以下に、本開示に係る車両用灯具の一例としての車両用灯具10の実施例1について図面を参照しつつ説明する。なお、各配光パターンを示す図7から図12では、車両用灯具10による照射の中心位置O(投影光軸Lp)を原点として水平線Hと鉛直線Vとが交差するスクリーン上で、明るさの分布を中に向かうほど明るさが高くなる等高線のように示している。
本開示に係る車両用灯具の一実施形態に係る実施例1の車両用灯具10を、図1から図12を用いて説明する。実施例1の車両用灯具10は、自動車等の車両の前照灯装置として用いられる。その前照灯装置は、車両の前部の左右両側にそれぞれ搭載され、開放された前端がアウターレンズ15(図5参照)で覆われたランプハウジングにより形成される灯室に車両用灯具10が設けられて構成される。車両用灯具10は、上下方向用光軸調整機構や左右方向用光軸調整機構を介して灯室に設けられ、車両の前方を適宜照射する。以下の説明では、車両用灯具10において、搭載される車両が進行する方向を前後方向(図面ではZとする)とし、前後方向を水平面に沿う状態とした際の鉛直方向を上下方向(図面ではYとする)とし、前後方向および上下方向に直交する方向(水平方向)を幅方向(図面ではXとする)とする。ここで、車両用灯具10は、車両の右側に設けられるものと左側に設けられるものとで基本的に等しい構成とされつつ幅方向(左右)で反転されたものであるので、以下では、右側に設けられる車両用灯具10を用いて説明する。
実施例1の車両用灯具10は、図1、図2に示すように、取付部材11に、光源部12とリフレクタ部材13と投影レンズ14とが取り付けられて、プロジェクタタイプの灯具ユニットを構成する。取付部材11は、光源部12が設けられる箇所であり、熱伝導性を有するアルミプレートやアルミダイカストや樹脂で形成され、全体として光源部12で発生する熱を外部に逃がすヒートシンクとして機能する。取付部材11は、光源取付部21とレンズ取付部22とを有する。
光源取付部21は、上下方向に直交する平板状とされ、所定の位置に光源部12が取り付けられる。この光源取付部21には、3つの遮光壁23が設けられている。各遮光壁23は、光源取付部21と直交するように上下方向の上側へと突出する板状とされており、光源部12の後述する第1光源31、第2光源32、第4光源34に個別に対応されている。各遮光壁23は、対応する光源に対して前後方向の前側に設けられており、対応する光源からの光を吸収したり拡散させたりする。各遮光壁23は、投影光軸Lp上の中心位置Oで水平線Hと鉛直線Vとが交差するスクリーン上において、対応する光源からの光が形成する後述するすれ違い用配光パターンLPにおけるカットオフラインCLの上方を照らすことを防止するもので、対応する光源に対する位置が設定されている。
レンズ取付部22は、上下方向に略直交する平板状とされ、光源取付部21の前後方向の前側に設けられ、段差をつけて光源取付部21よりも上下方向の下側に位置されている。レンズ取付部22は、投影レンズ14を取り付ける箇所を構成するもので、光源取付部21に取り付けられた光源部12の前後方向の前側に投影レンズ14を位置させる。
この取付部材11では、4つの位置決め孔11aと3つのネジ通し孔11bとが設けられている。各位置決め孔11aと各ネジ通し孔11bとは、対を為して設けられている。各位置決め孔11aは、後述するリフレクタ部材13の位置決め突起13aを嵌め入れることが可能とされている。各ネジ通し孔11bは、ネジ24を通すことが可能とされている。この取付部材11では、複数の放熱フィンを設けることができ、光源取付部21に取り付けられた光源部12で発生した熱を主に各放熱フィンから外部に放熱することとしてもよい。この取付部材11は、図示しないブラケットを介して、ランプハウジングに固定される。取付部材11では、冷却効率を高めるために適宜冷却ファンユニットを設けるものとしてもよい。
光源部12は、第1光源31と、第2光源32と、第3光源33と、第4光源34(図2等参照)と、コネクタ端子35と、それらが実装される基板36と、を有する。この4つの光源(31から34)は、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子で構成されている。4つの光源(31から34)は、後述する各リフレクタ部(41から44)に対応する位置に設けられている。この位置関係については後述する。
コネクタ端子35は、基板36の配線パターンと電気的に接続されており、点灯制御回路に接続された接続コネクタが着脱自在とされている。コネクタ端子35は、基板36の上下方向の下側の端部に設けられており、接続コネクタの着脱が容易とされている。コネクタ端子35は、接続コネクタが取り付けられることで、配線パターンを介する点灯制御回路から各光源(31から34)への電力の供給を可能とする。
基板36は、アルミ基板で形成された板状とされ、各光源(31から34)が実装される。なお、基板36は、ガラスエポキシ基板等の樹脂材料で形成されていてもよく、他のもので形成されていてもよい。基板36には、各光源(31から34)とコネクタ端子35とを電気的に接続する配線パターンが設けられている。また、基板36では、取付部材11の光源取付部21の真ん中の位置決め孔11aに対応して位置決め孔36aが設けられるとともに、その近くのネジ通し孔11bに対応してネジ通し孔36bが設けられている。この基板36は、後述するリフレクタ部材13の位置決め突起13aが位置決め孔36aに通されつつ、ネジ通し孔36bに通されたネジ24が後述するリフレクタ部材13のネジ孔13bに捻じ込まれることにより、取付部材11(光源取付部21)とリフレクタ部材13との間に取り付けられる。すると、基板36は、実装された各光源(31から34)を、それぞれが対応するリフレクタ部(41から44)に対向させる。基板36は、コネクタ端子35を介して点灯制御回路から電力を適宜供給して各光源(31から34)を適宜点灯させる。
