以下、図面を参照して本開示に係る作業機械の実施形態を説明する。
図1は、本開示の作業機械の一実施形態を示す油圧ショベルの側面図である。図2は、図1に示す作業機械100の平面図である。図3は、図1に示す作業機械100のブロック図である。本実施形態の作業機械100は、たとえば、油圧ショベルである。作業機械100は、たとえば、鉱山現場で使用される遠隔操作が可能な超大型油圧ショベルであってもよい。
作業機械100は、たとえば、走行装置110と、旋回体120と、作業装置130とを備えている。また、作業機械100は、たとえば、外界センサ140と、表示装置150と、操作入力装置160と、通知装置170と、制御装置200と、を備えている。また、作業機械100は、たとえば、図示を省略する油圧ポンプ、制御バルブ、油圧モータ、電動モータ、およびエンジンなど、通常の作業機械または油圧ショベルの一般的な構成を備えている。
走行装置110は、たとえば、履帯と、履帯を回転させる油圧モータとを有している。走行装置110の油圧モータの回転方向および回転速度は、たとえば、作業機械100のオペレータによる操作入力装置160の操作に基づいて、制御装置200によって制御される。より具体的には、オペレータは、操作入力装置160の操作レバー162を操作することで、制御装置200によって走行装置110の油圧モータの回転方向や回転速度を制御し、走行装置110の履帯を回転させ、作業機械100を自在に走行させることができる。
旋回体120は、走行装置110の上に旋回可能に設けられている。旋回体120は、たとえば、キャブ121と、旋回モータ122と、を有している。また、旋回体120は、たとえば、図3に示すように、旋回角度センサ123と、を有している。キャブ121の内部には、たとえば、作業機械100の遠隔操作を行わない場合に、オペレータが搭乗して作業機械100を操作するための操縦席が設けられている。
旋回モータ122は、たとえば、走行装置110の上に設けられた油圧モータまたは電動モータである。旋回体120の旋回モータ122は、たとえば、作業機械100のオペレータによる操作入力装置160の操作に基づいて、制御装置200によって制御される。より具体的には、オペレータは、操作入力装置160の操作レバー162を操作することで、制御装置200によって旋回体120の旋回モータ122の回転方向や回転速度を制御する。これにより、オペレータは、作業機械100の高さ方向に平行な回転軸を中心として、旋回体120を走行装置110に対して自在に旋回させることができる。
旋回角度センサ123は、走行装置110に対する旋回体120の旋回角度を検出するセンサである。旋回角度センサ123は、たとえば、旋回モータ122に設けられ、旋回モータ122の回転角度を検出することで、走行装置110に対する旋回体120の旋回角度を検出する。旋回角度センサ123は、検出した旋回体120の旋回角度を、制御装置200へ出力する。
作業装置130は、旋回体120の正面に動作可能に設けられている。作業装置130は、たとえば、ブーム131と、アーム132と、バケット133と、ブームシリンダ134と、アームシリンダ135と、バケットシリンダ136とを有している。
ブーム131は、たとえば、旋回体120の正面の中央部に、旋回体120の幅方向に平行な回転軸を中心として回動可能に設けられている。アーム132は、ブーム131の先端に、旋回体120の幅方向に平行な回転軸を中心として回動可能に設けられている。バケット133は、たとえば、アーム132の先端に、旋回体120の幅方向に平行な回転軸を中心として回動可能に設けられている。
ブームシリンダ134は、たとえば、一端が旋回体120の正面に取り付けられ、他端がブーム131の回転軸よりも先端側に取り付けられている。アームシリンダ135は、一端がブーム131の先端部と基端部との間の中間部に取り付けられ、他端がアーム132の先端部と反対側の基端部に取り付けられている。バケットシリンダ136は、一端がアーム132の基端部に取り付けられ、他端がリンク機構を介してバケット133の基端部に取り付けられている。
作業装置130のブームシリンダ134、アームシリンダ135、およびバケットシリンダ136は、たとえば、作業機械100のオペレータによる操作入力装置160の操作に基づいて、制御装置200によって制御される。より具体的には、オペレータは、操作入力装置160の操作レバー162を操作することで、制御装置200によってブームシリンダ134、アームシリンダ135およびバケットシリンダ136に作動油を供給する油圧装置の油圧ポンプおよび制御バルブを制御する。これにより、オペレータは、ブームシリンダ134、アームシリンダ135、およびバケットシリンダ136をそれぞれ自在に伸縮させ、ブーム131、アーム132、およびバケット133をそれぞれ自在に回動させることができる。
