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JP7797677B2 - ウエハ処理方法およびウエハ処理システム - Google Patents
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JP7797677B2 - ウエハ処理方法およびウエハ処理システム - Google Patents

ウエハ処理方法およびウエハ処理システム

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Description

本発明は、ウエハ処理方法およびウエハ処理システムに関する。
半導体デバイスの分野では、低消費電力化や記憶容量増大に対して、さらなる微細化、およびデバイス構造の3次元積層化等による高集積化が進んでいる。積層化された3次元構造のデバイスは従来構造のデバイスに比べ構造が立体的で複雑であり、その製造には、ウエハ面に対して横方向にもエッチングが可能な等方エッチングが多用されている。一方、微細化の進行により、原子層レベルのラテラル加工技術のニーズも高まっており、当該技術の開発が重要である。
原子層レベルの加工技術として、原子層エッチング(ALE、Atomic Layer Etching)が知られている。特許文献1は、基板上の材料をエッチングする方法を開示している。特許文献1に開示された方法では、改質ガス及び除去ガスを用いた材料の原子層エッチングプロセスのためのプロセス条件を特定することと、以下のようにして基板上の材料に原子層エッチングプロセスを実行することとを含む:基板を改質ガスに晒して材料の表面を改質し、改質ガスはエッチングされる材料に対して改質エネルギーと脱離エネルギーを有し、改質した表面を除去ガスに晒してプラズマを点火して改質した表面を除去し、ここで、改質エネルギーは脱離エネルギーより小さく、脱離エネルギーは材料の表面結合エネルギーより小さくする。特許文献1において、具体的にはシリコンの原子層エッチング(ALE、Atomic Layer Etching)技術が開示されており、塩素ガスを使い、プラズマを生成し、シリコン表面にSiClの変質層を形成した後、ウエハバイアスをかけ、ArイオンでSiCl層を除去するサイクルが繰り返されている。バイアス電圧によってエッチングレートが変化する自己律速(self-limiting)性が有るALE Window(以下、「ALE窓」ともいう。)を探し、シリコンの原子層エッチングが実現されている。
一方、シリコンをエッチングする前に自然酸化膜の除去プロセスが必要である。特許文献2は、被処理体Wの表面に形成されているシリコン酸化膜を除去するための除去方法において、HFとNHガスとを用いると共に、処理温度の設定範囲として150~200℃の範囲内に設定することによりシリコン酸化膜を除去する除去工程を行うことを開示する。
米国特許出願公開第2020/0118835号明細書 特開2010-109335号公報
特許文献1に示されたシリコンのALE技術では、次の3つの点について十分に考慮されていない。
一点目は、イオン環境下の処理であるため、水平方向の加工がしにくい点である。
二点目は、イオンスパッタリングによるラフネスが発生する懸念があることである。
三点目は、自己律速性があるALE窓が狭い点である。
また、特許文献2に示されたシリコン自然酸化膜をエッチングする技術では、シリコン自然酸化膜を除去するものの、除去した後のシリコンのエッチング処理プロセスについては検討されていない。このため、継続してシリコンをエッチングする場合は別の装置に半導体ウエハを移送する必要があり、半導体デバイス製造の効率性に課題を有している。
