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JP7797782B2 - 仕切り部材及び組電池 - Google Patents
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JP7797782B2 - 仕切り部材及び組電池 - Google Patents

仕切り部材及び組電池

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Description

本発明は、仕切り部材及び組電池に関する。
近年、車両等の電源としての使用が急増している二次電池について、車両等の限られた空間に搭載する際の自由度を向上させる目的や、一度の充電に対して走行可能な航続距離を伸ばす等の目的から、二次電池の高エネルギー密度化の検討が進められている。一方、二次電池の安全性はエネルギー密度とは相反する傾向にあり、高エネルギー密度を有する二次電池となるほど安全性は低下する傾向にある。例えば、航続距離が数百kmに及ぶような電気自動車に搭載される二次電池では、過充電や内部短絡等により二次電池が損傷した場合の電池表面温度が数百℃を超え、1000℃以上に及ぶ場合もある。
車両等の電源に使用される二次電池は一般に複数の単電池から成る組電池として用いられるため、組電池を構成する単電池の一つが損傷して上記のような温度域に到達した場合、その発熱により隣接する単電池が損傷を受け、連鎖的に組電池全体に損傷が拡がるおそれがある。このような単電池間の損傷の連鎖を防ぐため、単電池と単電池の間に仕切り部材を設け、損傷した単電池を冷却する技術が種々提案されている。
例えば、シート状の袋の中に水等の冷却剤を入れた構成の仕切り部材を単電池と単電池の間に設置するモジュールがある(例えば、特許文献1)。このモジュールによれば、隣接する単電池からの発熱を効率よく近隣の単電池に移動させるほか、隣接する単電池が損傷し、電池表面が高温に至った場合には、開封部から袋中の水が放出され、損傷した電池を冷却することができる。また、シート状の袋の中に水等の冷却剤を含浸させた多孔質体を入れた構成の仕切り部材がある(例えば、特許文献2)。
特開2014-157747号公報 特開2011-108617号公報
本発明者がこれらの従来の技術を詳細に検討した結果、以下のような課題があることが分かった。即ち、組電池中の単電池は、組電池製造時に拘束圧がかかる。また、単電池は、充電される際に単電池内の電極が膨張するため、その筐体も膨張し、隣接する部材を圧迫する。更に、単電池は繰り返しの使用により、単電池内の電解液からのガスが発生して膨張することによっても圧力がかかる。これらの理由から単電池の間に設置される仕切り部材には、耐圧性が要求される。しかしながら、特許文献1、2に開示されている仕切り部材については、耐圧性に関する検討は十分になされていない。
一方、本発明者は液体を保持した断熱材と、これらを収容する外装体とを含む仕切り部材を提案した。この仕切り部材は、液体の蒸気圧が外装体の破裂強度を越える温度(開口温度)の前後で熱抵抗が切り替わる特性を有している。開口温度未満では外装材内部に保持された液体により低い熱抵抗を示す一方、開口温度以上では液体が揮発し、残った断熱材により高い熱抵抗を示す。この特性により、過充電や内部短絡等により異常な温度上昇を生じた単電池に接する仕切り部材は開口し、その高い熱抵抗により隣接する単電池への熱伝導を抑えることができる。その一方で、異常を生じた単電池以外の単電池間の仕切り部材は、低い熱抵抗を有しており、異常を生じた単電池からの伝熱による各電池の温度上昇を抑えることができる。
上記のような状況下、通常時には、単電池の膨張を吸収して、単電池の性能を維持するため、良好な弾性を示し、かつ良好な耐圧性を示す仕切り部材であることが求められる。一方、隣接する単電池からの発熱を効率よく近隣の単電池に移動させるほか、隣接する単電池が異常な温度上昇を起こし、連鎖的に組電池全体に異常な温度上昇が拡がるおそれがあるような異常時には、単電池間の温度上昇の連鎖を防ぐことが求められる。
すなわち、本発明は、通常時に要求される性能と異常時に要求される性能を高いレベルで両立することのできる仕切り部材、及び該仕切り部材を用いた組電池を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、組電池の仕切り部材において、熱移動を制御する層と圧縮性を制御する層を組み込んだ仕切り部材とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち本発明は下記のとおりである。
[1]厚み方向と該厚み方向に直交する面方向とを有し、該厚み方向において単電池間、又は単電池と単電池以外の部材とを仕切る仕切り部材であって、熱移動制御層、圧縮性制御層、及びこれらを収容する外装体を含む仕切り部材。
[2]前記圧縮性制御層が複数の凹部を有するトレイ状部材であり、前記熱移動制御層が耐熱粒子及び耐熱繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種と液体とを含むペーストで構成される上記[1]に記載の仕切り部材。
