該構成を有することにより、当該製造方法は、D2230/D1600が1.20以上である発泡粒子を提供し得る発泡性樹脂粒子を提供でき、すなわち、VOC含有量およびVOC放散量が少ない発泡性樹脂粒子を提供できる。
重合転化率(%)=100-(乾燥残渣中の単量体の重量比率(ppm)/10000)。
なお、ガスクロマトグラフィーの条件は、下記の通りとする。
キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx-1
カラム温度条件:50℃から80℃まで昇温速度3℃/分で昇温後、80℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温
キャリアガス:ヘリウム。
共重合工程は、重合温度を変化させて少なくとも2段階で実施されることが好ましい。重合温度が異なる2つの重合工程を、便宜上、以下、第1重合工程および第2重合工程と称する。換言すれば、共重合工程は、重合温度が異なる連続した第1重合工程および第2重合工程を含むことが好ましいともいえる。当該構成によると、VOC含有量(放散量)が少ない発泡性樹脂粒子を容易に得ることができるという利点を有する。
第2重合工程は、重合転化率が90%に到達した後の任意の時点において、第1重合に連続して行われることが好ましい。前第2重合工程は、重合転化率が90%以上に到達した後の任意の時点で行われることが好ましいともいえる。また、第2重合工程は、重合転化率が90%(または90%以上)に到達した後の任意の時点で開始されることが好ましいともいえる。
発泡剤含浸工程は任意の時点で行われることが可能であり、例えば、第2重合工程と共に行われるか、または第2重合工程の後に行われ得る。
本製造方法は、発泡剤含浸工程後に、発泡性樹脂粒子を乾燥処理する乾燥工程をさらに含むことが好ましい。発泡性樹脂粒子は水性懸濁液中に分散した状態で得られる。そのため、本製造方法が乾燥工程を含む場合には、得られた発泡性樹脂粒子を発泡粒子の製造などに好適に利用できる。
発泡性樹脂粒子は、一般的な発泡方法によって、発泡粒子とすることができる。具体的な発泡方法としては、下記(1)~(3)を順次行う方法が挙げられる:(1)攪拌機を具備した容器内に発泡性樹脂粒子を入れ、(2)水蒸気などの熱源により発泡性樹脂粒子を加熱することにより、(3)所望の発泡倍率に到達するまで発泡を行い、発泡粒子を得る。なお、発泡粒子を予備発泡粒子と称する場合もあり、それ故に、予備発泡粒子を得るための発泡方法を予備発泡方法と称する場合もある。
発泡粒子は、一般的な型内成形方法によって成形することにより、発泡成形体とすることができる。具体的な型内成形方法としては、閉鎖し得るが密閉し得ない金型内に発泡粒子を充填し、水蒸気により発泡粒子を加熱および融着することで発泡成形体とする方法が挙げられる。
なお、ガスクロマトグラフィーの条件は、下記の通りとする。
キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx-1
カラム温度条件:50℃から80℃まで昇温速度3℃/分で昇温後、80℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温
キャリアガス:ヘリウム。
発泡倍率(cm3/g):発泡成形体の体積(cm3)/発泡成形体の重量(g)
すなわち本発明の一実施形態は、以下の構成を含むものである。
重合開始剤(X):
過酸化ベンゾイル(ナイパーBW(日油社製))(10時間半減期温度74℃)
重合開始剤(Y):
t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート(パーブチルE(日本油脂(株)製))(10時間半減期温度99℃);および
1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(アルケマ吉富(株)製)(10時間半減期温度86℃)。
難燃剤:
テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピル)エーテル(ピロガードSR-130(第一工業製薬(株)製));および
ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)。
難燃助剤:
ジクミルパーオキサイド(パークミルD(日本油脂(株)製));および
2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン(ノフマーBC(日本油脂(株)製))。
連鎖移動剤:
α-メチルスチレンダイマー(MSD(日本油脂(株)製))。
可塑剤:
ヤシ油。
比較例6で使用したマクロモノマーは、特開2004-203932号公報の製造例2および実施例2に記載の方法に基づき、製造した。具体的には下記の通りである。
