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JP7799158B2 - 透明物理ゲルおよびその製造方法 - Google Patents
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透明物理ゲルおよびその製造方法

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本発明は、チキソトロピー性を有する透明物理ゲルおよびその製造方法に係り、特にクレイ微粒子を水に分散した液からなる透明な物理ゲルおよびその製造方法に関する。
公知のクレイ(粘土鉱物等)を水に分散させたゲルは、一般的にクレイ微粒子の乱反射によって白濁した状態で観察される。クレイ系の物理ゲルは、優れたチキソトロピー性を示すので、透明な物理ゲルを製造することができれば、その応用範囲を大きく広げることになり、様々な分野で利用することが可能となる。
本発明者は先に、壁などを装飾等する目的で、染料溶液を塗布する際の液だれを回避する簡単な方法として、塗料にチキソトロピー性を付与して、塗装時には機械的攪拌により塗料の流動性を向上させると共に、被塗装物の表面に塗布された後は粘度が増して塗料の流動性が低下し、液だれを抑制できるという技術について提案している。このようなチキソトロピー性を付与する材料としては、サポナイト、ヘクトライト、スチブンサイトなどのクレイが代表的である。
その他、0.1重量%以上の天然ヘクトライト粘土とこの粘土の重量に基づいて0.5~15重量%のホスホネートを含有する塗料(特許文献1)等が提案されている。この提案は、天然ヘクトライトを使用することで、合成ヘクトライトを使用するよりも流動性とのバランス、懸濁性制御、安定性などにおいて優れているというものである。
ところで、これらの先行文献には、透明な物理ゲルを得たとか、クレイを水に分散させた際に透明になった等の記載はない。それは単純にクレイを水に溶かしただけでは、透明になることがない、すなわち、クレイ粒子の乱反射によってゲルが白濁することが一般に観察されるからである。
一例として、6mm以下の厚みであれば透明といえる水性ゲル(特許文献2)に関する提案もあるが、このゲルは元々、キサンタンガム等の有機粘度付与剤を基材とし、これに(無機粘度付与剤として)アルミノケイ酸塩、スメクタイト等のクレイが添加されたものであり、クレイを主成分とした透明ゲルに関する提案ではない。また使用される厚みが薄いので、厚みのある製品として使用する場合には白濁して見えると思われる。
前記のいずれの提案においても単純なクレイと水との組み合わせで透明なゲルに関して検討された例はなく、一般的には所定の比率で各成分を計りとり、水に分散させてゲルを製造するだけであった。
特開2005-154717号公報 特表2017-532532号公報
本発明の課題は、クレイを水に分散させた際に透明な物理ゲルを得ることであり、当該ゲルの有するチキソトロピー性を利用して、様々な分野で利用できる新規な物理ゲルを提案することである。
本発明の透明物理ゲルは、粒子径10~100nmの粘土鉱物を体積分率(φ)0.001~0.01の範囲で、かつ塩濃度0.005[M]以下の状態で水中に分散させてなり、1辺が10mmの正方形断面(従って、光路長は10mm)を有する直方体石英セルに前記物理ゲルを充填して、ビーム径0.5mm、波長632.8nmの光の透過率を測定したとき、透過光強度(%)が80%以上である。なお、前記Mはmol/Lを意味し、粘土鉱物を分散させる前の水の塩濃度ではなく、物理ゲルとして利用するときの塩濃度を意味する。
粘土鉱物のような層状珪酸塩鉱物は、水に分散された場合に層間が負に、層の端部は正に帯電し、静電気的な結合を生じることにより、カードハウス構造を形成する。この構造を形成する力が抵抗となり、弾性が生じて物理ゲル化する。一方で層状ケイ酸塩鉱物の水分散液で形成される水性ゲル状組成物に水溶性の金属塩を加えると均一なカードハウス構造が形成されず、凝集や沈殿を生じ、ゲルが形成されないか、あるいはゾル状に変化する。従って、本発明では、塩濃度が所定の濃度以下であることを要件とした。混合後における全体の塩濃度がどの程度であるかにより形成される物理ゲルの特性が決まるからである。
