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JP7806895B2 - アミン化合物の検出方法、アミン化合物の検出剤及びチアゾール誘導体 - Google Patents
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JP7806895B2 - アミン化合物の検出方法、アミン化合物の検出剤及びチアゾール誘導体 - Google Patents

アミン化合物の検出方法、アミン化合物の検出剤及びチアゾール誘導体

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Description

本発明は、アミン化合物の検出方法、アミン化合物の検出剤及びチアゾール誘導体に関する。
アミン化合物の検出方法として、種々の呈色反応等が知られている。例えば、特開2016-023957号公報には、電気化学的測定によって試料中のアミノ酸を定量する方法が提案されている。また、Inorg.Chem.2016,55,3616-3623.では、アントラキノン構造を有する化合物を用いて、酸化還元不活性な化合物を電気化学的に検出する方法が検討されている。
本発明の一態様は、電気化学的測定によってアミン化合物を検出することを可能にするアミン化合物の検出方法を提供することを目的とする。
第一態様は、検体とフェナントレンキノン骨格を有するイソチオシアナート化合物とを接触させることと、前記検体に含まれるアミン化合物と前記イソチオシアナート化合物とから形成されるチアゾール誘導体を検出することと、を含むアミン化合物の検出方法である。
第二態様は、下記式(1)で表されるフェナントレンキノン骨格を有するイソチオシアナート化合物を含むアミン化合物の検出剤である。式(1)中、R101及びR103からR108は、それぞれ独立して、水素原子を示すか、又は置換若しくは無置換の炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を示す。
第三態様は、下記式(2)で表されるチアゾール誘導体である。式(2)中、R203からR208は、それぞれ独立して、水素原子を示すか、又は置換若しくは無置換の炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を示す。R211及びR212は、それぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは無置換の炭化水素基を示す。
本発明の一態様によれば、電気化学的測定によってアミン化合物を検出することを可能にするアミン化合物の検出方法を提供することができる。
本実施形態における吸光度測定の結果の一例を示す図である。 本実施形態における電気化学的測定の結果の一例を示す図である。 本実施形態における電気化学的測定の結果の別例を示す図である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書に記載される数値範囲の上限及び下限は、数値範囲として例示された数値をそれぞれ任意に選択して組み合わせることが可能である。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための、アミン化合物の検出方法、アミン化合物の検出剤及びチアゾール誘導体を例示するものであって、本発明は、以下に示すアミン化合物の検出方法、アミン化合物の検出剤及びチアゾール誘導体に限定されない。
アミン化合物の検出方法
第一態様であるアミン化合物の検出方法は、検体とフェナントレンキノン骨格を有するイソチオシアナート化合物(以下、単に「イソチオシアナート化合物」ともいう)とを接触させる第1工程と、検体に含まれるアミン化合物とイソチオシアナート化合物とから形成されるチアゾール誘導体を検出する第2工程と、を含む。
第1工程では検体とイソチオシアナート化合物とを接触させる。これにより検体中に存在する検出対象であるアミン化合物とイソチオシアナート化合物とからチアゾール誘導体が形成される。形成されるチアゾール誘導体はアミン化合物に由来する部分構造を有し、酸化還元活性なフェナントレンキノン構造を有するため、電気化学的測定によってアミン化合物を検出することが可能になる。また、チアゾール誘導体はアミン化合物に由来する部分構造を有するため、電気化学的測定によってアミン化合物を同定することが可能になる。一態様においてアミン化合物の検出方法は、アミン化合物の定量分析方法を含んでいてよく、またアミン化合物の同定方法を含んでいてよい。
アミン化合物とイソチオシアナート化合物とから形成されるチアゾール誘導体は、例えばアミン化合物のイソチオシアナート基への付加反応と、それに続くチオウレア基によるフェナントレン骨格への閉環反応とによって形成されると考えることができる。また、これらの反応の協奏的な進行によって形成されると考えることもできる。
検体はアミン化合物を含み得るものであれば、その由来は特に制限されない。検体の由来としては、例えば生体、食品、環境試料等を挙げることができる。生体としては例えば、哺乳動物(例、ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ)、鳥類等の動物、昆虫、軟体動物、微生物、植物等が挙げられる。生体に由来する検体としては、例えば血液(例えば、全血、血清、血漿等)、尿、汗、唾液等を挙げることができる。検体はその由来に応じて適当な前処理を施したものであってもよい。前処理としては、例えば遠心分離処理、抽出処理、ろ過処理等を挙げることができる。検体中のアミン化合物の濃度は、例えば1nM以上1M以下であってよく、好ましくは1μM以上1mM以下であってよい。
