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JP7803229B2 - 炭化珪素半導体装置 - Google Patents
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JP7803229B2 - 炭化珪素半導体装置 - Google Patents

炭化珪素半導体装置

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Description

本発明は、炭化珪素(以下では、単にSiCともいう)で構成されたSiC半導体装置に関するものである。
従来より、トレンチゲート構造を有するMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistorの略)が形成されたSiC半導体装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、このSiC半導体装置では、ドレイン領域として機能するn型の基板上に、基板よりも低不純物濃度とされたn型のバッファ層が形成され、バッファ層上に、バッファ層よりも低不純物濃度とされた低濃度層が形成されている。そして、低濃度層上には、一方向を長手方向として延設されたp型の第1ディープ層と、n型の第1電流分散層とが形成されている。なお、第1ディープ層および第1電流分散層は、隣合う第1ディープ層の間に第1電流分散層が配置されるように、第1ディープ層と第1電流分散層とが長手方向と交差する方向に沿って交互に配置されている。
第1ディープ層および第1電流分散層上には、n型の第2電流分散層およびp型の第2ディープ層が配置されている。第2電流分散層および第2ディープ層上には、p型のベース層が配置されている。第2ディープ層は、第1ディープ層とベース層とを接続するように配置されている。
ベース層の表層部には、n型のソース領域が形成されている。そして、ソース領域およびベース層を貫通して第2電流分散層に達するように複数のトレンチが形成されており、各トレンチには、ゲート絶縁膜およびゲート電極が順に形成されている。これにより、トレンチゲート構造が形成されている。なお、トレンチは、第1電流分散層および第1ディープ層に達しないように形成されている。また、このSiC半導体装置では、第1ディープ層は、トレンチの長手方向と交差する方向に延設されている。
このようなSiC半導体装置では、オフ状態である場合、ゲート-ドレイン間に電界が発生する。しかしながら、このようなSiC半導体装置では、トレンチよりも深い位置に、第1ディープ層および第1電流分散層が備えられている。このため、第1ディープ層と第1電流分散層との間に構成される空乏層により、オフ状態である際に高電界がゲート絶縁膜に入り込み難くなる。したがって、ゲート絶縁膜が破壊されることを抑制できる。
特開2019-046908号公報
ところで、本発明者らは、上記のようなSiC半導体装置において、製造工程の簡略化を図ることを検討している。具体的には、本発明者らは、基板上に、第1ディープ層等からソース領域等を構成する部分までのエピタキシャル層を一度に成長させて半導体基板を構成し、半導体基板の一面からイオン注入を行って、第1ディープ層等を形成することを検討している。この場合、半導体基板の一面から第1ディープ層までの長さが長くなるため、第1ディープ層を厚くし難くなる。そして、第1ディープ層の厚さが薄くなり過ぎると、第1ディープ層と第1電流分散層とによる電界緩和機能が低下し、ゲート絶縁膜が破壊される可能性がある。
本発明は上記点に鑑み、ゲート絶縁膜が破壊されることを抑制できるSiC半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1では、トレンチゲート構造を有するSiC半導体装置であって、第1導電型または第2導電型の第1不純物領域(11)と、第1不純物領域上に配置された第2導電型の第1ディープ層(15)と、第1不純物領域上に配置され、第1ディープ層に挟まれた部分を有する第1導電型の第1電流分散層(14)と、第1電流分散層上に配置された第1導電型の第2電流分散層(17)と、第1ディープ層上に配置された第2導電型の第2ディープ層(18)と、第2電流分散層および第2ディープ層の上に配置された第2導電型のベース層(21)と、ベース層の表層部に形成された第1導電型の第2不純物領域(22)と、第2不純物