外界センサ140は、作業機械100の周囲の外界情報を取得するセンサである。外界情報は、たとえば、作業機械100の周囲の物体の情報や地形などの情報を含む。外界センサ140は、たとえば、作業機械100の周囲の画像を撮影する複数のカメラ141を含む。また、外界センサ140は、たとえば、ミリ波レーダ、レーザレーダ、超音波センサ、赤外線センサなどを含んでもよい。
図1および図2に示す例において、隣り合うカメラ141の撮像可能な領域は、互いに重複している。すなわち、複数のカメラ141の撮像領域は、作業機械100の周囲の360度の領域をカバーしている。複数のカメラ141のうち、キャブ121の上を含む旋回体120の正面に取り付けられ、旋回体120の正面の前方および斜め前方を向く3つのカメラ141は、作業装置130による掘削等の作業時に掘削対象を撮影する。
これら旋回体120の前方を向く3つのカメラ141の画像は、作業装置130による作業時にオペレータによって最も注視される。そのため、これら旋回体120の正面の3つのカメラ141の解像度は、たとえば、旋回体120の側方または後方を向く他のカメラ141の解像度よりも高くされていてもよい。なお、旋回体120の側方または後方を向く複数のカメラ141は、オペレータがキャブ121に搭乗している場合に死角となり得る領域の画像を撮影する。
図4は、図3に示す表示装置150および操作入力装置160の一例を示す斜視図である。表示装置150は、たとえば、複数のカメラ141を含む外界センサ140によって検出された外界情報に基づく画像を表示する装置である。操作入力装置160は、作業機械100のオペレータによる操作を受け付ける装置であり、オペレータによる操作が入力される装置である。表示装置150および操作入力装置160は、たとえば、作業機械100の遠隔操作を可能にするために、走行装置110、旋回体120、および作業装置130、ならびに旋回体120に搭載された制御装置200から離隔した遠隔地に設置されている。
表示装置150は、たとえば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示部151と、旋回体120に搭載された制御装置200から表示部151に表示させる情報を受信する表示内容受信部152とを有している。表示内容受信部152は、たとえば、無線通信回線および有線通信回線を介して、制御装置200から表示部151に表示させる表示内容に関する情報を受信し、受信した情報に基づく表示内容を表示部151へ出力する。表示部151は、表示内容受信部152から入力された表示内容に従って画像を表示する。
図4に示す例において、表示部151は、旋回体120の前方を撮影する複数のカメラ141の画像に基づく前方画像Gfを全画面表示している。また、表示部151は、旋回体120の周囲の360度を撮影する複数のカメラ141の画像に基づく俯瞰画像Gpと、作業機械100の状態を表示する機械状態画像Gmを、表示部151の側端にそれぞれ縮小表示している。機械状態画像Gmは、たとえば、エンジンの回転数や油温を含む作業機械100の状態を表示する。前方画像Gfは、オペレータが操作レバー162の操作を行う際に注視する画像であり、掘削対象や作業装置130の状態を確認するための画像である。そのため、前方画像Gfは、たとえば、他の画像よりも広角かつ高解像度で表示される。
図5は、図4に示す表示部151に表示される俯瞰画像Gpの拡大画像図である。俯瞰画像Gpは、たとえば、旋回体120の周囲の360度を撮影する複数のカメラ141の画像を制御装置200によって変換および合成することによって生成される。俯瞰画像Gpは、たとえば、走行装置110、旋回体120、および作業装置130を真上から見た画像G110,G120,G130と、旋回体120の周りの360度の周囲画像Gcを含む。
俯瞰画像Gpの縮小画像は、たとえば、図4に示すように、前方画像Gfが表示された表示部151の周縁部、側端部または隅部に重畳して表示される。また、俯瞰画像Gpの拡大画像は、たとえば、表示部151に縮小画像よりも拡大されて前方画像Gfに重畳して表示されるか、または、表示部151に全画面表示され、周縁部、側端部、または隅部に前方画像Gfの縮小画像が重畳して表示される。
図3に示すように、操作入力装置160は、たとえば、表示内容操作部161と、操作レバー162と、ロックレバー163と、入力信号送信部164とを有している。表示内容操作部161は、たとえば、図4に示すように、複数の操作ボタンを有している。オペレータは、たとえば、表示内容操作部161の操作ボタンを操作することで、表示部151に表示する俯瞰画像Gpを拡大画像と縮小画像とに切り替えることができる。