また、前記粘土鉱物が、フッ素変性ヘクトライト、ヘクトライト、スチブンサイトから選択される一種以上であることを特徴とする。チキソトロピー性の発現・制御の面で好適であり、粘度調整剤や分散化剤として化粧品にも使用されるなど、安全性の高い物質であること、水性ゲルとしたときに透明性を保持することができるからである。
さらに本発明の物理ゲルの製造方法は、前記粘土鉱物を体積分率(φ)0.001~0.01の範囲で塩濃度0.005M以下の水中に分散させ分散液を得る工程、前記分散液中に、メッシュ状の袋に入れたイオン交換樹脂又はイオン交換樹脂を直接、前記分散液100mLに対して10~20gを投入する工程、前記分散液を収容する容器ごと定期的又は断続的(数時間~十数時間ごと)に振動させて分散液を液状化し、それを24時間から一週間繰り返す工程、を有することを特徴とする。最初の工程においては、粘土鉱物の分散性をよくするために、予め少量の粘土鉱物を水に分散させてから、粘土鉱物の添加量を増量していくことが好ましい。
本発明の透明物理ゲルは安全性の高い粘土鉱物によって調製されており、ある程度の体積として見たときのゲルが透明な状態である。従って、透明ゲル内に他の物品(例えば、ミニチュアの潜水艦や魚類の模型等)を入れて三次元ディスプレイのような使い方ができる。つまり、本発明の物理ゲルは、適当な外力によって液状となるため、(内蔵モーター等により)自立して物品を推進させる或いは外から物品を移動させることが容易に行えると共に、自立推進力又は外力を切ると、その位置・状態で周囲がゲル化するために、当該物品が水中又は水面に浮いている状態を保つことができるのである。
これにより、例えば内蔵モーターの起動・停止を適当に繰り返し、三次元ディスプレイとして周囲から鑑賞されるときのみ動かせば、内蔵電池を長持ちさせ、あるいは動きのないときでも、そのまま鑑賞用として利用することもできる。
図1は、実施例1により得られた透明物理ゲルに、左から順にゲル中の塩濃度がそれぞれ、0.005[M]、0.01[M]、0.05[M]、0.1[M]になるように塩化ナトリウムを添加して、塩濃度による白濁の程度を撮影した図である。 図2は、実施例2により測定した透明物理ゲルに、塩を徐々に添加したときの透過光強度との関係を示す図である。 図3は、実施例3により測定した透明物理ゲルに、塩を徐々に添加したときの透過光強度との関係を示す図である。 図4は、実施例2で得られた本発明の透明物理ゲルに白色のプラスチック製の球を5つ投入し、該物理ゲル内の所定の位置にピンセットにて配置したときの状態を示す図である。
本発明の透明物理ゲルは、粒子径10~100nmの粘土鉱物を体積分率(φ)0.001~0.01の範囲で、かつ塩濃度0.005[M]以下の水中に分散させてなり、1辺が10mmの正方形断面を有する直方体石英セルに該物理ゲルを充填して、ビーム径0.5mmの波長632.8nmの光の透過率を測定したとき、透過光強度(%)が80%以上である。この透明物理ゲルは、粘土鉱物を含有するので、いわゆるチキソトロピー性(もともとは固体のように見えるのに、かき混ぜたり振ったりするなどのせん断応力を与え続けると粘度が低下して液状になり、応力を除くと粘度が回復して元に戻るという性質)を有する。
本発明では、物理ゲルが透明であることを目的としている。そこで重要になるのは、混合後の塩濃度である。前記のとおり粘土鉱物が形成するカードハウス構造は、ゲル中の金属塩の影響を強く受け、粘土鉱物の分散状態に影響を与えるからである。
従来、粘土鉱物を水に分散させる際には、使用する(分散前の)水中の塩濃度は考慮されていた。ただし、イオン交換樹脂を通して前記分散前の水中の塩を予め十分に取り除いたとしても、一般的には混合する粘土鉱物中に不純物として塩を含むために、分散液の厳密な塩濃度管理がされていたとは言えない。