領域およびベース層を貫通して第2電流分散層に達するトレンチ(25)の壁面に形成されたゲート絶縁膜(26)と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極(27)とを有するトレンチゲート構造と、第2不純物領域およびベース層と電気的に接続される第1電極(29)と、第1不純物領域と電気的に接続される第2電極(30)と、を備え、トレンチは、第1不純物領域の面方向における一方向を延設方向として延設され、第1ディープ層は、第1不純物領域の面方向であって、延設方向と直交する方向に延設された第1構成部(15a)と、延設方向に延設された第2構成部(15b)とが繋がった部分を有する形状とされており、さらに、第1ディープ層は、第1構成部と第2構成部との交差部分(15c)の不純物濃度が、交差部分と異なる部分の不純物濃度よりも高くされている
これによれば、第1ディープ層は、トレンチの長手方向と直交する方向に延びる第1構成部と、トレンチの長手方向に沿って延びる第2構成部とを有する構成とされている。このため、第1ディープ層が第1構成部のみを有する構成とされている場合と比較して、ゲート絶縁膜が破壊されることを抑制できる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態におけるSiC半導体装置の斜視断面図である。 図1中の第1電流分散層、第1ディープ層、トレンチ、第2ディープ層の位置関係を示す斜視断面図である。 図1中の第1電流分散層、第1ディープ層、トレンチ、第2ディープ層の位置関係を示す平面図である。 ゲート絶縁膜に印加される電界と、オン抵抗との関係を示す図である。 第2実施形態における電流分散層、第1ディープ層、トレンチ、第2ディープ層の位置関係を示す平面図である。 第3実施形態における第1電流分散層、第1ディープ層、トレンチ、第2ディープ層の位置関係を示す平面図である。 第3実施形態の変形例における第1電流分散層、第1ディープ層、トレンチ、第2ディープ層の位置関係を示す平面図である。 第4実施形態における第1電流分散層、第1ディープ層、トレンチ、第2ディープ層の位置関係を示す斜視断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、トレンチゲート構造の反転型のMOSFETが形成されているSiC半導体装置を例に挙げて説明する。なお、以下では、SiC半導体装置のうちのMOSFETが形成されているセル領域の構成について説明するが、実際のSiC半導体装置には、セル領域を囲むように、FLR(Field Limiting Ringの略)構造等が形成された外周領域が備えられている。また、本実施形態のSiC半導体装置は、例えば、自動車等の車両に搭載され、車両用の各種電子装置を駆動するための装置として適用されると好適である。
以下、後述する基板11の面方向における一方向をX軸方向とし、基板の面方向における一方向と交差する方向をY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向と直交する方向をZ軸方向として説明する。なお、本実施形態では、X軸方向とY軸方向とは直交している。また、本実施形態におけるZ軸方向とは、後述する半導体基板10の厚さ(すなわち、深さ)方向に相当しており、後述する基板11と低濃度層13等との積層方向にも相当している。
SiC半導体装置は、図1に示されるように、半導体基板10を用いて構成されている。具体的には、SiC半導体装置は、SiCからなるn型の基板11を備えている。本実施形態では、基板11として、例えば、(0001)Si面に対して0~8°のオフ角を有し、窒素やリン等のn型不純物濃度が1.0×1019/cmとされ、厚さが300μm程度とされたものが用いられる。なお、基板11は、本実施形態ではドレイン領域を構成するものであり、第1不純物領域に相当している。
基板11の表面上には、SiCからなるn型のバッファ層12が形成されている。バッファ層12は、基板11の表面にエピタキシャル成長を行うことによって構成される。そして、バッファ層12は、n型不純物濃度が、基板11と、後述する低濃度層13との間の不純物濃度とされ、厚さが1μm程度とされている。