基板36には、第1光源31、第2光源32、第4光源34のそれぞれの前方に遮光壁スリット37が設けられている。この各遮光壁スリット37は、対応する光源の前方に位置されており、取付部材11の光源取付部21に設けられた各遮光壁23を受け入れることが可能とされている。このため、光源部12では、取付部材11とリフレクタ部材13との間に取り付けられた際、第1光源31、第2光源32、第4光源34のそれぞれの前方に遮光壁スリット37を通して遮光壁23を位置させることができる。これにより、光源部12では、第1光源31、第2光源32、第4光源34からの光が、後述するすれ違い用配光パターンLPにおけるカットオフラインCLの上方を照らすことを防止できる。
リフレクタ部材13は、樹脂材料からなる成形品とされ、第1リフレクタ部41と、第2リフレクタ部42と、第3リフレクタ部43と、第4リフレクタ部44(図2等参照)と、が一体的に設けられている。各リフレクタ部(41から44)は、対応する光源(31から34)を覆うように湾曲された形状とされた反射面Rsを有し、その各反射面Rsが対応する光源(31から34)から出射された光を投影レンズ14側へと反射する。この各反射面Rsは、各リフレクタ部(41から44)の内側に設けられている。各反射面Rsは、対応する光源(31から34)(その中心位置またはその近傍)を第1焦点とし、対応する投影レンズ14の後述するレンズ部(51から54)の近傍を第2焦点とする楕円を基本とした椀状の自由曲面とされている。これにより、各リフレクタ部(41から44)は、第1焦点の近傍の各光源(31から34)から出射された光を、効率よく対応するレンズ部(51から54)へと進行させることができる。この各リフレクタ部(41から44)の位置関係等については後述する。
リフレクタ部材13には、図2から図4に示すように、4つの位置決め突起13aと、3つのネジ孔13bと、が設けられている。各位置決め突起13aは、各リフレクタ部(41から44)からの光路を阻害しない位置で上下方向の下側に突出された棒状とされている。各ネジ孔13bは、各リフレクタ部(41から44)からの光路を阻害しない位置で対応する位置決め突起13aの近傍に設けられ、ネジ24を捻じ込んで固定することが可能とされている。リフレクタ部材13は、光源取付部21との間に光源部12を介在させた状態で、各位置決め突起13aにより位置決めされつつ各ネジ孔13bにネジ24が捻じ込まれることにより、取付部材11に固定される。すると、光源部12は、取付部材11の光源取付部21の上面(21a)に固定されるので、その上面(21a)が、光源部12(その各光源(31から34))およびリフレクタ部材13の各リフレクタ部(41から44)が取り付けられる取付面21aとなる。
このリフレクタ部材13では、3つの区画壁部25が設けられている。各区画壁部25は、投影レンズ14の後述する第1レンズ部51と第2レンズ部52との間と、第2レンズ部52と第3レンズ部53との間と、第3レンズ部53と第4レンズ部54との間と、に位置されており、上下方向に伸びる板状とされている。この各区画壁部25は、後述する各照射ユニット(61から64)を通る光が隣接する他の照射ユニットへと進行することを防止する。
投影レンズ14は、図3から図6等に示すように、リフレクタ部材13(その各反射面Rs)で反射された光を車両の前方へ投影し、それらと協働して所定の配光パターンを形成する。この投影レンズ14は、樹脂材料からなる成形品とされており、第1レンズ部51と、第2レンズ部52と、第3レンズ部53と、第4レンズ部54(図2等参照)と、が一体的に設けられている。各レンズ部(51から54)は、対応するリフレクタ部(41から44)と対向する位置、すなわち対応する光源(31から34)からの光がリフレクタ部(41から44)により反射される方向に位置されている。具体的には、投影レンズ14では、幅方向において、車両の内側(図4では右側で、図5では左側)から、第4レンズ部54、第1レンズ部51、第2レンズ部52、第3レンズ部53の順に設けられている。
この各レンズ部(51から54)は、対応するリフレクタ部(41から44)の後述する奥壁箇所(41bから44b)の近傍に焦点(後側焦点)が位置されている。各レンズ部(51から54)は、対応するリフレクタ部(41から44)からの光を照射することで、車両用灯具10による照射の中心位置Oを原点として水平線Hと鉛直線Vとが交差するスクリーン上において、光学特性に応じた位置に奥壁箇所(41bから44b)(その近傍の所定の領域)の複数の配光像を適宜重ねて形成する。この光学特性は、各レンズ部(51から54)の曲率(面形状)を場所毎に調整することで設定でき、実施例1ではその曲率を漸次的に変化させて設定されている。
第1レンズ部51は、凸レンズとされ、第2レンズ部52は、凹レンズとされ、第3レンズ部53は、凹レンズとされ、第4レンズ部54は、凹レンズとされている。そして、第4レンズ部54および第1レンズ部51は、幅方向に伸びるものとされている。その第1レンズ部51に隣接する第2レンズ部52は、外側に向かうに連れて後側に変位するように第1レンズ部51よりも少し後側へと傾けられている。その第2レンズ部52に隣接する第3レンズ部53は、外側に向かうに連れて後側に変位するように第2レンズ部52よりも大きく後側へと傾けられている。実施例1の第3レンズ部53は、その軸線が第3リフレクタ部43の後述する第3投影光軸Lp3と一致されており、前後方向に対して40度から80度の間で外側へと傾けられ、実施例1ではこの傾きが60度とされている。これにより、投影レンズ14は、全体として、幅方向で内側から外側へと向かうに従って前後方向の後側へと向かう(スラントする)ものとされ、アウターレンズ15(図5参照)と同じような形状とされて一体感のある見た目にできる。
