JP7797983B2 - トナーバインダーの製造方法及びトナーの製造方法 - Google Patents
トナーバインダーの製造方法及びトナーの製造方法Info
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Description
トナーバインダーは、上述のようなトナー特性に大きな影響を与えるものであり、ポリスチレン樹脂、スチレン-アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等が知られているが、最近では、保存性と定着性のバランスを取りやすいことから、ポリエステル樹脂が特に注目されている。
例えば、低温定着性を目的として、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを低温で混練したトナーが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、さらなる定着強度などの画像信頼性の要望に応えるため、トナーを小粒子径化した場合、上記結晶性ポリエステル樹脂を使用したトナーは、トナー中の結晶性ポリエステル樹脂の分散性が十分といえず、改善が望まれている。
すなわち本発明は、結晶性ポリエステル(A)と非晶性ポリエステル(B)とを含有するトナーバインダーの製造方法であって、前記結晶性ポリエステル(A)が、(A)の原料モノマーの合計モル数を基準として炭素数2~24の脂肪族ジオールとテレフタル酸とを合計で60~100モル%含む結晶性ポリエステルであり、前記結晶性ポリエステル(A)の示差走査熱量分析計(DSC)により測定される吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)が120~130℃であり、前記結晶性ポリエステル(A)と前記非晶性ポリエステル(B)とを前記結晶性ポリエステル(A)の吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)以下で混練する工程(1)を有し、前記工程(1)における前記結晶性ポリエステル(A)と前記非晶性ポリエステル(B)とを混練する温度(Tk)と前記結晶性ポリエステル(A)の吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)との差(Tm-Tk)が10~50℃であるトナーバインダーの製造方法である。
本発明における「結晶性」とは示差走査熱量測定(DSC測定ともいう)において、DSC曲線が吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)を有することを意味する。
以下に吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)の測定方法を記載する。
示差走査熱量計(例えばTA Instruments(株)製、DSC Q20)を用いて測定する。試料を30℃から10℃/分の条件で180℃まで第1回目の昇温を行い、続いて180℃から10℃/分の条件で0℃まで冷却し、続いて0℃から10℃/分の条件で180℃まで第2回目の昇温をした際の第2回目の昇温過程の吸熱ピークのトップ温度を吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)とする。
また、アルコール成分としては、ジオール及び3価以上のポリオールが挙げられ、カルボン酸成分としては、ジカルボン酸及び3価以上のポリカルボン酸が挙げられる。
エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド等)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006-243715号公報に記載の触媒(チタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート、チタニウムジヒドロキシビストリエタノールアミネート、チタニウムモノヒドロキシトリストリエタノールアミネート、チタニルビストリエタノールアミネート及びそれらの分子内重縮合物等)、及び特開2007-11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル等)並びに酢酸亜鉛等が挙げられる。
エステル化触媒の中で好ましくは、低温定着性の観点から、チタン含有触媒であり、更に好ましくは特開2006-243715号公報に記載の触媒及び特開2007-11307号公報に記載の触媒である。
融点が100℃以上であれば、画像強度が良好となり、150℃以下であれば、低温定着性が良好となる。
例えば結晶性ポリエステル(A)が、(A)の原料モノマーの合計モル数を基準として炭素数2~24の脂肪族ジオールとテレフタル酸とを合計で60~100モル%含む結晶性ポリエステルであれば上記吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)の達成が容易となる。
なお、結晶性ポリエステル(A)の(A)の重量に基づくエステル基濃度は、(A)中のエステル基[-C(=O)O-]の数から算出することができ、(A)1g中に存在するエステル基の重量%と定義される。
実際のエステル基濃度を算出するにあたり、核磁気共鳴スペクトル(NMR)等で(A)を構成するモノマー組成とエステル基数を求めて算出する方法や、(A)の製造に供した原料の量比からエステル基数を求めて算出する方法が挙げられる。
なお、本発明における「非晶性」とは、示差走査熱量計を用いて試料の転移温度測定を行った場合に、吸熱ピークのピークトップ温度が存在しないことを意味する。
カルボン酸成分(y)としては、ジカルボン酸(i)、3価以上のポリカルボン酸(j)及びこれらの酸無水物又は低級アルキルエステル等が挙げられる。
炭素数2~36のアルキレングリコールの具体的な例としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール及び2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
