以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1は、制御システム10およびビル1内設備のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施の形態において、ビル1(建物)には、部屋20が複数設けられている。本例では、ビル1には、部屋20として部屋20a~c(部屋1~3とも称する)が設けられているものとする。部屋20は、たとえば、オフィスまたは店舗が入居する居室である。
ビル1には、空調機400、可変風量ユニット(以下、「VAV(Variable Air Volume)ユニット」とも称する)21、制御システム10等が設置されている。制御システム10は、空調機400およびVAVユニット21を制御するシステムである。
VAVユニット21は、空調対象となる部屋20の熱負荷の変動に応じて、空調機400から供給される風量を調整する。VAVユニット21は、図示しないアクチュエータと風量調整用のダンパとを含み、アクチュエータでダンパの羽根を開閉させることで(ダンパの羽根の開度に応じて)風量を調節することができる。ダンパの羽根が全開したときは風量が最大になり、ダンパの羽根が全閉したときは風量が0になる。また、VAVユニット21には、VAVユニット21を制御するVAVコントローラ(図示なし)が設けられ、制御システム10は、VAVコントローラを介してVAVユニット21を制御するものとする。
空調機400からの空気は、供給経路であるダクト8を介してビル1に配置された各部屋20(部屋1~3)に供給される。空調機400は、ダクト8と接続されている。ダクト8は、各部屋に給気可能となるように分岐しており、各部屋20(部屋1~3)と接続されている。これにより、空調機400からの空気は各部屋20(部屋1~3)に送ることが可能となっている。
以下、空調機400から供給される空気の温度は「給気温度」と称する。本実施の形態においては、空調機400によって一定の給気温度に調整された風が、空調機400から各部屋20(部屋1~3)に送られる。本実施の形態では、空調機400から部屋1~3に供給される給気温度は22℃である。なお、給気温度は、各部屋20の設定温度を加味して、適切な温度に決定してもよい。たとえば、部屋1~3の全ての部屋の設定温度が24℃である場合に、空調機400から給気温度24℃の送風をするようにしてもよい。
ダクト8には、各部屋20(部屋1~3)に対応してVAVユニット21が設置されている。ダクト8のうち、各部屋20に向けて分岐した部分をダクト8a~8cと称する。ダクト8から分岐するダクト8aは部屋1(部屋20a)に接続され、ダクト8から分岐するダクト8bは部屋2(部屋20b)に接続され、ダクト8から分岐するダクト8cは部屋3(部屋20c)に接続されている。
VAVユニット21aは、部屋1に対応してダクト8aに設置され、VAVユニット21bは、部屋2に対応してダクト8bに設置され、VAVユニット21cは、部屋3に対応してダクト8cに設置されている。
制御システム10は、各VAVユニット21に対して風量を調整するための指令(風量指令)を送信する。そして、各VAVユニット21は、本指令に基づき部屋20に送る風量を制御する。VAVユニット21aは、部屋1に送る風量を制御し、VAVユニット21bは、部屋2に送る風量を制御し、VAVユニット21cは、部屋3に送る風量を制御する。
また、部屋1~3の各々には、温度センサとしてセンサ23が設置されている。センサ23は、各部屋20(部屋1~3)の室内温度を計測する。制御装置100は、各部屋20のセンサ23が計測した室内温度を取得することができる。
制御装置100は、各部屋20の室内温度が、予め設定された温度になるように、VAVユニット21を制御して各部屋20に送られる風量を調整する。
図1の例では、空調機400からの給気温度は22℃である。部屋1の設定温度は20℃であり、現在の室内温度は30℃である。部屋2の設定温度は28℃であり、現在の室内温度は26℃である。部屋3の設定温度は15℃であり、現在の室内温度は19℃である。
制御システム10は、制御装置100と、サーバ200と、端末300を備える。制御装置100は、たとえば、PLC(Programmable Logic Controller)であって、空調機400および各VAVユニット21と通信可能である。
サーバ200は、制御装置100および端末300と通信可能である。サーバ200は、制御装置100を介して、空調機400および各VAVユニット21を監視および制御可能である。サーバ200が取得した各種情報は、端末300に送信される。
端末300は、ビル1の管理人が使用する。端末300が備える表示部320は、サーバ200が取得した各種情報を表示する。さらに、端末300の入力部310からの操作により、空調機400および各VAVユニット21を制御(たとえば、設定温度の変更等)することも可能である。