ここで、実施例1の投影レンズ14では、第1レンズ部51が、第1出射面51aが略平滑な湾曲面とされつつ、第1入射面51bが第1光源31(第1リフレクタ部41)側に膨らむ凸面とされることで凸レンズとされている。また、第2レンズ部52は、第2出射面52aが略平滑な湾曲面とされつつ、第2入射面52bが第2光源32(第2リフレクタ部42)とは反対側に凹む凹面とされることで凹レンズとされている。さらに、第3レンズ部53は、第3出射面53aが略平滑な湾曲面とされつつ、第3入射面53bが第3光源33(第3リフレクタ部43)とは反対側に凹む凹面とされることで凹レンズとされている。そして、第4レンズ部54は、第4出射面54aが略平滑な湾曲面とされつつ、第4入射面54bが第4光源34(第4リフレクタ部44)とは反対側に凹む凹面とされることで凹レンズとされている。この各入射面(51bから54b)は、後述する各照射ユニット(61から64)における光学設定に応じて曲率が設定されている。
そして、実施例1の投影レンズ14では、幅方向の内側から、第4出射面54aと第1出射面51aと第2出射面52aとを連続して並べて設けており、単一の湾曲面を形成している。ここで、単一の湾曲面とは、屈曲箇所がなく、曲率の変化が連続したものとされていることをいう。これにより、実施例1の投影レンズ14では、第1レンズ部51と第2レンズ部52と第4レンズ部54とが後述するように異なる光学特性とされているにも拘らず,第4出射面54aと第1出射面51aと第2出射面52aとが単一の面を形成しているように見せることができ、見栄えを向上させている。
加えて、実施例1の投影レンズ14では、第3レンズ部53の第3出射面53aを、単一の湾曲面としている。また、実施例1の投影レンズ14では、第2レンズ部52(その第2出射面52a)と第3レンズ部53(その第3出射面53a)との間に屈曲面部55を設けている。この屈曲面部55は、第2レンズ部52の第2出射面52aと、第3レンズ部53の第3出射面53aと、の間に屈曲しつつ連続する箇所を形成している。すなわち、第2出射面52aと第3出射面53aとは、それぞれが異なる方向へと延びる単一の湾曲面とされているが、それらが屈曲面部55により方向を変化させつつ連続するものとされている。これにより、投影レンズ14では、4つの出射面(51aから54a)を、凹凸がなく滑らかな2つの湾曲面で構成された全体として纏まりのある一体のデザインとしつつ、外側へと向かうに従って後側へと向かう(スラントする)ものにできる。また、投影レンズ14では、第2レンズ部52を後述する第2照射ユニット62の第2投影光軸Lp2と略直交するものとしつつ、第3レンズ部53を後述する第3照射ユニット63の第3投影光軸Lp3と略直交するものにできる。
また、実施例1の投影レンズ14では、第2レンズ部52から第3レンズ部53の入射面側において、滑らかに連続しつつ緩やかに湾曲された共通の基準曲線が設定され、第2入射面52bと第3入射面53bとを基準曲線に対して凹む凹面としている。このため、第2入射面52bと第3入射面53bとは、間に段差を生じさせることなく隣り合わせることができ、段差に起因する光により各配光パターンP上に意図しない明暗が形成されることを防止できる。また、第2入射面52bと第3入射面53bとは、互いに凹面とされているので、一方の照射ユニットの入射面が凹面とされるとともに他方の照射ユニットの入射面が凸面とされていることと比較して、一方の照射ユニットからの光が他方の照射ユニットの入射面に入射することを抑制できる。
投影レンズ14には、図2から図4等に示すように、2つの位置決め孔14aと、1つのネジ通し孔14bと、が設けられている。各位置決め孔14aは、幅方向で各レンズ部(51から54)が設けられた領域の外側の双方に1つずつ設けられており、リフレクタ部材13の対応する位置決め突起13aを嵌め入れることが可能とされている。ネジ通し孔14bは、ネジ24を通すことが可能とされている。この投影レンズ14は、リフレクタ部材13の各位置決め突起13aが位置決め孔14aに通されつつ、ネジ通し孔14bに通されたネジ24がリフレクタ部材13のネジ孔13bに捻じ込まれることにより、取付部材11(レンズ取付部22)とリフレクタ部材13との間に取り付けられる。これにより、投影レンズ14は、各レンズ部(51から54)が対応するリフレクタ部(41から44)に対向される位置関係とされる。
次に、各リフレクタ部(41から44)の位置関係等について説明する。先ず、各リフレクタ部(41から44)は、対応する光源(31から34)やレンズ部(51から54)と協働して、それぞれが所定の配光パターンを形成する照射ユニットを形成する。詳細には、第1リフレクタ部41は、第1光源31と第1レンズ部51とで第1照射ユニット61を構成し、第2リフレクタ部42は、第2光源32と第2レンズ部52とで第2照射ユニット62を構成する。また、第3リフレクタ部43は、第3光源33と第3レンズ部53とで第3照射ユニット63を構成し、第4リフレクタ部44は、第4光源34と第4レンズ部54とで第4照射ユニット64を構成する。
ここで、各照射ユニット(61から64)では、それぞれのリフレクタ部(41から44)の軸線をそれぞれにおける投影光軸Lpとしている。その軸線(各投影光軸Lp)は、各反射面Rsにおいて基本とした楕円の長径としている。以下では、第1照射ユニット61の軸線を第1投影光軸Lp1とし、第2照射ユニット62の軸線を第2投影光軸Lp2とし、第3照射ユニット63の軸線を第3投影光軸Lp3とし、第4照射ユニット64の軸線を第4投影光軸Lp4とする(図4参照)。
