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JP7797828B2 - 気液分離器 - Google Patents
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JP7797828B2 - 気液分離器 - Google Patents

気液分離器

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Description

本発明は、気液分離器に関する。
気液分離器として、特許文献1には、燃料電池のアノードから排出される第一排ガス(アノードオフガス)に含まれる水を第一気液分離部で分離し、第一貯水部に貯留し、第一空間の下部に形成された第二貯水部に第一貯水部の水を排出し、この第二貯水部に、燃料電池のカソードからの第二排ガス(カソードオフガス)を供給する気液分離器が示されている。
この特許文献1は、第二排ガスの熱によって、弁を加温して凍結を防止すると共に、排水管を加温して排水路内の水の凍結を防止できる点が記載されている。
特許文献2には、燃料電池の燃料オフガスに含まれる水を気液分離器で分離し、分離された水を排気排水弁で排出できるユニット本体を備え、気液分離器からの水を排気排水弁に送る一次側排水路と、排気排水弁からの水を排出する二次側排水路と、これらを取り囲む温水流路を設けた燃料電池システム用の排気排水ユニットが示されている。
この特許文献2は、温水流路に対して外部から温水を供給することにより、二次側排水路の凍結を抑制できる点が記載されている。
また、特許文献3には、燃料電池スタックから排出された燃料オフガスから気液分離器で分離された水を流体導入部から弁装置に送り、この弁装置の制御によって排水する構成を備え、流体導入部の内孔に加熱装置を配置した燃料電池システムが示されている。
この特許文献3では、加熱装置として電力供給によって発熱するPCTヒータが用いられ、電力の制御による加熱装置の発熱により凍結した弁装置の解凍を行う点が記載されている。
特開2021-51972号公報 特開2019-204731号公報 特開2019-139935号公報
燃料電池では、発電に伴い水を含む燃料オフガス(例えば、アノードオフガス)が排出される。また、燃料電池では、燃料オフガスに含まれる燃料ガスを燃料電池で再利用するために、気液分離器によって水を除去した燃料オフガスを燃料ガスが供給される流路に戻すことも行われている。
特許文献1では、凍結を防止するために第二排ガスを貯水部の近傍に供給するための流路や、第二排ガスの熱を弁の近傍に伝える構成を必要とするため、構成が複雑になり易く、凍結の解消に時間を要することも懸念される。
また、特許文献2では、凍結を防止するために温水流路で供給される温水の熱を利用するものであるため、特許文献1と同様に構成が複雑化しやすく、大型化を招くことも考えられ、凍結の解消に時間を要することも懸念される。
更に、特許文献3では、凍結を防止するために加熱装置に電力を供給する構成であるため、特許文献1、特許文献2と比較して構成の複雑化や大型化は抑制できるものの、弁装置から離間する位置に加熱装置が配置されているため、例えば、弁座の部位に凍結が発生した場合には、凍結の解消を効率的に行えないことも懸念される。
特に、特許文献1、特許文献2に示されるように、気液分離器に貯留された水を開閉弁に送る流路が小径のオリフィス流路として形成されるものでは、オリフィス流路において水が凍結しやすく、確実な水の排出が望まれている。
このような理由から、大型化を招くことなく含水ガスから分離した水を排出する領域の凍結を解消し、水の確実な排出が可能な気液分離器が求められる。
本発明に係る気液分離器の特徴構成は、含水ガスが供給されるハウジングと、前記ハウジングの上部に配置され前記含水ガスから水を分離する気液分離部と、前記ハウジングの下部に配置され前記含水ガスから前記気液分離部により分離した水を貯留する貯水部と、前記貯水部より前記水が送られる排出流路と、前記貯水部に溜まった前記水に対し、前記排出流路への流れを遮断または開放して、開放時には、前記排出流路から前記水を前記ハウジングの外部へ排出する開閉弁と、前記貯水部に配置され、電流の供給により温度が上昇する発熱体を内部に有する加熱ケースを備え、前記加熱ケースには前記排出流路側に加熱流路が形成され、前記水が前記加熱流路を流れることにより加熱され、