制御装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、サーバ200と接続するための通信インターフェイス(図示なし)と、空調機400と接続するための入出力カードを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能に接続されている。プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)である。メモリ102は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、記憶部とで構成される。
CPUは、ROMに保存されているプログラムをRAMに読み込んで実行し、制御装置100の各種機能を実現する。ROMは、制御装置100の処理手順が記されたプログラムを格納する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に記憶する。記憶部は、不揮発性の記憶装置である。記憶部は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等であってもよい。
制御装置100は、入出力カードを介して、空調機400の信号を入出力する。入出力カードは、デジタル信号を入力するためのデジタル入力カードと、アナログ信号を入力するためのアナログ入力カードと、デジタル信号を出力するためのデジタル出力カードと、アナログ信号を出力するためのアナログ出力カードとで構成される。入出力カードは、それぞれ複数の端子を有する端子台を有する。空調機400は、デジタル入力カードの端子台の端子を介して制御装置100にデジタル信号を入力する。空調機400は、アナログ入力カードの端子台の端子を介して制御装置100にアナログ信号を入力する。制御装置100は、デジタル出力カードの端子台の端子を介して空調機400にデジタル信号を出力する。制御装置100は、アナログ出力カードの端子台の端子を介して空調機400にアナログ信号を出力する。空調機400から出力される信号は、制御装置100を介して最終的にサーバ200で取得可能である。サーバ200から出力される信号は、制御装置100を介して空調機400に送信される。
サーバ200は、図示しないプロセッサ(CPU)と、メモリと、通信インターフェイスとを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能に接続されている。メモリとして、ROMと、RAMと、記憶部とを備えるようにしてもよい。
CPUは、ROMに保存されているプログラムをRAMに読み込んで実行し、サーバ200の各種機能を実現する。ROMは、サーバ200の処理手順が記されたプログラムを格納する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に記憶する。記憶部は、不揮発性の記憶装置であって、HDDやSSD等であってもよい。
端末300は、図示しないCPUと、ROMと、RAMと、記憶部と、通信インターフェイスと、入力部310と、表示部320とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
CPUは、ROMに保存されているプログラムをRAMに読み込んで実行し、端末300の各種機能を実現する。ROMは、端末300の処理手順が記されたプログラムを格納する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に記憶する。記憶部は、不揮発性の記憶装置であって、HDDやSSD等であってもよい。
入力部310は、ユーザからの入力を受け付ける。入力部310は、たとえば、タッチパネルであるが、キーボード、マウスであってもよい。表示部320は、各種情報の表示を行う。表示部320は、たとえば、液晶表示器、ディスプレイである。
図2は、従来の制御システムでの処理方法を説明するための図である。各部屋の状況は、図1の例と同じである。従来の処理方法では、まず、制御装置100は、部屋1~3の平均室内温度を算出する。平均室内温度は、25℃(=(30℃+26℃+19℃)/3)である。以下、平均室内温度=各部屋の室内温度とみなして処理を行う。給気温度は、22℃に設定されている。
制御装置100は、給気温度<平均室内温度である場合に、空調機400から供給される空気により各部屋20(部屋1~3)の温度を下げることができるものと想定し、運転モードを「冷房運転モード」と判定する。制御装置100は、給気温度>平均室内温度である場合に、空調機400から供給される空気により各部屋20の温度を上げることができるものと想定し、運転モードを「暖房運転モード」と判定する。