本発明では、粘土鉱物中にもともと存在すると思われる不純物濃度の塩を除去するために、水(イオン交換水又は超純水)に前記粘土鉱物を前記所定の体積分率で分散させたのち、該分散液中に、イオン交換樹脂を直接またはメッシュ状の袋に入れて投入する。特にメッシュ状の袋に入れることで、所定の濃度以下まで塩を除去した後に、該分散液から当該イオン交換樹脂を取り出すことが容易になる。このような処理により、分散液中に存在する塩(特に粘土鉱物由来であるが、これに限定されない。)を極力取り除く(以下単に「脱塩処理」ともいう)。なお、本願明細書中、「分散液」とは本発明による脱塩処理を行う前の状態のものをいい、「透明物理ゲル」は脱塩処理を行ったのちの状態のものをいう。どちらも、チキソトロピー性に大きな差はないが、波長632.8nmの光の透過光強度(%)が80%以下のものを本発明の透明物理ゲルという。
効率よく脱塩処理を行うためには、イオン交換樹脂の投入後に、前記分散液を収容する容器ごと定期的又は断続的(数時間~十数時間ごと)に振動させて分散液を液状化し、それを24時間から一週間行う。特に分散液は外力(せん断力等)が作用している間は(チキソトロピー性により)液状になるので、このような撹拌・振動はイオン交換樹脂の脱塩処理効果を向上させられるからである。なお、「定期的」とは予め設定した時間に振動させることをいい、「断続的」とは、時間を設定せず非定期に(振動の間隔を数時間から十数時間あけて)振動させることを意味する。
容器の振動方法としては、微生物の培養に用いるような振とう培養器や、旋回シェーカーを用いたり、人が容器を動かして振動させる等で行うことができる。撹拌子や撹拌機を用いても良いが、撹拌子や撹拌羽根の旋回する部位だけが液状化して、分散液全体を液状化することが難しいため、撹拌羽根の回転位置を動かすなどして、分散液全体を撹拌することが望ましい。
イオン交換樹脂による脱塩処理の期間は、24時間~1週間行うことが好ましい。これ以上長期間に渡って行っても、脱塩の効果が著しく向上するわけではなく、透過光強度は80%以上になるからである。一方、24時間よりも短時間であっても元の粘土鉱物中に塩が殆ど存在していなければ、透明物理ゲルを得ることができる。また処理温度は室温程度で加熱したり、冷却したりする必要はない。
本発明で使用されるイオン交換樹脂としては、AG501-X8(D)(バイオ-ラッド社製)、アンバーライト(オルガノ株式会社製)などが挙げられる。中でもアンバーライト(オルガノ株式会社製)は、汎用性、価格、イオン交換能等の点で好ましい。
投入するイオン交換樹脂の量としては、用いる樹脂の種類によって異なるが、分散液(物理ゲル)100mLに対して、10~20g程度である。この量よりも少ないと脱塩の時間がかかり、この量より多くなると特に樹脂を直接投入する場合に、脱塩処理後に樹脂を分離しにくくなる。
本発明に使用する粘土鉱物としては、天然クレイ、合成クレイ、有機化クレイが挙げられるが、特にケイ素及びマグネシウムを主成分とするクレイ、並びに、有機化クレイからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
ケイ素及びマグネシウムを主成分とするクレイとは、クレイの構成成分である金属酸化物の金属の主成分がケイ素及びマグネシウムであるクレイを指し、その他の金属酸化物(アルミニウム、鉄等)を副成分として含んでいても良い。ケイ素及びマグネシウムを主成分とするクレイとしては特に制限されず、公知のものを適宜利用することができる。ケイ素及びマグネシウムを主成分とするクレイを用いることで、粒径が小さいため分散性を高くすることが可能となる。また、このようなケイ素及びマグネシウムを主成分とするクレイとしては、入手のし易さの観点から、スメクタイト構造を有するクレイが好ましい。
このようなケイ素及びマグネシウムを主成分とするクレイとしては、例えば、スチブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、タルク等を挙げることができるが、中でも、ゲルの透明性の観点から、ヘクトライト、フッ素変性ヘクトライト、を用いることがより好ましい。
粘土鉱物の濃度(体積分率)が低い場合には特に、塩濃度が高くなるとせん断弾性率が急激に低下する傾向がある。一方、粘土鉱物の濃度が高い場合には、塩濃度が高くなっても比較的影響は少ない。これは塩の存在によってカードハウス構造を形成するべき粘土鉱物が凝集などによって失われても、溶液中にその消失分を補うことができるだけの余力があることを示している。