検体に含まれる検出対象のアミン化合物は、1級アミノ基及び2級アミノ基の少なくとも一方を含むアミン化合物であればよい。アミン化合物としては、例えば炭素数1から20の脂肪族基を有する脂肪族アミン、炭素数6から20の芳香族基を有する芳香族アミン等を挙げることができる。検体に含まれるアミン化合物は1種単独であっても、2種以上の混合物であってもよい。
脂肪族アミンにおける脂肪族基は、飽和脂肪族基であっても、不飽和脂肪族基であってもよい。また脂肪族基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。脂肪族基の炭素数は、好ましくは1から12であってよい。脂肪族基は置換基を有していてもよい。脂肪族基における置換基としては、例えばカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、アリール基、複素芳香環基、スルファニル基、アルキルスルファニル基、グアニジル基、カルボキサミド基、イミダゾリル基等が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種の置換基を含んでいてよい。アルキルスルファニル基におけるアルキル基は、例えば炭素数が1から3であってよく、直鎖でも分岐鎖であってもよい。脂肪族基における置換基としてのアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。また脂肪族基における置換基としての複素芳香環基としては、例えばインドリル基、イミダゾリル基等が挙げられる。脂肪族基における置換基としてのアリール基及び複素芳香環基は、さらに置換基を有していてもよい。その置換基としては、炭素数1から3のアルキル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
芳香族アミンの芳香族基の炭素数は、好ましくは6から10であってよい。芳香族アミンにおける芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセン、フェナントレン等が挙げられる。また、芳香族アミンにおける芳香族基は、置換基を有していてもよい。芳香族基における置換基としては、例えば、炭素数1から6の飽和又は不飽和脂肪族基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルコキシ基等が挙げられる。
検出対象のアミン化合物は、例えばアミノ酸を含んでいてよい。アミノ酸は、アミノ基とカルボキシ基を有する化合物であればよく、天然型アミノ酸であっても、非天然型アミノ酸であってもよい。天然型アミノ酸としては、例えばグリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、バリン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、アスパラギン、システイン、グルタミン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジン、プロリン、βアラニン、シトルリン、テアニン等が挙げられる。非天然型アミノ酸としては、D型アミノ酸等が挙げられる。検出対象としてのアミノ酸は、エステル、アミド等の誘導体であってもよい。
検出対象となるアミン化合物は、例えば下記式(3)で表される構造を有していてもよい。
式(3)中、R311及びR312は、それぞれ独立して、水素原子であるか、又は置換若しくは無置換の炭化水素基であってよく、好ましくはR311及びR312の少なくとも一方が、置換又は無置換の炭化水素基であってよい。R311及びR312で表される炭化水素基は互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよい。R311及びR312で表される炭化水素基が互いに結合して5員環又は6員環を形成する場合、5員環又は6員環は、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。R311又はR312で表される炭化水素基は、脂肪族基であっても芳香族基であってもよい。R311又はR312で表される脂肪族基は、例えば炭素数が1から20であってよく、好ましくは炭素数が1から12であってよい。脂肪族基は、飽和脂肪族基であっても、不飽和脂肪族基であってもよい。また脂肪族基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。脂肪族基は置換基を少なくとも1つ有していてもよい。脂肪族基における置換基としては、例えばカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素芳香環基、スルファニル基、アルキルスルファニル基、グアニジル基、カルボキサミド基、イミダゾリル基等が挙げられる。アルキルスルファニル基におけるアルキル基は、例えば炭素数が1から3であってよく、直鎖でも分岐鎖であってもよい。脂肪族基における置換基としてのアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。また脂肪族基における置換基としての複素芳香環基としては、例えばインドリル基、イミダゾリル基等が挙げられる。脂肪族基における置換基としてのアリール基及び複素芳香環基は、さらに置換基を有していてもよい。その置換基としては、炭素数1から3のアルキル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
