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JP7804413B2 - 医用情報処理システム及び方法 - Google Patents
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JP7804413B2 - 医用情報処理システム及び方法 - Google Patents

医用情報処理システム及び方法

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Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理システム及び方法に関する。
多数の他の被検者の各種検査結果や診断結果の情報を総合して、被検者について特定の疾患に関する可能性について判定を行う医用情報処理システムが知られている。例えば、被検者についての疾患の診断、処置方法、予後、リスクなどが判定される。
このような医用情報処理システムとして、例えば、健康診断の結果や、遺伝子、年齢、疾患履歴から、将来の罹患リスクを推定する技術がある。この技術では、罹患リスクの推定の際、頻繁に検査を行うことが困難な項目について、容易に測定可能な項目から推定し、リスクを推定する。その基礎技術として、事前確率分布として、集団の分布をクラスタリングしてあらかじめ疾患の分布をもとめ、実際の検査結果の下での事後確率分布をベイズの定理を用いて推定する方法がある。この方法では、被検者の集団での因子データを元に事前確率分布を推定し、事前確率分布をもとに、検査結果が得られた条件下での事後確率を求めている。そして、因子データの収集に当たっては、長期にわたって変化の少ない因子を入力し、この因子をもとに易罹患性の事前分布を求める。これは、易罹患性の事前分布を求めるために被検者の集団での因子データを収集する場合、因子個々の易罹患性が集団のデータを集める期間の中で変化してしまうと、易罹患性を高い信頼性で推定することが不可能になってしまうためである。
一方、流行性疾患では、罹患リスクは季節や状況により数日で大きく変動することがある。また、場合によっては、疾患有無の判断や検査後の処置の判断には被検者本人の行動が関係する。なお、被検者本人の行動は、検査時の問診において調査し追跡できる。しかしながら、調査した行動のうち、高いリスクをもつ行動は、検査当日にはわからず、検査の数日後に判明することがある。
例えば、初回の検査において、迅速抗原検査でO-157の検出を行い、ギリギリだが陰性と判定し、最近の食事に関する問診において、カイワレ大根入りサラダを数日前に食べたことを問診で聴取していたとする。ここで、検査の数日後にO-157の感染源として特定の施設のカイワレ大根が浮上した場合を考える。一般の流行性疾患について考えると、このような場合、可能性のある疾患によっては被検者本人に連絡し、再度検査に来るように依頼する必要がある。この様な場合、一般的に、担当医師が本人に連絡を取って再検査を促す。しかし、検査人数が多い場合や食品の摂取などの局地的なリスク行動について広く情報が公開されない場合には、担当医師が必要な処置を判断できず、患者の疾患の進行を迅速に止めることができないことがある。
このように、罹患リスクが短期間で大きく変化する場合、被検者の取り扱いを迅速に変更できず、患者にとって適切な処置が取れない場合がある。
特開2004-305674号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、特定の疾患に関する可能性が短期間で大きく変化する場合でも、変化した可能性が反映された判定結果を出力することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係る医用情報処理システムは、記憶部と、受付部と、出力部と、取得部と、更新部と、を備える。記憶部は、特定の疾患に関する可能性を判定する判定モデルを記憶する。受付部は、第1の被検者の履歴に基づく第1の被検者情報を受け付ける。出力部は、判定モデルと第1の被検者情報とに基づいて、疾患に関する第1の被検者の第1の情報を出力する。取得部は、第2の被検者の履歴に基づく第2の被検者情報を取得する。更新部は、第2の被検者情報に基づいて、判定モデルを更新する。出力部は、更新された判定モデルと第1の被検者情報とに基づいて、第1の被検者の可能性を含む第2の情報を出力する。
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システムの構成の一例を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る医用情報処理システムにおけるデータフローを示す模式図である。 図3は、第1の実施形態に係る医用情報処理システムに用いられる問診表の一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係る医用情報処理システムに用いられるレコードの一例を示す図である。 図5は、第1の実施形態に係る医用情報処理システムによる医療判断支援処理の処理手順を例示するフローチャートである。 図6は、第1の実施形態に係る医用情報処理システムによる医療判断支援処理により出力されるデータ管理画面の一例を示す図である。 図7は、第1の実施形態に係る医用情報処理システムによる判定処理の処理手順を例示するフローチャートである。 図8は、第2の実施形態に係る医用情報処理システムの構成の一例を示す図である。 図9は、第2の実施形態の変形例に係る医用情報処理システムによる判定処理の処理手順を例示するフローチャートである。 図10は、第3の実施形態に係る医用情報処理システムによる医療判断支援処理により出力されるデータ管理画面の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置の実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の医用情報処理システム1の構成を示す図である。医用情報処理システム1は、判定装置10を備える。判定装置10は、ネットワーク20を介して、医療情報システム30及び検査データベース40と接続されている。ここでは、判定装置10、医療情報システム30及び検査データベース40は同一の施設内に設けられるものとして説明するが、判定装置10は医療情報システム30及び検査データベース40とは別の施設に設けられてもよい。
ネットワーク20は、例えば、LAN(Local Area Network)である、なお、ネットワーク20への接続は、有線接続、及び無線接続を問わない。また、VPN(Virtual Private Network)等によりセキュリティが確保されるのであれば、接続される回線はLANに限定されない。インターネット等、公衆の通信回線に接続するようにしても構わない。
医療情報システム30は、病院等の医用施設に係る情報を管理する。医療情報システム30は、例えば、病院情報システム(Hospital Information System:HIS)である。医療情報システム30では、被検者の電子カルテ、各種検査に関する情報、診察結果等が記憶装置に記録されている。診察結果には、「疑い診断」の項目として、疑いがある疾患の名称が記録されている。
検査データベース40は、特定の疾患(以下、対象疾患と呼ぶ)を有する疑いがある患者(以下、被検者と呼ぶ)に関する複数のレコードが記録された記憶装置を備えている。各レコードは、被検者毎に生成される。レコードは、例えば、医用施設で検査や診察を受ける度に生成される。このため、1人の被検者に対して、複数のレコードが記録されることがある。レコードには、被検者の医用情報が記録されている。医用情報は、例えば、氏名、患者ID、検査施設に関する情報、背景因子、行動履歴、問診結果、検査情報、診断情報等を含む。例えば、対象疾患が「肺炎」の場合、検査データベース40は、肺炎検査データベースと呼ばれてもよい。
判定装置10は、ネットワーク20を介して、各種情報を医療情報システム30及び検査データベース40との間で送受信することができる。判定装置10は、判定対象の被検者(以下、判定対象者と呼ぶ)の履歴に関する情報(以下、履歴情報と呼ぶ)を取得し、取得した履歴情報に基づいて、判定対象者について特定の疾患の可能性に関する情報について判定し、判定結果を出力する。本実施形態では、履歴情報として、判定対象者の行動履歴又は問診結果が用いられる。また、本実施形態では、判定対象者について特定の疾患の可能性に関する情報をリスク情報と呼ぶこととする。
対象疾患は、例えば、肺炎である。対象疾患は、大腸菌による食中毒、特定の期間に牛肉の特定危険部位を摂取したことによるクロイツフェルトヤコブ病などの様々な疾患であってもよい。