本発明の目的としては、透明な物理ゲルを形成する必要があるので、ゲルのせん断弾性率と、透明性に影響がないこととのバランスを考慮して粘土鉱物の量を設定する必要がある。具体的には、体積分率(φ)0.001~0.01の範囲で粘土鉱物を使用することが好ましい。ここで、体積分率とは、分散する前の粘土鉱物の体積を、分散液の体積で割った値である。
チキソトロピー性を有することは本発明の透明物理ゲルの特徴なので、粘土鉱物の体積分率が0.001より低くなると、物理ゲルのせん断弾性率が低くなりすぎ、三次元ディスプレイとして使用する際に、ゲル内に投入する物品を静止状態で捕捉・維持することが難しくなる。一方、0.01よりも高くなると、粘土鉱物由来の分散液中の塩濃度が高くなるので、イオン交換樹脂による脱塩処理に長時間を要し、場合によっては、透明なゲルを得ることが困難になるため、前記の通り、体積分率(φ)0.001~0.01の範囲が適当なのである。
前記粘土鉱物を分散させる際の水は、イオン交換などにより脱塩処理された純水が好ましく、具体的には電気伝導率が0.01~1mS/m程度である。もちろん前記電気伝導率よりも高い場合であっても、脱塩処理によって塩を除去するために大きな問題ではないが、最終的には塩濃度を低くする必要があるので、初めから塩濃度が高い水を敢えて使用することはないのである。
本発明で用いる粘土鉱物の粒子径は、10~100nmの範囲が好ましい。一般的に入手しやすく、取扱いや操作性(例えば、計りとる際などに飛散しにくい)に優れているからである。また、水に分散させる際に、細かすぎると塊になって分散させにくくなり、大きすぎると均一に分散させにくいからである。
脱塩処理は、前記の通り24時間から1週間程度をかけて行われ、処理後に含まれる塩濃度を0.005[M]以下とする。この濃度以上であっても粘土鉱物の体積分率が小さい場合には、透明な物理ゲルにすることができるが、ゲルのせん断弾性率が低くなるので、物理ゲル内に捕捉する物品の材質等に制約がかかることになる。すなわち物品を所定の位置で静止させようとした場合に、物品の比重が水より重いものはゲルを排除して沈下する傾向があり、軽いものは逆に浮上してしまう傾向がある。
本発明により脱塩処理した後の透明性の評価は、物理ゲルを1辺が10mmの正方形断面(従って、光路長は10mm)を有する直方体石英セルに入れ、ビーム径0.5mm、波長632.8nmの光の透過率を測定したとき、透過光強度(%)が80%以上である。透過光強度の測定は、例えば光電比色計CANA-3030(東京光電株式会社製)を用いて簡単に測定することができる。
以下本発明をより具体的に明らかにするために、いくつかの例を示す。
(実施例1)
粘土鉱物として、フッ素変性ヘクトライト(クニミネ工業株式会社製)0.25gをイオン交換水(電気伝導率0.01mS/m)10gに分散させて、分散液(a)を得た。体積分率は0.01である。前記分散液(a)の塩濃度は0.05[M]程度であった。
前記分散液(a)に、AG501-X8(D)(バイオ-ラッド社製)イオン交換樹脂を0.3g直接投入して、容器ごと断続的(2~10時間ごとに1分程度)に振動させ、72時間繰り返し、塩濃度を検出限界(0.001[M])以下まで取り除いた。その後、清浄なメッシュ状シートを用いてイオン交換を除去した。
こうして得られた透明物理ゲルに、今度は、ゲル中の塩濃度がそれぞれ、0.005[M]、0.01[M]、0.05[M]、0.1[M]になるように塩化ナトリウムを添加して、よく撹拌し、静置後の状態を比較した。その結果を図1に示す。
図1から分かるように、ゲル中の塩濃度が0.05[M]以上になると明らかに白濁しているのが分かる。
(実施例2)
粘土鉱物として、フッ素変性ヘクトライト(クニミネ工業株式会社製)を、それぞれ、0.06g、0.13g、0.25g計りとり、イオン交換水(電気伝導率0.01mS/m)10gに分散させて、分散液を得た。体積分率(φ)はそれぞれ0.0025、0.005、0.01である。