311又はR312で表される芳香族基は、例えば炭素数6から20であってよく、好ましくは6から10であってよい。芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセン、フェナントレン等が挙げられる。芳香族基は置換基を少なくとも1つ有していてもよい。芳香族基における置換基としては、例えば、炭素数1から6の飽和又は不飽和脂肪族基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルコキシ基等が挙げられる。
イソチオシアナート化合物は、イソチオシアナート基を有するフェナントレンキノンであってよい。フェナントレンキノンは、例えば9,10-フェナントレンキノン、1,4-フェナントレンキノン等であってよい。イソチオシアナート基の置換位置は、例えば2位、3位、4位等であってよく、好ましくは2位であってよい。イソチオシアナート化合物を構成するフェナントレンキノンは、イソチオシアナート基に加えて置換基を有していてもよい。フェナントレンキノンが有してもよい置換基については後述する。
イソチオシアナート化合物は、例えば下記式(1)で表される化合物であってよい。イソチオシアナート化合物が特定の構造を有していることで、より効率的にチアゾール誘導体を生成することができる。
式(1)中、R101及びR103からR108は、それぞれ独立して、水素原子であるか、又は置換若しくは無置換の炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であってよい。置換基における炭化水素基は、脂肪族基であっても芳香族基であってもよい。脂肪族基は、飽和脂肪族基であっても、不飽和脂肪族基であってもよい。また脂肪族基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。脂肪族基の炭素数は、例えば炭素数が1から12であってよく、好ましくは1から6、又は1から3であってよい。脂肪族基における置換基としては、例えばハロゲン原子、アリール基等が挙げられる。芳香族基の炭素数は、例えば6から20であってよく、好ましくは6から10であってよい。芳香族基における置換基としては、例えばハロゲン原子、炭素数1から3の脂肪族基等が挙げられる。置換基としてのアルコキシ基は、炭素数1から6の脂肪族基、好ましくは炭素数1から3の脂肪族基を有していてよい。置換基としてのアシル基は、炭素数1から6の脂肪族基、好ましくは炭素数1から3の脂肪族基を有していてよい。置換基としてのアルコキシカルボニル基は、炭素数1から6の脂肪族基、好ましくは炭素数1から3の脂肪族基を有していてよい。
式(1)で表されるイソチオシアナート化合物は、R101及びR103からR108から選択される少なくとも4個が水素原子であってよく、好ましくは少なくとも6個が水素原子であってよい。式(1)で表されるイソチオシアナート化合物は、少なくともR101が水素原子であってよく、R101及びR103からR108のすべてが水素原子であってよい。
イソチオシアナート化合物は、例えばフェナントレンキノン又はその誘導体をニトロ化した後、ニトロ基を還元してアミノ基に変換し、アミノ基をイソチオシアナート基に変換することで合成することができる。合成方法の詳細については、例えばChem.Mater.2015,27,3568.;Inorg.Chem.2016,55,3616.等を参照することができる。
第1工程における検体とイソチオシアナート化合物との接触は液媒体中で行ってよい。液媒体としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶剤、水等を挙げることができ、これらの組み合わせであってもよい。第1工程における検体とイソチオシアナート化合物は、検体とイソチオシアナート化合物の溶液との混合によって行ってもよい。イソチオシアナート化合物の溶液におけるイソチオシアナート化合物の濃度は、例えば10mM以上50mM以下であってよく、好ましくは20mM以上30mM以下であってよい。
検体とイソチオシアナート化合物との接触においては、必要に応じて反応触媒を共存させてもよい。反応触媒としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン等の3級アミンを挙げることができる。検体とイソチオシアナート化合物との接触において反応触媒を用いる場合、その添加量は、イソチオシアナート化合物に対するモル比として、例えば1以上20以下であってよく、好ましくは5以上、又は12以下であってよい。
検体とイソチオシアナート化合物との接触温度は、例えば10℃以上80℃以下であってよく、好ましくは20℃以上、又は40℃以下であってよい。検体とイソチオシアナート化合物との接触時間は、例えば1分以上120分以下であってよく、好ましくは5分以上、又は90分以下であってよい。
第1工程は、検体とイソチオシアナート化合物とを接触させて得られる反応生成物からチアゾール誘導体を分離する精製処理を、必要に応じて含んでいてよい。精製処理は、例えば水等の貧溶媒の添加による析出、濾別、水洗等を含んでいてよい。