第1照射ユニット61では、図3から図5等に示すように、第1リフレクタ部41が、幅方向で中央側に設けられており、その第1投影光軸Lp1が前後方向に一致されている。この第1投影光軸Lp1は、車両用灯具10における投影光軸Lpとしても機能する。この第1リフレクタ部41は、水平面上において椀状とされて光が出射される開放端41aが前後方向の前側に位置され、椀状の頂点となる奥壁箇所41bが前後方向の後側に位置されている。第1リフレクタ部41の前後方向の前側すなわち第1投影光軸Lp1上には、投影レンズ14の第1レンズ部51が位置されている。
この第1リフレクタ部41では、奥壁箇所41bの下端がカットオフ形成面41cとされている(図3、図4等参照)。このカットオフ形成面41cは、カットオフラインCLを形成するために、下端が高さの異なる2つの水平エッジが傾斜エッジで繋ぎ合わされた形状とされている。第1リフレクタ部41は、図6に示すように、その反射面Rsの第1焦点(その近傍)に位置する第1光源31からの光を、第1レンズ部51へ向けて反射する。その第1レンズ部51は、図4に示すように、第1リフレクタ部41で反射された光を第1投影光軸Lp1方向へと投影する。このとき、第1レンズ部51は、凸レンズとされているので、第1リフレクタ部41からの光を集光させつつ、第1投影光軸Lp1方向へと進行させる。そして、第1レンズ部51は、カットオフ形成面41cを含む奥壁箇所41bの配光像を、投影光軸Lp(第1投影光軸Lp1)上で水平線Hと鉛直線Vとが交差するスクリーン上に形成する。なお、カットオフ形成面41cは、車両用灯具10が車両の左側に設けられるものの場合でも、その傾斜の方向および高さの関係は幅方向で反転されない。すなわち、車両用灯具10は、車両の右側と左側とで幅方向で反転されたものとされるが、カットオフ形成面41cの傾斜に関しては互いに等しい向きとされる。
これにより、第1照射ユニット61は、図7に示すように、上記のスクリーン上において、第1光源31からの光を集光した集光配光パターンとしての第1配光パターンP1を形成する。この第1配光パターンP1は、高さの異なる2つの水平エッジが傾斜エッジで繋ぎ合わされたカットオフラインCLが上側に設けられている。第1配光パターンP1は、投影光軸Lp上にカットオフラインCLを位置させるとともに、そのカットオフラインCLの下方に光を集めて明るさが強調され、カットオフラインCLの明暗を明確とされている。
第2照射ユニット62では、図3から図5等に示すように、第2リフレクタ部42が、第1リフレクタ部41と幅方向の外側で隣り合って設けられている。第2リフレクタ部42は、その第2投影光軸Lp2が前後方向に一致されるまたは前後方向よりも外側に僅かに傾けられている。この第2リフレクタ部42は、水平面上において椀状とされて光が出射される開放端42aが前後方向の前側に位置され、椀状の頂点となる奥壁箇所42bが前後方向の後側に位置されている。第2リフレクタ部42の前後方向の前側すなわち第2投影光軸Lp2上には、投影レンズ14の第2レンズ部52が位置されている。第2リフレクタ部42は、第1リフレクタ部41よりも幅方向の外側でその第1リフレクタ部41と隣り合わせており、第2レンズ部52は、第1レンズ部51よりも幅方向の外側でその第1レンズ部51と隣り合わせている。
第2リフレクタ部42は、図6に示すように、その反射面Rsの第1焦点(その近傍)に位置する第2光源32からの光を、第2レンズ部52へ向けて反射する。その第2レンズ部52は、図4に示すように、第2リフレクタ部42で反射された光を第2投影光軸Lp2へと投影する。このとき、第2レンズ部52は、凹レンズとされつつ第2投影光軸Lp2が外側に少し傾けられているので、第2リフレクタ部42からの光を拡散させつつ、第2投影光軸Lp2方向すなわち投影光軸Lp(第1投影光軸Lp1)よりも幅方向で少し外側(図4、図6では左側)へと進行させる。そして、第2レンズ部52は、奥壁箇所42bの複数の配光像を、投影光軸Lp上で水平線Hと鉛直線Vとが交差するスクリーン上に適宜重ねて形成する。実施例1の第2レンズ部52では、凹面とされた第2入射面52bの凹みの度合い、すなわち第2入射面52bの曲率が、第3入射面53bよりも小さいとともに、第4入射面54bよりも大きくされている。
これにより、第2照射ユニット62は、図8に示すように、上記のスクリーン上において、第2光源32からの光を大きく拡散した大拡散配光パターンとしての第2配光パターンP2を形成する。この第2配光パターンP2は、明るさの中心を投影光軸Lpよりも幅方向の外側(右側)に位置させている。第2配光パターンP2は、第1配光パターンP1のカットオフラインCLの下方において、部分的に第1配光パターンP1に重複させつつその外側に大きく拡がるとともに第1配光パターンP1よりも広範な領域を明るくされている。
第3照射ユニット63では、図3から図5等に示すように、第3リフレクタ部43が、幅方向で第1リフレクタ部41と第2リフレクタ部42との間であって、前後方向で第1リフレクタ部41および第2リフレクタ部42の前側に設けられている。換言すると、第3リフレクタ部43は、第1リフレクタ部41(その開放端41a)および第2リフレクタ部42(その開放端42a)と前後方向で接触する位置まで前方に位置されることにより、幅方向で隣接する第1リフレクタ部41と第2リフレクタ部42との間に位置されている。この第3リフレクタ部43は、その第3投影光軸Lp3が前後方向に対して40度から80度の間で外側へと傾けられており、実施例1ではこの傾きが60度とされている。