[3]前記トレイ状部材の凹部に前記ペーストを充填してなる上記[2]に記載の仕切り部材。
[4]前記液体が水である上記[2]又は[3]に記載の仕切り部材。
[5]前記圧縮性制御層が複数の凹部を有するトレイ状部材であり、前記熱移動制御層が耐熱粒子で構成される上記[1]に記載の仕切り部材。
[6]前記トレイ状部材が熱可塑性樹脂からなる上記[2]~[5]のいずれかに記載の仕切り部材。
[7]前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂である上記[6]に記載の仕切り部材。
[8]前記オレフィン系樹脂がポリプロピレンである上記[7]に記載の仕切り部材。
[9]前記耐熱粒子が、珪酸カルシウム及びゼオライトからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[2]~[8]のいずれかに記載の仕切り部材。
[10]上記[1]~[9]のいずれかに記載の仕切り部材と複数の単電池を含む組電池。
本発明によれば、通常時には、良好な弾性及び耐圧性を示し、隣接する単電池からの発熱を効率よく近隣の単電池に移動させることができ、かつ、隣接する単電池が損傷を受け、連鎖的に組電池全体に損傷が拡がるおそれがあるような異常時には、単電池間の損傷の連鎖を防ぐことができる仕切り部材、及び組電池を提案することができる。
本発明における圧縮性制御層の一態様を示す写真である。 本発明の仕切り部材の一例を示す概念図である。 本発明の仕切り部材の他の一例を示す概念図である。 本発明の組電池を示す概念図である。 単電池の一例を示す平面図である。 図5の単電池の正面図である。 図5の単電池の側面図である。 断熱性評価装置の概念図である。
以下、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。ただし、本発明は次に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
なお、本明細書において、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特に断らない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特に断らない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特に断らない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
[仕切り部材]
本発明の仕切り部材は、厚み方向と該厚み方向に直交する面方向とを有し、該厚み方向において単電池間、又は単電池と単電池以外の部材とを仕切る部材である。ここで、「単電池以外の部材」とは、例えば、底面及び四方の側面を有し、組電池を構成する単電池及び仕切り部材を収容する筐体である。
本発明の仕切り部材は、熱移動制御層、圧縮性制御層、及びこれらを収容する外装体を含む。熱移動制御層と圧縮性制御層はそれぞれ、一枚の仕切り部材の中に複数層あってもよい。
<熱移動制御層>
本発明の仕切り部材は、熱移動制御層を有することが特徴である。熱移動制御層は、通常時には、隣接する単電池からの発熱を効率よく近隣の単電池に移動させることができ、かつ、異常時には断熱性を発揮し、隣接する単電池への熱の移動を制御する層である。具体的には、耐熱粒子又は耐熱粒子と液体とでペースト状としたもの(以下「耐熱粒子ペースト」と記載することがある。)が好適に用いられる。
本発明においては、特に耐熱粒子ペーストを用いることが好ましい。耐熱粒子ペーストに含まれる液体は、単電池の一つが異常発熱した場合に揮発することで周囲から気化熱を吸収して温度の上昇を抑制することができ、また、揮発したガスが抜けることによっても熱を逃すことができる。
一方、耐熱粒子を使用し、液体を使用しない態様であってもよく、圧縮性制御層及び外装体と組み合わせて仕切り部材を構成することにより、粉体でありながら、単電池の膨張を吸収することができる。また、耐圧性が高く、単電池が膨張した際に仕切り部材が破裂等することがない。
(耐熱粒子及び耐熱繊維)
耐熱粒子としては、本発明の効果を奏する範囲であれば特に限定されないが、無機粒子が好ましく、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子、ケイ酸カルシウム、ゼオライト、珪藻土、シラスバルーン、粘土鉱物、バーミキュライト、マイカ、セメント、パーライト、フュームドシリカ及びエアロゲル等が挙げられる。これらの中でもシリカ粒子、アルミナ粒子、ケイ酸カルシウム、ゼオライト及びバーミキュライトが好ましく、粒子内及び粒子間により多くの液体を含有させやすい点から、珪酸カルシウム及びゼオライトが特に好ましい。