リスク情報は、例えば、健康状態や、対象疾患の有無や、対象疾患を罹患している可能性の程度を含む情報である。リスク情報は、処置方法の選択、予後の予測、将来の罹患リスク(発症リスク)の予測、及び薬剤効果の予測等を含んでもよい。リスク情報が対象疾患を罹患している可能性の程度を含む場合、判定装置10は、判定対象者の検査結果と行動履歴をもとに、対象疾患についての判定対象者が対象疾患を罹患している確率(以下、罹患確率と呼ぶ)を推定し、推定した罹患確率に基づいて、判定対象者が「疾患の可能性あり」、「疾患の可能性小」、及び「疾患の可能性大」のいずれであるかを判定する。例えば、「疾患の可能性小」は、疾患の可能性が所定の値より小さいことを示す。例えば、「疾患の可能性大」は、疾患の可能性が所定の値以上であることを示す。例えば、「疾患の可能性あり」は、疾患の可能性の大きさが不明であることを示す。罹患確率は、疾患確率と呼ばれてもよい。
以下、本実施形態では、対象疾患が「肺炎」であり、リスク情報として、判定対象者が肺炎を有する可能性の程度を判定する例について説明する。図2は、本実施形態の医用情報処理システム1におけるデータフローを示す模式図である。
判定装置10は、メモリ11、通信インタフェース12、ディスプレイ13、入力インタフェース14及び処理回路15を備えている。なお、以下、判定装置10は、単一の装置にて複数の機能を実行するものとして説明するが、複数の機能を別々の装置が実行することにしても構わない。例えば、判定装置10が実行する各機能は、異なるコンソール装置又はワークステーション装置に分散して搭載されても構わない。
メモリ11は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路等の記憶装置である。また、メモリ11は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体であってもよい。なお、メモリ11は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ11の保存領域は、判定装置10内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。
メモリ11は、少なくとも1つの疾患に関する判定モデルを記憶する。また、メモリ11は、処理回路15によって実行されるプログラム、処理回路15の処理に用いられる各種データ等を記憶する。プログラムとしては、例えば、予めネットワーク又は非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体からコンピュータにインストールされ、処理回路15の各機能を当該コンピュータに実現させるプログラムが用いられる。なお、本明細書において扱う各種データは、典型的にはデジタルデータである。メモリ11は、記憶部の一例である。
判定モデルは、判定対象者の行動履歴又は問診結果に基づいて、判定対象者の罹患確率を推定し、判定対象者が対象疾患を罹患している可能性について判定する。判定モデルには、線形判別分析などの公知の分類アルゴリズムが用いられる。
通信インタフェース12は、ネットワーク20を介して、医療情報システム30やその他の外部機器との通信を伝送制御するネットワークインタフェースである。
ディスプレイ13は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ13は、処理回路15によって生成された医用情報や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ13は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。また、ディスプレイ13は、後述のデータ管理画面などを表示する。ディスプレイ13は、表示部の一例である。
入力インタフェース14は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路15に出力する。例えば、入力インタフェース14は、医用情報の入力、各種コマンド信号の入力等を操作者から受け付ける。入力インタフェース14は、処理回路15の各種処理等を行うためのマウスやキーボード、トラックボール、スイッチボタン、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。入力インタフェース14は、処理回路15に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し制御回路へと出力する。なお、本明細書において、入力インタフェースは、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路15へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェースの例に含まれる。入力インタフェース14は、入力部の一例である。
処理回路15は、判定装置10全体の動作を制御する。処理回路15は、メモリ11内のプログラムを呼び出し実行することにより、レコード生成機能151、受付機能152、判定機能153、取得機能154、更新機能155、比較機能156及び表示制御機能157を実行するプロセッサである。
なお、図1においては、単一の処理回路15にてレコード生成機能151、受付機能152、判定機能153、取得機能154、更新機能155、比較機能156及び表示制御機能157が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能を実現するものとしても構わない。また、レコード生成機能151、受付機能152、判定機能153、取得機能154、更新機能155、比較機能156及び表示制御機能157は、それぞれレコード生成回路、受付回路、判定回路、取得回路、更新回路、比較回路及び表示制御回路と呼んでもよく、個別のハードウェア回路として実装してもよい。処理回路15が実行する各機能についての上記説明は、以下の各実施形態及び変形例でも同様である。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、ASIC、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)等の回路を意味する。プロセッサはメモリ11に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、メモリ11にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。上記「プロセッサ」の説明は、以下の各実施形態及び変形例でも同様である。
処理回路15は、レコード生成機能151により、被検者に関する医用情報を取得し、取得した医用情報に基づいて被検者のレコードを生成する。生成されたレコードは、例えば、検査データベース40に出力される。レコード生成機能151を実現する処理回路15は、レポート生成部の一例である。医用情報は、氏名、患者ID、検査施設に関する情報、背景因子、行動履歴、検査情報、診断情報、判定結果等を含む。医用情報は、例えば、医療情報システム30から取得される。あるいは、医用情報は、紙に印刷した問診票に被検者がマーキングまたは記入をし、記入後の問診票をスキャンすることにより取得される。医用情報は、食事管理アプリ、運動管理アプリ、健康管理アプリ等から得られた問診結果から取得されてもよい。図3は、被検者の行動履歴及び問診結果を取得するために用いられる問診表の一例を示す図である。図4は、生成されたレコードの一例を示す図である。
背景因子は、母集団の事前確率の時間変化が小さい要因項目に関する情報である。背景因子は、例えば、被検者の年齢、性別、健康状態、既往歴、家族の病歴等を含む。健康状態は、例えば、運動習慣、生活環境、喫煙・飲酒、自覚症状に関する情報を含む。
行動履歴は、対象疾患の罹患リスクに影響する行動(以下、リスク行動と呼ぶ)に関する情報である。行動履歴は、事前確率の時間変化が大きな要因項目に関する情報である。行動履歴は、居住地、住居の種類、食事履歴、訪問履歴、滞在履歴等を含む。食事履歴は、取った食事の種類、食事に使用された食材、食事を取った日時、摂取した製品の名称、摂取した日時等を含む。訪問履歴は、訪問した施設の名称、訪問した日時等を含む。滞在履歴は、滞在した地域名、滞在した時期、滞在した期間等を含む。問診票において、例えば、行動履歴の各項目には、リスク行動の内容を示すコードと、リスク行動の行動日時が入力される。行動日時は、リスク行動が行われた日付や時間を含む。この場合、問診票には、コード表が添付される。あるいは、問診票には、例えば、所定の期間に特定の行動を行ったか否かを質問する項目が記載される。