バッファ層12の表面上には、例えば、n型不純物濃度が5.0~20.0×1015/cmとされ、厚さが10~15μm程度とされたSiCからなるn型の低濃度層13が形成されている。この低濃度層13は、不純物濃度がZ軸方向において一定とされていてもよいが、濃度分布に傾斜が付けられ、低濃度層13のうちの基板11側の方が基板11から離れる側よりも高濃度となるようにされると好ましい。例えば、低濃度層13は、基板11の表面から3~5μm程度の部分の不純物濃度が2.0×1015/cm程度他の部分よりも高くされるのが好ましい。このような構成にすることにより、低濃度層13の内部抵抗を低減でき、オン抵抗を低減することができる。
低濃度層13の表面上には、第1電流分散層14および第1ディープ層15が形成されている。本実施形態では、第1ディープ層15は、図2および図3に示されるように、X軸方向に沿って延設された第1構成部15aと、Y軸方向に沿って延設された第2構成部15bとが繋がった格子状とされている。言い換えると、第1ディープ層15は、後述するトレンチ25の長手方向と直交する方向に延設された第1構成部15aと、後述するトレンチ25の長手方向に沿って延設された第2構成部15bとが繋がった格子状とされている。そして、第1電流分散層14は、第1構成部15aと第2構成部15bとの間に配置されている。つまり、第1電流分散層14は、Z軸方向において、第1ディープ層15の間に点在して配置されている。なお、Z軸方向においてとは、基板11の表面に対する法線方向のことであり、Z軸方向から視たときということもできる。
本実施形態の第1ディープ層15は、第2構成部15bが後述する第2ディープ層18と接続されるように形成されている。つまり、本実施形態の第2構成部15bは、後述するトレンチ25と対向する部分と異なる部分に形成されており、Z軸方向においてトレンチ25と重ならないように形成されている。
第1電流分散層14は、低濃度層13よりも高不純物濃度とされたn型とされており、深さ(すなわち厚さ)が1.55μmとされている。本実施形態では、第1電流分散層14は、n型不純物濃度が5.0×1016~3.0×1017/cm程度とされている。第1ディープ層15は、深さが1.5μmとされ、p型不純物濃度が2.0×1017~2.0×1018/cm程度とされている。
本実施形態の第1ディープ層15は、第1電流分散層14より浅く形成されている。つまり、第1ディープ層15は、底部が第1電流分散層14内に位置するように形成されている。言い換えると、第1ディープ層15は、低濃度層13との間に第1電流分散層14が位置するように形成されている。このような第1電流分散層14および第1ディープ層15は、本実施形態では、半導体基板10の一面10aから適宜不純物をイオン注入することで形成される。なお、半導体基板10の一面10aとは、後述するソース領域22やコンタクト領域23の表面のことである。また、従来のSiC半導体装置における第1ディープ層15は、例えば、第1ディープ層15を構成する部分のみのエピタキシャル層を成膜することで形成され、深さが2.3μm程度とされている。
第1電流分散層14および第1ディープ層15上には、第2電流分散層17、第2ディープ層18、ベース層21、ソース領域22、コンタクト領域23等が形成されている。
第2電流分散層17は、低濃度層13よりも高不純物濃度とされたn型とされ、第1電流分散層14と繋がるように形成されている。このため、本実施形態では、低濃度層13、第1電流分散層14、および第2電流分散層17が繋がり、これらによってドリフト層19が構成されている。また、第2電流分散層17は、厚さが0.5~2.0μmとされ、n型不純物濃度が1.0×1017~3.0×1017cm程度とされている。
第2ディープ層18は、p型とされ、厚さが第2電流分散層17と等しくされている。また、第2ディープ層18は、第1ディープ層15と接続されるように形成されている。本実施形態の第2ディープ層18は、p型不純物濃度が2.0×1017~2.0×1018/cm程度とされている。
そして、第2電流分散層17および第2ディープ層18は、Y軸方向を長手方向として延設されると共に、X軸方向において交互に複数本が並べられたレイアウトとされている。また、第2ディープ層18は、第2構成部15bの直上に、第2構成部15bと接続されるように形成されている。なお、第2電流分散層17および第2ディープ層18の形成ピッチは、後述するトレンチゲート構造の形成ピッチに合わせてあり、第2ディープ層18は、後述するトレンチ25を挟むように形成されている。
また、このような第2電流分散層17および第2ディープ層18は、半導体基板10の一面10aから不純物をイオン注入することで構成される。