すなわち、上記の従来技術ではシリコンエッチング工程において、シリコン上の自然酸化膜を除去してシリコン層を等方的にエッチングし、かつ3次元構造の全面に渡ってエッチング量を高精度かつ均一に制御するという課題については考慮されていなかった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を考慮して得られたものであり、自然酸化膜を除去してシリコンのエッチングを高精度に行うことができる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、代表的な本発明のウエハ処理方法の一つは、シリコン製の膜が上面に形成された半導体ウエハを、処理室内に配置して前記シリコン製の膜を処理するウエハ処理方法であって、当該シリコン製の膜の表面に形成された酸化膜に、水素、窒素およびフッ素のガスの粒子を供給して第1の改質層を形成する工程と、前記第1の改質層を加熱して脱離させる第1の脱離工程と、前記第1の脱離工程の後に前記シリコン製の膜に塩素のガスの粒子を供給して第2の改質層を形成する工程と、前記第2の改質層を加熱して脱離させる第2の脱離工程と、を備える。
本発明により、自然酸化膜を除去してシリコンのエッチングを高精度に行うことができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施をするための形態における説明により明らかにされる。
図1は、半導体デバイスの製造プロセスにおけるエッチング工程の概略図である。 図2は、エッチング処理装置の概略図である。 図3Aは、本実施形態のエッチング処理方法のプロセス概略図である。 図3Bは、本実施形態のエッチング処理方法のプロセス概略図である。 図4は、本実施形態のエッチング処理方法における、エッチング量とサイクル依存性との関係の実験結果を示す図である。 図5Aは、本実施形態のエッチング処理によるポリシリコンのエッチング量と図3Bのステップ(a)のフッ素ラジカル、窒素ラジカル、水素ラジカルの照射時間への依存性に関する試験結果を示す図である。 図5Bは、本実施形態のエッチング処理によるポリシリコンのエッチング量と図3Bのステップ(b)の塩素ラジカルの吸着時間への依存性に関する試験結果を示す図である。 図6は、ポリシリコンと酸化膜のエッチング量に対する図3Bのステップ(a)から図3Bのステップ(d)を繰り返した場合のサイクル数依存性を示す図である。 図7は、本実施形態のウエハ処理方法を実行するウエハ処理システムの構成の概略図である。
以下、図面を参照して、本発明にかかる実施形態を説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
本開示において、「自然酸化膜」とは、意図的に形成された酸化膜以外の酸化膜をいう。Siの熱酸化によって形成される酸化膜、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成された酸化膜、酸素ラジカルを用いて形成された酸化膜、などと区別するものである。また、ウエハの主面に並行な面に酸化膜を形成しようとした場合に、ウエハの主面に垂直な面に形成された酸化膜のように、意図した個所に形成されなかった酸化膜についても、自然酸化膜という。
また、「窓」とは、あるプロセスを行う場合の適切なプロセス条件のことをいう。
また、「上(方)」とは、板状部材又は層を水平に載置した場合の垂直上方の方向を意味する。「下」とは、板状部材又は層を水平に載置した場合の垂直下方の方向を意味する。例えば、板状部材や板状部材に含まれる層を図示した場合の、図面上の上方又は下方に示される面を「上面」又は「下面」ということがある。
(従来例)
図1を用いて、シリコンのエッチング対象膜およびパターン加工例を説明する。図1は、半導体デバイスの製造プロセスにおけるエッチング工程の概略図である。図1(a)は、エッチングの処理対象の断面の一例を示す図である。図1(b)は処理対象にエッチングを行った後を示す図である。図1(a)に示されるように、処理対象であるシリコン膜4は、例えばウエハWf上に形成されたシリコン膜である。シリコン膜4は、ウエハWfの主面に垂直な方向に凹凸形状が形成されており、いわゆるトレンチ(溝)構造が形成された状態である。トレンチの凸部分の幅(ウエハWfの主面の方向に平行な方向の長さ)はW1である。シリコン窒化膜1はシリコンと窒素の化合物によって形成される膜である。シリコン酸化膜2はシリコンと酸素の化合物によって形成される膜である。シリコン窒化膜1およびシリコン酸化膜2は、所定のパターン形状を有しており、エッチング工程においてマスク(ハードマスク)として機能する。また、シリコン膜4の表面には、自然酸化膜3が形成されている。また、シリコン膜4の表面には、酸素と水分の影響により自然酸化膜3が形成されている。シリコン酸化膜2はマスクとして機能させるように意図的に形成された酸化膜であるが、自然酸化膜3は意図せずに形成された酸化膜である。
