以下、本発明に関して、図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に限定されることはなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。各図において、便宜上、ハッチングや符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図を参照するものとする。また、図面における種々部品の寸法は、本発明の特徴を理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
本発明のバルーンカテーテルの一実施態様は、遠位端と近位端を有し、長手方向に延在しているシャフトと、シャフトの遠位部に設けられており、拡径と縮径が可能であって、折り目を有しているバルーンと、バルーンの外面に配置されている絶縁基材と、絶縁基材上に配置されている電極と、を有しており、絶縁基材は折り曲げ部を有しており、折り曲げ部は絶縁基材のうち折り曲げ部以外の部分よりも剛性が低く、折り曲げ部は折り目上に配置されている点に要旨を有する。
図1~図7を参照して本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの全体構成について説明する。図1、図5、図6ではシャフト10と、バルーン20と、絶縁基材30と、電極40と、を有しているバルーンカテーテル1を示す。本図面においては、シャフト10の長手方向をx、径方向をyで示している。径方向yは、長手方向xに垂直な方向であるが、ここでは長手方向xに垂直な一方向のみを示している。なお、シャフト10の長手方向xとはシャフト10の延在方向である。
本明細書内において、近位側とはシャフト10の延在方向に対して使用者の手元側を指し、遠位側とは近位側の反対側、即ち処置対象側を指す。また、各部材の遠位部とは各部材のうちの遠位側半分を指し、各部材の近位部とは各部材のうちの近位側半分を指す。
図1は、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの一例を示す側面図(一部断面図)を表しており、バルーン20が拡径している状態を表す。図2は、図1に示すバルーン20の外面に設けられている一の絶縁基材30と、その絶縁基材30上に配置されている電極40のみを拡大した図を表す。図3は、図1に示すバルーンカテーテル1のIII-III線における切断部端面図を表す。図4は、図1に示すバルーンカテーテル1が折り畳まれている態様を示す切断部端面図を表すものであるが、より詳細には、図3に示すバルーンカテーテルに設けられているバルーン20が折り目200に沿って折り畳まれている態様を示す切断部端面図を表す。図5は、図1に示すバルーンカテーテル1に設けられているバルーン20が縮径されている態様を示す側面図を表しているが、より詳細には、バルーン20が図4に示すように折り目200に沿って折り畳まれた後に、バルーン20のうち径方向外方に突出している部分がシャフト10の周方向に倒されてシャフト10に巻きつけられることで縮径されている状態を示している。また、図5では、バルーンカテーテル1を処置部に搬送する際に使用される搬送用のシース2について、断面図を表している。図6は、図5に示すバルーンカテーテル1がシース2に挿入されている状態を示す側面図を表し、シース2については断面図を表す。図7は、図2に示す絶縁基材30と電極40の変形例を示す図を表す。
図1に示すように、バルーンカテーテル1はシャフト10を有する。シャフト10は、遠位端10aと近位端10bを有し、長手方向xに延在している。
図1に示すように、バルーンカテーテル1はバルーン20を有し、バルーン20はシャフト10の遠位部に設けられている。図3、図4に示すように、バルーン20は、拡径と縮径が可能であって、折り目200を有している。折り目200は、バルーン20を折ったときにつく線のことである。
図1~図4に示すように、バルーンカテーテル1は絶縁基材30を有する。絶縁基材30は、後述する電極40をバルーン20に保持させるために設けられているもので、電気を通しにくい性質を持つ部材である。絶縁基材30はバルーン20の外面に配置されているもので、折り曲げ部32を有している。折り曲げ部32は、絶縁基材30のうち折り曲げ部以外の部分31よりも剛性が低くなるように構成されている部分である。
図1~図4に示すように、バルーンカテーテル1は電極40を有する。電極40は、電界をつくったり電流を流したり電気信号を取り出したりするのに用いられるものである。電極40は絶縁基材30上に配置されている。