また、ケイ酸カルシウムの種類の中では、ゾノトライト、トバモライト、ワラストナイト、ジャイロライトが好ましく、特に好ましいのはジャイロライトである。花弁状構造を持つジャイロライトは圧縮変形した際にも多孔質構造を保つため、保水性に優れる。粘土鉱物は主としてケイ酸マグネシウム(タルク、セピオライトを含む)、モンモリロナイト、カオリナイトである。耐熱粒子の粒子径としては、熱移動制御層の厚みの1/5以下の粒子径が好ましい。これらの耐熱粒子は、単独でも複数種を混合した状態でも用いることができる。
また、耐熱繊維としては、本発明の効果を奏する範囲であれば特に限定されず、例えば、グラスファイバ、アルミナ繊維、ロックウール等が挙げられる。耐熱繊維の繊維系としては、熱移動制御層の厚みの1/5以下の繊維径が好ましい。これらの耐熱繊維は、単独でも複数種を混合した状態でも用いることができる。
耐熱繊維を液体とともにペースト化する際に、繊維径及び繊維長については、特に制限はなく、ペースト化できる繊維径及び繊維長であればよい。一般的には、繊維径はある程度小さく、繊維長がある程度短い方がペースト化には有利である。
なお、耐熱粒子と耐熱繊維を組み合わせて使用することもできる。
(液体)
上記粒子をペースト状にするための液体としては、熱伝導性を有し、単電池からの発熱を、効率よく近隣の単電池に移動させることができるものであればよい。また、液体としては常圧(1気圧)における沸点が80℃以上250℃以下の液体が好ましく、常圧における沸点が100℃以上150℃以下の液体がさらに好ましい。
液体としては、例えば、水、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、炭化水素類、フッ素系化合物及びシリコーン系オイルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として用いることもできる。また、液体としては、気化熱が大きい点、および汎用的に入手が可能である点から水が特に好ましい。
液体に用いることのできるアルコール類としては、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等の3~8個の炭素原子を含むアルコールや、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコール、グリセリン等の二価以上のアルコール等が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として用いることもできる。
液体に用いることのできるエステル類としては、アルキル脂肪族カルボン酸エステル、アルキル炭酸ジエステル、アルキルシュウ酸ジエステル及びエチレングリコールの脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として用いることもできる。
液体に用いることのできるエーテル類としては、n-ブチルエーテル、n-プロピルエーテル、イソアミルエーテル等が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として用いることもできる。
液体に用いることのできるケトン類としては、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として用いることもできる。
液体に用いることのできる炭化水素類としては、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として用いることもできる。
液体に用いることのできるフッ素系化合物としては、冷媒の1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン(HFC-c447ef)、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロオクタン(HFC-76-13sf)等が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として用いることもできる。
液体に用いることのできるシリコーン系オイルとしては、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状メチルシロキサン、及びシリコーンポリエーテルコポリマー等の変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらは1種のみでも、2種以上の混合物として用いることもできる。
また、液体は、不凍剤、防腐剤、pH調整剤、界面活性剤等の添加剤を含んでいてもよい。なお、界面活性剤は耐熱粒子ペーストまたは耐熱繊維ペーストをトレイ状部材に充填するに際してなじみを調整することができる。また液体はゲル化剤を含みゲル状になっていてもよい。上記添加剤はこれら1種のみでも、2種以上の混合物として用いることもできる。液体に含めるものはこれに限られず、必要に応じて追加することができる。
上述の、熱移動制御層は後述する外装体に内包されるが、耐熱粒子ペースト又は粉状の耐熱粒子を用いる場合には、これを保持するための部材を有することが好ましい。当該部材としては、後述する圧縮性制御層としての機能を有するトレイ形状の部材であることが好ましい。