前記排出流路の上流には流量を規制するオリフィス流路が配置され、前記オリフィス流路の一方は前記開閉弁に向けて配置され、前記オリフィス流路の他方は前記加熱流路に向けて配置され、
前記ハウジングには、前記貯水部の前記オリフィス流路に繋がる収納凹部が形成され、
前記加熱ケースは、外面から突出すると共に、前記発熱体による熱が伝達される突出加熱部を有し、前記突出加熱部には前記加熱流路が形成されており、
前記突出加熱部が前記収納凹部内に配置されている点にある。
この特徴構成によると、貯水部に貯留された水が加熱ケースに接触することにより、加熱ケースの内部の発熱体の熱によって温度の上昇を行える。また、開閉弁が開放して貯水部の水を排出流路からハウジングの外部に排出する場合には、水が、加熱ケースの加熱流路に流れる際に温度上昇を行える。また、発熱体が電流の供給により温度が上昇するものであるため、例えば、加熱された流体を供給することで温度上昇を図る構成と比較して加熱部の大型化を招くこともない。
従って、大型化を招くことなく含水ガスから分離した水を排出する領域の凍結を解消し、水の確実な排出が可能な気液分離器が構成された。
これによると、開閉弁を開放した場合には、貯水部の水が加熱流路からオリフィス流路に流れ、排出流路からハウジングの外部に排出される。また、加熱流路に流れる際に水が過熱される。
これによると、オリフィス流路に繋がる収納凹部内に、加熱ケースに形成された突出加熱部が配置されるため、貯水部の水がオリフィス流路に流れる際には、収納凹部において突出加熱部に接触し、この接触により温度上昇を図ることが可能となる。
上記構成に加えた構成として、電流の供給により発熱する前記発熱体と、前記発熱体を内蔵し、且つ、前記貯水部に配置された前記加熱ケースとで加熱部が構成され、前記加熱部は、前記加熱ケースの外面に突出形成され、前記収納凹部に収容された前記突出加熱部を有し、前記突出加熱部は、前記加熱流路を内部に有しても良い。
これによると、突出加熱部の内部に加熱流路が形成されているため、加熱流路の内部の水に対して突出加熱部が接触し、加熱流路の水が凍結する状況であっても、この加熱流路の内部の水を加熱部の熱で加熱して凍結を解消できる。特に、加熱流路がオリフィス流路の上流に配置されているため、オリフィス流路が小径であっても、加熱流路の水により、このオリフィス流路の水の凍結を解消でき、確実な水の排出を可能にする。また、加熱ケースが貯水部に配置されているので、加熱ケースが加熱されることにより、貯水部に貯留された水の凍結を解消することができる。
上記構成に加えた構成として、前記加熱流路の流路断面積が、前記排出流路の流路断面積より大きく設定されても良い。
これによると、加熱流路の流路抵抗を増大させずに、この加熱流路から排出流路に水を流すことができる。
上記構成に加えた構成として、前記突出加熱部の前記加熱流路が、前記排出流路に向けて開放する開口部を有する筒状に形成され、前記加熱部は、前記貯水部の前記水を前記突出加熱部の前記加熱流路に取り込み、前記排出流路の上流側の端部に送る吸引孔を有しても良い。
これによると、突出加熱部が筒状に形成されるため、突出加熱部の外面で収納凹部の内面との間にある水を加熱することが可能となる。また、吸引孔から吸引した水を突出加熱部の内部の加熱流路に送る構成であるため、突出加熱部の内面を水に接触させて加熱することが可能となり、その結果、オリフィス流路に流れる水を効率的に加熱し、凍結の解消が可能となる。
上記構成に加えた構成として、前記吸引孔が、前記突出加熱部に複数形成され、複数の前記吸引孔の開口面積を加算した合計値が、前記加熱流路の流路断面積より大きく設定されても良い。
これによると、開閉弁が開放し、貯水部の水が突出加熱部の内部に流れる場合に、複数の吸引孔から同時に吸引した水を内部の空間に送ることが可能となり、複数の吸引孔の開口面積を加算した合計値が、加熱流路の流路断面積より大きいため、突出加熱部の筒内空間に水が流れる際に負圧を発生させる不都合を招くことなく迅速な排水を可能にする。
上記構成に加えた構成として、前記加熱部は、前記加熱ケースの外面に下方へと延びる複数の放熱用のフィンを有しても良い。
これによると、貯水部からの水が加熱ケースの複数のフィンに接触することで広い面を介して効率的な温度上昇が可能となる。