第2工程では、検体に含まれるアミン化合物とイソチオシアナート化合物とから形成されるチアゾール誘導体を検出する。検出されるチアゾール誘導体は、アミン化合物に由来する部分構造を含むチアゾール構造と、イソチオシアナート化合物に由来するフェナントレンキノン構造とを有する化合物であってよく、アミン化合物に由来する部分構造を含むチアゾールとフェナントレンキノンとの縮環化合物であってよい。
チアゾール誘導体は、例えば下記式(2)で表される化合物であってよい。チアゾール誘導体が特定の構造を有していることで、アミン化合物の構造に応じて特定の酸化還元挙動を示すことができる。
式(2)中、R203からR208は、それぞれ独立して、水素原子であるか、又は置換若しくは無置換の炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であってよい。R203からR208のいずれかで表される置換基の詳細は、式(1)におけるR103等で表される置換基と同様である。
式(2)で表されるチアゾール誘導体は、R203からR208から選択される少なくとも4個が水素原子であってよく、好ましくは少なくとも5個が水素原子であってよく、R203からR208のすべてが水素原子であってよい。
211及びR212は、それぞれ独立して、水素原子であるか、又は置換若しくは無置換の炭化水素基であってよく、好ましくはR211及びR212の少なくとも一方が、置換又は無置換の炭化水素基であってよい。R211及びR212で表される炭化水素基は互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよい。R211及びR212で表される炭化水素基が互いに結合して5員環又は6員環を形成する場合、5員環又は6員環は、環内に酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。R211又はR212で表される置換又は無置換の炭化水素基の詳細は、式(3)におけるR311又はR312で表される置換又は無置換の炭化水素基と同様である。
第2工程におけるチアゾール誘導体の検出は、例えば目視による色調変化の観察、紫外可視吸収スペクトル測定、電気化学的測定等によって行うことができる。後述するように、イソチオシアナート化合物とチアゾール誘導体はそれぞれ可視領域に極大吸収波長を有し、その極大吸収波長がそれぞれで大きく異なることから、目視によってチアゾール誘導体の検出を判定することができる。
第2工程におけるチアゾール誘導体の検出は、紫外可視吸収スペクトル測定を含んでいてよい。アミン化合物から形成されるチアゾール誘導体は特定の波長範囲に極大吸収波長を有することから、紫外可視吸収スペクトル測定によってチアゾール誘導体を検出することができる。すなわち、検体とイソチオシアナート化合物から調製される吸光度測定用試料が、特定の波長範囲に極大吸収波長を有することで、検体におけるアミン化合物の存在を検出することができる。また、極大吸収波長における吸光度を測定することで、吸光度測定用試料におけるチアゾール化合物の濃度を定量又は半定量することができる。吸光度測定は、例えば紫外可視分光光度計を用いて行うことができる。
チアゾール誘導体は、500nm以上600nm以下の範囲に極大吸収波長を有していてよく、好ましくは510nm以上550nm以下の範囲に極大吸収波長を有していてよい。一方、イソチオシアナート化合物は、400nm以上500nm未満の範囲に極大吸収波長を有していてよく、好ましくは420nm以上460nm以下の範囲に極大吸収波長を有していてよい。チアゾール誘導体の極大吸収波長とイソチオシアナート化合物の極大吸収波長の差は、例えば40nm以上200nm以下であってよく、好ましくは80nm以上150nm以下であってよい。
チアゾール誘導体の極大吸収波長は、塩基性化合物の存在下で長波長シフトしてよい。その場合、チアゾール誘導体の溶液に塩基性化合物を添加することで色調の変化を目視で確認することもできる。塩基性化合物の存在下で極大吸収波長が、長波長シフトするチアゾール誘導体は、例えばカルボキシ基を置換基として有していてよい。塩基性化合物としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン等の脂肪族3級アミンなどを挙げることができる。チアゾール誘導体の塩基性化合物の存在下での極大吸収波長の長波長シフト量は、例えば5nm以上100nm以下であってよく、好ましくは10nm以上50nm以下であってよい。
第2工程におけるチアゾール誘導体の検出は、電気化学的測定を含んでいてよい。アミン化合物から形成されるチアゾール誘導体はフェナントレンキノン骨格を有することから、電気化学的測定によってチアゾール誘導体を検出することができる。また、チアゾール誘導体はアミン化合物に由来する部分構造を有し、その部分構造に由来して電気化学的挙動が変化することから、アミン化合物の構造を同定、またはある程度推測することが可能になる。チアゾール誘導体の電気化学的測定による検出は、例えば作用電極、対電極及び参照電極を備える通常用いられる電気化学測定装置を用いて、サイクリックボルタンメトリーにより実施することができる。
電気化学的測定に使用する作用電極の材質としては、例えばガラス状カーボン(GC)、金、白金、銀、ニッケル、グラファイト等が挙げられる。対電極の材質としては、白金、金、ニッケル等が挙げられる。参照電極は、市販されている参照電極から適宜選択して用いることができる。参照電極としては、Ag/AgCl電極、カロメル電極等の水系参照電極、Ag/Ag電極等の非水溶媒系参照電極などを挙げることができる。チアゾール誘導体の検出においては、例えば作用電極としてグラッシーカーボンを、対電極として白金電極を、参照電極として非水溶媒系参照電極を用いてよい。
