JP7802397B2 - 可食フィルム及びその製造方法 - Google Patents
可食フィルム及びその製造方法Info
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Description
これらの活用分野のうち、各種嗜好品及びお菓子類については、風味をしっかりと味わうことが重要視されるので、風味を発揮するエキス類を十分に配合する事が必要である。
しかし、これらのエキス類を十分な量配合すると、水分過剰で乾燥コストが高くなってしまう、またエキスパウダーを使用するとフィルムを製造する際に展延性が悪くなり、均一な厚みの可食フィルムにすることができないといった問題があった。
そこで、可食フィルムの展延性等の成形性の問題を解消するべく種々提案がなされている。
例えば、特許文献1には、水不溶性であり、かつ強度を向上させた積層可食性フィルムが提案されている。具体手には、二枚の可食性フィルムが積層されて成る水に対して不溶性の可食フィルムが、酸性領域で可溶な多糖類から成る酸性フィルムとアルカリ領域で可溶な多糖類から成るアルカリ性フィルムとが積層されて成る積層フィルムであって、酸性フィルムとアルカリ性フィルムとの層間で、フィルムに配合されている酸性成分とアルカリ成分とが反応して中和されて、積層フィルムが水に対して不溶性である積層可食性フィルムが提案されている。
また、特許文献2には、厚みの制御及び薄膜化が容易で様々な用途に使用することができ、また、加熱により味や風味の劣化しやすい食材の熱劣化が抑制された可食シートを、効率よく低コストで製造することができる可食シート及びその製造方法が提案されている。具体手には、α化澱粉を含有する原料組成物のシート状熱圧成形体である可食シートであって、前記原料組成物は、イモ類、果菜類、穀物類、マメ類、葉菜類、茎菜類、花菜類、及び根菜類を含む野菜類、果実類、海藻類、又は魚介類に属する少なくとも1種の食材を含有する、可食シートが提案されている。
要するに、風味をしっかりと味わうことが可能で且つ製造時の展延性に優れた組成の可食フィルムの開発が要望されているのが現状である。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.液状成分と固体状成分とを含有する可食フィルム用組成物からなり、
上記固体状成分として水溶性植物繊維と水不溶性植物繊維との両者を含有する食品を含有し、
上記液体成分として、水を用いない可食フィルムであって、
上記食品に由来する水溶性植物繊維と水不溶性植物繊維とを合計量で全体の5重量%以上含有し、
上記食品に由来する上記水溶性植物繊維と上記水不溶性植物繊維との配合割合が、重量比で上記水溶性植物繊維100に対して上記水不溶性植物繊維10~500である
可食フィルム。
2.更に、α化デンプンを、可食フィルム全体中10~30重量%の配合量で含有する1記載の可食フィルム。
3.上記液状成分と上記固体状成分との配合割合は、重量比で上記液状成分100に対して上記固体状成分200~500である、1記載の可食フィルム。
4.固体状成分を混合する混合工程、
混合工程で得られた混合物を、水を配合しない液状成分に添加して、液状成分を混合物に浸透させて浸透物を得る浸透工程、及び
浸透物を圧延してフィルムを得るフィルム化工程
を具備する1記載の可食フィルムの製造方法。
また、本発明の可食フィルムの製造方法によれば、展延性に優れ、良質な可食フィルムを効率よく製造できる。
本発明の可食フィルムは、液状成分と固体状成分とを含有する可食フィルム用組成物からなり、上記固体状成分として水溶性植物繊維と水不溶性植物繊維との両者を含有する食品を含有し、上記液体成分として、水を用いないものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔液状成分〕
本発明において用いられる液状成分は、流動性を有していればよく、粘性を有するペースト状のものも含むが、本発明において水は用いない。上記液状成分としては、水以外の液状成分であれば特に制限なく、エキス成分、他の液状成分等を用いることができる。
上記エキス成分は、所望の味を付与するための成分であり、具体的には、梅エキス;各種果汁;各種植物抽出エキス;魚介エキス;ビーフエキス、ポークエキス、チキンエキス等動物由来エキス;等を挙げることができる。
また、他の液状成分としては、グリセリン、水飴、異性化液糖、糖アルコール等を挙げることができる。
本発明において用いられる固体状成分としては、上記水溶性植物繊維及び上記水不溶性植物繊維の両者を含む食品が挙げられる他、基剤、他の固体状成分等を用いることができる。
上記基剤としては、一般的には以下のフィルム用材料等を用いることができ、それぞれ単独若しくは2種以上混合して用いることができ、それぞれ市販品を用いることもできる。
ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デンプン、キサンタンガム、カラヤガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カンテン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(別名:セルロースアセテートフタレート、CAP)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー(商品名:カーボポール商品名,BFグッドリッチ社製)、トラガント、アラビアゴム、ローカストビーンズガム、グアーガム、カラギーナン(カラゲナン)、デキストリン、デキストラン、アミロース、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、プルラン、キトサン、デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、プランタゴ種皮、ガラクトマンナン、オイドラギット、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アルキルエステル、ゼラチン、セラック系樹脂(セラック、白色透明セラック)、デンプン、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、水不溶性メタクリル酸共重合体、メタクリル酸エチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、メタクリル酸ジメチルアミノエチル・メタクリル酸メチル共重合体、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、アクリル酸、メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等。
本発明において用いられる上記水溶性植物繊維は、食品に含まれる或いは食品に用いることができ、水に溶解可能な植物繊維であれば特に制限なく、種々のものを用いることができ、このような水溶性植物繊維を含有する食品又は食品添加物を本発明の可食フィルムに含有させることもできる。
具体的には、ペクチン、アルギン酸、ガム質(キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グルコマンナン、セルロース、グルテン、プルラン、大豆多糖類、各種果実由来植物繊維
等が挙げられる。
〔水不溶性植物繊維〕
本発明において用いられる上記水不溶性植物繊維は、食品に含まれる或いは食品に用いることができ、水に溶解しない植物繊維であれば特に制限なく、種々のものを用いることができ、このような水不溶性植物繊維を含有する食品又は食品添加物を用いることで本発明の可食フィルムに含有させることもできる。
具体的には、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン等が挙げられる。
〔他の個体状成分〕
上記の他の固体状成分としては、α化デンプンを挙げることができ、本発明においては、上記水溶性植物繊維及び上記水不溶性植物繊維に加えて、更にα化デンプンを含有するのが好ましい。上記α化デンプンとしては、市販品を用いることができる。ここで、α化デンプンの配合量は、可食フィルム全体中10~30重量%とするのが、展延性を良好とし、可食フィルムの食感を糊っぽくなく且つ紙っぽさもない、良好な食感にする点で好ましく、15~25重量%とするのがさらに好ましい。
本発明において上記個体状成分として用いられる、上記水溶性植物繊維及び上記水不溶性植物繊維の両方を含む上記食品としては、具体的には、以下のものを挙げることができる。
「VITACEL AF401(アップルファイバー)」商品名、レッテンマイヤー株式会社製等のVITACELシリーズ;
「NUTRAVA(登録商標)Citrus Fiber(シトラスファイバー)」三晶株式会社販売;シトリ・ファイ(登録商標、鳥越製粉株式会社販売)等。
上記水溶性植物繊維及び上記水不溶性植物繊維の配合割合、すなわち上記食品中の上記不溶性食物繊維及び上記水溶性食物繊維の配合割合は、重量比で上記水溶性植物繊維100重量部に対して上記水不溶性植物繊維10~500重量部とするのが好ましく、50~500とするのが更に好ましい。この範囲内の配合割合で使用することで、所望の効果を得ることができる。
また、上記不溶性食物繊維及び上記水溶性食物繊維の合計の使用量、すなわち上記食品中の上記不溶性食物繊維及び上記水溶性食物繊維の合計量は、可食フィルム全体において5重量%以上とするのが好ましく、5~20重量%とするのが更に好ましく、5~15重量%とするのが最も好ましい。
本発明においては、上記水溶性植物繊維及び上記水不溶性植物繊維に加えて、通常この種の可食フィルムに用いることができる各種成分を用いることができる。