この第3リフレクタ部43は、水平面上において椀状とされて光が出射される開放端43aが前後方向の前側に位置され、椀状の頂点となる奥壁箇所43bが前後方向の後側に位置されている。第3リフレクタ部43と対向する位置すなわち第3投影光軸Lp3上には、投影レンズ14の第3レンズ部53が位置されている。この第3レンズ部53は、上記のように幅方向で第2レンズ部52よりも外側に位置されている。これは、第3リフレクタ部43は、幅方向で第1リフレクタ部41と第2リフレクタ部42との間に位置されているが、第3投影光軸Lp3が外側に60度傾斜されていることによる。このように、幅方向において、第2リフレクタ部42と第3リフレクタ部43との並びの順番と、第2レンズ部52と第3レンズ部53との並びの順番と、が逆転されている。このため、第2照射ユニット62と第3照射ユニット63とは、互いの光路(両投影光軸Lp2、Lp3)が交差されている。
また、第3リフレクタ部43は、第3投影光軸Lp3が大きく傾斜されることにより、第1リフレクタ部41や第2リフレクタ部42に対して、大きく外側に傾けた姿勢とされている。このため、第3リフレクタ部43では、奥壁箇所43bの近傍(第3光源33)が、第1光源31の前後方向の前側に位置されている。ここで、第1照射ユニット61の光路、すなわち第1配光パターンP1を形成するために用いられる第1光源31からの有効な光が第1リフレクタ部41で反射されて第1レンズ部51へと進行する軌跡は、第1リフレクタ部41から第1レンズ部51へと至る中間位置で幅方向での寸法が小さくされている(図6参照)。そして、第3リフレクタ部43は、第1照射ユニット61における光の進行を阻害することを可能な限り抑制できるように、第1照射ユニット61の光路の態様(上記した有効な光の軌跡)に合わせて、第1光源31の前側に配置されている。換言すると、第3リフレクタ部43は、第1照射ユニット61の光路を阻害することを抑制できるように、第1照射ユニット61の光路上での位置と大きさとが設定されている。
また、第3リフレクタ部43では、開放端43a側の半分以上が、第2照射ユニット62の光路上、すなわち第2配光パターンP2を形成するために用いられる第2光源32からの有効な光が第2リフレクタ部42で反射されて第2レンズ部52へと進行する軌跡の上に位置されている。ここで、第3リフレクタ部43では、第3投影光軸Lp3を挟んだ一方が第2光源32(第2リフレクタ部42)側に位置するとともに、第3投影光軸Lp3を挟んでその反対側となる他方が第2レンズ部52側に位置する。そして、第3リフレクタ部43では、一方の第2光源32側に光源側切欠部45が設けられているとともに、他方の第2レンズ部52側に反対側切欠部46が設けられている。この光源側切欠部45および反対側切欠部46は、第2リフレクタ部42で反射されて第2レンズ部52へ向かう第2光源32からの光の進行を阻害することを防ぐために、第3リフレクタ部43が部分的に切り欠かれて形成されている。実施例1の光源側切欠部45および反対側切欠部46は、第2投影光軸Lp2またはその近傍を中心として湾曲状に切り欠かれている。
実施例1では、第2照射ユニット62の光路は、第1リフレクタ部41から第1レンズ部51へと至る中間位置で幅方向での寸法が小さくされている(図6参照)。このため、光源側切欠部45は、反対側切欠部46よりも大きく切り欠かれたもの、すなわち反対側切欠部46よりも大きな曲率半径とされている。換言すると、第3リフレクタ部43では、第2照射ユニット62の光路を阻害することを抑制しつつ、第3リフレクタ部43における反射面Rsを可能な限り大きくするように、光源側切欠部45を大きく切り欠くものとし、それよりも反対側切欠部46を小さく切り欠くものとしている。これにより、両切欠部(45、46)は、第2照射ユニット62および第3照射ユニット63の双方の光路をバランスよく確保することを可能としており、第2配光パターンP2および第3配光パターンP3の双方を適切に形成することを可能としている。
第3リフレクタ部43は、図6に示すように、その反射面Rsの第1焦点(その近傍)に位置する第3光源33からの光を、第3レンズ部53へ向けて反射する。その第3レンズ部53は、図4に示すように、第3リフレクタ部43で反射された光を第3投影光軸Lp3へと投影する。このとき、第3レンズ部53は、凹レンズとされつつ第3投影光軸Lp3が外側に大きく傾けられているので、第3リフレクタ部43で反射された光を拡散させつつ、第3投影光軸Lp3方向すなわち投影光軸Lp(第1投影光軸Lp1)よりも幅方向で大きく外側(図4、図6では左側)へと進行させる。そして、第3レンズ部53は、奥壁箇所43bの複数の配光像を、投影光軸Lp上で水平線Hと鉛直線Vとが交差するスクリーン上に適宜重ねて形成する。実施例1の第3レンズ部53では、他の凹面の入射面(52b、54b)と比較して、第3入射面53bの凹みの度合い、すなわち第3入射面53bの曲率が大きくされている。
これにより、第3照射ユニット63は、図9に示すように、上記のスクリーン上において、第3光源33からの光を拡散して第3配光パターンP3を形成する。この第3配光パターンP3は、明るさの中心を投影光軸Lpよりも大きく幅方向の外側(右側)に位置させている。第3配光パターンP3は、第2配光パターンP2と一部を重複させつつ、その幅方向の外側(右側)の広範な領域を明るくする。第3配光パターンP3は、後述するすれ違い用配光パターンLPの側方を照射することができ(図11参照)、すれ違い用配光パターンLPだけでは死角となり得る位置を照らすことのできる所謂側方配光パターンとして機能する。この第3配光パターンP3は、実施例1では、中心位置O(投影光軸Lp)から水平線Hに沿って外側の30度から90度の範囲を明るくしている。