電気化学的測定に供する電気化学的測定用試料は、有機溶剤、電解質等を含んでいてよい。有機溶剤としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤等が挙げられる。電解質としては、例えば、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸テトラエチルアンモニウム(TEABF)、テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム(TBABF)等のアンモニウム塩が挙げられる。
チアゾール誘導体は、サイクリックボルタンメトリー測定により、可逆的な酸化還元波を示してよい。すなわち、チアゾール誘導体は、安定な構造を有する酸化還元系であってよい。また、チアゾール誘導体が示す酸化還元波は、低電位側から順に第1酸化ピーク、第2酸化ピーク及び第3酸化ピークの3つの酸化ピークを有していてよい。第1酸化ピーク及び第2酸化ピークは、例えばチアゾール誘導体を構成するフェナントレンキノン骨格に由来してよい。また、第3酸化ピークは、例えばチアゾール環構造に由来してよい。検体とイソチオシアナート化合物から調製される電気化学的測定用試料が、チアゾール環構造に由来する酸化ピークを示すことで、検体におけるアミン化合物の存在を検出することができる。
電気化学的測定によってチアゾール誘導体が示す3つの酸化ピークは、アミン化合物に由来する部分構造に応じて特定の電位を示してよい。第1酸化ピークの電位(以下、第1酸化電位ともいう)は、例えば-1.100V以上-0.950V以下であってよく、好ましくは-1.050V以上-0.960V以下であってよい。第2酸化ピークの電位(以下、第2酸化電位ともいう)は、例えば-0.500V以上-0.300V以下であってよく、好ましくは-0.450V以上-0.350V以下であってよい。第3酸化ピークの電位(以下、第3酸化電位ともいう)は、例えば0.700V以上1.000V以下であってよく、好ましくは0.800V以上0.950V以下であってよい。なお、それぞれの酸化ピークの電位は、フェロセンを基準電位として測定される。
チアゾール誘導体がアミン化合物に由来する部分構造に応じた酸化電位を示すことを利用して、アミン化合物の構造を同定することができる。例えば、特定のアミン化合物から形成されるチアゾール誘導体が示す各酸化ピークの電位を予め測定しておき、検体から形成されるチアゾール誘導体が示す各酸化ピークの電位と比較することで、アミン化合物の構造を同定することができる。ここでそれぞれの酸化ピークの電位は、1回の電気化学的測定で得られる数値であってもよいし、複数回の電気化学的測定で得られる酸化電位の算術平均値であってもよい。比較対象となる酸化ピークの電位は、第1酸化電位、第2酸化電位及び第3酸化電位の組み合わせであってもよく、第1酸化電位及び第2酸化電位の組み合わせであってもよく、第2酸化電位及び第3酸化電位の組み合わせであってもよい。また例えば、複数回の電気化学的測定で得られる酸化電位について、それぞれの電気化学的測定で得られる第1酸化電位と第2酸化電位の関係を2次元プロットして、その分布パターンからアミン化合物の構造を同定してもよい。さらに例えば第1酸化電位を基準として、第2酸化電位との差分と、第3酸化電位との差分を比較対象としてもよい。
第二態様のアミン化合物の検出剤は、上記式(1)で表されるフェナントレンキノン骨格を有するイソチオシアナート化合物を含む。イソチオシアナート化合物が特定の構造を有することで、検出対象物であるアミン化合物と反応して、アミン化合物に由来する部分構造を有するチアゾール誘導体を効率的に生成することができる。式(1)で表されるイソチオシアナート化合物の詳細については既述の通りである。
第三態様のチアゾール誘導体は、上記式(2)で表される。検出対象物であるアミン化合物に由来する部分構造を有するチアゾール誘導体は、検出対象物の同定に用いることができる。式(2)で表されるチアゾール誘導体の詳細については既述の通りである。
本発明は、以下の<1>から<7>の態様を包含してよい。
<1>検体と、フェナントレンキノン骨格を有するイソチオシアナート化合物とを接触させることと、前記検体に含まれるアミン化合物と前記イソチオシアナート化合物とから形成されるチアゾール誘導体を検出することと、を含むアミン化合物の検出方法。
<2>前記チアゾール誘導体の検出は、吸光度測定を含む<1>に記載の検出方法。
<3>前記チアゾール誘導体の検出は、電気化学的測定を含む<1>又は<2>に記載の検出方法。
<4>前記イソチオシアナート化合物は、下記式(1)で表される<1>から<3>のいずれかに記載の検出方法。
式(1)中、R101及びR103からR108は、それぞれ独立して、水素原子を示すか、又は置換若しくは無置換炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を示す。
<5>前記チアゾール誘導体は、下記式(2)で表される<1>から<4>のいずれかに記載の検出方法。
式(2)中、R203からR208は、それぞれ独立して、水素原子を示すか、又は置換若しくは無置換炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を示す。R211及びR212は、それぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは無置換炭化水素基を示す。R211及びR212で表される炭化水素基は互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよい。