図1(b)は、理想的なエッチング処理が行われた場合を示す。等方的にエッチングがなされたため、ウエハWfの主面に平行な方向に溝が拡大されている。凸部分の幅W2は、処理前の幅W1よりも小さい。また、自然酸化膜3も、形成された分だけ除去され、シリコン膜4の形状がそのまま維持されている。
しかしながら、現実的には、図1(b)のような形状を取得することは難しい。自然酸化膜3を除去せずにエッチングプロセスを行う場合、シリコン膜4の表面ラフネスが悪化し、半導体デバイス上の電気特性へ悪影響を及ぼす懸念がある。
(エッチング処理装置の構成)
図2を用いてエッチング処理装置100の全体構成の概略を説明する。図2は、エッチング処理装置100の概略図である。処理室34はベースチャンバー(真空容器)37により構成され、その中にはウエハ9を載置するためのウエハステージ10が設置されている。処理室34の上方には、ICP(Inductively Coupled Plasma)放電方式を用いたプラズマ源(ICPプラズマ源)が設置されている。ICPプラズマ源はプラズマによる反応性ガスの生成に用いられ、チャンバー内壁のクリーニングやウエハ上の処理対象の膜層を加工するために使用される。
ICPプラズマ源を構成する円筒型の放電管12が、処理室34の上方に設置されており、放電管12の外側にはICPコイル11が設置されている。ICPコイル11には整合機36を介して高周波電源35が接続されており、プラズマ生成のための高周波電力を供給する。高周波電力の周波数は、13.56MHzなど数十MHzの周波数帯の周波数が適用される。放電管12の上部には天板13が設置されている。天板13の下部にはガス分散板14とシャワープレート15が設置されており、処理ガスは、ガス分散板14とシャワープレート15を介して放電管12内に導入される。
処理ガスの供給流量は、ガス種毎に設置されたマスフローコントローラー30によって調整される。また、マスフローコントローラー30の下流側にはガス分配器31が設置されており、放電管12の中心付近に供給されるガスおよび外周付近に供給されるガスの流量および組合せをそれぞれ独立に制御して供給する。これにより、処理ガスの分圧の空間分布を詳細に制御できる。なお、図2においてはアルゴン(Ar)ガス、窒素(N)ガス、水素(H)ガス、六フッ化硫黄(SF)ガス、ジフルオロメタン(CH)ガス、酸素(O)ガス、塩素(Cl)ガスが処理ガスとして使用される例を示しているが、他のガスが用いられてもよい。
処理室34の下部には処理室34を減圧するため、真空排気配管19を介して、排気機構20が接続されている。排気機構20は例えば、ターボ分子ポンプやメカニカルブースターポンプやドライポンプで構成されるものとするが、構成はこれらに限られない。また、処理室34の圧力を調整するため、調圧機構21が真空排気配管19に設置されている。
ウエハステージ10の上部には、ウエハ9を加熱するためのIRランプユニットが設置されている。IRランプユニットはIRランプ60、IR光を反射する反射板61、IR光透過窓72を備える。ここでは、IRランプ60にそれぞれサークル型(円形状)のIRランプ60-1、60-2、60-3を用いている。
IRランプ60は、可視光から赤外光領域の光を主とする光(ここではIR光と呼ぶ)を放出するものとする。この例では3サークルのIRランプ60-1、60-2,60-3が同心円状に設置されているものとしたが、2サークル、または4サークル以上としてもよい。IRランプ60の上方にはIR光を下方(ウエハ設置方向)に向けて反射するための反射板61が設置されている。
IRランプ60にはIRランプ用電源73が接続されており、その途中には高周波電力のノイズがIRランプ用電源73に流入しないようにするための高周波カットフィルター74が設置されている。
また、IRランプ60-1、60-2,60-3に供給する電力を独立に制御する機能がIRランプ用電源73に設けられており、ウエハの加熱量の径方向分布を調節できるようになっている(配線は一部図示を省略した)。