図1に示すように、バルーンカテーテル1では、絶縁基材30の折り曲げ部32がバルーン20の折り目200上に配置されている。
図6に示すように、縮径されたバルーン20を有しているバルーンカテーテル1は、搬送用のシース2に挿入された状態で処置部まで搬送される。図6に示すように、折り目200に沿って折り畳まれ、縮径された状態で処置部まで搬送されたバルーン20を、図5に示すように、シース2の遠位端部から突出させ、処置部で図1に示すように拡径させる。その後、該バルーン20を抜去する前には該バルーン20は縮径され、シース2内に挿入される必要がある。このとき、絶縁基材30に折り曲げ部32が配置されていることにより、絶縁基材30の折り曲げ部以外の部分31では折り曲がることを抑制しやすくすることができるため、絶縁基材30は折り曲げ部32で折り曲げられやすくなる。また、当該折り曲げ部32はバルーン20の折り目200上に配置されているため、図3に示すように拡径していたバルーン20は、図4に示すように折り目200に沿って折り畳まれやすくなる。これにより、拡径後のバルーン20を拡径前の形状に縮径させやすくすることができ、コンパクトに縮径させやすくすることができる。このため、バルーンカテーテル1を処置部まで搬送する際に使用される搬送用のシース2の内径を、従来よりも小さく設計しやすくすることができ、シース2を細径化しやすくすることができる。
上記バルーンカテーテル1は、例えば、生体組織を焼灼する際に使用されるアブレーションカテーテルとして使用することができる。バルーンカテーテル1の用途の一例としては、心房細動の治療法の一つである肺静脈隔離術が挙げられる。
シャフト10は、体内に挿入されるため、好ましくは可撓性を有している。これにより体腔の形状に沿ってシャフト10を変形させることができる。また、形状保持のため、シャフト10は弾性を有していることが好ましい。
シャフト10としては、例えば一または複数の線材を所定のパターンで配置することで形成された中空体;上記中空体の内側表面または外側表面の少なくともいずれか一方に樹脂をコーティングしたもの;樹脂チューブ;またはこれらを組み合わせたもの、例えばこれらを長手軸方向に接続したものが挙げられる。線材が所定のパターンで配置された中空体としては、線材が単に交差される、または編み込まれることによって網目構造を有する筒状体や、線材が巻回されたコイルが示される。線材は、一または複数の単線であってもよく、一または複数の撚線であってもよい。樹脂チューブは、例えば押出成形によって製造することができる。シャフト10が樹脂チューブである場合、シャフト10は単層または複数層から構成することができる。シャフト10は長手方向xまたは周方向の一部が単層から構成されており、他部が複数層から構成されていてもよい。
シャフト10は、例えば、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン)、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン)、ポリエステル樹脂(例えば、PET)、芳香族ポリエーテルケトン樹脂(例えば、PEEK)、ポリエーテルポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂(例えば、PTFE、PFA、ETFE)等の合成樹脂や、ステンレス鋼、炭素鋼、ニッケルチタン合金等の金属から構成することができる。これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
図1に示すように、シャフト10は、外管11と、外管11の内腔に配置されている内管12から構成されていてもよい。内管12の内腔は、例えばガイドワイヤの挿通路として使用することができる。
図1で示すように、シャフト10の近位部は二又に分岐していてもよい。例えば、分岐の第1の側に後述する流体調節器52が接続され、分岐の第2の側に操作部51が配されている構成とすることができる。図1に示すように、操作部51は、内管12の近位部に接続されることができる。
バルーン20は樹脂から構成されていることが好ましい。バルーン20を構成する樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂が好適に用いられる。バルーンの薄膜化や柔軟性の点からはエラストマー樹脂を用いることができる。
図1に示すように、シャフト10が外管11と内管12を有している場合は、内管12が外管11の遠位端から延出してバルーン20を長手方向xに貫通し、バルーン20の遠位端部が内管12の遠位部に固定されており、バルーン20の近位端部が外管12の遠位部に固定されていることが好ましい。外管11と内管12の間の空間に流体を流入させることにより、バルーン20を拡径させることができる。