<6>下記式(1)で表されるフェナントレンキノン骨格を有するイソチオシアナート化合物を含むアミン化合物の検出剤。
式(1)中、R101及びR103からR108は、それぞれ独立して、水素原子を示すか、又は置換若しくは無置換炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を示す。
<7>下記式(2)で表されるチアゾール誘導体。
式(2)中、R203からR208は、それぞれ独立して、水素原子を示すか、又は置換若しくは無置換炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を示す。R211及びR212は、それぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは無置換の炭化水素基を示す。R211及びR212で表される炭化水素基は互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよい。
本発明は、別の態様として、アミン化合物の検出方法における上記式(1)で表されるイソチオシアナート化合物の使用、アミン化合物の検出剤の製造における上記式(1)で表されるイソチオシアナート化合物の使用、アミン化合物の検出方法に使用される上記式(1)で表されるイソチオシアナート化合物を包含する。また、アミン化合物の検出方法における上記式(2)で表されるチアゾール誘導体の使用、アミン化合物の検出方法に使用される上記式(2)で表されるチアゾール誘導体を包含する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例における測定条件は以下の通りである。プロトン核磁気共鳴スペクトル(H-NMR)は、Bruker社製核磁気共鳴測定装置を用いて測定した。化学シフトの基準はテトラメチルシランとした。質量分析(MS)は、Bruker社製「Compact」を用いて、ESI-TOF方式で測定した。
合成例1
以下のスキームに示すように、9,10-フェナントレンキノン(PQ)を出発物質として、Chem.Mater.2015,27,3568.及びInorg.Chem.2016,55,3616.の記載を参考にして、フェナントレンキノン骨格を有するイソチオシアナート化合物(PQ-2-NCS)を合成した。
実施例1
イソチオシアナート化合物(PQ-2-NCS)300mg(1.13mmol)をTHF(安定剤不含、富士フイルム和光純薬株式会社製)48mLに添加し、完溶してPQ-2-NCS溶液を調製した。L-ロイシン(東京化成工業株式社製)296.7mg(2.26mmol)及びトリエチルアミン(富士フイルム和光純薬株式会社製)1.57mL(11.34mmol)を超純水24mLに溶解させて検体を調製した。検体をPQ-2-NCS溶液に加え、室温で1時間撹拌した。次に、この溶液に1M塩酸10mL及び超純水50mLを添加した。析出した物質を吸引ろ過によりろ取し、超純水で洗浄した後、自然乾燥して、黒色粉末としてチアゾール誘導体A-1を330mg得た。
得られたチアゾール誘導体A-1について、H-NMR測定及びMS測定を行った。
H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):12.75(br,1H),8.71(d,1H),8.22(d,1H),8.15(d,1H),7.99(dd,1H),7.68-7.85(m,2H),7.45(t,1H),4.50(br,1H),1.71-1.83(m,1H),1.62-1.69(m,2H),0.96(d,3H),0.92(d,3H)
MS(ESI-TOF):m/z=393.08,calcd for C2117S[M-H]393.09
実施例2
L-ロイシンの代わり、L-フェニルアラニンを用いた以外は、実施例1と同様にしてチアゾール誘導体A-2を得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):12.95(br,1H),8.80(d,1H),8.22(d,1H),8.17(d,1H),7.98(dd,1H),7.68-7.74(m,2H),7.44(s,1H),7.27-7.31(m,4H),7.18-7.24(m,1H),4.71-4.76(m,1H),3.25(dd,1H),3.04(dd,1H)
MS(ESI-TOF):m/z=427.07,calcd for C2415S[M-H]427.08
実施例3
L-ロイシンの代わり、L-イソロイシンを用いた以外は、実施例1と同様にしてチアゾール誘導体A-3を得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):12.77(br,1H),8.63(d,1H),8.23(d,1H),8.15(d,1H),7.99(dd,1H),7.73(t,1H),7.69(d,1H),7.45(t,1H),4.50(m,1H),1.94(m,1H),1.53(m,1H),1.34(m,1H),0.98(d,3H),0.92(t,3H)
MS(ESI-TOF):m/z=393.09,calcd for C2117S[M-H]393.09
実施例4