上記の他の成分としては、以下のもの等を挙げることができるが、これらを用いる場合、液状の成分であれば上記液状成分として用い、固体の成分であれば上記固体状成分として用いる。
クエン酸等の酸味料; 梅塩等の呈味剤; グルタミン酸Na、イノシン酸Na等の旨味調味剤; トラガント末、アラビヤゴム、トウモロコシデンプン等の結合剤;結晶セルロース等の賦形剤; トウモロコシデンプン等の崩壊剤; ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤: ショ糖、乳糖、果糖又はサッカリン、アスパルテーム、スクラロース、ステビア、アセスルファムカリウム等の甘味剤; ペパーミント、ハッカ油、チェリーフレーバー、オレンジ油、ウイキョウ油等の香味剤; あるいは安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル等の防腐剤; 酸化チタン等の不透明化剤; 三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄等の着色剤; 各種薬効成分等。
上記液状成分と上記固体状成分との配合割合は、重量比で上記液状成分100に対して上記固体状成分200~500とするのが好ましく、300~450とするのが更に好ましい。
本発明の可食フィルムは、以下の製造方法を実施することで得る事ができる。
すなわち、本発明の製造方法は、
固体状成分を混合すると共に、水を含まない液状成分を別個に混合する混合工程、
混合工程で得られた混合物を、液状成分の混合物に添加して、液状成分を混合物に浸透させて浸透物を得る浸透工程、及び
浸透物を圧延してフィルムを得るフィルム化工程
を実行することにより実施できる。
以下、詳述する。
(混合工程)
本発明においては、固体状成分と液状成分とを別個に混合した後、両者の混合物を混合することが重要である。
上記混合工程において上記固体状成分を混合する混合方法は、特に制限されず、固体状成分の量に応じて、各種混合機を用いて行うことができる。混合時間なども特に制限されず、常法に応じて固体状成分(上述の固体状成分はすべて粉体である)が十分に分散混合される程度混合を行えばよい。
また、上記液状成分を混合する混合方法は、特に制限されず、固体状成分の量に応じて、各種混合機を用いて行うことができる。混合時間なども特に制限されず、常法に応じて十分に分散混合される程度混合を行えばよい。
(浸透工程)
上記混合工程で混合した固体状成分の混合物を、液状成分の混合物に投入し、両者を混合することで固体状成分の混合物に液状成分の混合物を浸透させる。浸透に際しては、両者を混合することが好ましい。浸透及び混合は、液状成分と固体状成分とが軽くまとまる程度でよい。このような浸透及び混合は、通常の撹拌混合機等を用いて行うことができる。
(フィルム化工程)
本工程においては、まず、上記浸透工程で得られた固体状成分と液状成分との混合物を袋、例えばアルミ袋等に封入し、密閉した後、10~60分蒸す。
蒸し終わった後、剥離紙等で挟み、常法に従って圧延機にて圧延する。この圧延を所望の厚みとなるまで行い、本発明の可食フィルムを得ることができる。
(他の工程)
本発明においては、上述の各工程に加えて、適宜、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の工程を行う事ができる。
本発明の製造方法を実施することにより、本発明の可食フィルムを得ることができる。
上述の工程を得て得られる本発明の可食フィルムは、上述の各成分を含有してなる。厚みは、特に制限されないが、食感を保つ観点から0.01mm~10mmの範囲とするのが好ましく、0.1~5mmとするのが更に好ましい。
本発明の可食フィルムは、所望の大きさに切断して、通常のお菓子等と同様に食することで使用に供することができる。
そして、本発明の可食フィルムは、上述のように構成されているので、優れた展延性をもって製造することができる。また、食感に優れ、紙っぽさも糊っぽさもなく、口の中で良好に溶解させることができ、風味を味わうことができる。このような効果が得られる理由は定かでないが、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を有することで、骨格の成分と保水性の成分のバランスが良くなり、柔軟な物性となりシート状に擦る際の加工性が向上しているものと考えられる。
〔実施例1~2〕
表1に示す組成で、以下のようにして可食フィルムを調製した。なお、以下の例は量が少ないので手作業により行っているが、それぞれ機械装置を用いて行っても良い。
(混合工程)
表1の固体状成分を、スプーンを用いて固体状成分が十分に分散混合されるまで、混合した。また、別に表1の液状成分を、スプーンを用いて十分に分散混合される程度混合した。
(浸透工程)