加熱部が分離した状態の気液分離器を示す斜視図である。 底部から見た加熱部の斜視図である。 分解状態で一部を断面で示した気液分離器の斜視図である。 開閉弁が閉塞する状態の気液分離器の下部の断面図である。 開閉弁が開放する状態の気液分離器の下部の断面図である。 図4のVI-VI線断面図である。 分解状態の加熱部の斜視図である。 分解状態の加熱部の斜視図である。 加熱部の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1には、燃料電池車(FCV)に搭載される燃料電池(図示せず)のアノード側から排出されるアノードオフガス(含水ガスの一例)に含まれる水を分離する気液分離器Aが示されている。
図1、図3、図4に示すように、気液分離器Aは、ハウジングHの上部位置に導入部1と、導出部2とを備え、下部位置に開閉弁Vを備え、ハウジングHの内部空間の上部に気液分離部4を配置し、内部空間の底部に第1貯水部5と、第2貯水部6(貯水部の一例)とを配置している。
燃料電池は、アノードガス流路(図示せず)にアノード側に水素ガスを含む燃料ガスを供給し、カソードガス流路(図示せず)にカソード側に酸化剤ガス(酸素を含む空気)を供給することにより発電が行われる。
燃料電池は、発電に伴いアノード側から排出されるアノードオフガスに未反応の水素ガスと水分とが含まれる。このため、気液分離器Aは、アノードオフガスに含まれる水を分離してハウジングHの内部に貯留し、乾燥した状態のアノードオフガスを、燃料電池のアノード側に戻すことにより未反応の水素ガスの発電での利用を可能にしている。
この気液分離器Aは、低温環境において燃料電池の発電を停止して燃料電池車を駐車した後に燃料電池での発電を開始する際に、図4、図5に示す第2貯水部6からオリフィス流路26に亘る領域の水が凍結することもある。このように凍結した場合には、燃料電池で発電開始に伴い凍結部分の短時間での解氷を必要とする。
また、この気液分離器Aは、低温の環境で燃料電池車を走行させる状況において第2貯水部6の水の凍結を防止することも必要とする。このような理由から、気液分離器Aは、水の凍結を解消するための加熱部BをハウジングHの下部に備えている。この加熱部Bの構成は後述する。
〔ハウジング〕
図1~図6に示すように、ハウジングHは、樹脂製の上部ハウジング10と、樹脂製の下部ハウジング20とを有すると共に、上部ハウジング10の上部フランジ10fと、下部ハウジング20の下部フランジ20fとを重ね合わせ、これらを複数の締結ボルト7の締結により一体化している。
上部ハウジング10は、筒状の上側壁11に対し側方に突出する筒状の導入部1を備え、上端の平坦な上端壁12から上方に突出する姿勢の導出部2を備えている。上部ハウジング10の内部空間には気液分離部4を備えている。この気液分離部4は、導入部1から供給されたアノードオフガスが接触することにより、アノードオフガスに含まれる水を分離する板状の複数の衝突壁13を備えている。
気液分離部4は、導入部1から導入されたアノードオフガスを複数の衝突壁13に連続的に接触させることでガスに含まれる水を分離して下方に落下させるように機能する。また、水が分離した乾燥ガスは、導出部2から上方に排出される。
図3~図6に示すように、下部ハウジング20は、縦軸芯Yを中心に円筒形となる下側壁21と、この下側に連結し下側が緩やかに窄まる形状の案内壁21aと、更に、この案内壁21aの下側に連結する縦向き姿勢の中間壁21bとを備えている。
下部ハウジング20は、中間壁21bの下側に連なる位置で下側が漏斗状に窄まる形状の傾斜壁22と、この傾斜壁22の下側に一体形成されたブロック状部23とを備えている。また、下部ハウジング20は、傾斜壁22とブロック状部23とが連結する部位から上側に立ち上がる形態で環状の制御壁24を備えている。
図4、図5に示すように、ブロック状部23は、縦軸芯Yを中心として上側に開放する凹状の空間となる第2貯水部6を有している。制御壁24は、縦軸芯Yを中心とする円環状で、第2貯水部6の内壁に連なる位置に配置されている。更に、制御壁24の外側で、傾斜壁22の内側、且つ上側に第1貯水部5が配置されている。
ブロック状部23は、第2貯水部6に貯留された水を横方向(水平方向)に送り出すために、断面形状が円形となる孔状の収納凹部25と、これより小径で断面形状が円形となる孔状のオリフィス流路26とを同軸芯で、軸芯に沿って連続する位置に備えている。加熱部Bは、第2貯水部6の底部から収納凹部25に亘る領域を加熱することにより、この領域の水の凍結を解消するように機能する。
気液分離器Aは、ブロック状部23の側壁の外面でオリフィス流路26の下流側の端部を開閉する位置に開閉弁Vを備えている。また、開閉弁Vが開放した際に、オリフィス流路26から送り出される水を排出する排出流路27を、ブロック状部23の下面から下側に突出する姿勢で備えている。