IRランプユニットの中央には流路27が形成されている。この流路27には、プラズマ中で生成されたイオンや電子を抑制し、中性のガスや中性のラジカルを透過させてウエハに照射するための複数の穴の開いたイオン遮蔽板26が設置されている。
ウエハステージ10にはウエハステージ10を冷却するための冷媒の流路39が内部に形成されており、チラー38によって冷媒が流路39を介して循環供給されるようになっている。また、ウエハ9を静電吸着によって固定するため、板状の電極板40がウエハステージ10に埋め込まれており、DC電源が接続されている。
また、ウエハ9を効率よく冷却するため、ウエハ9の裏面とウエハステージ10との間にマスフローコントローラー32によって流量調節されたヘリウム(He)ガスが供給できるようになっている。また、ウエハ9を吸着したまま加熱または冷却を行うときに、ウエハ9の裏面に傷がつかないようにするため、ウエハステージ10の表面(ウエハ載置面)はポリイミド等の樹脂でコーティングされているものとする。さらに、ウエハステージ10の内部にはウエハステージ10の温度を測定するための熱電対70が設置されており、この熱電対70は熱電対温度計71に接続されている。
(エッチングプロセス)
本実施形態のウエハ処理方法について図3Aおよび図3Bを用いて説明する。ウエハ処理方法は、処理対象であるシリコン製の膜(シリコン膜4)が上面に形成された半導体ウエハを、処理室内に配置してシリコン製の膜を処理するものである。図3Aおよび図3Bは、本実施形態のエッチング処理方法のプロセス概略図である。図3Aおよび図3Bにおいては、処理対象の構成の断面構造の一部が示されており、処理対象を構成する原子を用いて模式的に表示している。図3Aに示される工程において自然酸化膜が除去され、図3Bに示される工程において、処理対象の膜のエッチングプロセスが行われる。また、図3Aおよび図3Bに示される処理は、ウエハ9をウエハステージ10に載置したままの状態で行われる。
図3Aのステップ(a)において、処理対象であるシリコン製の膜であるシリコン膜4の初期状態が示されている。自然酸化膜3は、シリコン膜4の表面に予め形成される自然酸化膜である。シリコン膜4は、自然酸化膜3の下地のシリコン層である。シリコン膜4は、規則的に配列したシリコン原子によって構成される。自然酸化膜3は、シリコン膜4の表面のシリコン原子および表面のシリコン原子を覆うように付着した酸素原子によって構成される。本開示においては、自然酸化膜3およびシリコン膜4の2膜種を同じ装置にて一貫的にエッチング処理が行われる。下記のとおり、詳細なプロセスステップを説明する。
なお、シリコン膜4は、ウエハ9の上面に形成された場合に限定されず、ウエハ9に形成されたシリコン膜であってもよい。また、ウエハ9がシリコンウエハである場合、シリコン膜4はウエハ9の表面としてもよい。
また、図3Aおよび図3Bにおいてはウエハ9の上面にシリコン膜4が形成され、シリコン膜4の上面からガスが供給される様子を示すが、シリコン膜4は例えば図4に示されるように、溝構造の側面に形成された膜であってもよい。すなわち、ウエハ9の主面と平行な方向に形成された自然酸化膜3だけでなく、ウエハ9の主面に垂直な方向に形成された自然酸化膜3にも、本開示は適用される。
また、本開示における自然酸化膜3は、半導体製造工程において処理室34内に載置された条件下で形成されることが想定されている。1ナノメートル(nm)程度の厚さであることが判明しており1原子層の厚さに相当することが知られているため、図3Aにおいて1層分の膜として表現している。
図3Aの工程(b)は、予めシリコン製の膜の表面に形成された酸化膜に、水素、窒素およびフッ素のガスの粒子を供給して第1の改質層を形成する工程を示す。また、第1の改質層はケイフッ化アンモニウムを含む。図3Aの工程(b)においては、まず、六フッ化硫黄ガス、窒素ガスおよび水素ガスが供給され放電領域50に導入される。続いて、高周波電源35をONにして高周波電力が供給され、放電領域50内にプラズマが形成される。プラズマ中で生成されたフッ素(F)ラジカル、窒素(N)ラジカル、及び水素(H)ラジカルは、流路27及びイオン遮蔽板26を介して処理室34に供給され、ウエハ9の表面に吸着する。フッ素ラジカル、窒素ラジカルおよび水素ラジカルが自然酸化膜3と反応することによって自然酸化膜3が改質され、シリコン膜4の表面にシリコン、窒素、フッ素および水素を含む化合物であるケイフッ化アンモニウム(NHSiF層(第1の改質層)5が形成される。