本例では、各部屋20の室内温度が25℃であると想定し、空調機400から送られる風の給気温度が22℃であるため、室内温度(25℃)より温度が低い給気温度(22℃)の風を送ることで、室内の温度が下がる(冷房運転が行われる)と判断している。一方、室内温度より温度が高い給気温度の風を送るような場合には、室内の温度が上がる(暖房運転が行われる)と判断する。
そして、部屋1では、平均室内温度「25℃」に対して、設定温度「20℃」であるため、給気温度「22℃」の風を送ることで室内の温度を下げることができると判断する。このため、制御装置100は、部屋1に対して送風を行う(送風量を増加させる)ようにVAVユニット21aを制御する。
部屋2では、平均室内温度「25℃」に対して、設定温度「28℃」である。この場合、25℃を28℃に上昇させる必要がある。しかしながら、制御装置100は、給気温度「22℃」の風を送る冷房運転を行った場合、平均室内温度「25℃」をさらに下げてしまうと判断し、部屋2に対する送風を停止させる(あるいは送風量を減少させる)ようにVAVユニット21bを制御する。
部屋3では、平均室内温度「25℃」に対して、設定温度「15℃」である。この場合、制御装置100は、平均室内温度「25℃」より低い給気温度「22℃」の風を送る冷房運転を行うことで、室内の温度を下げることができると判断し、部屋3に対して送風を行う(送風量を増加させる)ようにVAVユニット21cを制御する。ところが、実際には、部屋3の室内温度は「19℃」である。給気温度「22℃」の風を送った場合、室内の温度はむしろ上昇してしまうことになる。
従来の処理方法では、同一ビル内の各部屋において、夏場であれば同じように各部屋の室内温度が上昇し、同じような設定温度が設定されるという前提のもとで、上記のようにシステムが構成されていた。たとえば、オフィスビルにおいて、各部屋の室内温度が全て20℃であり、各部屋の設定温度が全て24℃であったとする。この場合、平均室内温度は20℃である。給気温度「24℃」の風を送る暖房運転を行えば、全ての部屋において設定温度まで温度を上げることができる。
ところが、たとえば、フィットネスジム、調理室のように室内温度が上がりやすい特殊な環境では、冬場であっても温度を下げる(冷房運転を行う)ようなケースもある。あるいは、低い室内温度を維持する必要のある特殊な環境では、冬場においてさらに室内の温度を下げる必要性があるケースも想定される。
このような特殊な事情があるビルにおいては、従来の方法では、平均室内温度を用いた制御を行っていたために、好適に温度制御が行えないケースが発生していた。このような、特殊な温度環境の部屋がある場合、別途、専用の空調機を設けることも考えられる。しかしながら、設備コストの関係でビル内に複数系統の空調機を設置できない場合や、テナントの入れ替えにより、予期せず特殊な温度環境のテナントが入居する可能性がある。
本実施の形態においては、このような特殊な事情も加味した上で、以下に説明するような制御装置100を構成する。図3は、本実施の形態における制御システム10での処理方法を説明するための図である。本実地の形態においては、各部屋の室内温度の情報を利用する。
本実施の形態において、給気温度は「22℃」である。給気温度は、ビル1内の各部屋の室内温度を調整するために予め設定された温度である。たとえば、ビル1の管理人が給気温度を設定してもよいし、ビル1内の全部屋の設定温度の平均値を給気温度として設定してもよい。
部屋1において、室内温度「30℃」、設定温度「20℃」である。制御装置100は、室内温度より低い設定温度に温度を下げるために「冷房運転」を行う必要があると判断する。部屋1には給気温度「22℃」の風を供給可能である。この場合、制御装置100は、30℃の室内にこれより温度の低い22℃の風を送ることで設定温度「20℃」に近づけるようVAVユニット21aを制御する。
部屋2において、室内温度「26℃」、設定温度「28℃」である。制御装置100は、室内温度より高い設定温度に温度を上げるために「暖房運転」を行う必要があると判断する。部屋2には給気温度「22℃」の風を供給可能である。この場合、制御装置100は、26℃の室内にこれより温度の低い22℃の風を送ることでむしろ室温が下がってしまうため、制御装置100は、部屋2に対する送風量を減少させる(あるいは送風を停止させる)ようにVAVユニット21bを制御する。
部屋3において、室内温度「19℃」、設定温度「15℃」である。制御装置100は、室内温度より低い設定温度に温度を下げるために「冷房運転」を行う必要があると判断する。部屋3には給気温度「22℃」の風を供給可能である。この場合、制御装置100は、19℃の室内にこれより温度の高い22℃の風を送ることでむしろ室温が上がってしまうため、制御装置100は、部屋3に対する送風量を減少させる(あるいは送風を停止させる)ようにVAVユニット21cを制御する。処理の詳細については、図5~図8のフローチャートを用いて詳細に説明する。