操作レバー162は、たとえば、操作レバー162a,162b,162cを含む。左右の操作レバー162a,162bは、たとえば、2軸の自由度を有し、作業機械100による掘削や積み込みなどの作業時に、作業装置130の動作と旋回体120の旋回を操作するために使用される。操作レバー162cは、たとえば、作業機械100の走行時に、走行装置110による走行速度および進行方向を操作するために使用される。
ロックレバー163は、走行装置110、作業装置130、および旋回体120の動作を禁止するロック位置と、それらの動作を許可するロック解除位置とを切り替える操作に使用される。ロックレバー163をロック位置に切り替えることで、たとえば、オペレータが離着席時などに不意に操作レバー162に接触しても、走行装置110、旋回体120、および作業装置130の誤作動を防止できる。
入力信号送信部164は、たとえば、有線通信回線および無線通信回線を介して旋回体120に搭載された制御装置200に情報通信可能に接続されている。表示内容操作部161、操作レバー162、およびロックレバー163は、オペレータの操作に基づく信号を入力信号送信部164へ出力する。入力信号送信部164は、入力されたオペレータの操作に基づく信号を、旋回体120に搭載された制御装置200へ送信する。
通知装置170は、たとえば、ディスプレイ、表示ランプ、スピーカ、バイブレータの少なくとも一つを含む。通知装置170は、たとえば、表示装置150および操作入力装置160とともに、走行装置110、旋回体120、作業装置130、および制御装置200から離隔した遠隔地に設置されている。通知装置170は、たとえば、制御装置200によって生成された警告や通知を、たとえば、画像、点灯、音声、または振動の少なくとも一つによって、作業機械100のオペレータに通知する。なお、通知装置170は、たとえば、表示装置150によって代替することも可能である。
制御装置200は、たとえば、作業機械100の旋回体120に設けられたキャブ121内に設置され、操作入力装置160に入力された操作に基づいて走行装置110、旋回体120、作業装置130、および表示装置150を制御する。制御装置200は、たとえば、中央処理装置(CPU)、メモリ、タイマ、入出力部などを含む一つ以上のマイクロコントローラによって構成されている。
制御装置200は、確認操作判定部210を有している。また、制御装置200は、たとえば、通知生成部212を有している。また、制御装置200は、たとえば、画像生成部201と、表示内容演算部204とを有している。また、制御装置200は、たとえば、動作制限部211を有している。さらに、制御装置200は、たとえば、表示内容生成部202と、入力信号受信部203と、機械情報保持部205と、表示内容送信部206と、を有している。また、制御装置200は、たとえば、動作可否判定部207と、制御指令演算部208と、動作制御部209と、通信異常検出部213と、を有している。
制御装置200の上記各部は、たとえば、制御装置200のメモリに記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現される制御装置200の機能を表している。なお、図3に示す制御装置200の各機能または各部は、それぞれが別個のマイクロコントローラによって構成されていてもよく、複数の機能または部分が一つのマイクロコントローラによって構成されていてもよい。
図6は、図3に示す作業機械100の制御装置200による処理の流れを説明するフロー図である。制御装置200は、たとえば、休止状態から起動されると、次に休止されるまで、図6に示す処理フローPFを所定の周期で繰り返し実行する。
より具体的には、作業機械100のオペレータは、たとえば、作業機械100を休止状態から起動させるときに、走行装置110、旋回体120および作業装置130から離隔した遠隔地に設置された操作入力装置160の起動スイッチをオンにする。なお、オペレータは、起動スイッチの代わりにロックレバー163をロック位置からロック解除位置へ操作してもよい。
起動スイッチまたはロックレバー163の操作によって作業機械100が起動されると、入力信号送信部164へ作業機械100が起動されたことを示す起動信号が入力される。入力信号送信部164は、入力された起動信号を、たとえば、有線通信回線および無線通信回線を介して、作業機械100の旋回体120に搭載された制御装置200へ送信する。