図4、図5に示すように、開閉弁Vは、磁性体で成るプランジャ15と、このプランジャ15を取り囲む領域に配置された電磁ソレノイド16と、プランジャ15を突出方向に付勢するスプリング17と、オリフィス流路26の下流側の端部を閉塞する位置に配置され柔軟に変形し得るゴム等の膜状の素材で成る弁体18とを備えている。
この開閉弁Vは、電磁ソレノイド16に電流が供給されない状態で図4に示すようにスプリング17の付勢力でプランジャ15を突出させ、この突出によって弁体18がオリフィス流路26を閉塞する。これに対し、開閉弁Vは、電磁ソレノイド16に電流が供給された状態で図5に示すようにスプリング17の付勢力に抗してプランジャ15を移動させ、弁体18がオリフィス流路26の端部から離間することで開放し、オリフィス流路26からの水が排出流路27に排出される。
尚、開閉弁Vの開放により、第2貯水部6の水が排出される際に未反応の水素を含むアノードオフガスの排出を抑制すると共に、単位時間に対する水の排出量を一定にするため、オリフィス流路26は小径に形成されている。
〔仕切部材〕
この気液分離器Aでは、気液分離部4においてアノードオフガスから分離した水を下部ハウジング20の第1貯水部5に貯留する。更に、図4に示すように、第1貯水部5に貯留された水を制御壁24の上端からオーバーフローさせて第2貯水部6に貯留できるように、第1貯水部5と第2貯水部6との位置関係が設定されている。
図3~図6に示すように、仕切部材30は、制御壁24の外方に縦軸芯Yと同軸芯に配置される筒状の縦壁部31と、この縦壁部31の上端を塞ぐ蓋状部32とを備えている。縦壁部31には縦方向(鉛直方向)に延びる複数のスリット31aが形成され、このスリット31aは縦壁部31の内部と外部との間での水の流動と多少のガスの流動とを許容する。尚、スリット31aは、その上端が第1貯水部5の貯水レベル(制御壁24の上端と一致する高さ)より高い位置に設定されている。
制御壁24は、外周に縦向き姿勢の複数のリブ体24aを備え、このリブ体24aが縦壁部31の内壁に接触することにより、縦壁部31の内周と制御壁24の外周との間に、全周で一定の値の流路間隙Tを作り出す。これにより、第1貯水部5と第2貯水部との間に流路間隙Tの間隙状流路38が形成されている。
制御壁24は、更に、複数の排水誘導板24bを備えている。この排水誘導板24bは、制御壁24の上端をオーバーフローした水の流れを補助する機能を有しており、制御壁24の内周側と外周側とに突出すると共に、制御壁24の上端より上側に突出している。これにより、図4、図5に示すように、排水誘導板24bの上端が蓋状部32の下面に接触することにより、仕切部材30の上下方向での位置を決め、縦壁部31の下端と、傾斜壁22との間に底部間隙Gを作り出す。
更に、図3、図4に示すように、仕切部材30を取り囲む領域にフィルタユニット30Fを備えている。フィルタユニット30Fは、縦壁部31の上端の外縁から半径方向に延出する複数のフレーム33と、複数のフレーム33の延出端に連結されたリング状部34と、リング状部34の内側に配置された濾過材35とを備えている。このフィルタユニット30Fは、リング状部34の外周に嵌め込んだシールリング36が、下側壁21の中間壁21bの内周に接触する位置に配置されている。
この気液分離器Aでは、第1貯水部5の上方の空間と、第2貯水部6の上方の空間とが仕切部材30で分離された(スリット31aで僅かに連通する)状態にある。また、第1貯水部5に作用する圧力が第2貯水部6に作用する圧力より高い状態にある。更に、この気液分離器Aでは、開閉弁Vを開放して第2貯水部6の水を排出した場合には、第1貯水部5の水に作用する圧力により、この第1貯水部5からの水を間隙状流路38から制御壁24の上端に流し、制御壁24の上端をオーバーフローさせて第2貯水部6に送り出し、結果として、第1貯水部5の水面を大きく低下させることを可能にしている。
これにより、第2貯水部6の水を排出した後に燃料電池の内部に存在する僅かな水がハウジングHの内に流れ込むことや、ハウジングHの内面に付着した水滴が落下することがあっても、これらの水は第1貯水部5に受け止められ、第2貯水部6に水が流れ込む現象を抑制する。従って、寒冷地に燃料電池車(FCV)を駐車する場合でも、収納凹部25からオリフィス流路26に亘る領域に水を残留させず、凍結による水の排出が不能となる不都合が抑制される。
〔仕切部材の部位での水の流れの制御〕