また、本実施の形態においては、各部屋20に対して許容温度範囲を設定可能である。許容温度範囲とは、各部屋20の利用者が室内温度として許容できる温度範囲を示すものである。現在の室内温度あるいは冷房運転/暖房運転を行った結果の室内温度が、設定された許容温度範囲である場合に、室内の利用者はこれを許容するものとする。
本例においては、部屋1の許容温度範囲は、17℃~23℃に設定されている。この場合、給気温度22℃の風を供給する冷房運転を行うことによって、室内温度を22℃まで下げることが可能である。その結果、部屋1の室内温度は許容温度範囲(17℃~23℃)内に制御可能であるため、部屋1の利用者の要求を満たすことになる。
部屋2の許容温度範囲は、26℃~30℃に設定されている。部屋2においては、給気温度22℃の風を供給したとしても設定温度まで上げることができない。しかしながら、現在の部屋2の室内温度(26℃)が許容温度範囲(26℃~30℃)内であるため、室内温度を制御しなかったとしても、部屋2の利用者の要求を満たすことになる。
部屋3の許容温度範囲は、13℃~17℃に設定されている。部屋3においては、給気温度22℃の風を供給したとしても設定温度まで下げることができない。そして、現在の部屋3の室内温度(19℃)が許容温度範囲(13℃~17℃)外であるため、室内温度を制御してもしなくても、部屋3の利用者の要求を満たすことができない。
図4は、許容温度判定結果の表示例を示す図である。端末300の表示部320は、サーバ200が制御装置100から取得した各種情報を表示することができる。図4には、図3で例示した情報を表示するものとする。
図4に示すように、空調機400からの給気温度は22℃であることが示されている。さらに、部屋1について、設定温度「20℃」、室内温度「30℃」、許容温度範囲「17℃~23℃」であることが示されている。そして、冷房運転を行うことによって部屋1の室内温度は許容温度範囲(17℃~23℃)内に制御可能であるため、「許容温度範囲内:OK」が表示されている。
部屋2について、設定温度「28℃」、室内温度「26℃」、許容温度範囲「26℃~30℃」であることが示されている。そして、部屋2の室内温度(26℃)は許容温度範囲(26℃~30℃)内であるため、「許容温度範囲内:OK」が表示されている。
部屋3について、設定温度「15℃」、室内温度「19℃」、許容温度範囲「13℃~17℃」であることが示されている。そして、部屋3の室内温度(15℃)は、室内温度を制御してもしなくても、許容温度範囲(13℃~17℃)内にすることができないため、「許容温度範囲内:NG」が表示されている。
以下、フローチャートを用いて、制御装置100が実行する処理について説明する。図5は、メイン処理のフローチャートである。制御装置100は、メイン処理を実行する。メイン処理は、周期的(たとえば、1秒毎、10秒毎、1分毎)に起動するようにすればよい。以下、「ステップ」を単に「S」とも称する。
メイン処理が開始すると、制御装置100は、S101において、各種情報を取得する。取得する情報は、給気温度、各部屋20の設定温度、室内温度、許容温度範囲、各VAVユニット21の動作状態等である。
制御装置100は、S102において、i=0に設定する。制御装置100は、S103において、iに1を加える。制御装置100は、S104において、i番目のVAVユニット21および部屋を設定する。これにより、まず、S103においてi=1が設定され、S104において1番目のVAVユニット(VAVユニット21a)および部屋1(部屋20a)が設定される。
制御装置100は、S105において、モード判定処理(後述の図6)を実行する。制御装置100は、S106において、風量設定処理(後述の図7,図8)を実行する。制御装置100は、S107において、許容温度判定処理(後述の図9)を実行する。これにより、まず、部屋1に対応したVAVユニット21aの運転モードおよび風量設定が決定されるとともに、許容温度範囲内であるか否かが判定される。
制御装置100は、S108において、i=最大部屋数Nであるか否かを判定する。最大部屋数Nは、ビル1に設置されている部屋の数であり、本実施の形態においては、最大部屋数N=3である。
制御装置100は、i=最大部屋数Nであると判定した場合(S108においてYESと判定)、処理をS109に進める。一方で、制御装置100は、i=最大部屋数Nでないと判定した場合(S108においてNOと判定)、処理をS103に戻す。
上記例では、i=1であるため、処理がS103に戻る。次に、S103においてi=2が設定され、S104において2番目のVAVユニット(VAVユニット21b)および部屋2(部屋20b)が設定される。これにより、S105~S107において、部屋2に対応したVAVユニット21bの運転モードおよび風量設定が決定されるとともに、許容温度範囲内であるか否かが判定される。