<圧縮性制御層>
本発明における圧縮性制御層は、通常時における単電池の充電に伴う膨張、単電池の劣化に伴う膨張、高温下で電池を使用する際の膨張等を吸収する機能を有する層である。具体的には、図1に示すような複数の凹部を有するトレイ形状の部材(以下「トレイ状部材」ということがある。)が挙げられる。このような凹部があることで、前述の耐熱粒子又は耐熱粒子ペーストを保持することができ好ましい。また圧縮性制御層を用いることで、耐熱粒子、耐熱繊維、耐熱粒子ペースト及び耐熱繊維ペーストを使用しながら、仕切り部材として圧縮特性を制御でき好ましい。
すなわち、トレイ状部材は、熱移動制御層として好適な耐熱粒子又は耐熱粒子ペーストをトレイ状部材の凹部に充填し、保持する機能を有するとともに、圧縮性制御層としての機能を有するものである。
なお、本発明においては、トレイ状部材に耐熱粒子ペースト等を充填する態様であっても、トレイ状部材は圧縮性制御層と定義され、その凹部に充填される耐熱粒子ペースト等は熱移動制御層として定義される。また、耐熱粒子(粉状)又は耐熱粒子ペーストは、トレイ状部材の凹部が一杯となるように充填されていてもよいし(図2参照)、凹部の深さの一部まで充填されていてもよい。また、すべての凹部に耐熱粒子又は耐熱粒子ペーストを充填しなくてもよい。さらには、外装体内にトレイ状部材と耐熱粒子等が装填されるのであれば、耐熱粒子等がトレイ状部材の凹部からあふれる状態であっても構わない(図3参照)。
トレイ状部材の凹部の大きさについては、本発明の効果を奏する範囲であれば特に限定されないが、例えば、トレイ状部材を平面視したときの、全面積に対する凹部の面積が5~99%の範囲であることが好ましく、10~95%の範囲であることがより好ましく、20~90%の範囲であることがさらに好ましい。凹部の面積が上記下限値以上であると、凹部内に、耐熱粒子ペースト等を十分量保持することができるため、熱移動の制御及び断熱効果が維持される。一方、上記上限値以下であると、該トレイ状部材の十分な強度が担保され、良好な弾性が得られる。また、上記上限値以下であると、仕切り部材が加圧された場合に、仕切り部材の内圧が上がりにくく、仕切り部材の耐圧性がよくなる。
凹部の深さについても、特に制限はないが、0.1~20mmの範囲であることが好ましく、0.5~10mmの範囲であることがより好ましく、0.8~7mmの範囲であることがさらに好ましい。上記下限値以上であると、凹部内に、耐熱粒子ペースト等を十分量保持することができるため、熱移動の制御及び断熱効果が維持される。一方、上記上限値以下であると、該トレイ状部材の十分な強度が担保され、良好な弾性が得られるとともに、組電池をコンパクト化することができる。また、上記上限値以下であると、単電池の膨張をより多く吸収できる。
凹部の形状についても、特に限定されるものではなく、図1に示すような正方形であってもよいし、長方形、ひし形等の矩形状であってもよく、また円形、楕円形状、ハニカム形状等であってもよい。また、凹部の形状はすべて同じ形状でなく異なる形状の組み合わせであってもよい。
また、凹部の個数についても特に限定されるものではなく、上述の面積比率を有するものであれば特に制限はなく、通常、単位面積(1cm)当たり0.1~5個程度であることが好ましく、0.25~2個の範囲であることがより好ましい。
トレイ状部材の厚み(シート厚み)は、50~1000μmの範囲であることが好ましく、100~500μmの範囲であることがより好ましい。トレイ状部材の厚みが上記下限値以上であると十分な弾性が得られ、一方上記上限値以下であると仕切り部材の厚みを薄くすることができ、単電池の占める割合が大きくなって、エネルギー効率を上げることができる。また、組電池をコンパクト化することにもつながる。
また凹部には部材厚み方向に貫通孔があってもよい。貫通孔の占める面積は通常凹部の面積に対する割合が、10~100%程度であることが好ましく、50~90%であることがより好ましい。貫通孔があることにより、より多くの耐熱粒子ペースト等を保持することができ、熱移動の制御及び断熱効果がより高く得られる。貫通孔の占める面積は通常凹部の面積に対する割合が上記下限以上であると、より高い、熱移動の制御及び断熱効果が得られ、上記上限以下であると、トレイ状部材内での耐熱粒子ペースト等の保持性がよくなる。
該トレイ状部材の材質としては、良好な弾性を有し、加工性に優れる点から、熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリスチレン(PS)等が挙げられる。また、シリコンゴム及びその発泡体も使用できる。これらのうち、汎用性、コスト等の点から、オレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。またこれらの樹脂には、アルミナ粒子、グラスファイバなどの耐熱性フィラーが含まれていてもよい。
トレイ状部材の製造方法としては、特に限定はないが、例えば、ポリプロピレン等の樹脂シートを作製しておき、真空成型またはプレス成型して製造する方法、トレイ状部材の型を作成しておき、溶融樹脂を流し込む射出成形等が好適に用いられる。