図1に示すように、シャフト10の近位部には、バルーン20の内部に流体を供給したりバルーン20の内部から流体を排出したりするためのシリンジ等の流体調節器52が接続されていてもよい。バルーン20の内部に流体を供給することでバルーン20を拡径させることができる。バルーン20の内部から流体を排出することでバルーン20を縮径させることができる。
バルーン20の内部に供給される流体としては、例えば、生理食塩水、造影剤、またはこれらの混合液等の液体や、空気、窒素、炭酸ガス等の気体を挙げることができる。
図1に示すように、バルーン20は折り目200を有する。折り目200は、例えばバルーンカテーテルの製造方法について説明している部分で詳述しているように、金型を用いてバルーン20に形成することができる。
図1に示すように、バルーン20は、筒状の直管部21と、直管部21よりも遠位側に設けられている遠位側テーパー部22と、直管部21よりも近位側に設けられている近位側テーパー部23とを有していてもよい。
折り目200は、バルーン20の直管部21に設けられていることが好ましい。折り目200は、バルーン20の直管部21にのみ設けられていてもよいが、バルーン20の直管部21、遠位側テーパー部22および近位側テーパー部23の全てに設けられていてもよい。
図1、図3、図4に示すように、バルーン20において、折り目200は複数存在していてもよい。折り目200は複数存在しており、複数の折り目200は並列していてもよい。図3、図4では、折り目200がバルーン20に6個設けられている態様を示しているが、折り目200の数はこれに限定されるわけではなく、バルーン20の大きさなどに合わせて適宜設定することができる。例えば、折り目200は、1個以上であってもよいし、3個以上であってもよいし、5個以上であってもよいし、7個以上であってもよい。バルーン20に設けられる折り目200は、例えば15個以下、10個以下等にすることができる。図3、図4に示している例では、第1の折り目201、第2の折り目202、第3の折り目203、第4の折り目204、第5の折り目205、第6の折り目206を有しているバルーン20を示している。
図4に示すように、バルーン20には、山折りの折り目200と谷折りの折り目200が交互に設けられていることが好ましい。ここで、山折りの折り目200とは、径方向y外方に向かって突出するように折られる折り目200のことをいい、谷折りの折り目200とは径方向y内方に向かって突出するように折られる折り目200のことをいう。例えば、図4では、第1の折り目201と第3の折り目203と第5の折り目205が山折りの折り目200であり、第2の折り目202と第4の折り目204と第6の折り目206が谷折りの折り目200である。山折りの折り目200と谷折りの折り目200が交互に設けられていることにより、谷折りの折り目200部分を起点として山折りの折り目200部分をシャフト10の周方向に倒れやすくすることができるため、バルーン20をコンパクトに縮径させやすくすることができる。
図1に示すように、バルーン20に存在している折り目200はシャフト10の長手方向xに延在していてもよい。折り目200は、その全体がシャフト10の長手方向xに延在していてもよいし、その一部のみがシャフト10の長手方向xに延在していてもよい。
絶縁基材30は可撓性を有していることが好ましい。これにより、絶縁基材30がバルーン20の変形に追従しやすくすることができる。また、形状保持のため、絶縁基材30は弾性を有していてもよい。
絶縁基材30は樹脂から構成されていることが好ましい。絶縁基材30の電気絶縁性を確保できるとともにバルーン20に固定しやすくすることができる。絶縁基材30を構成する樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
絶縁基材30はバルーン20の外面に配置されている。詳細には絶縁基材30はバルーン20の外面に固定されていることが好ましく、バルーン20の直管部21の外面に固定されていることがより好ましい。絶縁基材30は、バルーン20の外面に直接接合されることで固定されていてもよく、間接的に接合されることで固定されていてもよい。絶縁基材30は、例えば、溶着または接着剤による接着等の方法でバルーン20の外面に固定することができる。
絶縁基材30の形状は特に限定されないが、円形状、長円形状、多角形状、またはこれらの組み合わせとすることができる。