単量体の重合転化率は、以下(1)~(7)を順に実施して算出した:
(1)容器内の反応混合物(例えば水性懸濁液)を、濾紙(型番21150(直径150mm)、ADVANTEC社製)により濾過した;(2)濾紙上に得られた残渣を採集し、乾燥した;(3)乾燥された残渣(以下、乾燥残渣とも称する。)を、内部標準シクロペンタノールと共に塩化メチレンに溶解した;(4)得られた溶解物をガスクロマトグラフィー(GC-2014、島津製作所(株)製)に供し、ガスクロマトグラフィーを実施し、当該溶解物中の単量体の量を検出した;(5)共重合反応に使用した単量体を内部標準シクロペンタノールと共に塩化メチレンに溶解し、得られた溶解物を前記ガスクロマトグラフィーに供し、ガスクロマトグラフィーを実施することにより、共重合反応に使用した単量体の検量線を得た;(6)検量線および溶解物についてそれぞれ実施したガスクロマトグラフィーの結果から、溶解物、すなわち乾燥残渣中の単量体の重量を、乾燥残渣の重量を基準とした重量比率(ppm)にて算出した;(7)10000ppmを1%として、得られた結果(乾燥残渣中の単量体の重量比率(ppm))を用い、以下の式に基づき重合転化率を算出した;
重合転化率(%)=100-(乾燥残渣中の単量体の重量比率(ppm)/10000)。
なお、ガスクロマトグラフィーの条件は、下記の通りとした。
キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx-1
カラム温度条件:50℃から80℃まで昇温速度3℃/分で昇温後、80℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温
キャリアガス:ヘリウム。
発泡性樹脂粒子0.02gをテトラヒドロフラン20ccに溶解して試料を調製した。当該試料を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製HLC-8020、カラム:TSKgel Super HZM-H、カラム温度:40℃、流速:0.35ml/1min.)に供し、発泡性樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)を測定した。重量平均分子量は標準ポリスチレンの換算値として求めた。得られた結果(重量平均分子量(Mw))を表3に示した。
発泡性樹脂粒子中のスチレンおよびエチルベンゼンの各々の含有量は、以下(1)~(4)を順に実施して算出した:(1)発泡性樹脂粒子0.25gを内部標準シクロペンタノールと共に塩化メチレン20mlに溶解した;(2)得られた溶解物をガスクロマトグラフィー(GC-2014、島津製作所(株)製)に供し、ガスクロマトグラフィーを実施し、当該溶解物中のスチレンおよびエチルベンゼンの量を検出した;(3)スチレンまたはエチルベンゼンを内部標準シクロペンタノールと共に塩化メチレンに溶解し、得られた溶解物を前記ガスクロマトグラフィーに供して、ガスクロマトグラフィーを実施し、スチレンまたはエチルベンゼンの検量線を得た;(4)検量線および溶解物についてそれぞれ実施したガスクロマトグラフィーの結果から、溶解物、すなわち発泡性樹脂粒子に含まれているスチレン単量体およびエチルベンゼン単量体の重量を、発泡性樹脂粒子の重量を基準とした重量比率(ppm)にて算出した。得られた結果を表3に示した。
なお、ガスクロマトグラフィーの条件は、下記の通りとした。
キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx-1
カラム温度条件:50℃から80℃まで昇温速度3℃/分で昇温後、80℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温
キャリアガス:ヘリウム。
実施例および比較例で得られた発泡性樹脂粒子を以下(1)~(5)の順で処理して発泡粒子を得た:(1)発泡性樹脂粒子を篩い分けして粒子径0.5mm~1.4mmの発泡性樹脂粒子を分取した;(2)分取した発泡性樹脂粒子を加圧式の発泡機(例えば大開工業社製のBHP)に投入した;(2)次に、吹き込み蒸気圧0.08MPa~0.10MPaにて発泡機内に蒸気を吹き込み、かつ発泡機内の圧力を0.01MPa~0.02MPaの範囲で調製することにより、発泡機内の温度(発泡温度)を100℃~104℃とした;(3)当該発泡温度で発泡性樹脂粒子を加熱することにより発泡性樹脂粒子を、倍率22倍または倍率42倍へ発泡させて、発泡粒子を得た;(4)次に、得られた発泡粒子を25℃で12時間~24時間放置した。
発泡粒子の発泡倍率は、以下(1)~(3)を順に実施して算出した:(1)発泡粒子を10g秤取り、1000cm3のメスシリンダーへ入れた;(2)メスシリンダーの目盛から、10gの発泡粒子の体積を測定した;(3)以下の式により、発泡粒子の発泡倍率を算出した;