<外装体>
外装体は、密閉される周縁部を有し、密閉によって形成される内部空間に上記熱移動制御層、及び圧縮性制御層を収容する。外装体は、可撓性を有し単電池の膨張に応じて変形可能である。また、外装体は、単電池が収縮した場合には、元の状態に復帰可能である。具体的には、電池が充電されて膨張する際には該膨張を吸収するように圧縮され、電池が放電されて収縮する際には、元の状態に戻る。
外装体としては、樹脂シート、樹脂フィルムなどを適用でき、例えば、二枚、又は二つ折りの樹脂シート若しくは樹脂フィルムで熱移動制御層及び圧縮性制御層を挟み込み、二枚の樹脂シート又は樹脂フィルムが接する外装体の周縁部を熱融着や接着することで、熱移動制御層及び圧縮性制御層を密封する。
外装体としては、例えば、樹脂や金属製のものを使用することができる。金属箔と樹脂をラミネートしたものが、耐熱性及び強度が高いため好ましい。金属と樹脂のラミネート体としては、樹脂層、金属層、樹脂シーラント層を含む3層以上のラミネート体が好ましい。
金属箔を構成する金属はアルミニウム、銅、錫、ニッケル、ステンレス、鉛、錫鉛合金、青銅、銀、イリジウム、及び燐青銅の少なくともいずれかであることが好ましい。具体的には、アルミニウム箔、銅箔、錫箔、ニッケル箔、ステンレス箔、鉛箔、錫鉛合金箔、青銅箔、銀箔、イリジウム箔及び燐青銅箔などである。特に、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔であるのが好ましく、アルミニウム箔であるのがさらに好ましい。
樹脂としては、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の少なくとも一方を用いることができるが、特に熱可塑性樹脂が好ましい。樹脂としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、アクリル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニルスルフィド、ポリカーボネート、アラミド等が挙げられる。特に、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも1つが好ましい。
外装体の厚みは特に限定されないが、例えば5μm~200μmである。上記の積層体(ラミネート体)の場合、金属箔を3μm~50μm、樹脂層を2μm~150μmとできる。これにより、金属箔の耐熱性及び低水蒸気透過性を発揮させるとともに、樹脂により密封性を向上させることができる。
また、外装体は、二つの外装体の周縁部を熱融着や接着等により環状に接合することによって、熱移動制御層及び圧縮性制御層が外装体内に密封(封止)される。或いは、1つの外装体を折り曲げて周縁部を熱融着や接着等により接合し、熱移動制御層及び圧縮性制御層を密封(封止)してもよい。外装体は、可撓性(弾性)を有するのが好ましいが、可撓性を有しない場合もあり得る。
外装体の内気圧は、外気圧よりも低いことが開口温度を十分高くする観点から好ましい。このため、外装体を封止する際に真空封止することが特に好ましい。
[組電池]
本発明の組電池は、本発明の仕切り部材と複数の単電池を含む。より具体的には、図4に示すように、複数の単電池200と、その各単電池200間を仕切る仕切り部材1とが積層してなり、例えば筐体300に収められる。仕切り部材1は、少なくとも組電池100を構成する各単電池200間に設けられ、各単電池200が互いに接触しないようにする。当該仕切り部材は、各単電池200の間以外に単電池200とその他の部材(図4においては筐体の底部)とを仕切るための仕切り部材(1A)として使用することもできる。
仕切り部材1は、上述のように、熱移動制御層、圧縮性制御層、及びこれらを収容する外装体からなる。該仕切り部材の厚み方向における圧縮弾性率は0.1~20MPaの範囲であることが好ましい。圧縮弾性率を0.1MPa以上とすることで、単電池セルに適切な応力を負荷し、単電池セルを確実に固定することができる。以上の観点から、圧縮弾性率は、0.2MPa以上であることが好ましく、0.5MPa以上であることがより好ましい。一方、上限については、充放電時の膨れ、さらには、経時劣化の際の膨張における応力を吸収できるため、セルを長寿命化することを可能とするとの観点から、20MPa以下であることが好ましく、15MPa以下であることがより好ましく、10MPa以下であることがさらに好ましい。
なお、圧縮弾性率(23℃)は、一般にJIS K7181に準拠して測定した値を用いるが、本発明では、簡易的に、仕切り部材の厚みが非加圧時の95%~50%程度となるような圧力をかけたときの、圧力と仕切り部材の厚みを測定し、圧力をかけていないときの厚みに対する比率より算出して評価した値である。
仕切り部材はそのまま単電池間や単電池とその他の部材を仕切るために使用することができるが、単電池間や単電池とその他の部材を仕切る際に固定しやすくするために、接着剤や両面テープをその表面に貼り付けたり、樹脂片などをその表面に取り付けてもよい。