絶縁基材30はバルーン20の外面の一部のみに配置されていてもよい。絶縁基材30はバルーン20の外面の全体に亘って配置されていなくてもよい。絶縁基材30をバルーン20の外面の一部にのみ設けることで、バルーン20の柔軟性が確保されやすくなる。
絶縁基材30は、バルーン20の直管部21に設けられていることが好ましい。絶縁基材30は、バルーン20の直管部21にのみ設けられていてもよいが、バルーン20の直管部21、遠位側テーパー部22および近位側テーパー部23の全てに設けられていてもよい。
絶縁基材30は、折り目200上に配置されている部分よりもそれ以外の部分の方が厚くてもよいし、折り目200上に配置されている部分よりもそれ以外の部分の方が薄くてもよい。
折り曲げ部32は、絶縁基材30のうち折り曲げ部以外の部分31よりも剛性が低くなるように構成されていればよい。折り曲げ部32と折り曲げ部以外の部分31は同じ材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。折り曲げ部32の厚みが折り曲げ部以外の部分31の厚みよりも小さくてもよいし、折り曲げ部32の厚みが折り曲げ部以外の部分31の厚みよりも大きくてもよい。
例えば、折り曲げ部32と折り曲げ部以外の部分31が同じ材料で構成されており、折り曲げ部32の厚みが折り曲げ部以外の部分31の厚みよりも小さくなるように構成することで、折り曲げ部32が折り曲げ部以外の部分31よりも剛性が低くなるように構成することができる。
折り曲げ部32に使用する材料よりも、折り曲げ部以外の部分31に使用する材料の方が、伸び率が低くなるように構成することによって折り曲げ部32が折り曲げ部以外の部分31よりも剛性が低くなるように構成することもできる。例えば、折り曲げ部32の厚みと折り曲げ部以外の部分31の厚みが同じになるように構成する場合には、折り曲げ部32に使用する材料よりも、折り曲げ部以外の部分31に使用する材料の方が、伸び率が低くなるように構成すればよい。ここでいう伸び率とは、折り曲げ部32を構成する材料で構成された試料と、該試料と同一形状に形成された折り曲げ部以外の部分31を構成する材料で構成された試料と、を準備して、これらの試料の一方端と他方端をつかみ幅が同じになるように把持した状態で同じ強さ(N)で引っ張ったときの伸び率(%)を指す。
他にも、図7に示すように、折り曲げ部32は、絶縁基材30に対して、破線状の切れ目が入れられることによって形成されていてもよい。これにより、絶縁基材30のうち、破線状の切れ目が入れられた部分が、他の部分よりも剛性が低くなるように構成することができる。
図示しないが、折り曲げ部32は、板状やシート状に形成された絶縁基材30を折り曲げることによって形成された折り曲げ跡であっても構わない。このようにして折り曲げ跡が形成された部分については、他の部分よりも剛性が低くなる。
図1、図2、図7で示すように、1つの絶縁基材30は、折り曲げ部以外の部分31を2つ有しており、2つの折り曲げ部以外の部分31の間に折り曲げ部32が存在するように形成されていることが好ましい。また、図1に示すように、1つの絶縁基材30は、折り曲げ部以外の部分31を2つ有しており、2つの折り曲げ部以外の部分31の間に折り曲げ部32が存在するように形成され、かつ、バルーン20の折り目200を軸として、線対称に設けられていることがより好ましい。このような構成とすることで、折り曲げ部以外の部分31が折り曲げ部32の両側から折り曲げ部32で折り曲がることを促進しやすくすることができるため、バルーン20が折り畳まれる際に、折り曲げ部32が配置されているバルーン20の折り目200部分で折り畳まれやすくすることができる。これにより、拡径後のバルーン20を拡径前の形状に縮径させやすくすることができ、コンパクトに縮径させやすくすることができる。
図1に示すように、絶縁基材30のうち、折り曲げ部32のみがバルーン20の折り目200上に配置され、折り曲げ部以外の部分31はバルーン20の折り目200上に配置されていないことが好ましい。これにより、バルーン20が折り畳まれる際に、折り曲げ部32が配置されているバルーン20の折り目200において折り畳まれやすくすることができる。
図1、図2で示すように、折り曲げ部32は折り曲げ部以外の部分31よりも表面積が小さくてもよい。
図2に示すように、1つの絶縁基材30は、2つの折り曲げ部32を有しており、2つの折り曲げ部32の間には、シャフト10の長手方向xにおける長さが折り曲げ部32よりも長い間隙33が存在していることが好ましい。