ベース層21は、p型とされ、第2電流分散層17および第2ディープ層18上に形成されている。このため、第1ディープ層15は、第2ディープ層18を介してベース層21と接続された状態となっている。ベース層21は、例えば、p型不純物濃度が5.0×1016~2.0×1019/cmとされ、厚さが2.0μm程度とされている。
ソース領域22は、n型とされており、ベース層21の表層部に形成されている。コンタクト領域23は、p型とされており、ベース層21の表層部に形成されている。具体的には、ソース領域22は、後述するトレンチ25の側面に接するように形成されており、コンタクト領域23は、ソース領域22を挟んで後述するトレンチ25と反対側に形成されている。本実施形態では、ソース領域22は、表層部におけるn型不純物濃度(すなわち、表面濃度)が例えば1.0×1021/cmとされ、厚さが0.3μm程度とされている。コンタクト領域23は、表層部におけるp型不純物濃度(すなわち、表面濃度)が例えば1.0×1021/cmとされ、厚さが0.3μm程度とされている。なお、本実施形態では、ソース領域22が第2不純物領域に相当する。
本実施形態では、以上のように、基板11、バッファ層12、低濃度層13、第1電流分散層14、第1ディープ層15、第2電流分散層17、第2ディープ層18、ベース層21、ソース領域22、コンタクト領域23等を含んで半導体基板10が構成されている。そして、上記のように半導体基板10が構成されているため、半導体基板10は、SiCで構成されているといえる。また、本実施形態では、半導体基板10の一面10aがソース領域22やコンタクト領域23で構成され、半導体基板10の他面10bが基板11で構成されている。
半導体基板10には、ソース領域22やベース層21等を貫通して一面10a側から第2電流分散層17に達すると共に、底面が第2電流分散層17内に位置するように、例えば、幅が1.4~2.0μmとされたトレンチ25が形成されている。
なお、トレンチ25は、第1電流分散層14および第1ディープ層15に達しないように形成されている。つまり、トレンチ25は、底面よりも下方に、トレンチ25とは離れた状態で第1電流分散層14および第1ディープ層15が位置するように形成されている。また、トレンチ25は、図1中では1本のみしか図示していないが、実際には、Y軸方向に沿って延びるように複数本が延設されると共に、X軸方向に等間隔で並べられてストライプ状となるように形成されている。つまり、本実施形態では、トレンチ25は、第1ディープ層15の第2構成部15bの延設方向を長手方向として形成されている。また、トレンチ25は、第2ディープ層18に挟まれるように形成されている。
トレンチ25には、内壁面にゲート絶縁膜26が形成され、ゲート絶縁膜26上には、ドープトPoly-Si等によって構成されるゲート電極27が形成されている。これにより、トレンチゲート構造が構成されている。特に限定されるものではないが、ゲート絶縁膜26は、トレンチ25の内壁面を熱酸化する、またはCVD(chemical vapor depositionの略)法を行うことで形成される。そして、ゲート絶縁膜26は、厚さがトレンチ25の側面側および底面側で共に100nm程度とされている。
なお、ゲート絶縁膜26は、トレンチ25の内壁面以外の表面にも形成されている。具体的には、ゲート絶縁膜26は、半導体基板10の一面10aの一部も覆うように形成されている。より詳しくは、ゲート絶縁膜26は、ソース領域22の表面の一部も覆うように形成されている。言い換えると、ゲート絶縁膜26には、ゲート電極27が配置される部分と異なる部分において、ソース領域22およびコンタクト領域23を露出させるコンタクトホール26aが形成されている。
半導体基板10の一面10a上には、ゲート電極27やゲート絶縁膜26等を覆うように、層間絶縁膜28が形成されている。層間絶縁膜28は、BPSG(Borophosphosilicate Glassの略)等で構成されている。
層間絶縁膜28には、コンタクトホール26aと連通してソース領域22およびコンタクト領域23を露出させるコンタクトホール28aが形成されている。なお、層間絶縁膜28に形成されたコンタクトホール28aは、ゲート絶縁膜26に形成されたコンタクトホール26aと連通するように形成されており、当該コンタクトホール26aと共に1つのコンタクトホールとして機能する。このため、以下では、コンタクトホール26aおよびコンタクトホール28aを纏めてコンタクトホール26bともいう。そして、コンタクトホール26bのパターンは、任意であり、例えば複数の正方形のものを配列させたパターン、長方形のライン状のものを配列させたパターン、または、ライン状のものを並べたパターン等が挙げられる。本実施形態では、コンタクトホール26bは、トレンチ25の長手方向に沿ったライン状とされている。