[単電池]
単電池は、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えるリチウムイオン二次電池であることが好ましい。また、リチウムイオン二次電池以外に、リチウムイオン全固体電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池等の二次電池を適用し得る。
また、単電池の形式としては、角形単電池、パウチ形単電池、円筒形単電池等、電池の形式に関係なく適用できる。
図5は組電池を構成する単電池200の一例を示す平面図であり、図6は図5に示した単電池200の正面図であり、図7は、単電池200の右側面図である。単電池200は、高さ方向(H)、幅方向(W)、厚み方向(D)を有する直方体状に形成されており、その上面に端子210、端子220が設けられている。
以上のような本実施形態に係る組電池は、例えば、電気自動車(EV、Electric Vehicle)、ハイブリッド電気自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV、Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、電動重機、電動バイク、電動アシスト自転車、船舶、航空機、電車、無停電電源装置(UPS、Uninterruptible Power Supply)、家庭用蓄電システム、風力/太陽光/潮力/地熱等の再生可能エネルギーを利用した電力系統安定化用蓄電池システム等に搭載される電池パックに適用される。ただし、組電池は上述のEV等以外の機器に電力を供給する電力源としても使用し得る。
(評価方法)
評価方法1(断熱性)
各実施例及び比較例で作製した仕切り部材を図8に示すような試験装置を用いて、断熱性の評価を行った。具体的には、厚み1mmの真鍮製金属板403の上に仕切り部材1を載置し、仕切り部材1の上部に厚み5mmの真鍮製金属ブロック402をセットした。金属板403、仕切り部材1、金属ブロック402を、金属板403の下部を除き、断熱材401で覆った。2本のチューブヒーター404により加熱された300℃の窒素ガスを下方から金属板403に吹き付けて、仕切り部材1の上部に位置する金属ブロックの温度を測定した。
評価方法2(圧縮弾性率)
各実施例及び比較例で作製した仕切り部材に対して、実施例1~4では1.4MPa、比較例1では1.5MPaの圧力をかけたときの、該仕切り部材の厚みを実評価し、圧力をかけていないときの厚みに対する比率から算出して圧縮弾性率を評価した。
実施例1
厚み0.3mmのポリプロピレンシートを用いて、真空成型法により、図1に示すようなトレイ状部材を作製した。凹部の最低部の形状は7.79mm×7.79mmの正方形とし、深さを2mmとした。凹部の平面視した際の面積比率は、全面積に対して61%であった。トレイ状部材は縦60mm、横120mmとした。
次いで、図2に示すように、トレイ状部材2の凹部に珪酸カルシウムペースト(耐熱粒子ペースト3)を充填し、外装体4としてのアルミニウムラミネートフィルム(樹脂層として厚み0.012mmのポリエチレンテレフタレート(外側)、厚み0.015mmのナイロン(内側)、厚み0.06mmのポリプロピレン(最内側)を含む)内に配置し、真空脱気シーラーを用いて封止(密閉)し、仕切り部材を得た。仕切り部材全体の厚みは2.5mmであった。
作製した仕切り部材について、上記評価方法にて評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、珪酸カルシウムペーストは以下のようにして調製した。
(珪酸カルシウムペースト)
珪酸カルシウム0.87gを9.13gの水に加え、室温で攪拌棒で5分間混練して珪酸カルシウムペーストを得た。
実施例2
実施例1において、珪酸カルシウムに代えてゼオライト13Xを4.2g、水を5.3g使用して調製したゼオライトペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、仕切り部材を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、珪酸カルシウムに代えてゼオライト4Aを5.0g、水を5.3g使用して調製したゼオライトペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、仕切り部材を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、珪酸カルシウムペーストに代えて、珪酸カルシウムの粉を用いたこと以外は実施例1と同様にして、仕切り部材を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
比較例1