さらに、i=2であるため、S108の判定(NO)後に処理がS103に戻る。そして、S103においてi=3が設定され、S104において3番目のVAVユニット(VAVユニット21c)および部屋3(部屋20c)が設定される。これにより、S105~S107において、部屋3に対応したVAVユニット21cの運転モードおよび風量設定が決定されるとともに、許容温度範囲内であるか否かが判定される。この場合、i=3=最大部屋数Nであるため、S108の判定(YES)後に処理がS109に進む。
制御装置100は、S109において、各VAVユニット21(VAVユニット21a~c)に対して決定した動作量を風量指令として送信する。これにより、制御装置100からの指令に基づきVAVユニット21a~cが動作する。
制御装置100は、S110において、端末300に対して表示情報を送信し、メイン処理を終了する。表示情報は、給気温度、各部屋20の設定温度、室内温度、許容温度範囲、許容温度範囲内であるか否かの判定情報等である。これにより、図4で示したように、端末300の表示部320に各種情報が表示される。
図6は、モード判定処理のフローチャートである。制御装置100は、部屋20に設置されたセンサ23によって計測された室内温度が部屋20の設定温度より高いときに、対応するVAVユニット21の動作モードを冷房動作モードに決定する。制御装置100は、部屋20に設置されたセンサ23によって計測された室内温度が設定温度より低いときに、動作モードを暖房動作モードに決定する。
具体的には、モード判定処理が開始すると、制御装置100は、S201において、対象とする部屋20において、室内温度>設定温度であるか否かを判定する。制御装置100は、室内温度>設定温度であると判定した場合(S201でYES)、S202において、対象とするVAVユニット21の動作モードを冷房動作モードに設定(冷房動作設定)し、モード判定処理を終了する。
制御装置100は、室内温度>設定温度であると判定しなかった場合(S201でNO)、S203において、対象とする部屋20において、室内温度<設定温度であるか否かを判定する。制御装置100は、室内温度<設定温度であると判定した場合(S203でYES)、S204において、対象とするVAVユニット21の動作モードを暖房動作モードに設定(暖房動作設定)し、モード判定処理を終了する。制御装置100は、室内温度<設定温度であると判定しなかった場合(S203でNO)、モード判定処理を終了する。
図3の例では、部屋1に対応するVAVユニット21aの動作モードは冷房動作モードに設定され、部屋2に対応するVAVユニット21bの動作モードは暖房動作モードに設定され、部屋3に対応するVAVユニット21cの動作モードは冷房動作モードに設定される。
図7,図8は、風量設定処理のフローチャートである。制御装置100は、対象とする部屋20の給気温度と室内温度と動作モードとに基づき、風量を制御するためのVAVユニット21の動作量を決定する。
本実施の形態において、VAVユニット21の動作量は、VAVユニット21のダンパ羽根の開度である。VAVユニット21のダンパ羽根の開度と、対応する部屋20に送られる風量とは一定の関係がある。ダンパ羽根が全閉したときは風量が0になり、ダンパ羽根の開度が大きくなるほど風量が大きくなり、ダンパ羽根が全開したときは風量が最大となる。たとえば、動作量=A1であるときに風量=B1となり、動作量=A2であるときに風量=B2となり、動作量=A3であるときに風量=B3となるとする。A1<A2<A3である場合、B1<B2<B3の関係が成り立つ。本実施の形態においては、以下のように動作するものとする。
制御装置100は、動作量=A2でVAVユニット21が動作しているときに、動作モードが冷房動作モードに決定されかつ給気温度が室内温度より低い場合は、動作量=A3(>A2)に決定する。つまり、冷房動作モードに決定され、給気温度<室内温度であれば、風量が増加するように、VAVユニット21はダンパ羽根の開度を大きくする。
制御装置100は、動作量=A2でVAVユニット21が動作しているときに、動作モードが冷房動作モードに決定されかつ給気温度が室内温度より高い場合は、動作量=A1(<A2)に決定する。つまり、冷房動作モードに決定され、給気温度>室内温度であれば、風量が減少するように、VAVユニット21はダンパ羽根の開度を小さくする。
制御装置100は、動作量=A2でVAVユニット21が動作しているときに、動作モードが暖房動作モードに決定されかつ給気温度が室内温度より高い場合は、動作量=A3(>A2)に決定する。つまり、暖房動作モードに決定され、給気温度>室内温度であれば、風量が増加するように、VAVユニット21はダンパ羽根の開度を大きくする。