層間絶縁膜28上には、コンタクトホール26bを通じてソース領域22およびコンタクト領域23と電気的に接続される上部電極29が形成されている。なお、本実施形態では、上部電極29が第1電極に相当している。
本実施形態の上部電極29は、例えば、Ni/Al等の複数の金属にて構成されている。そして、複数の金属のうちのn型SiC(すなわち、ソース領域22)を構成する部分と接触する部分は、n型SiCとオーミック接触可能な金属で構成されている。また、複数の金属のうちの少なくともp型SiC(すなわち、コンタクト領域23)と接触する部分は、p型SiCとオーミック接触可能な金属で構成されている。
半導体基板10の他面10b側には、基板11と電気的に接続される下部電極30が形成されている。なお、本実施形態では、下部電極30が第2電極に相当している。
本実施形態のSiC半導体装置では、このような構造により、nチャネルタイプの反転型であるトレンチゲート構造のMOSFETが構成されている。なお、本実施形態では、n型、n型、n型が第1導電型に相当しており、p型、p型が第2導電型に相当している。
以上が本実施形態におけるSiC半導体装置の構成である。次に、上記SiC半導体装置の作動および効果について説明する。
まず、SiC半導体装置では、ゲート電極27に閾値電圧以上のゲート電圧が印加される前のオフ状態では、ベース層21に反転層が形成されない。このため、下部電極30に正の電圧、例えば1600Vが印加されたとしても、ソース領域22からベース層21内に電子が流れず、SiC半導体装置は、上部電極29と下部電極30との間に電流が流れないオフ状態となる。
また、SiC半導体装置がオフ状態である場合には、ゲート-ドレイン間に電界がかかり、ゲート絶縁膜26の底部に電界集中が発生し得る。しかしながら、上記SiC半導体装置では、トレンチ25よりも深い位置に、第1ディープ層15および第1電流分散層14が備えられている。このため、第1ディープ層15と第1電流分散層14との間に構成される空乏層により、ドレイン電圧の影響による等電位線のせり上がりが抑制され、高電界がゲート絶縁膜26に入り込み難くなる。したがって、本実施形態では、ゲート絶縁膜26が破壊されることを抑制できる。
この際、本実施形態の第1ディープ層15は、X軸方向に延設された第1構成部15aと、Y軸方向に延設された第2構成部15bとを有する構成とされている。このため、例えば、第1ディープ層15が第1構成部15aのみを有する構成とされている場合と比較して、生成される空乏層が大きくなり、さらにゲート絶縁膜26が破壊されることを抑制できる。つまり、第1ディープ層15の厚さが薄くなったとしても、ゲート絶縁膜26が破壊されることを抑制できる。例えば、第1ディープ層15が第1構成部15aのみで構成されるSiC半導体装置を比較例とすると、図4に示されるように、本実施形態のSiC半導体装置では、比較例の半導体装置よりもゲート絶縁膜26に印加される電界を小さくできることが確認される。なお、図4は、本実施形態のSiC半導体装置における第1ディープ層15の厚さを1.6μmとすると共に比較例の第1ディープ層15の厚さを2.3μmとし、その他の構成を同じにしたシミュレーション結果を示している。
そして、ゲート電極27に、閾値電圧以上のゲート電圧、例えば20Vが印加されると、ベース層21のうちのトレンチ25に接している表面に反転層が形成される。これにより、上部電極29と下部電極30との間に電流が流れ、SiC半導体装置がオン状態となる。なお、本実施形態では、反転層を通過した電子が第2電流分散層17、第1電流分散層14および低濃度層13を通過して基板11へ流れるため、第2電流分散層17、第1電流分散層14および低濃度層13を有するドリフト層19が構成されているといえる。
以上説明した本実施形態によれば、第1ディープ層15は、トレンチ25の長手方向と直交する方向に延設された第1構成部15aと、トレンチ25の長手方向に延設された第2構成部15bとを有する構成とされている。このため、第1ディープ層15が第1構成部15aのみを有する構成とされている場合と比較して、ゲート絶縁膜26が破壊されることを抑制できる。