図1に示すように、1つの絶縁基材30は、2つの折り曲げ部32を有しており、2つの折り曲げ部32の間には、シャフト10の長手方向xにおける長さが折り曲げ部32よりも長い間隙33が存在しており、2つの折り曲げ部32と間隙33がバルーン20の折り目200上に配置されていることがより好ましい。これにより、バルーン20が折り目200において折り畳まれやすくなる。
図1、図2、図7に示すように、折り曲げ部以外の部分31の形状は長尺状であることが好ましい。長尺状の折り曲げ部以外の部分31が、シャフト10の長手方向xに延在していることも好ましい。長尺状の折り曲げ部以外の部分31が、折り目200の延在方向と同じ方向に延在していることがより好ましい。これにより、バルーン20が折り目200において折り畳まれやすくなる。
電極40を構成する材料は導電性を有していればよく、例えば金属、または樹脂と金属を含む混合物から構成することができる。中でも、導電性樹脂や、金、銀、銅、白金、白金イリジウム合金、ステンレス、タングステン等の金属を用いることが好ましい。
電極40の形状は特に限定されないが、円形状、長円形状、多角形状、またはこれらの組み合わせとすることができる。
電極40は、折り曲げ部32に配置されていてもよいし、折り曲げ部以外の部分31に配置されていてもよい。
電極40を絶縁基材30上に配置する方法としては、絶縁基材30上に薄膜を設ける方法が挙げられる。薄膜の形成には、エッチング法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法を用いることができる。
図示しないが、電極40は、バルーン20の折り目200上に配置されていてもよい。当該構成とすることで、バルーン20の折り目200上に絶縁基材30と電極40が配置されることになる。折り目200が後述するように加熱した金型によって形成させるような場合は、折り目200部分がバルーン20の他の部分と比較してわずかに伸びやすく、バルーン20を拡張させたときに折り目200以外の部分よりも径方向外方にわずかながら突出しやすくなる。このため、電極40がバルーン20の折り目200上に配置されていることにより、体腔内においてバルーン20を拡径させたときに、電極40を処置部に接触させやすくすることができる。
電極40は、折り目200上に配置されている部分よりもそれ以外の部分の方が厚くてもよい。折り目200が後述するように加熱した金型によって形成させるような場合は、折り目200部分がバルーン20の他の部分と比較してわずかに伸びやすく、バルーン20を拡張させたときに折り目200以外の部分よりも径方向外方にわずかながら突出しやすくなる。折り目200上に配置されている部分よりもそれ以外の部分の方が厚くなるように電極40を構成することにより、折り目200上に配置されている部分とそれ以外の部分の処置部への接触のさせやすさの差をなくしやすくすることができる。
電極40は、折り目200上に配置されている部分よりもそれ以外の部分の方が薄くてもよい。これにより、折り目200における剛性を低くしやすくすることができるため、バルーン20の折り目200での折り畳みが行われやすくなる。
図1に示すように、電極40は、バルーン20の折り目200上に配置されていなくてもよい。これにより、折り目200における剛性を低くしやすくすることができるため、バルーン20の折り目200での折り畳みが行われやすくなる。
電極40は、バルーン20の直管部21に設けられていることが好ましい。電極40は、バルーン20の直管部21にのみ設けられていてもよいが、バルーン20の直管部21、遠位側テーパー部22および近位側テーパー部23の全てに設けられていてもよい。
図1~図4に示すように、バルーンカテーテル1には、電極40として、生体組織を焼灼する焼灼電極41およびインピーダンスを測定する測定電極42が絶縁基材30上に配置されていてもよい。
焼灼電極41は、絶縁基材30上に配置されており、高周波電流が通電されて生体組織を焼灼する電極である。詳細には焼灼電極41は絶縁基材30の外面に固定されており、生体組織と接触できるように、焼灼電極41はバルーン20の表面に露出していることが好ましい。
図1に示すように、複数の焼灼電極41が一の絶縁基材30上に設けられている場合は、複数の焼灼電極41が、バルーン20の折り目200を軸として、線対称に設けられていることが好ましい。
図1、図2に示すように、平面視における焼灼電極41の形状は凸型形状でもよい。図示しないが、平面視における焼灼電極41の形状は矩形や多角形でもよい。
焼灼電極41は生体組織の焼灼だけでなく生体電位の測定に使用してもよい。生体電位は、例えばバルーンカテーテル1に好ましく設けられる参照電極と焼灼電極41との電位差を測定することで取得できる。参照電極としては、シャフト10のうちバルーン20よりも遠位側または近位側に設けられる電極や、患者の身体の表面に貼り付けられる体表電極を用いることができる。