第4照射ユニット64では、図3から図5等に示すように、第4リフレクタ部44が、第1リフレクタ部41の幅方向の内側でその第1リフレクタ部41と隣り合って設けられている。第4リフレクタ部44は、その第4投影光軸Lp4が前後方向に一致されるまたは前後方向よりも内側に僅かに傾けられている。この第4リフレクタ部44は、水平面上において椀状とされて光が出射される開放端44aが前後方向の前側に位置され、椀状の頂点となる奥壁箇所44bが前後方向の後側に位置されている。第4リフレクタ部44の前後方向の前側すなわち第4投影光軸Lp4上には、投影レンズ14の第4レンズ部54が位置されている。ここで、第4リフレクタ部44は、幅方向の内側で第1リフレクタ部41と隣り合わせており、第2レンズ部52は、幅方向の内側で第1レンズ部51と隣り合わせている。
第4リフレクタ部44は、図6に示すように、その反射面Rsの第1焦点(その近傍)に位置する第4光源34からの光を、第4レンズ部54へ向けて反射する。その第4レンズ部54は、図4に示すように、第4リフレクタ部44で反射された光を第4投影光軸Lp4へと投影する。このとき、第4レンズ部54は、凹レンズとされつつ第4投影光軸Lp4が内側に少し傾けられているので、第4リフレクタ部44で反射された光を拡散させつつ、第4投影光軸Lp4方向すなわち投影光軸Lp(第1投影光軸Lp1)よりも幅方向で少し内側(図4、図6では右側)へと進行させる。そして、第4レンズ部54は、奥壁箇所44bの複数の配光像を、投影光軸Lp上で水平線Hと鉛直線Vとが交差するスクリーン上に適宜重ねて形成する。実施例1の第4レンズ部54では、他の凹面の入射面(52b、53b)と比較して、凹面とされた第4入射面54bの凹みの度合い、すなわち第4入射面54bの曲率が小さくされている。
これにより、第4照射ユニット64は、図10に示すように、上記のスクリーン上において、第4光源34からの光を拡散した中拡散配光パターンとしての第4配光パターンP4を形成する。この第4配光パターンP4は、明るさの中心を投影光軸Lpよりも幅方向の内側(左側)に位置させている。第4配光パターンP4は、第1配光パターンP1のカットオフラインCLの下方において、第1配光パターンP1の略全域を含みつつその左側に大きく拡がるとともに第1配光パターンP1よりも広範な領域を明るくする。
車両用灯具10は、第1光源31、第2光源32、第4光源34を点灯させて、第1配光パターンP1と第2配光パターンP2と第4配光パターンP4とを同時に形成して重ねることにより、図11に示すように、すれ違い用配光パターンLPを形成できる。このすれ違い用配光パターンLPは、投影光軸Lp上にカットオフラインCLを有し、投影光軸Lpの近傍を最も明るくしつつカットオフラインCLの下方で幅方向に大きな領域を明るくできる。
そして、車両用灯具10は、すれ違い用配光パターンLPを形成した状態において、第3光源33を点灯させて第3配光パターンP3を形成することにより、図12に示すように、すれ違い用配光パターンLPに一部を重複させつつその外側(図12では右側)を明るくできる。これにより、車両用灯具10は、すれ違い用配光パターンLPに加えて、その右側の広い範囲の視界を確保させることができる。ここで、車両用灯具10は、搭載された車両のステアリングが右に大きく切られる操作や、右側のウインカーを点灯させる操作が為されると、それらの操作に連動して第3光源33を点灯させるものとすることで、車両の動作に応じて自動で広い範囲の視界を確保させることができ、運転を適切に支援できる。また、車両用灯具10は、車両に設けられた第3光源33を点灯させるための操作部への操作に応じて第3光源33を点灯させて第3配光パターンP3を形成するものとしてもよい。さらに、車両用灯具10は、すれ違い用配光パターンLPを形成する際には、第3配光パターンP3を常時形成するものとしてもよい。なお、車両用灯具10は、車両の左側に設けられている場合には、ステアリングが左に大きく切られる操作や、左側のウインカーを点灯させる操作に連動して、すれ違い用配光パターンLPの左側に第3配光パターンP3を形成することとなる。
この車両用灯具10は、すれ違い用配光パターンLPを形成する第1照射ユニット61、第2照射ユニット62、第4照射ユニット64に加えて、第3配光パターンP3を形成する第3照射ユニット63を一体として構成している。このため、車両用灯具10は、車両への搭載時に各照射ユニット(61から64)間での位置決めの調整作業をなくすことができるとともに、その各照射ユニット(61から64)の相対的な位置関係の精度を高めることができる。また、車両用灯具10は、各照射ユニット(61から64)を個別に車両に搭載する場合と比較して、取り付けるための部品を低減できるとともに、その取付作業を簡易なものにできる。
また、車両用灯具10は、投影レンズ14において、幅方向で内側から外側へと向かうに従って前後方向の後側へと向かう(スラントする)ものとしている。このため、車両用灯具10は、第1照射ユニット61や第4照射ユニット64よりも、第2照射ユニット62における第2リフレクタ部42と第2レンズ部52との間隔を小さくできるので、第2レンズ部52の焦点距離を小さくできる。これにより、第2照射ユニット62は、第1照射ユニット61の位置に配置された場合と比較して、第2光源32からの光を拡散させ易くできる。加えて、第2照射ユニット62は、第2レンズ部52を第1レンズ部51よりも少し後側へと傾けているので、明るさの中心を投影光軸Lpよりも幅方向の外側に位置させつつ大きく拡がる第2配光パターンP2を形成することを容易なものにできる。