発泡倍率(cm3/g):発泡粒子の体積(cm3)/10g。
ブロッキング量とは上述の方法により、発泡性樹脂粒子から発泡粒子を製造するとき、予備発泡機内で発泡粒子同士が結合して生じた塊の量である。ブロッキング量が多い場合、発泡粒子を用いる型内成形工程で発泡粒子の充填不良が起こる。そのため、ブロッキング量は少ない方が良い。
ブロッキング量(%)=発泡粒子の塊の重さ/発泡粒子の全量の重さ×100
得られたブロッキング量からブロッキング性を以下の基準で判断した。得られた結果(ブロッキング性)を表3に示した。
〇(良好):0.05%未満
△(合格):0.01%未満0.05%以上
×(不良):0.1%以上。
上述のようにして得られた発泡粒子から任意に10個の発泡粒子を採取した。それら10個の発泡粒子のそれぞれの表面に対して、以下の条件にてATR-FTIR分析を行い、赤外吸収スペクトルを得た。
装置 :FTIR[(株)島津製作所製、FTIR-8400S]に、1回反射型全反射(ATR)測定装置[PIKE社製、MIRacle]を接続した装置
ATRプリズム(高屈折率結晶種):セレン化亜鉛(ZnSe)
入射角 :45°
測定領域 :4000cm-1~600cm-1
検出器 :DLATGS
もぐり込み深さ:1.66
反射回数 :1回
分解能 :4cm-1
積算回数 :20回
その他 :試料と接触させずに測定した赤外線吸収スペクトルをバックグラウンドとして、測定スペクトルに関与しない処理を実施した。
得られた発泡粒子を、成形機「ダイセン製、KR-57」を用いて吹き込み蒸気圧0.05MPa~0.08MPa、加熱時間10秒~20秒で型内成形を行うことで、発泡倍率(嵩倍率)20倍または40倍であり、かつ長さ400mm、幅350mm、厚さ20mmの平板状の発泡成形体を得た。
発泡成形体の発泡倍率は、以下(1)~(3)を順に実施して算出した:(1)発泡成形体の寸法を測定し、体積を算出した;(2)当該発泡成形体の重量を測定した;(3)以下の式により、発泡成形体の発泡倍率を算出した;
発泡倍率(cm3/g):発泡成形体の体積(cm3)/発泡成形体の重量(g)
(発泡成形体からのスチレンおよびエチルベンゼンの放散量の測定方法)
発泡成形体からのスチレンおよびエチルベンゼンの放散量(すなわちVOC放散量)は、以下(1)~(7)を順に実施して算出した:(1)0.025gの発泡成形体を準備した;(2)当該発泡成形体を容積20mlの耐圧ガラス容器に入れた;(3)当該耐圧ガラス容器を、島津製作所(株)製のガスクロマトグラフィー(GC-2014)に連結されている島津製作所(株)製のヘッドスペースサンプラ(HS-10)に設置した;(4)HS-10にて、耐圧ガラス容器を60℃にて2時間放置した;(5)2時間後、島津製作所(株)製のガスクロマトグラフィー(GC-2014)を用いて耐圧ガラス容器内の気体を分析し、気体中のスチレンおよびエチルベンゼンの量を検出した;(6)スチレンまたはエチルベンゼンを内部標準シクロペンタノールと共に塩化メチレンに溶解し、得られた溶解物を前記ガスクロマトグラフィーに供し、ガスクロマトグラフィーを実施することにより、スチレンまたはエチルベンゼンの検量線を得た;(7)検量線および耐圧ガラス容器内の気体についてそれぞれ実施したガスクロマトグラフィーの結果から、放散されたスチレンおよびエチルベンゼンの重量を、発泡成形体の重量を基準とした重量比率(ppm)にて算出した。得られた結果を表3に示した。
なお、ガスクロマトグラフィーの条件は、下記の通りとした。
キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx-1
カラム温度条件:50℃から80℃まで昇温速度3℃/分で昇温後、80℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温
キャリアガス:ヘリウム。
発泡成形体の発泡粒子ごとの平均弦長を、ASTM-D-2842-97に準じて、発泡成形体の切断面を投影した写真を用いて測定した。具体的には、発泡成形体の切断面を投影した写真において、発泡成形体の表層の切断面の一直線上に存在する発泡粒子から平均弦長を測定した。なお、発泡成形体表層に存在する発泡粒子10個を任意に選択し、かかる発泡粒子各々の弦長の平均を最終的な数値(平均弦長)とした。
以下のようにして融着率を算出した:(1)発泡成形体を破断した;(2)破断面を観察して、観察視野に存在する全粒子(100%)中、粒子界面ではなく、粒子が破断している粒子の個数を計測した;(3)得られた結果を用いて、以下の式に基づき、融着率を算出した;
融着率(%)=(粒子界面ではなく、粒子が破断している粒子の個数)/観察視野に存在する全粒子数×100。
以下の基準に基づき得られた融着率から、発泡成形体の耐熱性を評価した。
◎(優れる):融着率が90%以上