図3Aの工程(c)は、第1の改質層5を加熱して脱離させる第1の脱離工程を示す。また、第1の脱離工程において、加熱は、処理室34内に電磁波を照射して行われる。具体的には、図3Aの工程(c)においては、不活性ガスであるアルゴン(Ar)を供給し、高周波電源35をONにして放電領域50内にプラズマを形成するとともに、IRランプ60によって赤外線(IR)を照射しウエハ9を加熱する。本手法により、シリコン膜4の表面に形成された第1の改質層5を熱分解、脱離させることによって、自然酸化膜3がエッチング(除去)される。本反応時のウエハ9の温度は150℃以上とすることが望ましい。言い換えると、シリコン膜4は150℃以上に加熱される。その後、IRランプをOFFし、ウエハ9の裏面にウエハ冷却用のヘリウム(He)ガスを供給することでウエハを冷却し、ウエハ9の温度をウエハステージ10の温度に戻す。シリコン膜4の表面からシリコン原子の拡散が発生することを避けるためである。
なお、図3Aの工程(b)と図3Aの工程(c)の間に、処理室34の内部を排気して圧力を低減するパージ工程を含めてもよい。パージ工程は排気機構20を動作させることによって行われる。
図3Aの工程(a)から図3Aの工程(c)までの自然酸化膜の除去プロセスが実施された後に、図3Bの工程(a)から図3Bの工程(d)までのシリコン膜4のエッチングプロセスが実施される。
図3Bの工程(a)は、図3Aの工程(c)(第1の脱離工程)の後の工程である。図3Bの工程(a)において、シリコン膜4の表面に、水素、窒素またはフッ素の粒子が付着した層(ダメージ層6)が形成される。具体的には、図3Bの工程(a)では、まず、図3Aの工程(b)と同じガス系の六フッ化硫黄ガス、窒素ガス、水素ガスが供給され放電領域50に導入される。続いて、高周波電源35をONにして高周波電力が供給され、放電領域50内にプラズマが形成される。プラズマ中で生成されたフッ素ラジカル、窒素ラジカルおよび水素ラジカルは、流路27およびイオン遮蔽板26を介して処理室34に供給され、ウエハ9の表面に吸着する。フッ素ラジカル、窒素ラジカルおよび水素ラジカルがシリコン膜4と反応することによって、ダメージ層6が形成される。その後、気相中に残留したフッ素、窒素、水素原子を含むガスが真空排気される(パージされる)。
図3Bの工程(a)と図3Aの工程(b)は同じガス系が利用されるが、六フッ化硫黄ガス、窒素ガス、水素ガスの流量比率を調整することによって、図3Bの工程(a)から(d)までのプロセス時におけるシリコン層エッチング中に発生する可能性がある自然酸化膜に対する選択比を増加することもできる。図4では図3Bの工程(a)と図3Aの工程(b)において、六フッ化硫黄ガス、窒素ガス、水素ガスの流量比率を調整した前後の酸化膜のエッチング量を一例として示す。図4は、本実施形態のエッチング処理方法における、エッチング量とサイクル依存性との関係の実験結果を示す図である。流量比率を調整することによって、図4における図3B(a)のグラフに示されるように、自然酸化膜の発生をほとんど抑制することが可能となる。
図3Bの工程(b)は、第1の脱離工程の後にある工程である。図3Bの工程(b)は、前記シリコン製の膜に塩素のガスの粒子を供給して第2の改質層を形成する工程を示す。具体的には、図3Bの工程(b)では、まず、放電領域50に塩素原子を含むガス(塩素(Cl)ガス、三塩化ホウ素(BCl)ガスなど)を導入する。高周波電源35をONにして高周波電力が供給され、放電領域50内にプラズマが形成される。プラズマ中で生成された塩素(Cl)ラジカルは、流路27およびイオン遮蔽板26を介して処理室34に供給され、ウエハ9の表面に吸着する。塩素ラジカルとダメージ層6が反応することによって、シリコン、フッ素、水素、窒素ならびに塩素を含む化合物の層(第2の改質層)7が形成される。その後、高周波電源35をOFFにしてプラズマ生成が停止される。その後、気相中に残留した塩素原子を含むガスが真空排気される。