L-ロイシンの代わり、L-バリンを用いた以外は、実施例1と同様にしてチアゾール誘導体A-4を得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):12.80(br,1H),8.63(d,1H),8.23(d,1H),8.16(d,1H),8.00(d,1H),7.74(t,1H),7.70(d,1H),7.46(t,1H),4.47(m,1H),2.23(m,1H),1.02(d,6H)
MS(ESI-TOF):m/z=379.08,calcd for C2015S[M-H]379.08
実施例5
L-ロイシンの代わり、ヒスタミン二塩酸塩を用いた以外は、実施例1と同様にしてチアゾール誘導体A-5を得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):11.96(br,1H),10.30(s,1H),8.48(d,1H),8.28(br,1H),8.17-8.24(m,2H),8.07-8.15(m,2H),7.88-7.95(m,2H),7.60(s,1H),6.90(s,1H),3.77(d,1H),2.83(t,1H)
MS(ESI-TOF):m/z=375.08,calcd for C2015S[MH]375.09
合成例2
以下のスキームに示すように、2-アミノアントラキノン(AQ-2-NH)を出発物質として、Inorg.Chem.2016,55,3616.の記載を参考にして、アントラキノン骨格を有するイソチオシアナート化合物(AQ-2-NCS)を合成した。
比較例1
フェナントレンキノン骨格を有するイソチオシアナート化合物(PQ-2-NCS)の代わりに、アントラキノン骨格を有するイソチオシアナート化合物(AQ-2-NCS)を用いた以外は、実施例1と同様にして、L-ロイシンを含む検体とイソチオシアナート化合物(AQ-2-NCS)との反応生成物B-1を得た。
得られた反応生成物B-1について、H-NMR測定及びMS測定を行った。得られた反応生成物B-1は以下に示すチオウレア誘導体であった。
H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):12.83(br,1H),10.33(s,1H),8.58(s,1H),8.42(d,1H),8.09-8.23(m,4H),7.91-7.99(m,3H) ,4.92(m,1H),1.75(m,3H),0.89(t,6H)
MS(ESI-TOF):m/z=395.11,calcd for C2119S[M-H]395.11
比較例2
L-ロイシンの代わりにL-フェニルアラニンを用いた以外は、比較例1と同様にして、検体とイソチオシアナート化合物(AQ-2-NCS)との反応生成物B-2を得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ(ppm):13.10(br,1H),10.50(s,1H),8.58(d,1H),8.28(d,1H),8.20-8.25(m,2H),8.14(d,1H),8.06(dd,1H),7.90-7.96(m,2H),7.32-7.36(m,2H),7.24-7.27(m,3H),5.15(m,1H),3.27(m,1H),3.09-3.14(m,1H)
MS(ESI-TOF):m/z=429.09,calcd for C2417S[M-H]429.09
吸収スペクトルの測定
上記で得られたチアゾール誘導体A-1からA-5、反応生成物B-1及びB-2、PQ-2-NCS、AQ-2-NCSについて、吸光スペクトルを測定した。溶媒としてアセトニトリルを用いて、それぞれの濃度が50μMになるように吸光度測定用試料を調製した。
調製した吸光度測定用試料3mLを、紫外可視分光光度計(UV1800島津製作所製)を用いて吸収スペクトルの測定を行った。それぞれの極大吸収波長をEtN(-)として表1に示す。また、チアゾール誘導体A-1からA-5、反応生成物B-1及びB-2の吸光度測定用試料に対して、トリエチルアミン(EtN)100μLを添加した後の吸収スペクトルを併せて測定した。それぞれの極大吸収波長をEtN(+)として表1に示す。さらに、チアゾール誘導体A-1及びPQ-2-NCSの吸収スペクトルを図1に示す。図1では、PQ-2-NCSの吸収スペクトルを点線で示し、チアゾール誘導体A-1の吸収スペクトルを実線で示し、チアゾール誘導体A-1にトリエチルアミンを添加した吸収スペクトルを破線で示す。
表1の結果より、アミン化合物とイソチオシアナート化合物との反応で得られたチアゾール誘導体の方が、比較例で得られた化合物よりも、極大吸収波長が大幅に長波長化していることが分かる。すなわち、実施例で得られたチアゾール誘導体の方が、色味変化が大きく現れ、着色視認性が向上していることが分かる。さらに、アミン化合物としてアミン酸を用いた場合には、塩基(トリエチルアミン)添加により、極大吸収波長がさらに長波長化することが分かる。
電気化学的測定1
上記で得られたチアゾール誘導体A-1からA-4、反応生成物B-1及びB-2、PQ-2-NCS及びAQ-2-NCSについて、電気化学的測定(サイクリックボルタンメトリー測定)を行った。100mM テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム(TBABF)/アセトニトリル溶液に、各化合物を0.5mMになるよう溶解して、電気化学的測定用試料を調製した。