検査情報は、医師が被検者の診察・診断を行う上で用いる様々な検査の結果に関する情報である。検査情報は、例えば、医療情報システム30から取得される。検査情報は、検査名、検査結果、検査日時等を含む。例えば、検査結果として、体温、心拍数、体重、血圧等が測定日時と共に取得される。また、例えば、血液検査の検査結果として、白血球数、CPR(Cペプチド)値などの多数の項目が取得される。また、例えば、迅速抗原検査・迅速抗体検査の検査結果として、O-157等の細菌や他のウィルスの検出結果が取得される。また、CT(Computed tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、超音波診断装置などによる画像検査の検査結果として、画像診断所見や、心拍出量、左室駆出率及び肺炎所見の全肺に対する体積比率などの計測値の情報が取得される。
診断情報は、判定対象者が対象疾患を有する可能性についての推定結果に関する情報を含む。診断情報は、例えば、医療情報システム30から取得される。診断情報は、例えば、「肺炎と診断された」、「肺炎でないと診断された」、「肺炎の有無についての判断がない」等を示す情報である。診断は一つの検査の結果から決まるものではなく、複数の検査や患者背景、問診所見を元に総合的に判断される。このため、初診から数日から数週間後に確定診断がなされる。初診の際に一旦決定された診断の結果(以下、初回診断結果と呼ぶ)は、例えば、医療情報システム30の「疑い診断」の項目に病名あるいは自然言語として記録される。また、初回診断結果は、レコードの「診断」の項目に記録される。確定診断の結果は、例えば、医療情報システム30の「確定診断」の項目に病名あるいは自然言語として記録される。また、確定診断の結果は、例えば、レコードの「肺炎推定の確定診断」の項目に記録される。初回診断結果は、診断所見と呼ばれてもよい。
確定診断の結果が医療情報システム30に記録されていない場合、処理回路15は、被検者の医用情報に基づいて、確定診断を決定してもよい。一例として、病理検査の検査結果、迅速抗体検査の検査結果、及び、初回診断結果の疾患名に基づいて、肺炎の確定診断結果を決定する場合について説明する。まず、病理検査の検査結果として肺炎の有無が判定されている場合、処理回路15は、病理検査の検査結果を肺炎の確定診断結果として決定する。病理検査の判定結果として肺炎の有無が判定不能である場合、あるいは、病理検査が実施されていない場合、処理回路15は、迅速抗体検査の検査結果と初回診断結果の疾患名に基づいて、肺炎の確定診断結果を決定する。このとき、迅速抗体検査の検査結果としてウィルス「a」が検出された場合、処理回路15は、肺炎の確定診断結果を「肺炎あり」とする。迅速抗体検査の検査結果としてウィルス「b」が検出され、かつ、暫定診断の疾患名が何らかの種類の「肺炎」である場合、処理回路15は、肺炎の確定診断結果を「肺炎あり」とする。迅速抗体検査の検査結果として上記以外の結果が得られた場合、処理回路15は、肺炎の確定診断結果を決定しない。
判定結果は、判定モデルによる判定結果を含む。判定結果は、レコードの「肺炎の罹患確率の推定」の項目に記録される。レコードには、例えば、「肺炎の可能性あり」、「肺炎の可能性小」等が記録される。例えば、判定対象者に対する判定がこれまでに行われていない場合、「肺炎の罹患確率の推定」の項目には判定結果は記録されない。また、判定モデルによる判定が複数回行われていた場合、「肺炎の罹患確率の推定」の項目には、複数回の判定のそれぞれについて、判定結果と判定が行われた日時が記録される。
処理回路15は、受付機能152により、判定対象者に関する情報を受け付ける。具体的には、処理回路15は、メモリ11に記憶された全レコードから対象疾患についての確定診断が記録されていない被検者のレコードを抽出し、抽出したレコードに記録された情報を、判定対象者に関する情報として取得する。判定対象者は、第1の被検者の一例である。判定対象者に関する情報は、第1の被検者情報の一例である。受付機能152を実現する処理回路15は、受付部の一例である。
また、処理回路15は、判定対象者の行動履歴に基づいて、属性値を取得する。属性値は、各種行動項目、各種検査結果、健康状態値等のそれぞれに基づいて設定される変数である。各被検者は、行動項目数分の属性値(変数)とそれ以外の項目数分の属性値(変数)を合わせた多次元のデータで表されている。これらの次元のいくつかは、離散値を持つ。例えば、行動項目は日時の値であるため、行動項目は、連続値として扱われる。また、例えば、性別の項目は、離散値として扱われる。
処理回路15は、判定機能153により、判定モデルと判定対象者に関する情報とに基づいて、対象疾患の罹患確率の推定に関する判定結果を出力する。処理回路15は、判定モデルから得られた判定結果を、検査データベース40、ディスプレイ13、判定装置10に接続された印刷機器等に出力する。判定結果は、第1の情報の一例である。判定結果は、第1のリスク情報と呼ばれてもよい。判定機能153を実現する処理回路15は、出力部の一例である。
例えば、処理回路15は、判定対象者の属性値に基づいて、「疾患可能性小」クラスタの属性値の範囲と「疾患可能性あり」クラスタの属性値の範囲のうちどちらに判定対象者の属性値が含まれているかを判定する。「疾患可能性小」クラスタは、肺炎の疾患確率が所定の値より小さい被検者の群である。「疾患可能性あり」クラスタは、肺炎の疾患確率が所定の値以上である被検者の群である。
例えば、行動項目の変数の値や他の項目変数の値が「疾患可能性あり」クラスタの範囲に含まれている場合、処理回路15は、「疾患可能性あり」と判定する。この場合、例えば、レコードの「肺炎の罹患確率の推定」の項目に「肺炎の可能性あり」と記録される。また、行動項目の変数の値や他の項目変数の値が「疾患可能性小」クラスタの範囲に含まれている場合、処理回路15は、「疾患可能性小」と判定する。この場合、例えば、レコードの「肺炎の罹患確率の推定」の項目に「肺炎の可能性小」と記録される。
処理回路15は、取得機能154により、対象疾患についての確定診断が記録されている被検者(以下、診断確定者と呼ぶ)に関する情報を取得する。具体的には、処理回路15は、メモリ11に記憶された全レコードから診断確定者のレコードを抽出し、抽出したレコードから、診断確定者に関する情報を取得する。診断確定者に関する情報は、診断確定者の行動履歴及び問診結果のうち少なくとも1つを含む。また、診断確定者に関する情報は、診断確定者の確定診断結果を含む。診断確定者は、第2の被検者の一例である。診断確定者に関する情報は、第2の被検者情報の一例である。診断確定者の確定診断結果は、第2の被検者の診断情報の一例である。取得機能154を実現する処理回路15は、取得部の一例である。また、処理回路15は、診断確定者の行動履歴に基づいて、属性値を取得する。
処理回路15は、更新機能155により、診断確定者に関する情報と診断確定者の診断情報とに基づいて、判定モデルを更新する。この際、処理回路15は、診断確定者の行動履歴及び問診結果のうち少なくとも1つと診断確定者の確定診断結果とを用いて判定モデルを更新する。更新機能155を実現する処理回路15は、更新部の一例である。
検査データベース40には、多数の被検者のレコードが新たに生成され、多数の被検者の各種行動項目や健康状態が日々記録される。また、検査データベース40には、確定診断を有する診断確定者が日々追加される。処理回路15は、更新機能155により、新たに追加された診断確定者を含む全診断確定者に対して後述の分類・集計処理を行うことにより、対象疾患の罹患確率の推定に関する判定を行うための条件(以下、判定条件と呼ぶ)を更新する。判定条件が更新されることにより、判定モデルが更新される。
具体的には、処理回路15は、まず、診断確定者の行動項目と行動日時に基づいて、診断確定者を複数のクラスタに分類する。この際、処理回路15は、複数のクラスタのそれぞれの疾患確率を算出し、複数のクラスタ間の疾患確率の差が大きくなるように分類する。
処理回路15は、判定機能153により、更新された判定モデルと判定対象者に関する情報とに基づいて、更新後の判定結果を出力する。処理回路15は、判定モデルを用いて再度判定を行い、判定モデルの再判定結果に基づいて判定結果を更新し、更新後の判定結果を検査データベース40、ディスプレイ13、判定装置10に接続された印刷機器等に出力する。更新後の判定結果は、第2の情報の一例である。更新後の判定結果は、第2のリスク情報と呼ばれてもよい。
具体的には、処理回路15は、判定対象者の行動日時に基づいて、判定対象者が複数のクラスタのいずれに含まれるかを判定し、そのクラスタの疾患確率に基づいて罹患確率の推定に関する判定結果を出力する。