制御装置200は、たとえば、操作入力装置160から送信された起動信号を、入力信号受信部203を介して受信することで起動され、図6に示す処理フローPFを開始する。また、入力信号受信部203は、たとえば、受信した起動信号を、表示内容演算部204へ出力する。制御装置200は、処理フローPFを開始すると、制御装置200が起動直後であるか否かを判定する処理P1を実行する。
この処理P1において、表示内容演算部204は、たとえば、現在実行中の処理フローPFが、起動信号の入力後の最初の処理フローPFであるか否かを判定する。制御装置200は、表示内容演算部204によって、現在実行中の処理フローPFが、起動信号入力後の最初の処理フローPFであること、すなわち制御装置200の起動直後であること(YES)が判定されると、俯瞰画像Gpの拡大画像を表示する処理P2を実行する。
この処理P2において、制御装置200の画像生成部201は、外界センサ140によって検出された外界情報に基づく画像を生成する。画像生成部201は、たとえば、複数のカメラ141によって撮影された画像に基づいて作業機械100の旋回体120の周囲の俯瞰画像Gpと、作業装置130が設けられた旋回体120の正面前方の前方画像Gfを生成する。画像生成部201は、生成した俯瞰画像Gpと前方画像Gfを、表示内容生成部202へ出力する。
また、表示内容演算部204は、表示内容生成部202へ、俯瞰画像Gpfの拡大画像を表示することを示す信号を出力する。また、機械情報保持部205は、たとえば、作業機械100のエンジンの回転数や油温などの作業機械100の状態に関する機械情報を保持し、その機械情報を表示内容生成部202へ出力する。表示内容生成部202は、入力された俯瞰画像Gpおよび前方画像Gfと、俯瞰画像Gpの拡大画像を表示することを示す信号と、機械情報とに基づいて、表示部151に俯瞰画像Gpの拡大画像を表示させる表示内容を生成する。
表示内容生成部202は、生成した表示内容を表示内容送信部206へ出力する。表示内容送信部206は、表示内容生成部202から入力された表示内容を、無線通信回線および有線通信回線を介して、表示装置150へ送信する。表示装置150の表示内容受信部152は、無線通信回線および有線通信回線を介して、表示内容送信部206から表示内容を受信して、表示部151へ出力する。表示部151は、表示内容受信部152から入力された表示内容に基づいて、表示部151に俯瞰画像Gpの拡大画像を表示させる。
以上により、図6に示す処理P2が終了する。このように、処理P2において、制御装置200の起動直後に表示部151に俯瞰画像Gpの拡大画像を表示させることで、作業開始前にオペレータに俯瞰画像Gpを確認させることができる。これにより、オペレータに対し、作業開始前に、作業員や障害物の有無など、走行装置110、旋回体120および作業装置130の周囲の状況の確認を促すことができる。制御装置200は、処理P2の終了後、次の処理P3を実行する。
処理P3において、確認操作判定部210は、制御装置200の起動後にオペレータによる確認操作が行われたか否かを判定する。詳細については後述するが、確認操作は、オペレータによって行われる所定の操作であり、作業機械100の走行装置110、旋回体120および作業装置130の周囲の状況を確認するための操作である。前述の処理P2の後の処理P3は、制御装置200の起動直後であり、制御装置200の起動後に確認操作が行われていない。そのため、この処理P3において、確認操作判定部210は、確認操作が行われていないこと(NO)を判定し、制御装置200は、次の処理P4を実行する。
処理P4において、制御装置200は、オペレータが俯瞰画像Gpを縮小したか否かを判定する。より具体的には、オペレータは、制御装置200の起動直後に表示部151に表示された俯瞰画像Gpの拡大画像を注視して確認した後、操作入力装置160の表示内容操作部161を操作して、俯瞰画像Gpの拡大画像を縮小画像に切り替える。表示内容操作部161は、俯瞰画像Gpが拡大画像から縮小画像に切り替えられたことを示す画像切替信号を入力信号送信部164へ出力する。
制御装置200は、入力信号送信部164から送信された画像切替信号を、入力信号受信部203によって受信して、入力信号受信部203から表示内容演算部204へ入力する。表示内容演算部204は、画像切替信号に基づいて前方画像Gfと、俯瞰画像Gpの縮小画像と、機械状態画像Gmとを表示する表示内容を演算して、表示内容生成部202および確認操作判定部210へ出力する。
表示内容生成部202は、入力された演算結果に基づく表示内容を生成し、その表示内容を、表示内容送信部206を介して表示装置150へ送信する。表示装置150は、表示内容送信部206から送信された表示内容を、表示内容受信部152によって受信して、表示内容受信部152から表示部151へ入力する。表示部151は、入力された表示内容に基づいて、表示部151に、前方画像Gfを全画面表示で表示し、俯瞰画像Gpおよび機械状態画像Gmを縮小画像で表示する。