この気液分離器Aでは、前述したように、気液分離部4でアノードオフガスから分離した水はフィルタ30ユニットFで濾過された後に第1貯水部5に貯留される。また、この気液分離器Aでは、縦壁部31にスリット31aが形成されているため、燃料電池が発電を継続し、第1貯水部5に貯留される水量が増大した場合には、第1貯水部5の水面と、間隙状流路38の水面とは等しく上昇する。これにより、第1貯水部5の水量が増大した場合には、図4に示すように第1貯水部5の水が制御壁24の上端をオーバーフローして第2貯水部6に供給される。
気液分離器Aの開閉弁Vは、制御装置(図示せず)で制御される。気液分離部4でアノードオフガスから分離した水の水量は、燃料電池の発電量から推定することが可能である。このため、制御装置は、推定された水量が予め設定された値に達する毎に、開閉弁Vを開放する制御を行い、ハウジングHの内部に貯留された水を排出する。
気液分離器Aは、ハウジングHの内部空間のガスの圧力が外気の圧力(大気圧)より高い状態にある。従って、制御装置が、開閉弁Vを開放した場合には、第2貯水部6と外気との圧力差により、第2貯水部6の水は、収納凹部25とオリフィス流路26を介して排出流路27に排出される。これに伴い、図5に示すように、第1貯水部5の水が、制御壁24と縦壁部31との間に流路間隙Tで形成された間隙状流路38に流れ、更に、制御壁24の上端をオーバーフローして第2貯水部6に供給される。
気液分離器Aは、スリット31aの幅を比較的小さい値に設定している。また、制御装置は、開閉弁Vが開放する時間を比較的短い値に設定している。このため、開閉弁Vの開放に伴い、圧力差によって第1貯水部5の水を、制御壁24の上端をオーバーフローさせて第2貯水部6に供給する際にアノードオフガスがスリット31aを介して第2貯水部6に流れるガス量を制限し、圧力差による水の流れを可能にしている。
ここで、寒冷地において燃料電池の発電を停止した状態で燃料電池車を駐車する状況を考えると、例えば、第2貯水部6からオリフィス流路26に亘る領域に水が残留する場合には、水が凍結することにより、燃料電池の発電を開始した後に、開閉弁Vを開放しても第2貯水部6の水を排出できない状況になり得る。このような不都合を解消するため、駐車する場合には、制御装置(図示せず)が、開閉弁Vを開放して第1貯水部5と第2貯水部6とから可能な限り多くの水を排出する掃気制御を行う。
この掃気制御は、開閉弁Vの開放時間を設定時間だけ延長するものであるが、第2貯水部6の水を排出し、この排出に伴う圧力差により、第1貯水部5の水を制御壁24の上端をオーバーフローさせて第2貯水部6に供給し、第1貯水部5の水面が縦壁部31の下端位置に達するまで、第1貯水部5の水を排出するため、この第1貯水部5には底部間隙Gと等しい水深の水が残留するものの殆どの量の水が排出し、第2貯水部6の略全量の水を排出する。
尚、掃気制御の後には、図5に示すように、第1貯水部5には、縦壁部31の下端位置まで水面が低下した量の水が残留する。燃料電池は発電を停止した後において内部に残留した僅かな水が排出され、気液分離器Aの第1貯水部5に流れ込むものの、第1貯水部5に残留する水は僅かであるため、この水は第1貯水部5に蓄えられることになり第2貯水部6に流れ込み凍結する不都合を解消できる。
〔加熱部〕
図2、図4、図5、図7~図9に示すように、加熱部Bは、加熱ケース40と、この加熱ケース40の内部空間40aに収容される発熱体41と、加熱ケース40の基端部40gに連結するカバー体42とを備えている。
加熱ケース40はアルミニウム等、熱伝導に優れた金属材で形成されている。発熱体41は、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータのように電流の供給により発熱する発熱体が用いられている。
図7~図9に示すように、加熱ケース40は、先端が封止された水密型となっており、鉛直方向(上下方向)の寸法が、横方向の寸法より長い角筒状の成形物であり、基端に基端開口40dが形成され、この基端開口40dの外周部位にフランジ部40fが形成されている。特に、この加熱ケース40は、先端の下部位置に加熱ケース40の長手方向に沿って突出する突出加熱部40bを一体的に形成している。
更に、加熱ケース40は、側面のうち、一対の鉛直方向の外壁に放熱用の複数のフィン40cが縦向きに伸びる姿勢で形成されている。また、加熱ケース40の上面と下面とは平坦面に形成されている。尚、上面については、側面に水を流すために上側に突出する湾曲面や屋根状の一対の傾斜面を備えても良い。