炭素数4~36のアルキレンエーテルグリコールの具体的な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
炭素数4~36の脂環式ジオールの具体的な例としては、1,4-シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
アルキレングリコール又は脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物において、アルキレングリコール又は脂環式ジオールとしては上記が挙げられ、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(以下EOと略記する)付加物、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)付加物及びブチレンオキサイド(以下BOと略記する)付加物等が挙げられる。
ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのAO(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2~30)等が挙げられる。
ポリラクトンジオールとしては、ポリε-カプロラクトンジオール等が挙げられる。
炭素数3~36の3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物並びに糖類(ショ糖等)及び糖類のアルコールの一部をアルキルエーテルした化合物等が挙げられる。
アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物の具体例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン及びポリグリセリン等が挙げられる。
炭素数4~36のアルカンジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸及びデシルコハク酸等が挙げられる。
アルケニルコハク酸としては、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸及びオクタデセニルコハク酸等が挙げられる。
炭素数6~40の脂環式ジカルボン酸としては、ダイマー酸(2量化リノール酸)等が挙げられる。
炭素数4~36のアルケンジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸及びシトラコン酸等が挙げられる。
炭素数8~36の芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
非晶性ポリエステル(B)は1/2降下温度の異なるものを2種類以上併用してもよく、1/2降下温度が80℃以上115℃未満のものと115℃以上170℃以下のものとの組み合わせが好ましく、1/2降下温度が85℃以上115℃以下のものと120℃以上~160℃以下のものとの組み合わせがより好ましい。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネートの変性物及びこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)が100~150℃と高温である結晶性ポリエステル(A)と、非晶性ポリエステル(B)とを吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)以下の温度で混錬することにより、非晶性ポリエステル中での結晶性ポリエステルの分散性に優れたトナーバインダーを得ることができる。
吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)が100~150℃と高温である結晶性ポリエステル(A)は、吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)より高い温度で混錬した場合に、一度溶融状態を経てから結晶化する。このとき、融点が高いために混錬後の結晶成長が早く、大きな結晶ができて分散性が悪化するものと推察される。一方、吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)以下の温度で混錬した場合は、結晶性ポリエステル(A)が溶融することなく、結晶のまま混練の剪断等で細かく分散していくため、より分散性に優れると推察される。
前記樹脂粒子中のトナーバインダーの含有量は、樹脂粒子の重量に基づき、好ましくは30~97重量%であり、より好ましくは42~96重量%、更に好ましくは50~95重量%である。
具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ソルベントイエロー(21、77及び114等)、ピグメントイエロー(12、14、17及び83等)、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、ソルベントレッド(17、49、128、5、13、22及び48・2等)、ディスパースレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ソルベントブルー(25、94、60及び15・3等)、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト及びニッケル等の強磁性金属の粉末、マグネタイト、ヘマタイト並びにフェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナー用バインダー樹脂の合計100重量部に対して、好ましくは1~40重量部、より好ましくは2~15重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、磁性粉の含有量は、トナー用バインダー樹脂の合計100重量部に対して、好ましくは20~150重量部、より好ましくは30~120重量部である。
ウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。荷電制御剤の含有量は、本発明のトナー用バインダー樹脂の合計100重量部に対して、0~20重量%であってよく、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~7.5重量%である。
上記の製造方法のうち、樹脂粒子の粒径制御、保存安定性の観点から少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る乳化凝集法が好ましい。
なお、トナーは、キャリア粒子を含まなくてもよい。
本発明においては、吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)が100~150℃と高温である結晶性ポリエステル(A)と、非晶性ポリエステル(B)とを吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)以下の温度で混錬することにより、非晶性ポリエステル中での結晶性ポリエステルの分散性に優れたトナーを得ることができる。
(i)前記トナーバインダーの製造方法を実施した後に、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動化剤などの種々の添加剤等を公知の方法で混合(好ましくは(A)の吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)以下)してトナーを製造する方法。
(ii)結晶性ポリエステル(A)と前記非晶性ポリエステル(B)と種々の添加剤(着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動化剤等)とを前記結晶性ポリエステル(A)の吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)以下で混練し、トナーを製造する方法。
示差走査熱量計{例えば「DSCQ20」[TA Instruments(株)製]}を用いて測定した。結晶性ポリエステルを30℃から10℃/分の条件で180℃まで第1回目の昇温を行い、続いて180℃から10℃/分の条件で0℃まで冷却し、続いて0℃から10℃/分の条件で180℃まで第2回目の昇温をした際の第2回目の昇温過程の吸熱ピークのトップを示す温度を結晶性ポリエステルの吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)とした。
上記吸熱ピークのピークトップ温度の測定と同様の測定条件で観測される第2回目の昇温過程のDSC曲線で、吸熱ピークの吸熱開始温度(T0)以下のベースライン上の最もピークに近い点と吸熱ピークの終点温度以上のベースライン上の最もピークに近い点とを結ぶ直線を引くことにより、上記吸熱ピークのピークトップ温度をもつ吸熱ピークにおける吸熱量を算出した。
数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定は、ポリエステル樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とし、以下の条件で測定した。
装置 : 東ソー(株)製 HLC-8120
カラム : TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
JIS K0070に規定の方法で測定した。ただし、酸価の測定溶媒はアセトン、メタノール及びトルエンの混合溶媒(アセトン:メタノール:トルエン=12.5:12.5:75)、水酸基価の測定溶媒はTHFとした。
定試験力押出形細管式レオメータフローテスタ{(株)島津製作所製、CFT-500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を1/2降下温度とした。
示差走査熱量計(TA Instruments(株)製、DSC Q20)を用いて、ASTM D3418-82に規定の方法(DSC法)で、以下の条件により測定した。
(1)30℃から20℃/分で150℃まで昇温
(2)150℃で10分間保持
(3)20℃/分で-35℃まで冷却
(4)-35℃で10分間保持
(5)20℃/分で150℃まで昇温
(6)(5)の過程にて測定される示差走査熱量曲線を解析しガラス転移温度を求めた。
コールターカウンター[商品名:マルチサイザーIII(ベックマン・コールター(株)製)]を用いて測定した。
まず、電解水溶液であるISOTON-II(ベックマン・コールター社製)100~150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1~5mL加えた。さらに測定試料を2~20mg加え、試料を懸濁した電解液を、超音波分散器で約1~3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして50μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出した。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D50)(μm)、個数平均粒径(μm)、粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)を求めた。