ここで、例えば、第1構成部15aをトレンチ25の長手方向に対して傾斜した方向(例えば、トレンチ25の長手方向に対して45°)に延設すると共に、第2構成部15bを当該傾斜した方向と直交する方向に延設することも考えられる。しかしながら、この構成では、Z軸方向において、トレンチ25と、第1構成部15aおよび第2構成部15bとで囲まれる領域が平面略三角形状となる。このため、この構成では、部分毎に電流が流れ得る領域の大きさが異なり易く、電流集中が発生し易くなる。また、この構成では、部分毎に電界緩和の機能がばらつき易くなる。このため、本実施形態のように、第1構成部15aをトレンチ25の長手方向と直交する方向に延設すると共に第2構成部15bをトレンチ25の長手方向に延設することにより、電流集中や電界緩和の機能のばらつきを抑制しつつ、ゲート絶縁膜26が破壊されることを抑制できる。
(1)本実施形態では、第2構成部15bは、第2ディープ層18の直下に形成されている。つまり、第2構成部15bは、トレンチ25から離れた位置に形成されている。このため、第2構成部15bをトレンチ25の直下に形成する場合と比較して、SiC半導体装置をオン状態とした際、ベース層21に形成される反転層から流れる電子の流れが第2構成部15bによって阻害されることを抑制でき、オン抵抗が高くなることを抑制できる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、第1構成部15aの形成場所を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態のSiC半導体装置では、図5に示されるように、第2構成部15bがトレンチ25の直下に形成されている。言い換えると、第2構成部15bは、トレンチ25の底部と対向するように形成されている。そして、第2ディープ層18は、第1ディープ層15のうちの第1構成部15aと接続されている。
以上説明した本実施形態のように、第2構成部15bがトレンチ25の底部と対向するように形成されていても、第1ディープ層15が第1構成部15aおよび第2構成部15bを有するため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、第2構成部15bを分断したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態のSiC半導体装置では、図6に示されるように、第2構成部15bが分断されている。本実施形態の第2構成部15bは、隣合う2つの第1構成部15aの間において、一方の第1構成部15aから他方の第1構成部15a側に突き出すように配置されつつ、他方の第1構成部15aと離れるように形成されている。
また、本実施形態の第2構成部15bは、隣合う2つの第1構成部15aの間において、X軸方向に沿って、第1構成部15aと離れる部分が交互になるように形成されている。つまり、第1構成部15aおよび第2構成部15bは、櫛歯状とされると共に、隣合う2つの第1構成部15aに備えられる第2構成部15bが噛み合うように配置されている。
以上説明した本実施形態によれば、第1ディープ層15が第1構成部15aおよび第2構成部15bを有する構成とされているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、第2構成部15bが分断されている。このため、上記第1実施形態と比較して第1電流分散層14となる領域が増加するため、オン抵抗の低減を図ることができる。
(2)本実施形態では、第2構成部15bは、隣合う2つの第1構成部15aの間において、X軸方向に沿って、第1構成部15aと離れる部分が交互になるように形成されている。このため、隣合う2つの第1構成部15aの一方の第1構成部15aのみに第2構成部15bが備えられている場合と比較して、SiC半導体装置がオン状態である際に電流が集中することを抑制できる。