図示していないが、焼灼電極41は第1の導線に接続されており、第1の導線は手元側まで延びて、高周波発生器53に接続されていることが好ましい。高周波電界を印加することで焼灼電極41を加熱することができる。第1の導線は絶縁基材30に固定されていることが好ましい。高周波発生器53は電源回路や高周波発振回路を含んでいてもよい。図示していないが、焼灼電極41と高周波発生器53の間にはインピーダンス整合回路が設けられてもよい。
測定電極42は、生体組織のインピーダンスを測定するために設けられている電極である。測定電極42の表面積は焼灼電極41の表面積よりも小さくてもよい。測定電極42は、絶縁基材30上の焼灼電極41の周囲に配置されていることが好ましい。一の絶縁基材30上に、測定電極42が複数設けられていることが好ましい。
図1に示すように、一の絶縁基材30上に複数の測定電極42が設けられている場合は、複数の測定電極42が、バルーン20の折り目200を軸として、線対称に設けられていることが好ましい。
図示していないが、測定電極42は第2の導線に接続されており、第2の導線は手元側まで延びて測定部54に接続されていることが好ましい。これにより測定電極42で測定された生体電位の信号を測定部54へ送ることができる。測定部54によって測定電極42と焼灼電極41の間、2つの測定電極30の間のインピーダンスを測定することができる。
第1の導線および第2の導線は、導電ワイヤなどの導電性の線状体であってもよく、絶縁基材30にプリントされた導電性物質であってもよい。第1の導線は、バルーン20の内面上、バルーン20と絶縁基材30の間、または絶縁基材30の外面上に配置することができる。第1の導線および第2の導線は金属酸化物や金属の薄膜であってもよい。第1の導線は、シャフト10において、シャフト10の外面上、内面上、外面と内面の間の肉厚部分、または内腔内に配置することができる。
図1、図2に示すように、測定電極42は焼灼電極41よりも折り曲げ部32に近い位置に配置されていてもよい。
図7に示すように、焼灼電極41は測定電極42よりも折り曲げ部32に近い位置に配置されていてもよい。
図1に示すように、焼灼電極41は測定電極42よりも折り目200に近い位置に配置されていてもよい。
図示しないが、さらに、温度センサーが絶縁基材30上に設けられていてもよい。温度センサーは、その周囲の温度を測定することができるセンサーである。温度センサーは、折り曲げ部32に設けられていてもよいが、折り曲げ部32の剛性を低くしやすくする観点からは、折り曲げ部以外の部分31に設けられることが好ましい。
ここまで、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテル1について説明した。次に、図1~図10を参照しながら、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの製造方法について説明する。上記で既に説明した部材などについては、同じ符号を付して説明を省略する。
本発明のバルーンカテーテルの製造方法の一実施態様は、遠位端と近位端を有し長手方向に延在しているシャフトの遠位部に、拡径と縮径が可能なバルーンを固定するステップと、バルーンに対して折り目を形成する金型を加熱し、該金型でバルーンをプレスすることにより、バルーンに対して折り目を形成するステップと、絶縁基材に対して、絶縁基材の他の部分よりも剛性が低い折り曲げ部を形成するステップと、絶縁基材上に電極を配置するステップと、折り曲げ部が折り目上に配置されるように、絶縁基材をバルーンの外面に配置するステップと、を有している点に要旨を有する。
図8は、本発明のバルーンカテーテルの製造方法において用いられる金型の一例を示す側面図(一部断面図)を表す。図9は、図8のIX-IX線における切断部端面図を表す。図10は、図9に示す金型60がバルーン24をプレスしている状態を示す切断部端面図を表す。
図8に示すように、遠位端10aと近位端を有し、長手方向xに延在しているシャフト10の遠位部に、拡径と縮径が可能なバルーン24を固定する。シャフト10に固定されるバルーン24の基本的な構成は上述したバルーン20と同様であるが、上述したバルーン20は折り目200を有しているのに対して、シャフト10の遠位部に固定されるバルーン24は折り目を有していない点で異なる。
シャフト10の遠位部に固定されたバルーン24に対して折り目を形成するにあたり、折り目を形成するための金型60を加熱する。