一方、確認操作判定部210は、表示内容演算部204から入力された表示内容の演算結果に基づいて、処理P4において、俯瞰画像Gpが拡大画像から縮小画像へ切り替えられたこと、すなわち、俯瞰画像Gpが縮小されたこと(YES)を判定する。すなわち、本実施形態において、制御装置200は、俯瞰画像Gpが拡大画像から縮小画像へ切り替えられたことに基づいて、確認操作の一つとしてオペレータに要求される俯瞰画像Gpの拡大画像の確認が終了したことを判定している。確認操作判定部210は、たとえば、制御装置200が休止されるか、後述する所定の条件を満たすまで、処理P4の判定結果を保持する。その後、制御装置200は、次の処理P5を実施する。
処理P5において、制御装置200は、旋回体120が360度の旋回を行ったか否かを判定する。より具体的には、オペレータは、たとえば、確認操作の一つとして、前方画像Gfを注視しながら、操作入力装置160の操作レバー162を操作して旋回体120を360度の角度で旋回させ、旋回体120の周囲の状況を確認することが求められる。旋回体120の旋回角度は、旋回角度センサ123によって検出され、確認操作判定部210へ入力される。
確認操作判定部210は、処理P5において、入力された旋回体120の旋回角度が360度以上である場合、360度旋回を行ったこと(YES)を判定する。その後、確認操作判定部210は、次の処理P6で確認操作の実施を記録し、その記録を制御装置200が休止されるか、所定の条件を満たすまで保持する。その後、制御装置200は、次の処理P7を実行する。
処理P7において、制御装置200は、走行装置110、旋回体120、作業装置130に対する動作の制限と、通知装置170に対する警告などの通知を解除する。より具体的には、確認操作判定部210は、動作制限部211および通知生成部212に対してすべての制限または通知を解除する信号を出力する。すると、動作制限部211は、動作制御部209に対する制限指令を解除し、通知生成部212は、通知装置170に対する通知指令を解除する。その後、制御装置200は、図6に示す処理フローPFを終了させ、再び開始する。
制御装置200が起動されてから2回目以降の処理P1では、制御装置200の起動直後ではないこと(NO)が判定され、俯瞰画像Gpの拡大画像を表示する処理P2を行うことなく、確認操作を行ったか否かの判定処理P3が実行される。前回までの処理フローPFの処理P6で確認操作の実施が記録されている場合、処理P3において、確認操作判定部210は、確認操作が行われたこと(YES)を判定する。その後、制御装置200は、次の処理P8を実行する。
処理P8において、制御装置200は、通信異常発生の有無を判定する。通信異常検出部213は、表示内容送信部206から表示装置150の表示内容受信部152への表示内容の送信時や、入力信号受信部203による操作入力装置160の入力信号送信部164からの入力信号の受信時の通信異常を検出する。通信異常は、たとえば、通信途絶、所定時間以上の通信遅延、および通信信号のビットエラーを含む。確認操作判定部210は、通信異常検出部213から入力された通信異常の検出結果に基づいて、通信異常発生の有無を判定する。
処理P8において、確認操作判定部210が、通信異常が発生していないこと(NO)を判定すると、制御装置200は、操作入力装置160のロックレバー163が長時間ロック位置にあるか否かを判定する処理P9を実行する。確認操作判定部210には、入力信号受信部203および動作可否判定部207を介して、操作入力装置160のロックレバー163の位置が入力される。
処理P9において、確認操作判定部210は、入力されたロックレバー163の位置がロック解除位置にあるか、ロック位置にあるが所定時間が経過していない場合、ロックレバー163は長時間ロック位置にないこと(NO)を判定する。すると、制御装置200は、図6に示す処理フローPFを終了する。
この場合、オペレータは、俯瞰画像Gpの拡大画像を確認する操作と、前方画像Gfを注視しながら旋回体120を360度旋回させる操作を含む確認操作を実施済みである。また、表示装置150および操作入力装置160と、制御装置200との間で通信異常は発生しておらず、ロックレバー163はロック解除位置であるか、ロック位置に操作されてから長時間は経過していない。