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態の変形例について説明する。上記第3実施形態では、第1実施形態におけるSiC半導体装置の第2構成部15bを分断する例について説明した。しかしながら、上記第3実施形態は、図7に示されるように、上記第2実施形態におけるSiC半導体装置の第2構成部15bが分断されるようにしてもよい。また、上記第3実施形態において、第2構成部15bの第1構成部15aと離れる部分がX軸方向に沿って同じ側とされていてもよい。さらに、上記第3実施形態において、第2構成部15bの第1構成部15aと離れる部分がX軸方向に沿って間欠的に存在するようにしてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、第1ディープ層15の不純物濃度を規定したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態のSiC半導体装置は、基本的な構成は上記第1実施形態と同様とされている。但し、本実施形態では、図8に示されるように、第1ディープ層15のうちの第1構成部15aと第2構成部15bとが交差する部分を交差部分15cとすると、交差部分15cの不純物濃度が、交差部分15cと異なる部分の不純物濃度よりも高くされている。
なお、このような不純物濃度の関係は、第1構成部15aを構成する部分にイオン注入を行った後に第2構成部15bを構成する部分にイオン注入を行うことにより、交差部14cに2回のイオン注入が行われるようにすることで形成される。
以上説明した本実施形態によれば、第1ディープ層15が第1構成部15aおよび第2構成部15bを有する構成とされているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、第1ディープ層15は、交差部分15cの不純物濃度が、交差部分15cと異なる部分の不純物濃度よりも高くされている。このため、ブレークダウンBDが発生する部分を交差部分15cに限定し易くでき、設計を容易にし易くできる。また、本実施形態では、交差部分15cも第2ディープ層18と接続される。このため、交差部分15cでブレークダウンが発生した際、ホールhが第2ディープ層18へ抜け易くなり、ホールhがトレンチ25側に移動することを抑制できる。このため、ゲート絶縁膜26に印加され得るストレスを低減できる。
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
例えば、上記各実施形態では、第1導電型をn型、第2導電型をp型としたnチャネルタイプのトレンチゲート構造のMOSFETを例に挙げて説明した。しかしながら、SiC半導体装置は、例えば、nチャネルタイプに対して各構成要素の導電型を反転させたpチャネルタイプのトレンチゲート構造のMOSFETが形成されて構成されていてもよい。さらに、SiC半導体装置は、MOSFET以外に、同様の構造のIGBTが形成された構成とされていてもよい。IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistorの略)の場合、上記各実施形態におけるn型の基板11をp型の基板11に変更する以外は、上記第1実施形態で説明したMOSFETと同様である。
そして、上記各実施形態を組み合わせることもできる。例えば、上記第4実施形態を上記第2、第3実施形態に組み合わせ、交差部分15cの不純物濃度が高くなるようにしてもよい。
(本発明の特徴)
[請求項1]
トレンチゲート構造を有する炭化珪素半導体装置であって、
第1導電型または第2導電型の第1不純物領域(11)と、
前記第1不純物領域上に配置された第2導電型の第1ディープ層(15)と、
前記第1不純物領域上に配置され、前記第1ディープ層に挟まれた部分を有する第1導電型の第1電流分散層(14)と、
前記第1電流分散層上に配置された第1導電型の第2電流分散層(17)と、
前記第1ディープ層上に配置された第2導電型の第2ディープ層(18)と、
前記第2電流分散層および前記第2ディープ層の上に配置された第2導電型のベース層(21)と、
前記ベース層の表層部に形成された第1導電型の第2不純物領域(22)と、
前記第2不純物領域および前記ベース層を貫通して前記第2電流分散層に達するトレンチ(25)の壁面に形成されたゲート絶縁膜(26)と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極(27)とを有する前記トレンチゲート構造と、
前記第2不純物領域および前記ベース層と電気的に接続される第1電極(29)と、
前記第1不純物領域と電気的に接続される第2電極(30)と、を備え、
前記トレンチは、前記第1不純物領域の面方向における一方向を延設方向として延設され、