図3Bの工程(c)は、第2の改質層を加熱して脱離させる第2の脱離工程を示す。また、第2の脱離工程において、加熱は、電磁波を照射して行われる。具体的には、図3Bの工程(c)では、不活性ガスであるアルゴン(Ar)ガスを供給し、高周波電源35をONにして放電領域50内にプラズマを形成するとともに、IRランプ60によってウエハを加熱する。本手法により、シリコン膜4の表面に形成された第2の改質層7を熱分解、脱離させることによって、図3Bの工程(d)に示されるように第2の改質層7が除去される。
なお、図3Bの工程(b)と図3Bの工程(c)の間に、処理室34の内部を排気して圧力を低減するパージ工程を含めてもよい。パージ工程は排気機構20を動作させることによって行われる。
(プロセス条件)
図5Aは、本実施形態のエッチング処理によるポリシリコンのエッチング量と図3Bの工程(a)のフッ素ラジカル、窒素ラジカル、水素ラジカルの照射時間への依存性に関する試験結果を示す図である。図5Bは、本実施形態のエッチング処理によるポリシリコンのエッチング量と図3Bの工程(b)の塩素ラジカルの吸着時間への依存性に関する試験結果を示す図である。
図5Aに示されるように、第2の改質層7の形成時(図3Bの工程(a))から脱離時(図3Bの工程(d))までの間にエッチングされるエッチング量は、図3Bのステップ(a)におけるラジカルの照射時間が5(s)から30(s)の範囲である場合には1.2nm程度に飽和する。また、図5Bに示されるように、第2の改質層7の形成時(図3Bの工程(a))と脱離時(図3Bの工程(d))の間にエッチングされるエッチング量は、図3Bの工程(b)において塩素ラジカルをダメージ層6に吸着させる時間である吸着時間を10(s)から30(s)の範囲とする場合には1.5nm程度に飽和する。
このため、図3B(a)における照射時間を5(s)から30(s)の範囲にし、かつ図3B(b)における吸着時間を10(s)から30(s)の範囲にする場合、一原子層を除去することが可能な均一なエッチングを行うことができる。
なお、溝構造が深い等の複雑な構造をもつパターンのエッチング処理を行う場合には、処理対象の膜の箇所にラジカルが到達できるように、ラジカルの照射時間および吸着時間を増加する必要がある。一方、ラジカルの照射時間および吸着時間を増加しすぎると、逆にデポジションになり、表面ラフネスの悪化が懸念されるため、対象パターンの構造に応じ、ラジカルの照射時間および吸着時間を調整することが望ましい。
ここで、本開示のウエハ処理方法によれば、第2の改質層を形成する工程および第2の脱離工程を含む複数の工程を1つのサイクルとして、当該サイクルを複数回行ってシリコン製の膜が処理される。具体的には、図3Bの工程(a)から図3Bの工程(d)までのプロセスを経ることでシリコン膜4の表面が露出した状態になる。所望のエッチング量に満たない場合には、図3Bの工程(a)に戻り、図3Bの工程(a)から図3Bのステップ(d)までを繰り返すことで最終的にエッチング量を所望の値にまで到達させることができる。図6は、ポリシリコンと酸化膜のエッチング量に対する図3Bの工程(a)から図3Bの工程(d)を繰り返した場合のサイクル数依存性を示す図である。ポイント301によって示される丸マークはポリシリコンのエッチング量の試験結果を示し、ポイント302によって示される四角マークは酸化膜のエッチング量の試験結果を示す。破線401は、ポリシリコンの場合のエッチング量の試験結果に直線回帰を行った結果を示す。試験結果は破線401は測定結果を示す丸マークを通るように形成されている。このように、破線401に示されるように、サイクル数の増加により、ポリシリコンを線形的にエッチングすることができる。また、サイクル数を増加しても酸化膜のエッチング量は増加しないため、選択的にポリシリコンをエッチングすることができる。
本発明ではシリコン層の一例としてポリシリコンサンプルを用いて実施例を説明したが、単結晶のシリコン層またはアモルファスシリコン層でも同様の効果を得ることが可能である。本発明によるシリコン層のエッチング量とポリシリコンサンプルのエッチング量の比較を図6に示す。ポイント303は同じ条件で処理した単結晶のシリコン層のエッチング量になる。
(ウエハ処理システム)