すなわち、走行装置110、旋回体120および作業装置130の周囲の安全は、オペレータによって確認された状態になっている。そのため、走行装置110、旋回体120および作業装置130の動作は制限されず、通知装置170による警告や通知も行われない。すなわち、ロックレバー163がロック解除位置にある場合、オペレータが操作レバー162を操作すると、その操作に基づく信号は、入力信号送信部164、入力信号受信部203、および制御指令演算部208を介して動作制御部209へ入力される。その結果、オペレータは、走行装置110、旋回体120および作業装置130を、動作制限や警告などの通知を受けることなく動作させることができる。
一方、前述の処理P8で通信異常が発生した(YES)と判定された場合、または、前述の処理P9でロックレバー163が長時間ロック位置にある(YES)と判定された場合、制御装置200は、次の処理P10から処理P12までを実行する。処理P10において、確認操作判定部210は、オペレータによる確認操作が未実施であることを記録する。たとえば、前述の処理P8において、通信異常が発生している場合には、通信を阻害する構造物や移動体の接近の可能性があり、通信異常の回復後に、再度、オペレータに確認操作を促すためである。また、前述の処理P9でロックレバー163が長時間ロック位置にあることが判定された場合も、たとえば、周囲の状況の変化やオペレータの交代の可能性があり、ロックレバー163がロック解除位置に操作された後に、再度、オペレータに確認操作を促すためである。
処理P11において、動作制限部211は、走行装置110、旋回体120、および作業装置130の動作速度を上限速度以下に制限する。より具体的には、動作制限部211は、たとえば、走行装置110の走行速度、作業装置130の動作速度、および旋回体120の旋回速度の少なくとも一つを、上限速度よりも下限速度に近い速度に制限する。より詳細には、処理P11において動作制限部211は、走行装置110、旋回体120、および作業装置130のそれぞれの動作速度を、たとえば、上限速度の1/3以下、1/5以下、または1/10以下の速度に制限する。
その後、制御装置200は、前述の処理P2と同様に、俯瞰画像Gpの拡大画像を表示する処理P12を実行する。これにより、前述の処理P8で通信異常が発生したことが判定された場合や、ロックレバー163が長時間ロック位置にあることが判定された場合に、オペレータに、再度、俯瞰画像Gpを注視して、旋回体120の周囲の安全確認を促すことができる。
その後、制御装置200は、ロックレバー163が解除位置にあるか否かを判定する処理P13を実施する。この処理P13において、制御装置200は、操作入力装置160から入力信号送信部164を介して送信されたロックレバー163の位置情報を、入力信号受信部203を介して受信する。入力信号受信部203は、受信したロックレバー163の位置情報を、動作可否判定部207へ出力する。動作可否判定部207は、この処理P13において、入力信号受信部203から入力されたロックレバー163の位置情報に基づいて、ロックレバー163がロック解除位置であるか否かを判定する。
処理P13において、動作可否判定部207によってロックレバー163がロック解除位置にあること(YES)が判定されると、制御装置200は、確認操作の督促通知P14を実施する。この処理P14において、通知生成部212は、オペレータに対する確認操作の督促通知を生成して通知装置170へ出力する。通知装置170は、たとえば、ディスプレイ、表示ランプ、スピーカ、バイブレータの少なくとも一つによって、オペレータに確認操作の督促通知を行って、オペレータに確認操作を促す。
なお、処理P14における確認操作の督促通知は、たとえば、表示内容演算部204および表示内容生成部202によって表示内容を生成してもよい。この場合、生成した表示内容を、表示内容送信部206を介して表示装置150の表示内容受信部152へ送信し、表示部151に表示させてもよい。処理P14の終了後、制御装置200は、図6に示す処理フローPFを終了する。
一方、前述の処理P13において、動作可否判定部207は、ロックレバー163がロック解除位置にないこと(NO)、すなわちロック位置にあることを判定すると、走行装置110、旋回体120、および作業装置130の動作を禁止する。また、制御装置200は、確認操作の督促通知を解除する処理P15を実施する。この処理P15において、通知生成部212は、たとえば、生成した確認操作の督促通知を破棄する。これは、ロックレバー163がロック位置にある場合、オペレータに作業機械100を動作させる意思がなく、確認操作を行う必要がないためである。処理P15の終了後、制御装置200は、図6に示す処理フローPFを終了する。