上記混合工程で混合した固体状成分の混合物を、液状成分の混合物に投入し、両者を混合することで固体状成分の混合物に液状成分の混合物を浸透させた。浸透に際しては、同時に混練することで混合を行い、団子状の混合物を得た。
(フィルム化工程)
次に、固体状成分と液状成分との混合物をアルミ袋等に封入し、密閉した後、20分蒸した。
蒸し終わった後、剥離紙で挟み、麺棒を用いて圧延し、厚み2.5mmの可食フィルムを得た。
得られた可食フィルムについて以下の評価を行った。その結果を表2に示す。
食感テスト;
なお、官能評価については、10人のモニターを用意し、得られた可食フィルムを食してもらい、下記の評価基準に基づき評価してもらった。
展延性;フィルム化工程において、伸びが良かったか否か判定した。
◎:伸びがよく、良好に伸ばすことができた。
〇:多少べとつくものの、所定の厚さに伸ばすことができた。
△:多少、固くなり、又は粘性があり、伸びない箇所があった。又は、成形できない部分があった。
×:固く伸びないか、又は成形できなかった。
(官能評価)
べとつき;手で触れたときにべとつくか否かを判定した。
◎:触って、べとつきがなかった。
〇:触って、べとつきがほとんどなかった。
△:触って、多少べとつきがあった。
×:触って、べとつきがあった。
歯への付着性;歯で噛んでみたときの歯への付着を評価した。
◎:歯につかなかった。
〇:歯につき難かった。
△:多少、歯についた。
×:歯についた。
硬さ;歯で噛み切れるか否か判定した。
◎:非常に噛み切りやすかった。
〇:噛み切りやすかった。
△:多少、噛み切りにくかった。
×:噛み切りがたかった。
口溶け;口に含んだときの口腔内での溶け具合を判定した。
◎:非常に口溶けが良い。
〇:口溶けが良い。
△:多少、口溶けが悪い。
×:口溶けが悪い。
味・香り;口に含んだ際の味香りを判定した。
◎:味・香りが立った。
〇:味・香りが立ちやすかった。
△:多少、味・香りが立ちにくかった。
×:味・香りが立たなかった。
表1に示す組成とした以外は、実施例1と同様にして可食フィルムを製造し、試験を行った。その結果を表1及び表2に示す。
実施例1及び実施例2はいずれもすべての評価項目において良好であった。特に実施例1においては、作業性、官能試験共に評価が高かった。
一方、比較例1及び2は、実施例1及び2に比して官能評価に劣り、作業性が悪いものであることがわかる。
Claims (3)
- 液状成分と固体状成分とを含有する可食フィルム用組成物を原料成分とし、
上記液状成分と上記固体状成分との配合割合は、重量比で上記液状成分100に対して上記固体状成分300~450であり、
上記液状成分は、エキス成分と、グリセリン、水飴、異性化液糖及び糖アルコールから選択される他の液状成分と、からなり、
上記固体状成分は、上記可食フィルム用組成物100重量%に対して5~15重量%の植物繊維を含有し、上記植物繊維は、水溶性植物繊維と水不溶性植物繊維との両者を含有する食品であって、当該食品が、「VITACEL(登録商標) AF401(アップルファイバー)」、又はNUTRAVA(登録商標)Citrus Fiber(シトラスファイバー)である
可食フィルム。 - 上記エキス成分が梅エキスであり、上記の他の液状成分がグリセリンであり、
更に、α化デンプンを、可食フィルム用組成物中10~30重量%の配合量で含有する請求項1記載の可食フィルム。 - 固体状成分を混合すると共に、これとは別に、液状成分を、各成分の有する水分以外の水を添加せずに別個に混合する混合工程、
混合工程で得られた固体状成分の混合物を、液状成分の混合物に添加して、液状成分を固体状成分の混合物に浸透させて浸透物を得る浸透工程、及び
浸透物を蒸した後、圧延してフィルムを得るフィルム化工程
を具備する請求項1記載の可食フィルムの製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
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2024
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Patent Citations (3)
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|---|---|---|---|---|
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Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| 大橋 賢一,砂糖類・でん粉情報,2021年10月,pp.2-7 |
Also Published As
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