図7は、本実施形態のウエハ処理方法を実行するウエハ処理システム200の構成の概略図である。ウエハ処理システム200は、エッチング処理装置100と制御装置500を備える。制御装置500は、少なくとも1つのプロセッサ501と少なくとも1つのメモリ502を有する。
制御装置500は、熱電対温度計71から温度を取得する。また、制御装置500は、排気機構20、調圧機構21、高周波電源35、マスフローコントローラー30、32、チラー38、IRランプ用電源73の動作を制御する。その他にも、制御装置500は、エッチング処理装置100の動作を制御するため、図示しないセンサに接続され、また電源等を制御する。
メモリ502は、プログラムを有している。プログラムは、プロセッサ501によって実行されることによって、エッチング処理装置100に本実施形態に示されるウエハ処理方法を実行させるように構成される。
(作用・効果)
図6の破線401に示されるように、本開示のウエハ処理方法によれば、サイクル数の増加により、線形的なエッチングをすることが可能である。したがって、自己制限的なシリコン膜の原子層エッチングが達成できる。
また、本開示のウエハ処理方法によれば、シリコン膜のエッチング処理は、特に図3B工程(a)および工程(b)に示されるようにラジカルの環境下で行われる。イオン環境下での処理を避けることができるために、ウエハの主面に垂直な方向の加工に加えて、ウエハの主面に平行な方向の加工を行いやすいという効果がある。
また、エッチング量が均一になる条件であるラジカルの照射時間および吸着時間に余裕を持たせることができ、プロセス窓を確保することが可能となる。照射時間および吸着時間は比較的制御しやすいパラメータであるため、表面ラフネスの悪化に対処することが容易になる。
このように、本発明によれば、自然酸化膜を除去してシリコンのエッチングを高精度に行うことができる。
なお本実施形態ではウエハの加熱にIRランプ60を用いる例を示したが、加熱方法はこれに限定されるものではない。
また本発明は上記した実施例の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態における構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態における構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
本発明の内容となり得る態様を以下に述べる、ただしこれに限られるものではない。
(態様1)
シリコン上に形成された自然酸化膜並びにシリコン層をエッチングする処理方法であって、
前記ウエハを真空容器内部の処理室内のウエハステージ上に載置し、
前記ウエハにフッ素、窒素、水素ラジカルを供給して、前記自然酸化膜に改質層を形成する工程と、
前記ウエハを加熱し、前記自然酸化膜上に形成された改質層を脱離除去させる工程を有し、
前記ウエハにフッ素、窒素、水素ラジカルを供給して、前記自然酸化膜除去後のシリコン表面に改質層を形成する工程と、
前記ウエハに塩素ラジカルを供給して、前記シリコン表面に形成された改質層を更に改質し、加熱及び不活性ガスプラズマ放電により、前記塩素ラジカル吸着により形成された改質層を脱離除去させる工程を有し、
前記シリコン上に改質層を形成する工程と前記形成された改質層を脱離除去させる工程とを繰り返すエッチング処理方法。
(態様2)
態様1において、
前記ウエハにフッ素、窒素、水素ラジカルを供給して、前記自然酸化膜に改質層を形成する工程と、
前記ウエハにフッ素、窒素、水素ラジカルを供給して、前記自然酸化膜除去後のシリコン表面上に改質層を形成する工程において、
フッ素、窒素、水素ラジカルを含む同じのガス系を利用するが、ガスの流量比率を調整することで、他膜への選択比を維持するエッチング処理方法。
(態様3)
態様1において、
前記シリコン表面に形成された改質層において、シリコン、フッ素、窒素、水素ならびに塩素を含む化合物の層であるエッチング処理装置。
(態様4)
態様1において、
自然酸化膜エッチングを含むシリコン酸化膜エッチングとシリコンエッチングを同じ装置で行う一貫的な処理方法。
:シリコン窒化膜、2:シリコン酸化膜、3:自然酸化膜、4:シリコン膜、5:第1の改質層、6:ダメージ層、7:第2の改質層、9:ウエハ、10:ウエハステージ、