一方、前述の処理P4において、確認操作判定部210によって、俯瞰画像Gpが縮小されていないこと(NO)が判定されると、制御装置200は、前述の処理P11と同様に、走行装置110、旋回体120、および作業装置130の動作速度を制限する処理P16を実施する。また、前述の処理P5において、確認操作判定部210によって、旋回体120が360度の旋回をしていないこと(NO)が判定されると、制御装置200は、走行装置110および作業装置130の速度および動作を制限する処理P17を実行する。
処理P17において、動作制限部211は、たとえば、走行装置110および作業装置130の動作速度を、上限速度以下に制限するとともに、作業装置130の回転半径が増加する方向の動作を制限する。ここでは、旋回体120の360度の旋回を促すために、旋回体120の旋回速度、および、作業装置130の回転半径が減少する方向の動作は、制限しない。なお、本実施形態において、動作を制限することには、動作を禁止すること、および、動作速度を制限することが含まれる。処理P16または処理P17の終了後、制御装置200は、次の処理P18を実行する。
処理P18において、確認操作判定部210は、オペレータによる走行装置110、旋回体120、および作業装置130の周囲の確認操作がされていないことを記録して保持する。これにより、次回の処理フローPFの処理P3において、確認操作判定部210によって確認操作がされていないこと(NO)が判定されることになる。処理P18の終了後、制御装置200は、前述の処理P13を実行し、ロックレバー163の位置に応じて前述の処理P14または処理P15を実行して、図6に示す処理フローPFを終了する。
以下、本実施形態の作業機械100の作用を、従来の作業機械の周辺監視装置との対比に基づいて説明する。
前述の特許文献1および2に記載されている作業機械の周辺監視装置では、情報出力部の出力内容を確認するか否かの判断や、警報の停止後に作業機械の周囲の状況確認を行うか否かの判断が、オペレータに委ねられている。そのため、これら従来の装置では、オペレータが情報出力部の出力内容の確認や作業機械の周囲の状況確認を怠った場合に、作業機械の周囲の障害物を見落とすなどのヒューマンエラーが発生するおそれがある。
これに対し、本実施形態の作業機械100は、走行装置110と、その走行装置110の上に旋回可能に設けられた旋回体120と、その旋回体120の正面に動作可能に設けられた作業装置130と、を備えている。作業機械100は、さらに、作業機械100の周囲の外界情報を検出する外界センサ140と、その外界センサ140によって検出された外界情報に基づく画像を表示する表示装置150と、を備えている。また、作業機械100は、作業機械100のオペレータによる操作が入力される操作入力装置160と、その操作入力装置160に入力された操作に基づいて走行装置110、旋回体120、作業装置130、および表示装置150を制御する制御装置200と、を備えている。そして、制御装置200は、操作入力装置160に入力された操作に基づいて作業機械100の周囲の状況を確認する確認操作がされたか否かを判定する確認操作判定部210を有している。また、制御装置200は、上記の判定の結果に基づいて走行装置110、旋回体120、作業装置130の少なくとも一つの動作を制限してもよい。
このような構成により、本実施形態の作業機械100によれば、オペレータの操作入力装置160の操作に基づいて、オペレータが作業機械100の周囲の状況を確認する確認操作を行ったか否かを、制御装置200によって判定することができる。これにより、作業機械100は、制御装置200によってオペレータが確認操作を行っていなことが判定された場合に、制御装置200によってオペレータに確認操作を確実に実行するように促して、ヒューマンエラーを低減することが可能になる。
本実施形態の作業機械100において、制御装置200は、確認操作判定部210によって確認操作がされていないことが判定された場合に、オペレータに確認操作を促す通知を行うための信号を生成する通知生成部212を有している。このような構成により、本実施形態の作業機械100によれば、通知生成部212から通知装置170へ信号を出力して確認操作を促す通知や警告を行い、オペレータに確認操作を確実に実行するように促して、ヒューマンエラーを低減することが可能になる。
たとえば、作業機械100の遠隔操作においては、オペレータの視界がカメラ141の画角、表示部151のモニタサイズなどによって制限される。このため、従来、作業機械100の有人操作においてオペレータが搭乗前およびキャブ121内で実施してきた周囲確認が、遠隔操作では難しくなるおそれがある。さらに、走行装置110、旋回体120、および作業装置130の周囲を確認するための俯瞰画像Gpの映像は、作業中に確認する前方画像Gfに比べて、作業中に確認する頻度が少ない。そのため、俯瞰画像Gpは、前方画像Gfよりも小さく、または隅に表示される傾向があり、オペレータが走行装置110、旋回体120、および作業装置130の周囲の障害物や地形の変化を見落とすおそれがある。