冷却管、加熱冷却装置、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,10-デカンジオール591部(50.0モル%)、テレフタル酸520部(50.0モル%)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1.5部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が0.3mgKOH/gになった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエステル(A-1)を得た。結晶性ポリエステル(A-1)の数平均分子量(Mn)は4,000、重量平均分子量(Mw)は11,000、吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)は128℃、吸熱ピークにおける吸熱量は40J/g、酸価は0.3mgKOH/g、水酸基価は8.2mgKOH/gだった。
表1に記載の原料を用いた以外は製造例1と同様にして結晶性ポリエステル(A-2)を得た。得られた結晶性ポリエステルの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)、吸熱ピークにおける吸熱量、酸価、水酸基価を表1に記載した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP-2P」)193部(14.6モル%)、ビスフェノールA・PO3モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP-3P」)539部(35.4モル%)、テレフタル酸173部(26.7モル%)、アジピン酸67部(11.8モル%)、無水トリメリット酸86部(11.5モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)3.6部を入れ、220℃で反応させ、生成する水を留去しながら20時間反応させた。さらに0.5~2.5kPaの減圧下で反応させ、1/2降下温度が150℃になったところで、スチールベルトクーラーを使用して取り出した。取り出した樹脂を粉砕して粒子化し、非晶性ポリエステル(B-1)を得た。非晶性ポリエステル(B-1)の1/2降下温度は150℃、ガラス転移温度Tgは60℃、酸価は23mgKOH/g、水酸基価は1mgKOH/g、重量平均分子量Mwは130,000だった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた別の反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP-2P」)324部(20.0モル%)、ビスフェノールA・EO2モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBPE-20」)443部(30.0モル%)、テレフタル酸280部(47.7モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)3.0部を入れ、230℃まで0.5~2.5kPaの減圧下で昇温しながら、生成する水を留去しながら反応させ、酸価が2mgKOH/g未満になるまで反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸14部(2.3モル%)を加え、常圧下で1時間反応させて取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、非晶性ポリエステル(B-2)を得た。非晶性ポリエステル(B-2)の1/2降下温度は97℃、ガラス転移温度(Tg)は58℃、酸価は8mgKOH/g、水酸基価は55mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は5,000だった。
<非晶性ポリエステル(B)中の結晶性ポリエステル(A)の分散性の評価>
(1)トナーバインダーの製造
各結晶性ポリエステル(A-1)~(A-2)10部に、非晶性ポリエステル(B-1)27部及び非晶性ポリエステル(B-2)63部を、それぞれヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)井元製作所製 IMC-9B20]で表2に記載の温度、滞留時間で混練し、トナーバインダーを得た。
(2)評価サンプルの作成及び評価
得られたトナーバインダーを可視光硬化性包埋樹脂(D-800、日新EM社製)で包埋し、超音波ウルトラミクロトーム(EM5、ライカ社製)により60nm厚に切削し、真空染色装置(フィルジェン社製)によりルテニウム染色を行った。その後、透過型電子顕微鏡(H7500、株式会社日立ハイテクノロジー製)を用い、加速電圧120kVで、得られた混合物の断面から非晶性ポリエステル中の結晶性ポリエステルの分散状態を観察した(図1~図8)。観察された画像全体の内、最も長径が大きい結晶性ポリエステルの長径を最大粒径とした。また、無作為に選んだ拡大画像(×1000)に対しフリーソフト「image J」を用いて以下の手順で画像処理を行い、算出される「mean feret」を結晶性ポリエステルの平均粒径とした。
1.image type → 8bit
2.line → analyse → set scale
→ known distance 5.0
3.process → binary → median filter 10
4.image → adjust → threshold
5.process → binary → fill holl
6.analyse particle
(set mesearements → feret diameter)
(3)トナーの製造
各結晶性ポリエステル(A-1)~(A-2)10部と、非晶性ポリエステル(B-1)27部及び非晶性ポリエステル(B-2)63部とに、着色剤として顔料のカーボンブラック「MA-100」[三菱化学(株)製]8部、離型剤としてパラフィンワックス「HNP-9」[日本精鑞(株)製]4部、荷電制御剤「T-77」[保土谷化学(製)]1重量部をそれぞれ加え、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)井元製作所製 IMC-9B20]で表2に記載の温度、滞留時間で混練した。
ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS-I]で分級し、体積平均粒径が5μm、粒度分布が1.2の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子(99部に流動化剤の疎水性シリカ「アエロジルR972」[日本アエロジル製]1部をサンプルミルにて混合して、トナーを得た。
<低温定着性(MFT)>
トナーを紙面上に0.6mg/cm2となるよう均一に載せた。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いた。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で、加熱ローラーの温度90~230℃の範囲を5℃刻みで通し、各温度での定着画像を作成した。次に各定着画像におけるコールドオフセットの有無を目視によって加熱ローラーの温度が低いものから順に確認し、コールドオフセットが発生しなくなった温度を、表2にMFT(℃)として示した。
コールドオフセットが発生しない温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味し、この評価条件では、MFTは一般には125℃以下であることが好ましい。
トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F-150)10gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間調湿した。調湿したトナーが入った前記のガラス瓶を密栓し、ターブラーシェーカーミキサーにセットして90rpm×2分間摩擦攪拌し、攪拌後の混合粉体0.2gを目開き20μmステンレス金網がセットされたブローオフ粉体帯電量測定装置に装填し、ブロー圧10KPa,吸引圧5KPaの条件で、残存フェライトキャリアの帯電量を測定し、定法によりトナーの帯電量(μC/g)を算出した。
なお、トナー用としてはマイナス帯電量が高いほど帯電特性が優れており、-15μC/g以下であることが好ましい。
帯電量の測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
トナー1gとアエロジルR8200(エボニックジャパン(株)製)0.013gをシェイカーで1時間混合し、混合物を密閉容器に入れ、温度45℃、湿度80%の雰囲気で48時間静置し、パウダーテスターで凝集度を測定し、耐熱保存性を評価した。
下記方法により求められる凝集性試験の数値が低いほど、耐熱保存性に優れることを意味する。この評価条件では、3%以下であることが好ましい。
装置: POWDER TESTER model PT-X(ホソカワミクロン製)
篩の目開き: 355μm、250μm、150μm
振動幅: 1mm
振動時間: 30秒
操作方法: パウダーテスターの振動台に、篩を上段355μm、中段250μm、下段150μmの順でセットし、上段の篩にトナーを1g乗せ、1mmの振動幅で30秒間振動させて、各篩上に残存したトナーの重量を測定。
凝集度: 測定に使用したトナー重量と篩後の残存トナー重量から算出。
凝集度(%)=(U/N+M/N×3/5+L/N×1/5)×100
U:上段の重量、M:中段の重量、L:下段の重量、N:サンプルの重量(1g)
上記低温低着性の評価作成した、MFTでの定着画像の定着強度をテープ剥離試験により評価した。定着画像にテープ(3M社製の「スコッチメンディングテープ」)を貼り付けた後、そのテープを剥離し、テープに付着した画像の画像濃度(ID)を反射濃度計(商品名「X-Rite model 404」、X-Rite社製)により測定した。付着した画像の画像濃度(数値)が小さいほど、定着強度が高いことを示す。この評価条件では、0.2以下であることが好ましい。
上記低温低着性の評価で作成した、MFTでの定着画像を、JIS K5600-5-4(1999)に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重が加わる様にして、手かき法によりかけ引っ掻き硬度試験を行い、傷のつかない鉛筆硬度から画像強度を評価した。鉛筆硬度が高いほど画像強度に優れることを意味する。一般にはHB以上であることが好ましい。
さらに、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、電子ペーパー用粒子などの用途として好適である。
Claims (3)
- 結晶性ポリエステル(A)と非晶性ポリエステル(B)とを含有するトナーバインダーの製造方法であって、前記結晶性ポリエステル(A)が、(A)の原料モノマーの合計モル数を基準として炭素数2~24の脂肪族ジオールとテレフタル酸とを合計で60~100モル%含む結晶性ポリエステルであり、前記結晶性ポリエステル(A)の示差走査熱量分析計(DSC)により測定される吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)が120~130℃であり、前記結晶性ポリエステル(A)と前記非晶性ポリエステル(B)とを前記結晶性ポリエステル(A)の吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)以下で混練する工程(1)を有し、前記工程(1)における前記結晶性ポリエステル(A)と前記非晶性ポリエステル(B)とを混練する温度(Tk)と前記結晶性ポリエステル(A)の吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)との差(Tm-Tk)が10~50℃であるトナーバインダーの製造方法。
- 結晶性ポリエステル(A)と非晶性ポリエステル(B)との重量比(A/B)が5/95~20/80である請求項1に記載のトナーバインダーの製造方法。
- 前記非晶性ポリエステル(B)の重量平均分子量が2,000~20,000である請求項1に記載のトナーバインダーの製造方法。
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