11:ICPコイル、12:放電管、13:天板、14:ガス分散板、15:シャワープレート、19:真空排気配管、20:排気機構、21:調圧機構、26:イオン遮蔽板、27:流路、30、32:マスフローコントローラー、34:処理室、35:高周波電源、36:整合機、37:ベースチャンバー、38:チラー、39:流路、40:電極板、50:放電領域、60:IRランプ、61:反射板、70:熱電対、71:熱電対温度計、72:IR光透過窓、73:IRランプ用電源、74:高周波カットフィルター、100:エッチング処理装置、200:ウエハ処理システム、500:制御装置、501:プロセッサ、502:メモリ

Claims (11)

  1. シリコン製の膜が上面に形成された半導体ウエハを、処理室内に配置して前記シリコン製の膜を処理するウエハ処理方法であって、
    当該シリコン製の膜の表面に形成された酸化膜に、水素、窒素およびフッ素のガスの粒子を供給して第1の改質層を形成する工程と、
    前記第1の改質層を加熱して脱離させる第1の脱離工程と、
    前記第1の脱離工程の後に前記シリコン製の膜に塩素のガスの粒子を供給して自己飽和性を有した第2の改質層を形成する工程と、
    前記第2の改質層を形成する工程の後に、前記第2の改質層を加熱して脱離させる第2の脱離工程と、を備えたウエハ処理方法。
  2. 請求項1に記載のウエハ処理方法であって、
    前記第2の改質層を形成する工程および前記第2の脱離工程を含む複数の工程を1つのサイクルとして、当該サイクルを複数回行って前記シリコン製の膜を処理するウエハ処理方法。
  3. 請求項1または2に記載のウエハ処理方法であって、
    前記第1または第2の脱離工程において前記処理室内に電磁波を照射して前記加熱を行うウエハ処理方法。
  4. 請求項1または2に記載のウエハ処理方法であって、
    前記第1の脱離工程において前記シリコン製の膜を150℃以上に加熱するウエハ処理方法。
  5. 請求項1または2に記載のウエハ処理方法であって、
    前記第1の改質層がケイフッ化アンモニウムを含むウエハ処理方法。
  6. 請求項1または2に記載のウエハ処理方法であって、
    前記第1の脱離工程の後の前記シリコン製の膜表面に前記水素、窒素またはフッ素の粒子が付着した層が形成されるウエハ処理方法。
  7. 請求項1または2に記載のウエハ処理方法であって、
    前記第1の改質層を形成する工程と第1の脱離工程との間、または前記第2の改質層を形成する工程と前記第2の脱離工程との間に、前記処理室内部を排気して圧力を低減するパージ工程を備えたウエハ処理方法。
  8. シリコン製の膜が形成された半導体ウエハを、処理室内に配置して前記シリコン製の膜を処理するウエハ処理方法であって、
    前記シリコン製の膜に水素、窒素およびフッ素のガスの粒子を供給して第1の改質層を形成する工程と、
    前記第1の改質層に塩素のガスの粒子を供給して第2の改質層を形成する工程と、
    前記第2の改質層を加熱して脱離させる第2の脱離工程と、を備えたウエハ処理方法。
  9. 請求項8に記載のウエハ処理方法であって、
    前記第2の改質層を形成する工程および前記第2の脱離工程を含む複数の工程を1つのサイクルとして、当該サイクルを複数回行って前記シリコン製の膜を処理するウエハ処理方法。
  10. 請求項8または9に記載のウエハ処理方法であって、
    前記第1の改質層を形成する工程と第2の改質層を形成する工程との間、または前記第2の改質層を形成する工程と前記脱離工程との間に、前記処理室内部を排気して圧力を低減するパージ工程を備えたウエハ処理方法。
  11. シリコン製の膜が上面に形成された半導体ウエハを、処理室内に配置して前記シリコン製の膜を処理するウエハ処理システムであって、
    エッチング処理装置と、
    プロセッサと、
    プログラムを有するメモリと、を有し、
    前記プログラムは、前記プロセッサによって実行されることによって、前記エッチング処理装置に請求項1に記載されたウエハ処理方法を実行させるように構成される、ウエハ処理システム。
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