処理回路15は、比較機能156により、判定対象者のそれぞれについて、更新後の判定結果と更新前の判定結果とを比較し、更新後の判定結果と更新前の判定結果が異なる被検者に関する比較結果を出力する。例えば、判定結果が変化していた場合、処理回路15は、判定結果が変化したことを示す情報を、ディスプレイ13やネットワーク20等を介して接続された印刷機器に出力する。この際、処理回路15は、判定結果が変化した被検者のみを抽出したリストを作成し、ディスプレイ13や印刷機器に出力してもよい。比較機能156を実現する処理回路15は、比較部の一例である。
処理回路15は、表示制御機能157により、検査データベース40に記憶されたデータを管理するためのGUI(以下、データ管理画面と呼ぶ)をディスプレイ13に表示させる。表示制御機能157を実現する処理回路15は、表示制御部の一例である。
次に、判定装置10により実行される医療判断支援処理の動作について説明する。医療判断支援処理とは、行動履歴と対象疾患に関する確定診断結果を複数の被検者について収集し、収集結果に基づいて対象疾患に関する判定対象者の罹患確率を推定し、罹患確率の推定に関する判定を行い、判定結果が前回の判定結果から変化していた場合、判定結果の変化が生じたことを示す情報を出力する処理である。
以下、入力インタフェース14においてユーザによる指示が入力されることにより、医療判断支援処理の各ステップの処理が実行される場合について説明する。図5は、医療判断支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下で説明する各処理における処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り適宜変更可能である。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
なお、医療判断支援処理の各ステップの処理は、一定の期間毎に自動的に実行されてもよい。医療判断支援処理は、例えば、1日1回、深夜の所定の時間に実行されてもよい。また、医療判断支援処理は、1週間(7日間)毎に実行されてもよい。また、医療判断支援処理は、新たな被検者のレコードが生成される度に実行されてもよい。医療判断支援処理は、バッチ処理と呼ばれてもよい。
(医療判断支援処理)
(ステップS101)
処理回路15は、表示制御機能157により、メモリ11に記憶されたレコードに基づいて、データ管理画面50をディスプレイ13に表示させる。図6は、データ管理画面50の一例を示す図である。データ管理画面50は、データ表示部51と、期間設定部52、レコード作成指示入力部53と、データ収集指示入力部54、更新指示入力部55とを有する。
データ表示部51には、判定装置10のメモリ11に記憶されたレコードに関する情報が、被検者毎にリスト化されて表示される。データ表示部51には、例えば、氏名、患者ID、検査施設に関する情報、背景因子、行動履歴、検査情報、診断情報、判定結果等が表示される。検査情報の表示欄には、例えば、迅速抗体検査の検査結果が表示される。診断情報の表示欄には、例えば、初回診断結果が表示される。迅速抗体検査の検査結果及び初回診断結果は、確定診断に用いられるため、表示されることが好ましい。
期間設定部52では、データ表示部51に表示されるレコードを設定する指示が入力される。例えば、期間設定部52において「1ヶ月」が設定されることにより、最近1ヶ月に作成されたレコードのみが、データ表示部51に表示される。
レコード作成指示入力部53では、レコードを新たに作成する指示が入力される。データ収集指示入力部54では、検査情報と診断情報とを取得する指示が入力される。更新指示入力部55では、判定対象者の対象疾患に関する判定結果を更新する指示が入力される。
(ステップS102)
レコード作成指示入力部53において操作が入力されると、処理回路15は、レコード生成機能151により、問診票をスキャンし、スキャンデータを用いて新規レコードを生成する。
(ステップS103)
データ収集指示入力部54において操作が入力されると、処理回路15は、データ表示部51に表示されている被検者の電子カルテを医療情報システム30から取得し、「疑い診断」項目に「肺炎」が記録されている被検者の検査情報や行動履歴や診断情報を収集する。これにより、これまでにはレコードに記録されていなかった検査情報や診断情報のような属性が新たに取得される。データ表示部51には、抽出されたレコードのみが表示される。図6の一例では、最近1ヶ月に作成されたレコードのうち、電子カルテの「疑い診断」項目に「肺炎」が記録されている被検者が4名存在した例を示している。
(ステップS104)
更新指示入力部55において操作が入力されると、処理回路15は、データ表示部51に表示されたレコードのうち確定診断が存在しない被検者を判定対象者として抽出する。そして、処理回路15は、受付機能152、判定機能153、取得機能154及び更新機能155により、対象疾患の罹患確率の推定に関する判定を行う処理(以下、判定処理と呼ぶ)を実行することにより、判定結果を取得する。判定結果は、レコードに記憶される。判定処理の詳しい処理については、後述する。
(ステップS105)
処理回路15は、比較機能156により、判定対象者のレコードに記憶された最後の2回の判定結果の比較を行う。判定結果が異なる場合、処理回路15は、判定結果の変化分を抽出し、データ表示部51に表示させる。図6の一例では、データ表示部51の判定結果の表示欄には、更新前の判定結果と、更新後の判定結果と、更新前の判定結果と更新後の判定結果との比較結果が表示される。判定結果がレコードに1つのみ記憶されている場合、データ表示部51には、更新前の判定結果は表示されず、更新後の判定結果のみが表示される。2つ以上の判定結果がレコードに記憶されている場合、データ表示部51には、更新前の判定結果として前回の判定結果が表示され、更新後の判定結果として最新の判定結果が表示される。前回の判定結果と最新の判定結果が異なる場合、データ表示部51には、比較結果として、判定結果の変化分、あるいは、最新の判定結果が表示される。なお、データ表示部51では、確定診断が存在する被検者についての判定結果には、更新前の判定結果及び更新後の判定結果として最新の判定結果が表示され、比較結果には、比較の対象外であることを示す記号等が表示される。
次に、判定装置10により実行される判定処理の動作について詳しく説明する。図7は、判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
(判定処理)
(ステップS111)
処理回路15は、取得機能154により、検査データベース40を参照し、肺炎の確定診断がされている全被検者のレコードを、診断確定者のレコードとして取得する。次に、処理回路15は、診断確定者のレコードに基づいて、診断確定者のそれぞれの属性値と、診断確定者のそれぞれの確定診断結果を取得する。この時、処理回路15は、有効期限内の行動日時を有する行動項目のみの属性値を取得する。ここでは、確定診断結果として、「疾患あり」または「疾患なし」のいずれかが取得される。
(ステップS112)
次に、処理回路15は、更新機能155により、判定モデルを更新する。この際、処理回路15は、まず、各診断確定者の属性値に各種の分類手法を適用して、各診断確定者を「疾患可能性小」クラスタと「疾患可能性あり」クラスタのいずれかに分類する。この際、各種の変数選択方法を用いて、分類に用いる変数を少数に絞ってもよい。変数選択方法は、例えば、変数減少法や変数増加法である。その他の変数選択方法が用いられてもよい。また、変数の数が膨大でない場合、正確性の観点から、しらみつぶし法を分類手法として用いることが好ましい。
また、処理回路15は、確定診断が「疾患あり」である被検者の群(以下、疾患あり群と呼ぶ)の被検者数と確定診断が「疾患なし」である被検者の群(以下、疾患なし群と呼ぶ)の被検者数の比が、「疾患可能性小」クラスタと「疾患可能性あり」クラスタとの間でできるだけ異なるように、属性値の領域を分ける。すなわち、処理回路15は、確定診断が「疾患あり」である被検者が「疾患可能性あり」クラスタに分類され、確定診断が「疾患なし」である被検者が「疾患可能性小」クラスタに分類されるように、属性値に基づく診断確定者を分類する条件(以下、分類条件と呼ぶ)を決定する。
分類方法(クラスタリング手法)として線形判別分析が用いられる場合、クラスタ間のマハラノビス距離が最大になるように分割する。多くのクラスタリング手法は、2群間の何らかの距離に基づいて、分割曲面を決定する。例えば、サポートベクタマシンでは、群と分割面との距離を最大にするように分割曲面が決められる。距離は、属性値空間での距離である。また、別の分類方法として、決定木による分類方法がある。決定木による分類方法では、分割を行った際のデータの不純度が最小になるように分類する。