前記各分散液に、AG501-X8(D)(バイオ-ラッド社製)イオン交換樹脂を0.3g直接投入して、容器ごと断続的(2~10時間ごとに1分程度)に振動させ、72時間繰り返し、塩濃度を検出限界(0.001[M])以下まで取り除いた。その後、清浄なメッシュ状シートを用いてイオン交換樹脂を除去した。
こうして得られた透明物理ゲルに、実施例1と同様にして、各ゲル中の塩濃度がそれぞれ、0.005[M]、0.01[M]、0.05[M]、0.1[M]になるように塩化ナトリウムを添加して、よく撹拌し、静置した。
その後、各物理ゲルを、1辺が10mmの正方形断面を有する直方体石英セルに入れ、ビーム径0.5mm、波長632.8nmの光の透過光強度を、光電比色計CANA-3030(東京光電株式会社製)の計測システムにより測定した。
その結果をグラフ(図2)に示す。
グラフ(図2)より、フッ素変性ヘクトライトの場合、体積分率が0.005以下なら、塩濃度が0.005[M]以下であれば、透過光強度が80%以上であることが分かる。なお、体積分率が0.005のときの分散液(脱塩処理前)の透過光強度は2~3%であった。
(実施例3)
粘土鉱物として、フッ素変性ヘクトライト(クニミネ工業株式会社製)、ヘクトライト(クニミネ工業株式会社製)、スチブンサイト(クニミネ工業株式会社製)、をそれぞれ、0.25gずつ計りとり、イオン交換水(電気伝導率0.0001mS/m)10gに分散させて、分散液を得た。体積分率(φ)はすべて0.005である。
前記各分散液に、AG501-X8(D)(バイオ-ラッド社製)イオン交換樹脂を0.3g直接投入して、容器ごと定期的(例えば、数時間~十数時間ごとに1分程度)に振動させ、72時間撹拌し、塩濃度を検出限界(0.001[M])以下まで取り除いた。その後、清浄なメッシュ状シートを用いてイオン交換樹脂を除去した。
こうして得られた透明物理ゲルに、実施例1と同様にして、各ゲル中の塩濃度がそれぞれ、0.005[M]、0.01[M]、0.05[M]、0.1[M]になるように塩化ナトリウムを添加して、よく撹拌し、静置した。
その後、各物理ゲルを、1辺が10mmの正方形断面を有する直方体石英セルに入れ、ビーム径0.5mm、波長632.8nmの光の透過光強度を、光電比色計CANA-3030(東京光電株式会社製)の計測システムにより測定した。
その結果をグラフ(図3)に示す。
グラフ(図3)より、三種の粘土鉱物の中では、フッ素変性ヘクトライトが最も透明性の高いゲルが得られることが分かった。なお、体積分率が0.005のときのヘクトライトの分散液(脱塩処理前)の透過光強度は2~3%であった。
(実施例4)
実施例2で得られた本発明の透明物理ゲル(粘土鉱物として、フッ素変性ヘクトライトを使用し、体積分率(φ)は0.01である)に白色のプラスチック製の球を5つ投入し、該物理ゲル内の所定の位置にピンセットにて配置したのち、ピンセットを除いたときの写真を図4に示す。
図4には、それぞれ、球を2つ(左上)、球を3つ(左下)、球を1つ(右上)、ゲル中に浮かせ、その他の球を沈下させた状態の写真であり、右下の図は球全てを沈下させて撮影したものである。これらの図に示すように、本発明の透明物理ゲル内にて、物品を所定の位置に配置した状態で保持でき、その配置の変更が可能であることが分かる。
本発明の透明物理ゲルは、チキソトロピー性と透明性を有しており、三次元ディスプレイや、アートのように展示することができる。また、安全性の高い粘土鉱物によって調製されているため子供のおもちゃとして、例えば水槽中に金魚等の模型を配置するなど自由なアレンジを楽しむことができる。

Claims (1)

  1. 粒子径10~100nmのフッ素変性ヘクトライトを体積分率(φ)0.0025~0.005の範囲で、かつ塩濃度0.005[M]以下の状態で水中に分散させてなる物理ゲルであって、1辺が10mmの正方形断面を有する直方体石英セルに前記物理ゲルを充填して、ビーム径0.5mm、波長632.8nmの光の透過率を測定したとき、透過光強度(%)が80%以上であることを特徴とする透明物理ゲル。
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