突出加熱部40bは、図4、図5に示すように収納凹部25に嵌め込むように収容されるものであり、オリフィス流路26に向かう方向の端部に、オリフィス流路26の方向に開放する開口部40bsが形成された円筒状に成形されている。この円筒状の突出加熱部40bの筒内空間が加熱流路40hとして構成され、この突出加熱部40bの外径を、収納凹部25の内径より小さくすることにより、突出加熱部40bの外周と収納凹部25の内周との間に隙間を形成している。
突出加熱部40bの筒内空間は、断面形状が円形であり、前述したように筒内空間が加熱流路40hとして構成されている。この加熱流路40hの流路断面積が、オリフィス流路26の流路断面積より大きく設定されている。また、突出加熱部40bの基端位置(加熱ケース40との境界位置)には、第2貯水部6の水を吸引して加熱流路40hに供給する複数の吸引孔40btが形成されている。吸引孔40btは、突出加熱部40bの底部と、両側部との3箇所に形成され、これら複数の吸引孔40btの開口面積を合計した値を、加熱流路40hの流路断面積の値より大きくしている。
図9に示すように、加熱ケース40は、内部空間40aが基端開口40dを基準に先端側ほど先細りとなる姿勢の一対の傾斜内壁40asが形成されている。この一対の傾斜内壁40asは、複数のフィン40cが形成された一対の側面の内側に配置されている。
カバー体42は、絶縁性の樹脂材料を用い、連結部42aと、コネクタ部42bと、押圧体42cとが一体的に形成されている。
図2、図8、図9に示すように、連結部42aは、加熱ケース40の長手方向に直交する方向に張り出す一対の姿勢に形成され、両外端側に固定ボルト8が挿入されるボルト挿通孔42atが形成されている。この連結部42aのプレート状部の中央部分の外面側(加熱ケース40の反対側)に前記コネクタ部42bが突設され、内面側に押圧体42cが突設されている。
コネクタ部42bは、発熱体41に電流を供給するための端子が連結するために形成され、このコネクタ部42bから押圧体42cに対して電流を供給する一対の導体43が一部埋め込まれている。一対の導体43のうち、押圧体42cにおいて露出する部分を屈曲させて電気接点43aが形成されている。
図7~図9に示すように、押圧体42cは、一対の傾斜内壁40asに対向する位置の夫々に、傾斜面42csが形成され、一方の傾斜面42csに一対の電気接点43aを露出させている。
発熱体41は、薄板状に成形され、電気接点43aが接触する一対の電極が形成されている。この加熱部Bでは、発熱体41と加熱ケース40の傾斜内壁40asとの間に絶縁プレート44と熱伝導シート45とが密着状態で配置されている。
また、加熱ケース40のフランジ部40fと、カバー体42の連結部42aのうちフランジ部40fの一方の面と対向する部位に環状のシール材46が配置されている。更に、ブロック状部23の外面で挿入口20aを取り囲む領域と、カバー体42のフランジ部40fの他方の面に対向する部位に環状のシール体47が配置されている。
これにより、加熱部Bは、発熱体41と、絶縁プレート44と、熱伝導シート45とを重ねた状態で、押圧体42cとともに基端開口40dから加熱ケース40の内部空間40aに挿入される。このように挿入されることにより、一対の傾斜内壁40asの一方に押圧体42cの傾斜面42csが接触すると同時に、一対の傾斜内壁40asの他方に熱伝導シート45が接触し、この接触に伴う圧力により、この熱伝導シート45と、絶縁プレート44と発熱体41とが圧着する状態に達し、良好な熱伝導を実現している。
この実施形態では、発熱体41と、傾斜内壁40asとの間に、絶縁プレート44と、熱伝導シート45とを配置しているが、これに代えて、良好な熱伝導を行い、絶縁性を有する単一の部材を用いることが可能である。また、熱伝導シート45に代えて熱伝導が良好な樹脂材を塗布する形態で用いることも可能である。
〔加熱部の配置〕
図4、図5に示すように、加熱部Bは、加熱ケース40の下面と第2貯水部6の底面との間に水の流動が可能な隙間を形成するように第2貯水部6の底部に配置される。また、この配置により、突出加熱部40bは、この突出加熱部40bの外周と収納凹部25との間に水の流動が可能な隙間を形成するように収納凹部25に嵌め込まれた状態で収容される。
図1に示す位置に対する加熱部Bの配置を可能にするため、下部ハウジング20には、加熱ケース40の挿入を可能にする挿入口20aが形成され、この挿入口20aの近傍位置に固定ボルト8が螺合する一対の締結部20bが形成されている。