また、分類方法(クラスタリング手法)として、未公開の先願である特願2020-039545に記載のような方法が用いられてもよい。当該先願には、クラスタ間の疾患確率をできるだけ分離させて分類するため、疾患確率の信頼区間の上限値が最小、又は疾患確率の信頼区間の下限値が最大になるようにクラスタを決定する方法が記載されている。この方法は、分離が不十分なクラスタの問題に対して効果的であり、この方法を使用すると、例えば、「疾患可能性あり」クラスタの疾患確率が100%よりはるかに低い値(例えば5%程度)であっても、「疾患可能性小」クラスタの疾患確率(例えば0.1%)より高いことが十分なデータ数で示せる場合、それらのクラスタの範囲を決定することができる。クラスタの範囲は、日時範囲を含む。距離に基づく分割法や不純度に基づく分割方法では、このような分離が不十分なクラスタを分類することは難しい。
以下、架空の一例として、岡山県においてシカ肉を生食するという行動項目について、その行動日時が1997年1月10日から1月14日の間である被検者には確定診断が「疾患あり」である被検者数が多く、行動日時が上記以外の期間である被検者には確定診断が「疾患あり」である被検者数が少ない場合の分類結果について説明する。迅速抗原検査の数値が一定値以上である被検者は、岡山県においてシカ肉を生食するという行動項目に関係なく、「疾患可能性あり」クラスタに分類される。また、迅速抗原検査の数値が一定値より小さくても、1997年1月10日から1月14日にシカ肉を生食した被検者は、「疾患可能性あり」クラスタに分類される。一方、迅速抗原検査の数値が一定値より小さく、かつ、1997年1月10日から1月14日にシカ肉を生食していない被検者は、「疾患可能性小」クラスタに分類される。
処理回路15は、診断確定者の分類結果に基づいて、各クラスタに対する集計処理を行い、集計結果に基づいて各クラスタの疾患確率を算出する。各クラスタの疾患確率は、以下の式で表される。
疾患確率=疾患あり群の検査数/(疾患なし群の検査数+疾患あり群の検査数)
ここで、疾患あり検査数は、このクラスタに含まれる被検者のうち疾患あり群の被検者の数である。疾患なし検査数は、このクラスタに含まれる被検者のうち疾患なし群の被検者の数である。すなわち、疾患確率は、そのクラスタに含まれる被検者の合計数に対する、このクラスタに含まれる被検者のうち疾患あり群の被検者数の割合である。処理回路15は、クラスタ間の疾患確率ができるだけ分離するように、各診断確定者を分類する。すなわち、処理回路15は、各クラスタの疾患確率に基づいて、クラスタ間の疾患確率の差ができるだけ大きくなるように被検者の分類基準を決定する。
なお、処理回路15は、有効期限内の行動項目の属性値のみを分類に用いることが好ましい。各行動項目には、有効期限が設定されている。有効期限は、行動項目が被検者の判定に影響を及ぼす期間である。例えば、食品として「エビ(生食)」を食べた日時を示す行動項目では、有効期限として10日が設定される。この場合、判定を行う日の10日前の日が、有効期間日として設定される。有効期限日より前にエビを食べたことを示す行動項目は、これから判定を行いたい被検者の判定に有効な情報を提示しない。このため、処理回路15は、有効期限日以前の行動日時を有する行動項目の属性値を分類に用いず、有効期限日から判定を行う日までの期間に行動日時を有する行動項目の属性値のみを分類に用いる。
また、分類に用いる被検者の数が一定数以下である行動項目については、その行動項目を用いずに分類を行なってもよい。例えば、ある行動項目について、有効期限内の行動日時を有する被検者の数が一定数以下である場合、その行動項目の属性値を用いずに、診断確定者の分類が行われる。この場合、分類に用いられる項目数が削減されることにより、分類に用いる被検者の行動項目が膨大な種類に及ぶことが防止され、実用的な時間で分類処理を行えるようになる。
(ステップS113)
処理回路15は、受付機能152により、判定対象者のレコードを取得する。次に、処理回路15は、判定対象者のレコードに基づいて、判定対象者のそれぞれの属性値を取得する。
(ステップS114)
処理回路15は、判定機能153により、判定対象者の属性値と、クラスタの分類条件に基づいて、各判定対象者について、「疾患可能性小」クラスタと「疾患可能性あり」クラスタのいずれに含まれるかを判定する。行動項目の変数とそれ以外の変数の値が「疾患可能性あり」クラスタの分類条件に含まれている判定対象者について、処理回路15は、「疾患可能性あり」クラスタの疾患確率を判定対象者の罹患確率とし、肺炎罹患確率の推定結果について、「疾患可能性あり」と判定する。行動項目の変数とそれ以外の変数の値が「疾患可能性小」クラスタの条件に含まれている判定対象者について、処理回路15は、「疾患可能性小」クラスタの疾患確率を判定対象者の罹患確率とし、肺炎罹患確率の推定結果について、「疾患可能性小」と判定する。
以上のように、ステップS101~ステップS105の処理が実行されることにより、始めて判定が行われた被検者については、判定処理での判定結果を得ることができる。判定処理により2回目以降の判定が行われた被検者については、前回の判定を行った日から今回の判定を行うまでに追加された診断確定者の診断結果が反映された判定モデルを用いて、最新の判定結果を得ることができる。そして、今回の判定結果が前回の判定結果から変化していた場合、例えば、判定結果の変化分が表示されたデータ管理画面50が、ディスプレイ13に表示される。データ管理画面50は、ネットワーク20等を介して接続された印刷機器に出力され、印刷機器により紙に印刷されてもよい。また、判定結果が変化した被検者のみが抽出されたリストが作成され、ディスプレイ13又は印刷機器に出力されてもよい。
以下、本実施形態に係る判定装置10を有する医用情報処理システム1の効果について説明する。
検査データベース40には、多数の被検者のレコードが新たに生成され、多数の被検者の各種行動項目や健康状態が日々記録される。また、検査データベース40には、確定診断を有する診断確定者が日々追加される。初回の検査数値に基づく判定では、その時点で判明しているリスク要因のみが考慮される。疾患有無や検査後の処置の判断には判定対象者本人の行動履歴が関係する。また、被検者の行動と罹患リスクとの関係が後に判明することがある。このため、罹患確率に影響を及ぼす行動項目は、短期間で変化することがある。例えば、特定の期間に同じような行動をした人が同じような病気にかかっていることが判明することがある。
本実施形態に係る医用情報処理システム1は、判定対象者の履歴情報に基づく被検者情報を受け付け、特定の疾患に関する判定モデルと判定対象者の被検者情報とに基づいて、判定対象者についての特定の疾患の可能性に関する情報を出力する。特定の疾患の可能性に関する情報は、リスク情報と呼ばれてもよい。履歴情報は、行動履歴及び問診結果のうち少なくとも1つを含む。また、医用情報処理システム1は、診断確定者の行動履歴及び問診結果のうち少なくとも1つに基づく被検者情報を取得し、診断確定者の被検者情報に基づいて、判定モデルを更新する。そして、医用情報処理システム1は、更新された判定モデルと判定対象者の被検者情報とに基づいて、判定対象者についての更新された情報を出力する。
本実施形態では、特定の疾患の可能性に関する情報として、特定の疾患を罹患している罹患確率が用いられる。また、診断確定者の被検者情報は、特定の疾患に関する診断確定者の確定診断を含む。医用情報処理システム1は、診断確定者の確定診断に基づいて、判定モデルを更新する。
また、本実施形態に係る医用情報処理システム1は、診断確定者の被検者情報に基づいて診断確定者の行動項目と行動日時を取得し、診断確定者の行動項目と行動日時に基づいて、診断確定者を複数のクラスタに分類する。この際、処理回路15は、複数のクラスタのそれぞれの疾患確率を算出し、複数のクラスタ間の疾患確率の差が大きくなるように分類する。そして、医用情報処理システム1は、判定対象者の行動日時に基づいて、判定対象者が複数のクラスタのいずれに含まれるかを判定し、そのクラスタの疾患確率に基づいて罹患確率の推定に関する判定結果を出力する。
上記構成により、本実施形態に係る医用情報処理システム1によれば、新たに確定診断が追加された被検者を含む全診断確定者の行動項目や行動日時を用いて判定モデルが更新される。これにより、前回の判定を行った日から今回の判定を行うまでに確定診断がなされた被検者の診断結果が判定モデルに反映される。そして、更新された判定モデルを用いて疾患に関する罹患リスクの判定を行うことにより、地域における流行の変化やリスク要因の変化が反映された判定結果を得ることができる。これにより、罹患リスクが短期間で大きく変化する場合でも、被検者の取り扱いを迅速に変更し、患者にとって適切な処置を取ることができる。