制御装置100は、動作量=A2でVAVユニット21が動作しているときに、動作モードが暖房動作モードに決定されかつ給気温度が室内温度より低い場合は、動作量=A1(<A2)に決定する。つまり、暖房動作モードに決定され、給気温度<室内温度であれば、風量が減少するように、VAVユニット21はダンパ羽根の開度を小さくする。
図7に示すように、風量設定処理が開始すると、制御装置100は、S301において、冷房動作モードであるか否かを判定する。制御装置100は、冷房動作モードであると判定した場合(S301でYES)は処理をS302に進め、冷房動作モードであると判定しなかった場合(S301でNO)は処理を「A」(図8のS401)に進める。
制御装置100は、S302において、給気温度<室内温度であるか否かを判定する。制御装置100は、給気温度<室内温度であると判定した場合(S302でYES)、S303において、風量増加を設定し、風量設定処理を終了する。具体的には、制御装置100は、上述のように、VAVユニット21のダンパ羽根の開度(動作量)が大きくなる(風量が増加する)ように、動作量を設定する。
制御装置100は、給気温度<室内温度であると判定しなかった場合(S302でNO)、S304において、給気温度>室内温度であるか否かを判定する。制御装置100は、給気温度>室内温度であると判定した場合(S304でYES)、S305において、風量減少を設定し、風量設定処理を終了する。具体的には、制御装置100は、上述のように、VAVユニット21のダンパ羽根の開度(動作量)が小さくなる(風量が減少)ように、動作量を設定する。制御装置100は、室内給気温度>室内温度であると判定しなかった場合(S304でNO)、風量設定処理を終了する。
図8に示すように、制御装置100は、S401において、暖房動作モードであるか否かを判定する。制御装置100は、暖房動作モードであると判定した場合(S401でYES)は処理をS402に進め、暖房動作モードであると判定しなかった場合(S401でNO)、処理を「B」(図7)に進め、風量設定処理を終了する。
制御装置100は、S402において、給気温度>室内温度であるか否かを判定する。制御装置100は、給気温度>室内温度であると判定した場合(S402でYES)、S403において、風量増加を設定し、風量設定処理を終了する。具体的には、制御装置100は、上述のように、VAVユニット21のダンパ羽根の開度(動作量)が大きくなる(風量が増加する)ように、動作量を設定する。
制御装置100は、給気温度>室内温度であると判定しなかった場合(S402でNO)、S404において、給気温度<室内温度であるか否かを判定する。制御装置100は、給気温度<室内温度であると判定した場合(S404でYES)、S405において、風量減少を設定し、風量設定処理を終了する。具体的には、制御装置100は、上述のように、VAVユニット21のダンパ羽根の開度(動作量)が小さくなる(風量が減少)ように、動作量を設定する。制御装置100は、室内給気温度<室内温度であると判定しなかった場合(S404でNO)、処理を「B」(図7)に進め、風量設定処理を終了する。
図3の例では、部屋1に対応するVAVユニット21aは冷房動作モードにおいて風量増加を設定され(S303)、部屋2に対応するVAVユニット21bは暖房動作モードにおいて風量減少が設定され(S405)、部屋3に対応するVAVユニット21cは冷房動作モードにおいて風量減少が設定される(S305)。
たとえば、A1=ダンパ羽根の全閉状態、風量B1=0、A3=ダンパ羽根の全開状態、風量B3=最大風量、A1<A2(たとえば、初期状態(電源投入時)でのダンパ羽根の開度)<A3、であってもよい。この場合、S303,S403において、ダンパ羽根の開度が初期状態であれば全開状態に変化させることで風量を最大にし、ダンパ羽根の開度が全開状態であれば風量最大の状態を維持することになる。S305,S405において、ダンパ羽根の開度が初期状態であれば全閉状態に変化させることで送風を停止し、ダンパ羽根の開度が全閉状態であれば送風停止状態を維持することになる。
なお、上記に限らず、動作モードが冷房動作モードである場合の、室内温度と設定温度の差分と、VAVユニット21のダンパ羽根の開度(動作量)との関係を示すテーブルを予め用意し、本テーブルに基づき動作量を決定するようにしてもよい。この場合、室内温度>設定温度であって差分が大きければ大きいほど(室内温度が高いほど)ダンパ羽根の開度を大きくするように制御してもよい。また、室内温度<設定温度である場合は、ダンパ羽根の開度=0または所定の開度にしてもよい。