断熱材としての多孔質シート(ケイ酸カルシウム紙、縦118mm、幅61mm、厚み1.8mm)を、外装体としてのアルミニウムラミネートフィルム(樹脂層として厚み0.012mmのポリエチレンテレフタレート(外側)、厚み0.015mmのナイロン(内側)、厚み0.06mmのポリプロピレン(最内側)を含む)内に配置した。断熱材を外装体内に配置した後に水5.0gを含ませた後、真空脱気シーラーを用いて封止(密閉)して、仕切り部材を得た。仕切り部材全体の厚みは2.0mmであった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
表1からわかるとおり、実施例1~3については比較例1と比較し、温度上昇が緩慢であり、圧縮弾性率も高かった。また、実施例4の結果から、液体を用いず粉体のみ使用した場合であっても、水を使用した比較例1と同等の弾性率を示すことがわかる。このように、本発明の仕切り部材は、液体を用いなくても、従来の仕切り部材(比較例1)と同等の効果を示すことが確認できた。
本発明の仕切り部材は、通常時には、良好な弾性及び耐圧性を示し、隣接する単電池からの発熱を効率よく近隣の単電池に移動させることができる。また、隣接する単電池が損傷を受け、連鎖的に組電池全体に損傷が拡がるおそれがあるような異常時には、単電池間の損傷の連鎖を防ぐことができる。
したがって、本発明の仕切り部材を用いた組電池は、高エネルギー密度を有していても、安全性の高い二次電池として、例えば車両用の電源として有望である。
1 仕切り部材
2 トレイ状部材(圧縮性制御層)
3 耐熱粒子ペースト(熱移動制御層)
4 外装体
100 組電池
200 単電池
210 端子
220 端子
300 筐体
400 断熱性評価試験機
401 断熱材
402 金属ブロック
403 金属プレート
404 チューブヒーター
t トレイ状部材の凹部の深さ
D 厚み方向
P 面方向
H 高さ方向
W 幅方向
TC1、TC2、TC3 熱電対

Claims (13)

  1. 厚み方向と該厚み方向に直交する面方向とを有し、該厚み方向において単電池間、又は単電池と単電池以外の部材とを仕切る仕切り部材であって、熱移動制御層、圧縮性制御層、及びこれらを収容する外装体を含み、
    前記圧縮性制御層は凹部を有し、全面積に対する前記凹部の面積の比率が5~99%である、仕切り部材。
  2. 厚み方向と該厚み方向に直交する面方向とを有し、該厚み方向において単電池間、又は単電池と単電池以外の部材とを仕切る仕切り部材であって、熱移動制御層、圧縮性制御層、及びこれらを収容する外装体を含み、
    前記圧縮性制御層は凹部を有し、単位面積当たり前記凹部の個数が0.1~5個である、仕切り部材。
  3. 厚み方向と該厚み方向に直交する面方向とを有し、該厚み方向において単電池間、又は単電池と単電池以外の部材とを仕切る仕切り部材であって、熱移動制御層、圧縮性制御層、及びこれらを収容する外装体を含み、
    前記圧縮性制御層は凹部を有し、
    前記仕切り部材の圧縮弾性率が0.1~20MPaである、仕切り部材。
    但し、圧縮弾性率は仕切り部材の厚みが非加圧時の95%となるように圧力をかけたときの、仕切り部材の厚みを測定し、圧力をかけていないときの厚みに対する比率である。
  4. 前記圧縮性制御層が複数の凹部を有するトレイ状部材であり、前記熱移動制御層が耐熱粒子及び耐熱繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種と液体とを含むペーストで構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の仕切り部材。
  5. 前記トレイ状部材の凹部に前記ペーストを充填してなる、請求項4に記載の仕切り部材。
  6. 前記液体が水である、請求項4又は5に記載の仕切り部材。
  7. 前記圧縮性制御層が複数の凹部を有するトレイ状部材であり、前記熱移動制御層が耐熱粒子及び耐熱繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種で構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の仕切り部材。
  8. 前記トレイ状部材が熱可塑性樹脂からなる、請求項4~7のいずれか1項に記載の仕切り部材。
  9. 前記凹部は、厚み方向に奥行きを有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の仕切り部材。
  10. 前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂である、請求項8に記載の仕切り部材。
  11. 前記オレフィン系樹脂がポリプロピレンである請求項10に記載の仕切り部材。
  12. 前記耐熱粒子が、珪酸カルシウム及びゼオライトからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4~8、10及び11のいずれか1項に記載の仕切り部材。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の仕切り部材と複数の単電池を含む組電池。
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