また、本実施形態に係る医用情報処理システム1は、判定対象者のそれぞれについて、更新後の判定結果と更新前の判定結果とを比較し、更新後の判定結果と更新前の判定結果が異なる被検者に関する比較結果を出力する。例えば、今回の判定結果が前回の判定結果から変化していた場合、判定結果の変化分が表示されたデータ管理画面50が、ディスプレイ13に表示される。ユーザは、判定結果の変化分が表示されたデータ管理画面50を確認することにより、罹患リスクが変化した被検者を把握し、適切な処置を取ることができる。
また、判定結果の変化分が表示されたデータ管理画面50は、ネットワーク20等を介して接続された印刷機器に出力され、印刷機器により紙に印刷されてもよい。例えば、判定処理が深夜に自動的に実行され、後日の再判定で検査結果が変わった被検者のリストが印刷される場合。主治医は、翌日にそのリストを確認することにより、判定結果に変更がある被検者を把握することができる。例えば、再検査が必要であれば、被検者本人と連絡をとり次回の検査を予約することができる。また、検査結果が悪い方向に変わった場合、判定結果が変わった被検者のリストを確認することで、再検査など必要な処置をとることができる。これにより、疾患の可能性がある被検者を見逃すことを防止することができる。また、被検者の判定結果が良い方向に変わった場合、その被検者の経過が良好であれば、前回の判定時点での実際のリスクは大きくなかったと判断し、観察や加療を終了する判断を行うことができる。
また、本実施形態では、医用情報処理システム1は、診断確定者の検査結果と診断所見とに基づいて、確定診断を生成する。これにより、確定診断の結果が医療情報システム30に記録されていない場合であっても、例えば、病理検査の検査結果、迅速抗体検査の検査結果、及び、診断所見の疾患名に基づいて、確定診断を取得することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態の構成を以下の通りに変形したものである。第1の実施形態と同様の構成、動作、及び効果については、説明を省略する。本実施形態に係る医用情報処理システム1は、前述の判定処理における分類・集計処理の結果を利用して、診断へ一定以上の影響を与える行動項目を抽出する。
図8は、本実施形態の医用情報処理システム1の構成を示す図である。処理回路15は、第1の実施形態で説明した各機能に加えて、リスク項目抽出機能158を実行する。処理回路15は、リスク項目抽出機能158により、診断確定者に関する情報と診断確定者の診断情報とに基づいて、リスクが高い行動項目(以下、リスク項目と呼ぶ)を抽出し、抽出したリスク項目を、検査データベース40、ディスプレイ13、判定装置10に接続された印刷機器等に出力する。リスク項目は、診断へ一定以上の影響を与える行動項目である。例えば、処理回路15は、「疾患可能性あり」クラスタに含まれる行動項目をリスク項目として決定する。リスク項目抽出機能158を実現する処理回路は、抽出部の一例である。
次に、本実施形態の判定装置10により実行される判定処理の動作について説明する。図9は、本実施形態に係る判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。ステップS201-S202、ステップS207-S208の処理は、それぞれ図7のステップS111-S114の処理と同様のため、説明を省略する。ここでは、「疾患可能性あり」クラスタに含まれる複数の行動項目のそれぞれがリスク項目として抽出され、抽出されたリスク項目をディスプレイ13に出力する例について説明する。
(判定処理)
(ステップS203)
処理回路15は、リスク項目抽出機能158により、「疾患可能性あり」クラスタに含まれる複数の行動項目のそれぞれを、リスク項目として決定する。
(ステップS204)
処理回路15は、リスク項目抽出機能158により、「疾患可能性あり」クラスタの領域を行動項目のそれぞれを中心とする複数の領域に分類することにより、複数のサブクラスタを生成する。生成されたサブクラスタのそれぞれは、「疾患可能性あり」クラスタに含まれる行動項目のいずれかに対応する。サブクラスタの範囲には、リスク項目の行動日時の範囲も含まれる。
(ステップS205)
処理回路15は、リスク項目抽出機能158により、それぞれのサブクラスタに対して前述の集計処理を適用し、各サブクラスタの疾患確率とその信頼区間を算出する。
(ステップS206)
処理回路15は、リスク項目抽出機能158により、リスク項目のリスト(以下、リスク項目リストと呼ぶ)を生成する。リスク項目リストには、サブクラスタのそれぞれについて、中心となるリスク項目、日時範囲、疾患確率、疾患確率の信頼区間、疾患あり群の被検者数及び疾患なし群の被検者数が記載される。処理回路15は、生成したリスク項目リストをディスプレイ13に出力する。
リスク項目抽出の職員は、リスク項目リストに表示されたリスク項目ごとに確認操作を行うことができる。例えば、リスク項目リストの表示画面に「承認」ボタン及び「非承認」ボタンがサブクラスタごとに表示され、ユーザは、「承認」ボタン及び「非承認」ボタンのいずれかを指定することにより、各リスク項目について、その後の判定処理に用いるか否かを選択することができる。その後の判定処理において、「承認」ボタンが選択されたサブクラスタに対応するリスク項目のみが使用され、「非承認」ボタンが選択されたサブクラスタに対応するリスク項目は使用されない。例えば、「非承認」ボタンが選択されたサブクラスタに対応するリスク項目については、その後の判定処理において判定対象者がそのサブクラスタに属していたとしても、「疾患の可能性あり」ではなく、「疾患の可能性小」と判定される。
以下、本実施形態に係る判定装置10を有する医用情報処理システム1の効果について説明する。
本実施形態に係る医用情報処理システム1は、診断確定者に関する情報と診断確定者の診断情報とに基づいてリスク項目として抽出し、抽出したリスク項目を出力する。リスク項目は、診断結果への一定以上の影響を有する行動項目である。例えば、「疾患可能性あり」クラスタに含まれる行動項目が、リスク項目として抽出される。リスク項目は、例えば、リスト化され、ディスプレイ13に表示される。
上記構成により、本実施形態に係る医用情報処理システム1によれば、作業者は、出力されたリスク項目を確認することにより、診断へ一定以上の影響を与える行動項目を知ることができる。また、作業者は、リスク項目のうち、罹患確率の推定に関する判定に利用する行動項目を、任意に選択することができる。
なお、抽出されたリスク項目は、問診票を作成する問診票作成装置に出力されてもよい。この場合、処理回路15は、リスク項目抽出機能158により、問診表に追加する質問項目として、抽出されたリスク項目を問診票作成装置に出力する。問診票作成装置は、抽出されたリスク項目を受け取り、リスク項目についての行動履歴を収集するための質問項目を、問診票に追加する。例えば、海外の恒常的な感染危険地域などの、流行に左右されない恒常的なリスクに関する質問項目は、常に問診票に含められる。さらに、リスク項目抽出処理により新しく判明した行動項目に関する質問項目が問診票に追加されることにより、最近の診断結果により新たに判明したリスク項目に関する行動履歴を適切に収集することができる。
なお、上記実施形態では、検査データベース40が施設内に設置され、検査施設で受診した被検者を対象にデータが記録される構成について説明したが、これに限るものではない。検査データベース40は、より多くの被検者のデータを集めるため、地域又は国全体のデータを収集できるように構築されてもよい。検査データベース40は、分散型データベースであってもよい。このような場合、施設外にデータを提供する際、あるいは地域のデータベースからデータを取得する際には、データが匿名化される必要がある。データの匿名化の方法として、例えば、k人未満の被検者を区別不可能に匿名化するk-匿名化を用いられる。例えば、k=3でのk-匿名化を適用することが望ましい。少なくとも数人以上の被検者がクラスタ内に含まれなければ、疾患確率の信頼区間が広くなってしまい、信頼できる疾患確率を算出することができない。このため、クラスタが3人未満にならないように制限されたとしても、実用上の問題は生じないように匿名性を保つことができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態の構成を以下の通りに変形したものである。第1の実施形態と同様の構成、動作、及び効果については、説明を省略する。