これにより、例えば、図9に示すように加熱部Bを予め組み立てておき、この加熱部Bの加熱ケース40を挿入口20aから下部ハウジング20の内部に挿入し、固定ボルト8をカバー体42のボルト挿通孔42atに挿通し、下部ハウジング20の締結部20bに螺合させることで加熱部Bが下部ハウジング20に固定される。
また、加熱部Bを下部ハウジング20に固定した状態では、加熱ケース40のフランジ部40fが挿入口20aの外周部分に当接した状態で、固定ボルト8の締結力が、カバー体42と一体的に押圧体42cを加熱ケース40の内部空間40aに挿入する方向に作用することになる。
この力の作用により、図9に示すように一方の傾斜内壁40asに対して押圧体42cの一方の傾斜面42csが接触する状態で、他方の傾斜内壁40asと、他方の傾斜面42csとの間に発熱体41と絶縁プレート44と熱伝導シート45とが挟み込まれる結果、絶縁プレート44と熱伝導シート45とが密着する状態に達し、発熱体41の熱を良好に加熱ケース40の外面及び突出加熱部40bに伝える状態となる。
この気液分離器Aは、燃料電池車が燃料電池の発電が停止した状態で屋外等に駐車された場合のように、第2貯水部6の底部に残留した水が凍結した場合でも加熱部Bの熱により複数のフィン40cを含む加熱ケース40の外面が加熱され、凍結部分を短時間で解氷させる機能を有することになる。
更に、この気液分離器Aでは、燃料電池車を寒冷地で走行させる場合に燃料電池で発電された電流の一部を、加熱部Bに供給することにより、加熱ケース40の外面及び突出加熱部40bが加熱され、第2貯水部6の底部から、収納凹部25とオリフィス流路26とに亘る領域に熱を伝え、この領域の氷結を防止することも可能にするのである。
〔実施形態の作用効果〕
このように、気液分離器Aは、第2貯水部6の底部に配置した加熱部Bの熱によって加熱ケース40の外面及び突出加熱部40bが加熱され、第2貯水部6の底部から収納凹部25とオリフィス流路26とに亘る領域の温度上昇を図ることが可能であり、この加熱によりオリフィス流路26の凍結を解消し、開閉弁Vを開放した場合には確実な排水を可能にする。
特に、加熱部Bは、加熱ケース40が第2貯水部6に貯留された水に対して直接的に接触するため、第2貯水部6の水の温度上昇を効率的に行える。
また、気液分離器Aは、収納凹部25とオリフィス流路26との領域の加熱を可能にするため、加熱部Bの加熱ケース40に形成した突出加熱部40bを収納凹部25に嵌め込んでいる。このような配置により、収納凹部25の内部の水を突出加熱部40bの外面で加熱し、第2貯水部6の水を、突出加熱部40bの基端位置の複数の吸引孔40btで吸引し、突出加熱部40bの内部の加熱流路40hで加熱し、このように加熱された水の熱でオリフィス流路26の凍結の解消も可能となる。
特に、複数の吸引孔40btの開口面積を合計した値を、加熱流路40hの流路断面積より大きくし、加熱流路40hの流路断面積をオリフィス流路26の流路断面積の値より大きくしているため、突出加熱部40bの筒内空間(加熱流路40h)に流れる水量と、突出加熱部40bの外周と収納凹部25の外周との間とに流れる水量とを合わせた水量の水をオリフィス流路26に流すことが可能となり、オリフィス流路26から水を排出する際に、収納凹部25での流路抵抗を増大させることもない。
加熱部Bは、加熱ケース40において水が縦に流れる面に複数のフィン40cを形成しているため、第2貯水部6に貯留されている水が複数のフィン40cに接触することで、効率的な温度上昇が可能となる。また、開閉弁Vが開放し、第2貯水部6の水を排出する際にも、流れる水の温度上昇を図ることが可能となる。
加熱ケース40が、基端開口40dを基準に先端側ほど先細りとなる傾斜内壁40asを有しているため、基端開口40dから加熱ケース40の内部空間40aに発熱体41と絶縁プレート44と熱伝導シート45とを挿入し、この挿入が進むほど発熱体41と絶縁プレート44と熱伝導シート45とを密着させる状態で、これらを傾斜内壁40asに強く接触させることが可能となる。
これにより、発熱体41等を加熱ケース40の傾斜内壁40asに接触させる方向に力を作用させるための特別の工程を必要とすることなく、傾斜内壁40asに発熱体41等を隙間なく接触させて良好な熱伝導を実現する。