〇(良好):融着率が70%以上、90%未満
×(不良):融着率が70%未満。
以下のように、発泡成形体を90℃の条件下で168時間放置したときの、放置前後の発泡成形体の寸法変化率を算出することにより、発泡成形体の耐熱性を評価した。
◎(優れる):寸法変化率の絶対値が0.3以下
〇(良好):寸法変化率の絶対値が0.3超0.4以下
△(合格):寸法変化率の絶対値が0.4超0.5以下
×(不良):寸法変化率の絶対値が0.5超
(実施例1~8、比較例1~6)
撹拌機付き6Lオートクレーブに水110重量部、第3リン酸カルシウム(分散剤)0.105重量部、α-オレインスルフォン酸ソーダ(界面活性剤)0.0075重量部、および、表1および2に記載の量の、重合開始剤、難燃剤、難燃助剤、連鎖移動剤および可塑剤を仕込んだ。真空ポンプでゲージ圧が0.06MPaとなるまでオートクレーブ内を脱気した。
Claims (8)
- 構成単位としてスチレン単位およびアクリロニトリル単位を含む基材樹脂と、発泡剤とを含む発泡性樹脂粒子であり、
前記基材樹脂において、(a)前記スチレン単位の含有量は80.0重量部~84.5重量部であり、前記アクリロニトリル単位の含有量は15.5重量部~20.0重量部であり、かつ(b)前記スチレン単位および前記アクリロニトリル単位の合計含有量は100重量部であり、
前記発泡性樹脂粒子を22倍に発泡させてなる発泡粒子のD2230/D1600は1.20以上であり、
スチレンの含有量は20ppm未満であり、かつ、エチルベンゼンの含有量は130ppm以下である、発泡性樹脂粒子:
ここで、前記D2230/D1600は、前記発泡粒子の表面に対する全反射測定法によるフーリエ変換赤外分光分析で得られた赤外吸収スペクトルにおける、波数2230cm-1の吸光度(D2230)と波数1600cm-1の吸光度(D1600)との比である。 - 請求項1に記載の発泡性樹脂粒子を発泡してなる、発泡粒子。
- 請求項2に記載の発泡粒子を型内成形してなる、発泡成形体。
- スチレンの放散量は1.00ppm未満であり、かつエチルベンゼンの放散量が10.5ppm未満である、請求項3に記載の発泡成形体。
- 発泡倍率は5倍以上40倍未満である、請求項3または4に記載の発泡成形体。
- 発泡性樹脂粒子の製造方法であり、
スチレン単量体およびアクリロニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合する共重合工程と、
得られた共重合体に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、を含み、
前記共重合工程は、(a)前記スチレン単量体および前記アクリロニトリル単量体の一部を含む初期単量体混合物を容器内に仕込む仕込み工程と、(b)前記初期単量体混合物の重合開始後に、前記アクリロニトリル単量体の一部を反応混合物中に添加する添加工程と、をさらに含み、
前記共重合工程において、(a)前記スチレン単量体の総使用量は80.0重量部~84.5重量部であり、前記アクリロニトリル単量体の総使用量は15.5重量部~20.0重量部であり、かつ(b)前記スチレン単量体および前記アクリロニトリル単量体の合計使用量は100重量部であり、
前記添加工程において、前記反応混合物中に添加する前記アクリロニトリル単量体の一部の量は2.0重量部~5.0重量部であり、
前記共重合工程は、重合温度が異なる連続した第1重合工程および第2重合工程を含み、
前記第2重合工程では、10時間半減期温度が90℃以上100℃以下である重合開始剤(Y)を使用し、
前記重合開始剤(Y)は、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネートおよびt-アミルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネートからなる群より選択される1種以上であり、
前記発泡性樹脂粒子を22倍に発泡させてなる発泡粒子のD2230/D1600は1.20以上であり、
ここで、前記D2230/D1600は、前記発泡粒子の表面に対する全反射測定法によるフーリエ変換赤外分光分析で得られた赤外吸収スペクトルにおける、波数2230cm -1 の吸光度(D2230)と波数1600cm -1 の吸光度(D1600)との比である、
発泡性樹脂粒子の製造方法。 - 前記添加工程は、重合転化率が85%に到達した後の任意の時点で行われる、請求項6に記載の発泡性樹脂粒子の製造方法。
- 前記仕込み工程において、前記初期単量体混合物中の前記アクリロニトリル単量体の一部の量は、12.0重量部~18.0重量部である、請求項6または7に記載の発泡性樹脂粒子の製造方法。
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