図8、図9に示すように、シャフト10の遠位部に固定されたバルーン24は、流体が注入され、拡径された状態で加熱された金型60にセットされる。そして、金型60でバルーン24がプレスされることにより、バルーン24に対して折り目が形成される。バルーン24を金型60でプレスする際は、バルーン24を収縮させながら金型60でプレスすることが好ましい。即ち、バルーン24に注入された流体を排出させながら、金型60でプレスすることが好ましい。金型60でプレスされたことによって折り目200が形成された状態のバルーン20を示しているのが図10である。このようにして、折り目200が形成されたものが上述したバルーン20に相当する。
絶縁基材30に対して、絶縁基材30の他の部分よりも剛性が低い折り曲げ部32を形成する。折り曲げ部32は、バルーンカテーテルについて説明している部分で述べたようにして、絶縁基材30のうち折り曲げ部以外の部分31よりも剛性が低くなるように構成する。
上記のようにして折り曲げ部32が形成された絶縁基材30上に、電極40を配置する。バルーンカテーテルについて説明している部分で述べたように、絶縁基材30上に電極40を配置する。
上記のようにして電極40が配置された絶縁基材30について、折り曲げ部32が折り目200上に配置されるようにバルーン20の外面に配置する。バルーンカテーテルについて説明している部分で述べたように、絶縁基材30をバルーン20の外面に配置する。
折り目200に沿って折り畳まれ、縮径された状態で処置部まで搬送されたバルーン20を処置部で拡径した後、該バルーン20を抜去する前には該バルーン20は縮径される必要がある。このとき、絶縁基材30に折り曲げ部32が配置されていることにより、絶縁基材30の折り曲げ部以外の部分31では折り曲がることを抑制しやすくすることができるため、絶縁基材30は折り曲げ部32で折り曲げられやすくなる。また、当該折り曲げ部32はバルーン20の折り目200上に配置されているため、バルーン20は折り目200に沿って折り畳まれやすくなる。これにより、拡径後のバルーン20を拡径前の形状に縮径させやすくすることができ、コンパクトに縮径させやすくすることができる。よって、上記製造方法によれば、バルーン20を拡径前の形状に縮径させやすくすることができ、コンパクトに縮径させやすくすることができるバルーンカテーテル1を製造することができる。
シャフト10の遠位部に拡径と縮径が可能なバルーン24を固定するステップの前に、遠位端10aと近位端を有し、長手方向xに延在しているシャフト10と、拡径と縮径が可能なバルーン24と、絶縁基材30と、電極40と、バルーン24に対して折り目を形成する金型60を準備するステップを有していてもよい。
金型60は、バルーン24に対して折り目を形成することができるものであればよい。例えば、図9に示すように、金型60は、シャフト10が配置される側に突出するように形成された頂部61aを有する第1部分61と、第1部分61とは異なる位置に配置されており、シャフト10が配置される側に突出するように形成された頂部62aを有する第2部分62と、第1部分61および第2部分62とは異なる位置に配置されており、シャフト10が配置される側に突出するように形成された頂部63aを有する第3部分63と、を有していてもよい。第1部分61、第2部分62および第3部分63を、それぞれが有している頂部がシャフト10に近づくように移動させるとともに、バルーン24を収縮させることにより、折り目200を形成することができる。図8~図10に示す金型60を用いる場合には、第1の折り目201、第2の折り目202、第3の折り目203、第4の折り目204、第5の折り目205、第6の折り目206を有するバルーン20を得ることができる。また、図8~図10に示す金型60を用いることにより、図10に示すように、山折りの折り目200と谷折りの折り目200を交互に有するバルーン20を得ることができる。
図9、図10に示すように、金型60のうちバルーン24に接する面は湾曲していることが好ましい。これにより、図10に示すように、径方向に突出している部分がシャフト10の周方向のうちの一方向に向かって傾斜するため、径方向に突出している部分をシャフト10の周方向のうちの一方向に倒れやすくすることができる。このため、バルーン20が折り目200に沿って折り畳まれた後に、径方向に突出している部分がシャフト10の周方向に倒れやすくなって、シャフト10に巻きつけられやすくすることができる。従って、バルーン20を縮径させやすくすることができる。
金型60のうちバルーン24に接する部分が加熱されることによって到達する温度は、バルーン24に対して折り目をつけることができる温度であれば特に限定されるものではない。