判定装置10は、判定対象者の履歴情報をもとに、判定対象者に対する特定の薬剤の効果(以下、薬剤効果と呼ぶ)を推定し、推定した薬剤効果に基づいて、判定対象者が「疾患改善の可能性あり」、「疾患改善の可能性小」、及び「疾患改善の可能性大」のいずれであるかを判定する。例えば、「疾患改善の可能性小」は、薬剤を投与することにより疾患が改善する可能性が所定の値より小さいことを示す。例えば、「疾患改善の可能性大」は、薬剤を投与することにより疾患が改善する可能性が所定の値以上であることを示す。例えば、「疾患改善の可能性あり」は、薬剤を投与することにより疾患が改善する可能性の大きさが不明であることを示す。
本実施形態では、履歴情報として、検査情報と薬剤に関する情報(以下、薬剤情報と呼ぶ)が用いられる。薬剤情報は、判定対象者の治療に用いられている薬剤に関する情報である。薬剤情報は、治療に用いられる薬剤の種類、名前、投与開始日、投与日時、投与量等を含む。
検査情報は、例えば、迅速抗原検査・迅速抗体検査等の簡易的な検査の検査結果である。この場合、検査結果は、細菌やウィルスの検出結果である。
判定モデルは、特定の薬剤が投与された判定対象者の状態が改善する確率を判定する。具体的には、判定モデルは、判定対象者の履歴情報に基づいて、判定対象者に対する特定の薬剤の薬剤効果を推定し、判定対象者の疾患が改善する可能性について判定する。
また、判定装置10は、薬剤効果に関する確定診断結果を複数の被検者について収集し、収集結果に基づいて特定の被検者に対する特定の薬剤の薬剤効果を推定し、判定対象者の疾患が改善する可能性について判定する。判定結果が前回の判定結果から変化していた場合、判定装置10は、判定結果の変化が生じたことをユーザに通知する。
レコード生成機能151により取得される診断情報は、薬剤効果の推定結果に関する情報を含む。診断情報は、例えば、肺炎の治療に用いる特定の薬剤について「肺炎が改善したと診断された」、「肺炎が改善しなかったと診断された」、「肺炎の改善についての判断がない」等を示す情報である。例えば、感染症などの流行性疾患では、検査結果において疾患が改善していた場合でも、数日間様子を見ることがある。例えば、疾患が改善した検査結果が得られてから数日経過した状態においても、疾患が改善した状態が維持されている場合、投与した薬剤がその被検者の治療に有効と診断される。一方、疾患が改善した検査結果が得られてから数日経過した状態において、疾患が悪化した場合、投与した薬剤がその被検者の治療に有効でないと診断される。検査の際に一旦決定された薬剤効果に関する診断結果(以下、薬剤効果の初回診断結果と呼ぶ)は、例えば、医療情報システム30の「薬剤効果の推定」の項目に自然言語として記録される。また、薬剤効果の初回診断結果は、レコードの「薬剤効果の推定」の項目に記録される。薬剤効果に関する確定診断の結果は、例えば、医療情報システム30の「薬剤効果の確定診断」の項目に自然言語として記録される。また、薬剤効果の確定診断の結果は、例えば、レコードの「薬剤効果の確定診断」の項目に記録される。
処理回路15は、受付機能152により、判定対象者に関する情報をさらに受け付ける。具体的には、処理回路15は、メモリ11に記憶された全レコードから薬剤効果についての確定診断が記録されていない被検者のレコードを抽出し、抽出したレコードに記録された情報を、判定対象者に関する情報として取得する。判定対象者は、第1の被検者の一例である。判定対象者に関する情報は、第1の被検者情報の一例である。
処理回路15は、判定機能153により、判定モデルと判定対象者に関する情報とに基づいて、薬剤効果の推定に関する判定結果を出力する。処理回路15は、判定モデルから得られた判定結果を、検査データベース40、ディスプレイ13、判定装置10に接続された印刷機器等に出力する。判定結果は、第1の情報の一例である。判定結果は、第1のリスク情報と呼ばれてもよい。
処理回路15は、取得機能154により、診断確定者に関する情報を取得する。本実施形態では、診断確定者に関する情報として、薬剤効果についての確定診断が記録されている被検者に関する情報が取得される。具体的には、処理回路15は、メモリ11に記憶された全レコードから薬剤効果の診断確定者のレコードを抽出し、抽出したレコードから、薬剤効果の診断確定者に関する情報を取得する。薬剤効果の診断確定者に関する情報は、薬剤効果の診断確定者の履歴情報を含む。履歴情報は、検査情報と確定診断結果を含む。診断確定者は、第2の被検者の一例である。診断確定者に関する情報は、第2の被検者情報の一例である。診断確定者の確定診断結果は、第2の被検者の診断情報の一例である。
処理回路15は、更新機能155により、薬剤効果の診断確定者に関する情報と、薬剤効果の診断確定者の診断情報とに基づいて、判定モデルを更新する。この際、処理回路15は、診断確定者の確定診断結果を用いて判定モデルを更新する。
検査データベース40には、薬剤効果の確定診断を有する診断確定者が日々追加される。処理回路15は、更新機能155により、新たに追加された診断確定者を含む全診断確定者に対して前述の分類・集計処理等を行うことにより、薬剤効果の推定に関する判定条件を更新する。判定条件が更新されることにより、判定モデルが更新される。
処理回路15は、判定機能153により、更新された判定モデルと判定対象者に関する情報とに基づいて、更新後の判定結果を出力する。処理回路15は、判定モデルを用いて再度判定を行い、判定モデルの再判定結果に基づいて判定結果を更新し、更新後の判定結果を検査データベース40、ディスプレイ13、判定装置10に接続された印刷機器等に出力する。更新後の判定結果は、第2の情報の一例である。更新後の判定結果は、第2のリスク情報と呼ばれてもよい。
処理回路15は、比較機能156により、判定対象者のそれぞれについて、更新後の判定結果と更新前の判定結果とを比較し、更新後の判定結果と更新前の判定結果が異なる被検者に関する比較結果を出力する。
次に、判定装置10により実行される医療判断支援処理の動作について説明する。本実施形態では、医療判断支援処理は、検査情報と薬剤効果に関する確定診断結果を複数の被検者について収集し、収集結果に基づいて判定対象者に対する特定の薬剤の薬剤効果を推定し、薬剤効果の推定に関する判定を行い、判定結果が前回の判定結果から変化していた場合、判定結果の変化が生じたことを示す情報を出力する処理である。
(医療判断支援処理)
(ステップS101)
処理回路15は、表示制御機能157により、メモリ11に記憶されたレコードに基づいて、データ管理画面50をディスプレイ13に表示させる。図10は、データ管理画面50の一例を示す図である。本実施形態では、データ表示部51の診断情報の表示欄には、薬剤効果の初回診断結果がさらに表示される。
(ステップS102)
レコード作成指示入力部53において操作が入力されると、第1の実施形態と同様に、処理回路15は、レコード生成機能151により新規レコードを生成する。
(ステップS103)
データ収集指示入力部54において操作が入力されると、第1の実施形態と同様に、処理回路15は、データ表示部51に表示されている被検者の電子カルテを医療情報システム30から取得し、「疑い診断」項目に「肺炎」が記録されている被検者の検査情報や診断情報を収集する。これにより、これまでにはレコードに記録されていなかった検査情報や診断情報が新たに取得される。データ表示部51には、抽出されたレコードのみが表示される。図10の一例では、最近1ヶ月に作成されたレコードのうち、電子カルテの「疑い診断」項目に「肺炎」が記録されている被検者が4名存在した例を示している。
(ステップS104)
更新指示入力部55において操作が入力されると、処理回路15は、データ表示部51に表示されたレコードのうち薬剤効果の確定診断が存在しない被検者を判定対象者として抽出する。そして、処理回路15は、第1の実施形態と同様に、判定処理を実行することにより、判定結果を取得する。本実施形態の判定処理は、薬剤効果の推定に関する判定を行う処理である。判定処理では、始めて判定が行われた被検者については、判定モデルを用いた判定結果を得ることができる。2回目以降の判定が行われた被検者については、前回の判定を行った日から今回の判定を行うまでに追加された診断確定者の診断結果が反映された判定モデルを用いて、最新の判定結果を得ることができる。判定処理により得られた判定結果は、レコードに記憶される。
(ステップS105)
処理回路15は、比較機能156により、判定対象者のレコードに記憶された最後の2回の判定結果の比較を行う。判定結果が異なる場合、処理回路15は、判定結果の変化分を抽出し、データ表示部51に表示させる。
以下、本実施形態に係る判定装置10を有する医用情報処理システム1の効果について説明する。