同様に、動作モードが暖房動作モードである場合の、室内温度と設定温度の差分と、VAVユニット21のダンパ羽根の開度(動作量)との関係を示すテーブルを予め用意し、本テーブルに基づき動作量を決定するようにしてもよい。この場合、室内温度<設定温度であって差分が大きければ大きいほど(室内温度が低いほど)ダンパ羽根の開度を大きくするように制御してもよい。また、室内温度>設定温度である場合は、ダンパ羽根の開度=0または所定の開度にしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態においては、部屋20の室内温度が設定温度より高いときに冷房動作モードに決定され、室内温度が設定温度より低いときに暖房動作モードに決定され、給気温度と室内温度と動作モードとに基づきVAVユニット21の動作量を決定される。このように、各部屋の室内温度と設定温度との関係に基づいて各部屋の動作モードを決定するため、複数の部屋に対応した複数のVAVユニット21を動作させる場合において、冬場に冷房運転モードで動作させたり、夏場に暖房運転モードで動作させるような特殊な温度環境にも対応可能となり、各部屋の温度環境に合わせたVAVユニット21の制御を行うことができる。これにより、VAVユニット21を用いた好適な室内温度の制御をすることができる。
また、暖房動作モードに決定されているにもかかわらず給気温度<室内温度とする状況(給気により室内温度が下がってしまう)、あるいは、冷房動作モードに決定されているにもかかわらず給気温度>室内温度とする状況(給気により室内温度が上がってしまう)は、一般的には想定され得ない。しかしながら、本実施の形態においては、このような特殊な状況下においても、図3~図8を用いて説明したように、VAVユニット21を用いて好適に室内温度を制御することができる。
図9は、許容温度判定処理のフローチャートである。各部屋20(部屋1~3)の利用者が室内温度として許容できる温度範囲を示す許容温度範囲を、端末300から入力・設定可能である。図4の例においては、端末300の入力部310から、部屋1の利用者が室内温度として17~23℃(許容温度範囲)を許容できる旨が入力されて、これが表示されている。同様に、部屋2の利用者の許容温度範囲として26~36℃が設定されており、部屋3の利用者の許容温度範囲として13~17℃が設定されている。
許容温度判定処理を開始すると、制御装置100は、現在の室内温度または温度制御後の室内温度が許容温度範囲内であると判定した場合(S501でYES)は、許容温度範囲内である旨を設定し(S502)、許容温度判定処理を終了する。
図3の例では、部屋1において、冷房運転によって室内温度を30℃から22℃(給気温度)まで低下させることが可能である。その結果、室内温度は、許容温度範囲(17~22℃)内に制御可能であるため、許容温度範囲内である旨が設定される。そして、図4において、「許容温度範囲内:OK」が表示される。
また、部屋2において、暖房運転により室内温度を制御することができない。しかしながら、室内温度(26度)は、許容温度範囲(26~30℃)内であるため、許容温度範囲内である旨が設定される。そして、図4において、「許容温度範囲内:OK」が表示される。
制御装置100は、現在の室内温度または温度制御後の室内温度が許容温度範囲内であると判定しなかった場合(S501でNO)、許容温度範囲外である旨を設定し(S503)、許容温度判定処理を終了する。
図3の例では、部屋3において、冷房運転により室内温度を制御することができない。そして、室内温度(19℃)は、許容温度範囲(13~17℃)外であるため、許容温度範囲内である旨が設定される。そして、図4において、「許容温度範囲内:NG」が表示される。
以上説明したように、制御装置100は、室内温度が許容温度範囲内に制御可能か否かを判定する。ここで、「室内温度が許容温度範囲内に制御可能」であるとは、VAVユニット21により室内温度が制御された結果、室内温度が許容温度範囲内に制御される場合と、VAVユニット21により室内温度が制御されないものの、現在の室内温度がすでに許容温度範囲内である場合とを含む。表示部320は、室内温度が前記許容温度範囲内に制御できない場合に、その旨を表示する。
これにより、暖房動作モードにおいて給気温度の送風をすることで温度が下がってしまうため設定温度に温度調整することができない、あるいは、冷房動作モードにおいて給気温度の送風をすることで温度が上がってしまうため設定温度に温度調整することができないといった特殊な温度環境下において、部屋の利用者がその温度を許容できるか否か(不快でないか)を知ることができる。上記のように構成した場合、特殊な温度環境で部屋を使用するテナントがビル1に入居したような場合に、特に有用である。この場合、ビル1の管理者は、テナントの不満を事前に察知することができるし、室内に冷暖房装置を新たに設置する等の対策を講じることができる。
なお、上述した実施形態は、次のように構成されてもよい。