更に、気液分離器Aが、開閉弁Vを開放した際に第1貯水部5の水を、制御壁24をオーバーフローさせて第2貯水部6に供給するように仕切部材30を備え、この仕切部材30との相対的な位置関係を決めている。そのため、燃料電池の発電を停止する際に掃気制御により開閉弁Vを開放することにより第2貯水部6の水の全量を排出し、この第2貯水部6に対して第1貯水部5からの水が流れ込む現象が抑制されるため、第2貯水部6から収納凹部25、オリフィス流路26の夫々に残留する水の量を極めて少なくし、この部位での水の凍結を抑制し、加熱部Bを加熱した場合には、短時間で氷結を解消する。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
(a)気液分離器Aは、第1貯水部5の水を、制御壁24をオーバーフローさせて第2貯水部6に供給するように仕切部材30を備えた構成に限るものでなく、例えば、ハウジングHの底部に単一の貯水部を備えたものであっても良い。
また、この別実施形態(a)のように単一の貯水部を備えた構成において、オリフィス流路26より上流側に収納凹部25を備えない構成であっても良い。
(b)加熱部Bの加熱ケース40は、角筒状に限らず、断面形状が円筒形、多角形、楕円形等の形状であっても良い。また、加熱ケース40の外面にフィン40cを形成する場合には、直線状に限らず、波状に形成することや。多数の突起を形成する構成であっても良い。
(c)加熱ケース40に突出加熱部40bを形成する構成では、例えば、突出加熱部40bの長手方向に沿って、この突出加熱部40bの外面に複数の流路を溝状に形成することで、突出加熱部40bの表面積を拡大することも可能である。尚、この別実施形態(c)の構成では、溝状の流路が加熱流路40hとなる。更に、この別実施形態(c)の構成は、実施形態に記載したように円筒状に形成された突出加熱部40bに適用することも可能である。
本発明は、含水ガスから水を分離する気液分離器に利用することができる。
4 気液分離部
6 第2貯水部(貯水部)
25 収納凹部
26 オリフィス流路
27 排出流路
40 加熱ケース
40b 突出加熱部
40bt 吸引孔
40c フィン
40h 加熱流路
41 発熱体
A 気液分離器
B 加熱部
H ハウジング
V 開閉弁

Claims (6)

  1. 含水ガスが供給されるハウジングと、
    前記ハウジングの上部に配置され前記含水ガスから水を分離する気液分離部と、
    前記ハウジングの下部に配置され前記含水ガスから前記気液分離部により分離した水を貯留する貯水部と、
    前記貯水部より前記水が送られる排出流路と、
    前記貯水部に溜まった前記水に対し、前記排出流路への流れを遮断または開放して、開放時には、前記排出流路から前記水を前記ハウジングの外部へ排出する開閉弁と、
    前記貯水部に配置され、電流の供給により温度が上昇する発熱体を内部に有する加熱ケースを備え、
    前記加熱ケースには前記排出流路側に加熱流路が形成され、前記水が前記加熱流路を流れることにより加熱され
    前記排出流路の上流には流量を規制するオリフィス流路が配置され、前記オリフィス流路の一方は前記開閉弁に向けて配置され、前記オリフィス流路の他方は前記加熱流路に向けて配置され、
    前記ハウジングには、前記貯水部の前記オリフィス流路に繋がる収納凹部が形成され、前記加熱ケースは、外面から突出すると共に、前記発熱体による熱が伝達される突出加熱部を有し、前記突出加熱部には前記加熱流路が形成されており、前記突出加熱部が前記収納凹部内に配置されている気液分離器。
  2. 電流の供給により発熱する前記発熱体と、前記発熱体を内蔵し、且つ、前記貯水部に配置された前記加熱ケースとで加熱部が構成され、
    前記加熱部は、前記加熱ケースの外面に突出形成され、前記収納凹部に収容された前記突出加熱部を有し、
    前記突出加熱部は、前記加熱流路を内部に有している請求項に記載の気液分離器。
  3. 前記加熱流路の流路断面積が、前記排出流路の流路断面積より大きく設定されている請求項に記載の気液分離器。
  4. 前記突出加熱部の前記加熱流路が、前記排出流路に向けて開放する開口部を有する筒状に形成され、
    前記加熱部は、前記貯水部の前記水を前記突出加熱部の前記加熱流路に取り込み、前記排出流路の上流側の端部に送る吸引孔を有している請求項に記載の気液分離器。
  5. 前記吸引孔が、前記突出加熱部に複数形成され、複数の前記吸引孔の開口面積を加算した合計値が、前記加熱流路の流路断面積より大きく設定されている請求項に記載の気液分離器。
  6. 前記加熱部は、前記加熱ケースの外面に下方へと延びる複数の放熱用のフィンを有している請求項2~5のいずれか一項に記載の気液分離器。
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