感染症や新しい病気に罹患した特定の被検者に対して、新しく開発された薬剤の有効性を評価するため、検査データベース40には、多数の被検者のレコードが新たに生成され、多数の被検者の治療経過や健康状態が日々記録される。また、検査データベース40には、新しく開発された薬剤の薬剤効果の確定診断を有する診断確定者が日々追加される。薬剤効果の確定診断を有する被検者の情報が集まるにつれて、新しく開発された薬剤の有効性が数日間で変化することがある。また、流行性疾患の場合、治療薬の効果の予測結果が急速に変化することがある。
本実施形態に係る医用情報処理システム1も、対象被検者の検査情報を履歴情報として用いて、判定対象者の履歴情報に基づく被検者情報を受け付け、特定の疾患に関する判定モデルと判定対象者の被検者情報とに基づいて、判定対象者についての特定の疾患の可能性に関する情報を出力する。本実施形態では、特定の疾患の可能性に関する情報として、特定の疾患に対する治療薬として用いられる薬剤の薬剤効果が用いられる。薬剤効果は、特定の薬剤が投与された被検者の状態が改善する確率である。また、履歴情報として、対象被検者の検査情報が用いられる。
上記構成により、本実施形態に係る医用情報処理システム1によれば、新たに薬剤効果の確定診断が追加された被検者を含む全診断確定者の確定診断結果を用いて判定モデルが更新される。これにより、迅速抗体検査などの簡易検査の結果から薬剤効果の判定を前回行った日から今回の判定を行うまでに薬剤効果の確定診断がなされた被検者の診断結果が判定モデルに反映される。そして、更新された判定モデルを用いて、迅速抗体検査などの簡易検査の結果から特定の薬剤の薬剤効果の判定を行うことにより、治療薬の薬剤効果予測の変化が反映された判定結果を得ることができる。
例えば、特定の疾患に効く可能性がある薬剤が2種類ある場合、どちらの薬剤が被検者にとって効果的であるかを判定することができる。これにより、薬剤効果の予測が短期間で大きく変化する場合でも、被検者に投与する薬剤を迅速に変更し、患者にとって適切な処置を取ることができる。
また、本実施形態に係る医用情報処理システム1は、判定対象者のそれぞれについて、更新後の判定結果と更新前の判定結果とを比較し、更新後の判定結果と更新前の判定結果が異なる被検者に関する比較結果を出力する。例えば、今回の判定結果が前回の判定結果から変化していた場合、判定結果の変化分が表示されたデータ管理画面50が、ディスプレイ13に表示される。ユーザは、判定結果の変化分が表示されたデータ管理画面50を確認することにより、薬剤効果の予測結果が変化した被検者を把握し、適切な処置を取ることができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、特定の疾患に関する可能性が短期間で大きく変化する場合でも、変化した可能性が反映された判定結果を出力することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…医用情報処理システム
10…判定装置
11…メモリ
12…通信インタフェース
13…ディスプレイ
14…入力インタフェース
15…処理回路
151…レコード生成機能
152…受付機能
153…判定機能
154…取得機能
155…更新機能
156…比較機能
157…表示制御機能
158…リスク項目抽出機能
20…ネットワーク
30…医療情報システム
40…検査データベース
50…データ管理画面
51…データ表示部
52…期間設定部
53…レコード作成指示入力部
54…データ収集指示入力部
55…更新指示入力部

Claims (14)

  1. 特定の疾患に関する可能性を判定する判定モデルを記憶する記憶部と、
    第1の被検者の履歴に基づく第1の被検者情報を受け付ける受付部と、
    前記第1の被検者情報を前記判定モデルに入力することにより、前記判定モデルから出力された前記第1の被検者の前記可能性を取得し、取得した当該可能性を含む第1の情報を出力する出力部と、
    第2の被検者の履歴と前記可能性に関する前記第2の被検者の診断結果とに基づく第2の被検者情報を取得する取得部と、
    前記第2の被検者情報に基づいて、前記判定モデルを更新する更新部と、
    比較部と、を備え、
    前記出力部は、前記第1の被検者情報を更新された判定モデルに入力することにより、前記更新された判定モデルから出力された前記第1の被検者の前記可能性を取得し、取得した当該可能性を含む第2の情報を出力し、
    前記比較部は、複数の前記第1の被検者のそれぞれについて前記第1の情報と前記第2の情報を比較し、前記第1の情報と前記第2の情報とが異なる被検者に関する比較結果を出力する、
    医用情報処理システム。
  2. 前記判定モデルは、前記可能性として、特定の被検者が前記疾患を罹患している確率を判定する、
    請求項1に記載の医用情報処理システム。
  3. 前記履歴は、行動履歴及び問診結果のうち少なくとも1つを含む、
    請求項2に記載の医用情報処理システム。
  4. 前記第2の被検者情報は、前記疾患に関する前記第2の被検者の確定診断を含み、
    前記更新部は、第2の被検者の確定診断に基づいて、前記判定モデルを更新する、
    請求項2または3に記載の医用情報処理システム。
  5. 前記第2の被検者情報は、前記第2の被検者の検査結果と診断所見とを含み、
    前記取得部は、前記第2の被検者の検査結果と診断所見とに基づいて、前記第2の被検者の確定診断を生成する、
    請求項4に記載の医用情報処理システム。
  6. 前記第2の被検者の行動履歴及び前記第2の被検者の問診結果のうちの少なくとも1つと前記第2の被検者の確定診断とに基づいて、診断結果への一定以上の影響を有する行動項目を抽出する抽出部をさらに備える。
    請求項4に記載の医用情報処理システム。
  7. 前記抽出部は、前記抽出された行動項目を問診表の質問項目に追加する、
    請求項6に記載の医用情報処理システム。
  8. 前記更新部は、前記可能性に関する複数のクラスタのそれぞれの疾患確率を算出し、前記複数のクラスタ間のマハラノビス距離が最大になるように、または、疾患確率の信頼区間の上限値が最小になるように、または、疾患確率の信頼区間の下限値が最大になるように、クラスタの分類条件を決定し、前記複数のクラスタ間の疾患確率の差が大きくなるように前記第2の被検者を前記複数のクラスタに分類することにより前記判定モデルを更新し、
    前記出力部は、前記第1の被検者が前記複数のクラスタのいずれに含まれるかを判定し、前記第1の被検者が含まれるクラスタの疾患確率に基づいて前記第2の情報を出力する、
    請求項2から7までのいずれか1項に記載の医用情報処理システム。
  9. 前記取得部は、前記第2の被検者の行動履歴及び問診結果のうち少なくとも1つに基づいて、前記第2の被検者の行動日時を取得し、
    前記更新部は、前記第2の被検者の行動日時に基づいて、前記第2の被検者を前記複数のクラスタに分類し、
    前記出力部は、前記第1の被検者の行動日時に基づいて、前記第2の情報を出力する、
    請求項8に記載の医用情報処理システム。
  10. 前記判定モデルは、前記可能性として、特定の薬剤が投与された被検者の状態が改善する確率を判定する、
    請求項1に記載の医用情報処理システム。
  11. 前記履歴は、前記被検者の検査情報を含む、
    請求項10に記載の医用情報処理システム。
  12. 複数の前記第1の被検者のそれぞれについて前記第1の情報と前記第2の情報を比較し、前記第1の情報と前記第2の情報とが異なる被検者に関する比較結果を出力する比較部をさらに備える、
    請求項10または11に記載の医用情報処理システム。
  13. 前記第2の被検者情報は、前記薬剤の効果に関する前記第2の被検者の確定診断を含み、
    前記更新部は、第2の被検者の確定診断に基づいて、前記判定モデルを更新する、
    請求項10から12までのいずれか1項に記載の医用情報処理システム。
  14. 受付部が、第1の被検者の履歴に基づく第1の被検者情報を受け付けることと、
    出力部が、特定の疾患に関する可能性を判定する判定モデル前記第1の被検者情報を入力することにより、前記判定モデルから出力された前記第1の被検者の前記可能性を取得し、取得した当該可能性を含む第1の情報を出力することと、
    取得部が、第2の被検者の履歴と前記可能性に関する前記第2の被検者の診断結果とに基づく第2の被検者情報を取得することと、
    更新部が、前記第2の被検者情報に基づいて、前記判定モデルを更新することと、
    前記出力部が、更新された判定モデル前記第1の被検者情報を入力することにより、前記更新された判定モデルから出力された前記第1の被検者の前記可能性を取得し、取得した当該可能性を含む第2の情報を出力することと、
    を備える医用情報処理方法。
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