さらに、車両用灯具10は、投影レンズ14を上記のようにスラントさせることにより、第2照射ユニット62よりも、第1照射ユニット61における第1リフレクタ部41と第1レンズ部51との間隔を大きくできるので、第1レンズ部51の焦点距離を大きくできる。このため、第1照射ユニット61は、第2照射ユニット62よりも内側に配置することにより、第2照射ユニット62の位置に配置された場合と比較して、第1光源31からの光を集光させ易くできる。加えて、第1照射ユニット61は、第1レンズ部51を幅方向に沿うものとしているので、光を集めて明るさを強調してカットオフラインCLを明確とした第1配光パターンP1を、明るさの中心を投影光軸Lpの近傍に形成することを容易なものにできる。
車両用灯具10は、取付部材11の取付面21aにおいて、幅方向で第1リフレクタ部41と第2リフレクタ部42とを隣り合って設けるとともに、幅方向でそれらの間であって前後方向の前側に第3リフレクタ部43を設けている。このため、車両用灯具10は、3つのリフレクタ部(41、42、43)を単純に幅方向に並べるのではなく、前後方向にもずらして配置することにより、取付面21a上を効率よく利用して設けることができ、大型化を抑制できる。
特に、車両用灯具10は、すれ違い用配光パターンLPの側方を照射する第3配光パターンP3を形成する第3リフレクタ部43の第3投影光軸Lp3を、前後方向に対して外側に60度傾けている。このため、車両用灯具10は、すれ違い用配光パターンLPを形成するために投影光軸(Lp1、Lp2)を前後方向に略沿うものとしている第1リフレクタ部41および第2リフレクタ部42よりも第3リフレクタ部43を前方に設けることにより、3つの照射ユニット(61から63)からの光の出射位置を近接させることができる。このため、車両用灯具10は、投影レンズ14における3つのレンズ部(51から53)を隣接させることができ、各レンズ部が間隔を置いて設けられる場合と比較して、見栄えを向上させることができる。ここで、車両用灯具10では、各レンズ部(51から54)の間に区画壁部25を設けているが、この各区画壁部25は、各照射ユニット(61から64)を通る光が隣接する他の照射ユニットへと進行することを防止するものであって間隔を置くものではなく、見栄えを低下させることは抑制されている。
ここで、従来の車両用灯具の技術の課題について説明する。従来の車両用灯具は、すれ違い配光ユニットと追加配光ユニットとを単一の灯室の中に収容させて構成することにより、すれ違い用配光パターンと追加配光パターン(本願発明では第3配光パターンP3)とを形成する。この従来の車両用灯具は、単一のすれ違い配光ユニットによりすれ違い用配光パターンを形成しているので、カットオフラインを強調しつつ大きな領域を照射する適切なすれ違い用配光パターンを形成する観点から改良の余地がある。
これに対し、本開示の車両用灯具10は、すれ違い用配光パターンLPを形成するために、投影レンズ14において、第1光源31からの光を集光して第1配光パターンP1を形成する第1レンズ部51と、第2光源32からの光を拡散して第2配光パターンP2を形成する第2レンズ部52と、を設けている。また、投影レンズ14では、幅方向の内側から順に、第1レンズ部51と第2レンズ部52とを隣接させて設けている。この車両用灯具10は、最も内側の第1レンズ部51でカットオフラインCLを有する第1配光パターンP1と、それよりも外側の第2レンズ部52で形成した第2配光パターンP2と、を同時に形成することで、すれ違い用配光パターンLPを形成する。このように、車両用灯具10は、内側の第1レンズ部51からの光でカットオフラインCLを形成するので、車両の前方に形成されるすれ違い用配光パターンLPにおけるカットオフラインCLを明確に形成することを容易なものにできる。また、車両用灯具10は、第1レンズ部51よりも外側の第2レンズ部52からの光で第2配光パターンP2を形成するので、その第2配光パターンP2を第1配光パターンP1よりも大きなものとすることを容易なものにできる。これらは、内側の第1レンズ部51の方が車両の前方に位置するカットオフラインCLの周辺に光を集めるのに有利であり、外側の第2レンズ部52の方が第1配光パターンP1に少なくとも一部を重複させつつ拡散させるのに有利であることによる。このため、車両用灯具10は、その第1配光パターンP1と第2配光パターンP2とを同時に形成することで、カットオフラインCLを強調しつつ大きな領域を照射する適切なすれ違い用配光パターンLPを形成できる。
また、車両用灯具10は、すれ違い用配光パターンLPの側方を照射する第3配光パターンP3を形成するために、投影レンズ14において、第3光源33からの光を拡散する第3レンズ部53を設けている。そして、投影レンズ14では、幅方向の内側から順に、第2レンズ部52と第3レンズ部53とを隣接させて設けている。このため、車両用灯具10は、第2光源32から第2レンズ部52へと向かう光路と、第3光源33から第3レンズ部53へと向かう光路と、を交差させることができる。これにより、車両用灯具10は、第2光源32よりも内側の第3光源33からの光を、第2レンズ部52よりも外側の第3レンズ部53から出射させて第3配光パターンP3を形成するので、その第3配光パターンP3を第1配光パターンP1や第2配光パターンP2の外側に位置させることを容易なものにできる。これらのことから、車両用灯具10は、カットオフラインCLを有するすれ違い用配光パターンLPと、その側方の第3配光パターンP3と、を適切に形成できる。
本開示に係る車両用灯具の一例としての車両用灯具10は、以下の各作用効果を得ることができる。