建物に設置された空調機から供給される所定温度の風量を制御するVAVユニットに用いられる制御システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能なプログラムを記憶するメモリとを備え、
前記空調機からの風は、供給経路から分岐した経路を介して前記建物に配置された複数の部屋の各々に供給され、
前記供給経路から分岐した経路に前記複数の部屋の各々に対応したVAVユニットが設置されており、
前記プロセッサは、
前記複数の部屋の各々に設置された温度センサによって計測された室内温度が当該部屋の設定温度より高いときに、当該部屋に対応するVAVユニットの動作モードを冷房動作モードに決定し、
前記複数の部屋の各々に設置された温度センサによって計測された室内温度が当該部屋の設定温度より低いときに、当該部屋に対応するVAVユニットの動作モードを暖房動作モードに決定し、
前記所定温度と、前記複数の部屋の各々の室内温度と、当該部屋に対応するVAVユニットの動作モードとに基づき、前記風量を制御するための、当該部屋に対応するVAVユニットの動作量を決定し、
前記複数の部屋の各々に対応するVAVユニットの動作量を当該VAVユニットに対して送信する、制御システム。
[付記]
上述した実施形態は、以下の付記の具体例である。
(付記1)
建物に設置された空調機から供給される所定温度の風量を制御するVAVユニットに用いられる制御システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能なプログラムを記憶するメモリとを備え、
前記空調機からの風は、供給経路を介して前記建物に配置された部屋に供給され、
前記VAVユニットは、前記部屋に対応して前記供給経路に設置されており、
前記プロセッサは、
前記部屋に設置された温度センサによって計測された室内温度が前記部屋の設定温度より高いときに、前記VAVユニットの動作モードを冷房動作モードに決定し、
前記室内温度が前記設定温度より低いときに、前記動作モードを暖房動作モードに決定し、
前記所定温度と前記室内温度と前記動作モードとに基づき、前記風量を制御するための前記VAVユニットの動作量を決定し、
決定した前記動作量を前記VAVユニットに対して送信する、制御システム。
(付記2)
前記動作量は、前記風量が第1風量に制御される前記VAVユニットの第1動作量と、前記風量が前記第1風量よりも大きい第2風量に制御される前記VAVユニットの第2動作量と、前記風量が前記第2風量よりも大きい第3風量に制御される前記VAVユニットの第3動作量とを含み、
前記プロセッサは、
前記第2動作量で前記VAVユニットが動作しているときに、前記動作モードが前記冷房動作モードに決定されかつ前記所定温度が前記室内温度より低い場合は、前記動作量を前記第3動作量に決定し、
前記第2動作量で前記VAVユニットが動作しているときに、前記動作モードが前記冷房動作モードに決定されかつ前記所定温度が前記室内温度より高い場合は、前記動作量を前記第1動作量に決定し、
前記第2動作量で前記VAVユニットが動作しているときに、前記動作モードが前記暖房動作モードに決定されかつ前記所定温度が前記室内温度より高い場合は、前記動作量を前記第3動作量に決定し、
前記第2動作量で前記VAVユニットが動作しているときに、前記動作モードが前記暖房動作モードに決定されかつ前記所定温度が前記室内温度より低い場合は、前記動作量を前記第1動作量に決定する、付記1に記載の制御システム。
(付記3)
前記部屋の利用者が前記室内温度として許容できる温度範囲を示す許容温度範囲を入力する入力部をさらに備え、
前記プロセッサは、前記室内温度が前記許容温度範囲内に制御可能か否かを判定する、付記1または付記2に記載の制御システム。
(付記4)
前記室内温度が前記許容温度範囲内に制御できない場合に、その旨を表示する表示部をさらに備える、付記1~付記3のいずれか1項に記載の制御システム。
(付記5)
建物に設置された空調機から供給される所定温度の風量を制御するVAVユニットに用いられる制御システムを制御する制御方法であって、
前記空調機からの風は、供給経路を介して前記建物に配置された部屋に供給され、
前記VAVユニットは、前記部屋に対応して前記供給経路に設置されており、
前記制御方法は、
前記部屋に設置された温度センサによって計測された室内温度が前記部屋の設定温度より高いときに、前記VAVユニットの動作モードを冷房動作モードに決定するステップと、
前記室内温度が前記設定温度より低いときに、前記動作モードを暖房動作モードに決定するステップと、
前記所定温度と前記室内温度と前記動作モードとに基づき、前記風量を制御するための前記VAVユニットの動作量を決定するステップと、
決定した前記動作量を前記VAVユニットに対して送信するステップとを備える、制御方法。
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。