これに対し、本実施形態の作業機械100において、外界センサ140は、作業機械100の周囲の画像を撮影する複数のカメラ141を含んでいる。また、制御装置200は、複数のカメラ141によって撮影された画像に基づいて旋回体120の周囲の俯瞰画像Gpおよび作業装置130が設けられた旋回体120の正面前方の前方画像Gfを生成する画像生成部201を有している。さらに、制御装置200は、操作入力装置160に入力された操作に基づいて表示装置150に俯瞰画像Gpの拡大画像と縮小画像とを切り替えて表示させる表示内容演算部204と、を有している。このような構成により、本実施形態の作業機械100によれば、制御装置200は、オペレータが俯瞰画像Gpを拡大画像から縮小画像へ切り替える操作、または、縮小画像から拡大画像へ切り替える操作に基づいて、確認操作がされたことを判定できる。
また、本実施形態の作業機械100において、確認操作判定部210は、操作入力装置160に入力された操作に基づいて表示装置150に表示された俯瞰画像Gpの縮小画像が拡大画像に切り替えられた場合に、確認操作がされたことを判定する。このような構成により、本実施形態の作業機械100によれば、オペレータが俯瞰画像Gpの縮小画像を拡大画像に切り替えて、俯瞰画像Gpの拡大画像を確認することを促すことができる。
また、本実施形態の作業機械100において、表示内容演算部204は、制御装置200の起動時に、表示装置150に俯瞰画像Gpの拡大画像を表示させる。また、確認操作判定部210は、操作入力装置160に入力された操作に基づいて表示装置150に表示された俯瞰画像Gpの拡大画像が縮小画像に切り替えられた場合に、確認操作がされたことを判定する。このような構成により、本実施形態の作業機械100によれば、制御装置200の起動時にオペレータに強制的に俯瞰画像Gpを視認させることができ、オペレータが俯瞰画像Gpの拡大画像の確認を失念したり確認を怠ったりすることを防止できる。したがって、オペレータに確認操作を確実に実行するように促して、ヒューマンエラーを低減することが可能になる。
また、本実施形態の作業機械100は、走行装置110に対する旋回体120の旋回角度を検出する旋回角度センサ123を備えている。また、確認操作判定部210は、操作入力装置160に入力された操作が旋回体120の旋回操作であり、かつ、旋回角度センサ123によって検出された旋回体120の旋回角度が360度以上である場合に、確認操作がされたことを判定する。このような構成により、本実施形態の作業機械100によれば、旋回体120の正面前方を撮影する広角かつ高解像度のカメラ141の画像に基づく前方画像Gfを確認しながら旋回体120を360度旋回させる確認操作を行うことを、オペレータに促すことができる。これにより、オペレータは、俯瞰画像Gpでは把握できなかった走行装置110、旋回体120および作業装置130の周囲の詳細な状況を確認することが可能になる。
また、本実施形態の作業機械100において、制御装置200は、確認操作判定部210によって確認操作がないことが判定された場合に、走行装置110の走行速度、作業装置130の動作速度、および旋回体120の旋回速度の少なくとも一つを、上限速度以下または上限速度よりも下限速度に近い速度に制限する動作制限部211を有している。このような構成により、本実施形態の作業機械100によれば、速度制限の解除を望むオペレータに確認操作を行うことを促すことができる。
また、本実施形態の作業機械100において、制御装置200は、確認操作判定部210によって確認操作がないことが判定された場合に、作業装置130の旋回半径が大きくなる動作を制限する動作制限部211を有している。このような構成により、本実施形態の作業機械100によれば、オペレータによる旋回体120の周囲を確認する確認操作が行われていない場合に、作業装置130の回転半径を減少させて旋回体120の旋回を容易にすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、オペレータが作業機械100の周囲の状況確認を確実に行うように促して、ヒューマンエラーを低減することが可能な作業機械100を提供することができる。
以上、図面を用いて本開示に係る作業機械の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。