前記第1ディープ層は、前記第1不純物領域の面方向であって、前記延設方向と直交する方向に延設された第1構成部(15a)と、前記延設方向に延設された第2構成部(15b)とが繋がった格子状とされている炭化珪素半導体装置。
[請求項2]
前記第2構成部は、前記第2ディープ層と対向する状態で形成され、
前記第2ディープ層は、前記第2構成部と接続されている請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
[請求項3]
前記第2構成部は、隣合う前記第1構成部の間において、一方の前記第1構成部から他方の前記第1構成部側に突き出すと共に、前記他方の第1構成部と離れている請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置。
[請求項4]
前記第2構成部は、前記第1構成部の延設方向に沿って複数形成され、隣合う前記第1構成部の間において、前記第1構成部と離れる部分が前記第1構成部の延設方向に沿って交互になるように形成されている請求項3に記載の炭化珪素半導体装置。
[請求項5]
前記第1ディープ層は、前記第1構成部と前記第2構成部との交差部分(15c)の不純物濃度が、前記交差部分と異なる部分の不純物濃度よりも高くされている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置。
11 基板(第1不純物領域)
14 第1電流分散層
15 第1ディープ層
17 第2電流分散層
18 第2ディープ層
22 ソース領域(第2不純物領域)
25 トレンチ
26 ゲート絶縁膜
27 ゲート電極
29 上部電極(第1電極)
30 下部電極(第2電極)

Claims (4)

  1. トレンチゲート構造を有する炭化珪素半導体装置であって、
    第1導電型または第2導電型の第1不純物領域(11)と、
    前記第1不純物領域上に配置された第2導電型の第1ディープ層(15)と、
    前記第1不純物領域上に配置され、前記第1ディープ層に挟まれた部分を有する第1導電型の第1電流分散層(14)と、
    前記第1電流分散層上に配置された第1導電型の第2電流分散層(17)と、
    前記第1ディープ層上に配置された第2導電型の第2ディープ層(18)と、
    前記第2電流分散層および前記第2ディープ層の上に配置された第2導電型のベース層(21)と、
    前記ベース層の表層部に形成された第1導電型の第2不純物領域(22)と、
    前記第2不純物領域および前記ベース層を貫通して前記第2電流分散層に達するトレンチ(25)の壁面に形成されたゲート絶縁膜(26)と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極(27)とを有する前記トレンチゲート構造と、
    前記第2不純物領域および前記ベース層と電気的に接続される第1電極(29)と、
    前記第1不純物領域と電気的に接続される第2電極(30)と、を備え、
    前記トレンチは、前記第1不純物領域の面方向における一方向を延設方向として延設され、
    前記第1ディープ層は、前記第1不純物領域の面方向であって、前記延設方向と直交する方向に延設された第1構成部(15a)と、前記延設方向に延設された第2構成部(15b)とが繋がった部分を有する形状とされており、
    さらに、前記第1ディープ層は、前記第1構成部と前記第2構成部との交差部分(15c)の不純物濃度が、前記交差部分と異なる部分の不純物濃度よりも高くされている炭化珪素半導体装置。
  2. 前記第2構成部は、前記第2ディープ層と対向する状態で形成され、
    前記第2ディープ層は、前記第2構成部と接続されている請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
  3. 前記第2構成部は、隣合う前記第1構成部の間において、一方の前記第1構成部から他方の前記第1構成部側に突き出すと共に、前記他方の第1構成部と離れている請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置。
  4. 前記第2構成部は、前記第1構成部の延設方向に沿って複数形成され、隣合う前記第1構成部の間において、前記第1構成部と離れる部分が前記第1構成部の延設方向に沿って交互になるように形成されている請求項3に記載の炭化珪素半導体装置。
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