車両用灯具10では、投影レンズ14において、第1光源31から出射した光を集光して車両の前方を照射しカットオフラインCLを有する第1配光パターンP1を形成する第1レンズ部51を有する。また、投影レンズ14は、第2光源32から出射した光を拡散して車両の前方において第1配光パターンP1よりも大きな第2配光パターンP2を形成する第2レンズ部52を有する。さらに、投影レンズ14は、第3光源33から出射した光を拡散して第1配光パターンP1または第2配光パターンP2の側方に第3配光パターンP3を形成する第3レンズ部53を有する。そして、投影レンズ14は、車両の幅方向で内側から順に第1レンズ部51と第2レンズ部52と第3レンズ部53を隣接させている。第3光源33は、幅方向において、第1光源31と第2光源32との間に位置されている。このため、車両用灯具10は、第2光源32から第2レンズ部52へと向かう光路と、第3光源33から第3レンズ部53へと向かう光路と、を交差させることができる。これにより、車両用灯具10は、全体として小型化させることができるとともに、カットオフラインCLを有するすれ違い用配光パターンLPと、その側方の第3配光パターンP3と、を適切に形成できる。
車両用灯具10では、第1レンズ部51が、幅方向に伸びて設けられ、第2レンズ部52が、第1レンズ部51に対して車両の後側に傾けられて設けられ、第3レンズ部53が、第2レンズ部52に対して車両の後側に傾けられて設けられている。このため、車両用灯具10は、投影レンズ14を、全体として、幅方向で内側から外側へと向かうに従って前後方向の後側へと向かう(スラントする)ものとすることができる。また、車両用灯具10は、カットオフラインCLを有するすれ違い用配光パターンLPと、その側方の第3配光パターンP3と、をより適切に形成できる。
車両用灯具10では、第1レンズ部51と第2レンズ部52とが、互いの第1出射面51aと第2出射面52aとを連続させて設けられ、第2レンズ部52と第3レンズ部53とが、互いの第2出射面52aと第3出射面53aとの間に屈曲面部55を介在させて設けられている。このため、車両用灯具10は、投影レンズ14において、異なる方向へと延びる第2出射面52aと第3出射面53aとを屈曲面部55により方向を変化させつつ連続するものとすることができ、第2出射面52aと第3出射面53aとのそれぞれの角度を対応する第2光源32や第3光源33の位置に合わせることができる。
車両用灯具10では、第1レンズ部51が、第1入射面51bが凸形状とされた凸レンズとされ、第2レンズ部52と第3レンズ部53とが、各々の第2入射面52bと第3入射面53bとが凹形状とされた凹レンズとされ、第1出射面51aと第2出射面52aとが滑らかに連続する単一面とされている。このため、車両用灯具10は、投影レンズ14において、3つの出射面(51aから53a)を滑らかな2つの面で構成された全体として纏まりのある一体のデザインとしつつ、外側へと向かうに従って後側へと向かう(スラントする)ものにできる。
車両用灯具10では、第3レンズ部53が、その軸線(第3投影光軸Lp3)が車両の前後方向に対して40度から80度の間で外側に傾けられている。このため、車両用灯具10は、すれ違い用配光パターンLPの外側において、広範な領域を明るくする第3配光パターンP3をより適切に形成することができる。
車両用灯具10では、第1光源31と第1レンズ部51とに対応して第1リフレクタ部41が設けられ、第2光源32と第2レンズ部52とに対応して第2リフレクタ部42が設けられ、第3光源33と第3レンズ部53とに対応して第3リフレクタ部43が設けられている。そして、第3リフレクタ部43は、幅方向で第1リフレクタ部41と第2リフレクタ部42との間に位置されている。このため、車両用灯具10は、第2光源32から第2リフレクタ部42を経て第2レンズ部52へと向かう光路と、第3光源33から第3リフレクタ部43を経て第3レンズ部53へと向かう光路と、を交差させることができる。これにより、車両用灯具10は、全体として小型化させることができるとともに、カットオフラインCLを有するすれ違い用配光パターンLPと、その側方の第3配光パターンP3と、を適切に形成できる。
したがって、本開示に係る車両用灯具としての実施例1の車両用灯具10は、カットオフラインCLを強調しつつ大きな領域を照射できるすれ違い用配光パターンLPを形成することができる。
以上、本開示の車両用灯具を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
なお、上記した実施例1では、リフレクタ部材13と投影レンズ14とで光を制御して所定の配光パターンを形成しているが、リフレクタ部材のみで制御してもよく、投影レンズのみで制御してもよく、他の構成でもよく、上記した実施例1の構成に限定されない。
また、上記した実施例1では、第1配光パターンP1と第2配光パターンP2と第4配光パターンP4とを同時に形成することで、すれ違い用配光パターンLPを形成するものとしている。しかしながら、第1配光パターンP1と第2配光パターンP2とですれ違い用配光パターンLPを形成するものとしてもよく、実施例1の構成に限定されない。この場合、第1配光パターンP1を主要なものとするとともに、第2配光パターンP2を補助的なものとしてもよい。すなわち、第1配光パターンP1は、すれ違い用配光パターンLPとして求められる法規を満たすものとすることができる。そして、第2配光パターンP2は、第1配光パターンP1と同時に形成されることにより、走行時の視界をより向上させるためにすれ違い用配光パターンLPの少なくとも一部を形成するものとすることができる。