参照電極として非水系参照電極RE-7(ビーエーエス社製)、作用電極としてGC電極、対電極として白金電極を用い、電気化学測定装置(Model 660E ビーエーエス社製)を用いてサイクリックボルタンメトリー(CV)測定を行った。測定範囲は-1.5Vから1.2V、掃引速度は100mV/sとし、フェロセン(Fc/Fc)を基準電位として測定した。測定前には、30秒間窒素ガスによるバブリングを行った。CV測定を6回行い、6回目の測定における各酸化ピークの電位を表2に示す。また、チアゾール誘導体A-1についてのサイクリックボルタノグラムの例を図2に示す。
表2の結果より、比較例1及び2の比較から、第1酸化ピークの電位(第1酸化電位)は、アミン化合物の構造によらずにほぼ一致した。また第2酸化ピークは、ピーク形状が不明瞭であった。以上から、アントラキノン骨格でアミン化合物を識別することができないことが分かる。一方、実施例に係るフェナントレンキノン骨格を有するチアゾール誘導体では、第2酸化ピークの電位(第2酸化電位)と第3酸化ピークの電位(第3酸化電位)が、アミン化合物の構造の違いによって、明確に異なることが分かる。つまり、実施例に係るチアゾール誘導体を用いることで、アミン化合物を識別できることが分かる。
電気化学的測定2
上記で得られたチアゾール誘導体A-1からA-4について、上記と同様の条件でそれぞれ複数回のサイクリックボルタンメトリー(CV)測定を行った。チアゾール誘導体A-1については、バッチa、b及びcで得られた3種の試料について計5回のCV測定を行った。チアゾール誘導体A-2については、バッチd、e及びfで得られた3種の試料について計4回のCV測定を行った。チアゾール誘導体A-3については、バッチg及びhで得られた2種の試料について計3回のCV測定を行った。チアゾール誘導体A-4については、バッチiで得られた1種の試料について2回のCV測定を行った。結果を表3に示す。
それぞれのチアゾール誘導体のCV測定で得られた第1酸化電位及び第2酸化電位について、第1酸化電位を横軸とし、第2酸化電位を縦軸として2次元プロットした。結果を図3に示す。
図3から、それぞれのチアゾール誘導体において、バッチや測定回数の違いによりバラつきは見られるものの、そのバラつき方は、化合物によってある程度決まっている様子が分かる。つまり、第1酸化電位と第2酸化電位から、アミン化合物をある程度推定することができると言える。
日本国特許出願2022-090378号(出願日:2022年6月2日)の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (7)

  1. 検体とフェナントレンキノン骨格を有するイソチオシアナート化合物とを接触させることと、
    前記検体に含まれるアミン化合物と前記イソチオシアナート化合物とから形成されるチアゾール誘導体を検出することと、を含むアミン化合物の検出方法。
  2. 前記チアゾール誘導体の検出は、吸光度測定を含む請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記チアゾール誘導体の検出は、電気化学的測定を含む請求項1に記載の検出方法。
  4. 前記イソチオシアナート化合物は、下記式(1)で表される請求項1に記載の検出方法。
    (式(1)中、R101及びR103からR108は、それぞれ独立して、水素原子を示すか、又は置換若しくは無置換の炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を示す)
  5. 前記チアゾール誘導体は、下記式(2)で表される請求項1に記載の検出方法。
    (式(2)中、R203からR208は、それぞれ独立して、水素原子を示すか、又は置換若しくは無置換の炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、3級アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を示し、R211及びR212は、それぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは無置換の炭化水素基を示し、R211及びR212で表される炭化水素基は互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよい)
  6. 下記式(1)で表されるフェナントレンキノン骨格を有するイソチオシアナート化合物を含むアミン化合物の検出剤。
    (式(1)中、R101及びR103からR108は、それぞれ独立して、水素原子を示すか、又は置換若しくは無置換の炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を示す)
  7. 下記式(2)で表されるチアゾール誘導体。
    (式(2)中、R203からR208は、それぞれ独立して、水素原子を示すか、又は置換若しくは無置換の炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、3級アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を示し、R211及びR212は、それぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは無置換の炭化水素基を示し、R211及びR212で表される炭化水素基は互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよい)
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